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JP7102907B2 - 合成開口ソーナー及びその信号処理方法、並びに信号処理プログラム - Google Patents
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合成開口ソーナー及びその信号処理方法、並びに信号処理プログラム Download PDF

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Description

本開示は、水中航走体に搭載される合成開口ソーナー(Synthetic Aperture Sonar:SAS)及びその信号処理方法、並びに信号処理プログラムに関する。
合成開口ソーナーは、低周波音響に固有の問題である空間分解能の低さを、合成開口処理により改善したソーナーであり、海面等の精密な画像を取得するために使用されている。合成開口ソーナーの合成開口処理は、例えば、特許文献1に開示されている。
特開2007-333473号公報
しかし、合成開口ソーナーの合成開口処理は、計算量が比較的多い。そのため、合成開口処理を行う信号処理器の処理負荷が大きく、処理時間を要し、リアルタイム化の阻害要因となっていた。
また、合成開口処理の処理時間を短縮するために、信号処理器に高速・高性能なCPU(Central Processing Unit)を採用すると、消費電力増大を招いていた。密閉空間である水中航走体の内部で合成開口処理を実行する場合、消費電力の増大は、内部温度の上昇につながるため、合成開口ソーナーの安定運用の観点からも看過し得ない要因となっていた。
本開示の目的は、上述した課題を解決し、合成開口処理を行う信号処理器の処理負荷を低減し、処理速度を高速化することができる合成開口ソーナー及びその信号処理方法、並びに信号処理プログラムを提供することにある。
一態様による合成開口ソーナーは、
音波の送受波を行う送受波器と、
前記送受波器で受波された受波音波のデータに対して合成開口処理を行う信号処理器と、を備え、
前記信号処理器は、
参照テーブルを選択し、
前記データに対して、2次元FFTを実行し、
前記2次元FFTの出力から、前記選択した参照テーブルに含まれるインデックスに対応する要素を抽出し、
前記抽出した要素に対して、前記選択した参照テーブルに含まれるテーブル係数を乗算し、
前記乗算の結果に対して、2次元IFFTを実行し、
前記2次元IFFTの出力を画像化する。
一態様による合成開口ソーナーの信号処理方法は、
送受波器で受波された受波音波のデータに対して合成開口処理を行う合成開口ソーナーの信号処理方法であって、
参照テーブルを選択し、
前記データに対して、2次元FFTを実行し、
前記2次元FFTの出力から、前記選択した参照テーブルに含まれるインデックスに対応する要素を抽出し、
前記抽出した要素に対して、前記選択した参照テーブルに含まれるテーブル係数を乗算し、
前記乗算の結果に対して、2次元IFFTを実行し、
前記2次元IFFTの出力を画像化する。
一態様による信号処理プログラムは、
コンピュータを、
送受波器で受波された受波音波のデータに対して合成開口処理を行う信号処理手段として機能させる信号処理プログラムであって、
前記信号処理手段は、
参照テーブルを選択し、
前記データに対して、2次元FFTを実行し、
前記2次元FFTの出力から、前記選択した参照テーブルに含まれるインデックスに対応する要素を抽出し、
前記抽出した要素に対して、前記選択した参照テーブルに含まれるテーブル係数を乗算し、
前記乗算の結果に対して、2次元IFFTを実行し、
前記2次元IFFTの出力を画像化する。
上述の態様によれば、合成開口処理を行う信号処理器の処理負荷を低減し、処理速度を高速化することができる合成開口ソーナー及びその信号処理方法、並びに信号処理プログラムを提供できるという効果が得られる。
実施の形態に係る合成開口ソーナーの構成例を示す図である。 実施の形態に係る参照テーブルの例を示す図である。 関連技術に係る合成開口処理のフローの例を示すフロー図である。 図3のステップS104のレプリカ及び参照関数の乗算処理の例を示す図である。 図3のステップS105~S107のStolt補間処理の例を示す図である。 図3のステップS105のインデックスの計算処理の例を示す図である。 図3のステップS105の補間係数の計算処理の例を示す図である。 図3のステップS106の要素の抽出処理の例を示す図である。 図3のステップS107の補間係数の乗算処理の例を示す図である。 図3のステップS105~S107のStolt補間処理に適用可能な最近傍法の例を示す図である。 実施の形態に係る合成開口ソーナーによる合成開口処理のフローの例を示すフロー図である。 図11のステップS203の参照テーブルの読込処理の例を示す図である。 図11のステップS205の要素の抽出処理の例を示す図である。 図11のステップS206のテーブル係数の乗算処理の例を示す図である。 実施の形態に係る合成開口ソーナーによる参照テーブルの読込方法の例を示す図である。 実施の形態を概念的に示した合成開口ソーナーの構成例を示す図である。
以下、図面を参照して本開示の実施の形態について説明する。なお、以下の記載及び図面は、説明の明確化のため、適宜、省略及び簡略化がなされている。また、以下の各図面において、同一の要素には同一の符号が付されており、必要に応じて重複説明は省略されている。
<実施の形態の構成>
まず、図1を参照して、本実施の形態に係る合成開口ソーナー1の構成例について説明する。本実施の形態に係る合成開口ソーナー1は、RAWデータを取得しながら航走する水中航走体の内部で、リアルタイムに合成開口処理を実行するものであるとする。また、本実施の形態に係る合成開口ソーナー1は、左舷と右舷とで送波波形を変えて音波を送受波することで、左右両舷のSAS画像を生成するものであるとする。また、本実施の形態に係る合成開口ソーナー1は、水中音速を計測するセンサ(後述の音速センサ13)を備え、RAWデータ取得時の水中音速を参照できるものであるとする。
図1に示されるように、本実施の形態に係る合成開口ソーナー1は、送受波器11L,11Rと、送受信器12と、音速センサ13と、信号処理器14と、外部記憶装置15と、を備えている。
送受波器11L,11Rは、音波の送受波を行うものである。送受波器11Lは、水中航走体の左舷側に設けられ、送波波形1の音波を送波する。また、送受波器11Rは、水中航走体の右舷側に設けられ、送波波形2の音波を送波する。
送受信器12は、左舷の送受波器11Lで受波された受波音波をRAWデータに変換する共に、右舷の送受波器11Rで受波された受波音波をRAWデータに変換し、左舷及び右舷のRAWデータを、それぞれ独立に信号処理器14に出力する。
音速センサ13は、水中音速を計測するセンサであり、計測した水中音速を信号処理器14に出力する。
信号処理器14は、CPU及びメモリからハードウェア構成され、そのメモリ上に、後述のアルゴリズムを有する信号処理プログラムがソフトウェア実装される。すなわち、信号処理器14の機能は、CPUが、メモリに記憶された信号処理プログラムを読み出し実行することにより、実現される。
信号処理器14は、HDD(Hard Disc Drive)等の外部記憶装置15に接続され、外部記憶装置15との間でファイルを入出力可能な構成となっている。この外部記憶装置15に予め生成した複数の参照テーブルをファイル形式で保存しておく。
参照テーブルの内容は、FFT(Fast Fourier Transform)ポイント数、送波波形、水中音速、内挿方式などの処理パラメータに依存した内容となる。ただし、水中音速以外の処理パラメータは固定とすることで、参照テーブルの総数を節約できる。
水中音速は、最小値/最大値及びステップが定められ、信号処理器14は、音速センサ13にて計測された水中音速を、例えば、C(-M)、C(-M+1)、・・・、C(0)、C(1)、・・・、C(M)の合計2M+1個の離散値で近似する。参照テーブルは、水中音速以外の処理パラメータを固定する場合、合計2M+1個の水中音速毎に予め生成し、外部記憶装置15に保存しておく。本実施の形態では、左舷と右舷とで送波波形が異なるため、図2に示されるように、参照テーブルの総数は、2×(2M+1)個となる。
また、図2に示されるように、参照テーブルは、インデックス及びテーブル係数が含まれている。インデックス及びテーブル係数はいずれも、後述の2D-FFT(2次元FFT)のFFTポイント数と同じ要素数の行列形式となっている。
信号処理器14は、左舷及び右舷のRAWデータのそれぞれに対して、合成開口処理を行う。その際、信号処理器14は、合成開口処理毎に、外部記憶装置15に保存された複数の参照テーブルの中から、処理パラメータに応じた最適な参照テーブルを選択し、選択した参照テーブルをメモリに読込んで使用する。水中音速以外の処理パラメータを固定とする場合は、信号処理器14は、音速センサ13にて計測された水中音速を近似した水中音速Cに応じた参照テーブルを選択する。なお、本実施の形態に係る参照テーブルを使用した合成開口処理については後述する。
<実施の形態の動作>
以下、本実施の形態に係る合成開口ソーナー1による合成開口処理について説明する。ここでは、対比のために、関連技術に係る合成開口処理についても合わせて説明する。なお、以下では、Wavenumber Domainアルゴリズムによる合成開口処理を例に挙げて説明する。また、水中音速以外の処理パラメータは固定するものとする。
<関連技術に係る合成開口処理のフロー>
まず、図3を参照して、関連技術に係る合成開口処理のフローについて説明する。
図3に示されるように、まず、水中音速の平均を算出し、これを水中音速Cとする(ステップS101)。
続いて、レプリカR(i)及び参照関数φ(i,j)を計算する(ステップS102)。ここで、レプリカR(i)は、送波波形をFFTしたスペクトルである。また、参照関数φ(i,j)は、r-u領域を2D-FFTしたkr(i)-ku(j)領域での空間チャープ参照関数である。また、rはレンジ方向距離、kr(i)は、レンジ方向波数であり、i≦Nである(N=レンジ方向FFTポイント数)。また、uはアジマス方向距離、ku(j)は、アジマス方向波数であり、j≦Nである(N=アジマス方向FFTポイント数)。
続いて、RAWデータを、2D-FFTして、r-u領域からkr(i)-ku(j)領域に変換する(ステップS103)。RAWデータの2D-FFTにより、図4に示されるように、kr(i)-ku(j)座標上のスペクトルA(i,j)が得られる。
続いて、スペクトルA(i,j)にレプリカR(i)を乗算し、さらに、参照関数φ(i,j)を乗算する(ステップS104)。レプリカR(i)及び参照関数φ(i,j)の乗算により、最終的に、図4に示されるように、スペクトルA(i,j)が得られる。
続いて、不等間隔リサンプリング処理であるStolt補間を行う。Stolt補間は、図5に示されるように、座標変換[kr(i),ku(j)]→[kx(i),ky(j)]を適用した後のスペクトルB(i,j)を求める処理である。
kr(i)はkx座標のグリッド点上に写像されるとは限らないため、kx座標のグリッド点上のスペクトルB(i,j)は、補間により求める必要がある。この補間方法はいくつかの例があるが、以下では、最も一般的な線形補間法を例に挙げて説明する。
まず、インデックス及び補間係数αを計算する(ステップS105)。具体的には、図6に示されるように、水中音速Cに基づく写像[kr,ku]→[kx’,ky’]により、kx’(i)インデックス(i=1~N)を得る。続いて、図7に示されるように、kx(i)の前後のkx’を抽出し(この例では、kx’(i),kx’(i+1))、補間係数αを計算する。
続いて、図8に示されるように、スペクトルA(i,j)から、kx’インデックスに対応する要素(この例では、A(i,j),A(i+1,j))を抽出する(ステップS106)。
続いて、図9に示されるように、補間係数αと要素A(i,j),A(i+1,j)との乗算を行い、以下のスペクトルB(i,j)を得る(ステップS107)。
B(i,j)=α・A(i,j)+(1-α)・A(i+1,j)
以上でStolt補間処理が終了する。
続いて、スペクトルB(i,j)を、2D-IFFT(Inverse Fast Fourier Transform)して、kx(i)-ky(j)領域からx-y領域に変換する(ステップS108)。
その後、2D-IFFTの出力を、SAS画像に画像化する(ステップS109)。
以上の同じ処理を、左舷のRAWデータと右舷のRAWデータについて独立に行う。ただし、本実施の形態のように、左舷と右舷とで送波波形が異なる場合は、左舷と右舷とで処理パラメータは異なる。具体的には、上記のレプリカが左舷と右舷とで異なる。
なお、Stolt補間処理に適用される、線形補間法以外の補間方法としては、最近傍法及びN次補間法等が挙げられる。
最近傍法は、図10に示されるように、kxに最も近いkx’に対応する要素で置き換えるものである。この例では、kx(i)に最も近いのはkx’(i+1)なので、B(i,j)=A(i+1,j)となる。
一方、N次補間法は、kx(i)を区間内に含むN+1点のkx’及びAを使ってB(i,j)を計算するものである。なお、N次補間法の図示及び具体的な計算方法の説明は省略する。
このように、関連技術に係る合成開口処理では、Stolt補間などの不等間隔リサンプリング処理を計算で行っているため、計算量が比較的多かった。そのため、合成開口処理を行う信号処理器の処理負荷が大きく、処理時間を要し、リアルタイム化の阻害要因となっていた。
<実施の形態に係る合成開口処理のフロー>
続いて、図11を参照して、本実施の形態に係る合成開口ソーナー1による合成開口処理のフローについて説明する。
図11に示されるように、まず、信号処理器14は、音速センサ13にて計測された水中音速の平均を算出し、算出した水中音速の平均を、上述の合計2M+1個の離散値のいずれかで近似し、これを水中音速Cとする(ステップS201)。
続いて、信号処理器14は、メモリに現在読込んでいる参照テーブルを変更するか否かを判断する(ステップS202)。ここでは、水中音速Cに応じた参照テーブルをメモリに現在読込んでいなければ、参照テーブルを変更すると判断する。
信号処理器14は、参照テーブルを変更する場合(ステップS202のYes)、外部記憶装置15から新たに参照テーブルを読込む(ステップS203)。なお、本実施の形態に係る参照テーブルの読込方法の詳細については後述する。
ここで、水中音速Cに応じた参照テーブルには、水中音速Cに応じたkx’インデックスと、水中音速Cに応じた、補間係数に替わるテーブル係数T(i,j)と、が含まれている。そのため、以降に、kx’インデックスに対応する要素を抽出すれば、補間計算が可能となる。
直線補間の場合、1点を補間計算に必要なサンプルは2個である。よって、図12に示されるように、テーブル係数T(i,j)も2個必要である(この例では、T(i,j)、T(i,j)のペアでB(i,j)を計算する)。
テーブル係数T(i,j)は、2D-FFTの出力であるA(i,j)からB(i,j)を算出するための係数であり、関連技術に係るフローに基づき、以下の定義で予め計算し保存しておく。
(i,j)=α・A(i,j)/A(i,j)=α・R(i)・φ(i,j)
(i,j)=(1-α)・A(i+1,j)/A(i+1,j)
=(1-α)・R(i+1)・φ(i+1,j)
このように、テーブル係数T(i,j)は、補間係数αに対し、使用するレプリカR(i)及び参照関数φ(i,j)を予め乗算した形式の係数となる。
続いて、信号処理器14は、送受信器12から得られたRAWデータを、2D-FFTして、r-u領域からkr(i)-ku(j)領域に変換する(ステップS204)。
続いて、信号処理器14は、関連技術に係るレプリカ及び参照関数の乗算処理(ステップS104)及びStolt補間処理(ステップS105~S107)に相当する処理を行い、kx(i),ky(j)のスペクトルB(i,j)を求める。以下では、補間方法として、関連技術に係るフローと同様に、線形補間法を例に挙げて説明する。
まず、信号処理器14は、図13に示されるように、2D-FFTの出力であるA(i,j)から、kx’インデックスに対応する要素(この例では、A(i,j),A(i+1,j))を抽出する(ステップS205)。
続いて、信号処理器14は、図14に示されるように、テーブル係数T(i,j),T(i,j)と要素A(i,j),A(i+1,j)との乗算を行い、以下のスペクトルB(i,j)を得る(ステップS206)。
B(i,j)=T(i,j)・A(i,j)+T(i,j)・A(i+1,j)
以上で、関連技術に係るレプリカ及び参照関数の乗算処理及びStolt補間処理に相当する処理が終了する。
続いて、信号処理器14は、スペクトルB(i,j)を、2D-IFFTして、kx(i)-ky(j)領域からx-y領域に変換する(ステップS207)。
その後、信号処理器14は、2D-IFFTの出力を、SAS画像に画像化し(ステップS208)、SAS画像を外部記憶装置15に保存する。
以上の同じ処理を、左舷のRAWデータと右舷のRAWデータについて独立に行う。ただし、本実施の形態では、左舷と右舷とで送波波形が異なるため、左舷と右舷とで処理パラメータは異なる。具体的には、上記のレプリカが左舷と右舷とで異なる。
<実施の形態に係る参照テーブルの読込方法>
続いて、図15を参照して、本実施の形態に係る合成開口ソーナー1による参照テーブルの読込方法について説明する。
図15に示されるように、水中音速Cは、時間経過に伴い変化する場合がある(図中の折れ線を参照)。そこで、信号処理器14は、水中音速Cの変化に対応するため、現在の水中音速Cに応じて選択した参照テーブルだけでなく、その参照テーブルの前及び/又は後の参照テーブルも、外部記憶装置15から予めメモリに読込み、保持しておく。
この例は、3つの参照テーブルをメモリに常に保持する例である。初回は、現在の水中音速Cに応じて選択した参照テーブル及びその前後の参照テーブルをメモリに読込んで保持し、選択した参照テーブルを処理に適用する。次回以降は、現在の水中音速が、参照テーブルを保持している水中音速の範囲内であれば、参照テーブルの新規の読込みは行わず(処理に適用する参照テーブルは適宜変更)、範囲外となったら、現在の水中音速に応じて選択した参照テーブルを新規にメモリに読込み、処理に適用する。
具体的には、この例では、初回(1回目)の水中音速はC(0)である。そのため、信号処理器14は、C(0)及びその前後のC(-1),C(1)の参照テーブルをメモリに読込み、C(0)の参照テーブルを処理に適用する。
続く2回目の水中音速もC(0)である。そのため、信号処理器14は、参照テーブルの新規の読込みは行わず、C(0)の参照テーブルを継続して処理に適用する。
続く3回目の水中音速はC(-1)に変化しているが、C(-1)は、参照テーブルを保持しているC(-1)~C(1)の範囲内である。そのため、信号処理器14は、参照テーブルの新規の読込みは行わず、処理に適用する参照テーブルをC(-1)の参照テーブルに変更する。
続く4回目の水中音速もC(-1)である。そのため、信号処理器14は、参照テーブルの新規の読込みは行わず、C(-1)の参照テーブルを継続して処理に適用する。
続く5回目の水中音速はC(-2)に変化しており、C(-2)は、参照テーブルを保持しているC(-1)~C(1)の範囲外である。そのため、信号処理器14は、C(-2)の参照テーブルを新規にメモリに読込み、C(1)の参照テーブルをメモリから削除する。そして、信号処理器14は、処理に適用する参照テーブルをC(-2)の参照テーブルに変更する。
6回目以降の処理についての説明は省略する。
上述したように、本実施の形態によれば、信号処理器14は、参照テーブルを選択し、RAWデータに対して、2D-FFTを実行し、2D-FFTの出力から、参照テーブルに含まれるインデックスに対応する要素を抽出し、抽出した要素に対して、参照テーブルに含まれるテーブル係数を乗算し、乗算の結果に対して、2D-IFFTを実行し、2D-IFFTの出力を画像化する。
このように、本実施の形態によれば、関連技術では処理負荷の大きかった、Stolt補間などの不等間隔リサンプリング処理を、計算ではなく、参照テーブルの参照に置き換えている。これにより、合成開口処理の計算量が減るため、信号処理器14の処理負荷を低減し、処理速度を高速化することができる。その結果、リアルタイム化に寄与し得る。また、信号処理器14に高速・高性能なCPUを採用する必要がないため、信号処理器14の低消費電力化が可能となる。
また、本実施の形態によれば、参照テーブルとして、処理パラメータに基づき生成した複数の参照テーブルを予め生成し、外部記憶装置15に保存しておき、信号処理器14は、合成開口処理毎に、処理パラメータに応じた最適な参照テーブルを選択し、メモリに読み込んで使用する。これにより、信号処理器14の処理速度と共に画像性能も合わせて担保することが可能となる。
また、本実施の形態によれば、水中音速以外の処理パラメータは固定とすることで、参照テーブルの総数を節約できる。
また、本実施の形態によれば、信号処理器14は、水中音速に応じて選択した参照テーブルと共に、その参照テーブルの前及び/又は後の参照テーブルも、外部記憶装置15からメモリに読込んで保持しておく。これにより、水中音速が時間経過に伴い変化する場合においても、参照テーブルを外部記憶装置15から読込む頻度や負荷を低減することが可能となる。
<実施の形態の概念>
続いて、図16を参照して、上述の実施の形態を概念的に示した合成開口ソーナー2の構成例について説明する。図16に示されるように、合成開口ソーナー2は、送受波器101及び信号処理器102を備えている。
送受波器101は、音波の送受波を行う。送受波器101は、送受波器11L,11Rに対応する。
信号処理器102は、送受波器101で受波された受波音波のデータに対して合成開口処理を行う。信号処理器102は、信号処理器14に対応する。そのため、信号処理器102は、信号処理器14による合成開口処理と同様の合成開口処理を行う。
すなわち、信号処理器102は、参照テーブルを選択し、送受波器101で受波された受波音波のデータに対して、2次元FFTを実行し、2次元FFTの出力から、選択した参照テーブルに含まれるインデックスに対応する要素を抽出し、抽出した要素に対して、選択した参照テーブルに含まれるテーブル係数を乗算し、乗算の結果に対して、2次元IFFTを実行し、2次元IFFTの出力を画像化する。
以上、実施の形態を参照して本開示を説明したが、本開示は上記の実施の形態に限定されるものではない。本開示の構成や詳細には、本開示のスコープ内で当業者が理解し得る様々な変更をすることができる。
例えば、上記の信号処理プログラムは、様々なタイプの非一時的なコンピュータ可読媒体(non-transitory computer readable medium)を用いて格納され、コンピュータに供給することができる。非一時的なコンピュータ可読媒体は、様々なタイプの実体のある記録媒体(tangible storage medium)を含む。非一時的なコンピュータ可読媒体の例は、磁気記録媒体(例えばフレキシブルディスク、磁気テープ、ハードディスクドライブ)、光磁気記録媒体(例えば光磁気ディスク)、CD-ROM(Compact Disc-Read Only Memory)、CD-R(CD-Recordable)、CD-R/W(CD-ReWritable)、半導体メモリ(例えば、マスクROM、PROM(Programmable ROM)、EPROM(Erasable PROM)、フラッシュROM、RAM(Random Access Memory))を含む。また、上記の信号処理プログラムは、様々なタイプの一時的なコンピュータ可読媒体(transitory computer readable medium)によってコンピュータに供給されても良い。一時的なコンピュータ可読媒体の例は、電気信号、光信号、及び電磁波を含む。一時的なコンピュータ可読媒体は、電線及び光ファイバ等の有線通信路、又は無線通信路を介して、プログラムをコンピュータに供給できる。
上記の実施の形態の一部又は全部は、以下の付記のようにも記載されうるが、以下には限られない。
(付記1)
音波の送受波を行う送受波器と、
前記送受波器で受波された受波音波のデータに対して合成開口処理を行う信号処理器と、を備え、
前記信号処理器は、
参照テーブルを選択し、
前記データに対して、2次元FFTを実行し、
前記2次元FFTの出力から、前記選択した参照テーブルに含まれるインデックスに対応する要素を抽出し、
前記抽出した要素に対して、前記選択した参照テーブルに含まれるテーブル係数を乗算し、
前記乗算の結果に対して、2次元IFFTを実行し、
前記2次元IFFTの出力を画像化する、
合成開口ソーナー。
(付記2)
前記信号処理器は、
メモリを備え、
複数の前記参照テーブルが保存された外部記憶装置に接続され、
前記外部記憶装置に保存された複数の前記参照テーブルの中から参照テーブルを選択し、前記選択した参照テーブルを前記メモリに読込んで使用する、
付記1に記載の合成開口ソーナー。
(付記3)
前記外部記憶装置には、処理パラメータ毎に生成された複数の前記参照テーブルが保存されており、
前記信号処理器は、前記処理パラメータに応じて、前記外部記憶装置に保存された複数の前記参照テーブルの中から参照テーブルを選択する、
付記2に記載の合成開口ソーナー。
(付記4)
水中音速を計測する音速センサを備え、
前記処理パラメータは、水中音速以外は固定とされ、
前記外部記憶装置には、前記水中音速毎に生成された複数の前記参照テーブルが保存されており、
前記信号処理器は、前記音速センサにて計測された水中音速に応じて、前記外部記憶装置に保存された複数の前記参照テーブルの中から参照テーブルを選択する、
付記3に記載の合成開口ソーナー。
(付記5)
前記信号処理器は、前記音速センサにて計測された水中音速に応じて選択した参照テーブルと共に、当該参照テーブルの前及び/又は後の参照テーブルを、前記メモリに読込んで保持する、
付記4に記載の合成開口ソーナー。
(付記6)
前記テーブル係数は、補間係数に対し、前記合成開口処理に使用するレプリカ及び参照関数を予め乗算した形式の係数である、
付記1から5のいずれか1項に記載の合成開口ソーナー。
(付記7)
前記参照テーブルに含まれるインデックス及びテーブル係数は、前記2次元FFTのFFTポイント数と同じ要素数の行列形式である、
付記1から6のいずれか1項に記載の合成開口ソーナー。
(付記8)
前記送受波器は、水中航走体の左右両舷にそれぞれ設けられ、
前記信号処理器は、左右両舷の前記送受波器で受波された受波音波のデータのそれぞれに対して、前記合成開口処理を行う、
付記1から7のいずれか1項に記載の合成開口ソーナー。
(付記9)
送受波器で受波された受波音波のデータに対して合成開口処理を行う合成開口ソーナーの信号処理方法であって、
参照テーブルを選択し、
前記データに対して、2次元FFTを実行し、
前記2次元FFTの出力から、前記選択した参照テーブルに含まれるインデックスに対応する要素を抽出し、
前記抽出した要素に対して、前記選択した参照テーブルに含まれるテーブル係数を乗算し、
前記乗算の結果に対して、2次元IFFTを実行し、
前記2次元IFFTの出力を画像化する、
合成開口ソーナーの信号処理方法。
(付記10)
外部記憶装置に保存された複数の前記参照テーブルの中から参照テーブルを選択し、前記選択した参照テーブルをメモリに読込んで使用する、
付記9に記載の合成開口ソーナーの信号処理方法。
(付記11)
前記外部記憶装置には、処理パラメータ毎に生成された複数の前記参照テーブルが保存されており、
前記処理パラメータに応じて、前記外部記憶装置に保存された複数の前記参照テーブルの中から参照テーブルを選択する、
付記10に記載の合成開口ソーナーの信号処理方法。
(付記12)
前記処理パラメータは、水中音速以外は固定とされ、
前記外部記憶装置には、前記水中音速毎に生成された複数の前記参照テーブルが保存されており、
音速センサにて計測された水中音速に応じて、前記外部記憶装置に保存された複数の前記参照テーブルの中から参照テーブルを選択する、
付記11に記載の合成開口ソーナーの信号処理方法。
(付記13)
前記音速センサにて計測された水中音速に応じて選択した参照テーブルと共に、当該参照テーブルの前及び/又は後の参照テーブルを、前記メモリに読込んで保持する、
付記12に記載の合成開口ソーナーの信号処理方法。
(付記14)
前記テーブル係数は、補間係数に対し、前記合成開口処理に使用するレプリカ及び参照関数を予め乗算した形式の係数である、
付記9から13のいずれか1項に記載の合成開口ソーナーの信号処理方法。
(付記15)
前記参照テーブルに含まれるインデックス及びテーブル係数は、前記2次元FFTのFFTポイント数と同じ要素数の行列形式である、
付記9から14のいずれか1項に記載の合成開口ソーナーの信号処理方法。
(付記16)
前記送受波器は、水中航走体の左右両舷にそれぞれ設けられており、
左右両舷の前記送受波器で受波された受波音波のデータのそれぞれに対して、前記合成開口処理を行う、
付記9から15のいずれか1項に記載の合成開口ソーナーの信号処理方法。
(付記17)
コンピュータを、
送受波器で受波された受波音波のデータに対して合成開口処理を行う信号処理手段として機能させる信号処理プログラムであって、
前記信号処理手段は、
参照テーブルを選択し、
前記データに対して、2次元FFTを実行し、
前記2次元FFTの出力から、前記選択した参照テーブルに含まれるインデックスに対応する要素を抽出し、
前記抽出した要素に対して、前記選択した参照テーブルに含まれるテーブル係数を乗算し、
前記乗算の結果に対して、2次元IFFTを実行し、
前記2次元IFFTの出力を画像化する、
信号処理プログラム。
(付記18)
前記信号処理手段は、外部記憶装置に保存された複数の前記参照テーブルの中から参照テーブルを選択し、前記選択した参照テーブルをメモリに読込んで使用する、
付記17に記載の信号処理プログラム。
(付記19)
前記外部記憶装置には、処理パラメータ毎に生成された複数の前記参照テーブルが保存されており、
前記信号処理手段は、前記処理パラメータに応じて、前記外部記憶装置に保存された複数の前記参照テーブルの中から参照テーブルを選択する、
付記18に記載の信号処理プログラム。
(付記20)
前記処理パラメータは、水中音速以外は固定とされ、
前記外部記憶装置には、前記水中音速毎に生成された複数の前記参照テーブルが保存されており、
前記信号処理手段は、音速センサにて計測された水中音速に応じて、前記外部記憶装置に保存された複数の前記参照テーブルの中から参照テーブルを選択する、
付記19に記載の信号処理プログラム。
(付記21)
前記信号処理手段は、前記音速センサにて計測された水中音速に応じて選択した参照テーブルと共に、当該参照テーブルの前及び/又は後の参照テーブルを、前記メモリに読込んで保持する、
付記20に記載の信号処理プログラム。
(付記22)
前記テーブル係数は、補間係数に対し、前記合成開口処理に使用するレプリカ及び参照関数を予め乗算した形式の係数である、
付記17から21のいずれか1項に記載の信号処理プログラム。
(付記23)
前記参照テーブルに含まれるインデックス及びテーブル係数は、前記2次元FFTのFFTポイント数と同じ要素数の行列形式である、
付記17から22のいずれか1項に記載の信号処理プログラム。
(付記24)
前記送受波器は、水中航走体の左右両舷にそれぞれ設けられており、
前記信号処理手段は、左右両舷の前記送受波器で受波された受波音波のデータのそれぞれに対して、前記合成開口処理を行う、
付記17から23のいずれか1項に記載の信号処理プログラム。
1 合成開口ソーナー
11L,11R 送受波器
12 送受信器
13 音速センサ
14 信号処理器
15 外部記憶装置
2 合成開口ソーナー
101 送受波器
102 信号処理器

Claims (9)

  1. 音波の送受波を行う送受波器と、
    前記送受波器で受波された受波音波のデータに対して合成開口処理を行う信号処理器と、を備え、
    前記信号処理器は、
    参照テーブルを選択し、
    前記データに対して、2次元FFTを実行し、
    前記2次元FFTの出力から、前記選択した参照テーブルに含まれるインデックスに対応する要素を抽出し、
    前記抽出した要素に対して、前記選択した参照テーブルに含まれるテーブル係数を乗算し、
    前記乗算の結果に対して、2次元IFFTを実行し、
    前記2次元IFFTの出力を画像化
    前記テーブル係数は、補間係数に対し、前記合成開口処理に使用するレプリカ及び参照関数を予め乗算した形式の係数である、
    合成開口ソーナー。
  2. 前記信号処理器は、
    メモリを備え、
    複数の前記参照テーブルが保存された外部記憶装置に接続され、
    前記外部記憶装置に保存された複数の前記参照テーブルの中から参照テーブルを選択し、前記選択した参照テーブルを前記メモリに読込んで使用する、
    請求項1に記載の合成開口ソーナー。
  3. 前記外部記憶装置には、処理パラメータ毎に生成された複数の前記参照テーブルが保存されており、
    前記信号処理器は、前記処理パラメータに応じて、前記外部記憶装置に保存された複数の前記参照テーブルの中から参照テーブルを選択する、
    請求項2に記載の合成開口ソーナー。
  4. 水中音速を計測する音速センサを備え、
    前記処理パラメータは、水中音速以外は固定とされ、
    前記外部記憶装置には、前記水中音速毎に生成された複数の前記参照テーブルが保存されており、
    前記信号処理器は、前記音速センサにて計測された水中音速に応じて、前記外部記憶装置に保存された複数の前記参照テーブルの中から参照テーブルを選択する、
    請求項3に記載の合成開口ソーナー。
  5. 前記信号処理器は、前記音速センサにて計測された水中音速に応じて選択した参照テーブルと共に、当該参照テーブルの前及び/又は後の参照テーブルを、前記メモリに読込んで保持する、
    請求項4に記載の合成開口ソーナー。
  6. 前記参照テーブルに含まれるインデックス及びテーブル係数は、前記2次元FFTのFFTポイント数と同じ要素数の行列形式である、
    請求項1からのいずれか1項に記載の合成開口ソーナー。
  7. 前記送受波器は、水中航走体の左右両舷にそれぞれ設けられ、
    前記信号処理器は、左右両舷の前記送受波器で受波された受波音波のデータのそれぞれに対して、前記合成開口処理を行う、
    請求項1からのいずれか1項に記載の合成開口ソーナー。
  8. 送受波器で受波された受波音波のデータに対して合成開口処理を行う合成開口ソーナーの信号処理方法であって、
    参照テーブルを選択し、
    前記データに対して、2次元FFTを実行し、
    前記2次元FFTの出力から、前記選択した参照テーブルに含まれるインデックスに対応する要素を抽出し、
    前記抽出した要素に対して、前記選択した参照テーブルに含まれるテーブル係数を乗算し、
    前記乗算の結果に対して、2次元IFFTを実行し、
    前記2次元IFFTの出力を画像化
    前記テーブル係数は、補間係数に対し、前記合成開口処理に使用するレプリカ及び参照関数を予め乗算した形式の係数である、
    合成開口ソーナーの信号処理方法。
  9. コンピュータを、
    送受波器で受波された受波音波のデータに対して合成開口処理を行う信号処理手段として機能させる信号処理プログラムであって、
    前記信号処理手段は、
    参照テーブルを選択し、
    前記データに対して、2次元FFTを実行し、
    前記2次元FFTの出力から、前記選択した参照テーブルに含まれるインデックスに対応する要素を抽出し、
    前記抽出した要素に対して、前記選択した参照テーブルに含まれるテーブル係数を乗算し、
    前記乗算の結果に対して、2次元IFFTを実行し、
    前記2次元IFFTの出力を画像化
    前記テーブル係数は、補間係数に対し、前記合成開口処理に使用するレプリカ及び参照関数を予め乗算した形式の係数である、
    信号処理プログラム。
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