従来の解決法は、また危険な廃棄物を扱うのに最適ではない。例えば、前記したように内容物がこぼれるおそれがある。特に、患者の治療が行なわれるのは、おそらく残ったアンプルおよび内容物が処分される前である。患者の治療が行われる間に、残ったアンプルが何かに当たったり、内容物がこぼれたりするおそれがある。さらに、注射がカテーテルポートを通してなされるものでない場合(例えば、針なしで)、アンプルから名要物を抜き取るのに用いる針は患者に注射するのには再び使うことができない。したがって、各回の使用に2本の針が必要であり、不経済であり、また針を変えることにより針刺し傷のおそれが高くなる。
アンプルの首部を折断することは特に危険な作業なので、アンプルの首部を安全に折断することを確実にする解決法について多くの努力が傾注されてきた。そのため、これらの問題のうち一つ以上の問題を解決しようとする極めて多くの製品がある。しかし、そのような製品はいずれも制限があったり、および/または不利の点がある。
例えば、米国特許出願公開第2007/0282279号公報は、アンプルのキャップが入る大きさのキャップ用筐体とアンプル本体部からキャップを折断する時にユーザーの手を保護する遮蔽部を有するアンプルオープナーを開示している。米国特許出願公開第2010/0301089号公報は、アンプルの本体を入れて支持する筐体部分と、アンプルのキャップが入り、前記アンプルの本体に対して回転して前記アンプルの本体から前記アンプルのキャップを折除できるキャップ部分と、を有する別のアンプル折断用補助具を開示している。これらのデバイスはいずれもキャップを折除した後、アンプルが確実に封止できるものではない。
仏国特許出願公開第2209291号公報は、アンプルのキャップをアンプル本体部から折断する別のデバイスを開示している。いったんキャップが分離されると、キャップは該デバイス内部に保持され、キャップが保持されながら内容物が外部への流れ用のオリフィスを通って流れる。したがって、このデバイスは殺菌されていない。米国特許出願公開第2015/0329339号公報はキャップ折断デバイスを開示している。このデバイスによれば、キャップはヘッドホルダーによって保持され、キャップは分離されるとヘッドホルダーの周りを旋回させられて一方側に移動する。しかし、壊れたキャップの部分が外部への流れの経路中に残るため、汚染の可能性がある。
米国特許第6832703号公報は、アンプル本体部とキャップの両方を覆い、キャップがアンプル本体部から折除されて分離した後、キャップを保持するアンプル用のカバーを開示する。外部への流れ用の経路もあり、内容物はアンプルから流すことができ、オプションでフィルタを通すこともできる。しかし、アンプルが殺菌された製造環境から出た後にスリーブがアンプルに取り付けられるとすれば、内容物は、外部に流れる時にアンプルの外部とスリーブの内部に接触するので、この構造は殺菌されていない。また、この構造はシリンジを入れるのに都合の良い設計ではない。米国特許第5423440号公報は、出荷する前に取り付けられており、アンプル本体部からキャップを折断し、しかも怪我をする恐れが小さいアンプルシースを開示する。しかし、アンプルの内容物にアクセスするためにはこのシースは取り除かれなければならない。したがって、封止されていた状態ではなくなり、流出や汚染さらに傷の可能性が生じている。
米国特許第5595326号公報は、キャップが折除された後にアンプル中に挿入される浸漬チューブとアンプルの外壁の周りを封止する弾性的に変形可能なスカート部を有する流量調節ポンプを開示する。しかし、このスカート部はアンプルの外表面を内容物から完全に封止するものではないので、汚染のおそれがある。
アンプルの使用者には複数の異なるグループが含まれることが想定される。アンプルは特に救急医療隊員にとって重要であるが、他の医療従事者または医療関係従事者、例えば、免疫プログラムに従事する人、研究者、ER/HEMS/EMT従事者、麻酔専門医、薬剤師、(ペット、農場、水産養殖が専門の)獣医師によっても使用される。年間数十億のアンプルが売られて、少量の薬物として保管されている。ガラス製アンプルに入れられる代表的な薬品は(例を挙げるだけであるが)、モルヒネとアドレナリンである。アンプルは様々な形やサイズにすることができる。代表的な薬品用のアンプルは1ミリリットルから30ミリリットルまでの範囲のものである。もっと大容積のアンプルは、例えば水銀のような他の材料の保存に用いられる。そのようなアンプルの容積は1リットルかもっと大きいものになる。また、大部分のアンプルは断面が円形(概ね円形の管)であるが、楕円形または長方形の断面のような他の形状のものも可能である。
本願発明の第1の特長によれば、本願発明はアンプル用の閉塞部材を提供するものであり、この閉塞部材は開口したアンプルの折断された首部と係合するキャップ部と、前記キャップ部か延設され円筒形状のスカート部を有し、前記スカート部は弾性的に変形可能であり、少なくとも部分的に折り畳まれている第1の状態から、拡げられて伸展して前記キャップ部から離れた第2の状態に移行する。
ここで用いる「閉塞部材」という語は、開口(すなわち、アンプルの首部を折って頂部を除いたときにアンプルにできる開口)を閉塞する物という意味である。閉塞部材にはキャップまたは封止デバイスまたは(頂部を除いた時にできる鋭利の端部から保護する、および/または内容物を暴露または流出から保護する)保護デバイスが含まれる。さらに閉塞部材は封止機能を有する。
キャップ部が折断された首部に係合すると、ユーザーが鋭利な端部により裂傷を負う可能性は小さくなる。また、キャップ部はアンプルを封止し、内容物がこぼれること、および/または無駄に浪費されることを防ぐ。さらに、閉塞部材は、例えばアンプルが落下した時、折断され弱くなったアンプルの開口した端部を、ある程度、衝撃から保護し、補強し、および強化する。
スカート部は、アンプル本体部と密接に接触することにより、アンプル本体部の周りをしっかりと押さえて封止するだけでなく、キャップ部を開口したアンプルの折断した周縁部に押し当てて保持し、したがって、スカート部とアンプル本体部の外表面との摩擦によって閉塞部材を所定の状態に保持する。
第1の状態のとき、スカート部は1回だけ曲げて折り曲げられていてもよいが、複数回折り曲げられていてもよく、または丸く巻かれていてもよい。
折断された周縁部が容易にかつ完全に封止されることが確実になるようにキャップ部は折断された首部の径よりも大きい径であることが好ましい。
アンプルがない場合、第2の状態のときのスカート部はキャップ部の外端部から下方に伸展し、使用を想定するアンプルの径よりも小さい径の管体を形成する。スカート部が巻かれて、または折り曲げられて第1の状態になる時、キャップ部の下側表面が連続的に伸長してスカート部の内側表面になるのが好ましい(ここで、「内側」はスカート部が第2の状態の時の内側を指す)。これにより、周縁部との接触表面を大きくすることができ、閉塞部材を開口したアンプルに押し当てるのが容易になる。滑らかな表面はアンプルを速やかに包んでアンプルの外側表面と接触可能なスカート部を巻かれた状態、または折り曲げられた状態から伸展させるのを容易にする。スカート部が下方に巻かれて、または折り曲げられて第2の状態になると、スカート部はアンプルの周りを圧縮し、摩擦によりアンプルをしっかりと保持する。
好ましい実施形態では、キャップ部は外周溝を有し、この外周溝の中に第1の状態のスカート部が入る。この外周溝は展開されて第2の状態になる前のスカート部の材料が中に収容される部位である。外周溝にスカート部を収容することによって、閉塞部材が第2の状態で静止している時のスカート部の伸びが小さくなる(閉塞部材は使用される前この形態で通常、保管され供給され、閉塞部材が使用される時になって初めてスカート部が展開される)。
スカート部は拡大した周縁部を有するものでよく、この拡大した周縁部は第1の状態のときに外周溝に入る。拡大した周縁部は、スカート部の遠位端、すなわちキャップ部から遠い部位に形成され、アンプルを把持する端部を一層補強するだけでなく、スカート部が外周溝の中に収容されるときに、スカート部を外周溝内に保持するのを支援する。スカート部が折り曲げられるのではなく、巻かれる実施形態では、この拡大した周縁部(またはビード部)は直接外周溝に接触しないが、巻かれたスカート部の1層以上の介在層を通して外周溝を押圧してその中に入ることがわかる。このような実施形態では、拡大した周縁部は、都合のよい表面になり、最初に製造する時にその周りにスカート部を巻くことができる。
好ましい実施形態では、スカート部の内側のキャップ部の表面は、キャップ部が開口したアンプルの折断された首部に押し当てられる時に、その押し当てる力がキャップ部を介して伝達されてスカート部に力がかかり、スカート部を押して外周溝から出るような形状になっている。この場合多くの機構が働くものでよい。アンプルを封止するために閉塞部材がアンプルの折断された周縁部に押し付けられると、この押し付ける力がキャップ部を介して伝達されて、スカート部を円周溝から押し出すように外周溝を変形させ、また外周溝がスカート部を保持する効果を減じる。同時に、閉塞部材をアンプルの折断された首部に押し当てられる力はスカート部の表面上にスカート部を外周溝から引っ張り出そうとする張力を発生させる。これらの機構の組み合わせにより、外周溝の下方部分が変形することによって、巻かれた、または折り曲げられたスカート部が外周溝から出るのがより容易になる。言い換えれば、折断された周縁部との接触により発生するキャップ部の変形によって、円周溝が変形し、スカート部を動かして外周溝から離れさせることが可能になる。このことによって、スカート部を展開して第2の状態にすることが容易になり、スカート部の展開が促進され、そのため閉塞部材をアンプルに押し当ててアンプルを簡単に素早く封止することが可能になる。
所定の実施形態では、キャップ部の側面を十分に押しつぶすことにより、スカート部が外周溝内に保持されなくなり、解放されて展開して第2の状態になるのに十分なキャップ部の変形が生じ、さらに十分な外周溝の変形が生じる。閉塞部材の設計によるが、スカート部の展開にはこれらの機構のうちのたった一つの機構で有効な場合もあるし、複数の機構が同時に働き、それらのうちの一つの機構が主要なものであり、他の機構も貢献している場合もある。外周溝の変形が十分に大きいものならば、スカート部を展開させるのにさらに何かする必要はない。言い換えれば、形状の変化によって第1の状態のスカート部を不安定になり、その結果、スカート部が自動的に展開して第2の状態になる、すなわち、巻かれた状態または折り曲げられた状態から自動的に伸展して展開した状態になって、展開したスカート部がアンプルを把持する。仮に、変形が十分でなく自動的に展開しない場合でも、スカート部を第2の状態にするためにユーザーが加える力は外周溝の変形によって小さくて済むので、スカート部の展開は容易であり、しかも素早くできる。
もちろん、スカート部は直接に触ることによって、例えば指を用いて押すことによって始動させて展開させることもできる。いったん展開すると、スカート部の内側表面はアンプルの外側表面をと係合して把持する。弛緩した状態のスカート部の内径がそのスカート部が取り付けられるアンプルの外径よりも小さければ、スカート部は使用中においては若干伸びた状態が維持され、すなわち、けっして完全に弛緩した状態(巻かれて、または折り曲げられて第1の状態になる前の製造後の状態)に戻ることはなく、そのため把持する力がアンプルにかかり、閉塞部材を所定の状態に保持する。
スカート部の内側のキャップ部の表面は円錐形の部分を含むことが好ましい。この円錐形の部分はキャップ部の本体から離れる方向を向いている(または、同方向に延設されている)。すなわち、同円錐形の部分は閉塞部材によって閉塞されるアンプルに向かって延設され、同アンプルの中にまで入っている。この円錐形の部分によって、アンプルの周縁部(すなわち、頂部が除かれた後のアンプルの折断された表面)が確実にしっかりと封止される。アンプルの周縁部の表面は通常、粗く、かつ/またはギザギザになっているので、その表面を押さえて封止するのは困難な場合がある。しかし、円錐形の部分によって、キャップ部が延設されてアンプルの周縁部で形成された開口の中に確実に入り、キャップ部がアンプルの周縁部の周りと確実に接触する。
円錐形の部分は先端を切った円錐形でもよく、また先が丸くなっていてもよい。さらに、円錐形の部分は同部分を貫通する孔を有してもよく、この孔は後記するように内容物抜き取りに用いられる。より一般的には、円錐形の部分は、アンプルの開口よりも細い先端部とアンプルの開口よりも太い基部を有する突起部であって、アンプルの中にまで延出し、さらにアンプルの開口の中に概ね軸方向に挿入されたときに、遠位部の傾斜する側面が殺菌された表面である折断された首部の内周に接触する突起部であれば、任意のものでよい。この突起部はドーム形状としてもよい。(キャップ部に隣接する)この突起部はその基部から(キャップ部から離れ、アンプルの首部の中に挿入された)先端に向かって細くなっているものでよい。この突起部がアンプルにさらに押し付けられていくと、突起部と折断された首部の接触線は半径方向外側に移る、すなわち、殺菌された内面側の表面から殺菌されていない外面側の表面に向かって移る。このような状態にすることによって、キャップ部とアンプルの間の封止によってアンプルの殺菌を確実に維持され、その結果長期間経過した後でもアンプルの内容物が使える状態のままである。
円錐形状部分がアンプルの開口の中にまで入り、スカート部がアンプルの外側に沿って伸展すると、この円錐形状部分(または突起部)の周りに、すなわち、円錐形状部分とスカート部の間に凹部領域を形成させるのが好ましい。この凹部領域にアンプルの周縁部が入り、この凹部領域によって、アンプルの周縁部の周りの封止、およびアンプルの外縁部(すなわち、肩部および/または側面)を取り巻く封止が形成される。所定の実施形態では、キャップ部内の側溝が円錐形状部分の周りに形成され、この側溝の中にアンプルの周縁部が入り、さらに深くキャップ部内にアンプルの周縁部を入れて、アンプルの周縁部との接触部を拡げてもよい。円錐形状部分はアンプルの中に入るように設計されており、アンプルの内容物と接触する可能性があり、内容物が汚染されることがないようにするのが好ましいので、円錐形状部分は殺菌されていることが好ましい。
スカート部の内側のキャップ部の下側部分は変形可能な材料で形成されていることが好ましい。変形可能な材料を用いれば、折断された(さらに通常、ギザギザで、しかも/またはのこぎり歯状の)周縁部がその材料に押し付けられ、またはさらにその材料中に食い込んで封止部を形成することができる。変形可能な材料が折断された周縁部の形状に倣えば倣うほど、封止部はより完全になる。折断された周縁部の最も鋭い部分をキャップ部に食い込ませると、折断された周縁部とキャップ部の間で材料同士の接触が拡がり、封止部分がより完全になるので好ましい。
変形可能な材料は少なくとも0.5mmの厚さを有するのが好ましい、または少なくとも少なくとも1mmの厚さを有するのが好ましく、さらに少なくとも2mm、少なくとも3mm、少なくとも4mm、少なくとも5mm、少なくとも6mm、少なくとも7mm、または少なくとも8mmの厚さを有するのがより好ましい。変形可能な材料を厚くすれば、周縁部の表面のばらつきが大きくなっても、すなわち、のこぎり歯部がおおきくなっても、周縁部の表面の形状に合わせることができる。アンプルの頂部をアンプル本体部から折除する方法のみに依存して、表面のばらつきの大きさ(すなわち、のこぎり歯の大きさ)は用途により変わる。閉塞部材は所定のアンプルの周縁部上に予想される最も大きいのこぎり歯部を想定して設計されており、変形可能な材料が、この予想される最も大きいのこぎり歯部に対してもその形状を合わせることができることが好ましい。そうなれば、周縁部の外周のどの位置でも閉塞部による周縁部の封止がのこぎり歯状の部分によって妨げられることがない。
アンプルの内容物を既に一部取り出した後のアンプルを塞ぐために閉塞部材が用いられるが、このように用いた場合、アンプルが使用されている間はアンプルの折断された端部が暴露されたままになる。そのため、閉塞部材を用いる、すなわち、アンプルを開けた後すぐ、内容物を取り出す前に閉塞部材をアンプルと封止用の接触をさせるのが好ましい。
したがって、閉塞部材は、スカート部の内側のキャップ部の下面からキャップ部の上面までキャップ部を貫通する流路を有するのが好ましい。この流路によって、アンプルを封止した後、鋭利な折断された端部を覆って、怪我の可能性を減らし、アンプルの内容物を、閉塞部材を通して抜き取ることができる。前記したように、アンプルは固体内容物、粒状内容物または液体内容物を含むものでよい。流路は、内容物が流路を通って誤って抜き取られたり、望みもしないのに流れるのを防ぐ大きさにするのが好ましい。例えば、液体の場合、液体の流路は十分細く、表面張力によってできる液体のメニスカスによって(圧力差のような)外部からの付勢力がないときはこの流路を通って液体が流れることを防げるのが好ましい。したがって、内容物が望まない時に出ることがないので、流路は効果的にアンプルを封止する。
他の実施形態においては流路には逆止弁が備えられ、この逆止弁はアンプル内部からの内容物の抜き取りは可能にするが、いかなる材料もアンプルの中に移送されるのを阻止する。一つの実施例として、そのような逆止弁は流路を斜めに横切って(すなわち、流路の軸と垂直でない)延設される一個以上のフラップ(例えば、曲げることができるフラップ)により形成されるものでよく、この逆止弁によって、所定の方向の流れはフラップを持ち上げて流路を閉塞状態から開放し、一方、逆方向の流れはフラップを押し付けて接触をよりしっかりしたものとし、フラップの接触を強めて流路の閉塞状態を維持する。
流路を横切る単一のフラップでも充分である。他の実施形態は、概ね流路の軸上で当たる一対のフラップを備え、この一対のフラップが流路の軸から離れると流れが生じ、互いに押し付けあうと逆方向の流れを防げる。余分に設けて逆止弁の性能を向上させるため、前述したようなフラップをいくつか(または複数対のフラップ)が流路上の異なる複数の軸位置に設けてもよい。これらの複数の逆止弁が流す方向および流れを止める方向は互いに同一である。このようなフラップはキャップ部の残りの部分と一体的に形成することもできるが、そのような一体的な形成(例えば、成形工程)は困難であり、そのため、逆止弁は別体の素子として設け、キャップ部中の内容物抜き取り流路にある適切な大きさの空洞部の中に、後で挿入するものでよい。
流路はキャップ部の上面の上に取り付けられた、またはキャップ部の上面の中に形成されたコネクタ素子を接続するものでよい。流路を用いてアンプルから注射針を用いて内容物を抜き取るということが従来行われることが多いが、閉塞部材の上面に適切なコネクタを設ければ、流路を通してアンプル内部と連通する閉塞部材に注射針を直接接続することができ、そのようにすれば内容物を直接抜き取ってシリンジの中に入れることができる。この構成にはいくつかの有利な点がある。例えば、患者を治療する過程で用いる注射針の数を減らせる(アンプル内容物の抜き取りのために注射針を用いない)ので、結果として注射針による怪我のおそれがさらに小さくなる。注射針を充填する間の(折断されたアンプル本体部や内容物抜き取り注射針でも)先の尖った物による危険が極めて低くなる。
使おうとする特定の用途に適したコネクタ素子ならばどんなものでも用いることができる。しかしながら、好ましい実施形態では、例えば、ルール(Luer)先端コネクタやルール(Luer)係止コネクタのようなコネクタ素子は注射針用コネクタである。流路はキャップ部中にその中心に沿って、すなわち、対称軸に沿ってまたはその近傍に形成されるのが好ましい。所定の実施形態では、この流路は前記した円錐形部分の先端からキャップ部の上面まで延設されるものでよい。コネクタ素子はキャップ部に嵌る別体の部材でもよいし、例えば、キャップ部の一部としてキャップ部と一体的に形成されたものでもよい。コネクタ素子とキャップ部は2段階ステップの成形プロセスで形成することができる。この成形プロセスでは、まずコネクタ素子が成形され、その後キャップ部(およびスカート部)がコネクタ素子の周りに成形される。
内容物抜き取り流路が、閉塞部材を貫通してアンプルの首部の中にまで挿入される(例えば、概ね円錐形の突起部の)突起部の中心まで延設されているとき、通常、この突起部の半径方向外側の表面とアンプルの首部の内面の間の突起部の周りの領域があり、この領域の内容物は前記流路を通して簡単に抜き取ることができない。例えば、アンプルを逆さまにすると、流路の入り口部分の内容物の収集に比べて、突起部の周りの領域の内容物の収集は低いレベルでしか行えない。このことによって、抜き取ることができる内容物の量が減少し、したがって、抜き取りの効率が下がる。
問題となる内容物の量は極めて少ないが、主流路と突起部の側面を連通させる分岐路を追加で設ければ、抜き取りの効率を改善でき、内容物を突起部の周りから改善した効率で抜き取ることができる。所定の実施形態では、このような追加で設ける分岐路は主流路と突起部の半径方向外側の側面を連通させる一つ以上の貫通孔の形態のものでよい。別の実施形態では、このような分岐路は突起部の先端からの突起部の一部分に沿って主流路と突起部の半径方向外側の側面を連通させる狭い溝の形態とすることができる。
この突起部の一部分は、挿入深さが最も小さい場合(通常、首部の開口が最も小さいアンプルの場合に生じる)でもアンプル内に狭い溝が入るように選択される。貫通孔の場合、可能な複数の異なる突起部の挿入深さに対応するため、貫通孔は複数の異なる軸方向位置に設けて、比較的太いアンプルに当てられた場合でも、内容物を最適に抜き取ることができる首部に近い貫通孔が必ずあるようにする。貫通孔はすべて突起部から閉塞部材の上面に向かっている、すなわち、内容物が抜き取られる方向と同じ一般的な方向に向いていることが好ましい。貫通孔または狭い溝は閉塞部材成形物の一部として成形されてもよいし、または成形後の工程で形成されてもよい。
前記したように、アンプル本体部から頂部を折除してアンプルを開口する時、アンプル材料の破片(通常、ガラス)を折断して、アンプル内に落下するおそれがある。このような破片がアンプルの内容物と一緒に抜き取られるのを防ぐことが望ましく、そのため、フィルタが流路内に設けられる。このフィルタはアンプル内容物を通すが、ガラスの破片が通るのは防ぐ、大きさの孔、流路または開口を有するのが好ましい。フィルタは流れの経路中のどこに配置してもよく、例えば、流路のいずれかの端部、またはその中間の任意の箇所に配置することができる。フィルタは閉塞部材と一体の部品としてもよいし、取り外し可能な部品としてもよい(したがって、必要な場合はオプションの素子として取り付け、そうでなければ取り付けなければよい)。単に一つの実施例としてあげるが、フィルタはスポンジ、メッシュ(例えば、ファイバからなるマットもしくは織布)または平行に並んだ複数の非常に細い管の束とすることができる。ルール先端コネクタを用いる実施形態では、フィルタはルール先端コネクタの一部とすることができる。所定の実施形態では、前記した逆止弁もこのようなルール先端コネクタの一部とすることができる。
キャップ部とスカート部を別々に作製して、結合または取り付けることもできる。しかし、これらキャップ部とスカート部は一体的に形成することが好ましい。キャップ部とスカート部は単一の材料から作製(例えば、成形)することが好ましく、例えば、エラストマから作製される。所定の実施形態では、キャップ部とスカート部はシリコンから作製される。シリコンは優れた弾性特性および変形特性(鋭い縁部が食い込むと良好な封止ができる)を有しており、さらにシリコンは容易に成形できるからである。キャップ部とスカート部の材料はまた相当な期間経過後もその変形特性が変わらないことが好ましい。通常のアンプルの保存可能期間は1年以上であり、そのため閉塞部材も同じ保存可能期間を有して、閉塞部材がアンプルと同じ期間にわたって使用できるものとしてアンプルと一緒に供給されできることが好ましい。したがって、キャップ部とスカート部の材料の弾性特性および/または変形能特性は長期間経過後も、例えば1年間、その特性を維持していることが好ましい(例えば、スカート部を上に折り曲げられた状態、または巻き上げられた状態に維持でき、そのような状態から変わらずに適切に伸展できる)。
スカート部が第2の状態のとき、アンプルの上にある重要なラベルや情報を隠さないように、スカート部は透明であることが好ましい。このことは、例えば患者に誤って異なる薬を投与するのをふせぐため、薬品の場合に重要である。
スカート部は巻いたり、折り曲げたりさらにそれらの状態から伸展させたりするのに、適切な厚さを有するものでよい。所定の好ましい実施形態では、スカート部の厚さは少なくとも0.1mm、少なくとも0.2mm、または少なくとも0.5mmとしてよい。所定の実施形態では、スカート部の厚さは、わずか5mm、好ましくはわずか4mm、より好ましくはわずか2mmとしてよい。(弾性特性および表面摩擦特性とともに)材料の厚さは封止特性に影響し、さらにスカート部が保管状態と展開状態の間での動き方にも影響する。比較的厚い材料の場合、スカート部が押されていったん保管状態でなくなると、スカート部が一気に展開する「スナップ」型の展開がおきることをより促進する。代わりに、厚い材料ではなく、比較的高剛性の材料または本来の形状および状態に戻ろうとする傾向が強い材料を用いてもよい。
所定の実施形態では、キャップ部および/またはスカート部は、スカート部が第2の状態のときに(例えば、展開してアンプルに当たっているとき)、転がるのを防ぐ外表面の形状を有するものでよい。そのような形状はキャップ部および/またはスカート部の厚さが一様でなく変化したものにすることができる。このような形状は、例えばアンプルが不安定な環境で用いられる時、例えば救急車の後部で、アンプルが押されて倒されたりする可能性が高かったり、直立状態で保持することが困難な場合に役に立つ。普通のアンプルは断面が丸いので側面を下にして置かれると自由に転がる、一方、もしも閉塞部材によってアンプルを非円形の形状、例えば若干正方形のプロファイルにすれば、転がりを防ぎ、アンプルが動く可能性は低くなるし、推進力を得る可能性も低くなるし、さらに例えばテーブルや棚のような高い場所から床に落下する可能性も低くなる。
キャップ部および/またはスカート部の外表面の形状は一つ以上のリブを有するものでよい。これらのリブは軸方向に延設され、(アンプルの主軸に垂直な断面の)断面形状を変化させるものでよい。単一のリブで十分足りるが、リブによってアンプルが転がるのを止める前にアンプルが転がる長さを最小にするように2個、3個または4個のリブをキャップ部および/またはスカート部の周りに均等な間隔を空けて設けるのが好ましい。これらのリブはスカート部、キャップ部またはこれら両方に設けることができる。所定の好ましい実施形態では、スカート部の巻き上げるのを妨げないように軸方向のリブがキャップ部にのみ設けられる。
所定の好ましい実施形態では、一つ以上のリブがスカート部の周りをらせん状に伸びている。このらせん状のリブの場合、リブの体積がスカート部の周囲により均等に分散されているので、スカート部が巻き上げられ、または上方に折り曲げられて第1の状態になる時の障害になりにくい。デバイスの大きさおよびどの程度転がりを抑えようとするかによって、らせんの角度を選ぶことになる。しかし、所定の実施例では、らせんの角度は計測部材/アンプルの主軸に対して45°未満であることが好ましい。このようなスカート部のらせん状のリブは、スカート部が押されて第1(保管)状態の安定からいったん外れると自動的に展開するのを支援する。
スカート部の材料(例えば、所定の実施形態ではシリコン)とアンプルの材料(通常ガラス)の摩擦によって、大抵の場合、閉塞部材を開口したアンプルにしっかりと当てて保持し、折断された周縁部の周りを封止するのに十分な力が与えられる。しかしながら、そうでない場合、封止を確実に維持するために接触力を補強することが望ましい。したがって、スカート部の内側表面は少なくともその一部が把持材料または接着剤で被覆されてもよい。この場合接着剤は永久接着剤でもよいし、一時的な接着剤でもよい。所定の実施形態では、スカート部の内側表面には少なくとも一つの内周リブが設けられている。この内周リブは摩擦を増大させてスカート部がいったん展開されて第2の状態になると、スカート部をアンプルから離すのをより困難にするのに用いられる。この内周リブまたは内周リブのそれぞれは閉塞部材をアンプルに取り付ける時の抵抗よりも閉塞部材を外す時の抵抗が大きい非対称な形状としてよい。このような非対称な形状のリブを用いれば、そのリブ形状のため、スカート部を取り付けて第2の状態にするのは容易であるが、取り付けたスカート部を外すのは難しい。
キャップ部が弾性材料でできている場合、キャップ部がアンプルの折断された首部に押し当てられた状態でスカート部が展開される。展開後に突き当て力がキャップ部から除かれても、スカート部が若干伸びた状態になり、スカート部のアンプルの外側表面に対する摩擦によって、キャップ部をアンプルの折断された首部に押し当てるキャップ部にかかる引っ張り力が維持され、その結果折断された首部を封止される。
閉塞部材はさらに閉塞部材の外周に配置されたリングを有するものでよく、スカート部が第1の状態のとき、このリングの周りでスカート部が巻かれ、または折り曲げられている。閉塞部材をアンプルに押し当てることにより閉塞部材の内側に力がかかると、スカート部が折り曲げられた状態からアンプルの周りに伸展する、または「パチンと音を立てて開いて」アンプルの周りに取り付けるのを、このリングは支援する。このリングは、実質的には余分な表面を与えるものであり、スカート部はこの表面の周りを通らなければならず、スカート部がリングを通り越して折り畳まれる時にスカート部は余分に伸長する。この余分な伸長によって、第1と第2の状態の間におけるスカート部の安定性を変化させる。したがって、スカート部は第1と第2の状態の両方では安定であるが、リングは第1の状態に近いが安定度は低い遷移点を作り、この遷移点ではスカート部は押されるとすぐに第2の状態に向かって動き始める。このスカート部の弾性は通常スカート部がいったん中間の不安定な位置を通り越した時、スカート部を第2の状態にいたるまで展開するのを支援する。しかし、もしもスカート部が第2の状態にいたるまで展開しない場合、リングが別体であるならばリングを用いてスカート部をさらに下方に押してアンプルに当てて展開を完了させることができる。他の実施形態では、リングがキャップ部と別体ではなく一体的に形成されてもよい。言い換えれば、リングがフランジを構成し、スカート部が第1の状態のとき、このフランジの周りにスカート部が折り曲げられている。
所定の実施形態では、閉塞部材はスカート部を第1の状態に保持し、スカート部を解放して、スカート部が第2の状態に移行できるようにするディスペンサをさらに有するものでよい。このようなディスペンサは閉塞部材と一緒に供給される取り外し可能な治具となり、閉塞部材が使われるまで閉塞部材とくっついている。ディスペンサは閉塞部材のアンプルへの取り付けおよびスカート部の解放を容易にする。その後、ディスペンサは処分することができる。
ディスペンサはキャップ部と接触する大きさの小径部分とスカート部を第1の状態に保持する大径部分を有する。ディスペンサは離隔リングを含むものでよい。離隔リングは折り曲げられた、または巻かれたスカート部を第1の状態に保持するのを支援し、アンプルに取り付け後もそのまま働き封止力に付加されて、スカート部をアンプル本体部に押し当てることができる付勢力を与える。離隔リングを軸方向に押してアンプル本体部に沿って動かせば、離隔リングはさらにスカート部をアンプル本体部に当てるのを支援する。離隔リングが離隔するのでアンプルの太さが変化しても離隔リングはその変化に合わせて形を変えることができる。例えば、肩部が太くなると離隔リングは拡がる。
ディスペンサは第1の状態のスカート部を把持する把持部を有するものでよい。把持部は解放機構を有するものでよい。この解放機構によれば、スカート部は第1の状態から第2の状態に移行することができるようにスカート部が解放される。把持部は少なくとも一つの回転するアームを有するものでよく、ディスペンサが押しつぶされるとこのアームは回転支点の周りを回転し、スカート部を解放する。
キャップ部はさらにアンプルの折除された頂部を把持してアンプルの頂部を残りの部分から取り除くのを容易にすることができる把持デバイスを含むものでよい。このような構造を有することで、折断動作からユーザーの手を除き、折断により生じる鋭利な端部からユーザーの指を一層離しておく。把持デバイスはアンプル頂部が入る大きさのリングとすることができる。このリングの内面は、弾性材料またはアンプルの材料と十分な摩擦により係合し、頂部が折除された後キャップ部を保持する他の把持材料でできたものでよい。
所定の実施形態では、閉塞部材はさらにキャップ部の上面を覆う蓋を含むものでよい。この蓋は閉塞部材にヒンジで繋がり、閉塞部材と別体にならない。この蓋はもちろん閉塞部材と一体的に形成してもよい。閉塞部材の上面はアンプルと反対側の表面、すなわち、通常の使用において直立するアンプルから最も上にある表面であることがわかる。この蓋は気密性のシールでアンプルの内容物を保護し、かつ保存するシールを構成するものでよい。キャップ部がルール(Luer)型コネクタのようなコネクタを備える実施形態では、蓋はコネクタと係合し、コネクタにヒンジで繋がっているものでよい。このようなコネクタはキャップ部の残りの部分よりも剛性の高い材料で形成されているので、蓋をより強く係合することができる。
本明細書で説明する閉塞部材によれば、内容物の無駄が少なくなるだけでなく、怪我をしたり、汚染したりするおそれは小さい、患者にとっても、またヘルスケア担当者にとってもより安全な処理を行うことができる状況を与えることができることがわかる。
少なくとも好ましい実施形態においては、本願発明の閉塞部材は、曲げることができるキャップ部/封止部/液体移送部が組み合わさった一つのデバイスを提供し、このデバイスは注射針を使用しないでガラスアンプルから液体内容物を抜いてシリンジに入れるのを容易にする。このデバイスはガラス端部を覆い、内容物をフィルタにかけ、液体内容物がこぼれるのを防ぎ、ユーザーが正確な量の内容物を抜き取ってシリンジに入れ、患者に投与される一回の薬剤を完全にコントロールすることができるようにする。
この封止部の別な利点は、アンプルが一回よりも多い投与回数に見合う内容物をアンプルが含む場合、この内容物は殺菌された状態で保存され、長期間こぼれることを防ぐことができるので、2回目(さらに多くの回数も可能)の投与分をアンプルから抜き取ることができ、そのため内容物を無駄なくより効率的に使用することができる。所定の製品の場合、内容物は開口後、所定の時間内に使用しなければならないことがある。例えば所定の薬品は、国によってはその法令にしたがって開口後24時間以内に使用しなければならない。しかし、このような場合でも、アンプルが適切に閉塞され、かつ/または封止されれば、2回目(またはさらに多くの回数)の投与分を抜き取ることができる使用可能期間が与えられている。
キャップ部はスカート部を閉塞部材の上面と隔てる遮蔽リブを備えるものでよい。この遮蔽リブはキャップ部の外面の周りに設けられ、アンプルに当たっている閉塞部材に力がかかった時に誤ってスカート部が早期に展開するおそれを少なくすることができる。閉塞部材が指でアンプルに押し付けられる時、押しつける指がキャップ部に沿って滑り、スカート部を展開してその第1の状態から第2の状態にしてしまうおそれがある。遮蔽リブは、スカートを展開することが望まれる時まで、押しつける指(または、例えば閉塞部材が梱包部材から取り出される時に力を加える人)からスカート部を保護する。前記したように、このスカート部の展開は、必要でないときに誤って起動されないかぎり、十分な力をかけると自動的におきることが好ましい。
スカート部は一つ以上の支持突出部を備えるものでよく、この支持突出部は、スカート部が第2の状態になると、アンプルの肩部の領域の外表面と係合するようになっている。通常のアンプルは(外側から見ると)凹形の領域である首部を有すると考えられ、この首部は折除された頂部を肩部につなぐ部分である。この肩部は(外側から見ると)凸形の領域であり、首部を側壁部につなぐ部分である。この側壁部はアンプル本体部の概ね垂直な壁部である。スカート部が第1の状態のとき、前記した一つ以上の支持突出部は閉塞部材の下側で、アンプルの開口よりも大きな直径の円周上に配置されることが好ましい。
そのため、閉塞部材がアンプルに押し当てられると、支持突出部は展開されてアンプルの太さによって決まるアンプルの外表面の位置に当たる。この一つ以上の支持突出部がある目的は、スカート部の展開過程でスカート部がアンプルの肩部を通る前にスカート部の径があまり早く小さくなるのを防ぐことによって、閉塞部材が複数の異なる太さのアンプルすべてに使えるようにすることである。所定の範囲の大きさのアンプルの外径部を封止するために、キャップ部は封止する最大の径よりも大きくなるように形成されることが好ましく、またスカート部は封止される最も細いアンプルの径よりも小さい固有の径(すなわち、アンプル上に展開するのではなく、伸ばされないで展開したときの径)を有するように形成されるのが好ましい。
スカート部が展開する間に、スカート部が巻かれた状態または折り曲げられた状態から伸展してキャップ部から離れると(スカート部が巻き上げられスカート部の固有の径よりも大きな径になっている状態)、スカート部はアンプルの外表面と係合するまで、その固有の径に向かって収縮し始める。比較的小さい径のアンプルの場合、スカート部がアンプルの外表面と係合するのは、アンプルの本体を首部とつなぐ肩部よりも低い、アンプル該表面に沿った位置となりやすい。そうなれば、スカート部はアンプルの外表面に沿って容易に展開する。
しかし、比較的大きい径のアンプルの場合、前記したような支持突出部がないと、スカート部がその径を小さくし始めても、スカート部は比較的太いアンプルの肩部に接触し、この肩部によってスカート部のその先の展開が妨げられる。それでもスカート部を手で押して肩部を越えさせることもできるが、自動的な展開(または、「スナップ」型の展開)は妨げられる。前記した一つ以上の支持突出部は比較的太いアンプルの肩部に接触するので、スカート部が軸方向に下がってアンプルの肩部を過ぎる前に、スカート部がその径を小さくするのを防ぐことができる。支持突出部は展開の最も初期段階でアンプルの肩部に当たって実質的にスカート部を支持する。スカート部がアンプルの肩部をいったん越えると、展開は通常通り進む。
支持突出部はアンプルの肩部のみと係合するのが好ましく、それよりも高い位置の首部と係合すると展開する時にスカート部を十分に支持してスカート部の径を維持することができない。スカート部が(閉塞部材が嵌る範囲の)比較的細いアンプル上に展開する場合、支持突出部はアンプルに全く接触しない場合がある。複数の前記した支持突出部がスカート部の内周に設けられ、すべての支持突出部がアンプルの開口よりも大径の円周状に配置されるのが好ましい。単一の環状支持突出部を用いることもできるが、そのような環状リングはスカート部を第1の状態に保持するのを難しくする張力が生じることがあることがわかっている。そのため、好ましい実施形態では、複数の支持突出部が開口の周りに相互に間隔を空けて設けられる。このような構成では、張力が小さくなり、比較的太いアンプル上に展開するのを容易にするのに必要な支持を与えることができるとともに、スカート部を第1の状態に保持することができる。支持突出部はすべて閉塞部材の中心に向かって細くなる形状(例えば、三角形または台形)とすることができる。
閉塞部材がアンプルを封止するので、内容物がアンプル内部から抜き取られるとアンプル内部の圧力が低下する。この圧力低下によって封止力が強くなり、その結果、閉塞部材の内外での圧力差があるにもかかわらずアンプルの封止状態が維持される。したがって、この圧力差は通常、利点になる。しかしながら、一度で大量の内容物が抜き取られる必要がある時の比較的太いアンプルの場合、この圧力低下によって十分な内容物を抜き取ることが困難または不便になりうる。例えば、圧力差が大きくなると、アンプルから薬を抜き取るのに用いる注射針は吸引力を受け、その吸引力によって注射針を引くのが難しくなる。
逆止弁抜き取られた内容物が吸引されてアンプル内に戻るのを防ぐことによって、この圧力低下の問題を緩和するのにいくらか役立つ。しかし、吸引力によってシリンジを片手で使用するのが困難になるのならば不便さが残る。そのため、所定の実施形態では、一つ以上の外部とアンプル内部を、すなわちアンプル内部の領域と閉塞部材の外部を連通させる空気流路を設ける。この空気流路によって空気がアンプルの中に入り、圧力差が軽減される。しかし、アンプル内部の殺菌された状態を保つためには、そのような空気流路には必ず殺菌されていない異物がアンプルの中に入るのを防ぐフィルタを取り付けるのが好ましい。
アンプルの折断された周縁部と係合する閉塞部材の構造は折り曲げられるスカート部と独立して進歩性を有するものと考えられる。そのため、本願発明の別の特長にしたがうアンプル用の閉塞部材は、開口したアンプルの折断された首部と係合するキャップ部と、前記キャップ部から延設され、アンプルの側面を把持するスカート部と、を有し、前記折断された首部と係合する前記キャップ部はアンプルの開口した首部の内部に突出する凸形状部分を有し、前記キャップ部は変形して前記折断された首部を封止するように変形可能な材料でできている。
前記した好ましい特徴はすべて本願発明に同じように適用され、最も好ましい実施形態では両方の発明部分が採用されることがわかる。
特に、前記凸形状部分は前記したように円錐形または先端を切った円錐形であることが好ましい。また、前記凸形状部分の周りに側溝を設けてもよい。
スカート部は前記したようなものでよいが、他の実施形態では必ずしも折り畳まれていない異なるスカート部によってアンプルが把持されてもよい。例えば、同じ弾性材料でできた、またはもっと剛性の高い材料製の押し当て型またはスライド当て型のスカート部を用いてもよい。スカート部がアンプルに被せられてアンプルに押し付けられるので、スカート部は半径方向に拡がり曲げることができる材料でできているようにしてもよい。そのような場合、スカート部はその固有の(伸ばされていない状態の)径が閉塞部材によって封止するつもりの最も細いアンプルよりも小さい。スカート部は閉塞部材によって封止するつもりの最も太いアンプルにも対応するのに十分な弾性を有する。
押し当て型またはスライド当てのスカート部の場合、閉塞部材がアンプルに押し当てられると、すぐにスカート部によってアンプル本体部の外表面を封止する封止部が形成される。閉塞部材がさらに動かされてアンプルに当てられるとき、この封止部が気密性(通常、そうである)であるならば、空気圧力がスカート部内部で高くなる。この圧力上昇によって、閉塞部材をアンプルにまで完全に押し当てるのが困難になり、アンプルの折断された首部を完全に封止することが妨げられることがありうる。そのため、空気が逃げられるようにスカート部内部と閉塞部材の外部を連通させる一つ以上の空気導管を設けて、圧力上昇を緩和するのが好ましい。これらの空気導管はアンプル自身の内部とは連通しないことが重要であり、これらの空気導管はアンプルの首部との接触点の外側にある位置のスカート内部(すなわち、閉塞部材の内部であるがアンプルの外部)と連通する。アンプルの首部の封止が形成されると、この封止によって殺菌されたアンプルの内部をこのような空気導管によって外部と連通した領域とが隔離される。所定の好ましい実施形態では、これらの空気導管はアンプルの内部に突出する突起部から半径方向外側の点に連通するものである。
押し当て型またはスライド当て型のスカート部は、スカート部とアンプルの外表面の間の摩擦を増大させる一つ以上の前記したような内周リブを有するものでよい。所定の好ましい実施形態では、この一つ以上の内周リブは薄板状部分(lamellae)の形態のものでよく、これらの薄板状部分がアンプル本体部を被って押圧されると、これらの薄板状部分は撓み、および/または曲がりアンプル本体部の表面と概ね平行になる。これらの薄板状部分は弾性材料または変形可能な材料で作られ、押し当て工程で撓む、および/または曲がるようにアンプル本体部の径よりも小さい固有の径を有する。所定の場合では弾性材料でできた小さい内周リブによって生じる摩擦によって、アンプルと最大限重なる位置から若干押し戻されて、アンプルの首部で形成される封止の効果が減じられる。薄板状部分は曲がってアンプル本体部の表面と概ね平行になることで、軸方向の押圧力をより十分に維持しやすく、その結果、封止が改善される。
スカート部はスカート部から半径方向外側に向かって延設される鍔部を有するものでよく、この鍔部は閉塞部材をアンプルに押し当てるために押す面を有する。この鍔部はスカート部の端部に(キャップ部からの遠位端部に)設けるものでよいが、または、もっとキャップ部にもっと近い位置に設けてもよく、また実際にはキャップ部自身に接する位置に設けてもよい。
他の実施形態においては、スカート部は完全にアンプルを囲むものでなくても十分な把持力を生じさせることができる。例えば、向かい合う把持指部はアンプルを押圧することができる。把持力または押圧力はシリコンのような軟らかく、滑りにくい材料で覆われた、もっと剛性の高い構造(例えば、ばね用金属)によって与えられるものである。複数のばね付きの把持部材を用いる場合、閉塞部材はそれをアンプルに嵌めるために、複数のばね付き把持部材同士を離す手段を有するものでよい。例えば、このような複数のばね付き把持部材は、開いた状態と閉じたまたは把持する状態の間で動くように回り、他の力をかけなくても十分な封止が維持されるように、閉じた状態または把持する状態に向かうように付勢されているものでよい。
閉塞部材は、スカート部を半径方向内側に向けて付勢してアンプルの側面に押し付ける高剛性な構造をさらに有してもよい。この高剛性な構造は少なくとも一つの足部をピボット構造の周りに有し、スカート部をアンプルに取り付け、またはスカート部をアンプルから取り外すために、この足部を半径方向外側に向かって回転させてスカート部を解放することができる。
代わりとなるスカート部は、堅いが、曲げることができる外側材料(または、ばね)部分をその外側に有し、シリコンのような、外側材料部分よりも軟らかくて、滑らない内側材料部分をその内側に有するものでよい。外側材料部分は分割されて複数の前記したような把持指部になっていて、一方内側材料部分はアンプルを完全に取り巻いていてもよい。代わりになるが、使用されている時にアンプルの折断された首部の周りに完全な封止が形成されるかぎり、外側材料部分と内側材料部分がともに分割され、分離した複数の指部になっていてもよい。
本願発明を別の見方をすると、本願発明は、開口したアンプルの折断された首部と係合するキャップ部と、前記キャップ部から延設され、アンプルの側面を把持するスカート部と、を有し、前記折断された首部と係合する前記キャップ部の表面は変形して前記折断された首部を封止する変形可能な材料でできているアンプル用の閉塞部材を与える。
前記したように、スカート部は巻かれて、または折り曲げられて保管状態になる曲げることができるスカート部でよく、このスカート部はさらに起動されて、または展開されてアンプルに当たって使用状態になる。このような本願発明の定義には、前記した好ましい、オプションとなる複数の特徴部分はいずれも同じように適用できることがわかる。
キャップ部は、殺菌されたアンプルの内部を殺菌されていないアンプルの外部から隔離するように、アンプルの首部の折断された周縁部の全周にわたる封止を形成するものでよい。前記したように、アンプルの折断された周縁部(すなわち、折断された端部の表面)はアンプルの内部とアンプルの外部を繋ぐ。アンプルの内部は通常、殺菌されており、アンプルの外部は通常、殺菌されていない。アンプルの内部と外部を繋ぐ(さらに、アンプルの本体の壁の一部であった)折断された表面は殺菌されており、この表面をその全周にわたって封止すれば、殺菌された部分を殺菌されていない部分と隔離し、その結果、内容物を抜き取るときの汚染を防ぐことになる。
折断された首部と係合するキャップ部の表面は、高さのばらつきが少なくとも0.5mm、好ましくは少なくとも1mm、もっと好ましくは少なくとも2mm、少なくとも3mm、少なくとも4mm、少なくとも5mm、少なくとも6mm、少なくとも7mm、または少なくとも8mmである表面を有する折断された首部に形状を合わせて、同首部を封止できるのが好ましい。この表面のばらつきの量は用途によって変わり、アンプルの頂部をアンプル本体部から折断する方法による。
折断する方法によっては極めて平滑な周縁部になることもあるし、鋭利でギザギザの周縁部になることもあることがわかっている。したがって、封止する表面は、のこぎり歯状の歯によって折断された周縁部の全周のどの点においても閉塞部材による封止が妨げられないように、封止を行おうとする所定のアンプルの周縁部上に生じると予想される最大ののこぎり状の歯にその形状に合わせることができる。アンプルが太くなるほど、のこぎり状の歯は大きくなる可能性が高いので、折断された周縁部に対向するキャップ部中の部分の材料をより大きく(厚く)することが必要であろう。所定の実施形態では、内容積が1ミリリットルから5ミリリットルのアンプルの場合、6mmまでののこぎり状の歯が生じることがわかっている。一方、内容積が10ミリリットルから30ミリリットルlのアンプルの場合、8mmまでののこぎり状の歯が生じることがわかっている。したがって、これらの大きさのアンプルを封止するキャップ部のそれぞれは、封止するアンプルの大きさに応じた大きさのこぎり状の歯にその形状を合わせることができることが好ましい。
本願発明は開口したアンプルであって、その開口の周りの(開口する工程の一部として折断された)周縁部を有するアンプルにまで拡張され、前記した周縁部に形を合わせて当たる(オプションとしてさらに前記した特徴部分を含む)前記した閉塞部材を有するものであると考えられることがわかる。
別の特長にしたがう本願発明は、アンプル閉塞部材用の梱包部材を与え、この梱包部材は前記アンプル閉塞部材を包囲する第1袋と、アンプル頂部を入れる第2袋と、を有する。
アンプル頂部を入れる第2袋を設けることによって、アンプルの頂部を安全でしかも容易に除く方法が得られる。ユーザーはこの(空の)第2袋を開口して、アンプルの頂部に被せて、このアンプルの頂部が第2袋の内部に保持されている間にアンプルを折断することができる。このやり方によれば、アンプルの折断された首部の鋭い端部からユーザーの指が保護され、さらにアンプル(およびアンプルの内容物からの残り)を安全にしかも容易にこの第2袋内に留めることができる。
この第2袋はアンプルの頂部よりも大きく、第2袋を捩って第2袋内にアンプルの頂部を保持して密閉することができるほど十分に変形可能な材料でできていることが好ましい。いったんアンプルの頂部が除かれると、その頂部を保持して第2袋から落下することを防ぐことが望ましい。したがって、この第2袋を再び効果的に素早く密閉するように第2袋を捩ることができることは、鋭い頂部を安全に第2袋の中に閉じ込め、怪我をすることがないようにできる。第2袋を構成する材料は、捩られた形状にそのまま留まるほど十分に曲げやすく、弾力性がないものであることが好ましい。
除去可能な封止用のストリップまたはカバーを備え、それによって第1袋を使用するまで密閉するのが好ましい。これによって、アンプル用閉塞部材を必要となるまで殺菌された状態に保てる。この除去可能な封止用のストリップは、第2袋もそれが使用される時まで封止することが好ましい。これによって、梱包部材の一部(すなわち、第2袋の内部)が折断された端部と接触しても、接触した梱包部材の部分は殺菌された表面であるから汚染するおそれが確実に少なくなる。製造時に両方の袋を封止する方が生産するのにも容易である。所定の実施形態では、このストリップは、再び封止することできるものでよく、その場合この封止用のストリップのよって第2袋内に折断されたアンプルの頂部を封止し、この折断されたアンプルの頂部の鋭利な端部、またはのこぎり歯状の端部がユーザーに対する切り傷の危険となることを防ぐことができる。
本願発明はさらにアンプルを封止する方法にまで拡張され、この方法は、前記した閉塞部材(変形例の閉塞部材や前記した好ましいまたはオプションの特徴部分を含む閉塞部材を含む)アンプルの折断された首部に押しつけ、スカート部を展開して第1の状態から第2の状態にする、ことを含む。
本願発明はさらに閉塞部材を作成する方法にまで拡張され、この方法は、キャップ部と前記キャップ部から延設される円筒形状のスカート部とを有する閉塞部材を形成する工程と、前記第1成形ピースを除く前に、前記円筒形状のスカート部を巻き上げて前記キャップ部に当てる工程と、を含み、この閉塞部材を形成する工程は、少なくとも前記円筒形状のスカート部の内側表面を画定する第1成形ピースに被せて成形する工程を含む。
このスカート部の巻き上げは人間の手によって行われてもよいし、巻き上げ機械によって行われてもよい。このスカート部の巻き上げは一つ以上の可動摩擦表面をスカート部に接触させ、スカート部がキャップ部に向かうようにスカート部の外側表面に力をかけることによって行われる。この可動摩擦表面は、回転してスカート部を巻き上げるホイールまたはホイールの一部分(例えば、円形の弧状の物)でよい。このスカート部の巻き上げが起きる時、巻き上げられるスカート部との接触を維持するようにこのホイールは回転しながらキャップ部に向かって直線的に動く。
第1成形ピースは、スカート部の巻き上げを引き起こすように離隔する2個以上の部材からできているものでよい。これらの2個以上の部材のキャップ部から遠位側の端部は互いに離隔し、一方、これらの2個以上の部材のキャップ部に隣接する側の端部は互いに離隔しない状態のままである。このような2個以上の部材の離隔によって、キャップ部から遠位側のスカート部の端部がキャップ部に隣接する側のスカート部の端部よりも伸長するため、スカート部が巻かれてより小さい径になろうとし、キャップ部に向かって巻かれるように動かされる。キャップ部から遠位側の端部から概ねスカート部の軸方向に沿って楔をこれらの2個以上の部材の間に押し込むことによってこれらの2個以上の部材を離隔させることができる。
図1は(純粋に例として)モルヒネやアドレナリンのような薬品を保存するために用いられるタイプのアンプルの中で代表的なアンプル1を示す。アンプル1は直立できるように平らな底を有し、通常は円筒形状の本体部2と首部4によって本体部2と分離されている頂部3を有する。首部4は弱点として形成され(例えば、薄い断面または傷若しくは溝のような弱点を有する)、その結果、力が頂部3にかかると首部4はアンプルの他の部分よりも優先的に折れる。
図1(a)は封止された状態のアンプル1を示し、通常薬品または他の化学物質で充填されている。図1(b)は例えば横方向の力を頂部3に加えて、頂部3が折除された後のアンプル1を示す。この折除は通常手で行われる。この折除は単に頂部3と底部2を掴んで首部4が折断するまで横方向の力またはトルクを加えることによって行ってもよい。保護のために、空のシリンジ円筒または薄い布/ガーゼのようなツールを用いてもよい。通常、折断された首部4は不規則な形状をしており、鋭利になっている可能性がある突起部分を有する、のこぎり歯状の表面を形成し、この表面はユーザーが切り傷を負う危険となるものである。
頂部3を本体部2から分離した後で内容物を本体部2から抜き取る前に、閉塞部材10を本体部2の折断された首部4に当てて、折断された端部を覆い、ユーザーを保護する。図1(b)は、折り曲げられた状態または巻き上げられた状態の閉塞部材を示す。この状態の閉塞部材10が通常ユーザーに供給されるものであり、この状態の閉塞部材10はそのまま展開してアンプル本体部2に当てることができる。図1(c)は展開してアンプル本体部2に当てられた後の閉塞部材10を示す。閉塞部材10が、折断された鋭い首部4を完全に覆い、閉塞部材10のスカート部11がアンプル本体部2の外表面を包み、アンプル本体部2を掴み、閉塞部材10を所定の位置にしっかりと保持している。
図1(d)はスカート部11が若干伸びた状態で維持されるならば、すなわちスカート部11の「弛緩」状態の直径がアンプル本体部2よりも小さければ、閉塞部材10を比較的細いアンプル1に当てることができることを示す。
図2は完全に弛緩した状態(展開した状態、しかし展開したがアンプルに取り付けられていない)の閉塞部材10の平面図、正面図および底面図を示す。閉塞部材10はキャップ部12とスカート部11に分けられる。内容物移送経路13が概ね中心軸に沿ってキャップ部12を貫通して形成され、閉塞部材10がアンプル本体部2に取り付けられた後、この内容物移送経路13によってアンプル本体部2の内部から内容物を抜き取ることが可能になっている。
図3は所定の実施形態にしたがう閉塞部材10の様々な方向から見た図を示す。閉塞部材10の外側表面上にはリブ14が形成され、リブ14は、閉塞部材10がその側面を下にして平らな表面上に置かれた時に閉塞部材10が転がるのを防ぐようにするものである。
図3(a)はスカート部11が展開した状態になって完全に弛緩した状態であって、アンプル1と係合していない閉塞部材10の断面を示す。この図からわかるように、スカート部11の底部リム15の断面は若干大きくなっている。このことによって2つの機能が果たされる。まず、展開した状態では、底部リム15は把持力が強くなりアンプル1を封止するのを支援する。次に、(図3(b)に示される)保管された状態では、底部リム15はスカート部11を巻き上げ状態に保つのを支援する。溝16がキャップ部12内に設けられており、保管のためにスカート部11が丸く巻かれて、または折り畳まれているときに溝16内にスカート部11の少なくとも一部が入る。保管状態にあるとき、閉塞部材10は図3(b)に示される保管状態から図3(a)に示される展開状態(または、もっと具体的には同様な状態であり、アンプル1の周りで伸展した状態)に迅速かつ簡単に展開される。
内容物移送経路13は図3(a)および(b)でもはっきりわかる。この実施形態では、内容物移送経路13は平行に配置された複数の小径の管から構成され、これらの管は内容物移送だけでなくフィルタの機能も果たす。このタイプのフィルタは固体内容物または粉末若しくは顆粒内容物よりも液体内容物に圧倒的に好適である。
図3(c)、(d)および(e)はそれぞれ本実施形態の閉塞部材10の平面図、正面図および底面図である。
図4は閉塞部材10がどのようにアンプル本体部2を保護するか、およびリブ14がどのように転がりを防ぐかを説明する。閉塞部材10は通常、衝撃が加わった時にそのショックを吸収して、アンプルが壊れる可能性を少なくするシリコンのような、軟らかくて、しかも/または弾性的な材料から形成される。図4(a)はアンプル本体部2が落下して閉塞部材10が表面20に当たる状態を示している。図4(b)は、アンプル1と閉塞部材10が表面20上で静止している状態を示し、アンプル本体部2が表面20と離隔してその上方にある。図4(c)は、表面20上で静止している閉塞部材10の端面図であり、リブ14により転がる動作が阻害され、封止されたアンプルがより安定に保持されている。
図5は包囲された閉塞デバイス10を用いて閉塞部材10をアンプル1に当てる工程を図解する。図5(a)からわかるように、包囲された閉塞デバイス10は保管状態のものであり、スカート部11がキャップ部12の一部の周りで上方に巻かれて、または上方に折り曲げられている。梱包部材24の一部であり閉塞部材10を中に収納可能な大きさと形状を有する第1殺菌袋25の中に、包囲された閉塞デバイス10は封止されている。
梱包部材24の他の部分は第2袋26であり、この第2袋26は殺菌されたものでよく、アンプル頂部3を収納する大きさと形状を有する。第2袋26は複数の異なる製造者からの広範囲の大きさアンプル1(頂部3はアンプルの部分の中で比較的異なるものが多い部分である)、したがって大きい範囲のアンプル1も収容できるように十分大きいものがよい。他の実施形態では、第2袋26は保護デバイス(例えば、薄布もしくはガーゼ)または指を保護しながらアンプル首部4を折断するツールを備えるものでよい。
図5(a)において、第2袋26は開口され、アンプル頂部3が第2袋26の中に挿入されている。図5(b)からわかるように、第2袋26の内部に折断された頂部3を封止して保持するように第2袋26は捩られ、したがって折断された鋭利な頂部3によって怪我をするのを防ぐことができる(別の実施形態では、第2袋26は別のやり方で、例えば封止ストリップを用いて再び封止してもよい。)。
図5(c)において、第1袋25は封止ストリップまたはカバー27を剥がして開口される。その後、図5(d)ではシリンジ30を用い、シリンジ30が閉塞部材10のキャップ部の上に付いている適切な大きさを有する内容物移送接続部31に接続する。
図5では、内容物移送接続部31はシリンジ30の雄形ルール型コネクタ32を当てて係止する雌形ルール型コネクタである。図5(e)からわかるように、シリンジ30を用いて閉塞部材10を梱包部材24からアンプル本体部2に移動させる。これによって閉塞部材10が非殺菌状態の接触をすることを少なくなる。図5(f)では、閉塞部材10をアンプル本体部2の折断された首部4に当てている。図5(g)では、閉塞部材10のスカート部11が折り曲げられた、または巻かれた保管状態から展開状態へ拡げられる。展開した状態では、キャップ部12がアンプル本体部2の折断された首部4を封止し、スカート部11がアンプル本体部2の外側表面をしっかりと押さえて把持する。
図5(h)は内容物(この場合液体)が、内容物移送経路13(液体流路)に接触するようにアンプルが逆さになり、内容物移送経路13を通してシリンジ30に抜き取ることができる状態になっていることを示す。
封止されたアンプル(アンプル本体とそれに固定された閉塞部材10)に取り付けられたシリンジは閉じたシステムを構成する。シリンジがアンプル本体部2から内容物移送経路13を通して内容物を抜き取る時、アンプル内部の圧力が低下する。この吸引効果によりスカート部11とキャップ部12がより強く、それぞれアンプル本体部2と首部4に押し当てられ、そのため封止状態を向上させ、殺菌された環境が維持される。この効果は内容物が迅速に抜き取られる際に液体内容物内部に乱流が生じ、より強固な封止が必要な場合に有利である。
内容物を抜き取る時にアンプル本体部2の周りを良好に封止して、その封止状態を保持することによって、アンプル本体部2を逆さにして内容物を抜き取ることできる。したがって、内容物(通常、液体)はキャップ部12の底面と接触し、内容物移送経路13とも接触する。このようにすることにより、より大量の内容物(所望の場合、概ね全量)を簡単に抜き取ることができる。さらに、このやり方で内容物を抜き取る場合、シリンジの中に引き込まれる空気は先端にあるので簡単に排出することができる。
図6は断面図により所定の実施形態の展開工程を図解する。図6(a)は保管状態の閉塞部材10を示し、この閉塞部材10中のスカート部11が大きくなっているリム15の周りで巻き上げられて溝16内に格納されている。この状態のスカート部11は安定な状態であり、何か所定の方向に動かそうとする力が加えられないかぎり、スカート部11はこの状態から動かない。したがって、閉塞部材10は、使用される必要がある時までずっと長期間この状態のままである。好ましい実施形態では、閉塞部材10が使用できる製品保存期間に適合するならば保存期間は1年以上でもよい。製品保存期間は当然もっと長い。閉塞部材10の材料にはこの製品保存器官の間中、弾性と変形性を保持するような材料を選択する。
図6(b)はアンプル本体部2に当てられている最中の閉塞部材10を示す。閉塞部材10はアンプル本体部2の折断された首部4に押し当てられる。閉塞部材10が首部4に押し当てられると、その押し当てる力がキャップ部12の弾性材料を介して伝達され、溝16の近傍にあるキャップ部12を変形させて、スカート部11を溝16から押し出すような形状をキャップ部12は有している。
このようなキャップ部12の形状により、キャップ部12の外表面の形状が変化して、スカート部11が安定な状態でないか、またはほとんど安定でない状態、のいずれかになることによって、スカート部11の展開が容易になる。スカート部11はこのような状態になるとその展開状態になるように簡単に動き、アンプル本体部2の外側表面を通って折り曲げられた状態または巻かれた状態から伸展し、アンプル本体部2を封止する。所定の実施形態では、アンプル首部4に押し当てる力は、別に動くように押したりせずにスカート部11を完全に展開してその展開状態にするのに十分な強さでよい。
図6(c)はスカート部11がさっと動いて展開状態で所定の位置に来た後の閉塞部材10を示すものであり、この時、スカート部11の内側表面はアンプル本体部2の外側表面と密接し、アンプル本体部2の外側表面を把持する。スカート部11は、図3(a)のに示される完全に弛緩した状態に比べると、アンプル本体部2の周りで伸展した状態であることがわかる。このようにして、スカート部11はアンプル本体部2をしっかりと押さえて把持する。
図7(a)はのこぎり歯状の首部4を有するキャップ部3が折除され、怪我をする危険のあるアンプル本体部2を示す。図7(b)はアンプル本体部2に取り付けられた閉塞部材10が折断された首部4を覆いに保護することを図解する。
図8はアンプル1と接触する閉塞部材10の表面を示す。これらの表面はアンプル1と接触するため所定の用途、特に医療または他の化学用途では殺菌されなければならない。これらの表面は説明の目的だけであるがこの図の他の残りの部分に比べて太い線で示されている。スカート部11内にあるキャップ部12の下方表面は首部4を通ってアンプルの中に挿入されるので、アンプルの内容物を抜き取る時にアンプルの内容物と接触する。同様に、内容物移送経路13と別の容器に内容物を移送するための接続部分もアンプルの内容物と接触する。別の容器とは、例えば、シリンジ、他の保管部や他の内容物移送配管である。
図8(a)、(b)、(c)はスカート部11内にあるキャップ部12の下方表面の複数の異なる形状を示す。図8(a)では、この下方表面は下に突出して首部4を通ってアンプル本体部2の中に入っている。一方、図8(b)では、キャップ部12の下方表面は概ね平らであり、図8(c)では、この下方表面はキャップ部も中心からスカート部11に向かって、代表的なアンプルの形状にしたがって、傾斜している。図8(b)、(c)はアンプル本体部2から最大限の内容物を抜き取るのを容易にするが、図8(a)の突起部の周りには、内容物抜き取りのためにアンプルを逆さにした場合、内容物を回収する場所がない。
図9は閉塞部材10の中にあるフィルタ40を示す。この例では、フィルタ40は、前記したように複数の細管であり、これらの細管により(展開されたスカート部11内部の)キャップ部12の下方表面からキャップ部12の上方表面までキャップ部12を貫通して延設される(他のデバイスへの接続および移送のための)内容物移送経路13を構成する。後で説明するが、フィルタ40は他の形態のものでもよい。アンプル頂部3をアンプル本体部2から折除する工程によって、(例えばガラスまたは樹脂の)構成材料の小さい薄片が分離し、落下してアンプル本体部2の内部に入り、さらにアンプルの内容物の中に入ることがありうる。フィルタ40はガラス破片やかけらが他の内容物と一緒にアンプル本体部2から吸い出されるのを防ぐ有利な効果を有する。さらに、フィルタが閉塞部材10の一体不可欠の部分であることは、フィルタによって内容物抜き取り工程に新たな工程が追加されないので、効率を上げるためにフィルタをバイパスすることはまず起きないことを意味する。
図10は閉塞体によるアンプルの封止を図解する。閉塞部材10は2つの方法でアンプル本体部2との封止状態を形成する。
一つの方法は、キャップ部12の底面をアンプル本体部2の首部4に押し当てることによって封止状態を形成するものである。閉塞部材10を変形可能な材料で形成すれば、閉塞部材10は変形して折断された首部4を封止することができ、したがって閉塞部材10は折断された首部4の不規則な表面に倣って、その表面を封止することができる。前記で説明したように、首部4は鋭利で、閉塞部材10の中に食い込むが、このことは二つ材料間の強い封止状態を形成するのを支援する。この封止状態は符号201で示される円によって目立つように表示されている。
もう一つの方法は、アンプル本体部2の外表面とスカート部11を強く係合させることによって、アンプル本体部2の周りで封止状態を形成するものである。これは、(アンプル本体の直径は完全に弛緩したスカート部の内径よりも大きいが)スカート部11によってアンプル本体部2を締め付けることによって形成される液密の封止状態である。この封止状態は符号202で示される円によって目立つように表示されている。
図10からわかるように、スカート部11の内部にあるキャップ部12の下方表面はその上に形成された突起部を有し、この突起部は首部4を通ってアンプル1の中にまで延びている。すなわち、この突起部は延設されてアンプル1の首部4に形成された開口部の内部に入っている。この突起部によって、閉塞部材10の表面にアンプル首部4と対向するくぼんだ形状が確実に形成される。スカート部11はこの開口部の外側で延びている一方、前記突起部は延出してこの開口部の内部に入っている。このくぼんだ形状によって、折断された首部4が確実に閉塞部材10と接触し、閉塞部材10に当てられて封止される。
図10に示されるように、アンプル1を逆さに傾けて内容物がアンプル1から抜き取られる。その結果、抜き取られた内容物は内容物移送経路13と接触する。内容物が、例えばシリンジによってアンプル1から吸い出されると、アンプル内部の圧力が低下する。このアンプル外部に比べてアンプル内部の圧力が低下することは、閉塞部材10をアンプル本体により強く引き付けて、封止性を高める吸引効果を発生させるのに役立っている。
図11はシリンジ30に取り付ける複数の異なる液体移送接続部のオプションを示す。図11中の3個のオプションは雄形コネクタ部品であり、ルール-スリップ(Luer-Slip、登録商標)33(左)、ルール ロック(Luer Lock)34(中)およびルール-ジャック(Luer-jack、登録商標)35である。これらのそれぞれは図5および図12(a)の符号31で示されるような雌形のルール(Luer)型コネクタと接続できる。雌形のルール(Luer)型コネクタの代替として、閉塞部材10は図11に示す雄形コネクタのような雄形コネクタを有するものでもよい。図12(b)は雄形のルール(Luer)型コネクタ203を有する閉塞部材10を示す。このコネクタ203は他の装置に付いた雌形ルール(Luer)型コネクタと係合させるためのものであり、キャップ部12の頂部表面上に配置される。
図13と図14は転がり防止機構を図解する。図13は前記した複数のリブ14を有する円形断面の閉塞部材10を示し、さらに概ね正方形断面でコーナーが丸い閉塞部材50を示す。この閉塞部材50も転がりを防止するという課題を解決するものである。
図14はリブ14の変形例を示す。左側のリブ14は丸い輪郭を有する。中央のリブ14は正方形の輪郭を有する。右側の閉塞部材10はスカート部11上のリブ14はらせん形状または渦巻き形状を有する。このらせん形状の場合、リブ14の材料が円周方向に拡がっている。その結果、スカート部11が巻かれて、または折り曲げられて保管状態になる時、リブ14は完全に丸く巻かれたり、完全に折り畳まれない。
(らせん形状および非らせん形状の両方の形状の)リブ14は、さらにアンプル本体部2の外表面に接触しているスカート部11を伸展させるのに有益な効果を有する。リブ14の領域の断面はスカート部11の他の領域よりも厚い。このように厚い部分はスカート部11の剛性に影響を与える。スカート部11が巻かれた状態から、いったん伸展し始めると、リブ14はスカート部11が展開してアンプル本体部2に当たった完全に展開した状態に向かう動きが継続することを支援する。キャップ部12上のリブ14は同様ならせん形状である必要はない。
図15と図16は図5に示されるものと同様な閉塞部材用の梱包部材を示す。図15(a)は封止ストリップ27によって封止された殺菌環境中にある閉塞部材10を収容する単一の袋25を有する梱包部材24を示す。図15(b)は袋25から剥がされて取り除かれている封止ストリップ27を示す。図15(c)は開口した袋25を用いて閉塞部材10を保持し、それによってアンプル本体部2への取り付け中に閉塞部材10との接触を最小限にし、閉塞部材10の殺菌状態を維持しながら閉塞部材10をアンプル本体部2に取り付けて当てる方法を示す。
図16は図5の工程をもっと詳しく図解する。図16は二つの袋の付いた梱包部材24を示す。図16(a)はでは、封止ストリップ27(両方の袋25、26に共通である)を剥がして第2袋26が開口される。
選択可能な2つの方法が図16(a)に示されている。左側の図の第2袋26は空であるが、右側の図の第2袋26は、指を保護しながらアンプル首部4を折断するツール204を包含している。ツール204はアンプル頂部3にぴったり被さり、折断後にアンプル頂部3をしっかりと保持するように設計された管の形状を有する。図16(b)では第2袋26を用いてアンプル頂部3を把持し、本体部2からアンプル頂部3を折除する。ユーザーは第2袋26によって折断された首部4から保護される。再び言うが、2つのバージョンが示されている。左側のバージョンでは、第2袋26は空であるが、右側のバージョンではツール204が示されており、このツール204が折断されたアンプル頂部3を保持し、それによって保護を追加している。
図16(c)では第2袋26は捩られ、その結果、折断された頂部3は第2袋26の内部にしっかりと保持される。図16(d)では、封止ストリップ27を剥がして第1袋25が開口される。図16(e)では、第1袋25を用いて閉塞部材10をアンプル本体部2に当てる。図16(f)では、(例えば、折り曲げられていたのを展開する、または巻かれていたのを展開することによって)閉塞部材10のスカート部11が動かされて、その保管状態から展開状態に移行し、スカート部11がアンプル本体部2の外表面を把持する。図16(g)では、折断された頂部3を有する梱包部材24が、ユーザーを切り傷の危険に晒すことなく、安全に廃棄される。
図17は閉塞部材10に用いられるフィルタのオプションを示す。図17(a)は閉塞部材10と一体的に成形されたフィルタ55を示す。この成形はバイインジェクション成形または他の成形方法によるものである。図17(b)は複数の小径の並行な管から形成されたフィルタ56を示す。これらの複数の小径の並行な管は内容物移送経路13にもなる。図17(c)は複数の小さな孔のネットワーク、すなわち多孔性部分、からなるフィルタ57を示す。図17(d)は取り外し可能(かつ交換可能)なフィルタ58を示す。このフィルタ58は閉塞部材10の中で内容物移送経路13に隣接して形成された空洞部59の中に挿入することができる。取り外し可能なフィルタの有利な点は、所定の手順でフィルタが必要ない場合は省くことができるし、異なる用途に適した異なるフィルタグレードを有する複数の異なるフィルタを用いることができることである。また、閉塞部材10は通常一回の使用を想定し、例えば殺菌の用途に適した使い捨ての製品を想定しているが、そうである必要はなく、本願発明はそのように限定されるものではない。したがってフィルタ58は交換でき、閉塞部材10が再利用されてもよい。図17(e)は空洞部59の中に据え付けられたフィルタ58を示す。図17(e)はフィルタ60が一体となったルール(luer)型コネクタ31を示す。
図18は前記した閉塞部材10用の代わりの液体移送接続部を示す。図18(a)、(b)は雌形のルール(luer)型コネクタ31を示す。図18(b)には、キャップ部12の上方表面の周りに盛り上がったリップ部があり、このリップ部はルール(luer)型コネクタ31をある程度保護するものである。図18(c)は、ねじが切られたコネクタ61を示す。このコネクタ61は対応するねじが切られたコネクタを中に入れて、内容物移送経路13と螺合するように設計されている。
図18は閉塞デバイス10の複数の変形例を図解する。図19(a)は巻いてある状態または保管状態の巻いてあるスカート部11(または「スリーブ」)を示す。このスカート部はそのまますぐに展開してアンプル本体部2に当てることができる。図19(b)は展開(伸展)した状態の図19(a)の閉塞部材10を示す。この閉塞部材10はアンプル1が付いてなく、完全に弛緩した状態である。
図19(c)はスカート部11の底部端にある拡大されたリム15を示す。このリム15は、アンプル本体部2にかかる把持力を大きくするのを支援するとともに、製造後に閉塞部材10をその保管(巻き上げた)状態にするときにスカート部11をリム15の周りに巻くのに、好都合な形状になっている。図19(c)において、スカート部11はキャップ部12から拡大されたリム15に向かって内側に若干細くなっている。そのため、アンプル本体部2に対する把持力はリム15のところで最大になっている。図19(d)は、はるかに細いスカート部11を示す。このスカート部11は比較的容易に巻き上げることができ、比較的少ない材料でできている。代表的な所定の実施形態では、スカート部11の厚さは約0.5mmまたは約1mmとしてよい。
図20と図21は所定の実施形態に付加される特徴を図解する。図20はアンプル本体部2との接触および接着のためにスカート部11の内表面の上に設けられた接着剤付き表面65を示す。接着剤は封止状態を与え、閉塞部材10がいったんアンプル本体部2に取り付けられて接すると、閉塞部材10が動くことを防ぐ。この接着剤を使うことによって、封止状態はスカート部11とアンプル本体部2の間の摩擦による係合にのみに依存するものではなくなるので、スカート部11が比較的緩く嵌められていてもよくなる。
図21はスカート部11の内表面上に形成された複数のリブ66または他の複数の突出部分をしめし、これらのリブ66は好ましくは円周リブである。さらにオプションになるが、これらのリブ66は取り付け後に閉塞部材10を取り外すことがより難しくするように、アンプル本体部2に対するスカート部11の把持力を大きくする非対称な輪郭を有するものでよい。このようなリブ66は、例えば救急車のような緊急車両の中で使用される、使用中に乱暴に扱われても封止状態を維持するのを支援する。
図22はアンプル折断用に一体となった特徴部分を示す。この特徴部分は前記した第2袋26の使用の代わりになるものである。閉塞部材10は、キャップ部12と一体で成形されたリングであって、少なくともアンプルのキャップ部3の一部が挿入されうる大きさのリング70を備える。図22(a)はキャップ部12の側壁上に設けられたリング70の例を示す。図22(b)はリング70がアンプル1の頂部3を本体3から折除するのに用いられている状態を示す。リング70を用いることによって、ユーザーは自身の指を折断された首部から離しておくことができ、そのため怪我をする可能性が低くなる。
図22(c)はリング70が閉塞部材の一部として形成されたのではなく、梱包部材24の一部として形成された代わりの構成を示す。図22(d)は図22(c)中のリング70が用いられている状態を示す。」
図23は閉塞部材10に付加される保護または封止用の要素を示す。図23(a)、(b)は、内容物移送経路13を遮断し内容物移送経路13を汚染から保護することを目的とするキャップ部12の上方表面に嵌めることができる蓋72を示す。蓋72はアクセスが必要な時は単にはずされる。図23(c)は同様な原理で働くヒンジが付いた蓋73を示す。蓋73は内容物移送経路13を保護するのに用いられないときでもキャップ部12に付いている。ヒンジが付いた蓋73は閉塞部材10と一体に形成することができる。
図24は閉塞部材10の所定の実施形態中にある側溝封止部75を示す。側溝または溝75は、スカート部11の内部のキャップ部12の底面から延設された円錐形突起部76の周囲の外周に形成されている。溝75は、キャップ部3が除かれた後のアンプル本体部2の折断された首部4が入る大きさおよび形状を有している。溝75は比較的深くくぼんだ部分であり、その中にアンプル本体部2の折断された首部4が挿入されて切断後の首部4の封止を向上させることができる。首部4が溝75の中に深く入り込むので、首部4の折断後表面の全体、すなわちアンプルの壁がその全厚にわたって封止され、突起部76とアンプル本体部2の内壁との封止された接触が向上する。図24(a)は長方形溝75(すなわち、長方形の断面を有する)を示す。一方、図24(b)は角度が付いた溝75(この例では概ね三角形の断面を有し、その半径方向外側部分は内側部分よりも大きく拡がっていて、半径方向内側部分は下方に向かって細くなっている三角形の形状である)を示す。
図25は閉塞用スカート部を展開させるときに用いるリングを示す。図25(a)~(c)のリング80は、特徴的な部材でありその周りに保管状態でのスカート部11が折り曲げられる、または巻かれる。さらにリング80を用い、リング80をアンプル本体に向かって下向きに押すことによってスカート部11を折り曲げられた状態または巻かれた状態から伸展させるのを支援し、その結果、スカート部11を押して巻かれた状態から下向きに転がしてアンプル本体部2の外表面に当てて、アンプル本体部2と封止された接触をさせる。図25(a)は保管状態において弛緩した状態のリング80とスカート部11を示す。図25(b)はリング80を用いてスカート部11を下向きに押してアンプル本体部2に当てるのを支援している状態を示し、図25(c)はスカート部11が完全に展開されて展開された状態になっていることを示す。前記したように、閉塞部材10をアンプル本体部2の首部4に押し当てると、スカート部11とリング80を変位させる力が閉塞部材10を介して伝達される。この力はスカート部11とリング80を完全に展開させてアンプル本体部2に当てるように動かすのに十分な大きさである。
図26(a)~(c)は図25(a)~(c)と同様な図であるが、キャップ部12と一体に形成されたリム部の形態のリング部81を有し、リング部81の表面は、その周りでスカート部11を折り曲げ、または巻くのに好適な表面であるが、リング部81を閉塞部材10に沿って軸方向に変位させて、スカート部11の展開をさらに支援することはできない。
図27と図28は、巻く、および/または折り曲げる以外のやり方でスカート部11を展開させる代わりとなる構成を示す。図27は、展開された状態のスカート部11であり、その展開された状態の形状がアンプル本体部2に覆い被せることができるようなものに予め作られているスカート部11を示す。このスカート部11の内径は、スカート部11が被さるアンプル本体部2の外形よりも小さいので、スカート部11がアンプル本体部2をしっかり把持し、必要な封止が得られる。図27(a)はアンプル本体部2上に配置される前の閉塞部材10を示し、図27(b)はアンプル本体部2上に配置された閉塞部材10を示す。
図28は、折り曲げられて図28(a)に示す保管状態で蛇腹構造になっているスカート部11と、図28(b)に示すように折り曲げられた状態から拡げられてアンプル本体部2に当てられたスカート部11を示す。
図29は代わりとなる閉塞部材10の把持構造を示し、この閉塞部材10は内部に高剛性構造部材85を備え、スカート部11をアンプル本体部2に付勢する。高剛性構造部材85は多数の高剛性アーム86を有し、これらの高剛性アーム86の上側部分88(リング87より上にあり、キャップ部12の中に形成された部分)が半径方向内側に押されると、これらの高剛性アーム86の下側部分89(リング87より下にあり、スカート部11の中に形成された部分)が外側方向に付勢され、スカート部11を外側に拡げて、スカート部11をアンプル本体2に取り付けられるように、これらの高剛性アーム86は、高剛性リングまたは高剛性環状エレメント87の周りを旋回する。この例では、スカート部11は多数の別々の足部90から形成されるものでよく、各足部90はそれ自身の高剛性アーム86を有するものでよいが、一つの完全なスカート部11が用いられるものでよい。図29(c)、(d)は図29(a)、(b)の10が2つの異なる太さのアンプル本体部2に取り付けられた状態を示し、この構造がスカート部11の弾性に加えて半径方向内側向きの付勢力を加えることによって、その形状を比較的細いアンプルに合わせことができることを図解する。
図30は、保管状態の閉塞部材10を保持し、閉塞部材10を展開してアンプル本体部2に当てることができるディスペンサ100を示す。ディスペンサ100は所定の形状をした部分101を有し、この所定の形状をした部分101の周りでわずかに折り畳まれたスカート部11が包まれている。保管状態ではスカート部11を所定の形状をした部分101に押し当てて保持して、スカート部11を使用するために必要となるまで保管状態に留める解放機構102がさらに備えられている。図30(a)は保管状態のディスペンサ100と閉塞部材10を示す。図30(b)は起動された解放機構102を示す。解放機構102は多数の把持アーム103を有し、把持アーム103の各々は、上側部分106を半径方向内向きに押してつぶすと、下側部分106半径方向外向きに変位してスカート部11を解放するように回転支点104の周りを旋回する。この動作により、前記したようにスカート部11は自動的に展開してアンプル本体部2の外表面に当たる。図30(c)はアンプル本体部2上に取り付けられた閉塞部材10と取り除かれるディスペンサ100を示す。ディスペンサ100は捨てられるか、または再利用することもできる。
図31はより単純な構造からなる代わりとなるディスペンサ100を示す。この実施例のディスペンサ100は、キャップ部12の周りに嵌る大きさの小径部110とスカート部11を保管のために折り畳み(または丸く巻かれ)すぐに展開できる状態に保持する拡大(大径)部111を有する単純なリングとして形成されている。図31(a)は、保管構造のディスペンサ100を示す。図31(b)はアンプル本体部2に当てられた閉塞部材10と取り除かれる過程にあるディスペンサ100を示す。ディスペンサ100が除かれて上方に持っていかれる間(すなわち、10の上側表面を過ぎて)、ディスペンサ100の孔を通して閉塞部材10の上側表面を押し続けることにより、閉塞部材10はアンプル本体部2に当接した状態で保持される。図31(c)は閉塞部材10のスカート部11が素早く下方に動いて展開された状態になりアンプル本体部2と封止された接触をして、ディスペンサ100がこれから完全に除かれる状態を示す。図31(d)は廃棄または再利用のためにディスペンサ100が完全に除かれた状態を示す。
図32と図33は離隔リングの形態の代わりとなるディスペンサ100を示す。図32(a)に示すように、ディスペンサ100は図31に関して説明したものと類似しており、閉塞部材10と接触する大きさの小径部110と保管のために上に折り曲げられ、または巻き上げられ、すぐに展開できる状態でスカート部11を保持する大きさの拡大(大径)部111を有する。離隔リング120の小径部110の固有の(弛緩した状態の)径はキャップ部12の径よりも小さいので、離隔リング120をキャップ部12に被せて嵌めるには離隔リング120に力をかけて若干引き離して、離隔リング120中に間隙125を設けなければならない。離隔リング120はキャップ部12に当節して、キャップ部12を半径方向内向きに付勢し、図32(a)に示すようにスカート部11をしっかりと所定の状態に保持する。図32(b)では、ディスペンサリング120と閉塞部材10はアンプル本体部2に突き当てられていく過程にある。図32(c)に示すように、離隔リング120を用いて、スカート部11を巻かれた状態から完全に伸展させてアンプル本体に被せるのを支援することにより、スカート部11を展開することを支援することができる。スカート部11を拡げてアンプル本体部2を被せることによって離隔リング12の径が大きくなっているが、大きくなった径には離隔リング120の間隙125が拡がることによって、対応できている。図32(d)では、離隔リング120が取り除かれ、廃棄されるか、または再利用される。
図33は比較的細いアンプル本体部2に取り付けられた離隔リング120を示す。この場合、スカート部11が比較的細いアンプル本体部2に当たって保持するのを、離隔リング120の付勢力が支援している。比較的細いアンプルを用いる場合、スカート部11が完全に弛緩した状態に近い状態なので、スカート部11の付勢力だけでは十分ではないおそれがある。しかし、離隔リング120が与える付加的な力によって、完全な封止が維持される。この例では、離隔リング120は展開後に取り外されない。他の例では、細いアンプルの場合でも、スカート部11の付勢力は完全な封止をすることができるほど十分に強いので、比較的太いアンプルの場合と同様に離隔リング120は取り外すことができる。
図34は別の実施形態の閉塞部材10の断面図であり、この閉塞部材10は多くの付加的な特徴を有する。閉塞部材10はキャップ部12に接するいくつかの拡がったリブ部302(または羽根部)を有し(図51および図52にもある)、これらのリブ部302はアンプルがその側面を下にして置かれた時に転がるのを防ぐ機能を有する。閉塞部材10はさらに展開される前の巻き上げられたスカート部11を保護する指遮蔽部304を有する。閉塞部材10はさらにスカート部11を複数の異なる太さのアンプルに容易に展開させるためのアダプタリング306を有する。これらの特徴を以下詳細に説明する。
図34の閉塞部材10は既に説明した多くの特徴も有している。その中にはスカート部11の拡大したリム15、巻き上げられたスカート部11を保管する溝14、円錐形の突起部(またはドーム部)76およびルール(Luer)・ロック型コネクタ34が含まれる。図34において、ルール・ロック型コネクタ34は、ルール・ロック型シリンジの中心チップ360(雄形ルール部)が入る中心孔(雌形ルール部)を有し、さらに中心チップ360を囲む溝362を有する。溝362には雄形チップを囲むルール・ロック型シリンジのねじが切られたカラー部、すなわち、ルール・ロック型シリンジのねじが切られた係止部であり、雌形ルール部品の内面の羽根またはねじと螺合して、これらの(雄形および雌形)部品を互いに係止する、ルール・ロック型シリンジのねじが切られたカラー部が入る。ストッパ364はシリンジチップが深く入りすぎるのを防ぐ。
図34において、溝362はキャップ部12の残りの部分と一体に形成されていて、ルール・ロック型シリンジのカラー部のねじ部と螺合するためのねじ部はその内部に形成されていない。その代わり、溝362はルール・ロックシリンジの構造部(カラー部とねじ部)を収容し、雄形のチップ部品が雌形の部品に挿入されると、その構造部がキャップ部12ときちんと嵌るようにする。溝362の内部にねじを切ってルール・ロック型シリンジと螺合させてさらに強固なねじによる接続をさせることもできることは、当然わかることである。
図35は、図27と同様な押し当て型スカート部の変形例を示す。この変形例のスカート部11は曲げることができる材料でできており、半径方向に拡げることができる。そのため、異なる太さのアンプルの外表面もしっかりと把持する。図35はこの実施形態のスカート部11がキャップ部12から離れるにしたがい半径方向内向きに細くなっているので、スカート部11の先端部の内径はアンプル本体部2の外径よりも小さくなっていることを示している。図35(a)は突き当てる前の閉塞部材10を示し、一方、図35(b)はスカート部11が半径方向に十分に拡がってアンプル本体部2に当たって嵌った状態の閉塞部材10を示している。この閉塞部材10はさらにスカート部11の先端部から半径方向外側に向かって延設された鍔部308を有し、この鍔部308が例えば指を用いて押す面であり、この面を押すことによって閉塞部材10を押し込んでアンプル本体部2に被せることができる。
図36は押し当て型のスカート閉塞部材の別の変形例を示す。この実施形態は剛性の高い筐体部310を有し、筐体部310はその内側に接して備えられた軟らかくて変形可能な材料312(例えば、樹脂)を有している。軟らかく変形可能な材料312はアンプル本体部2の外表面を摩擦により把持し、そのため閉塞部材10が折断された首部に押し当てられた後、閉塞部材10を折断された首部に押し当てられた状態で保持する。図36(a)は閉塞部材10をアンプル本体部2に押し当てる直前の閉塞部材10を示し、一方、図36(b)は展開されてアンプル本体部2に当てられた閉塞部材10を示す。曲げることができるリブ部314はアンプル本体部2を把持できるようにスカート部11の内面上に形成され、アンプル本体部2に向かって延設されており、さらに閉塞部材10がアンプル本体部2の太さが少し変化しても形を合わせることができるようになっている。
図37は図36の変形例を示し、この変形例は薄板状部分(Lamellae)の形態の比較的大きな複数のリブ部314を有する。これらの複数の薄板状部分314によって、さらに大きく変化したアンプルでも受け入れることができる。図37(a)は取り付け前の閉塞部材10を示し、図37(b)は比較的太いアンプル本体部2に取り付けられた閉塞部材10を示す。図38は同じ閉塞部材10が比較的細いアンプル本体部2に取り付けられた状態を示す。複数の薄板状部分314は比較的曲がりが小さい状態で比較的細いアンプル本体部2へ押しつけられており、閉塞部材10を取り付ける工程によって折断された首部に向かって上方に撓んでいるのがわかる。摩擦力によって閉塞部材10を引き下げてアンプル本体部2の首部に当てた状態が維持され、封止が維持されているのが、この状態により確実になる。
図37および図38はさらにスカート部11の内部と閉塞部材10の外部を連通する複数の空気導管316からなる付加的な特徴部分を示している。これらの空気導管316によって閉塞部材10をアンプル本体部2に突き当てる工程の間に、空気がスカート部11の内部から逃げることができ、スカート部11の内部での圧力上昇がおきるのを防ぐ。スカート部11の内部での圧力上昇がおきると、その圧力によって閉塞部材10をアンプル本体部2の首部から離すように閉塞部材10が付勢されてしまう(そうなると、封止の有効性が減じる)。
図39は押し当て型の閉塞部材10の変形例を示し、この閉塞部材10はアンプル本体部2に沿って軸方向に延びる多くの堅い把持指部318を有し、これらの把持指部318の各々は(例えば、曲がることによって、またはキャップ部12のまわりを旋回することによって)半径方向に撓むことができる。図35の変形例と同じように、(固有の状態、延ばされていない状態または変形していない状態の)先端部の内径は、目標のアンプルの外径よりも小さいが、押し込まれてアンプル本体部2に当てられると、これらの把持指部318は半径方向外向きに別々に分かれてアンプル本体部2の外径を受け入れる。
図40は図39の第1の変形例を示し。この変形例においては、把持指部318の内側にある軟らかい内側材料312が、アンプル本体部2に接触してアンプル本体部2を封止する完全に円筒形状のスカート(すなわち、軟らかい材料312は複数の別体の指部になっているのではない)を構成する。図41に示す第2の変形例では、軟らかい材料312は複数の指部になっている。すなわち、軟らかい材料312は、把持指部318の内面上のみに形成されている。この実施形態は必ずしもアンプル本体部2の外周部分を封止するものではないが、折断された首部を封止している。
図42は、折断された首部4を有する(頂部3が除かれた)折断されたアンプル本体部2の複数の領域を図解する。アンプル1の内部は殺菌されているが、その外側の表面は汚れていたかもしれない。そのため、もしもアンプル1が再利用される場合(例えば、保管されて後でさらに空にするか、または完全に空にする場合)、内容物がアンプル本体部2の外表面と接触によって汚染物がアンプル内部に入るといけないので、そのような接触が一切おきることのないようにすることが重要である。
図42(a)では、折断された首部4を横切る斜めの線が殺菌されている領域と殺菌されていない領域を分けている。薄暗くした領域320はこれらの線(2次元なので線であるが、3次元における円錐を示す)の外側にあるものはすべて殺菌されていないが、これらの線の間にあるものはすべて殺菌されていることを図解する。このことを別の見方をすれば、首部4で折断されるアンプル本体部2は所定の厚さを有し、したがって折断された首部4自身も所定の厚さを有しており、その折断された首部4がアンプルの内側表面をアンプルの外側表面と分けている(この特別な首領域は折断を容易にするためアンプル本体部2の他の部分よりも薄くなっていることが多いということがわかる)。折断された首部4の内側の端までのアンプルの内側表面は殺菌されており、(折断前は壁の一部であるから)折断された首部自身の表面も殺菌されている。一方、折断された首部の外側の端までのアンプルの外側表面上のすべてのものは殺菌されていない。アンプル上を殺菌された状態で封止するには、折断された首部の全外周部、すなわち折断された首部の外側端部よりも内側が、殺菌された表面と当たって封止する接触にしなければならない。
図42(b)は符号322で示されている(殺菌されていない)外側表面および符号323で示される(殺菌された)表面を有する折断されたアンプルの平面図である。折断された首部の外側端は符号324で示され、折断された首部の内側端は符号325で示される。内側端325と外側端324の間の折断領域は殺菌されており、殺菌された封止に用いることができる。
図43は巻き上げ型の閉塞部材10(すなわち、展開される前は巻き上げられ、展開される時には下に伸びてアンプル本体部2の外表面に当てることができる曲げることができるスカート部11を有する)を示す。図43(a)は小径のアンプル本体に突き当てられた閉塞部材10を示す。一方、図43(b)はもっと大きい径のアンプル本体部2に当てられた同じ閉塞部材10を示す。曲げることができるスカート部11は、その柔軟性によって広い範囲の太さのアンプルにその形を合わせることができるのがわかる。
図44はスカート部11の内表面上に備えられているアダプタリング306を示す。
図44(a)は巻き上げられた(第1の)状態のスカート部11を示し、スカート部11が巻き上げられてアダプタリング306がキャップ部12の底面上に接触している状態を示す。アダプタリング306はスカート部11の内表面からの突出部であり、スカート部11が素早く伸展して比較的小径のアンプルだけでなく、比較的大径のアンプルにも簡単に被せることを確実に行うのを支援する。
図44(b)は小径のアンプルに当てられた閉塞部材10を示し、図44(c)は同じ閉塞部材10を示すが、この閉塞部材10はもっと大きい径のアンプルに当てられている。図44(b)からわかるように、閉塞部材10が小径のアンプル上に展開される時、アダプタリング306はアンプルの肩部やアンプル本体部2に当たらないし、スカート部11が収縮してアンプル本体の外表面に接触するまでスカート部11が展開しながらスカート部11少しずつ細くなっていくが、アダプタリング306はこのスカート部11の通常の伸展動作を妨げるものではない。対照的に、図44(c)ではもっと太いアンプル本体部2が用いられていて、スカート部11の展開動作の初期段階でアダプタリング306はアンプル本体部2の肩部に接触する。
アダプタリング306の効果は、スカート部11の外径を維持してスカート部11が展開初期に収縮して肩部に当たることを防ぐ、支持突出部として働くことである。スカート部11が展開初期に収縮して、肩部に当たるとそれ以後の伸展が妨げられる場合がある。アダプタリング306がないと、収縮したスカート部11が最後まで妨げられることなく伸展する前に再び広がって肩部を越えるえるためにさらに押す必要がある。アダプタリング306がある場合、スカート部11は肩部より上では収縮しないので、妨げられることなく巻かれた状態から伸展してアンプル本体部2の外表面に当たり(しかもいったん溝14から出ると自動的に)、スナップ型の展開を生じさせることができる。
図44(d)は代わりとなるアダプタリング306の断面プロファイルを示し、アダプタリング306はスカート部11を半径方向に支持していれば(すなわち、複数の支持突出部の形態で)、アンプル本体部2の肩部より上の空間を充填するものである必要はないことを図解している。
アダプタリング306は中実の完全なリングでなくてもよく、実際にはリング形状に形成された複数の突出部からなる組であることが好ましい。アダプタリング306は肩部によって一気に展開することが妨げられないようにするのに十分な支持となればよいので、実施例によっては単一の突出部でもよい。しかし、図44(e)に円形に配置された多数の別体の突出部から形成されたアダプタリング306が好ましいことを図解するアダプタリング306の好ましい数個の実施形態を示す。図中の複数の別体の突出部はその数で大きく異なってもよいし、複数の突出部間のスペースが大きく異なってもよい。見てわかるように、これらの突出部は例えば、円形のリングを半径方向に切断することによって形成されるかのように、円の中心に向かって細くなるテーパ形状であることが好ましい。(中実な一つのリングと対照的に)比較的少ない数の個別の突出部を用いれば、アダプタリング306によってスカート部11上に生じる張力が低下し、スカート部11を巻き上げて溝14内に保持するのが比較的容易になる。テーパ形状にすると、スカート部11が転がって、収縮して比較的細いアンプルに当たる時に、突出部同士を一様に合わせてすべての突出部を一体化することができる。
図45は内容物移送経路13中に備えられた逆止弁336を示す。逆止弁336はアンプル本体部2から内容物を抽出するのを可能にするが、一方、逆向きの物質移動を阻止する。図45(a)は閉塞部材10中の所定の位置にある逆止弁336を示す。逆止弁336は閉塞部材10の一部として一体的に形成してもよいし、別体の部品として形成し、キャップ部12の中に形成された対応する孔に挿入してもよい。図45(b)は開いた状態で中を液体が通っている逆止弁336を示し、図45(c)は閉じた状態で逆向きの流れが阻止されている逆止弁336を示している。逆止弁336は(図45(b)中の破線で示される)流れが可能な向きを向いている2個の対向するフラップ338から構成される。流れが当たって2個のフラップ338が押圧されると、その力が2個のフラップ338の間を押し、2個のフラップ338が互いに離れる。図45(c)では、逆向きの流れが来ると2個のフラップ338が押圧されて互いにくっつき、互いに封止し合って流れを止める。
図46は、巻き上げられた状態のスカート部11が、閉塞部材10をアンプル本体部2に押し付けようとする意図的な力以外の力によって、間違って解放されることから保護する遮蔽部304を示す。遮蔽部304はキャップ部12の周りのリングとして形成してよく、スカート部11の上方に配置される(すなわち、キャップ部12の頂面のより近くに)。
図46(a)は展開された(第2の)状態のスカート部11を示し、対象のアンプルよりも小さい内径を有する固有の、まったく伸びていない状態のスカート部11を示す。スカート部11がこの状態でアンプル本体に当てられてない場合、スカート部11を丸く巻き上げて溝14の中に戻すのは極めて難しい。また、それをやろうとすると、アンプルの内容物と接触する突起部76の殺菌状態が損なわれるおそれがある。スカート部11を誤って展開させてしまうと不便であり、特に、殺菌と迅速な使用が重要な医療用途ではデバイスが使用不能になる可能性がある。通常閉塞部材10はキャップ部12をユーザーがその複数本の指の間で把持して通常取り上げて、アンプルに当てられるので、遮蔽部304は、巻き上げられたスカート部11を指から保護し、閉塞部材10が予定通りに対象のアンプルに突き当てられる前にスカート部11が誤って展開することを防ぐ。
図46(c)は2本の指の間で把持され、これらの指とスカート部11の間に遮蔽部304が介在している閉塞部材10を示す。図46(a)、(b)からわかるのは、この実施形態のころがり防止リブまたは羽根302は比較的薄くかつ曲げることができ、ころがり防止羽根の幅は図46(a)の断面図中に見えるが、用いている2本の指によって、ころがり防止羽根は、使用の際、簡単に曲げ、または押しつぶすこと(ころがり防止羽根の形は図51(b)で、もっとよく見える)ができることである。
図46(b)、(e)は遮蔽部304の形状を丸くしないことによりさらに転がり防止機能も果たすことにした遮蔽部304の変形例を示す。例えば、遮蔽部304は多数の遮蔽突起340として形成し、多数の遮蔽突起340の間に切り欠き部を設けて、平らな表面に置かれた時に閉塞部材10が転がるのを防いでもよい。
図47と図48はアンプルから抜き取ることができる内容物の量を増やす方法を示す。問題点は図48(b)に非常にわかりやすく図解されている。図48(b)は内容物移送経路13を通して液体を抜き取るために逆さにされたアンプル本体部2を示す。しかし、内容物移送経路13の入り口は円錐形突起部76の先端にあるので、内容物移送経路13の入り口は内容物が存在する最も低いレベルよりも上にある。そのため、内容部をすべて抜き取ることはできず、少量の内容物が常に無駄になっている。
図47は突起部76の側面を貫通して形成された複数の貫通孔342の形態によるこの問題の解決法を示す。これらの複数の貫通孔342は内容物移送経路13と逆さになった時に突起部76の先端よりも低くなる突起部76の表面の点とを接続する。そのため、より多くのアンプルの内容物が内容物移送経路13にまで流れつくことができる。
図47(a)は比較的狭い首部の開口を有する比較的細いアンプルと係合した突起部76を示し、一方、図47(b)は比較的広い首部の開口を有する比較的太いアンプルと係合した突起部76を示す。比較的狭い首部の開口によって、突起部76がさらに深くアンプル本体部2の中に入り、その結果、貫通孔342が首部の内側の封止部からさらに深く挿入されることがわかる。
図48は貫通孔342の代わりとなる構成を示す。この構成は、突起部76中に設けた複数の狭い溝、切込みまたは側溝344、すなわち突起部76の先端から突起部76の側面に沿って延設され、内容物移送経路13への細く長い入り口となるスリットの形態である。このような複数の細い溝344は内容物移送経路13の周囲に設けられる。例えば、図48(a)では120度の間隔で配置された3個の狭い溝344が示されている。これらの細い水路の軸方向の範囲が図48(a)、(b)中の円錐形の突起部76の薄暗くした部分によって示されている。
図49は、図23と同様に閉塞部材10の蓋を設けるための構成であって、図23の代わりとなる構成を示す。図49(a)は成形体の一部であり蓋73(閉塞部材10と一体的に同じ材料により成形される)を示し、蓋73は、閉塞部材10の頂部中の孔346に締まりばめにより閉塞部材10の頂面に嵌る。図49(b)はヒンジ付きの蓋73を示す。図49(c)は閉塞部材10に挿入される別体の部品348であるシリンジコネクタを有する閉塞部材10を示す。図49(d)は閉塞部材10の一部である(例えば、一体的に成形された)ヒンジ付きの蓋73を示し、この蓋73はコネクタ348に(例えば、締まりばめにより)圧入することができる。
このような蓋は色コードを与え、封止の型、フィルタの型、バルブの有無等を示すようにすることができる。
図50は閉塞部材10のキャップ部12中に設けられたストッパまたは肩部350を示す。このストッパ350は(図52(b)中に点線で示す)シリンジ352または他のコネクタもしくは内容物抜き取りデバイスの挿入レベルを決めるものである。他のコネクタには閉塞部材10に挿入されるルール型コネクタも含まれる。ストッパ350はコネクタが挿入できる太い孔の端を画定する。ストッパ350よりも下では、孔は細くなっており、内容物移送経路13になっているだけである。
図51はアンプル本体部2内部の圧力低下が不便な場合、例えば、圧力低下が大きすぎて片手で操作できない場合に用いられる空気流路354を示す。空気流路354は空気をアンプルの中に入れて圧力差を軽減する。しかし、アンプル内部の殺菌状態を維持するため、フィルタ356が各空気流路354に設けられ、封止した後に汚染物がアンプルの中に入るのを防いでいる。
図51(a)に示すように、空気フィルタ356はキャップ部12の表面上に直に配置して、成形によって中に作った、または成形後に設けた一つ以上の空気通路354によって、一つ以上のフィルタエレメント356として円錐形部76に結合させることができる。図51(b)はフィルタ356がキャップ部12の頂面の孔の中に入れられた変形例を示し、フィルタ356は内容物移送経路13の周りのリングとして形成されている。代わりになるが、フィルタ356をキャップ部12の側面に、または側面の孔の中に取り付けることもできる。フィルタ356を孔の中に入れると、フィルタ356を損傷やキャップ部12の外部と接触した物(例えば、指)からの汚染物から保護するのを支援する。
図52はいろんな形状のアンプル、例えば、正方形または楕円の水平断面を有するアンプルおよび対応する断面を有するいろんな形状の閉塞部材10がどのように使用されるかを図解する。
図53は閉塞部材10が最初に形成された(例えば、成形された)後にスカート部11を巻き上げる方法を図解する。スカート部11は円錐形突起部76の形状に形作られた端部を有する長いロッドの形態の成形部材400の周りに成形される。成形部材400を用いて、その表面にホイール410のようなローラーがスカート部11を押し当て、該ローラーはさらに回転してスカート部11を巻き上げて、スカート部を溝14に入れることができる。成形部材400を用いないと、ホイール4は弾性のあるスカート部11をしっかりと接触できず、スカート部11を把持して巻き上げることができない。図53(a)はスカート部11の内部にある成形直後の成形部材400を示す。図53(b)はスカート部11を巻き上げる工程中のホイール410を示す。図53(c)はスカート部11の周りに均等な間隔で4個のホイールが配置された実施例の端面図を示す。図54は完全なホイールの代わりに部分的なホイール(半円またじゃ半月)を用いた変形例を示す。
図55は成形部材400が除かれなければならない場合のスカート部11を巻き上げる代わりの方法を示す。図53または図54のホイールまたは半月410が押し当てる表面を設けるため、はめ込みロッド420がスカート部11の中に挿入される。はめ込みロッド420を押し込んでスカート部11の内部に入れるため、空気をはめ込みロッド420の中心にある穴430を通して(点線の矢印で示される)閉塞部材10に向かって流す。閉塞部材10の内容物移送経路13は蓋または他のストッパ440によって塞がれるため、はめ込みロッド420からの空気はロッド側面とスカート部11の内側の間を押し出されて逃げる。その結果、スカート部11を膨らまされて、はめ込みロッドがスカート部11の内部に挿入される。この後、巻き上げる工程は図53および図54で説明したように進む。
図56はホイールの必要なしに巻き上げる代わりとなる方法を示す。成形部材400は第1成形ピース401と第2成形ピースに分けられ、これらが成形部材400の閉塞部材10の軸に沿って分けられた2個の半分を構成する。2個の成形ピースが図56(b)に示すように広がって離れると、スカート部11の遠位端部はより多く伸長するため、スカート部11の遠位端部は伸長された分を打ち消そうとするようにキャップ部12の方向に付勢されて、スカート部11の遠位端部がこのプロセスで巻き上がる。2個の成形ピース401、402は、これらの間に楔403を押し込むことによって分離させ、拡げることができる。くさび403を2個の成形ピース401、402の間にさらに押し込むと、これらの成形ピースはさらに拡がって離れ、巻かれているスカート部11をキャップ部12および溝14に向かってさらに押すことになる。