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JP7104667B2 - レール破断検出装置及び方法 - Google Patents
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JP7104667B2 - レール破断検出装置及び方法 - Google Patents

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Description

本開示は、レール破断検出装置及び方法に関するものである。
従来、鉄道の線路では、鉄道用車両の繰り返しの走行によって、レールが損傷を受けて破断してしまうことがある。そして、レールが破断すると、鉄道用車両の走行安定性が著しく低下する。そこで、鉄道事業者は、一般的に、軌道回路と呼ばれるシステムにおいて、鉄道用車両の位置を検出するためにレールに流す信号電流を利用して、レール破断を検出している。この場合、破断したレールが開口すると信号電流が遮断されることを利用して、レール破断を検出するようになっている。また、レールの破断によって生じる衝撃振動に起因する超音波がレールを伝播することを検出し、これにより、レール破断を検出する方法も提案されている(例えば、特許文献1参照。)。
特開2014-080133号公報
しかしながら、前記従来の技術では、線路周辺に設置された地上設備を使用してレール破断を検出するため、メンテナンスのために膨大なコストがかかってしまう。
ここでは、前記従来の技術の問題点を解決して、車両に取り付けられた非接触式の超音波送信プローブからの超音波をレールに送信し、超音波送信プローブから離れた位置で車両に取り付けられた非接触式の超音波受信プローブによってレールから超音波を受信することにより、簡素な構成で、低コストでありながら、車両の走行中にレール破断を検出することができるレール破断検出装置及び方法を提供することを目的とする。
そのために、レール破断検出装置においては、車両に取り付けられた非接触式の超音波送信プローブと非接触式の超音波受信プローブとを備えるレール破断検出装置であって、前記超音波送信プローブ及び超音波受信プローブは、レールの長手方向に関して所定の離間距離以上に互いに離間し、かつ、少なくとも1つの輪軸が間に存在するように前記車両に取り付けられ、前記超音波受信プローブは、前記超音波送信プローブからレールに入力されて該レールを伝播した超音波を受信し、前記レールに入力された超音波の利得がない状態の継続時間が所定の閾値以上であると、レール破断があると判断する。
他のレール破断検出装置においては、さらに、前記所定の離間距離は100〔mm〕である。
更に他のレール破断検出装置においては、さらに、前記超音波送信プローブは、超音波が所定の入射角度でレールの頂面に入射するように前記車両に取り付けられ、前記超音波受信プローブは、所定の出射角度でレールの頂面から出射した超音波を受信するように前記車両に取り付けられる。
更に他のレール破断検出装置においては、さらに、前記入射角度及び出射角度は、0~10度である。
更に他のレール破断検出装置においては、さらに、前記超音波送信プローブ及び超音波受信プローブは、レールの幅方向に関して前記超音波送信プローブの送信面及び前記超音波受信プローブの受信面がレールの頭部の幅方向の範囲内に位置するように前記車両に取り付けられる。
更に他のレール破断検出装置においては、さらに、前記レールの継目を検出する継目検出装置を更に備え、該継目検出装置が前記レールの継目を検出すると、前記レールに入力された超音波の利得がない状態の継続時間が所定の閾値以上であっても、レール破断があると判断しない。
レール破断検出方法においては、レールの長手方向に関して所定の離間距離以上に互いに離間し、かつ、少なくとも1つの輪軸が間に存在するように車両に取り付けられた非接触式の超音波送信プローブと非接触式の超音波受信プローブとによって、超音波をレールに入力するとともに、該レールを伝播した超音波を受信する工程と、前記レールに入力された超音波の利得がない状態の継続時間が所定の閾値以上であると、レール破断があると判断する工程とを含み、前記車両の走行中にレール破断を検出する。
本開示によれば、簡素な構成で、低コストでありながら、車両の走行中にレール破断を検出することができる。
第1の実施の形態におけるレール破断検出装置が搭載された車両の一部を示す模式図である。 第1の実施の形態におけるレール破断検出装置の機能構成を示すブロック図である。 第1の実施の形態におけるレール破断検出装置の超音波プローブとレールとの位置関係を説明する第1の図である。 第1の実施の形態におけるレール破断検出装置の超音波プローブの角度に関する実験結果を示す表である。 第1の実施の形態におけるレール破断検出装置の超音波プローブと輪軸との位置関係を説明する図である。 第1の実施の形態におけるレール破断検出装置の超音波プローブとレールとの位置関係を説明する第2の図である。 第1の実施の形態におけるレール破断検出装置が搭載された車両がレールの正常箇所を走行する状態を示す図である。 第1の実施の形態におけるレール破断検出装置が搭載された車両がレールの破断箇所を走行する状態を示す第1の図である。 第1の実施の形態におけるレールに発生した水平裂を示す斜視図である。 第1の実施の形態におけるレール破断検出装置が搭載された車両がレールの水平裂箇所を走行する状態を示す図である。 第1の実施の形態におけるレール破断検出装置が搭載された車両がレールの破断箇所を走行する状態を示す第2の図である。 第1の実施の形態におけるレール破断検出装置が実際に搭載された車両を示す図である。 第1の実施の形態におけるレール破断検出装置が実際に搭載された車両の写真である。 第1の実施の形態におけるレール破断検出装置が実際に搭載された車両が通常のレールを走行したときの写真である。 第1の実施の形態におけるレール破断検出装置が実際に搭載された車両が開口部のあるレールを走行したときの写真である。 第2の実施の形態におけるレール継目部を示す斜視図である。 第2の実施の形態におけるレール破断検出装置が備える継目検出装置を示す模式図である。 第2の実施の形態におけるレール破断検出装置の動作を示すフローチャートである。
以下、実施の形態について図面を参照しながら詳細に説明する。
図1は第1の実施の形態におけるレール破断検出装置が搭載された車両の一部を示す模式図、図2は第1の実施の形態におけるレール破断検出装置の機能構成を示すブロック図、図3は第1の実施の形態におけるレール破断検出装置の超音波プローブとレールとの位置関係を説明する第1の図、図4は第1の実施の形態におけるレール破断検出装置の超音波プローブの角度に関する実験結果を示す表、図5は第1の実施の形態におけるレール破断検出装置の超音波プローブと輪軸との位置関係を説明する図、図6は第1の実施の形態におけるレール破断検出装置の超音波プローブとレールとの位置関係を説明する第2の図である。なお、図1において、(a)は超音波プローブが台車に取り付けられた状態を示す図、(b)は超音波プローブが車体に取り付けられた状態を示す図である。
図において、11は、本実施の形態におけるレール破断検出装置10が搭載された車両であり、11aは前記車両11の車体である。前記車両11は、鉄道用の車両であれば、いかなる種類の車両であってもよい。そして、12は、前記車体11aを支持する台車であり、その骨組みとしての台車枠12aを有するとともに、輪軸16を保持する。該輪軸16は、1本の車軸16aと該車軸16aの両端に固定された左右一対の車輪15を含んでいる。該車輪15は、図示されない道床上に配設された図示されない複数本のまくらぎの上に敷設されたレール17上を転動する部材である。なお、ここでは、各車体11aは2つの台車12によって支持されるものとして説明するが、該台車12の数は必ずしも2つに限定されるものではない。また、ここでは、各台車12は2つの輪軸16を保持するものとして説明するが、該輪軸16の数は必ずしも2つに限定されるものではない。
前記レール破断検出装置10は、図2に示されるように、一対の超音波プローブとして、非接触式の超音波送信プローブである送信プローブ21と、非接触式の超音波受信プローブである受信プローブ22とを含んでいる。さらに、前記レール破断検出装置10は、送信プローブ21が送信した超音波と、受信プローブ22が受信した超音波から、検査対象物であるレール17の物性や状態を計測して評価する装置としてのパルサーレシーバ24と、受信プローブ22の受信信号を増幅してパルサーレシーバ24に対して出力する前置増幅器である外部プリアンプ25と、レール破断検出装置10の各部の動作を制御する制御装置としての制御及び計測用コンピュータ23とを含んでいる。本実施の形態におけるレール破断検出装置10の構成は、図2に示されるものに限定される必要はなく、空中で超音波の送受信が可能であり、受信された超音波の強さを電気信号として出力し得るものであれば、いかなる種類の装置であってもよい。また、レール17が破断しているか否かの判断は、制御及び計測用コンピュータ23の図示されないディスプレイの表示を検査員がモニターすることによって行うことも可能であり、電気信号として出力された超音波の受信レベルが所定値以下となったことに基づいて判断することも可能である。
なお、本実施の形態において、レール破断検出装置10、車両11、レール17等の各部及びその他の部材の構成及び動作を説明するために使用される上、下、左、右、前、後等の方向を示す表現は、絶対的なものでなく相対的なものであり、レール破断検出装置10、車両11、レール17等の各部及びその他の部材が図に示される姿勢である場合に適切であるが、その姿勢が変化した場合には姿勢の変化に応じて変更して解釈されるべきものである。
前記レール破断検出装置10は、車両11に取り付けられた送信プローブ21から非接触でレール17に超音波を送信し、レール17の長手方向に関して送信プローブ21から離れた位置で車両11に取り付けられた受信プローブ22が、レール17を伝達した超音波を非接触で受信し、受信時の超音波の強さに基づいて、レール17の破断を検出する。
具体的には、図1(a)に示される例において、送信プローブ21は、プローブ取付部材21aを介して、台車枠12aの一端に取り付けられ、受信プローブ22は、プローブ取付部材22aを介して、同じ台車枠12aの他端に取り付けられている。そして、超音波は、模様Sで示されるように、送信プローブ21から発信されて空中を伝播し、レール17を伝播し、再び空中を伝播して受信プローブ22によって受信される。また、図1(b)に示される例において、送信プローブ21は、プローブ取付部材21aを介して、台車枠12aの一端外側の位置において、車体11aの底部11bに取り付けられ、受信プローブ22は、プローブ取付部材22aを介して、同じ台車枠12aの他端外側の位置において、車体11aの底部11bに取り付けられている。そして、超音波は、模様Sで示されるように、送信プローブ21から発信されて空中を伝播し、レール17を伝播し、再び空中を伝播して受信プローブ22によって受信される。なお、前記送信プローブ21及び受信プローブ22は、台車枠12a又は車体11aの底部11bに限定されることなく、車両11のいかなる部位に取り付けられていてもよい。
また、本実施の形態において、送信プローブ21及び受信プローブ22は、図3に示されるように、レール17の長手方向に関して互いに離間した位置において、レール17の上方の高さHの箇所に位置するように、車両11に取り付けられる。前記送信プローブ21及び受信プローブ22は、レール17の頂面17aから70〔mm〕以上上方に位置する、すなわち、H≧70〔mm〕とすることが望ましい。一般に、鉄道用車両においては、該鉄道用車両に装着された装置等が地上設備と干渉しないようにするため、車両限界と呼ばれる、地上設備からの離間距離に関する制限が設定されている。本実施の形態における送信プローブ21及び受信プローブ22も、かかる制限に対応して、レール17の頂面17aから70〔mm〕以上上方に位置されることが望ましい。
さらに、図3に示されるように、前記送信プローブ21は、送信される超音波がレール17の頂面17aに対して斜めになるように、車両11に取り付けられ、前記受信プローブ22は、受信される超音波がレール17の頂面17aに対して斜めになるように、車両11に取り付けられる。
具体的には、前記送信プローブ21は、その送信面から出力される超音波が、頂面17aの垂線に対して、受信プローブ22の方向に角度θだけ傾斜するように設定される。これにより、レール17の頭部17bにガイド波を発生させることができる。同様に、前記受信プローブ22は、レール17の頂面17aからその受信面に入力される超音波が、頂面17aの垂線に対して、送信プローブ21の方向に角度θだけ傾斜するように設定される。これにより、レール17を伝播したガイド波を検出することができる。すなわち、送信面からの超音波が入射角度θでレール17の頂面17aに入射するように、送信プローブ21が設定され、また、出射角度θでレール17の頂面17aから出射した超音波が受信面に入射するように、受信プローブ22が設定される。なお、前記入射角度θ及び出射角度θは、0~10度であることが望ましい。また、超音波の振動数は20~400〔kHz〕であることが望ましい。超音波の振動数が400〔kHz〕を超えると、超音波が空中を介して、レールに送受信することが困難になる。
図4は、前記入射角度θ及び出射角度θを変化させて行われた実験の結果を示す表である。該表中の数字は、受信プローブ22が受信した超音波の強さを示す出力電圧〔V〕であり、1.0が受信した超音波が強い状態を示している。また、実験は、送信プローブ21及び受信プローブ22として、送信面及び受信面のサイズが20〔mm〕×20〔mm〕のものを使用し、超音波の振動数を200〔kHz〕とし、レール17の長手方向に関する送信プローブ21と受信プローブ22との離間距離を100〔mm〕として行われた。
レール17に超音波を伝播させる場合、その頭部17bにおいて発生させるガイド波は、レール17の形状及び材料の特性から、横波に近いモードが減衰に小さなガイド波として有効であることが示されている(例えば、非特許文献1参照。)。
林高弘、「超音波ガイド波の鉄道レール検査への適用」、M&M材料力学カンファレンス、2007年10月
そのようなモードのガイド波がレール17の頭部17bに発生するようにするために重要となるのは、超音波の入射角度θである。超音波は、空気中からレール17に入射する際に、透過及び反射を起こす。例えば、入射角度θを10度を超えた値として更に大きくし、臨界角になると、全反射が起きる。超音波は、適切な入射角度θで空気中からレール17に入射すると、モード変換を起こして縦波及び横波が発生し、このような波がガイド波としてレール17の長手方向に伝播される。
超音波の入射角度θが臨界角になると、全反射が起きるので、ガイド波が発生しないが、前記入射角度θが0~10度の範囲であると、ガイド波が発生して、レール17の長手方向に伝播される。このことは、図4に示される実験結果からも、明らかである。
さらに、図5に示されるように、レール17の長手方向に関して、互いに離間している送信プローブ21と受信プローブ22との間に、少なくとも1つの輪軸16が存在する。すなわち、送信プローブ21と受信プローブ22とは、少なくとも1つの輪軸16を間に挟むようにして、配設されている。これにより、太い矢印Aで示されるように、送信プローブ21から送信されてレール17を伝播した超音波は、受信プローブ22によって受信されるが、細い矢印Bで示されるように、送信プローブ21から送信され、受信プローブ22に向かって空気中だけを伝播する超音波は、輪軸16によって遮断されるので、受信プローブ22によって受信されることがない。したがって、送信プローブ21から空気中だけを伝播して受信プローブ22によって受信される超音波が、レール17を伝播した超音波に対するノイズとして、悪影響を及ぼすことが防止される。
さらに、レール17の幅方向に関する送信プローブ21及び受信プローブ22の位置は、図6に示されるように、送信プローブ21及び受信プローブ22の送信面及び受信面がレール17の頭部17bの幅方向の範囲内であることが望ましい。例えば、送信プローブ21及び受信プローブ22の送信面及び受信面の幅W1は、望ましくは、約20〔mm〕である。また、レール17の頭部17bの幅W2は、一般的な営業線で使用されている50〔kgN〕レール及び60〔kgN〕レールの場合、約65〔mm〕である。
なお、レール17の頂面17aにおいて、ゲージコーナ17g側の部分は、フィールドコーナ17f側の部分よりも、車輪15との接触に起因する表面傷が多いので、超音波を伝達する際に、十分に大きな利得を得ることが困難である。そこで、送信プローブ21及び受信プローブ22の送信面及び受信面の幅W1は、レール17の頂面17aの幅方向前面に超音波が行き渡るようなサイズであって、少なくともレール17の頭部17bの幅W2の1/3程度であることが望ましいので、20〔mm〕以上とすることが望ましい。
次に、前記構成のレール破断検出装置10の動作について説明する。
図7は第1の実施の形態におけるレール破断検出装置が搭載された車両がレールの正常箇所を走行する状態を示す図、図8は第1の実施の形態におけるレール破断検出装置が搭載された車両がレールの破断箇所を走行する状態を示す第1の図、図9は第1の実施の形態におけるレールに発生した水平裂を示す斜視図、図10は第1の実施の形態におけるレール破断検出装置が搭載された車両がレールの水平裂箇所を走行する状態を示す図、図11は第1の実施の形態におけるレール破断検出装置が搭載された車両がレールの破断箇所を走行する状態を示す第2の図である。なお、図7及び8において、(a)は車両がレールを走行する状態の模式図、(b)は受信された超音波の波形を示す図であり、図10において、(a-1)及び(a-2)は水平裂と車両の位置関係を示す図、(b-1)及び(b-2)は(a-1)及び(a-2)において受信された超音波の波形を示す図であり、図11において、(a-1)及び(a-2)は破断と車両の位置関係を示す図、(b-1)及び(b-2)は(a-1)及び(a-2)において受信された超音波の波形を示す図である。
本実施の形態におけるレール破断検出装置10は、車両11が走行している間、超音波の送受信を継続し、レール破断の検出を継続的に実行する。すなわち、図7(a)に示されるように、車両11が走行している間、送信プローブ21は、模様Sで示されるように、超音波を非接触で連続してレール17に入力し、受信プローブ22は、レール17を伝播した超音波を非接触で連続して受信する。そして、受信プローブ22が、受信した超音波の強さに応じた電気信号を、図7(b)に示されるように、出力する。
しかし、図8(a)に示されるように、レール17に破断18aが発生している場合に当該破断箇所を車両11が走行すると、模様Sで示されるように、レール17を伝播した超音波が破断18aによって遮断されてしまうので、受信プローブ22は、レール17を伝播した超音波を受信することができない。そのため、受信プローブ22が出力する受信した超音波の強さに応じた電気信号は、図8(b)に示されるようになる。すなわち、超音波の波形が検出されない状態となる。このように、超音波の波形が検出されない状態となる、すなわち、レール17に入力された超音波の利得がなくなると、レール破断検出装置10は、レール破断を検出したと判断する。
ところで、レール17には、レール破断のような比較的重大な問題にまでは至らない程度の比較的軽微な傷が存在するが、このように比較的軽微な傷がレール破断と同等のレベルで検出されることは、却ってレール破断検出の信頼性を低下させることとなる。このような比較的軽微な傷の1つとして、図9に示されるような水平裂18bを挙げることができる。該水平裂18bは、レール17の頭部17bにおいて、レール17の長手方向にほぼ水平に進展する傷である。
このような比較的小さな水平裂18bであっても、図10(a-1)に示されるように、送信プローブ21からレール17に入力される超音波が遮断されると、図10(b-1)に示されるように、超音波の波形が検出されない状態となる。しかし、水平裂18bが比較的小さいので、車両11が矢印Cで示される進行方向に少しでも進行して、図10(a-2)に示されるように、送信プローブ21からの超音波がレール17に入力される位置が水平裂18bから外れると、太い矢印Aで示されるように、送信プローブ21から送信された超音波は、再び、レール17を伝播し、受信プローブ22によって受信され、図10(b-2)に示されるように、超音波の波形が検出される。
なお、水平裂18bは、一般的は、100〔mm〕以上の大きさにまで進展すると、レール17の交換が必要とされている(例えば、非特許文献2参照。)。つまり、水平裂18bは、100〔mm〕以上の大きさにまで進展しなければ、検出する必要がない程度の軽微な傷である、と言える。
「新版軌道材料」、株式会社鉄道現業社、2011年
そうであるから、レール17の長手方向に関する送信プローブ21と受信プローブ22との離間距離を100〔mm〕以上とすることが望ましい。これにより、図10(b-1)に示されるように、受信プローブ22が受信した超音波の波形が途絶えても、短時間のうちに、再び、図10(b-2)に示されるように、超音波の波形が検出されたならば、比較的軽微な傷を検出したものと判断することができ、レール破断の検出から除外することができる。
一方、図11(b-1)に示されるように、受信プローブ22が受信した超音波の波形が途絶えた後、ある程度の時間が経過しても、図11(b-2)に示されるように、依然として超音波の波形が検出されないのであれば、図11(a-1)及び(a-2)に示されるように、レール17に破断18aが発生している、と言える。
つまり、レール17に入力された超音波の利得がない状態の継続時間が所定の閾値未満であれば、レール破断がないと判断し、レール17に入力された超音波の利得がない状態の継続時間が所定の閾値以上であれば、レール破断があると判断することができる。したがって、レール破断の誤検出を防止することができる。
ここで、レール17に入力された超音波の利得がない状態の継続時間をTとし、レール17の長手方向に関する送信プローブ21と受信プローブ22との離間距離をL1とし、レール17の頂面17aから送信プローブ21及び受信プローブ22までの距離をL2とし、レール17中の超音波の音速をc1とし、空気中の超音波の音速をc2とすると、次の式(1)が成立する。なお、車両11の走行速度は、空気中の超音波の音速(1224〔km/h〕)と比べて大幅に低いので、無視することとする。
T≒L1/c1+2×L2/c2 ・・・式(1)
そして、前記閾値は、前述のように、L1を100〔mm〕としたときのTの値とすることが望ましい。
なお、車両11がレール区間のどの位置にいるのかは、無線通信等によって常に把握可能であるので、車両11に搭載されたレール破断検出装置10によって検出された破断18aがレール区間のどの位置に存在するのかは、自動的に特定することができる。
次に、実際にレール破断検出装置10を車両11に搭載してレール破断の検出を行った例について説明する。
図12は第1の実施の形態におけるレール破断検出装置が実際に搭載された車両を示す図、図13は第1の実施の形態におけるレール破断検出装置が実際に搭載された車両の写真、図14は第1の実施の形態におけるレール破断検出装置が実際に搭載された車両が通常のレールを走行したときの写真、図15は第1の実施の形態におけるレール破断検出装置が実際に搭載された車両が開口部のあるレールを走行したときの写真である。なお、図13において、(a)は送信プローブの取付箇所を示す写真、(b)は受信プローブの取付箇所を示す写真であり、図14及び15において、(a)は受信された超音波の波形を示す写真、(b)は車両に搭載されたビデオカメラで撮影したレールの写真である。
レール破断の検出は、レール破断検出装置10を図12に示されるような保守用車(モーターカ)に取り付けて行われた。送信プローブ21及び受信プローブ22は、図12及び13に示されるような箇所に取り付けられた。レール17の長手方向に関する送信プローブ21と受信プローブ22との離間距離L1は、2.5〔m〕であり、送信プローブ21と受信プローブ22との間に1つの輪軸16が存在する。なお、送信プローブ21及び受信プローブ22は、送信面及び受信面のサイズが60〔mm〕×60〔mm〕のものであり、入射角度θが5度となるように設定され、超音波の振動数は100〔kHz〕である。なお、前記保守用車には、ビデオカメラも設置した。
そして、前記保守用車が図14(b)に示されるような通常のレール17の上を走行した場合には、図14(a)に示されるような超音波の波形が検出された。これに対して、前記保守用車が図15(b)に示されるような開口部のあるレール17の上を走行した場合には、図15(a)に示されるような超音波の波形が検出された。
ところで、前記開口部は、レール17がその長手方向に不連続となっているので、レール17を伝播した超音波がそこで遮断される、という点において、レール17に発生した破断18aと同様であり、むしろ、該破断18aは開口部の一形態であるとも言える。したがって、超音波による検出において、前記開口部はレール17に発生した破断18aと等価である。
図14(a)の波形と図15(a)の波形とを比較すると、開口部のあるレール17の上を走行した場合には、レール17に入力された超音波の利得がほとんどないことが、明らかであるから、これにより、前記開口部が検出されたことが分かる。したがって、実際に保守用車に搭載されたレール破断検出装置10によって、レール17に発生した破断18aを検出し得ることが実証された。
このように、本実施の形態におけるレール破断検出装置10は、車両11に取り付けられた非接触式の送信プローブ21と非接触式の受信プローブ22とを備える。送信プローブ21及び受信プローブ22は、レール17の長手方向に関して所定の離間距離以上に互いに離間し、かつ、少なくとも1つの輪軸16が間に存在するように車両11に取り付けられ、受信プローブ22は、送信プローブ21からレール17に入力されてレール17を伝播した超音波を受信する。そして、レール破断検出装置10は、レール17に入力された超音波の利得がない状態の継続時間が所定の閾値以上であると、レール破断があると判断する。これにより、レール破断検出装置10は、簡素な構成で、低コストでありながら、車両11の走行中に、レール破断を確実に検出することができる。
また、所定の離間距離は100〔mm〕である。さらに、送信プローブ21は、超音波が所定の入射角度θでレール17の頂面17aに入射するように車両11に取り付けられ、受信プローブ22は、所定の出射角度θでレール17の頂面17aから出射した超音波を受信するように車両11に取り付けられる。さらに、入射角度θ及び出射角度θは、0~10度である。さらに、送信プローブ21及び受信プローブ22は、レール17の幅方向に関して送信プローブ21の送信面及び受信プローブ22の受信面がレール17の頭部17bの幅方向の範囲内に位置するように車両11に取り付けられる。
次に、第2の実施の形態について説明する。なお、前記第1の実施の形態と同じ構造を有するものについては、同じ符号を付与することによってその説明を省略する。また、前記第1の実施の形態と同じ動作及び同じ効果についても、その説明を省略する。
図16は第2の実施の形態におけるレール継目部を示す斜視図、図17は第2の実施の形態におけるレール破断検出装置が備える継目検出装置を示す模式図、図18は第2の実施の形態におけるレール破断検出装置の動作を示すフローチャートである。
図16に示されるように、鉄道の線路には、隣接するレール17同士を接続する継目部分が存在する。このような継目部分において、隣接するレール17の端部の近傍部分同士は、継目板19を介して相互に接続されるが、隣接するレール17の端部同士の間には、開口部の一形態としての遊間18cが存在する。そこで、本実施の形態におけるレール破断検出装置10は、前記遊間18cを破断18aと識別するために、図17に示されるような複数のレーザ変位計26等を継目検出装置として備える。
前記レーザ変位計26は、レール17の底部17cの幅方向両端近傍に対応する位置において車両11に取り付けられ、下方に向けてレーザビーム27を出力し、下方に存在する物体によって反射されたレーザビーム27を受光して、当該物体までの距離を計測する。したがって、車両11が継目部分以外の箇所を走行している場合、前記レーザ変位計26は、レール17の底部17cの上面までの距離を計測するが、車両11が継目部分を通過する際には、底部17cの上面よりも上方に位置する継目板19の上面までの距離を計測することとなるので、計測した距離の相違に基づいて、継目板19の存在を検出することができ、継目検出を行うことができる。
このように、継目検出装置としてのレーザ変位計26が継目を検出すると、レール破断検出装置10は、レール17に入力された超音波の利得がない状態の継続時間が所定の閾値以上であっても、レール破断ではなく継目であると判断することができ、レール破断の誤検出を防止することができる。
次に、本実施の形態におけるレール破断検出装置10の動作を図18に示されるフローチャートに従って説明する。
まず、ステップS1で、レール破断検出装置10は、車両11が走行すると、随時、レール破断検出、及び、継目検出を行う。
続いて、ステップS2で、レール破断検出装置10は、レール開口部を検出する。具体的には、レール17に入力された超音波の利得がない状態の継続時間が所定の閾値以上であると、レール17に開口部があることが検出される。
続いて、ステップS3で、レール破断検出装置10は、継目の有無を判断する。具体的には、レーザ変位計26等が継目板19を検出したか否かを判断する。
そして、継目有の場合、すなわち、レーザ変位計26が継目板19を検出した場合、ステップS4で、レール破断検出装置10は、継目検出と判断する。
また、継目無の場合、すなわち、レーザ変位計26が継目板19を検出しなかった場合、ステップS5で、レール破断検出装置10は、レール破断検出と判断する。
このように、本実施の形態において、レール破断検出装置10は、レール17の継目を検出するレーザ変位計26を更に備える。そして、レール破断検出装置10は、レーザ変位計26がレール17の継目を検出すると、レール17に入力された超音波の利得がない状態の継続時間が所定の閾値以上であっても、レール破断があると判断しない。また、レーザ変位計26は、レーザビーム27によって継目の継目板19を検出する。
これにより、レール17の継目をレール破断であると判断してしまう誤検出を、確実に防止することができる。
なお、継目の検出にはレーザ変位計による方法に限らず、他の方法を用いても良い(例えば、特許文献2参照。)。
特開平06-322707号公報
なお、その他の点の構成、作用及び効果については、前記第1の実施の形態と同様であるので、その説明を省略する。
また、本明細書の開示は、好適で例示的な実施の形態に関する特徴を述べたものである。ここに添付された特許請求の範囲内及びその趣旨内における種々の他の実施の形態、修正及び変形は、当業者であれば、本明細書の開示を総覧することにより、当然に考え付くことである。
本開示は、レール破断検出装置及び方法に適用することができる。
10 レール破断検出装置
11 車両
16 輪軸
17 レール
17a 頂面
17b 頭部
19 継目板
21 送信プローブ
22 受信プローブ
26 レーザ変位計
27 レーザビーム

Claims (7)

  1. 車両に取り付けられた非接触式の超音波送信プローブと非接触式の超音波受信プローブとを備えるレール破断検出装置であって、
    前記超音波送信プローブ及び超音波受信プローブは、レールの長手方向に関して所定の離間距離以上に互いに離間し、かつ、少なくとも1つの輪軸が間に存在するように前記車両に取り付けられ、
    前記超音波受信プローブは、前記超音波送信プローブからレールに入力されて該レールを伝播した超音波を受信し、
    前記レールに入力された超音波の利得がない状態の継続時間が所定の閾値以上であると、レール破断があると判断することを特徴とするレール破断検出装置。
  2. 前記所定の離間距離は100〔mm〕である請求項1に記載のレール破断検出装置。
  3. 前記超音波送信プローブは、超音波が所定の入射角度でレールの頂面に入射するように前記車両に取り付けられ、前記超音波受信プローブは、所定の出射角度でレールの頂面から出射した超音波を受信するように前記車両に取り付けられる請求項1又は2に記載のレール破断検出装置。
  4. 前記入射角度及び出射角度は、0~10度である請求項3に記載のレール破断検出装置。
  5. 前記超音波送信プローブ及び超音波受信プローブは、レールの幅方向に関して前記超音波送信プローブの送信面及び前記超音波受信プローブの受信面がレールの頭部の幅方向の範囲内に位置するように前記車両に取り付けられる請求項1~4のいずれか1項に記載のレール破断検出装置。
  6. 前記レールの継目を検出する継目検出装置を更に備え、
    該継目検出装置が前記レールの継目を検出すると、前記レールに入力された超音波の利得がない状態の継続時間が所定の閾値以上であっても、レール破断があると判断しない請求項1~5のいずれか1項に記載のレール破断検出装置。
  7. レールの長手方向に関して所定の離間距離以上に互いに離間し、かつ、少なくとも1つの輪軸が間に存在するように車両に取り付けられた非接触式の超音波送信プローブと非接触式の超音波受信プローブとによって、超音波をレールに入力するとともに、該レールを伝播した超音波を受信する工程と、
    前記レールに入力された超音波の利得がない状態の継続時間が所定の閾値以上であると、レール破断があると判断する工程とを含み、
    前記車両の走行中にレール破断を検出することを特徴とするレール破断検出方法。
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