JP7107343B2 - 長繊維不織布、及び、長繊維不織布の製造方法 - Google Patents
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(1)ポリエチレンテレフタレートと共重合ポリエステルとを含む2成分複合紡糸の長繊維を含んで構成されており、
見掛密度が0.1g/cc以上であり、
10%の伸長回復率が65%以上であることを特徴とする長繊維不織布。
このように、本発明によれば、ポリエチレンテレフタレートと共重合ポリエステルとを含み、且つ、見掛密度が0.1g/cc以上であり、10%の伸長回復率が65%以上である長繊維不織布を提供することができる。見掛密度が0.1g/cc以上であるため、貼付剤や包帯などとして使用した際に、衣類等と擦れが生じたとしても、摩擦を受けにくく、使用中にメクレが生じたりすることを防止することができる。また、10%の伸長回復率が65%以上であるため、伸縮性に優れ、貼付剤や包帯などとして使用した際に使用感が良好である。
(8)溶融させたポリエチレンテレフタレートと共重合ポリエステルとを紡糸口金から吐出して、冷却固化させたのち、エジェクターにて牽引、延伸して2成分複合紡糸の長繊維を形成する工程Aと、
前記工程Aで得られた前記長繊維を捕集して長繊維ウェブを形成する工程Bと、
前記長繊維ウェブを仮圧着する工程Cと、
仮圧着された前記長繊維ウェブに捲縮加工を施す工程Dと
を備えることを特徴とする長繊維不織布の製造方法。
本実施形態に係る長繊維不織布は、
ポリエチレンテレフタレートと共重合ポリエステルとを含む2成分複合紡糸の長繊維を含んで構成されており、
見掛密度が0.1g/cc以上であり、10%の伸長回復率が65%以上である。
また、前記共重合ポリエステルは、ポリエチレンテレフタレート(ホモポリマー)と比較して結晶性が低下している。前記長繊維不織布(前記長繊維)は、ポリエチレンテレフタレートと共重合ポリエステルとを含む2成分複合紡糸であるため、熱処理された際に、結晶性の差に起因して収縮量に差が生じ、捲縮が発現する。
(a)ジカルボン酸成分がテレフタル酸であり、グリコール成分がエチレングリコール50~85モル%及びネオペンチルグリコール15~50モル%である共重合ポリエステル。
(b)ジカルボン酸成分がテレフタル酸であり、グリコール成分がエチレングリコール50~85モル%及び1,4-シクロヘキサンジメタノール15~50モルdである共重合ポリエステル。
(c)ジカルボン酸成分がテレフタル酸であり、グリコール成分が1,4ブタンジオール50~85モル%及びネオペンチルグリコール15~50モル%である共重合ポリエステル。
(d)ジカルボン酸成分がテレフタル酸であり、グリコール成分が1,4ブタンジオール50~85モル%及び1,4-シクロヘキサンジメタノール15~50モル%である共重合ポリエステル。
前記(a)、前記(b)の場合、エチレングリコールの含有量は、50~85モル%がより好ましく、65~75モル%がさらに好ましい。
前記(c)、前記(d)の場合、1,4ブタンジオールの含有量は、50~85モル%がより好ましく、65~75モル%がさらに好ましい。
前記(a)、前記(c)の場合、ネオペンチルグリコールの含有量は、15~50モル%がより好ましく、25~35モル%がさらに好ましい。
前記(b)、前記(d)の場合、1,4-シクロヘキサンジメタノールの含有量は、15~50モル%がより好ましく、25~35モル%がさらに好ましい。
前記(a)~前記(d)の共重合ポリエステルは、結晶性が適度に低下し、長繊維不織布に好適な捲縮を発現させることができる。また、熱安定性等の特性が好適である。
なお、本明細書において、「10%の伸長回復率が65%以上」とは、MD(machine direction)方向における10%の伸長回復率が65%以上であり、且つ、CD(cross direction)方向における10%の伸長回復率が65%以上であることをいう。
本実施形態に係る長繊維不織布の製造方法は、
溶融させたポリエチレンテレフタレートと共重合ポリエステルとを紡糸口金から吐出して、冷却固化させたのち、エジェクターにて牽引、延伸して2成分複合紡糸の長繊維を形成する工程Aと、
前記工程Aで得られた前記長繊維を捕集して長繊維ウェブを形成する工程Bと、
前記長繊維ウェブを仮圧着する工程Cと、
仮圧着された前記長繊維ウェブに捲縮加工を施す工程Dとを備える。
本実施形態に係る長繊維不織布の製造方法においては、まず、溶融させたポリエチレンテレフタレートと共重合ポリエステルとを紡糸口金から吐出して、冷却固化させたのち、エジェクターにて牽引、延伸して2成分複合紡糸の長繊維を形成する。
V=(10000×Q)/T (1)
ここで、Vは紡糸速度(m/分)、Tは単繊維の繊度(dtex)、Qは単孔吐出量(g/分)である。
次に、前記工程Aで得られた前記長繊維を捕集して長繊維ウェブを形成する(工程B)。例えば、下方のコンベア上へ前記長繊維を開繊させつつ捕集して、長繊維ウェブを形成すればよい。
次に、前記工程Bにより得られた前記長繊維ウェブを仮圧着する(工程C)。前記仮圧着は、前記長繊維ウェブが収縮しない温度範囲内において行う。これにより、好適に搬送することが可能となる。前記仮圧着時の温度としては、50℃~80℃が好ましく、より好ましくは、55℃~75℃、さらに好ましくは、60℃~70℃である。前記仮圧着は、フラットロールを用いることができる。仮圧着時の線圧としては、好ましくは1~10kg/cm、より好ましくは3~7kg/cmである。前記線圧を前記数値範囲内にすると、搬送による破断が生じず工程通過できる。
次に、仮圧着された前記長繊維ウェブに捲縮加工を施す(工程D)。捲縮加工を施された長繊維は、捲縮糸となる。本実施形態では、温度変調および速度比率の変更可能な2本以上の加熱ローラを用いて、前記長繊維ウェブに、速度比率を徐々に落としながら捲縮加工を施す。前記加熱ローラーは、捲縮が発現する温度又はそれ以上に設定することになり、収縮も発生することになるが、本実施形態では、速度比率を徐々に落としながら捲縮加工を施すため、捲縮に伴って収縮させた分、搬送の速度比率を下げるため、急激な収縮に起因した皺の発生等を抑制することができる。
前記加熱ローラーの本数は、2本以上が好ましく、4本以上がこのましい。複数の加熱ローラーを用い、徐々に速度比率を落としていくことにより、収縮量に応じて前記長繊維ウェブの面積を小さくすることができ、皺の発生等を抑制することができる。前記加熱ローラーの本数の上限は特に制限されないが、設備コストの観点から、例えば、12本以下、
10本以下等とすればよい。
捲縮加工の際の加熱温度(前記加熱ローラーの温度)としては、60~150℃が好ましく、70~140℃がより好ましく、80~130℃がさらに好ましい。前記加熱温度が前記数値範囲内であると、好適に捲縮を発現させることができる。前記搬送速度は、捲縮加工時の前記長繊維ウェブの収縮量に応じて遅くすればよい。
捲縮加工の際、必要に応じてニップを行ってもよい。ニップは、一番温度の高い加熱ローラーでの捲縮加工時に行うことが好ましい。一番温度の高い加熱ローラーでの捲縮加工時にニップを行うと、密着を向上させることができる。
樹脂(ポリエチレンテレフタレート、又は、共重合ポリエステル)0.1gを秤量し、25mlのフェノール/テトラクロルエタン(60/40(重量比))の混合溶媒に溶解し、オストワルド粘度計を用いて30℃で3回測定し、その平均値を求めた。
JIS K7122(1987)に従って、20℃/分の昇温速度で、共重合ポリエステルのガラス転移温度を求めた。
密度勾配管にて硝酸カルシウム四水和物から作成した密度勾配液を作製し1.29~1.5g/cm3の範囲の比重フロート範囲を用い、ジェット延伸後の繊維を密度勾配管に投入し4時間以上安定させて浮遊している位置のメモリを読み取り、フロートの検量線から比重を求めた。
JIS L1913(2000)5.2に従って、単位面積当たりの質量を測定した。
JIS-L1913(2010)5.2に準拠して求められた上記目付及び厚みから1cm3当りの重量に換算し、嵩密度とした。具体的には、厚さ測定器により0.5g/cm2の端子を用いて厚さを計測し、目付を厚さで除することにより嵩密度を求めた。
試料(仮圧着前の長繊維ウェブ)の任意の場所5点を選び、光学顕微鏡を用いて単繊維の径をn=20で測定し、平均値を求めた。
試料(仮圧着前の長繊維フリース)の任意の場所5点を選び、光学顕微鏡を用いて単繊維径をn=20で測定して、平均単繊維径を求めた。同じ場所5点の繊維を取り出し、密度勾配管を用いて繊維の比重をn=5で測定し、平均比重を求めた。ついで、平均単繊維径より求めた単繊維断面積と平均比重から10000mあたりの繊維重量である繊度[dtex]を求めた。
0.5~2mmの孔の開いた金属板を準備した。また、不織布からなる繊維を切り出し、黒色の繊維で包埋した。前記金属板の前記孔に、黒色の繊維で包埋した不織布からなる繊維を詰め込み、両端を剃刀でカットした。距離が計測できるソフトが導入されているコンピューターに接続された光学顕微鏡で、鞘側の外円の半径(R)を計測した。芯側の中心部と鞘側中心部の距離を計測し、これを偏芯距離(L)とした。次に、偏心率(%)を、下記式にて求めた。
(偏心率)=(L/R)×100
紡糸速度V(m/分)は、上記繊度T(dtex)と設定の単孔吐出量Q(g/分)から下記式に基づいて求めた。
V=(10000×Q)/T
25×150mmの試料を準備した。自記記録装置付定速伸長形引張試験機を用い、手でゆるまない程度に引っ張った状態で50mmのつかみ間隔に取り付け、初荷重を0.02N/25mmとした。この際の「(つかみ間隔)+(初荷重をかけた際に伸びた長さ)」を、L0とした。その後、引張速度25mm/分で、つかみ間隔の10%(5mm伸長)まで引き伸ばした。この際の長さをL1とした。その後、直ちに、同じ速度で初荷重まで除重した試料長をL2とした。10%伸長回復率は、下式で求めた。縦方向、横方向それぞれn=5で測定し、平均値の小数点第一を四捨五入した。
10%伸長回復率(%)=[(L1-L2)/(L1-L0)]×100
不織布140mm×100mmに医療用接着剤を塗布したものを被験者5人の肘に貼付し長袖シャツを着用させ8時間経過後の状況をみて判定した。2級~5級の場合、剥がれが抑制されていると判断した。
0級:脱落
1級:半分以上剥離
2級:1/3剥離
3級:1/5剥離
4級:端部がやや剥離
5級:剥離なし
2成分スパンボンド紡糸設備でサイドバイサイドノズルを用い、ポリエチレンテレフタレート(固有粘度(iv値):0.63)と共重合ポリエステル(ジカルボン酸成分がテレフタル酸であり、グリコール成分がエチレングリコール70モル%及びネオペンチルグリコール30モル%である共重合体、固有粘度(iv値):0.75、Tg:75℃)を質量比5.5(ポリエチレンテレフタレート):4.5(共重合ポリエステル)の割合で紡出した。紡出は、オリフィス径0.36mmの紡糸口金より単孔吐出量1.0g/分にて行った。その後、さらに、エジェクタに3.5kg/cm2の圧力(ジェット圧)で乾燥エアを供給し、1段階で延伸して、下方のコンベア上へ繊維を開繊させつつ捕集し、長繊維ウェブを得た。次に、得られた前記長繊維ウェブを仮圧着した。仮圧着の条件は、仮圧着ロール温度60℃、線圧5kg/cmとした。
以上により得られた長繊維ウェブの繊維径は14.5μm、紡糸速度は4500m/分、目付量25g/m2であった。
偏心度が0.1mmの芯鞘ノズルを使用し、鞘側に共重合ポリエステル(ジカルボン酸成分がテレフタル酸であり、グリコール成分がエチレングリコール70モル%及びネオペンチルグリコール30モル%である共重合体、固有粘度(iv値):0.75、Tg:75℃)を配置させたこと以外は実施例1と同じ条件で不織布を得た。
ポリエチレンテレフタレートと共重合ポリエステル(ジカルボン酸成分がテレフタル酸であり、グリコール成分がエチレングリコール70モル%及びネオペンチルグリコール30モル%である共重合体、固有粘度(iv値):0.75、Tg:75℃)を6.5:3.5の割合にしたこと以外は実施例1と同じ条件で不織布を得た。
ポリエチレンテレフタレートと共重合ポリエステル(ジカルボン酸成分がテレフタル酸であり、グリコール成分がエチレングリコール70モル%及びネオペンチルグリコール30モル%である共重合体、固有粘度(iv値):0.75、Tg:75℃)を6.5:3.5の割合にしたこと以外は実施例2と同じ条件で不織布を得た。
鞘側の共重合ポリエステルとして、ジカルボン酸成分がテレフタル酸であり、グリコール成分がエチレングリコール85モル%及びネオペンチルグリコール15モル%である共重合体(固有粘度(iv値):0.75、Tg:75℃)を用いたこと以外は実施例2と同じ条件で不織布を得た。
共重合ポリエステルとして、ジカルボン酸成分がテレフタル酸であり、グリコール成分がエチレングリコール50モル%及びネオペンチルグリコール50モル%である共重合体(固有粘度(iv値):0.75、Tg:75℃)を用いたこと以外は実施例1と同じ条件で不織布を得た。
加熱ロールを用いて捲縮加工を行う代わりに、130℃の熱エアースルーにて捲縮加工を行ったこと以外は実施例1と同じ条件でスパンボンド不織布を得た。
ポリエチレンテレフタレートと共重合ポリエステル(ジカルボン酸成分がテレフタル酸であり、グリコール成分がエチレングリコール70モル%及びネオペンチルグリコール30モル%である共重合体、固有粘度(iv値):0.75、Tg:75℃)との重量比を8.5:1.5にしたこと以外は実施例1と同じ条件で不織布を得ようとしたが、捲縮による収縮が殆ど起こらなかった。
共重合ポリエステルとして、ジカルボン酸成分がテレフタル酸であり、グリコール成分がエチレングリコール95モル%及びネオペンチルグリコール5モル%である共重合体(固有粘度(iv値):0.75、Tg:75℃)を用いたこと以外は実施例1と同じ条件で不織布を得ようとしたが、捲縮による収縮が殆ど起こらなかった。
Claims (11)
- ポリエチレンテレフタレートと共重合ポリエステルとを含む2成分複合紡糸の長繊維を含んで構成されており、
見掛密度が0.1g/cc以上であり、
10%の伸長回復率が65%以上であることを特徴とする長繊維不織布。 - 前記長繊維は、捲縮糸であることを特徴とする請求項1に記載の長繊維不織布。
- 前記長繊維は、芯鞘構造であることを特徴とする請求項1又は2記載の長繊維不織布。
- 前記芯鞘構造は、芯成分の中央が2%以上偏心されていることを特徴とする請求項3に記載の長繊維不織布。
- 前記長繊維は、サイドバイサイド構造であることを特徴とする請求項1又は2に記載の長繊維不織布。
- 機械的交絡処理が施されていないことを特徴とする請求項1~5のいずれか1に記載の長繊維不織布。
- 前記共重合ポリエステルは、ジカルボン酸成分がテレフタル酸であり、グリコール成分がエチレングリコール50~85モル%及びネオペンチルグリコール15~50モル%であることを特徴とする請求項1~6のいずれか1に記載の長繊維不織布。
- 溶融させたポリエチレンテレフタレートと共重合ポリエステルとを紡糸口金から吐出して、冷却固化させたのち、エジェクターにて牽引、延伸して2成分複合紡糸の長繊維を形成する工程Aと、
前記工程Aで得られた前記長繊維を捕集して長繊維ウェブを形成する工程Bと、
前記長繊維ウェブを仮圧着する工程Cと、
仮圧着された前記長繊維ウェブに捲縮加工を施す工程Dと
を備えることを特徴とする長繊維不織布の製造方法。 - 前記工程Aは、前記紡糸口金として偏心芯鞘ノズルを使用し、芯成分としての前記ポリエチレンテレフタレートと鞘成分としての前記共重合ポリエステルを、前記偏心芯鞘ノズルから吐出する工程A-1を含むことを特徴とする請求項8に記載の長繊維不織布の製造方法。
- 前記工程Aは、前記紡糸口金としてサイドバイサイドノズルを使用し、前記ポリエチレンテレフタレートと前記共重合ポリエステルとを繊維長さ方向にサイドバイサイド型に貼り合わせるように前記サイドバイサイドノズルから吐出する工程A-2を含むことを特徴とする請求項8に記載の長繊維不織布の製造方法。
- 前記共重合ポリエステルは、ジカルボン酸成分がテレフタル酸であり、グリコール成分がエチレングリコール50~85モル%及びネオペンチルグリコール15~50モル%であることを特徴とする請求項8~10のいずれか1に記載の長繊維不織布の製造方法。
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