JP7108390B2 - 硬化性樹脂組成物 - Google Patents
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1. ラジカル重合性基当量が650g/mol以上である多官能アクリル系ポリマー(A)及びラジカル重合性基当量が600g/mol以下である多官能アクリル系ポリマー(B)を含むことを特徴とする硬化性樹脂組成物。
2. 多官能アクリル系ポリマー(A)と多官能アクリル系ポリマー(B)との重量割合が、両者の合計を100重量%として、アクリル系ポリマー(A)が40~90重量であり、多官能アクリル系ポリマー(B)が60~10重量%である、前記項1に記載の硬化性樹脂組成物。
3. 多官能アクリル系ポリマー(A)及び多官能アクリル系ポリマー(B)の重量平均分子量が、互いに同一又は異なって5000~50000である、前記項1又は2に記載の硬化性樹脂組成物。
4. 活性エネルギー線硬化性である、前記項1~3のいずれかに記載の硬化性樹脂組成物。
5. さらに有機溶剤を含み、性状が液状である、前記項1~4のいずれかに記載の硬化性樹脂組成物。
6. 前記項1~5のいずれかに記載の硬化性樹脂組成物を含む塗膜を硬化してなる硬化膜。
7. 前記項6に記載の硬化膜を含む積層体。
8. 前記項6に記載の硬化膜と樹脂含有成形物とが一体化してなる成形体。
本発明の硬化性樹脂組成物(本発明組成物)は、ラジカル重合性基当量が650g/mol以上である多官能アクリル系ポリマー(A)及びラジカル重合性基当量が600g/mol以下である多官能アクリル系ポリマー(B)を含むことを特徴とする。
多官能アクリル系ポリマー(A)は、多官能性であり、官能基を3個以上有する。各官能基は互いに同じものであっても良いし、互いに異なるものであっても良い。官能基としては、ラジカル重合性の官能基であれば特に限定されず、例えばビニル基、アリル基、アクリロイル基、メタクリロイル基、アクリロイルオキシ基、メタクリロイルオキシ基等が挙げられる。特に、高いUV硬化性等を発現できるという見地より、アクリロイル基、メタクリロイル基、アクリロイルオキシ基及びメタクリロイルオキシ基の少なくとも1種が望ましく、特にアクリロイルオキシ基及びメタクリロイルオキシ基の少なくとも1種がより望ましい。
RA=[(Mw(X)×X)/Z]+[(Mw(Y)×Y)/Z]+[(Mw(Z)]
(Mw(X)はメチルメタクリレートの分子量、Mw(Y)は2-ヒドロキシエチルメタクリレートの分子量、Mw(Z)は2-イソシアナトエチルアクリレートの分子量、X,Y,Zは仕込んだ化合物(メチルメタクリレート、2-ヒドロキシエチルメタクリレート、2-イソシアナトエチルアクリレート)の物質量比を示す。)この方法に従って計算すると、RA=[(100×0.429)/0.0574]+[(130×0.0715)/0.0574]+[141]=約1050となる。
多官能アクリル系ポリマー(B)は、多官能性であり、官能基を3個以上有する。各官能基は互いに同じものであっても良いし、互いに異なるものであっても良い。官能基としては、ラジカル重合性の官能基であれば特に限定されず、例えばビニル基、アリル基、アクリロイル基、メタクリロイル基、アクリロイルオキシ基、メタクリロイルオキシ基等が挙げられる。特に、高いUV硬化性等を発現できるという見地より、(メタ)アクリロイル基及び(メタ)アクリロイルオキシ基の少なくとも1種を有することが望ましく、特に (メタ)アクリロイルオキシ基を有することがより望ましい。
本発明組成物としては、本発明の効果を妨げない範囲内で、任意成分として公知のハードコートに含まれている添加剤を適宜配合することができる。例えば、架橋剤、反応性希釈剤(例えば単官能モノマー等)、無機微粒子(シリカ、アルミナ、チタニア、ジルコニア等の酸化物微粒子)、防汚剤(スリップ剤)、表面調整剤、紫外線吸収剤、光安定剤、分散剤(界面活性剤)、湿潤剤、増粘剤、酸化防止剤、重合禁止剤、シランカップリング剤、着色剤等が挙げられる。
本発明は、本発明組成物を含む塗膜を硬化してなる硬化膜を包含する。この硬化膜は、熱硬化のほか、活性エネルギー線による硬化等のいずれによる硬化膜であっても良い。
第1工程では、液状の本発明組成物の塗膜を形成する。例えば、液状の本発明組成物を基材フィルム上に塗布することにより塗膜を好適に形成することができる。
第2工程では、塗膜に活性エネルギー線を照射することにより塗膜を硬化させる。なお、第2工程は、どの段階で実施しても良い。例えば、a)塗膜を他の層と積層する前、b)塗膜を他の層と積層した後、c)塗膜を他の成形物と一体化する前、b)塗膜を他の成形物と一体化した後等のいずれの段階であっても良い。
本発明は、本発明の硬化膜を含む積層体又成形体も包含する。特に、積層体の表面又は成形体の表面を保護するための保護層(ハードコート層)として、本発明の硬化膜を好適に用いることができる。
表1~表2に示す成分を用い、各成分を均一に混合することによって各硬化性樹脂組成物を調製した。なお、表1~表2の各成分の含有量の数値は「重量部」を示す。
以下の方法によって合成したものを用いた。500mLの4つ口フラスコに、メチルメタクリレート42.9重量部と、2-ヒドロキシエチルメタクリレート9.3重量部と、重合開始剤としてジメチル-2,2′-アゾビス(2-メチルプロピオネート)0.6重量部と、重合調整剤としてチオグリセロール1.1重量部と、反応溶剤である酢酸エチル93.0重量部とを仕込み、攪拌しながら60℃で6時間反応した。反応終了後、2-イソシアナトエチルアクリレート(昭和電工株式会社製、商品名:カレンズAOI)8.1重量部を加え、60℃で6時間反応させ、ラジカル重合性基を含有するアクリルポリマー(A-1)を得た。これを「合成品A-1」として用いた。合成品A-1は、重量平均分子量=10000、不揮発分=40%、ラジカル重合性基当量(計算)=1050g/molであった。
以下の方法によって合成したものを用いた。500mLの4つ口フラスコに、メチルメタクリレート40.0重量部と、2-ヒドロキシエチルメタクリレート13.0重量部と、重合開始剤としてジメチル-2,2′-アゾビス(2-メチルプロピオネート)0.6重量部と、重合調整剤としてチオグリセロール1.1重量部と、反応溶剤である酢酸エチル106.0重量部とを仕込み、攪拌しながら60℃で6時間反応した。反応終了後、2-イソシアナトエチルアクリレート(昭和電工株式会社製、商品名:カレンズAOI)14.1重量部を加え、60℃で6時間反応させ、ラジカル重合性基を含有するアクリルポリマー(A-2)を得た。これを「合成品A-2」として用いた。合成品A-2は、重量平均分子量=10000、不揮発分=50%、ラジカル重合性基当量(計算)=671g/molであった。
以下の方法によって合成したものを用いた。500mLの4つ口フラスコに、グリシジルメタクリレート71.1重量部と、重合開始剤としてジメチル-2,2′-アゾビス(2-メチルプロピオネート)0.6重量部と、重合調整剤としてチオグリセロール1.1重量部と、反応溶剤である酢酸エチル160.8重量部とを仕込み、攪拌しながら60℃で6時間反応した。反応終了後、メタクリル酸34.4重量部を加え、60℃で6時間反応させ、ラジカル重合性基を含有する多官能アクリルポリマー(B)を得た。これを「合成品B-1」として用いた。合成品B-1は、重量平均分子量=10000、不揮発分=40%、ラジカル重合性基当量(計算)=264g/molであった。
製品名「SMP-250AP」(多官能アクリルポリマー、固形分濃度50%、ラジカル重合性基当量240~260g/mol、共栄社化学製)を用いた。
製品名「SMP-360AP」(多官能アクリルポリマー、固形分濃度50%、ラジカル重合性基当量350~370g/mol、共栄社化学製)を用いた。
製品名「SMP-550AP」(多官能アクリルポリマー、固形分濃度50%、ラジカル重合性基当量540~560g/mol、共栄社化学製)を用いた。
製品名「A-9550W」(多官能アクリレート、固形分濃度100%、新中村化学工業製)を用いた。
製品名「UA-306H」(多官能ウレタンアクリレート、固形分濃度100%、共栄社化学製)を用いた。
製品名「Irgcure907」(光重合開始剤、固形分濃度100%、BASF社製)
製品名「NANOBYK-3610」(アルミナ微粒子、固形分濃度30%、BYK社製)
メチルエチルケトン(有機溶剤)
最表層がアクリル樹脂で覆われているポリカーボネートフィルム基材上に対し、各実施例及び比較例で調製された硬化性樹脂組成物を塗布した。塗布はバーコート法で行い、硬化性樹脂組成物が硬化した後の硬化膜の厚さが3μmとなるように調整した。硬化性樹脂組成物が塗布された基材を100℃のオーブンに入れ、1分乾燥し、活性エネルギー線として紫外線を照射することにより、硬化性樹脂組成物を硬化させ、各種成形用フィルムAを得た。同様に、硬化性樹脂組成物の塗膜を形成する基材として易接着処理ポリエチレンテレフタラートフィルムを用いたほかは、上記成形用フィルムAと同様にして、成形用フィルムBを得た。
成形用フィルムAを用いて、塗膜外観、密着性、加熱後密着性、耐擦傷性の評価を行い、成形用フィルムBを用いて延伸性(破断点伸度)の評価を行った。その結果を表1~表2に示す。各物性の評価方法は、以下のとおりである。
成形用フィルムAについて、「JIS K 7136」に対応したヘイズメーターを用いてヘイズ値(単位:%)を測定した。
「JIS K 5600-5-6」に準拠して密着性を評価した。各表中の分数表記は、分母は碁盤目状にカットしたマス数(100)を表し、分子はテープ剥離後に残存した塗膜のマス数を示す。
成形フィルムAの表面温度が215℃になるように加熱した後、「JIS K 5600-5-6」に準拠して密着性を評価した。各表中の分数表記は、分母は碁盤目状にカットしたマス数(100)を表し、分子はテープ剥離後に残存した塗膜のマス数を示す。
得られた成形フィルムAについて、スチールウール#0000上に250g/cm2の荷重をかけて10往復させ、ヘイズメーターを用いてヘイズ値(単位:%)を測定した。
得られた成形フィルムBについて、引張試験(サンプル寸法:200mm×10mm、チャック間距離:110mm、引張速度:50mm/分)を行い、目視により塗膜にクラックが発生した時点の破断点伸度(単位:%)を測定した。
また、実施例7は樹脂Aと樹脂Bを5:5の割合で混合しており、所望の性能を満たしていることがわかる。実施例8、9、10は、他の実施例に比して性能が低いものの、十分実用に耐える性能を有していることがわかる。実施例8は、合成品A-1とSMP-55APを混合しており、耐擦傷性がやや低いが、総合的には十分な実用性を有しているといえる。実施例9は、樹脂Aと樹脂Bを9:1で混合しており、耐擦傷性がやや低いが、十分実用に供することができるレベルである。実施例10は、樹脂Aと樹脂Bを4:6で混合しており、延伸性が少し低いものの、実用的には問題ない性能といえる。
これに対し、アクリルポリマーと多官能(ウレタン)アクリレートのみの比較例1、2は、所望の延伸性が得られないことがわかる。また、アクリルポリマー単独で用いた比較例3は、ラジカル重合性基当量が高いため、延伸性は高いが、耐擦傷性が低くなっている。さらに、多官能アクリルポリマー単独膜又は多官能アクリレート単独膜の比較例4、5は、ラジカル重合性基当量が低いため、耐擦傷性は高いが、延伸性が悪い結果となっている。
Claims (8)
- ラジカル重合性基当量が650g/mol以上1200g/mol以下である多官能アクリル系ポリマー(A)及びラジカル重合性基当量が350g/mol以上600g/mol以下である多官能アクリル系ポリマー(B)を含み、
前記多官能アクリル系ポリマー(A)の含有量(固形分比率)はX~90重量%(ただし、X=[24.0/32.7]×100である。)であり、
前記多官能アクリル系ポリマー(B)の含有量(固形分比率)は5~20重量%である、
ことを特徴とする硬化性樹脂組成物。 - 多官能アクリル系ポリマー(A)及び多官能アクリル系ポリマー(B)の重量平均分子量が、互いに同一又は異なって5000~50000である、請求項1に記載の硬化性樹脂組成物。
- 活性エネルギー線硬化性である、請求項1又は2に記載の硬化性樹脂組成物。
- さらに有機溶剤を含み、性状が液状である、請求項1~3のいずれかに記載の硬化性樹脂組成物。
- さらに無機微粒子を含む、請求項1~4のいずれかに記載の硬化性樹脂組成物。
- 請求項1~5のいずれかに記載の硬化性樹脂組成物を含む塗膜を硬化してなる硬化膜。
- 請求項6に記載の硬化膜を含む積層体。
- 請求項6に記載の硬化膜と樹脂含有成形物とが一体化してなる成形体。
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