JP7108416B2 - 沈下抑制対象物の沈下抑制構造 - Google Patents
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Description
この枠状(格子状)の地盤改良壁は、格子間隔を狭くしたり、地盤改良壁の剛性を高めたりすることで液状化防止効果を向上させることができる。しかし、地盤改良壁の剛性を高めてもその効果は限定的であることが既に分かっており、また、格子間隔を狭くすると改良土量が増えて不経済となるほか、なにより前記建築構造物(沈下抑制対象物)の形態によっては実施できない場合がある等、前記枠状(格子状)の地盤改良壁の単独での実施には自ずと限界があった。
しかしながら、前記したベースとなる枠状の地盤改良壁(鉛直固化壁の一般部に相当する。)に、増厚部を一体的に剛結して実施する構成であるが故に、前記増厚部が沈下すると、これに追従して本体である一般部も変形したり、沈下したりして、その結果、前記一般部と増厚部とからなる鉛直固化壁(地盤改良壁)全体の面外変形が増大し、せん断変形抑制効果が低下するおそれがあった。
また、前記鉛直固化壁は、前記一般部と前記増厚部とを渾然一体に形成する言わば異形の地盤改良壁であるが故に、画像解析や構造設計はもとより、作業上も煩雑であった。
しかしながら、前記したベースとなる枠状の地盤改良壁(外周壁部に相当する。)に、バットレス部を一体的に剛結して実施する構成であるが故に、前記特許文献1に係る技術と同様に、前記バットレス部が沈下すると、これに追従して本体である外周壁部も変形したり、沈下したりして、その結果、前記外周壁部とバットレス部とからなる地盤改良体全体の面外変形が増大し、せん断変形抑制効果が低下するおそれがあった。
また、前記地盤改良体は、前記外周壁部と前記バットレス部とを一体化して形成する言わば異形の地盤改良壁であるが故に、画像解析や構造設計はもとより、作業上も煩雑であった。
抑制対象物の沈下抑制構造は、地盤上に支持された沈下抑制対象物と、前記地盤中に平面視にて前記沈下抑制対象物を取り囲むように造成された枠状の地盤改良壁と、平面視にて前記沈下抑制対象物の外側面と前記枠状の地盤改良壁の内側面との間の地盤を部分的に板状に改良してなる部分的地盤改良体とからなり、前記部分的地盤改良体とは離間して設けられており、かつ、前記部分的地盤改良体は、前記枠状の地盤改良壁よりも深度が浅く形成され、前記枠状の地盤改良壁と離間して設けられていることを特徴とする。
(1)枠状の地盤改良壁と部分的地盤改良体とを各々独立した構成で併用したことで、沈下抑制対象物の沈下量を低減する効果は、以下に説明した実験結果や解析結果から明らかなように、前記枠状の地盤改良壁の単独施工と比し、向上することが分かった。さらに云えば、沈下量を無対策時の60%以下に低減できることが分かった。
(2)前記部分的地盤改良体は、前記沈下抑制対象物と一切接合することなく実施できるので、前記沈下抑制対象物は、住宅等の不動産に適用できることはもとより、例えばコンテナ等の輸送用収容体が積載されるコンテナヤードでも十分に適用できる。
(3)前記部分的地盤改良体は、平面視にて前記沈下抑制対象物を避けて造成することをコンセプトにしているので、構造物を新設する場合はもとより、既設構造物にも好適に実施できる。
(4)前記部分的地盤改良体は、前記枠状の地盤改良壁と離間した独立した構成で造成(構築)するので、前記特許文献1、2にかかる問題も生じない。すなわち、前記部分的地盤改良体が沈下しても、枠状の地盤改良壁が変形したり、沈下したりする等の悪影響を一切受けない。よって、枠状の地盤改良壁全体の面外変形が増大したり、せん断変形抑制効果が低下したりする問題も生じない。
(5)前記部分的地盤改良体と前記枠状の地盤改良壁とは各々独立して内外に別異に造成する構成なので、前記特許文献1、2と比し、画像解析や構造設計はもとより、造成作業も明解に分担できる等、シンプル且つ容易である。また、前記部分的地盤改良体と前記枠状の地盤改良壁との造成作業は、ある程度のタイムラグが許容できる等、融通性に優れている。加えて、改修・補修工事もそれぞれ別異に行うことができるので、自在性にも優れている。
(6)まとめると、本発明は、枠状(格子状)の地盤改良壁と部分的地盤改良体とを各々独立した構成で併用することにより、前記特許文献1、2に係る課題をすべて解消できることはもとより、汎用性に特に優れた沈下抑制対象物の沈下抑制構造を実現することができる。
図示例に係る枠状の地盤改良壁2は、格子間隔(格子中心間隔)Lが縦横ともに25m、壁厚が1.0m、高さが前記液状化層Sと同じ20.0m(GL-1.5m~GL-21.5m)で実施されている。
また、前記部分的地盤改良体3は、その外側面3aが、前記枠状の地盤改良壁2(の内側面)に対し、0.3m離間して形成され、その内側面3bが、平面視にて、前記沈下抑制対象物1に接する程度に近接して(略面一状態に)造成されている。
さらに、前記部分的地盤改良体3は、図1Bに示すように、高さ寸法が2.5m(GL-1.5m~GL-4.0m)であり、天端を前記枠状の地盤改良壁2(地下水位)と同等に設定して造成されている。
なお、上記した形態の部分的地盤改良体3の施工には、公知の機械式撹拌や噴射式撹拌による地盤改良工法、或いは薬液注入による方法が、施工スペース等に応じて適宜採用して実施される。
前記部分的地盤改良体3の液状化対策工を今般新たに付加した根拠は、例えば、図10に示した「せん断応力コンター図」が挙げられる。
これは、地盤(10)上に沈下抑制対象物(1)を設置しただけで沈下抑制手段を導入していない無対策時(図3A、B参照)の初期応力状態(液状化層のせん断剛性を1/300に低下させる前)でのせん断応力コンター図(単位:kPa)である。地下水位はGL-2.8mである。
この図10において、沈下抑制対象物(1)の端部から枠状の地盤改良壁(2)が入る位置の中間あたり(A部)まで初期せん断応力が大きい。逆に、沈下抑制対象物の直下の中央部(B部)では初期せん断応力が小さい。これは、前記A部の地盤は、沈下抑制対象物の自重による初期せん断応力が作用しているので、初期状態で前記B部の地盤に比べ、破壊面に近い状態にあることを示している。
そこで、本出願人らは、初期状態で破壊面から遠い位置にある前記B部の地盤に未改良部を残しても沈下抑制効果への影響は少なく、逆に、破壊面に近い位置にある前記A部の地盤の表層部を部分的に改良すると沈下抑制効果への影響が大きく、前記枠状の地盤改良壁2と併用したときには高い効果が得られることに着目して、本提案に至ったのである。
図5Aに5種(Case-A、Case-B(1)、(2)、Case-C(1)、(2))の実験概要を示す。図6は、当該5種に対応した計測器配置図(縮尺:1/60)を示す。
以下、特に記載のない限り、前記沈下抑制対象物1を「コンテナ1」、前記枠状の地盤改良壁2を「格子壁2」、前記部分的地盤改良体3を「板状改良体3」と表記する。前記枠状の地盤改良壁2の一軸圧縮強度は、1500kPaである。
また、図6は、図示の便宜上、格子壁2が横長の長方形状としている。
前記Case-B(1)は、前記Case-Aにかかるコンテナ1の周囲に、前記実施例1に係る構成の格子壁2を造成したケースである(図4参照)。
前記Case-B(2)は、前記Case-B(1)にかかる格子壁2の内側に、前記実施例1に係る構成の板状改良体3と比して高さを2倍として板状に改良した部分的地盤改良体13を造成したケースである(図2参照)。前記部分的地盤改良体13の一軸圧縮強度は、150kPaである。
前記Case-C(1)は、前記Case-B(1)にかかる格子壁2の内側に、まさに前記実施例1に係る構成の板状改良体3を造成したケースである(図1参照)。前記板状改良体3の一軸圧縮強度は、800kPaである。
前記Case-C(2)は、外形(形態や寸法)は、前記Case-B(2)と同一であるが(図2参照)、前記板状改良体3の一軸圧縮強度は、800kPaである。
図5Bに示すのは、Case-Bの振動台で計測した水平応答加速度の時刻歴を示す。最大加速度は227Galであった。
コンテナ1として、前記実施例1に係る構成、すなわち、コンテナ(幅2.4m、奥行12.2m、高さ2.6m)を適宜間隔(0.3mを2箇所)をあけて水平方向に6列、高さ方向に4段積み上げた状態をモデル化したコンテナ模型を製作した。コンテナ部の加振方向幅は15.0m、加振直交方向幅は12.2m、高さは10.4mである。また、コンテナ接地圧は、42.89kPaである。
地下水位は、前記実施例1と同様に、GL-1.5mに設定した。液状化層も前記実施例1と同様に、GL-1.5m~GL-21.5mで、Dr(相対密度)=70%で模型地盤を作成した。
図5Cは、前記5種のCase-A、B、Cの沈下抑制対象物1(コンテナ)沈下量を示している。
なお、本発明に係る格子壁2と板状改良体3とを併用した場合の沈下抑制効果は、単なる格子壁2のみの沈下抑制効果よりも高ければよく、より好ましくは、無対策の沈下量と比し、60%以下に軽減できれば十分に効果有りと云える。
さらに、本発明の構成のように、Case-B(2)(図2参照)にかかる格子壁2と板状改良体3とを併用した場合の平均沈下量は0.252mであり、コンテナ沈下量を無対策の場合の39%に低減する効果が認められた。すなわち、前記板状改良体3を併用することによってコンテナ沈下量を抑制する効果が高くなる。
次に、前記実施例1の構成であるCase-C(1)(図1参照)にかかる平均沈下量は0.255mであり、コンテナ沈下量を無対策の場合の40%に低減する効果がある。
次に、Case-C(2)(図2参照)にかかる平均沈下量は0.178mであり、コンテナ沈下量を無対策の場合の28%に低減する効果がある。
Case-Cの板状改良体3の一軸圧縮強度が同じであることから、板状改良体3の改良深度の深い方が、沈下抑制対象物1(コンテナ)の沈下抑制効果が高い。
(その1)
図7Aは、沈下抑制対象物1(コンテナ)に対する沈下抑制対策として、格子間隔25mの格子壁2での対策検討で用いた解析モデルを示している。
地下水位は、GL-2.8m。液状化層の深さは17.2m(GL-2.8m~GL-20.0m)。液状化層Sの直下に非液状化層(砂礫層)を有する。
また、接地圧41.8kPaのコンテナ1の周囲を、格子間隔25mの格子壁2で囲っている。格子壁2の改良深度は、液状化層と同じ17.2m(GL-2.8m~GL-20.0m)。格子壁2の幅は0.9mである。格子壁2のせん断剛性は700,000(kPa)。板状改良体3のせん断剛性は、格子壁2の1/5の140,000(kPa)とした。
図7Bは、後述する解析ケース(Case-1~13)のうち、Case-1~3の各実施状況を概略的に示した立断面図である。
(その2)
図8は、前記解析モデルを用いて行った解析ケース(Case-1~13)の検討結果を纏めた表である。
図8の表中、「格子間隔」は、前記格子壁2の格子中心間隔を示している。「未改良部有り(幅0.1m)」又は「未改良部有り(幅0.5m)」は、前記格子壁2の内側面と前記板状改良体3の外側面との離間距離(Do)が0.1m又は0.5mであることを示している(ちなみに前記実施例1では、0.3m)。
また、「格子内全て」は、前記板状改良体3を、前記格子壁2で囲った軟弱地盤の全面を覆う板状に形成したことを示している(図7Bの右図参照)。「コンテナにかからない」は、図9Bに示すように、板状改良体3の内側面3bが、平面視にて、前記コンテナ1に接する程度に近接して(略面一状態に)造成されていることを示している。「コンテナ下1mかかる」は、図9Aに示すように、前記板状改良体3が、平面視にて、前記コンテナ1と1mラップするように形成されていることを示している。ここで、このラップを符号Lで表し、後述するコンテナ1と板状改良体3との離間距離(スペース)を符号Diで表す。
(その3)
沈下抑制対策効果を検討するための本解析手法には、液状化層のせん断剛性を初期せん断剛性から一定の割合で低下させて自重解析を行い、自重解析結果から得られる沈下抑制対象物1(コンテナ)の沈下量で沈下抑制対策効果を評価する簡易な手法を用いた。
検討では、液状化層のせん断剛性を、初期せん断剛性の1/300に低下させた。液状化層は、Mohr‐Coulombモデルでモデル化した弾塑性解析を実施している。
(Case-1)
地盤10上にコンテナ1を設置しただけで沈下抑制手段を導入していない無対策状態のケースを示している(図7Bの左図参照)。
この無対策のコンテナ沈下量は、図8の右端欄の通り、0.40mであった。
(Case-2)
前記無対策状態から、格子間隔25mの格子壁2の対策を行ったケースを示している(図7Bの中央図参照)。コンテナ沈下量は0.30mであり、無対策と比し、0.1mの低減効果が認められた。
(Case-3)
参考までに、格子壁2と軟弱地盤の全面を覆う板状に形成した改良体(高さ寸法1.0m:GL-2.8m~GL-3.8m)とを併用する対策を行ったケースを示している(図7Bの右図参照)。コンテナ沈下量は0.15mであり、無対策と比し、0.25mの低減効果が認められた。
(Case-4)
参考までに、格子壁2と板状改良体3(高さ寸法2.2m:GL-2.8m~GL-5.0m)とを併用し、かつ両者を剛結する一方、前記板状改良体3とコンテナ1とは、平面視にて略面一状態(図9B参照)とする対策を行ったケースを示している。コンテナ沈下量は0.16mであり、無対策と比し、0.24mの低減効果が認められた。
各バリエーションのコンテナ沈下量は、前記遠心模型振動実験の場合と同様に、単なる格子壁2のみの沈下抑制効果(Case-2の0.3m)よりも高ければよく、より好ましくは、無対策の沈下量(Case-1の0.4m)と比し、60%以下に軽減できれば十分に効果有りと考える。
格子壁2と板状改良体3(高さ寸法1.0m:GL-2.8m~GL-3.8m)とを併用し、かつ両者を0.1m離間する一方、前記板状改良体3とコンテナ1とは、平面視にて略面一状態(図9B参照)とする対策を行ったケースを示している。
コンテナ沈下量は0.18mであり、無対策の場合の45%に低減する効果が認められた。よって、本発明に十分に適用可能な構成であることが分かった。
(Case-6)
前記Case-5に係る板状改良体3の高さ寸法を1.0mから2.2m(GL-2.8m~GL-5.0m)に高く形成したケースを示している。
コンテナ沈下量は0.16mであり、無対策の場合の40%に低減する効果が認められた。よって、本発明に十分に適用可能な構成であることが分かった。
また、このCase-6とCase-4とは、剛結しているか否かの違いしかなく、そうするとコンテナ沈下量は、小数第二位まではともに0.16mとほとんど変わらないことから、格子壁2と板状改良体3とは剛結していても、0.1m離間していても、液状化対策効果に差がないことが分かった。
(Case-7)
前記Case-5に係る板状改良体3の高さ寸法を1.0mから7.2m(GL-2.8m~GL-10.0m)に高く形成したケースを示している。
コンテナ沈下量は0.12mであり、無対策の場合の30%に低減する効果が認められた。よって、本発明に十分に適用可能な構成であることが分かった。
また、Case-5、6、7は、板状改良体3の高さ寸法(改良厚さ)が低いか高いかの違いしかなく、そうすると、高さ寸法が高くなるとコンテナ沈下量を低減させる効果は大きくなることが分かった。
さらに、高さ寸法が2.2mのCase-6のコンテナ沈下量(0.16m)は、高さ寸法が1.0mの前記軟弱地盤の全面を覆う板状に形成した改良体のコンテナ沈下量(0.15m)とほぼ同等であることから、格子壁2に板状改良体3を併用する場合、当該板状改良体3の改良深度(高さ寸法)を適切に設定すれば、格子壁2内の軟弱地盤の全面に板状の改良体を施工するのと同等の効果が得られることが分かった。
このCase-8~Case-10は、前記Case-5~Case-7と比し、図9Aに示すように、前記部分的地盤改良体3が、平面視にて、前記沈下抑制対象物1と1mラップLするように形成されている点が相違する。
それぞれのコンテナ沈下量は順に、0.17m、0.14m、0.11mと、部分的地盤改良体3の深度が同じで平面的な改良範囲が狭いCase-5、Case-6、Case-7と順に比べてコンテナの沈下量は0.1~0.2m小さくなっていることが認められる。
このことから、部分的地盤改良体3の平面的な施工範囲が沈下抑制対象物1の下方にまで延びて一部ラップする方がラップさせない場合と比し、沈下抑制効果が高いことが分かる。なお、部分的地盤改良体3の前記ラップ部は噴射式撹拌による地盤改良工法が好適である。
前記Case-6と比し、格子壁2と板状改良体3との離間距離(スペース)Doを、0.1mから0.5mに拡大することで、改良体積を大きく低減する対策を行ったケースを示している。
コンテナ沈下量は0.16mであり、無対策の場合の40%に低減する効果が認められた。よって、本発明に十分に適用可能な構成であることが分かった。
また、このCase-11とCase-6とは、前記したように、離間距離が0.1mから0.5mに拡大した違いしかなく、そうするとコンテナ沈下量は、小数第二位まではともに0.16mとほとんど変わらないことから、板状改良体3と格子壁2との離間距離をある程度広げても、コンテナ沈下量に及ぼす影響は小さいことが分かった。
(Case-12)
前記Case-6と比し、コンテナ1と板状改良体3との離間距離(スペース)Diを、0(ゼロ)から0.5mに拡大し、その分、改良体積を大きく低減する対策を行ったケースを示している。
コンテナ沈下量は0.18mであり、無対策の場合の45%に低減する効果が認められた。よって、本発明に十分に適用可能な構成であることが分かった。
(Case-13)
前記Case-12と比し、スペースDoを、0.1mから0.5mに拡大し、その分、改良体積を大きく低減する対策を行ったケースを示している。
コンテナ沈下量は0.18mであり、無対策の場合の45%に低減する効果が認められた。よって、本発明に十分に適用可能な構成であることが分かった。
このCase-13にかかる部分的地盤改良体3は、枠状の地盤改良壁2と0.5m離間し、沈下抑制対象物1とも0.5m離間しているにもかかわらず、Case-2にかかる格子状地盤改良単独のコンテナ沈下量(0.30m)よりもはるかに小さいことから、前記した3者に各々スペースDo、Diがあったとしても、格子状地盤改良(沈下抑制)と併用する効果が得られることが分かった。
本出願人らは、その後、さらに実施例バリエーションの追加解析を行った。
(追加解析1)
この追加解析1は、前記Case-6と比し、格子壁2の下端が非液状化層へは到達しない短尺タイプである点のみが異なり、その他は同様の条件である。
具体的に、前記Case-6にかかる格子壁2の改良深度は、液状化層と同じ17.2m(GL-2.8m~GL-20.0m)であるのに対し、当該追加解析では、図示等は省略するが、当該改良深度を12.2m(GL-2.8m~GL-15.0m)に設定した。
その結果、コンテナ沈下量は、0.162mであり、前記Case-6の0.16mとほとんど変わらないことが分かった。
よって、前記格子壁2は、液状化層へ到達しない深さで実施しても良好な沈下抑制効果が得られることが分かった。
(追加解析2)
続いて、前記追加解析1と同様の条件で、格子壁2の改良深度を7.2m(GL-2.8m~GL-10.0m)に設定すると、その結果、コンテナ沈下量は、0.169mであり、前記Case-6の0.16mとほとんど変わらないことが分かった。
よって、前記格子壁2は、液状化層へ到達しない深さはもとより、液状化層までの距離の半分程度の深さであっても良好な沈下抑制効果が得られることが分かった。
この追加解析3は、前記Case-6と比し、図11Aに示したように、板状改良体3を矩形状ではなく、前記格子壁2のうち対向する2つの地盤改良壁に沿う平行な形状に形成している点のみが異なり、その他は同様の条件である。
コンテナ沈下量は、0.225mであり、上記Case-5~13に比して、大きいものの、単なる格子壁2のみの沈下抑制効果(Case-2の0.3m)よりも高く、無対策の沈下量(Case-1の0.4m)と比し、56%と、60%以下に軽減できているので沈下抑制効果があることが分かった。
このように、板状改良体3を平行な形状に形成した場合の好適な適用例として、盛土が挙げられる。前記盛土は、両端部(法尻部)よりも中央部に掛かる荷重が大きいという形状的特性ゆえに、前記板状改良体3を、平面視にて、盛土(沈下抑制対象物1)と1m以上(コンテナの場合よりも幅広く)ラップするように形成して実施することが好ましい。
(追加解析4)
この追加解析4は、前記Case-6と比し、図11Bに示したように、板状改良体3を矩形状ではなく、平面視にて、前記格子壁2のうち直角2方向の地盤改良壁に沿う略L字状に形成されている点のみが異なり、その他は同様の条件である。
コンテナ沈下量は、0.203mであり、上記Case-5~13に比して、大きいものの、単なる格子壁2のみの沈下抑制効果(Case-2の0.3m)よりも高く、無対策の沈下量(Case-1の0.4m)と比し、51%と、60%以下に軽減できているので沈下抑制効果があることが分かった。
その他、解析は省略するが、図11Cに示したように、板状改良体3を、平面視にてコ字形状に形成して実施しても、前記図11A、Bよりも改良体積が大きいので、少なくとも前記図11A、Bと同程度の沈下抑制効果があることは容易に推察できる。
ちなみに、前記沈下抑制対象物1がコンテナ1aで構成される場合、通常、コンテナ1aは、門型のコンテナ用クレーンの走行方向(通常、図1Aの上下方向)に連続して設置されるので、その場合、要所(コンテナ1aと枠状の地盤改良壁2及び部分的地盤改良体3の改良部との干渉部位)でコンテナ1aの一時撤去が必要になる。
1a コンテナ
2 枠状の地盤改良壁(格子壁)
3 部分的地盤改良体(板状改良体)
13 部分的地盤改良体(板状改良体)
10 地盤
Claims (4)
- 地盤上に支持された沈下抑制対象物と、
前記地盤中に平面視にて前記沈下抑制対象物を取り囲むように造成された枠状の地盤改良壁と、
平面視にて前記沈下抑制対象物の外側面と前記枠状の地盤改良壁の内側面との間の地盤を部分的に板状に改良してなる部分的地盤改良体とからなり、
前記沈下抑制対象物と前記部分的地盤改良体とは離間して設けられており、かつ、前記部分的地盤改良体は、前記枠状の地盤改良壁よりも深度が浅く形成され、前記枠状の地盤改良壁と離間して設けられていることを特徴とする、沈下抑制対象物の沈下抑制構造。 - 前記部分的地盤改良体は、平面視にて、前記枠状の地盤改良壁のうち少なくとも2つの地盤改良壁に沿う形状に形成されていることを特徴とする、請求項1に記載した沈下抑制対象物の沈下抑制構造。
- 前記部分的地盤改良体は、その内側縁が、平面視にて、前記沈下抑制対象物に接する程度に近接、前記沈下抑制対象物と離間、及び、前記沈下抑制対象物とラップの内いずれか1つ又は2つ以上の組み合わせにより形成されていることを特徴とする、請求項1又は2に記載した沈下抑制対象物の沈下抑制構造。
- 前記枠状の地盤改良壁は、非液状化層には到達しない深さに設定されていることを特徴とする、請求項1~3のいずれか1項に記載した沈下抑制対象物の沈下抑制構造。
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