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JP7111956B2 - 伝搬環境認識方法及び伝搬環境認識装置 - Google Patents
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JP7111956B2 - 伝搬環境認識方法及び伝搬環境認識装置 - Google Patents

伝搬環境認識方法及び伝搬環境認識装置 Download PDF

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Description

本発明は、伝搬環境認識方法及び伝搬環境認識装置に関する。
通信トラフィックの増大によって、周波数資源が逼迫している。このような状況においては、周波数利用効率を高める通信や、QoS(Quality of Service)を確保した高信頼な通信が求められている。しかしながら実際の通信環境では、フェージングや干渉など様々な要因によって信号品質が大きく変動し、スループットの減少や遅延時間の増大などが生じてしまう。そこで、高信頼・低遅延に通信を行うために、複数バンドを同時使用する無線方式などが提案されている(例えば、非特許文献1参照)。
このように周波数を最大限使う状況が今後も続いていくと想定される。周波数を効率的に利用するには、利用される周波数バンドの切替や通信方式の変更などの通信リソースの制御が重要となる。この通信リソース制御においては、電波利用状況の認識を適切に行う必要があり、統計モデルを用いた電波環境認識技術などが提案されている(例えば、非特許文献2参照)。
宗 秀哉 外4名、「複数無線方式冗長送信を用いた高信頼・低遅延無線アクセスの他システム干渉下における遅延特性評価」、一般社団法人 電子情報通信学会、信学技報、RCC2017-42、p.155-160、2017年7月 橋本 貴博 外3名、「幾何光学的な空間分類を用いた屋内電波伝搬損失の統計モデル」、一般社団法人 電子情報通信学会、電子情報通信学会論文誌B,Vol.J99-B,No.9,p.684-692、2016年
通信リソース制御等に用いられる通信環境を適切に統計モデル化する事は重要である。しかし、前述のように無線通信環境はマルチパスフェージング、シャドウィング、距離による自由空間損失、他端末による干渉など、実環境においては不確定的な要素が多い。そのため、各環境毎に適切なモデル化を行う事は困難である。
決定論的な伝搬環境の取得においてはレイトレース法などのシミュレーションベースの方法もあるが、計算処理が膨大であり、詳細な空間モデルを必要とする。さらには、計算結果も非常に大きなベクトルデータとなるため各端末での計算処理が難しい。
上記事情に鑑み、本発明は、計算量を抑えて電磁波の伝搬環境を認識することができる伝搬環境認識方法及び伝搬環境認識装置を提供することを目的としている。
本発明の一態様は、電磁波を測定する伝搬環境認識装置が実行する伝搬環境認識方法であって、測定点において電磁波の測定を行う測定ステップと、前記測定ステップにおける測定結果と、センサが検出した障害物の情報とのうち一以上に基づいて、前記測定点において電磁波を用いた通信の信頼性が低いと判断された場合には、電磁波を用いた通信の信頼性が高いと判断された場合よりも電磁波の測定を詳細に行うよう制御する制御ステップと、を有する。
本発明の一態様は、上述した伝搬環境認識方法であって、前記制御ステップにおいては、前記測定点において信頼性が低いと判断された場合は、信頼性が高いと判断された場合よりも周辺のエリアの測定点を多くする、信頼性が高いと判断された場合の電磁波の測定項目に加えて他の測定項目の測定を行う、又は、信頼性が高いと判断された場合とは異なる測定項目の測定を行うよう制御する。
本発明の一態様は、上述した伝搬環境認識方法であって、前記制御ステップにおいては、電磁波の受信レベルと、複数周波数それぞれの受信レベルと、前記測定点において電磁波の発信元からの見通しがあるか否かと、電磁波の遅延プロファイルと、電磁波の到来方向と、前記センサが検出した障害物の位置、形状、材質及び移動とのうち一以上を用いて前記測定点における通信の信頼性を判断する。
本発明の一態様は、上述した伝搬環境認識方法であって、前記測定ステップにおいては、前記測定点における受信レベルを測定し、前記制御ステップにおいては、測定された前記受信レベルに基づいて前記測定点における通信の信頼性を判断し、通信の信頼性が低いと判断された場合には前記受信レベルに加えて誤り率を測定するよう制御する。
本発明の一態様は、上述した伝搬環境認識方法であって、前記制御ステップにおいては、前記測定ステップにおける測定結果を用いて前記測定点における遅延プロファイルを算出し、算出した前記遅延プロファイルが示す遅延時間広がりに基づいて通信の信頼性を判断する。
本発明の一態様は、上述した伝搬環境認識方法であって、前記測定ステップにおいては、伝搬環境認識装置が移動するルート上の複数の測定点において電磁波の測定を行う。
本発明の一態様は、測定点において電磁波の測定を行う測定部と、前記測定部による測定結果と、センサが検出した障害物の情報とのうち一以上に基づいて、前記測定点において電磁波を用いた通信の信頼性が低いと判断された場合には、電磁波を用いた通信の信頼性が高いと判断された場合よりも前記測定部による測定を詳細に行うよう制御する制御部と、を備える伝搬環境認識装置である。
本発明により、計算量を抑えて通信環境を認識することが可能となる。
本発明の一実施形態による測定ロボットの構成を示す図である。 第1の実施形態による測定ロボットが伝搬環境を測定するエリアの例を示す図である。 同実施形態による自走ルート制御部の処理を示すフロー図である。 第2の実施形態による自走ルート制御部の処理を示すフロー図である。 第3の実施形態による測定ロボットが受信する信号の振幅の例を示す図である。 同実施形態による自走ルート制御部の処理を示すフロー図である。 第4の実施形態による測定ロボットが伝搬環境を測定するエリアの例を示す図である。 同実施形態による自走ルート制御部の処理を示すフロー図である。 第5の実施形態による測定ロボットが伝搬環境を測定するエリアの例を示す図である。 同実施形態による自走ルート制御部の処理を示すフロー図である。 第6の実施形態による測定ロボットが伝搬環境を測定するエリアの例を示す図である。 同実施形態による自走ルート制御部の処理を示すフロー図である。 第7の実施形態による測定ロボットが伝搬環境を測定するエリアの例を示す図である。 同実施形態によるアクセスポイントの送信信号の振幅と測定点における受信信号の振幅とを示す図である。 同実施形態による測定ロボットの信頼性の判断を説明するための図である。 同実施形態による自走ルート制御部の処理を示すフロー図である。 第8の実施形態による測定点における受信信号の到来方向を示す図である。 同実施形態による測定点における受信信号の到来方向と振幅との関係を示す図である。 同実施形態による自走ルート制御部の処理を示すフロー図である。 第9の実施形態による測定ロボットの動作概要を説明するための図である。 同実施形態による事前実験の結果を示す図である。 同実施形態による処理手順をまとめた図である。 同実施形態による自走ルート制御部の処理を示すフロー図である。
以下、図面を参照しながら本発明の実施形態を詳細に説明する。
図1は、本発明の一実施形態による測定ロボット1の構成を示す図である。測定ロボット1は、伝搬環境認識装置の一例である。測定ロボット1は、アンテナ10と、電波測定部11と、地形・障害物・位置検出センサ部12と、測定データ・座標記録部13と、自走ルート制御部14と、駆動部15と、測定結果表示・出力部16とを備える。
アンテナ10は、電波を送受信する。アンテナ10は、オムニアンテナでもよく、指向性アンテナでもよい。電波測定部11は、アンテナ10が電波により受信した無線信号の受信品質を測定する機能と、無線信号から送受信機の識別情報を取得する機能とを有する。受信品質は、例えば、受信信号強度(RSSI:Received Signal Strength Indicator)、ビット誤り率(BER:Bit Error Rate)、パケット誤り率(PER:Packet Error Rate)、スループット、変調パラメータ(MCS:Modulation and Coding Scheme)、搬送波対雑音比(C/N:Carrier to Noise Rati)、信号対雑音比(S/N:Signal-to-Noise ratio)、信号対干渉波比(S/I:Signal to Interference Ratio)などである。送受信機の識別情報は、MAC(Medium Access Control)アドレス、SSID(Service Set Identifier)などである。また、電波測定部11は、複数のアンテナ10を使用して、複数点同時取得や指向性、偏波制御、遅延プロファイルの取得、チャネル推定結果(周波数軸)遅延分散、ドップラー周波数の取得を行う。また、電波測定部11は、電波測定にあたり、アンテナ10の位置(横、高さ、奥行き、角度)を自由に変えられる機構を持ってもよい。
地形・障害物・位置検出センサ部12は、画像取得装置と、地図作成及び自己位置推定装置と、距離把握装置と、障害物及び位置検出装置とのうち一以上により構成される。地形・障害物・位置検出センサ部12は、これらの装置が取得、検出又は作成したデータを設定した地形・障害物・位置検出データを測定データ・座標記録部13に出力する。画像取得装置は、画像データを取得する。画像取得装置は、例えば、静止画又は動画のカメラ、深度カメラ、サーモグラフィなどである。地図作成及び自己位置推定装置は、2次元又は3次元のレーザレンジファインダ、カメラ、レーザレンジファインダ等を利用してSLAM(Simultaneously Localization and Mapping)アルゴリズムにより、地図作成及び自己位置の推定を行う。距離検出装置は、対象物と測定ロボット1との距離を検出する。距離検出装置は、例えば、超音波センサである。障害物及び位置検出装置は、測定ロボット1の周囲の障害物及び測定ロボット1の位置や地形を検出する。障害物及び位置検出装置は、例えば、全地球測位システム(Global Positioning System:GPS)、赤外線センサなどである。
なお、SLAMについては、"http://dse.ssi.ist.hokudai.ac.jp/~onosato/SSI-IS2006/Report/term14/index.html"、"https://www.youtube.com/watch?v=NMFsEpVppZM"に掲載されている。
測定データ・座標記録部13は、地形・障害物・位置検出センサ部12から出力された地形・障害物・位置検出データが示す測定ロボット1の位置(以下、自己位置とも記載)、障害物の位置等の情報を座標に変換する。測定データ・座標記録部13は、電波測定部11が観測した測定データと、その測定データが観測されたときの位置の座標位置と、時刻情報とを紐づけて記録する。さらに測定データ・座標記録部13は、地形・障害物・位置検出データと、時刻情報とを紐づけて記憶する。
自走ルート制御部14は、測定データ・座標記録部13に記録された情報に基づいて障害物を避ける自走ルートを算定し、算定した自走ルートを走行させるための制御情報を駆動部15に出力する。自走ルート制御部14は、バッファ141を備える。バッファ141は、遅延素子である。バッファ141は、測定データ・座標記録部13から読み出したデータを一時的に保持した後、出力する。
自走ルート制御部14は、測定データ・座標記録部13から読みだしたデータに基づいて、現在の測定点における通信品質の信頼度を判断する。自走ルート制御部14は、信頼度が低い場合に、信頼度が高い場合よりも詳細に(重点的に)測定を行うよう電波測定部11又は自走ルート制御部14を制御する。これにより、測定対象の全エリアを詳細に測定する場合と比較して、測定を早く終了させることができる。
詳細な測定は、例えば、測定項目を多くする、測定項目を詳細な測定を行う他の測定項目に変更する、測定点を増加させて測定を行う空間的な密度を増加させることなどにより行うことができる。測定項目を多くする、又は、測定項目を変更する場合、自走ルート制御部14は、電波測定部11に指示を行う。また、電波測定部11が詳細な測定を行うためには、簡易な又は通常の測定を行うときよりも時間を要するため、自走ルート制御部14は、詳細な測定が必要であるときには、移動速度を低減するか、停止するための制御信号を生成し、駆動部15に出力する。
測定を行う空間的な密度の増減は、走行する速度を変更することにより制御することができる。例えば、電波測定部11がほぼ一定時間間隔で測定を行う場合、自走ルート制御部14は、移動速度を低減することにより、移動速度が速いときよりも、同じ面積当たりの測定点の数を増加させ、細かい空間分解能で測定を行うことができる。
自走ルート制御部14の詳細な動作については、後述する各実施形態において説明する。
駆動部15は、自走ルート制御部14からの制御情報に基づく指令に従って駆動機構を動作させる。駆動機構は、車輪、キャタピラ、2足歩行、4足歩行、飛行などの移動手段である。また、駆動部15は、電波測定にあたり、地形・障害物・位置検出センサ部12と連動して位置補正を行ったり、振動・ブレなどを補正したりする手段なども備える。
測定結果表示・出力部16は、最終的に得られた座標情報と電波測定情報、時刻情報をディスプレイに表示したり、他の装置等へ出力したりする。電波測定情報は、測定データから生成される。例えば、電波測定情報は、RSSIのヒートマップ、各地点におけるBER、PERの測定結果、アクセスポイント(AP)や干渉源の位置及び方向、それらからの電波の伝搬経路である。測定結果表示・出力部16は、電波測定情報を、地形・障害物・位置検出センサ部12が観測した周辺環境、レイアウト情報と合わせて表示・出力する。
以下に示す各実施形態では、図1に示す測定ロボット1の自走ルート制御部14が自走ルートに従って電波環境測定を行う処理の詳細を説明する。
[第1の実施形態]
第1の実施形態において、測定ロボット1は、RSSIなどの受信レベルに基づいて電波の測定項目を変更し、BER、PERなども測定する。
測定ロボット1の自走ルート制御部14は、各種の測定データに基づいて、測定ロボット1の次の移動位置、進行方向を決定し、駆動部15を制御する。この時の自走ルートの決定は、地形・障害物・位置情報以外にも、電波測定情報を用いて決定する場合がある。以下に、電波測定情報を規範とする処理について説明する。
各測定点において10-3点程度までのBERやPERなどを取得する場合、信頼性のあるデータを取るためには一か所の測定点あたり、BERで10ビット、PERでは10パケット(パケット長の例:100ビット×10パケット=10ビット)のデータを取得する必要がある。通信速度が100kbps(キロビット毎秒)の場合では、1ヵ所あたりBERで1秒、PERで100秒の時間を必要とするとともに、その間、移動を止める必要があるため、測定時間が膨大となる。
無線通信においては、搬送波対雑音比(C/N)が悪化した場合にビット誤りが発生する。受信端末の雑音は環境温度によって多少変わるものの概ね決まっており、搬送波電力はRSSI値を参照することでおおよそ推定することができる。そこで、自走ルート制御部14は、RSSI値が下限の閾値α1を下回っている場合、又は、上限の閾値α2を上回っている場合は、BER、PERを測定せずに、駆動部15に走り続けるように指令を出す。下限の閾値α1は、明らかに通信が不可能なRSSIを判定するための値であり、上限の閾値α2は、明らかに通信が可能なRSSI判定するための値である。一方で、RSSI値が閾値α1を上回りかつ閾値α2を下回る場合、自走ルート制御部14は、BER、PERを測定するために、駆動部15に停止命令を出力し、電波測定部11にBER、PERを取得するように指令を出す。これにより測定点を削減することができるので、測定時間短縮が可能となる。
また電波測定部11が、直接搬送波対雑音比(C/N)や変調信号パラメータ(MCS)、スループット情報などを測定し、自走ルート制御部14がその測定結果を取得できる場合は、RSSIに代えてそれらを基準としてもよい。なお、スループット情報は流すパケット量が多いほど平均化される。そこで、電波測定部11は、少ないパケット量を使用するなどして簡易なスループット測定をしつづけ、自走ルート制御部14は、スループットが閾値を下回った場合にだけ、正確なスループット値を求めるために駆動部15へ停止命令を出すように設定しても良い。これはRSSI値、C/N、MCS等についても同様である。なお、自走ルート制御部14は、電波発信元に対して測定のためにビット又はパケットの送信を要求するが、RSSIなどの復調する必要のないパラメータ測定の場合、電波発信元に対して電波送信を要求する必要は必ずしもない。
図2は、本実施形態の測定ロボット1が伝搬環境を測定するエリアの例を示す図である。エリアA1は、アクセスポイント(AP)に近く、アクセスポイントからの電波の受信レベルが高いエリアである。測定ロボット1は、エリアA1内の測定点P1に位置するときには、ある程度の通信品質が確保されていると判断し、RSSIなどの受信レベルだけを測定する。一方、エリアA2は、エリアA1よりもアクセスポイントから遠く、アクセスポイントからの電波の受信レベルが低いエリアである。測定ロボット1は、エリアA2内の測定点P2に位置するときには、通信品質が低い可能性を考慮し、BERやPERなどを取得する。
図3は、本実施形態の自走ルート制御部14による処理の例を示すフロー図である。自走ルート制御部14は、測定データ・座標記録部13から現在の自己位置におけるRSSI値を入力する(ステップS101)。自走ルート制御部14は、RSSI値が閾値を超えているか否かを判断する(ステップS102)。自走ルート制御部14は、RSSI値が上限の閾値を超えていると判断した場合(ステップS102:YES)、駆動部15に駆動続行命令を生成し(ステップS103)、駆動部15に出力する(ステップS104)。駆動部15は、駆動続行命令に従って、走行を継続する。
一方、自走ルート制御部14は、RSSI値が上限の閾値以下であると判断した場合(ステップS102:NO)、駆動部15への駆動停止命令の制御信号を生成する(ステップS105)。さらに、自走ルート制御部14は、電波の送信元(アクセスポイントや基地局等)に対して、BER、PER等を測定するためのビット又はパケット等の送信を要求する電波送信要求、あるいは、電波測定部11に測定のためのビット又はパケットの受信を要求する電波受信要求を生成し(ステップS106)、電波測定部11に出力する(ステップS107)。自走ルート制御部14は、ステップS105において生成した駆動停止命令を駆動部15に出力する(ステップS104)。駆動部15は、駆動停止命令に従って、走行を停止する。電波測定部11は、電波送信要求を電波送信元に電波により送信し、電波送信要求に対応して電波送信元から受信した電波のBER、PER等を測定する。あるいは、電波測定部11は、電波受信要求に従って、電波送信元から電波を受信し、BER、PER等を測定する。測定完了後、自走ルート制御部14は、走行再開を指示する制御信号を駆動部15に出力する。
なお、自走ルート制御部14は、ステップS102において、RSSI値が上限の閾値を超えている又は下限の閾値未満であると判断した場合にステップS103の処理を行い、上限の閾値以下かつ下限の閾値以上であると判断した場合にステップS105の処理を行ってもよい。あるいは、自走ルート制御部14は、ステップS102において、RSSI値が下限の閾値未満であると判断した場合にステップS103の処理を行い、下限の閾値以上であると判断した場合にステップS105の処理を行ってもよい。
本実施形態により、測定ロボット1は、信号の受信レベルが低いエリアに絞って、BER、PERを測定するため、全測定対象エリアについてBER、PERを測定する場合と比較して、測定時間の短縮が可能となる。
[第2の実施形態]
第2の実施形態において、測定ロボット1は、受信レベル変動、例えば、RSSI値の変動量などを元に、測定間隔などを変更する。そこで、自走ルート制御部14は、電波測定部11が測定したRSSI値を入力し、RSSI値の変動(微分量)の観測を行う。自走ルート制御部14は、現在時刻t1における測定値S(t1)と、現在時刻よりもΔtだけ遡った時刻(t1-Δt)における前回測定値S(t1-Δt)との差又は微分値が小さい場合、測定間隔を広く(移動速度を速く)していく。一方で、自走ルート制御部14は、現在時刻t1の測定値S(t1)と、前回測定値S(t1-Δt)との差又は微分値が大きい場合は、測定間隔を狭く(移動速度を遅く)していく。これにより受信レベルの変動が小さい場合の測定量を減らすことが可能となり、測定時間を短縮することができる。なお、自走ルート制御部14は、微分値変動が大きい場合、進行方向を変えて周辺の測定を詳細に行っても良い。
図4は、第2の実施形態の自走ルート制御部14による処理の例を示すフロー図である。自走ルート制御部14は、測定データ・座標記録部13から現在時刻t1におけるRSSIの測定データS(t1)を読み出し、バッファ141に記憶する(ステップS201)。自走ルート制御部14は、バッファ141からRSSIの前回の測定データS(t1-Δt)を読み出す(ステップS202)。自走ルート制御部14は、変動量を測定データS(t1)-測定データS(t1-Δt)により算出し、算出した変動量が閾値より小さいか否かを判断する(ステップS203)。
自走ルート制御部14は、変動量が閾値より小さいと判断した場合(ステップS203:YES)、変動が少ないために、測定間隔を減少させる。そこで、自走ルート制御部14は、移動速度を増加させる移動速度変更命令を生成し(ステップS204)、駆動部15に出力する(ステップS205)。駆動部15は、移動速度変更命令に従って、移動速度を増加させる。なお、現在の移動速度が上限に達しているときには、自走ルート制御部14は、現在の速度を維持するよう指示する駆動続行命令を生成し、駆動部15に出力してもよい。移動速度が上限に達している場合の制御については、以下の実施形態においても同様である。
一方、自走ルート制御部14は、変動量が閾値以上であると判断した場合(ステップS203:NO)、変動が大きいために、測定間隔を増加させる。そこで、自走ルート制御部14は、移動速度を減少又は停止させる移動速度変更命令を生成し(ステップS206)、駆動部15に出力する(ステップS205)。駆動部15は、移動速度変更命令に従って、移動速度を減少させるか、BER、PER等の測定の間停止する。なお、移動速度を減少させる場合、現在の移動速度が下限に達しているときには、自走ルート制御部14は、現在の速度を維持するよう指示する駆動続行命令を生成し、駆動部15に出力してもよい。移動速度が下限に達している場合の制御については、以下の実施形態においても同様である。
本実施形態によれば、測定ロボット1は、受信レベルの変動により信頼性を判断し、信頼性が低いときには、電波の測定ポイントの増加や、測定項目の追加・変更を行う。
[第3の実施形態]
第3の実施形態において、測定ロボット1は、マルチキャリア伝送される複数の周波数それぞれの信号品質の違いに基づいて環境を推定する。具体的には、測定ロボット1は、キャリア間のレベル差に基づいて見通し環境又は非見通し環境であるか、マルチパス環境又は非マルチパス環境であるかを推定する。測定ロボット1は、推定された環境と、推定対象のシステムや通信方式に合う測定を実施する。例えば、測定ロボット1は、複数キャリアを使う通信方式の場合はマルチパスリッチでも測定を減らし、シングルキャリアの場合は測定を増やす。
図5を用いて、2つの異なる周波数のキャリアの信号品質に基づいて判断される環境を説明する。図5における左側の図は、本実施形態の測定ロボット1が受信する信号の振幅の例を示す図である。振幅は、信号のレベルを表す。時刻tにおける2つのキャリアの周波数f、fの振幅(Amplitude)は両方とも閾値に達しており、周波数fの振幅と周波数fの振幅との差は小さい。
図5(a)に示すように、時刻tの後の時刻tにおいて、周波数f、fとも振幅が閾値を超えており、それらの振幅の差は小さい。この場合、フラットフェーシングであると判断できる。図5(b)に示すように、時刻tにおいて、周波数f、fとも振幅の差が小さく、それらの振幅は閾値以下である。この場合、非見通し環境と判断できる。図5(c)に示すように、時刻tにおいて、周波数f、fとも振幅が閾値を超えているが、それらの振幅の差は大きい。この場合、マルチパスリッチ環境と判断できる。図5(d)に示すように、時刻tにおいて、周波数f、fとも振幅が閾値以下であり、振幅の差は大きい。この場合、非見通し環境かつマルチパスリッチ環境と判断できる。
図6は、本実施形態の自走ルート制御部14による処理の例を示すフロー図である。本実施形態の電波測定部11は、アンテナ10が受信した複数周波数の電波を同時に取得し、測定する。ここでは、測定対象の周波数がf、fである場合を例に説明する。時刻tにおける周波数f,fそれぞれの信号電力をSf1(t)、Sf2(t)、時刻tにおける周波数f,fそれぞれの信号電力をSf1(t)、Sf2(t)とする。また、t=t+Δtとし、Δtは微小時間を表す。測定ロボット1は移動しているため、tとtでは僅かに測定座標が異なる。
自走ルート制御部14は、時刻tにおける周波数f,fの2周波数分の信号電力として、RSSIの測定データであるSf1(t)、Sf2(t)を電波測定部11から読み出す。自走ルート制御部14は、RSSI値Sf1(t)、Sf2(t)をバッファ141に書き込む(ステップS301)。自走ルート制御部14は、バッファ141から時刻tにおける周波数f,fの2周波数分の信号電力であるRSSI値Sf1(t)、Sf2(t)を読み出す(ステップS302)。
自走ルート制御部14は、同一周波数における測定値の時間変動量を、着目する周波数がfの場合はDf1(t)=Sf1(t)-Sf1(t)、着目する周波数がfの場合はDf2(t)=Sf2(t)-Sf2(t)とする。自走ルート制御部14は、Df1(t)及びDf2(t)を計算する(ステップS303)。さらに、自走ルート制御部14は、周波数間の時間変動量の差分Df1-f2(t)=Df1(t)-Df2(t)を計算する(ステップS304)。
自走ルート制御部14は、Df1-f2(t)、Df1(t)、Df2(t)とあらかじめ設定した閾値とを比較することで電波環境を推定する。閾値として、マルチパス判定に関する閾値γmp、見通し/非見通し判定に関する閾値αLOS、距離減衰に関する閾値βを用いる。基本的には、距離減衰よりも非見通しによる電波強度の落込みの方が大きいので、αLOS<βと設定する。
電波環境の推定のため、自走ルート制御部14は、マルチパスリッチ環境か否かの判定と、見通し/非見通しの判定とを行う。マルチパスリッチ環境であれば周波数選択性フェージングが発生するため、Df1-f2(t)とγmpの大小関係を比較することで、マルチパスリッチ環境か否かを判定できる。そこで、まず、自走ルート制御部14は、Df1-f2(t)がγmpより大きいか否かを判断する(ステップS305)。自走ルート制御部14は、Df1-f2(t)がγmpより大きく、マルチパスリッチと判断した場合(ステップS305:YES)、ステップS306の見通し/非見通しの判定を行う。自走ルート制御部14は、Df1-f2(t)がγmp以下であり、非マルチパスリッチと判断した場合(ステップS305:NO)、ステップS310の見通し/非見通しの判定を行う。
非見通し環境では、見通し環境と比較して減衰が大きくなると考えられる。そこで、自走ルート制御部14は、各周波数の減衰変動値Df1(t)、Df2(t)と、αLOSおよびβとを比較して見通し/非見通しの判定を行う。なお、見通し/非見通しの判定には、差分(相対値)であるDf1(t)、Df2(t)を用いる方法以外に絶対値である受信信号Sf1(t)、Sf2(t)を使う方法も考えられる。
自走ルート制御部14は、マルチパスリッチと判定した場合(ステップS305:YES)、RSSI値Sf1(t)、Sf2(t)及び減衰変動値Df1(t)、Df2(t)が閾値αLOS及び閾値βよりも小さいか否かを判断する(ステップS306)。自走ルート制御部14は、RSSI値Sf1(t)、Sf2(t)及び減衰変動値Df1(t)、Df2(t)が閾値αLOS及び閾値βよりも小さい場合、見通し環境であると判断する(ステップS306:YES)。自走ルート制御部14は、図5(c)に示すような環境を測定するために、移動速度を減少又は停止させる移動速度変更命令を生成し(ステップS307)、駆動部15に出力する(ステップS308)。
一方、自走ルート制御部14は、RSSI値Sf1(t)、Sf2(t)及び減衰変動値Df1(t)、Df2(t)の少なくとも一つが閾値αLOS又は閾値βよりも大きい場合に、非見通し環境であると判断する(ステップS306:NO)。自走ルート制御部14は、図5(d)に示すような環境を測定するために、移動速度を減少又は停止させる移動速度変更命令を生成し(ステップS309)、駆動部15に出力する(ステップS308)。
自走ルート制御部14は、非マルチパスリッチと判定した場合(ステップS305:NO)、RSSI値Sf1(t)、Sf2(t)及び減衰変動値Df1(t)、Df2(t)が閾値αLOS及び閾値βよりも小さいか否かを判断する(ステップS310)。自走ルート制御部14は、RSSI値Sf1(t)、Sf2(t)及び減衰変動値Df1(t)、Df2(t)が閾値αLOS及び閾値βよりも小さい場合、見通し環境であると判断する(ステップS310:YES)。自走ルート制御部14は、図5(a)に示すような環境を測定するために、移動速度を増加させる移動速度変更命令を生成し(ステップS311)、駆動部15に出力する(ステップS308)。
一方、自走ルート制御部14は、RSSI値Sf1(t)、Sf2(t)及び減衰変動値Df1(t)、Df2(t)の少なくとも一つが閾値αLOS又は閾値βよりも大きい場合に、非見通し環境であると判断する(ステップS310:NO)。自走ルート制御部14は、図5(b)に示すような環境を測定するために、移動速度を減少又は停止させる移動速度変更命令を生成し(ステップS312)、駆動部15に出力する(ステップS308)。
なお、自走ルート制御部14は、ステップS306及びステップS310の判断に、RSSI値Sf1(t)、Sf2(t)と、減衰変動値Df1(t)、Df2(t)とのいずれかを用いてもよい。
以上の判定により、見通し環境や非マルチパスリッチ環境においては、電波環境の変動が少ないため測定距離や測定時間の間隔を大きくする。反対に、非見通し環境やマルチパスリッチ環境においては、距離に対する電波環境の変動が大きいので、狭い間隔で測定するなどの処理を加えることによって、環境に合わせて最適な測定時間で完了することができる。また、測定エリアがどの周波数帯、どの通信方式で通信するのが最適なのかのマップを作成することができる。また、同時に複数周波数におけるマップを同時に取得することで、測定時間の短縮も可能である。
[第4の実施形態]
第4の実施形態において、測定ロボット1は、障害物の位置関係に基づいて電波測定間隔を判断する。
図7は、本実施形態の測定ロボット1が伝搬環境を測定するエリアの例を示す図である。同図では、測定対象エリアにアクセスポイント(AP)と、障害物である棚、椅子とが設置されている。エリアA3は、アクセスポイントとの間に障害物がない見通し環境のエリア(見通しエリア)であり、エリアA4は、アクセスポイントとの間に障害物がある非見通し環境のエリア(非見通しエリア)である。
測定ロボット1に、アクセスポイントや干渉源の位置の情報を入力しておく。測定ロボット1は、地形・障害物・位置検出センサ部12が取得した地形・障害物・位置検出データに基づいて、測定点における電波の見通し(LOS:Line Of Sight)関係又は非見通し(NLOS:NOn Line Of Sight)関係を算出する。地形・障害物・位置検出データは、地形・障害物・位置検出センサ部12がSLAM技術により作成された地図及び自己位置の情報、障害物及び位置検出装置により測定された障害物位置及び自己位置の位置を含んでいる。LOSとは、送受信機を結んだ直線上もしくは第1フレネルゾーン内に障害物がない状態であり、NLOSとは、送受信機を結んだ直線上もしくは第1フレネルゾーン内に障害物がある状態である。測定ロボット1は、検出した障害物情報に基づいて判断した見通し環境又は非見通し環境に応じて最適な測定間隔で信号を取得する。例えば、測定ロボット1の自走ルート制御部14は、見通しと判定した場所は電波測定間隔を大きくし、非見通しと判定された場所は電波測定間隔を小さくすることで測定時間の短縮を行う。
そこで、自走ルート制御部14は、入力されたアクセスポイントの位置と、地形・障害物・位置検出センサ部12が測定した障害物の位置とを結んだ直線を算出し、算出した直線と自己位置とを用いて見通し、非見通しを判定する。信頼性を重視するシステムの場合、非見通し範囲内においては電波到達の確率が下がっているため、重点的に測定を実施する。一方で、ミリ波通信のように、非見通しでは通信が難しいシステムの場合、測定時間短縮のため、測定自体をスキップする。
図8は、本実施形態の自走ルート制御部14による処理の例を示すフロー図である。自走ルート制御部14は、アクセスポイント位置、地形・障害物・位置検出センサ部12がSLAMにより生成した地形・障害物・位置検出データ、及び、測定位置(測定ロボット1の自己位置)の情報を読み出す。自走ルート制御部14は、読み出した情報に基づいて、アクセスポイントと測定地点間に見通しがある見通し関係か否かを判断する(ステップS401)。自走ルート制御部14は、見通し関係があると判断した場合(ステップS401:YES)、移動速度を増加させる移動速度変更命令を生成し(ステップS402)、駆動部15に出力する(ステップS403)。自走ルート制御部14は、見通し関係がないと判断した場合(ステップS401:NO)、移動速度を減少、又は、PER測定のため停止させる移動速度変更命令を生成し(ステップS404)、駆動部15に出力する(ステップS403)。
本実施形態によれば、測定ロボット1は、アクセスポイントと障害物の位置関係を用いて見通しエリア及び非見通しエリアを算出し、見通しエリアでは非見通しエリアよりも測定頻度を低減することで測定時間を短縮する。
[第5の実施形態]
第5の実施形態において、測定ロボット1は、障害物位置関係及び障害物の材質や形状に基づいて電波測定間隔を判断する。
図9は、本実施形態の測定ロボット1が伝搬環境を測定するエリアの例を示す図である。同図では、測定対象エリアにアクセスポイント(AP)と、障害物である棚、椅子とが設置されている。エリアA5、A6は、アクセスポイントとの間に障害物がない見通しエリアであり、エリアA7は、アクセスポイントとの間に棚がある非見通しエリアであり、エリアA8は、アクセスポイントとの間に椅子がある非見通しエリアである。
測定ロボット1に、アクセスポイントや干渉源の位置の情報を入力しておく。測定ロボット1は、第4の実施形態と同様に、測定点における電波の見通し(LOS)関係又は非見通し(NLOS)関係を算出する。測定ロボット1は、検出した障害物情報に基づいて判断される見通し環境又は非見通し環境に応じて最適な測定間隔で信号を取得する。例えば、測定ロボット1の自走ルート制御部14は、見通し環境と判定した場所は電波測定間隔を大きくし、非見通し環境と判定された場所は電波測定間隔を小さくすることで測定時間の短縮を行う。ただし、障害物の形状及び材質、到達信号レベル(RSSI)などによって、非見通し環境においても到達可能性は変化する。測定ロボット1は、非見通しエリアA7については信号レベルが低いため、測定をスキップする。また、測定ロボット1は、非見通しエリアA8については障害物の影響は軽微と判断し、測定時間を短縮し、測定を重点的に行う。
図10は、本実施形態の自走ルート制御部14による処理の例を示すフロー図である。自走ルート制御部14は、図8に示す第4の実施形態のステップS401と同様の処理により、アクセスポイント(AP)と測定地点間に見通しがある見通し関係か否かを判断する(ステップS501)。ただし、地形・障害物・位置検出センサ部12が生成する地形・障害物・位置検出データは、障害物の材質や形状の情報をさらに含む。
自走ルート制御部14は、見通し関係があると判断した場合(ステップS501:YES)、移動速度を増加させる移動速度変更命令を生成し(ステップS502)、駆動部15に出力する(ステップS503)。一方、自走ルート制御部14は、見通し関係がないと判断した場合(ステップS501:NO)、移動速度を減少、又は、PER測定のため停止させる移動速度変更命令を生成する(ステップS504)。このとき、自走ルート制御部14は、RSSIや、障害物の材質や形状に基づいて速度の変更量を決定する。自走ルート制御部14は、ステップS504において生成した移動速度変更命令を駆動部15に出力する(ステップS503)。
本実施形態によれば、測定ロボット1は、アクセスポイントと障害物の位置関係を用いて見通しエリア及び非見通しエリアを算出し、見通しエリアでは非見通しエリアよりも測定頻度を低減する。また、測定ロボット1は、非見通しエリアでは見通しエリアよりも測定頻度を高くするが、障害物の材質や形状、又は、信号レベルによっては測定頻度を低減する。これにより、測定ロボット1は、測定時間を短縮する。
[第6の実施形態]
第6の実施形態において、測定ロボット1は、人、動物、自動車などの測定点周辺に動体の存在を検知した場合に、測定点における信頼性が低いと判断し、重点的な測定を実施する。測定ロボット1は、測定点の周辺について検出した動きの量などに応じて信頼度を設定し、信頼度が低い測定データについては、測定結果の取得回数を増やして測定結果を平均化するなど、重点的な測定を実施する。
図11は、本実施形態の測定ロボット1が伝搬環境を測定するエリアの例を示す図である。測定対象エリアには、アクセスポイント(AP)と、棚や椅子などの動きがない障害物とが設置されており、さらに、測定点の周辺には、人や動物などの動体が存在している。測定ロボット1は、動体が自己位置の周囲に存在していることを検出した場合に、測定結果の取得回数を増加させる。
図12は、本実施形態の自走ルート制御部14による処理の例を示すフロー図である。電波測定部11は、RSSIの測定データを測定データ・座標記録部13に出力し、地形・障害物・位置検出センサ部12は、地形・障害物・位置検出データを測定データ・座標記録部13に出力する。自走ルート制御部14は、現在の自己位置(測定点)から所定時間遡った期間の地形・障害物・位置検出データを読み出す。自走ルート制御部14は、読み出した地形・障害物・位置検出データに基づいて、障害物の移動や変形等の時変動があるか否かを判断する(ステップS601)。
自走ルート制御部14は、障害物の移動や変形等の時変動があると判断した場合(ステップS601:YES)、移動速度を減少、又は、PER等の測定のため停止させる移動速度変更命令を生成し(ステップS602)、駆動部15に出力する(ステップS603)。自走ルート制御部14は、障害物の移動や変形等の時変動がないと判断した場合(ステップS601:NO)、移動速度を増加させる移動速度変更命令を生成し(ステップS604)、駆動部15に出力する(ステップS603)。
本実施形態によれば、測定ロボット1は、センサ等により検出された動体周辺において重点的な測定を実施することができる。
[第7の実施形態]
第7の実施形態において、測定ロボット1は、障害物が多い環境では重点的な測定を実施する。
図13は、本実施形態の測定ロボット1が伝搬環境を測定するエリアの例を示す図である。測定対象エリアには、物置エリアがあり、アクセスポイント(AP)の他に、木製本棚、金属製本棚、パーティション、複数の机などの障害物も設置されている。同図に示す矢印は、アクセスポイントが無線送信した信号が測定点に通るまでのルートを示す。測定点において受信される信号は、アクセスポイントから送信され、様々なルートを通って測定点に到達した多数の信号の合成信号である。
図14は、アクセスポイント(AP)の送信信号の振幅と測定点における受信信号の振幅とを示す図である。図14(a)は、アクセスポイントの送信信号の振幅を示す。図14(a)に示すように、アクセスポイントは時刻t0において無線信号を送信する。図14(b)は、測定点における遅延プロファイルを示す図である。遅延プロファイルが示すように、測定点では、アクセスポイントから送信された無線信号の振幅を、時刻t0から遅延時間Δtが経過した後に最初に検出する。障害物が多いときには、反射、吸収、回折が多数発生するために遅延到来波が増加し、受信信号は時間軸上で広がる。そこで、本実施形態の測定ロボット1は、受信信号の遅延の広がりに基づいて信頼性を判断し、信頼性が低い場合は、重点的な測定を実施する。
図15は、本実施形態の測定ロボット1による信頼性の判断を説明するための図である。図15は、測定点における受信信号の振幅を示している。遅延広がりが大きい時は、マルチパス環境において位相の異なる信号が複数合成された電波を受信している状態である。そのため、位相関係が少しでも変わると、通信品質(PER等)が低下する可能性が高い。そこで、測定ロボット1は、振幅が閾値α1以上であり、かつ、信号の遅延広がりが閾値α2以上である場合は信頼性が低いと判断し、重点的な測定(PER等の測定)を行う。遅延広がりは、振幅が閾値α1以上の第一波の到来時間から最終波の到来時間までである。なお、閾値α1を固定的な値としても良く、第一波の振幅A1を基準として、α1=A1×1/cにより決めてもよい(cは定数)。
図16は、第7の実施形態の自走ルート制御部14による処理の例を示すフロー図である。自走ルート制御部14は、測定データ・座標記録部13から測定点における測定データを読み出し、読み出した測定データから図14(b)に示す遅延プロファイルを算出する(ステップS701)。自走ルート制御部14は、閾値α1を取得する(ステップS702)。例えば、自走ルート制御部14は、α1=A1×1/cを算出する。自走ルート制御部14は、遅延プロファイルから、第一波以降に到来した閾値α1以下の振幅の信号をフィルタリングし、切り捨てる(ステップS703)。自走ルート制御部14は、フィルタリングされた遅延プロファイルから第一波の到来時間及び最終波の到来時間を取得する。自走ルート制御部14は、最終波の到来時間から第一波の到来時間を減算して算出される到来時間遅延広がりが、予め決められた閾値α2より小さいか否かを判断する(ステップS704)。
自走ルート制御部14は、到来時間遅延広がりが閾値α2より小さいと判断した場合(ステップS704:YES)、移動速度を増加させる移動速度変更命令を生成し(ステップS705)、駆動部15に出力する(ステップS706)。一方、自走ルート制御部14は、到来時間遅延広がりが閾値α2以上であると判断した場合(ステップS704:NO)、移動速度を減少、又は、PER測定のため停止させる移動速度変更命令を生成し(ステップS707)、駆動部15に出力する(ステップS706)。
本実施形態によれば、測定ロボット1は、遅延プロファイルによって障害物が多いと判断した測定点において重点的な測定を実施することができる。
[第8の実施形態]
第8の実施形態において、測定ロボット1は、受信信号の到来角度の広がりに基づいて信頼性が低いと判断した場合に、重点的な測定を実施する。
図17は、測定点における受信信号の到来方向を示す図である。測定点では、様々な到来方向からマルチパス波を受信する。到来方向の広がりが大きい時は、マルチパス環境で位相の異なる信号が複数合成されたものを受信している状態であり、位相関係が少しでも変わると通信品質(PER等)が低下する可能性が高い。そこで、測定ロボット1は、到来方向の角度を複数のビンに量子化し、最も振幅が高いビンと、それ以外のビンの割合を計算する。
図18は、測定点における受信信号の到来方向と振幅との関係を示す図である。同図では、-πからπまでの到来方向θ[deg]を5つのビンに量子化(分割)している。最も振幅が高いビンをA、それ以外のビンをBとする。ビンBは、反射波等が原因の受信信号である。測定ロボット1は、ビンAとビンBそれぞれの面積を計算する。測定ロボット1は、ビンAの面積に対するビンBの総面積の割合が一定以上であれば、マルチパス環境であると判断し、重点的な測定を実施する。ここでは、測定ロボット1は、ビンAの面積が、閾値α×ビンBの総面積よりも小さい場合に、重点的な測定を行う。閾値αは定数である。なお、到来方向推定の方法としては、一般的な信号処理による方法や、指向性の高いアンテナを機械的に回転させる方法などある。
図19は、本実施形態の自走ルート制御部14による処理の例を示すフロー図である。自走ルート制御部14は、測定データ・座標記録部13から測定点における測定データを読み出す(ステップ801)。自走ルート制御部14は、測定データから、到来方向別の受信信号強度データを取得する。自走ルート制御部14は、到来方向別の受信信号強度データに基づいて、各ビンの面積、すなわち、電波強度を算出する。自走ルート制御部14は、最大強度となる到来方向のビンAの電波強度が、閾値α×他の到来方向のビンBそれぞれの電波強度の和よりも小さいか否かを判断する(ステップS801)。
自走ルート制御部14は、ビンAの電波強度が、閾値α×各ビンBの電波強度の和よりも小さいと判断した場合(ステップS801:YES)、移動速度を減少、又は、PER測定のため停止させる移動速度変更命令を生成し(ステップS802)、駆動部15に出力する(ステップS803)。一方、自走ルート制御部14は、ビンAの電波強度が、閾値α×各ビンBの電波強度の和以上であると判断した場合(ステップS801:NO)、移動速度を増加させる移動速度変更命令を生成し(ステップS804)、駆動部15に出力する(ステップS803)。
本実施形態によれば、測定ロボット1は、受信信号の到来角度の広がりが大きく、マルチパス環境であると判断した場合に、重点的な測定を実施することができる。
[第9の実施形態]
通信エリアを正確に把握するためには、信号強度(RSSI)よりも、通信品質の指標であるパケット誤り率(PER)の測定が求められる。しかし、PERは反復測定により求めるため、一度の測定で求められるRSSIと比較して時間を要する。そこで、第1の実施形態の測定ロボット1は、測定したRSSI値と閾値との比較に基づいて、そのRSSI値が得られた測定点におけるPER等の詳細な測定項目の測定要否を判断している。閾値との比較に用いるRSSI値は、1回の測定によって求めたものを使用することができるが、複数回の測定によって求めたRSSI値の統計を用いてもよい。本実施形態は、各測定点においてRSSIを複数回測定する場合の第1の実施形態の変形例である。具体的には、本実施形態の測定ロボット1は、測定点毎に、RSSIを少数回測定し、測定されたRSSI値の平均値と標準偏差とで定義されるRSSI範囲を用いて通信の安定性を推定する。測定ロボット1は、推定結果に基づいて重点的な測定が必要であると判断した場合にその測定点でPERを測定し、重点的な測定が必要ないと判断した場合は次の測定点に移動する。これにより、エリア内の全測定ポイントにおいて詳細な測定項目により測定する場合と比較して測定回数を削減し、測定を短時間化する。
図20は、本実施形態の測定ロボット1の動作概要を説明するための図である。図20(a)に示すように、測定ロボット1の電波測定部11は、現在座標(現在の測定点)においてRSSI測定を少数回のN回だけ実施する。自走ルート制御部14は、各測定により得られたRSSI値X,X,…,Xの平均値である平均RSSIと標準偏差σとを用いて、RSSI範囲=[平均RSSI-c1×標準偏差σ,平均RSSI+c2×標準偏差σ]を算出する。c1及びc2は、0以上の実数である。例えば、c1=c2=1である。
図20(b)は、PER-RSSI期待値曲線を示す図である。PER-RSSI期待値曲線は、PERとRSSIとの対応関係を表す。PERがx%を超え、1に近い値の場合、通信不可である。そこで、PER-RSSI期待値曲線においてPERx%に対応するRSSI値を下側閾値Tとする。自走ルート制御部14は、RSSI範囲全体が下側閾値T以下の場合、現在の測定点が通信不可範囲Aにあり、通信不可と判断する。この場合、図20(c)に示すように、自走ルート制御部14は、測定点の座標位置及び時刻情報に、RSSI範囲及び通信不可(通信不可範囲A)である旨を示す情報を対応付けて測定データ・座標記録部13に記録し、PER測定を行わず次の測定点へ移動するよう制御する。
また、PERがy%未満であり、0に近い値の場合、通信可能である。そこで、図20(b)に示すPER-RSSI期待値曲線において、PERy%に対応するRSSI値を上側閾値Tとする。自走ルート制御部14は、RSSI範囲全体が上側閾値T以上の場合、現在の測定点が通信可範囲Cにあり、通信安定と判断する。この場合、図20(c)に示すように、自走ルート制御部14は、測定点の座標位置及び時刻情報に、RSSI範囲及び通信安定(通信可範囲C)である旨を示す情報を対応付けて測定データ・座標記録部13に記録し、PER測定を行わず次の測定点へ移動するよう制御する。
一方、自走ルート制御部14は、RSSI範囲の一部でも、下側閾値T以上かつ上側閾値T以下の通信安定性確認範囲Bに含まれる場合、通信安定性をPERで判定する必要があると判断する。自走ルート制御部14は、図20(d)に示すように、現在座標において、RSSIをN回よりも多数のM回(N<M)測定し、PERを算出するよう電波測定部11及び駆動部15を制御する。
PERは以下の式により求められる。
PER=1-(受信機が受信できたパケット数M/送信機が送信したパケット数)
本実施形態では、受信機は、測定ロボット1であり、送信機は、例えばAPである。送信機が100パケットを送信し、受信機がそのうち10パケットを受信した場合、PER=0.1である。送信されるパケット数が多い、すなわち、多数回パケット送信を行うと、上記の式の分母が大きくなるため、より精度が高いPERを求めることができる。そこで、測定ロボット1の電波測定部11は、長い時間を掛けてAPから送信されるパケットのRSSIを多数回(M回)測定し、APから送信されたパケット数と、測定された受信パケット数Mとから高精度にPERを算出する。
PERの測定が終了すると、自走ルート制御部14は、図20(c)に示すように測定結果を保存し、次の測定点へ移動する。例えば、電波測定部11は、測定されたRSSI値X,X,…,X、及びPER値を含む測定データを測定データ・座標記録部13に記録する。さらに、自走ルート制御部14は、測定点の座標位置及び時刻情報に、通信安定性確認要(通信安定性確認範囲B)である旨を示す情報を対応付けて測定データ・座標記録部13に記録する。
測定ロボット1は、図20(c)による移動後、再び、次の測定点において、図20(a)に示す処理を行う。
図20(b)において用いるPER-RSSI期待値曲線は、例えば、測定開始前に、送受信機をケーブル直結で接続し、受信機における平均RSSI値毎のPERの値を事前に求める等の事前実験による測定結果に基づき得ることができる。
図21は、事前実験の結果を示す図である。例えば、1%≦PER≦50%を通信安定性確認範囲Bとする。事前実験の結果、平均RSSI=-96以下で必ずPER>50%、平均RSSI=-91.5以上で必ずPER<1%となる結果が得られた場合、-96<RSSI<-91.5を通信安定性確認範囲Bに決定する。つまり、閾値T=-96、閾値T=-91.5とする。RSSI<-96のときには通信不可範囲A、RSSI>-91.5のときには通信可範囲Cである。
図22は、図20に示す処理手順をまとめた図である。手順1において、自走ルート制御部14は、RSSIの実測値に基づいて算出したRSSI範囲を、全てが通信不可範囲Aに含まれる分類A、一部又は全てが通信安定性確認範囲Bに含まれる分類B、全てが通信可範囲に含まれる分類C、のいずれかに分類する。手順2において、自走ルート制御部14は、手順1の分類結果に基づいて通信の安定性を判定する。すなわち、自走ルート制御部14は、分類Aの場合は通信不可と判定し、分類Bの場合は通信安定性をPERで判定する必要あり(通信安定性確認要)と判定し、分類Cの場合は通信安定と判定する。手順3において、自走ルート制御部14は、判定結果を測定データ・座標記録部13に保存する。手順4において、自走ルート制御部14は、手順2の判定結果に基づいて次の処理を行う。すなわち、自走ルート制御部14は、分類A又は分類Cの場合、PER測定を行わずに次の測定点へ移動するよう制御する。自走ルート制御部14は、分類Bの場合、追加でPER測定を実施するよう制御する。手順4の後、移動後の測定点において手順1からの処理を行う。なお、自走ルート制御部14は、手順4の途中又は手順4の後に手順3を行ってもよい。
図23は、本実施形態の自走ルート制御部14による処理の例を示すフロー図である。自走ルート制御部14は、目標座標へ移動するよう駆動部15を制御する(ステップS901)。目標座標への移動後、自走ルート制御部14は、電波測定部11に少数回のRSSI測定を指示する。電波測定部11は、自走ルート制御部14からの指示に従ってRSSIを少数回測定し、測定結果を示す測定データを測定データ・座標記録部13に記録する(ステップS902)。自走ルート制御部14は、現在座標において測定されたRSSI値を測定データ・座標記録部13から読み出し、それらRSSI値の平均RSSIと標準偏差σを算出する(ステップS903)。自走ルート制御部14は、ステップS903において算出した平均RSSI及び標準偏差σを用いてRSSI範囲を算出し、RSSI範囲の少なくとも一部が通信安定性確認範囲Bに含まれているか否かを判定する(ステップS904)。
自走ルート制御部14は、RSSI範囲の一部又は全てが通信安定性確認範囲Bに含まると判定した場合(ステップS904:YES)、重点的にRSSI測定を行うよう電波測定部11に指示する(ステップS905)。重点的とは、例えば、ステップS902よりも多数回のRSSI測定を行うことである。電波測定部11は、ステップS905におけるRSSI測定のためのパケットを用いてPERを算出する(ステップS906)。電波測定部11は、ステップS905において測定したRSSI値及びステップS906において測定したPERを設定した測定データを測定データ・座標記録部13に記録する(ステップS906)。
自走ルート制御部14は、RSSI範囲全てが通信安定性確認範囲Bに含まれないと判定した場合(ステップS904:NO)、又は、ステップS906の処理の後、RSSI範囲を用いた通信安定性の判定結果(通信不可/通信安定/安定性要確認)を測定データ・座標記録部13に記録する(ステップS907)。自走ルート制御部14は、現在座標が測定ルートの最終座標であるか否かを判定する(ステップS908)。自走ルート制御部14は、現在座標が測定ルートの最終座標ではないと判定した場合(ステップS908:NO)、目標座標を更新し、更新された目標座標への移動を指示するための制御信号を駆動部15に出力する(ステップS909)。移動後、自走ルート制御部14は、ステップS901からの処理を行う。そして、自走ルート制御部14は、現在座標が測定ルートの最終座標であると判定した場合(ステップS908:YES)、測定処理を終了する。
なお、上記では、PERを測定する場合を例に説明したが、BARを測定してもよい。
上述した実施形態によれば、移動しながら電波環境を観測する測定ロボット1は、通信の信頼性が低い場所では重点的な測定を行い、信頼性の高い場所では通常のあるいは簡易な測定を行うように、限られた時間で高精度な電波測定を行うための効率的な自走ルートを決定することができる。通信の信頼性が低い場所の捜索には、例えば、RSSI、複数チャネル信号の信号電力、LOS/NLOS判定結果、遅延プロファイル、電波到来方向、近接センサ(例えば、超音波センサなどの距離検出装置や、GPS、赤外線センサなどの障害物及び位置検出装置など)のうち一以上を使用することができる。
例えば、信頼性が低い場所の捜索にRSSIを用いる場合、測定ロボット1は、RSSI値が閾値以上、又は、RSSI値の変動が閾値以下の測定点では受信レベルを測定し、RSSI値が閾値未満、又は、RSSI値の変動が閾値より大きい測定点では、通信品質が低い可能性があるとみなし、RSSIに加えてBERやPERなどを測定する。また、測定ロボット1は、複数チャネル信号それぞれの受信レベルの測定結果に基づいてマルチパスリッチ環境、あるいは、非マルチパスリッチ環境かつ非見通しと判断した測定点においては、信頼性が低い可能性があるために重点的な測定を行う。また、測定ロボット1は、受信レベルの測定結果に基づいて遅延プロファイルを取得し、遅延プロファイルにおける第1閾値以上の振幅の遅延時間広がりが第2閾値以上である場合は障害物が多く、信頼性が低いと判断し重点的な測定を行う。これにより、従来、人の判断によって行われていた測定収集方法を、測定ロボットが取得情報を元に規範化し、自動で判断できるようにする。
従来技術のシミュレーションベースの方法や統計モデルでは、材料特性や不可視エリア等の現実を十分正確に模擬できないためBER、PERの推定に誤差が生じる。一方で、実測値は、伝搬経路にある物質の材料特性や、天井裏等の不可視部の影響も加味されている。上述した第1、第2、第3、第7、第8及び第9の実施形態では、実測値をベースとして、BER、PERが通信可能な程度に高いか又は通信不可な程度に低いかについての信頼性を判断し、信頼性が高い測定点についてはBER、PERを測定せず、信頼性が低い測定点についてはBER、PERを測定するなど重点的な測定を行う。よって、シミュレーションベースの方法や統計モデルと比べて測定対象エリア全体で精度のよい電波の伝搬環境の情報を得ることが可能である。
なお、測定ロボット1は、バスで接続されたCPU(Central Processing Unit)やメモリや補助記憶装置などを備え、プログラムを実行することによって測定データ・座標記録部13、自走ルート制御部14及び測定結果表示・出力部16を備える装置として機能する。なお、測定データ・座標記録部13、自走ルート制御部14及び測定結果表示・出力部16の各機能の全て又は一部は、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)やPLD(Programmable Logic Device)やFPGA(Field Programmable Gate Array)等のハードウェアを用いて実現されても良い。プログラムは、コンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録されても良い。コンピュータ読み取り可能な記録媒体とは、例えばフレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD-ROM等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置である。プログラムは、電気通信回線を介して送信されても良い。
なお、測定ロボット1の自走ルート制御部14は、重点的な測定を行うか否かの判断処理に用いる情報をディスプレイなどに表示し、測定者がその表示された情報を確認して重点的な測定を行うか否かを判断した結果の情報の入力を受けてもよい。重点的な測定を行うか否かの判断処理に用いる情報は、例えば、図3のステップS102、図4のステップS203、図6のステップS305、ステップS306及びステップS310、図8のステップS401、図10のステップS501、図12のステップS602、図16のステップS704、図19のステップS801、及び、図23のステップS904における判断処理に用いられる情報である。
また、伝搬環境認識装置は、測定ロボット1から移動に関する機能を除いた機能を有する装置であってもよい。この場合、伝搬環境認識装置は、定点観測によって、上述した各実施形態に記載の処理・動作を行う。測定者が、測定対象エリア内で伝搬環境認識装置を移動させてもよい。
以上説明した実施形態によれば、電磁波を測定する伝搬環境認識装置は、測定部と制御部とを備える。例えば、伝搬環境認識装置は測定ロボット1であり、測定部は電波測定部11であり、制御部は自走ルート制御部14である。測定部は、測定点において電磁波の測定を行う。例えば、測定部は、伝搬環境認識装置が移動するルート上の複数の測定点において電磁波の測定を行ってもよい。制御部は、測定部による測定結果と、センサが検出した障害物の情報とのうち一以上に基づいて、測定点において電磁波を用いた通信の信頼性が低いと判断された場合には、電磁波を用いた通信の信頼性が高いと判断された場合よりも電磁波の測定を詳細に行うよう制御する。センサは、例えば、地形・障害物・位置検出センサ部12である。
制御部は、測定点における信頼性が低いと判断された場合は、信頼性が高いと判断された場合よりも周辺のエリアの測定点を多くする、信頼性が高いと判断された場合の電磁波の測定項目に加えて他の測定項目の測定を行う、又は、信頼性が高いと判断された場合とは異なる測定項目の測定を行うよう制御することにより、電磁波の測定を詳細に行う。
制御部は、電磁波の受信レベル(例えば、RSSI)と、複数周波数それぞれの受信レベルと、測定点において電磁波の発信元からの見通しがあるか否かと、電磁波の遅延プロファイルと、電磁波の到来方向と、前記センサが検出した障害物の位置、形状、材質及び移動とのうち一以上を用いて測定点における通信の信頼性を判断してもよい。また、制御部は、測定部が測定点において測定した受信レベル(例えば、RSSI)に基づいて通信の信頼性を判断し、通信の信頼性が高いと判断された測定点においては受信レベルのみを測定し、通信の信頼性が低いと判断された場合には受信レベルに加えてBERやPERなどの誤り率を測定するよう制御してもよい。また、制御部は、測定部による測定結果を用いて測定点における遅延プロファイルを算出し、算出した遅延プロファイルが示す遅延時間広がりに基づいて通信の信頼性を判断してもよい。
これにより、伝搬環境認識装置は、電磁波測定の測定項目や測定時間を最適化することができ、高精度な測定を効率的に行うことが可能となる。
以上、この発明の実施形態について図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計等も含まれる。
電波環境を測定する装置に利用可能である。
1…測定ロボット, 10…アンテナ, 11…電波測定部, 12…地形・障害物・位置検出センサ部, 13…測定データ・座標記録部, 14…自走ルート制御部, 15…駆動部, 16…測定結果表示・出力部

Claims (4)

  1. 電磁波を測定する伝搬環境認識装置が実行する伝搬環境認識方法であって、
    測定点において電磁波の測定を行う測定ステップと、
    前記測定ステップにおける測定結果と、センサが検出した障害物の情報とのうち一以上に基づいて、前記測定点において電磁波を用いた通信の信頼性が低いと判断された場合には、電磁波を用いた通信の信頼性が高いと判断された場合よりも電磁波の測定を詳細に行うよう制御する制御ステップと、
    を有し、
    前記制御ステップにおいては、前記測定ステップにおける測定結果を用いて前記測定点における遅延プロファイルを算出し、算出した前記遅延プロファイルが示す遅延時間広がりに基づいて通信の信頼性を判断する、
    伝搬環境認識方法。
  2. 前記制御ステップにおいては、前記測定点において信頼性が低いと判断された場合は、信頼性が高いと判断された場合よりも周辺のエリアの測定点を多くする、信頼性が高いと判断された場合の電磁波の測定項目に加えて他の測定項目の測定を行う、又は、信頼性が高いと判断された場合とは異なる測定項目の測定を行うよう制御する、
    請求項1に記載の伝搬環境認識方法。
  3. 前記測定ステップにおいては、伝搬環境認識装置が移動するルート上の複数の測定点において電磁波の測定を行う、
    請求項1又は請求項に記載の伝搬環境認識方法。
  4. 測定点において電磁波の測定を行う測定部と、
    前記測定部による測定結果と、センサが検出した障害物の情報とのうち一以上に基づいて、前記測定点において電磁波を用いた通信の信頼性が低いと判断された場合には、電磁波を用いた通信の信頼性が高いと判断された場合よりも前記測定部による測定を詳細に行うよう制御する制御部と、
    を備え、
    前記制御部は、前記測定部における測定結果を用いて前記測定点における遅延プロファイルを算出し、算出した前記遅延プロファイルが示す遅延時間広がりに基づいて通信の信頼性を判断する、
    伝搬環境認識装置。
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