以下、図面を参照しつつ、本発明の実施の形態について説明する。以下の説明では、同一の部品には同一の符号を付してある。それらの名称および機能も同じである。したがって、それらについての詳細な説明は繰り返さない。
〔第1の実施形態〕
本実施形態では、本発明の加湿機の一例である加湿空気清浄機(空気清浄機能を有する加湿機)を例に挙げて説明する。但し、本発明の別の態様では、空気清浄機能を有する加湿機に限定はされず、加湿機能のみを有している装置として実現することもできる。また、本発明は、加湿機能を有している空気調和機にも適用可能である。
(空気清浄機の構成)
先ず、本実施の形態にかかる加湿空気清浄機1(以下、単に空気清浄機1と称する)の全体構成について、図1および図2を用いて説明する。図1は、空気清浄機1の斜視図である。図2には、空気清浄機1の内部構成を示す。
図1に示すように、空気清浄機1の外形は、筐体10で形成されている。筐体10は、前面部10a、背面部10b、上面部10c、側面部10d、および底面部10eなどで構成されている。空気清浄機1を通常の使用時の状態に設置したときに、前面部10aは前面(正面)側に位置し、背面部10bは背面側に位置し、上面部10cは上方側に位置する。前面部10aには、風の吹き出し口(第2吹き出し口36)が設けられている。また、上面部10cには、風の吹き出し口(第1吹き出し口33)が設けられているとともに、操作部26(図3参照)が配置されている。
筐体10の内部には、送風機11、各送風路31・32・34、空気清浄フィルタ(図示せず)、貯水トレイ(貯水容器)20、操作部26、報知部27、温度計28、湿度計29、および制御部41(図3参照)などが備えられている。
送風機11は、筐体10内に形成された送風路31内に配置されている。送風機11は、制御部41によって、運転の開始/停止、および風量が制御される。送風機11は、空気清浄機1が設置されている室内の空気を、背面部10bから筐体10内に取り込み、各吹き出し口33・36から送出させるという空気の流れ(風)を形成する。図2では、筐体10内での空気の流れを破線の矢印で示している。
これにより、室内の空気は、空気清浄機1を経由して循環する。筐体10の内部に取り込まれた空気は、先ず、背面部10b側に配置された空気清浄フィルタ(図示せず)を通過し、その後、筐体10の下部に配置されている貯水トレイ20を通過する。貯水トレイ20内には、加湿フィルタ(加湿機構)21が備えられている。これにより、貯水トレイ20内を通過する空気は、加湿される。加湿された空気は、送風機11によって、上方に位置する各吹き出し口33・36から送出される。
各送風路31・32・34は、筐体10内に形成されており、送風機11によって生成される風が通過する。送風路31は、筐体10内の下方から中央にかけて形成されている。送風路31の背面側には、空気清浄フィルタ(図示せず)が配置されている。送風路31内には、送風機11が配置されている。
上方送風路32は、送風路31の上方に位置する。上方送風路32の最下流側には、第1吹き出し口33が設けられている。すなわち、上方送風路32は、送風機11で生成される風を、上面部10cに設けられた第1吹き出し口33へと導く送風路である。
前方送風路34は、送風路31の上方前方側に位置する。前方送風路34の最下流側には、第2吹き出し口36が設けられている。すなわち、前方送風路34は、送風機11で生成される風を、前面部10aに設けられた第2吹き出し口36へと導く送風路である。
第1吹き出し口33には、風向板17が回動可能な状態で取り付けられている。また、第2吹き出し口36には、風向板18が回動可能な状態で取り付けられている。各風向板17および18の開閉は、制御部41によって制御される。
空気清浄フィルタは、例えば、筐体10内の背面側に配置されている。空気清浄フィルタは、微細な網目状の構造を有しており、空気清浄機1内に取り込まれた空気中に含まれる塵埃、花粉などのアレル物質、空気汚染の原因となる微小粒子状物質などを補足する。また、空気清浄フィルタは、脱臭機能を有する素材で形成されていてもよい。筐体10の背面部10bから取り込まれた空気は、フィルタを通過した後、各送風路31・23・34を通って各吹き出し口33・36から吹き出される。これにより、空気清浄機1内に取り込まれた空気を清浄化し、室内へ放出することができる。
操作部26は、例えば、筐体10の上面部10cに配置されている。使用者は、操作部26を操作することで空気清浄機1の運転状態を変更することができる。
報知部27は、例えば、スピーカ、表示部(例えば、ディスプレイ、LEDランプなど)などで構成される。報知部27は、制御部41からの指令に基づいて、使用者に対するメッセージ、警告などを報知する。報知部27がスピーカである場合には、音声メッセージまたは警告音で報知を行う。報知部27がディスプレイである場合には、メッセージまたは警告の内容を文字および記号などで表示する。報知部27がLEDランプである場合には、LEDランプを点灯させたり点滅させたりして報知を行う。
温度計28および湿度計29は、例えば、筐体10内の空気の吸い込み口の近傍に取り付けられている。温度計28は、空気清浄機1が設置されている室内の温度を測定する。湿度計29は、空気清浄機1が設置されている室内の湿度を測定する。温度計28で測定された温度の情報は、制御部41へ送信される。湿度計29で測定された湿度の情報は、制御部41へ送信される。制御部41へ送信された温度および湿度の情報は、後述する測距センサ24の汚れの有無の判定に利用される。
制御部41は、空気清浄機1内の各構成部品と接続され、これらの制御を行う。制御部41は、例えば、筐体10内に配置された電装品ユニット内に配置される。制御部41内には、メモリ43、およびタイマ44などが備えられている(図3参照)。
メモリ43は、ROM(Read Only Memory)及びRAM(Random Access Memory)を含む。メモリ43は、空気清浄機1の動作プログラムや設定データを記憶するとともに制御部41による演算結果を一時記憶する。タイマ44は、必要に応じて、制御部41内で行われる処理の時間、空気清浄機1内の各構成部材の動作時間などを計測する。
(加湿ユニットの構成)
続いて、空気清浄機1に備えられている加湿ユニットの構成について説明する。本実施形態では、加湿フィルタ21に送風機11の風を当てることで水を気化させる気化式の加湿ユニットを例に挙げて説明する。但し、本発明にかかる加湿機は、気化式の加湿ユニットを有しているものに限定されず、熱によって蒸気を発生させるスチーム式や、超音波振動によって水を微粒子化して放出する超音波式の加湿ユニットを有しているものにも適用可能である。
また、本実施形態にかかる空気清浄機1は、装置の小型化などの目的のために、給水タンクと貯水トレイとを一体化させた構成を有している。このような構成では、使用者は、給水タンクに給水を行う代わりに、貯水トレイに直接に水を入れて使用する。これにより、装置が大型化することを抑えることができる。
貯水トレイ20は、筐体10の底面部10e上に配置されている。貯水トレイ20には、室内の加湿に使用される水が貯められている。貯水トレイ20は、筐体10の側面部10dから引き出されることによって、筐体10から取り出すことができる。使用者は、貯水トレイ20内の水が残りわずかとなった場合などには、貯水トレイ20を筐体10から取り出して、貯水トレイ20内に給水を行う。
なお、別の態様として、貯水トレイ20の上部に給水口および給水経路が設けられている構成も可能である。このような構成の場合には、使用者は、給水口から注水作業を行うことで、貯水トレイ20に水を補給することができる。
貯水トレイ20の内部には、主な構成部材として、加湿フィルタ(加湿機構)21、測距センサ24などが備えられている。
加湿フィルタ21は、略円柱形状を有している。加湿フィルタ21は、通気性及び吸水性を有する不織布等のフィルタ体を有している。フィルタ体は、略円柱状の加湿フィルタ21の外周部に設けられている。
加湿フィルタ21は、円柱体の軸方向に回転軸21aを有している。回転軸21aは、フィルタ駆動モータと接続されている。フィルタ駆動モータは、制御部41によって、稼働の開始および停止、並びに回転数などが制御される。これにより、加湿フィルタ21は、回転軸21aを中心として軸方向に回転する。
加湿フィルタ21の回転によってフィルタ体が貯水トレイ20内の水に浸漬され、毛細管現象によってフィルタ体の全体に水が浸透する。これにより、貯水トレイ20内を通過する空気には、加湿フィルタ21からの水分が供給され、加湿状態となる。
測距センサ24は、貯水トレイ20の配置領域内で貯水トレイ20の上方に配置されている。測距センサ24は、測距センサ24の下面に設けられたパネル部24aから水面までの距離Lを測定する(図2参照)。測距センサ24は、水面より上にあればどこに配置してもよい。例えば、測距センサ24は、貯水トレイ20側(具体的には、貯水トレイの側面、貯水トレイ上蓋の内側)に配置することもできるが、通電の容易性および安全性の観点から、筐体10側に設置されていることが好ましい。
図4には、測距センサ24の下面を示す。測距センサ24の下面にはパネル部24aが設けられている。パネル部24aには、光照射部51、および受光部52などが設けられている。光照射部51は、測定対象面である貯水トレイ20の水面へ向かって光を照射する。受光部52は、測定対象面(水面)から反射される光を検知する。測距センサ24は、光照射部51から照射された光が測定対象面で反射されて受光部52へ返ってくるまでの時間を計測し、その時間から測定対象面までの距離Lを決定することができる。
測距センサ24による測定距離は、制御部41へ送信される。制御部41では、測距センサ24から送信された測定距離に基づいて、貯水トレイ20内に貯められている水の高さ(水位)を決定する。制御部41は、適切なタイミングで使用者に対して水位を通知することができる。これにより、使用者は、貯水トレイ20内の水位を知ることができる。
水位の通知方法は、例えば、貯水トレイ20内の水位レベルが所定値(例えば、上限値)以上となった場合、および所定値(例えば、下限値)未満となった場合に、スピーカを用いて音声メッセージまたは警報音を発生させる方法が挙げられる。また、別の方法として、適切なタイミングで、表示部に現在の水位を表示する方法も可能である。
(貯水トレイの水位通知の制御について)
ここで、空気清浄機1における貯水トレイ20の水位通知の制御方法について、図5のフローチャートを参照しながら説明する。
電源投入中の空気清浄機1では、測距センサ24による測定距離Lが、常に制御部41へ入力されている。制御部41は、この測定距離Lに基づいて、貯水トレイ20の水位を決定する(ステップS11)。そして、制御部41は、水位が前回の測定距離に基づく水位よりも上昇したか否かを判定する(ステップS12)。ここで、水位が上昇していれば(ステップS12でYES)、ステップS13へ移行し、水位の上昇が無ければ(ステップS12でNO)、ステップS15へ移行する。
水位が上昇している場合は(ステップS12でYES)、貯水トレイ20への給水による変化であると判断できるため、制御部41は、上昇後の水位が満水通知の必要な水位であるか否かを判定する(ステップS13)。そして、満水通知が必要な水位であれば(ステップS13でYES)、制御部41は、スピーカ、表示部などの報知部27を通じて満水通知を行う(ステップS14)。
ここで、満水通知の必要な水位とは、貯水トレイ20の水位が規定の満水位置に近い状態もしくは満水位置を越えた状態の水位である。また、満水通知の必要な水位は一つとは限らず、複数の水位で段階的に満水通知を行うことが好ましい。
満水通知の終了タイミングは、例えば、満水通知(例えば、警報音の鳴動)を開始してから所定時間後とすることができる。また、より好適な方法として、給水動作継続中は満水通知を継続し、給水動作終了時に満水通知も終了させることも可能である。これにより、給水動作終了に伴い、使用者にとって煩わしい警報音の鳴動を速やかに停止することができる。
制御部41は、測距センサ24の測定距離が安定しているか(振動しているか)否かを判定し、測定距離が不安定である(振動している)間は給水中であるとして満水通知を継続する。そして、測距センサ24の測定距離が安定すれば、給水が終了したものとして満水通知を終了する。
また、空気清浄機1における水位通知制御では、給水時の満水通知だけでなく、貯水トレイ20の貯水残量が低下した場合に、使用者に給水を促すための給水通知も行われる。このため、制御部41は、水位の決定後に、水位が下降したか否かも監視している。すなわち、制御部41は、水位が前回の測定距離に基づく水位よりも下降したか否かを判定する(ステップS15)。
ここで、水位が下降していなければ(ステップS15でNO)、ステップS11へ戻る。一方、水位が下降していれば(ステップS15でYES)、制御部41は、下降後の水位が給水通知の必要な水位であるか否かを判定する(ステップS16)。
ここで、給水通知が必要な水位でなければ(ステップS16でNO)、ステップS11へ戻る。一方、給水通知が必要な水位であれば(ステップS16でYES)、制御部41は、スピーカ、表示部などの報知部27を通じて給水通知を行う(ステップS17)。
ここで、給水通知が必要な水位とは、貯水トレイ20が空に近い状態もしくは空になった状態の水位である。また、給水通知の必要な水位は一つとは限らず、複数の水位で段階的に給水通知を行うことが好ましい。給水通知の終了タイミングは、例えば、給水通知(例えば、警報音の鳴動)を開始してから所定時間後とすることができる。
(測距センサの汚れ検知について)
続いて、測距センサ24のパネル部24aの汚れを検知する方法について説明する。測距センサ24のパネル部24aは、測定対象面である貯水トレイ20の水面と対向するように配置されている。そのため、例えば、給水動作時などに貯水トレイ20の水面が波立つなどして水が飛び跳ね、パネル部24aへ水滴が付着することがある。このような水滴がスケールとなってパネル部24a(特に、光照射部51)の表面に残存して汚れとなると、水面までの距離Lが正確に測定できない可能性が生じる。
例えば、光照射部51の表面に汚れが付着していると、光照射部51から照射された光は汚れが付着している場所において反射し、受光部52へ戻る。そのため、測距センサ24は、実際の水面までの距離よりも短い距離を、距離Lとして測定することになる。これにより、制御部41は、実際の貯水トレイ20の水位よりも高い位置を水位として決定してしまい、実際の水位との間に誤差が生じる。
このような測距センサ24の誤検知を抑制するために、制御部41は、空気清浄機1が稼働中に測距センサ24が汚れているか否かの判定を行っている。具体的には、制御部41は、測距センサ24によって検知された水位から算出された貯水トレイ20の単位時間(例えば、1時間)当たりの水位の低下量(減少量)が所定値未満の場合に、測距センサ24が汚れていると判定する。
なお、空気清浄機1が稼働中の場合であっても、制御部41が、例えば、室内の加湿が不要であると判断した場合には、実質的な加湿運転は実行されず、貯水トレイ20の水量が減少しないことがある。そのため、空気清浄機1が実質的な加湿運転を実行している場合に限って、上記の測距センサ24の汚れの判定を行うことが好ましい。これにより、測距センサ24の汚れの有無の判定精度を高めることができる。
また、測距センサ24の汚れの有無を判定する場合の閾値となる上記所定値は、例えば、測距センサ24の検知精度、室内の温度および湿度、送風機11の回転数、貯水トレイ20の容量などに基づいて、決定することができる。例えば、測距センサ24の検知精度が1mm以上である場合には、単位時間(1時間)当たりの水位の低下量が1cm未満のときに、測距センサ24が汚れていると判定することができる。
また、空気清浄機1が室内の温度および湿度を測定する温度計および湿度計を備えている場合には、測定された室内の温度および湿度が所定の条件を満たす場合に限って、上記の測距センサ24の汚れの判定を行うことが好ましい。
例えば、室内が低温(例えば、10℃以下)かつ高湿度(例えば、85%以上)状態の場合には、空気清浄機1が稼働中であっても加湿運転は実行されず、貯水トレイ20の水位が減少する可能性は低い。そのため、低温かつ高湿度状態では、測距センサ24が検知した水位の変化量に基づく測距センサ24の汚れ判定を行わないことが好ましい。
制御部41によって、測距センサ24が汚れていると判定された場合には、報知部27を通じて使用者にその旨が報知される。例えば、報知部27がスピーカである場合には、測距センサ24が汚れている旨の音声メッセージが出力される。このとき、測距センサ24が汚れている旨のメッセージに加えて、測距センサ24のパネル部24aの清掃を促す旨の音声メッセージを出力してもよい。
図6には、測距センサ24の汚れ検知に関する制御部41での処理の流れの一例を示す。測距センサ24の汚れの有無を判定する際には、制御部41は、先ず、温度計28および湿度計29より温度情報および湿度情報を取得する(ステップS21およびS22)。続いて、取得した温度情報および湿度情報にしたがって、現在の室内が低温かつ高湿度状態であるか否かを判定する(ステップS23)。ここで、室内が低温かつ高湿度状態であると判定されると(ステップS23でYES)、測距センサ24の汚れの有無の判定は実行されず、処理を終了する。
一方、室内が低温かつ高湿度状態ではないと判定されると(ステップS23でNO)、制御部41は、稼働中の送風機11の回転数の情報を取得する(ステップS24)。次に、制御部41は、取得した温度情報、湿度情報、および回転数の情報に基づいて、測距センサ24の汚れの有無を判定する場合の閾値となる上記所定値を決定する(ステップS25)。ここで、上記所定値は、例えば、メモリ43に格納されたテーブルを参照して決定することができる。このテーブルには、室内の温度および湿度、並びに送風機11の回転数の各条件と、それぞれに値の異なる複数の所定値とが、対応付けられて保存されている。
その後、制御部41は、所定期間(例えば、1時間)における測距センサ24による測定距離Lの変化量を算出し、貯水トレイ20の単位時間当たりの水位低下量(水位低下量/単位時間)を決定する(ステップS26)。そして、制御部41は、得られた単位時間当たりの水位低下量と、決定した上記所定値とを比較し、単位時間当たりの水位低下量が上記所定値未満であるか否かを判定する(ステップS27)。
単位時間当たりの水位低下量が上記所定値以上である場合(ステップS27でNO)には、測距センサ24に汚れは付着していないと判定され、処理を終了する。
一方、単位時間当たりの水位低下量が上記所定値未満である場合(ステップS27でYES)には、測距センサ24に汚れが付着していると判定される。そして、制御部41は、報知部27を通じて使用者にその旨を通知する(ステップS28)。その後、処理を終了する。
(第1の実施形態のまとめ)
以上のように、本実施形態にかかる空気清浄機1は、貯水トレイ20を備えている。貯水トレイ20には、加湿フィルタ21、および測距センサ24などが備えられている。測距センサ24は、貯水トレイ20に貯められた水の水面までの距離Lを測定する。これにより、貯水トレイ20の水位を検知することができる。
そして、空気清浄機1に備えられている制御部41は、測距センサ24によって検知された水位から決定された貯水トレイ20の単位時間当たりの水位低下量が所定値未満の場合に、測距センサ24が汚れていると判定する。
上記の構成によれば、測距センサ24によって検知された水位の変化が異常であると考えられる場合には、測距センサ24が汚れていると判定し、測距センサ24の清掃を促すことができる。これにより、測距センサ24による貯水トレイ20内の水位の誤検知を抑制することができる。
例えば、空気清浄機1が加湿運転を行っているにもかかわらず、測距センサ24によって検知された水位が一向に変化しない場合などのように、通常は貯水トレイ20内の水位が低下すると予測される状態で測距センサ24の検知水位が低下しない場合に、測距センサ24の清掃を促すことができる。そのため、測距センサ24を用いて貯水トレイ20内の水位をより高精度に検知することができる。
〔第2の実施形態〕
続いて、本発明の第2の実施形態について説明する。第2の実施形態にかかる空気清浄機1は、測距センサ24の汚れの判定方法が、第1の実施形態とは異なっている。それ以外については、第1の実施形態と同様の構成を適用することができる。そこで、以下では、第1の実施形態とは異なる点を中心に説明する。
本実施形態では、第1の実施形態と同様に、制御部41は、測距センサ24によって検知された貯水トレイ20の単位時間当たりの水位の低下量が所定値未満の場合に、測距センサ24が汚れていると判定する。
第1の実施形態では、測距センサ24の汚れの有無を判定する場合の閾値となる上記所定値は、例えば、測距センサ24の検知精度、室内の温度および湿度、送風機11の回転数、貯水トレイ20の容量などに基づいて、決定している。
これに対して、本実施形態にかかる空気清浄機1では、上記所定値を、加湿運転中の貯水トレイ20の単位時間当たりの水位低下量の予測値としている。この単位時間当たりの水位低下量の予測値は、空気清浄機1の加湿運転中における、室内の温度および湿度、送風機11の回転数などに基づいて算出することができる。
具体的には、単位時間当たりの水位低下量の予測値は、制御部41内のメモリ43に格納されている関数式に、制御部41が取得している室内温度、室内湿度、および送風機11の回転数を入力することによって算出することができる。またあるいは、単位時間当たりの水位低下量の予測値は、メモリ43に格納されているテーブルを参照して決定することもできる。
以下では、単位時間当たりの水位低下量の予測値の決定方法の一例について説明する。ここでは、送風機11の回転数と、室内の温度および湿度とに基づいて上記予測値を決定する方法を説明する。加湿運転時に使用される水の量(すなわち、加湿量)は、加湿機の加湿能力によって異なる。
一般的な加湿機において、加湿量(使用される水の量)は、送風機の風量に依存して増加する。送風機の風量は、送風機の回転数を上昇させることで増加する。図7には、送風機の風量と加湿量との関係の一例を示す。
また、一般的な加湿機において、加湿量(使用される水の量)は、室内の温度が高温であるほど、また、室内の湿度が低湿であるほど、多くなる。以下の表1には、室内の温度および湿度と、加湿量との関係の一例を示す。表1は、送風機の風量が6.3m3/分程度の「強運転」モードで加湿機を運転させた場合の例を示す。
上記のような関係に基づき、室内の温度および湿度と、加湿量との関係を以下の表2に示す。
表2では、室内の温度/湿度が20℃/30%のときの加湿能力(加湿量)を基準(=1)とした場合における、種々の温度および湿度での加湿能力の係数を示す。例えば、温度/湿度が20℃/60%のときの係数は、「0.5」であるため、加湿量は、温度/湿度が20℃/30%のときの半分となる。
以上より、空気清浄機1において加湿運転を行ったときに使用される貯水トレイ20の水量(すなわち、加湿量)は、送風機11の風量(回転数に依存する)、並びに、室内の温度および湿度によって変化する。そこで、単位時間当たりの水位低下量の予測値は、送風機11の風量、並びに、室内の温度および湿度に基づいて決定することができる。
例えば、送風機11の風量は、メモリ43内に格納されている情報から取得することができる。そして、制御部41は、図7に示すグラフを参照して、取得した送風機11の風量における加湿量を決定する。
続いて、温度計28および湿度計29より、室内の温度および湿度の情報を取得する。制御部41は、表2を参照して、取得した温度および湿度のときの係数を選択する。そして、図7に示すグラフから得られた加湿量に選択された係数をかけて、単位時間当たりの水量の低下量の予測値を決定する。ここで得られた予測値は、水量の体積(mlまたはcm3)で得られる。
このように、予測値は水量の体積(mlまたはcm3)で算出される。一方、実測値である水位の低下量は、水面までの高さの変化をもとに得られるため、その単位は(cm)となる。したがって、予測値と実測値とを比較する場合には、何れか一方の単位に他方の単位を揃える処理を行う。
第1の例では、実測値を、始点(測定開始時の水位)から終点(測定終了時の水位)までの距離(cm)に相当する部分の貯水トレイ20の容量(mlまたはcm3)で算出する。そして、単位がmlまたはcm3で得られる予測値(予測減少量)と比較する。
第2の例では、水量の体積(mlまたはcm3)で得られた予測値を、貯水トレイ20の寸法に基づいて水位低下量(cm)に換算する。これが、予測される水位低下量(cm)となる。そして、測定開始時の水位(始点)(cm)から予測の水位低下量(cm)を減算する。これにより、所定時間後の水位の予測値(cm)が得られる。この水位の予測値と、実際の測定における測定終了時の水位(終点)とを比較する。
以上のようにして決定された単位時間当たりの水位低下量の予測値を、測距センサ24の汚れの有無を判定する場合の上記所定値として用いて、例えば、図6に示すフローチャートにしたがって、測距センサ24の汚れの有無を判定することができる。
〔第3の実施形態〕
続いて、本発明の第3の実施形態について説明する。第3の実施形態にかかる空気清浄機1は、測距センサ24の汚れの判定方法が、第1の実施形態とは異なっている。それ以外については、第1の実施形態と同様の構成を適用することができる。そこで、以下では、第1の実施形態とは異なる点を中心に説明する。
第3の実施形態では、測距センサで測定対象までの距離を複数回測定し、検知された距離成分分布からクロストーク成分を除去し、実距離成分の平均値を距離Lとして算出する、いわゆるヒストグラム方式の測距センサを用いる構成例について説明する。
本実施形態にかかる空気清浄機1では、ヒストグラム方式の測距センサ24を用いて貯水トレイ20の水面までの距離を複数回測定し、測定データに対する有効距離データの割合が0.5以下の場合に、測距センサ24が汚れていると判定する。
図8には、第3の実施形態にかかる空気清浄機1に備えられた貯水トレイ20および測距センサ124を示す。
測距センサ124の下面には、光照射部151、および受光部152などが設けられている。これらの構成は、第1の実施形態と同様である。また、測距センサ124は、表面に光透過性を有するパネル124bを備えている。
測距センサ124は、光照射部151から数万発の光を出射し、得られる測定距離の平均値を測定距離として出力している。すなわち、測距センサ124は、複数回の測定を行って、各測定値の平均値を測定距離として決定している。この場合、図8に示すように、測距センサ124のパネル124bからの反射成分A(クロストーク成分)と、実際に測定したい水面Sからの反射成分B(実距離成分)の2箇所の測定距離の平均値が算出されることになる。
図9には、測距センサ124を用いて貯水トレイ20の水面Sまでの距離を測定したときに得られる検知距離成分分布(ヒストグラム)を示す。なお、このヒストグラムは、測距センサ124の下面(特に、光照射部151)がきれいな状態の場合である。
図9に示すように、ヒストグラムには、クロストーク成分Aの分布の山と、実距離成分Bの分布の山が含まれている。
そこで、得られたヒストグラムからクロストーク成分Aを除去し、実距離成分Bのみの平均値を水面までの距離Lとして算出することで、貯水トレイ20の水位をより正確に測定することができる。すなわち、実距離成分Bが、貯水トレイ20の水面Sまでの距離を測定したときの有効距離データとなる。
そして、測距センサ124の下面(特に、光照射部151)が汚れている場合には、得られるヒストグラムにおいて実距離成分Bの割合が低くなる傾向にある。図10には、測距センサ124の下面(特に、光照射部151)がかなり汚れている状態で、水面Sまでの距離を測定したときのヒストグラムを示す。図9と比較すると、クロストーク成分Aの割合が増加し、実距離成分Bの割合が低下していることがわかる。
そこで、本実施形態では、制御部41が、測距センサ124を用いて距離Lを算出するときに、取得した検知距離成分分布(ヒストグラム)において、(クロストーク成分A+実距離成分B)に対する実距離成分Bの比(B/(A+B))も算出する。
そして、制御部41は、算出された実距離成分比(B/(A+B))の値に応じて、それぞれ異なる処理を実行する。
具体的には、実距離成分比が0.5よりも大きい場合には、測距センサ124は汚れておらず、測定距離Lは正確であると判定する。また、実距離成分比が0.1以上0.5以下の場合には、測距センサ124が汚れていると判定する。測距センサ124が汚れていると判定された場合のその後の処理については、第1の実施形態と同様の方法で、使用者に通知すればよい。
また、実距離成分比が0.1未満の場合には、使用者が測距センサ124の下面に触れている状態であると考えられる。そのため、制御部41は、使用者が測距センサ124のお手入れ中(清掃中)であると判定する。
(まとめ)
本発明の一局面は、加湿機(例えば、加湿空気清浄機1)に関する。この加湿機は、貯水容器(例えば、貯水トレイ20)と、前記貯水容器内の水を空気中へ放出させる加湿機構(例えば、加湿フィルタ21)と、前記貯水容器の水位を検知する測距センサ(例えば、測距センサ24)と、前記測距センサによって検知された水位から決定された前記貯水容器の単位時間当たりの水位低下量が所定値未満の場合に、前記測距センサに異常があると判定する制御部(例えば、制御部41)とを備えている。
上記の本発明の一局面にかかる加湿機において、前記制御部は、前記加湿機が加湿運転中に、前記測距センサの異常の有無の判定を行ってもよい。
上記の本発明の一局面にかかる加湿機において、前記所定値は、前記加湿運転中の前記貯水容器の単位時間当たりの水位低下量の予測値であってもよい。
また、上記の本発明の一局面にかかる加湿機において、前記制御部は、前記測距センサによって検知された水位の単位時間当たりの変化(例えば、cmで得られる)と、前記貯水容器の寸法とに基づいて、前記貯水容器の単位時間当たりの水位低下量(例えば、mlまたはcm3で得られる)を算出してもよい。これにより、単位mlまたはcm3で得られる単位時間当たりの水位低下量の予測値との比較を、容易かつ正確に行うことができる。
上記の本発明の一局面にかかる加湿機において、低温かつ高湿度状態では、前記制御部は、前記測距センサが検知した水位の低下量に基づく前記測距センサの異常の有無の判定を行わないようにしてもよい。
上記の本発明の一局面にかかる加湿機において、前記測距センサの異常は、例えば、前記測距センサの汚れ(例えば、水垢の付着など)である。汚れ以外の測距センサの異常としては、例えば、測距センサのパネル部の破損(例えば、ひび割れ、変形など)、異物(例えば、虫など)の張り付きなどが挙げられる。
また、本発明のもう一つの局面にかかる加湿機(例えば、第3の実施形態にかかる加湿空気清浄機1)は、貯水容器(例えば、貯水トレイ20)と、前記貯水容器内の水を空気中へ放出させる加湿機構(例えば、加湿フィルタ21)と、前記貯水容器の水位を検知する測距センサ(例えば、測距センサ124)と、前記測距センサで前記貯水容器の水位を複数回測定し、測定データに対する有効距離データの割合が0.5以下の場合に、前記測距センサに異常があると判定する制御部(例えば、制御部41)とを備えている。なお、上記の本発明の一局面にかかる加湿機と同様に、前記測距センサの異常は、例えば、前記測距センサの汚れである。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。また、本明細書で説明した異なる実施形態の構成を互いに組み合わせて得られる構成についても、本発明の範疇に含まれる。