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JP7117814B2 - インダイレクトスポット溶接用のアース電極 - Google Patents
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JP7117814B2 - インダイレクトスポット溶接用のアース電極 - Google Patents

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Description

本発明は、インダイレクトスポット溶接用のアース電極に関する。
自動車の組立工程では、金属板からなる複数の部品をスポット溶接によって接合することにより、車体が組み立てられる。スポット溶接としては、複数の金属板を一対の電極で挟み込んで通電するダイレクトスポット溶接が多く用いられる。しかし、部品の形状によっては、複数の金属板を一対の電極で挟み込むことができず、ダイレクトスポット溶接を適用できる部位に制約がある。また車体の組み立て工程において使用されるスポット溶接として、一対の電極を複数の金属板に一方側から押し当てて通電することにより、2箇所を同時に溶接するシリーズスポット溶接が存在する。しかしこのシリーズスポット溶接に関しても、隣接した2点の溶接点が必要となるため、溶接できる場所に制約がある。
そこで、上記のような制約を受けないスポット溶接として、インダイレクトスポット溶接がある。インダイレクトスポット溶接では、複数の金属板の接合予定部を一方側から溶接電極で加圧すると共に、接合予定部と異なる部位にアース電極を当接させた状態で、両電極間に通電することによって溶接する。このようなインダイレクトスポット溶接では、適用する部位の構造的制約が少なく、設計の自由度を拡大することができる。
インダイレクトスポット溶接では、アース電極に過大な電流密度の電流が流れるのを防止するために、アース電極をより広い範囲で被溶接部材に当接させることが必要である。しかし、アース電極を例えば板材によって構成すると、剛体同士の当接によって、被溶接部材とアース電極とが点接触してしまい、局所的に大きな電流が流れて、アース電極の破損、被溶接部材の割れや溶け落ちの原因となってしまうという問題があった。
このような問題に対して、例えば特許文献1のインダイレクト溶接用の導通電極では、導電素線を編んでなるシート材を、被溶接部材との当接部に設けている。このシート材の可撓性により、被溶接部材とシート材とが多数の箇所で当接できるため、局所的に大きな電流が流れることを防止できる。
実開昭62-142481号公報
特許文献1のように銅線を編み込んで形成された電極により、過大な電流密度の電流が流れることを防止できた場合でも、溶接時の加圧通電によって銅線が高温になることで、銅線が溶融したり焼き切れたりする等、アース電極が破損するおそれがある。
このような事情から、本発明では、広い当接範囲を確保でき、かつ、溶接時の過熱や加圧による破損を抑制できるインダイレクトスポット溶接用のアース電極を提供することを課題とする。
上記の課題を解決するため、本発明は、導電性の線状体を編み込んでなる第一部分および第二部分を有する筒状の編成体と、板状の中間部材と、を備えたインダイレクトスポット溶接用のアース電極であって、前記中間部材は、前記第一部分と前記第二部分との間に介挿され、前記第一部分の前記中間部材側とは反対側が、被当接部材の被当接部に当接する当接部であることを特徴とする。
本発明によれば、編成体を複数層で構成することにより、一層の場合と比較して、強度的に有利になる。また、編成体の層同士の間に中間部材を介挿することにより、編成体の過熱を防止できる。これにより、アース電極の破損を抑制することができる。
上記のアース電極として、中間部材を導電性の板状部材とすることができる。これにより、編成体と中間部材とを複数箇所で接触させて編成体内における通電経路を増やし、編成体内における導電性を向上させることができる。これにより、編成体内に蓄積される熱量を低減し、編成体の過熱を防止できる。
本発明によれば、編成体を複数層で構成し、編成体の層同士の間に中間部材を介挿することにより、編成体の過熱を防止し、アース電極の破損を抑制することができる。
複数の金属板からなる部品に対してインダイレクトスポット溶接を施す様子を示す断面図である。 本実施形態のアース電極の当接部を示す平面図である。 図2のA-A断面図である。 溶接後の被溶接部材を示す断面図である。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
本実施形態では、自動車の車体の組立工程において行われるインダイレクトスポット溶接方法を示す。具体的には、例えば図1に示すような車体の骨格部品(被溶接部材)50を溶接する場合を示す。この骨格部品50は、図1の紙面直交方向に延びるフレーム状の部品である。骨格部品50は、略平板状を成した第1の金属板1と、断面ハット形状を成した第2の金属板2と、第1の金属板1と第2の金属板2とで構成される中空部に配された断面ハット形状を成した第3の金属板3とで構成される。
第1の金属板1と第2の金属板2のフランジ部2aとは、ダイレクトスポット溶接によって予め溶接された既溶接点Q1を介して、接合されている。第2の金属板2の底部2bと第3の金属板3のフランジ部3aとは、ダイレクトスポット溶接によって予め溶接された既溶接点Q2を介して、接合されている。
第3の金属板3の天板部3bと第1の金属板1とが、本発明の一実施形態に係るインダイレクトスポット溶接方法により接合される。具体的には、第1の金属板1と第3の金属板3の天板部3bとの接合予定部Pを、厚さ方向一方側(図中上側)から溶接電極10で加圧すると共に、骨格部品50の接合予定部Pと異なる部位である被当接部位Rに、アース電極30を当接させた状態で、両電極10,30間に通電することにより、接合予定部Pを溶接する。図示例では、第2の金属板2の底部2bに下方からアース電極30を当接させている。アース電極30は、導電性の保持部材20の先端に保持されている。
このインダイレクトスポット溶接方法は、上記の溶接電極10及びアース電極30を有するインダイレクトスポット溶接装置と、インダイレクトスポット溶接装置に接続され、溶接電極10の加圧力及び両電極10,30間の電流値を制御する制御装置とを備えた設備で行われる。インダイレクトスポット溶接装置は、溶接電極10を軸線方向に駆動して金属板を加圧する加圧手段を備える。加圧手段としては、エアシリンダや電動シリンダを使用することができ、本実施形態ではエアシリンダが使用される。
次に、アース電極30について、より詳細な構成を、図2および図3を用いて説明する。
図2および図3に示すように、アース電極30は、編成体31と、中間部材としての銅板32とを有する。
編成体31は、導電性の線状体である銅線40を平編みして形成され、複数層を有する構成をしている。より詳細には、本実施形態の編成体31は、筒状に形成され、上層部31aと下層部31bとを有する二層構成をしている。上層部31aの上部側は、骨格部品50の被当接部位R(図1参照)に当接する当接部である。
銅板32は、上層部31aと下層部31bとの間に介挿され、編成体31の長手方向(図2の左右方向)に亘って設けられる板状部材である。
本実施形態のアース電極30の製造方法の一例を以下に説明する。
まず、市販の平編み銅線を手でほぐす等して銅線40を軟化させることで、編成体31を形成する。そして、この編成体31の内部に、銅板32を介挿することで、本実施形態のアース電極30を形成することができる。そして、アース電極30を適宜の方法により、保持部材20に固定する。
シート状の銅板32を上層部31aと下層部31bとの間に介挿することにより、銅板32と編成体31の各層とを、多数の箇所で当接させることができる。これにより、溶接時にアース電極30内での通電経路を増やしてアース電極30から保持部材20の側への熱伝導を促進させることができ、編成体31内部に蓄積される熱量を軽減し、編成体31の冷却効果を得ることができる。また、編成体31は上記のように弾性変形しやすい構成をしているが、定形の銅板32を編成体31の層同士の間に介挿することにより、アース電極30を一定の形状に保つことができる。これにより、被当接部位Rとの当接面積を一定の範囲内に制御することができ、溶接時の電流密度を一定の範囲内で安定させることができる。さらに、銅板32を編成体31の層同士の間に介挿するためには、上層部31aと下層部31bとの間に、銅板32の厚み程度の隙間を設ける必要がある。つまり、この隙間ができる程度まで平編み銅線をほぐすことになり、平編み銅線をほぐす作業の目安にできると共に、銅線を一定の水準以上まで確実に軟化させることができる。
編成体31を、被当接部位R(図1参照)に対して当接させることにより、アース電極30を、被当接部位Rに対して多数の箇所で当接させることができる。つまり、銅線40を編み込んで編成体31を形成することにより、編成体31に弾性を持たせることができる。これにより、アース電極30が被当接部位Rに当接した際に、上層部31aが受ける面圧により、上層部31aが被当接部位Rの被当接面に倣うようにして弾性変形し、編成体31を構成する複数の銅線40を、被当接部位Rに当接させることができる。つまり、アース電極30を、被当接部位Rに対して多数の箇所で当接させ、実質的にアース電極30を被当接部位Rに対して面接触させることができる。特に本実施形態では、市販の平編み銅線をほぐして銅線40を軟化させる作業により、編成体31をより弾性変形しやすくすることができ、被当接部位Rとの当接箇所を増やすことができる。
例えば、本発明と異なり、アース電極30の被当接部位Rに対する当接部が、剛体や単に銅線40を並列して面状に配置したような構成、つまり、ほとんど弾性変形しない構成の場合、被当接部材である第2の金属板2も剛体であるため、アース電極30と第2の金属板2が、局所的に当接する。このように、アース電極側で被当接部位Rとの当接面積が小さいと、溶接時に過大な電流密度の電流が流れることになり、アース電極30の割れや溶融などの破損を生じてしまう。また、被溶接部材、つまり、骨格部品50を構成する第2の金属板2等に関しても、溶け落ちや割れ等が生じる等、溶接の品質が不安定になってしまう。これに対して本実施形態では、上記のように、編成体31を弾性変形可能とすることで、アース電極30と第2の金属板2との当接範囲を拡大し、過大な電流密度の電流が流れることを防止できる。従って、溶接の品質を安定させ、アース電極の破損を抑制できる。
本実施形態のインダイレクトスポット溶接の結果、つまり、アース電極30を被当接部位Rに当接させ、溶接電極10に加圧通電して、接合予定部Pを溶接した場合の溶接後の断面の一例を、図4に示す。
図4に示すように、溶接対象となる第1の金属板1と天板部3bとに跨った、十分な大きさのナゲットNを形成し、第1の金属板1と天板部3bとを溶接することができる。この際、本実施形態のアース電極30を用いることにより、特にアース側での電流の流れや電流密度が安定し、被溶接部材の溶け落ちやアース電極の破損を生じることがない。
なお、被当接部位Rを、本実施形態のように、既溶接点Q2に対応する位置、つまり板合わせ部分に設けることで、被当接部位Rを骨格部品50の熱容量の大きい位置に設定することができ、アース電極30や被当接部位Rの過熱をより確実に抑制できる。
また、編成体31を複数層の構成とすることで、一層の構成よりも柔軟性および耐久性を向上させることができると共に、複数層の間に銅板32を介挿する隙間を設けることができる。
中間部材としては、本実施形態と異なり、絶縁性の部材を用いることもできる。ただし、絶縁性の部材を用いる場合、編成体31内で、中間部材を介して通電させることができなくなるため、電流密度が過大にならない場合にのみ、絶縁部材を用いることができる。例えば、図3に示すように、本実施形態の編成体31では、銅板32を絶縁部材に置き換えた場合、銅板32を避けて、編成体31の上層部31aと下層部31bとをつなぐ、部分31cを介して、上層部31aから下層部31bへ電流が流れることになり、電流密度が過大になるおそれがある。このため、中間部材として絶縁部材を用いる場合には、部分的に導電性部材を配して別の電流経路を設ける等する必要がある。中間部材として絶縁部材を用いることで、より冷却効果の高い部材を選定する等、中間部材の材料選択の幅が広がる。例えば、冷却水を内部に流したゴムチューブを中間部材とし、編成体31の冷却効果を得ることができる。
中間部材として、本実施形態のように導電性の部材を用いる場合には、熱伝導性が編成体31と同程度か、それ以上の部材を用いることが好ましい。本実施形態では、金属板、特に銅板を用いている。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変更を加え得ることは勿論である。
以上の実施形態では、編成体として線状体を平編みしたものを示したが、これに限らず、編成体に適度な弾性を持たせることができる編み方であればよい。例えば、ゴム編みやパール編み等、適宜の編み方で線条体を編み込んで、編成体を形成することができる。また、線状体としては銅線に限らず、導電性で適度な弾性および強度を得られる部材を適宜選択することができる。
1 第1の金属板
2 第2の金属板
3 第3の金属板
3a フランジ部
3b 天板部
10 溶接電極
20 保持部材
30 アース電極
31 編成体
31a 上層部
31b 下層部
32 銅板(中間部材)
40 銅線(導電性の線状体)
50 骨格部品(被溶接部材)
P 接合予定部
R 被当接部位
N ナゲット

Claims (1)

  1. 導電性の線状体を編み込んでなる第一部分および第二部分を有する筒状の編成体と、
    板状の中間部材と、を備えたインダイレクトスポット溶接用のアース電極であって、
    前記中間部材は、前記第一部分と前記第二部分との間に介挿され、
    前記第一部分の前記中間部材側とは反対側が、被当接部材の被当接部位に当接する当接部であることを特徴とするインダイレクトスポット溶接用のアース電極。
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