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JP7119349B2 - 判定装置,判定プログラム,判定方法 - Google Patents
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Description

本発明は、スパース構造モデルに基づいて対象データの状態を判定する装置,プログラム,方法に関する。
従来、動的に変化する多変量データ(時系列データ)の解析手法の一つとして、各変数の組み合わせからなるベクトルに基づいて多変量データの状態を判定する手法が知られている。例えば、学習用の多変量データからその特徴量を要素とした特徴ベクトルを抽出することで正常モデルを作成しておき、これを用いて多変量データの状態判定を実施する技術が知られている。また、対象装置の稼働状態に応じて複数の動作モードを設定し、動作モード毎に正常モデルを作成することも知られている(例えば特許文献1参照)。なお、複数の動作モードの設定に際し、データの分布状態の偏りに基づいてクラスタリングを実施する技術も知られている(例えば特許文献2参照)。
一方、多変量データに含まれる変数同士の相関は、外乱に対して脆弱であることが多い。そのため、上記のような特徴ベクトルに基づく判定手法では、特徴量自体に雑音成分(ノイズ)が混入し、異常の兆候を精度よく把握できないことがある。そこで、多変量データの中から変数同士の本質的な繋がりのみをスパース構造として抽出し、その構造変化に基づいて多変量データの状態を判定する手法が提案されている。例えば、多変量データの各々についての相関係数を算出し、それらの相関係数を要素とする分散共分散行列(単に共分散行列とも呼ばれる)のうち不要な成分(低相関を示す成分)をゼロにしたもの(スパース化された分散共分散行列)を用いて、状態の異常度を判定する技術が知られている(例えば非特許文献1,特許文献1参照)。
特開2011-070635号公報 特開2016-224915号公報 特開2010-078467号公報 Tsuyoshi Ide et al.(井出剛ほか),"Proximity-Based Anormaly Detection using Sparse Structure Learning",The Society for Industrial and Applied Mathematics (SIAM),Proceedings of the 2009 SIAM International Conference on Data Mining,2009,ISBN: 978-0-89871-682-5
スパース構造の変化に基づく状態判定は、単峰性の高い多変量データ(単峰の分布を有する多変量データ)に対して良好な精度を提供しうる。しかしながら、多峰性の高い多変量データ(多峰の分布を有する多変量データ)を取り扱う場合には、変数同士の相関関係の崩れを精度よく把握できない場合がある。例えば、油圧ドリフターによる岩盤掘削作業で取得される多変量データを解析対象とする場合には、岩盤の種類や岩質によって変数同士の相関関係のパターンが変化する。この事実は、変数同士の相関関係の変動が、油圧ドリフターの異常だけでなく岩質の変化にも由来しうることを意味する。そのため、本来は正常であるはずの相関関係が「異常な状態」と誤判定されることがあり、対象データの状態の判定精度を向上させることが難しい。また、組立工場での部材組立作業に対しても、例えばコネクタ嵌合作業で取得される多変量データを解析対象とする場合には、コネクタのピン数や大きさ、コネクタを差し込む方向によって変数同士の相関関係のパターンが変化する。そのため、本来は正常であるはずの相関関係が「異常な状態」と誤判定されることがあり、対象データの状態の判定制度を向上させることが難しい。
一つの側面では、対象データの状態の判定精度を向上させることを目的とする。
一つの実施形態では、学習段階において複数のセンサーで得られた時系列の学習データからスパース構造モデルを生成し、運用段階において前記複数のセンサーで得られる時系列の対象データと前記スパース構造モデルとに基づいて前記対象データの状態を判定する判定装置が開示される。この判定装置は、前記学習段階で前記学習データを複数の正常モードに相当する複数の集合にクラスタリングするクラスタリング部を備える。また、前記複数の集合のそれぞれに含まれる前記学習データにおけるパラメータ間の関係をマルコフ確率場で表した前記スパース構造モデルを前記集合毎に作成するモデル作成部を備える。また、前記運用段階で前記複数の集合のうち前記対象データの比較対象となる対象集合を推定するものであって、前記対象データが取得されるたびに、前記クラスタリング部でクラスタリングされた前記複数の集合のうちどの集合を前記対象集合として用いて状態判定を実施するのが適切であるかを選択条件に従って推定するクラスタ判定部を備える。また、前記対象集合についての前記スパース構造モデルに対する前記対象データの構造変化量に基づき前記対象データの状態を判定するものであって、前記構造変化量が大きいほど前記対象データの異常度が高いと判定する状態判定部を備え、前記選択条件が、前記複数の集合のうち、前記対象データからその集合の重心位置までの距離が最小になるものを前記対象集合として選択することである。
一つの側面では、対象データの状態の判定精度を向上させることができる。
判定装置のハードウェア構成を示すブロック図である。 複数のセンサーで得られる時系列データを例示するグラフである。 判定プログラムの機能的構成を示すブロック図である。 (A)~(D)はクラスタリング手法(DP-means法)を説明するための模式図である。 (A),(B)はクラスタリング結果を示す模式図である。 センサー値同士の相関関係の可視化例であり、(A)はスパース化されていないグラフィカルモデル、(B)~(D)はスパース化されたグラフィカルモデル(スパース構造モデル)に対応する。 学習段階における制御内容を例示するフローチャートである。 運用段階における制御内容を例示するフローチャートである。
以下、図面を参照して、実施形態としての判定装置,判定プログラム,判定方法を説明する。これらの判定装置,判定プログラム,判定方法は、複数のセンサーで得られた時系列の多変量データに基づいて判定対象の状態が正常であるか異常であるかを検知する機能を提供する。また、状態の判定プロセスには、学習段階と運用段階との二段階が含まれる。学習段階とは、大多数が正常とみなされる多変量データを用いて判定用のスパース構造モデルを作成する段階である。一方、運用段階とは、正常であるか異常であるかが不明な多変量データの状態を、学習段階で作成されたスパース構造モデルを用いて判定する段階である。
なお、スパース構造モデルとは、多変量データの中から変数同士の本質的な繋がりのみを抽出してなる構造を持ったモデルを意味する。すなわち、全ての変数同士が何らかの相関関係で繋がっているものとみなされる「密な構造」ではない構造であって、弱い相関関係を省略しつつ強い相関関係のみを残した結果として得られる「疎な構造」である。換言すれば、スパース構造モデルとは、行列表現された相関関係(例えば、多変量データの分散共分散行列に対する精度行列)において、ほとんどの成分が0の疎行列(スパース行列)であるような構造を持ったモデルである。
本実施形態で説明される判定装置,判定プログラム,判定方法は、学習段階において複数のセンサーで得られた時系列の学習データからスパース構造モデルを生成し、運用段階において複数のセンサーで得られる時系列の対象データとスパース構造モデルとに基づいて対象データの状態を判定する。また、本実施形態で判定対象となる装置は、複数のセンサーが取り付けられた産業機械,建設機械,工事車両,自動機(工作機械)などである。ここでいう複数のセンサーのそれぞれは、時系列のデータを取得可能である。スパース構造モデルの作成や状態の判定には、所定の期間内に複数のセンサーで検出された多数のデータが用いられる。
[1.ハードウェア構成]
図1は、実施形態としての判定装置11のハードウェア構成を例示するブロック図である。この判定装置11は、様々な装置に対する異常を検知するものである。例えば、岩盤掘削作業における油圧ドリフターは、さまざまな岩質の岩盤をドリルで穿孔する機能を持つ。判定装置11には、複数のセンサーと出力装置15とが接続される。センサーの具体例としては、岩盤掘削作業用の油圧ドリフターの場合を例として取り上げれば、フィード圧(穿孔ロッドを岩盤に押し付ける推力)を検出するフィード圧センサー12,打撃圧(穿孔ロッドの打撃作動油圧)を検出する打撃圧センサー13,回転圧(穿孔ロッドの回転作動油圧)を検出する回転圧センサー14などが挙げられる。
他の図示しないセンサー例としては、穿孔速度(単位時間あたりの穿孔量)を検出する穿孔速度センサー,穿孔ロッドの回転速度を検出する回転速度センサー,フラッシング圧(穿孔ロッドの先端から噴射される圧縮空気の圧力)を検出するフラッシング圧センサー,作業時間や連続稼働時間を計測する時間センサー,作動油温を検出する油温センサーなどが挙げられる。岩盤掘削作業以外には、産業用ロボットによる組立作業にも適用できる。例えば、コネクタ嵌合作業をセンシングするための力覚センサー、圧力センサー、近接センサー、触覚センサー、カメラなどの視覚センサーなどが挙げられる。これらのセンサーで検出された時系列のデータは判定装置11に伝達される。また、出力装置15は、判定結果を出力するための装置であり、例えばディスプレイ装置,スピーカー装置,プリンター装置などである。センサー12~14及び出力装置15の接続形態は任意であり、有線接続であってもよいし無線接続であってもよい。
判定装置11の内部には、プロセッサ21(中央処理装置),メモリ22(主記憶装置,メインメモリ),補助記憶装置23,インタフェース装置24,記録媒体ドライブ25が内蔵され、内部バス26を介して互いに通信可能に接続される。プロセッサ21は、制御ユニット(制御回路)や演算ユニット(演算回路),キャッシュメモリ(レジスタ群)などを内蔵する汎用のCPU(Central Processing Unit)やDSP(Digital Signal Processor)である。メモリ22は、プログラムや作業中のデータが格納される記憶装置であり、ROM(Read Only Memory),RAM(Random Access Memory)などがこれに含まれる。
補助記憶装置23は、メモリ22よりも長期的に保持されるデータやファームウェアが格納される記憶装置であり、フラッシュメモリやEEPROM(Electrically Erasable Programmable Read-Only Memory)などの不揮発性メモリがこれに含まれる。インタフェース装置24は、判定装置11とその外部との間の入出力(Input and Output;I/O)を司るものである。記録媒体ドライブ25は、光ディスクや半導体メモリ(Universal Serial Bus規格に準拠したポータブルフラッシュドライブ)などの記録媒体16に記録,保存された情報を読み取る機能を持った読取装置(又は読取・書込装置)である。
図2は、センサー12~14を含む各種センサーで検出された時系列データの経時変動を例示するグラフである。各々のセンサー値は、油圧ドリフターの作動状態に応じて大きく変化し、センサー値同士の相関関係も変化しうる。そのため、個々のセンサー値を要素とした特徴ベクトルに基づく状態判定をしたのでは、良好な判定精度が期待できない。一方、本実施形態では各々のセンサー値同士の相関関係をスパース構造として抽出し、その構造変化に基づいて油圧ドリフターの作動状態が正常であるか異常であるかを判定する。また、センサー値同士の相関関係が単一であるとは限らないことから、あらかじめ複数のスパース構造を抽出しておき、それらの中から適切なものを択一的に選択した上で作動状態を判定する。これらの機能は、以下に説明する判定プログラム17に記述された処理をコンピュータ(例えばプロセッサ21)に実行させることによって実現される。
[2.ソフトウェア構成]
図3は、判定装置11で実行される判定プログラム17の機能的構成を示すブロック図である。この判定プログラム17は、メモリ22内や補助記憶装置23の内部に記録,保存される。あるいは、記録媒体16上に判定プログラム17が記録,保存され、その記録媒体16に書き込まれている判定プログラム17が記録媒体ドライブ25を介して判定装置11に読み込まれて実行される。
判定プログラム17で実現される機能は、事前に状態判定用のモデルを作成する機能と、そのモデルを用いて状態判定を実施する機能とに大別される。図3中の学習部1が前者の機能を提供し、運用部7が後者の機能を提供する。学習部1は、学習段階において、複数のセンサー12~14で得られた時系列データからスパース構造モデルを生成する機能を持つ。一方、運用部7は、運用段階において複数のセンサー12~14で得られる時系列データとスパース構造モデルとに基づいて対象データの状態を判定する機能を持つ。
以下、複数のセンサー12~14で得られた時系列データのうち、学習段階でスパース構造モデルを作成するのに用いられるデータのことを「学習データ」と呼ぶ。また、学習段階でスパース構造モデルが作成された後に、判定用のしきい値を設定するために用いられるデータのことを「テストデータ」と呼ぶ。一方、運用段階での状態判定に用いられるデータのことを「対象データ」と呼び、学習データ,テストデータと区別して取り扱う。
学習部1には、統計モデル推定部2と異常度設定部5としきい値設定部6とが設けられる。統計モデル推定部2は、センサー12~14で取得された学習データを用いて、正常な状態に対応する統計モデル(スパース構造モデル)を作成するものである。この統計モデル推定部2には、クラスタリング部3とモデル作成部4とが設けられる。また、運用部7には、クラスタ判定部8,異常度算出部9,状態判定部10が設けられる。
クラスタリング部3は、学習段階で学習データを複数の正常モードに相当する複数の集合(クラスタ)にクラスタリングする機能を持つ。ここでは、同一時刻に検出された複数のセンサー値を要素として含むベクトルを一個の点データとみなして、複数の点データの分布状態に基づいてクラスタが分類される。具体的なクラスタリングの手法は任意に選択可能であり、例えばk-means法やファジーc-means法,スペクトラルクラスタリング法などを用いることができる。
本実施形態の学習部1は、DP-means法を用いて学習データをクラスタリングする。DP-means法とは、ディリクレ過程(Dirichlet Process)混合モデルに基づいてk-means法を拡張したクラスタリング手法である。k-means法ではクラスタリングに先立ってクラスタ数が指定されるのに対し、DP-means法ではクラスタ数を増加させるための基準値λ(粒度パラメータ)が指定される。
例えば、図4(A)に示すように、ある一つの学習データと各クラスタとの距離d(クラスタの重心位置までの距離)が計算され、最も距離dの小さいクラスタ(最近傍クラスタ)までの距離dと基準値λとが比較される。ここで、距離dが基準値λ以上である場合には、図4(B)に示すように、その学習データを含む新たなクラスタが生成される。反対に、距離dが基準値λ未満であれば、図4(C)に示すように、その学習データが最近傍クラスタに含まれるべきものと判断される。この場合、図4(D)に示すように、最近傍クラスタの重心位置が再計算される。
このような計算を繰り返すことで、クラスタ数が未知であっても、図5(A)に示すように適切なクラスタ数を自動的に推定しながらクラスタリングを実施することができる。ここで推定されるクラスタ数は、基準値λが小さいほど増加し、基準値λが大きいほど減少する。なお、図4,図5に示すグラフでは、学習データの次元数が三次元となっているが、実際の学習データは判定装置11に入力されるセンサー値の種類数に相当する次元を持つ。
DP-means法では、ノンパラメトリックベイス法での分散相当のパラメータを0に漸近させることによってハードクラスタリングが実現され、k-means法アルゴリズムにおけるクラスタ数にペナルティ項が付いた以下の目的関数が得られる(式1参照)。なお、DP-means法のより詳細な適用手法については、公知の文献を参照することができる(例えば、特開2016-224915号公報や、Brian Kulis and Michael I. Jordan,Revisiting k-means: New Algorithms via Bayesian Nonparametrics,Proceedings of the 29 th International Conference on Machine Learning (ICML-12),2012,p.513-520などを参照)。
Figure 0007119349000001
クラスタリング部3でクラスタリングされたそれぞれのクラスタは、そのクラスタに含まれる学習データが異なる岩質(粘土層,砂層,砂利層,硬い層,軟らかい層など)に対応するものであることを意味する。したがって、油圧ドリフターで掘削された岩質の種類が増加するほど、クラスタ数が増加するものと予想される。一方、本実施形態のクラスタリングは「教師なし学習」であり、岩質を明示的に指定する必要はなく、自動的に岩質の違いがクラスタリング中に識別されることになる。つまり、各々のクラスタに含まれる学習データがどのような岩質に対応するデータであるのかを事前に確認する必要はなく、図5(B)に示すように、各クラスタを単に第一正常モードや第二正常モードなどと呼称することができる。
モデル作成部4は、クラスタリング部3でクラスタリングされた複数の集合のそれぞれ(各クラスタ)について、各クラスタに含まれる学習データに基づいてスパース構造モデルを作成するものである。ここでは、学習データにおけるパラメータ間の関係をマルコフ確率場(MRF;Markov Random Field)で表したスパース構造モデルがクラスタ毎に生成される。マルコフ確率場とは、確率変数を表す複数のノード間を、確率変数間の依存関係を表すノードで接続してなるネットワーク状のグラフィカルモデルを意味する。具体的なスパース構造モデルは任意に選択可能であり、例えばイジングモデル(Ising Model)やポッツモデル(Potts Model)などを用いることができる。本実施形態のモデル作成部4は、ガウシアングラフィカルモデル(GGM;Gaussian Graphical Model)を用いる。
モデル作成部4は、クラスタリング部3で生成されたクラスタのそれぞれに対して、各クラスタに含まれる学習データの分散共分散行列Σpを計算する。分散共分散行列Σpに含まれる各要素の値は、二つの学習データ間における相関の度合いに相当する。なお、センサー値の種類数(学習データの次元数)が6個である場合の分散共分散行列Σpを以下に例示する(式2参照)。
Figure 0007119349000002
この分散共分散行列Σpで表現されるセンサー値同士の相関関係を可視化する場合、各センサー値を頂点に対応させ、分散共分散行列Σpの各要素の値を辺に対応させてグラフ化することが考えられる。一方、実務上はノイズの影響により、複数のセンサー値同士の相関が全く検知されないことは稀である。したがってその全体構造は、図6(A)に示すように、各々のセンサー値が他のセンサー値のそれぞれに対して何らかの相関を持つような形状となりやすく、センサー値の数が増加するほどその構造が複雑化する。
一方、モデル作成部4は、ガウシアングラフィカルモデルを用いて、センサー値同士の本質的な繋がりのみをスパース構造として抽出するための処理を実施する。すなわち、分散共分散行列Σpに正規分布モデルを当てはめ、尤度関数に正則化項を付加したものを算出し(式3参照)、分散共分散行列Σpに対する最尤推定を実施する。このようなパラメータ最適化を実施することにより、各クラスタDp(pはクラスタ番号)における学習データの相関構造を表す統計モデル
Figure 0007119349000003
がスパース化され、クラスタDp毎のスパース構造モデルが作成される。なお、統計モデル
Figure 0007119349000004
の表現での
Figure 0007119349000005
は省略されることがあり、
Figure 0007119349000006
として表現することもあるが、同一の表現である。
Figure 0007119349000007
スパース化された構造(スパース構造モデル)のグラフを、図6(B)~(D)に例示する。これらの構造は、ノイズの影響による弱い相関が除去された構造であって、本質的な繋がり(相関関係)のみが抽出された構造といえる。なお、ガウシアングラフィカルモデルを用いたスパース構造モデルのより詳細な作成手法については、公知の文献を参照することができる(例えば、前述の非特許文献1を参照)。
異常度設定部5は、統計モデル推定部2で作成されたスパース構造モデルからの「ずれ」の度合いを評価するための異常スコア値(異常度)を設定するものである。ここでは、クラスタcにおいて与えられるテストデータのデータベクトルxkにおけるm番目の要素(センサー値)の異常スコア値sc k,mが、以下の式4に示すように、条件付き確率p(xk,m|xk,Dp)の自然対数(逆符号)で定義される。
Figure 0007119349000008
しきい値設定部6は、異常度設定部5で定義された異常スコア値sc k,mに基づき、スパース構造が大きく相違する(すなわち、状態が異常である)といえるか否かを判断するためのしきい値thcを設定するものである。ここでは、クラスタリング部3で用いられたものとは別の学習データ(テストデータ)に基づいてしきい値thcが設定される。ここで、センサー値の種類数をaとし、テストデータをjcとし、テストデータ数をMcとする。また、クラスタcに対するテストデータjcの異常スコア値sc k,mをセンサー値毎に算出し、全てのセンサー値についての異常スコア値sc k,mを合計したものを「総和Sc jc」として算出する。さらにしきい値設定部6は、以下の式5に示すように、クラスタcに対する異常スコア値sc k,mの総和Sc jcの最大値を、しきい値thcとして設定する。
Figure 0007119349000009
クラスタ判定部8は、運用段階において、対象データの比較対象となるクラスタ(対象集合)を推定するものである。ここでは、一つの対象データが取得されるたびに、クラスタリング部3でクラスタリングされた複数のクラスタ中からどのクラスタを用いて状態判定を実施するのが適切であるかが推定され、一つのクラスタが「対象クラスタ」として選択される。対象クラスタの選択条件には、好ましくは対象データと各クラスタとの距離d(クラスタの重心位置までの距離)に関する条件が含まれ、例えば距離dが最小となるクラスタが選択される。ただし、距離dの条件は必須ではない。例えば、距離dの大小に関わらず、前回までの演算周期での選択結果(履歴)を考慮した上で、今回の演算周期における対象クラスタを選択してもよい。
異常度算出部9は、クラスタ判定部8で選択された対象クラスタに対する対象データの異常スコア値(異常度)を算出するものである。ここでは、異常度設定部5と同様の手法に基づいて対象データの異常スコア値が算出されるとともに、その総和Skpが算出される。本実施形態の異常度算出部9は、以下の式6に示すように、対象データ(ベクトル)xkにおける条件付き確率p(xk,m|xk,Dp)の自然対数(逆符号)の和を総和Skpとして算出する。この総和Skpは、対象クラスタについてのスパース構造モデルに対する対象データの構造変化量に相当する。
Figure 0007119349000010
状態判定部10は、異常度算出部9で算出された総和Skpに基づいて対象データの状態を判定するものである。ここでは、クラスタ判定部8で選択された対象クラスタに関するしきい値thcと総和Skpとの比較により、対象データの状態が正常であるか否かが判定される。本実施形態の状態判定部10は、総和Skpがしきい値thc以下である場合に「正常」と判定し、総和Skpがしきい値thcよりも大きい場合に「異常」と判定する。
前述の通り、総和Skpは対象データの構造変化量に相当するものであることから、ここでは対象データの構造変化量の大小が判定されていることになる。例えば、学習段階で生成されたスパース構造モデルが図6(B)に示す構造であるとして、運用段階で取得された対象データから算出されるスパース構造モデルが図6(C)や図6(D)に示す構造に変化すると、その構造変化によって総和Skpが増大する。したがって、総和Skpがしきい値thcを超えたことを以て、スパース構造が大きく変化したものとみなすことができ、油圧ドリフターの作動状態に何らかの異常が発生したと判断することができる。
[3.フローチャート]
[3-1.学習段階]
図7は、本実施形態の判定方法(学習段階)を説明するためのフローチャートである。このフローの内容は、おもに学習部1で実施される制御内容に対応する。学習段階では、所定期間内にセンサー12~14などで検出されたセンサー値が学習データxiとして取得される(ステップA1)。各学習データxiはセンサー値を要素としたベクトルである。また、添字iはセンサー値の検出時刻に対応する序数であり、i=1~L(学習データxiの数がL個)である。
続いて、DP-means法によるクラスタリングが実施され、学習データxiが複数のクラスタに分類される(ステップA2)。DP-means法を用いることで、学習データxiのクラスタ数が自動的に推定され、図5(A),(B)に示すような複数のクラスタが生成される。その後、クラスタ毎に分散共分散行列Σpが作成される(ステップA3)。これにより、センサー値同士の相関関係が、クラスタ毎に分類された上で把握されることになる。
また、前ステップで作成された分散共分散行列Σpに基づき、クラスタ毎にスパース構造モデルp(x|Dp)が作成される(ステップA4)。ここでは、クラスタ毎に異なる形状のスパース構造が設定されうる。例えば、図5(B)中に示す第一正常モードのスパース構造が図6(B)の形状であるとき、第二正常モードや第三正常モードのスパース構造も同一になるとは限らず、図6(C)や図6(D)などの形状になりうる。つまり、センサー値同士の相関関係が、クラスタ単位で把握されることになる。
上記の工程により各クラスタのスパース構造モデルが作成されると、学習データxiとは異なるテストデータxjが取得される(ステップA5)。各テストデータxjはセンサー値を要素としたベクトルである。また、添字jはセンサー値の検出時刻に対応する序数であり、j=1~M(学習データxjの数がM個)である。続いて、学習データxiと同様にテストデータxjが複数のクラスタに分類される(ステップA6)。
また、クラスタ毎,センサー毎に異常スコア値sjpが算出されるとともに(ステップA7)、それぞれのクラスタについて、各クラスタcにおける異常スコア値sjpの総和Sc jpが算出される(ステップA8)。ここで算出される総和Sc jpには、そのクラスターcに属するテストデータxjの各要素についての異常スコア値sjp(全センサーの異常スコア値sjp)が含まれる。その後、異常スコア値sjpの総和Sc jpの最大値が算出され、そのクラスタcにおけるしきい値thcとして設定される(ステップA9)。ここで算出されたしきい値thcは、運用段階における対象データの状態判定に用いられる。
[3-2.運用段階]
図8は、本実施形態の判定方法(運用段階)を説明するためのフローチャートである。このフローの内容は、おもに運用部7で実施される制御内容に対応する。運用段階において対象データxkの取得が開始されると、判定作業時間を計測するためのタイマーに相当する変数kがk=0に設定される(ステップB1)。また、変数kが所定値T未満であることを条件として(ステップB2)、センサー12~14などで検出されたセンサー値が対象データxkとして取得される(ステップB3)。
その後、対象データxkの比較対象となる対象クラスタが選択され(ステップB4)、選択されたクラスタcでセンサー毎に異常スコア値skpが算出されるとともに(ステップB5)、その総和Sc kpが算出される(ステップB6)。この総和Sc kpは、対象クラスタについてのスパース構造モデルに対する対象データの構造変化量に相当する。変数kにk+1が代入された後(ステップB7)、総和Sc kpがしきい値thcを超えるか否かが判定される(ステップB8)。
ここで、Sc kp>thcである場合には、対象データの構造変化量が比較的大きいものと判断されて、対象データの状態(あるいは油圧ドリフターの作動状態)が「異常」であると判定される(ステップB9)。この判定結果は、判定装置11から出力装置15へと伝達され、例えばディスプレイ装置,スピーカー装置,プリンター装置などからその旨の情報が出力される。一方、Sc kp≦thcである場合には、対象データの構造変化量が比較的小さいものと判断されて、ステップB2に進む。このような判定は、変数kが所定値T以上になるまで(例えば所定時間が経過するまで)継続される。
[4.作用,効果]
(1)本実施形態では、学習段階において複数の正常モードに相当するクラスター毎に学習データが分離され、それぞれのクラスターに含まれる学習データのスパース構造モデルが作成される。一方、運用段階では、対象データの比較対象となるクラスターがどれであるかが推定され、そのクラスターのスパース構造モデルに対する対象データの構造変化量に基づいて状態判定が実施される。このような制御構成により、例えば図5(B)に示すように、複数の正常モードを含むような作業の状態を精度よく判定することができる。つまり、分布に多峰性を持つ対象データの状態を精度よく把握することができ、状態の判定精度を向上させることができる。
(2)本実施形態では、DP-means法を用いて学習データがクラスタリングされる。これにより、正常モードの数が不明な場合(すなわち、クラスタ数が未知)であっても、適切なクラスタ数を自動的に推定しながらクラスタリングを実施することができる。したがって、学習段階の作業性を向上させることができるとともに、学習にかかる時間を短縮することができる。
(3)本実施形態では、ガウシアングラフィカルモデルを用いてスパース構造モデルが作成される。これにより、例えば図2に示すように、時系列データの経時変動が大きい学習データの分布を精度よくモデル化することができ、状態の判定精度を向上させることができる。また、学習データの次元数(要素数,センサー値の種類数)の大小に関わらず解析的な取扱いが可能であるというメリットがある。
(4)本実施形態では、それぞれのクラスタに対して固有のしきい値thcが設定される。つまり、対象データの構造変化量に基づく状態判定に際し、「異常である」と判断するための構造変化量の大きさをクラスタ毎に相違させることができる。例えば、粘土層の掘削時には砂層の掘削時よりもフィード圧と打撃圧との相関が弱まるような特性が存在したとしても、そのような特性を考慮したしきい値thcの設定が可能となる。したがって、複数の正常モードを含むような作業の状態判定精度をさらに向上させることができる。
(5)本実施形態では、構造変化量に相当する値として、条件付き確率p(xk,m|xk,Dp)の自然対数の総和Skpが用いられる。これにより、センサー値全体についての相関関係の変化を精度よく把握することができ、状態の判定精度をさらに向上させることができる。
[5.変形例]
本実施形態はあくまでも例示に過ぎず、上記の実施形態で明示しない種々の変形や技術の適用を排除する意図はない。すなわち、上記の実施形態をその趣旨を逸脱しない範囲で種々変形して(例えば、実施形態や変形例を組み合わせることによって)実施することが可能である。
例えば、油圧ドリフターが取り付けられた工事車両に上記の判定装置11を内蔵させ、工事車両のオペレータ(作業者)に対して判定結果をリアルタイムに報告するような制御構成とすることが考えられる。この場合、油圧ドリフターの作動状態の異常を迅速に発見することができるとともに、迅速な点検整備をオペレータに促すことができ、工事作業性を改善することができる。
また、油圧ドリフターを搭載した無人作業車で掘削作業を実施する場合には、監理技術者の常駐する監理棟に判定装置11を設置し、無線通信でセンサー12~14の検出情報を取得するような制御構成とすることが考えられる。この場合、掘削作業位置に関する視覚情報(例えば、掘削位置の土壌,岩盤を撮影するカメラ情報)に依存することなく、油圧ドリフターの作動状態を精度よく把握することができ、工事作業性を改善することができる。
あるいは、同種の油圧ドリフターが複数の工事現場で使用されるような場合に、判定装置11を公知のネットワーク(インターネットや携帯電話機用の無線通信網,その他のディジタル無線通信網など)上に配置することが考えられる。センサー12~14の検出情報は、ネットワークを介して判定装置11へ伝達されるものとする。このような構成により、ある油圧ドリフターで作成されたスパース構造モデルを他現場の油圧ドリフターの状態判定に活用することが容易となり、工事作業性をさらに改善することができる。
上述の実施形態では岩盤掘削作業用の油圧ドリフターの異常を検知するための判定装置11を例示したが、状態判定の対象となる装置はこれに限定されない。例えば、トンネル掘削工事,油田掘削工事,建築物の杭工事といった、地盤に対する穿孔作業全般を実施する装置の状態検知,異常検知に利用可能である。また、穿孔作業だけでなく、地盤に対する既成杭やシートパイルの圧入作業を実施する装置の状態検知,異常検知に利用することも可能である。
また、各種製品の組み立て作業を実施する産業用ロボットや工作機械への適用も可能である。例えば、ネジ止め作業時に作業機械に作用するトルクや力,作動量などを複数のセンサーで検出し、時系列の多変量データとして取り扱うことが考えられる。この場合ネジ止め位置やネジの種類,ネジ止め対象となる部品の材質,場所,径などに応じてデータ同士の相関関係が変動し、複数の正常モードが想定されうる。したがって、上述の実施形態と同様の制御を実施することで、同様の作用効果を獲得しうる。また、コネクタ嵌合作業時に作用するトルクや力,作業量などを複数のセンサーで検出し、時系列の多変量データとして取り扱うことも考えられる。
なお、上述の実施形態では、対象データの総和Skpがしきい値thcを越えたことを以て「異常」と判定する制御構成について詳述したが、このような二値的な状態判定に代えて、総和Skpが大きいほど「異常度が高い」と判定するような制御構成としてもよい。例えば、総和Skpがしきい値thcに等しい状態を「異常の疑いが100%の状態」とし、しきい値thcに対する総和Skpの百分率を「異常の疑いの度合い」として定義する。このような判定を実施することで、対象データの状態をより詳細に把握することが可能となり、状態の判定精度を向上させることができる。
[6.付記]
上記の変形例を含む実施形態に関し、以下の付記を開示する。
(判定装置:付記1~付記5)
(付記1)
学習段階において、複数のセンサーで得られた時系列の学習データを複数の正常モードに相当する複数の集合にクラスタリングするクラスタリング部と、
前記複数の集合のそれぞれに含まれる前記学習データにおけるパラメータ間の関係をマルコフ確率場で表したスパース構造モデルを前記集合毎に作成するモデル作成部と、
運用段階において、前記複数の集合のうち前記複数のセンサーで得られる時系列の対象データの比較対象となる対象集合を推定するクラスタ判定部と、
前記対象集合についての前記スパース構造モデルに対する前記対象データの構造変化量に基づき前記対象データの状態を判定する状態判定部と、を備える
ことを特徴とする、判定装置。
(付記2)
前記クラスタリング部が、DP-means法を用いて前記学習データをクラスタリングする
ことを特徴とする、付記1記載の判定装置。
(付記3)
前記モデル作成部が、ガウシアングラフィカルモデルを用いて前記スパース構造モデルを作成する
ことを特徴とする、付記1または2記載の判定装置。
(付記4)
前記複数の集合のそれぞれについて、前記構造変化量のしきい値を個別に設定するしきい値設定部を備える
ことを特徴とする、付記1~3のいずれか1項に記載の判定装置。
(付記5)
前記構造変化量に相当する値として、前記対象集合に対する前記対象データの条件付き確率の自然対数の総和を算出する異常度算出部を備える
ことを特徴とする、付記1~4のいずれか1項に記載の判定装置。
(判定プログラム:付記6~付記10)
(付記6)
学習段階において複数のセンサーで得られた時系列の学習データからスパース構造モデルを生成し、運用段階において前記複数のセンサーで得られる時系列の対象データと前記スパース構造モデルとに基づいて前記対象データの状態を判定する判定プログラムであって、
前記学習段階で前記学習データを複数の正常モードに相当する複数の集合にクラスタリングし、
前記複数の集合のそれぞれに含まれる前記学習データにおけるパラメータ間の関係をマルコフ確率場で表した前記スパース構造モデルを前記集合毎に作成し、
前記運用段階で前記複数の集合のうち前記対象データの比較対象となる対象集合を推定し、
前記対象集合についての前記スパース構造モデルに対する前記対象データの構造変化量に基づき前記対象データの状態を判定する
処理をコンピュータに実行させる、判定プログラム。
(付記7)
DP-means法を用いて前記学習データをクラスタリングする
処理をコンピュータに実行させる、付記6記載の判定プログラム。
(付記8)
ガウシアングラフィカルモデルを用いて前記スパース構造モデルを作成する
処理をコンピュータに実行させる、付記6または7記載の判定プログラム。
(付記9)
前記複数の集合のそれぞれについて、前記構造変化量のしきい値を個別に設定する
処理をコンピュータに実行させる、付記6~8のいずれか1項に記載の判定プログラム。
(付記10)
前記構造変化量に相当する値として、前記対象集合に対する前記対象データの条件付き確率の自然対数の総和を算出する
処理をコンピュータに実行させる、付記6~9のいずれか1項に記載の判定プログラム。
(判定方法:付記11~付記15)
(付記11)
学習段階において複数のセンサーで得られた時系列の学習データからスパース構造モデルを生成し、運用段階において前記複数のセンサーで得られる時系列の対象データと前記スパース構造モデルとに基づいて前記対象データの状態を判定する判定方法であって、
前記学習段階で前記学習データを複数の正常モードに相当する複数の集合にクラスタリングし、
前記複数の集合のそれぞれに含まれる前記学習データにおけるパラメータ間の関係をマルコフ確率場で表した前記スパース構造モデルを前記集合毎に作成し、
前記運用段階で前記複数の集合のうち前記対象データの比較対象となる対象集合を推定し、
前記対象集合についての前記スパース構造モデルに対する前記対象データの構造変化量に基づき前記対象データの状態を判定する
ことを特徴とする、判定方法。
(付記12)
DP-means法を用いて前記学習データをクラスタリングする
ことを特徴とする、付記11記載の判定方法。
(付記13)
ガウシアングラフィカルモデルを用いて前記スパース構造モデルを作成する
ことを特徴とする、付記11または12記載の判定方法。
(付記14)
前記複数の集合のそれぞれについて、前記構造変化量のしきい値を個別に設定する
ことを特徴とする、付記11~13のいずれか1項に記載の判定方法。
(付記15)
前記構造変化量に相当する値として、前記対象集合に対する前記対象データの条件付き確率の自然対数の総和を算出する
ことを特徴とする、付記11~14のいずれか1項に記載の判定方法。
(補足)
付記1記載の判定装置において、前記状態判定部は、前記構造変化量が大きいほど前記対象データの異常度が高いと判定することが好ましい。
付記2記載の判定装置において、前記クラスタリング部は、前記学習データと最近傍クラスタとの距離が基準値未満である場合に当該学習データを前記最近傍クラスタに分類し、前記距離が前記基準値以上である場合に当該学習データを含む新たなクラスタを生成することが好ましい。
付記3記載の判定装置において、前記モデル作成部は、前記学習データの分散共分散行列に正規分布モデルを当てはめ、尤度関数に正則化項を付加したものを算出し、前記分散共分散行列に対する最尤推定を実施することで前記スパース構造モデルを作成することが好ましい。
付記4記載の判定装置において、前記状態判定部は、前記構造変化量が前記対象集合の前記しきい値を超えた場合に、前記対象データが異常であると判定することが好ましい。
付記5記載の判定装置において、前記異常度算出部は、以下の式に基づいて前記総和を算出することが好ましい。
Figure 0007119349000011
1 学習部
2 統計モデル推定部
3 クラスタリング部
4 モデル作成部
5 異常度設定部
6 しきい値設定部
7 運用部
8 クラスタ判定部
9 異常度算出部
10 状態判定部
11 判定装置
12 フィード圧センサー
13 打撃圧センサー
14 回転圧センサー
15 出力装置
16 記録媒体
17 判定プログラム

Claims (7)

  1. 学習段階において複数のセンサーで得られた時系列の学習データからスパース構造モデルを生成し、運用段階において前記複数のセンサーで得られる時系列の対象データと前記スパース構造モデルとに基づいて前記対象データの状態を判定する判定装置であって、
    前記学習段階で前記学習データを複数の正常モードに相当する複数の集合にクラスタリングするクラスタリング部と、
    前記複数の集合のそれぞれに含まれる前記学習データにおけるパラメータ間の関係をマルコフ確率場で表した前記スパース構造モデルを前記集合毎に作成するモデル作成部と、
    前記運用段階で前記複数の集合のうち前記対象データの比較対象となる対象集合を推定するものであって、前記対象データが取得されるたびに、前記クラスタリング部でクラスタリングされた前記複数の集合のうちどの集合を前記対象集合として用いて状態判定を実施するのが適切であるかを選択条件に従って推定するクラスタ判定部と、
    前記対象集合についての前記スパース構造モデルに対する前記対象データの構造変化量に基づき前記対象データの状態を判定するものであって、前記構造変化量が大きいほど前記対象データの異常度が高いと判定する状態判定部と、を備え
    前記選択条件が、前記複数の集合のうち、前記対象データからその集合の重心位置までの距離が最小になるものを前記対象集合として選択することであ
    ことを特徴とする、判定装置。
  2. 前記クラスタリング部が、DP-means法を用いて前記学習データをクラスタリングする
    ことを特徴とする、請求項1記載の判定装置。
  3. 前記モデル作成部が、ガウシアングラフィカルモデルを用いて前記スパース構造モデルを作成する
    ことを特徴とする、請求項1または2記載の判定装置。
  4. 前記複数の集合のそれぞれについて、前記構造変化量のしきい値を個別に設定するしきい値設定部を備える
    ことを特徴とする、請求項1~3のいずれか1項に記載の判定装置。
  5. 前記構造変化量に相当する値として、前記対象集合に対する前記対象データの条件付き確率の自然対数の総和を算出する異常度算出部を備える
    ことを特徴とする、請求項1~4のいずれか1項に記載の判定装置。
  6. 学習段階において複数のセンサーで得られた時系列の学習データからスパース構造モデルを生成し、運用段階において前記複数のセンサーで得られる時系列の対象データと前記スパース構造モデルとに基づいて前記対象データの状態を判定する判定プログラムであって、
    前記学習段階で前記学習データを複数の正常モードに相当する複数の集合にクラスタリングし、
    前記複数の集合のそれぞれに含まれる前記学習データにおけるパラメータ間の関係をマルコフ確率場で表した前記スパース構造モデルを前記集合毎に作成し、
    前記運用段階で前記複数の集合のうち前記対象データの比較対象となる対象集合を推定すべく、前記対象データが取得されるたびに、クラスタリングされた前記複数の集合のうちどの集合を前記対象集合として用いて状態判定を実施するのが適切であるかを選択条件に従って推定し、
    前記対象集合についての前記スパース構造モデルに対する前記対象データの構造変化量に基づき前記対象データの状態を判定すべく前記構造変化量が大きいほど前記対象データの異常度が高いと判定する
    処理をコンピュータに実行させ
    前記選択条件が、前記複数の集合のうち、前記対象データからその集合の重心位置までの距離が最小になるものを前記対象集合として選択することである、判定プログラム。
  7. 学習段階において複数のセンサーで得られた時系列の学習データからスパース構造モデルを生成し、運用段階において前記複数のセンサーで得られる時系列の対象データと前記スパース構造モデルとに基づいて前記対象データの状態を判定する判定方法であって、
    前記学習段階で前記学習データを複数の正常モードに相当する複数の集合にクラスタリングし、
    前記複数の集合のそれぞれに含まれる前記学習データにおけるパラメータ間の関係をマルコフ確率場で表した前記スパース構造モデルを前記集合毎に作成し、
    前記運用段階で前記複数の集合のうち前記対象データの比較対象となる対象集合を推定すべく、前記対象データが取得されるたびに、クラスタリングされた前記複数の集合のうちどの集合を前記対象集合として用いて状態判定を実施するのが適切であるかを選択条件に従って推定し、
    前記対象集合についての前記スパース構造モデルに対する前記対象データの構造変化量に基づき前記対象データの状態を判定すべく前記構造変化量が大きいほど前記対象データの異常度が高いと判定し、
    前記選択条件が、前記複数の集合のうち、前記対象データからその集合の重心位置までの距離が最小になるものを前記対象集合として選択することであ
    ことを特徴とする、判定方法。
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