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JP7119966B2 - フォークリフト - Google Patents
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Description

本発明は、フォークリフトに関する。
フォークリフトによる荷役作業では、荷物は、フォークの上に載置された状態、又は、フォークが差し込まれたパレットの上に載置された状態で、目的の場所へ移動させられる。
このとき、フォークの上に載置された荷物又はフォークが差し込まれたパレットに振動や衝撃が加わると、荷崩れが起きる場合がある。そこで、荷崩れを抑制する種々の方法が開示されている。
例えば、特許文献1に荷崩れ防止装置が開示されている。特許文献1の荷崩れ防止装置は、荷役機械(例えば、フォークリフト)の振動や衝撃を検知するための加速度センサと、加速度センサが検知した加速度値を予め設定された閾値と比較する処理装置と、処理装置で加速度値が閾値を超えたときに警報を発生する警報発生手段又は荷役機械の速度を制御する速度制御手段とを備えている。
特許文献1に記載の荷崩れ防止装置では、加速度センサは、荷物に加わる振動や衝撃が検知し易い場所、例えば、フォークリフトのマストにおける上端部等に設けられ、フォーク昇降時の振動や衝撃を加速度値として検知することができる。
特許文献1に記載の荷崩れ防止装置は、加速度センサにより検出された加速度値が閾値を超えると、処理装置から警報発生手段に信号が送られ、ブザーの鳴動、パイロットランプの点灯、モニターへの表示等の警報が発せられ、運転者に荷崩れ等が発生する可能性があることを知らせる。このような警報によって、運転者は、減速したりして荷崩れ等の発生を回避するための回避運転を行い、荷崩れを防止することができる。
特開2007-290817号公報
特許文献1に記載の荷崩れ防止装置は、載置された荷物又はパレットにおける振動や衝撃による加速度値を検出し、その加速度値が閾値を超えた場合、荷崩れ等が発生する可能性がある、と判定している。また、判定用の閾値は、荷役機械の種類、積荷の種類や形態、重量等に応じて、予め行った実験に基づいて設定され、実際に荷崩れが発生する加速度値に比べて充分に余裕をもった低い値として、50~80%程度の値に設定される、と記載されている。つまり、荷崩れが発生する荷役作業スピードに対して、荷役作業スピードを50~80%以下に抑えることになるので、荷役作業の作業効率を低下させてしまう。また、荷役機械の種類、積荷の種類や形態、重量等、それぞれの場合に応じて判定用の閾値を設定しているので、各閾値を決定するために非常に手間がかかるとともに、例えば荷物の種類や重量が変わる毎に判定用の閾値の変更をしなければならず、非常に手間がかかる。
本発明は、このような点に鑑みて創案されたものであり、フォークに載置した荷物の荷崩れを手間なく容易に抑制することができるとともに荷役作業の作業効率の低下をより抑制することができるフォークリフトを提供することを課題とする。
上記課題を解決するため、第1の発明は、車体と、前記車体を走行させる走行装置と、フォークを昇降する荷役装置と、前記走行装置と前記荷役装置を制御する制御装置と、前記フォークに載置された荷物の滑りを検出する荷滑り検出手段と、荷滑り抑制手段と、を有し、前記制御装置は、前記荷滑り検出手段を用いて前記フォークに対する荷物の滑りを検出し、前記荷滑り検出手段によって荷物の滑りを検出した場合に、荷物の滑りを抑制する前記荷滑り抑制手段を作動させる、フォークリフトである。
本発明の第2の発明は、上記第1の発明に係るフォークリフトであって、前記フォークは、荷物を載置する載置部と、前記荷役装置に対して支持される被支持部と、を有し、前記荷滑り検出手段は、前記被支持部から前記荷役装置に対して前記フォークリフトの走行時の加減速時に加えられる力を検出可能な力検出手段であり、前記制御装置は、前記力検出手段の検出結果に基づいて、前記力の変化率の大きさが所定の値を越えた場合、前記載置部に対する荷物の滑りが発生していると判定する、フォークリフトである。
本発明の第3の発明は、上記第2の発明に係るフォークリフトであって、前記荷役装置は、前記被支持部を支持するフィンガーバーを有するリフトブラケットを備え、前記被支持部は、前記フィンガーバーに支持されており、前記力検出手段は、前記被支持部の前記フォークリフトの後方側を向いている面である支持当接面における前記フィンガーバーに対向している部分に配置されている、フォークリフトである。
本発明の第4の発明は、上記第2又は第3の発明に係るフォークリフトであって、前記荷役装置は、前記被支持部を支持するフィンガーバーを有するリフトブラケットを備え、前記被支持部は、前記フィンガーバーに支持されており、前記力検出手段は、前記被支持部の前記フォークリフトの前方側を向いている面である係止当接面における前記フィンガーバーに対向している部分に配置されている、フォークリフトである。
本発明の第5の発明は、上記第3又は第4の発明に係るフォークリフトであって、前記フィンガーバーは、複数が上下方向に配置されており、前記力検出手段は、前記被支持部を前記リフトブラケットに対して支持している前記フィンガーバーの中で最も下に配置されている前記フィンガーバーに対向している前記被支持部の個所に設けられている、フォークリフトである。
本発明の第6の発明は、上記第1の発明~第5の発明のいずれか1つに係るフォークリフトであって、前記荷役装置は、前記フォークの上下方向の移動を案内するとともに、前記車体に対して前後方向に傾斜させることが可能なマストを有しており、前記荷滑り抑制手段は、走行中の前記車体を慣性走行させる制御、又は、前記車体に対する前記マストの傾斜角度を増加あるいは減少させる制御、の少なくとも一方である、フォークリフトである。
本発明の第7の発明は、上記第1の発明~第6の発明のいずれか1つに係るフォークリフトであって、前記制御装置は、前進方向への走行時において、前記荷滑り抑制手段を作動させる、フォークリフである。
例えばフォークリフトが前進走行の加速中の場合に、フォークに載置された荷物の荷崩れが発生する場合は、以下の順に各現象が発生して荷崩れに至る。まず、フォーク上で静止状態であった荷物は、加速度がある閾値を超えるとフォークに対して滑り始める。フォークに対して荷物が滑り始めた時点では、まだ荷崩れには至っていない。その後、フォークに対して荷物が滑る状態が継続されると、やがて荷崩れに至る。第1の発明によれば、フォークに対する荷物の滑り(滑り始め)を検出することで、荷崩れの予兆を適切に検出し、荷崩れに至る前に荷滑りを抑制することで、荷崩れを抑制することができる。また、実際に発生した荷物の滑りを検出するので、荷役機械の種類、積荷の種類や形態、重量等に応じた閾値の決定や、作業毎に閾値を変更する必要がなく、手間なく容易に荷崩れを抑制することができる。しかも、実際に発生した荷物の滑りを検出して荷物の滑りを抑制するので、作業スピードを必要以上に低下させる必要もない。つまり、荷役作業の作業効率の低下をより抑制することができる。
第2の発明によれば、静止摩擦によってフォークに対して静止状態であった荷物が、静止摩擦が動摩擦に変化してフォークに対して滑り始めた瞬間を、適切に検出することができる。
第3の発明によれば、フォークリフトの前進方向の加速走行又は後進方向の減速走行における力の変化率を適切に検出できる。
第4の発明によれば、フォークリフトの後進方向の加速走行又は前進方向の減速走行における力の変化率を適切に検出できる。
加速時又は減速時にフォークからリフトブラケットに印加される力は、上方のフィンガーバーよりも下方のフィンガーバーのほうに、より多く印加される。第5の発明によれば、力検出手段からの検出信号を、よりS/Nのよい検出信号として取得することができるので、より精度よく、フォークに対する荷物の滑りを検出することができる。
第6の発明によれば、特別な装置を付加することなく、シンプルな構成で荷滑りを抑制できる。
第7の発明によれば、よりシンプルな構成で荷滑りを抑制できる。
本発明の実施の形態に係るフォークリフトの側面図である。 本発明の実施の形態に係るフォークを示す斜視図である。 第1の実施の形態に係るフォークにおける左右一対の力検出手段の配置を示す分解斜視図である。 第1の実施の形態の力検出手段の配置を説明するXZ平面における断面図である。 フォークリフトの制御装置の入出力を説明するブロック図である。 フォークリフトが前進方向へ走行した場合における荷物が載置されたパレットに対する力検出手段の動作を説明する断面図である。 フォークリフトの前進方向への走行中における荷物が載置されたパレットが滑っている場合における力検出手段の動作を説明する断面図である。 フォークリフトの前進方向の加速の大きさに対する力検出手段で検出される力の大きさの関係を説明する図である。 フォークリフトの前進方向の加速走行中における力の変化率の大きさの関係を説明する図である。 フォークリフトの走行速度と力検出手段で検出される力の大きさの関係の例を説明する図である。 第1の実施の形態の荷滑り抑制手段における制御の説明をするフローチャートである。 第2の実施の形態の力検出手段の構成を説明するXZ平面における断面図である。 フォークリフトが後進方向へ走行した場合における荷物が載置されたパレットに対する力検出手段の動作を説明する断面図である。 フォークリフトの後進方向の加速走行中における荷物が載置されたパレットが滑っている場合における力検出手段の動作を説明する断面図である。 第2の実施の形態の荷滑り抑制手段における制御の説明をするフローチャートである。 フォークリフトが前進方向へ走行した場合におけるパレットに載置された荷物に対する力検出手段の動作を説明する断面図である。
以下に本発明を実施するための形態を図面を用いて説明する。なお、図中にX軸、Y軸、Z軸が記載されている場合、各軸は互いに直交している。そして図1では、車体11の後方から前方に向かう方向をX軸方向とし、車体11の下方から上方に向かう方向をZ軸方向と示している。また、X軸方向を“前”、X軸方向の反対方向を“後”とし、Z軸方向を“上”、Z軸方向の反対方向を“下”とする。また、Y軸方向を“左”、Y軸方向の反対方向を“右”とする。
●[本発明の実施の形態に係るフォークリフト10の全体構成(図1、図2)]
図1及び図2を用いて本発明を実施するためのフォークリフト10の全体構成を説明する。図1は、本発明の実施の形態に係るフォークリフト10の側面図である。図2は、本発明の実施の形態に係る左右一対のフォーク30(30R、30L)を示す斜視図である。
図1に示すように、フォークリフト10は、車体11と、車体11の前部にフォーク30を昇降する荷役装置12を備えている。また、フォークリフト10は、車体11の前部に設けられた前輪としての駆動輪14と、車体11の後部に設けられた後輪としての操舵輪15と、運転者が走行の前進後進を切り替える前後進レバー60が備えられている。なお、本実施の形態の説明において、フォークリフト10はエンジンフォークリフトである。
荷役装置12は、アウタマスト18及びインナマスト19を有するマスト20と、リフトブラケット24と、バックレスト28と、フォーク30と、を有している。左右一対のアウタマスト18には、アウタマスト18の内側にて上下にスライド可能なインナマスト19が備えられている。
ティルトシリンダ21は、油圧により作動され、車体11とアウタマスト18との間に設置されている。マスト20は、ティルトシリンダ21の作動により下端部を支点として前後方向に傾斜させられる。マスト20には油圧により作動するリフトシリンダ22が設けられ、リフトシリンダ22の作動により、インナマスト19は、アウタマスト18内で上下にスライドされ昇降される。これにより、荷役装置12は、フォーク30(30R、30L)を上下方向に移動させ、車体11に対して前後方向に傾斜させることが可能である。
リフトブラケット24は、フォーク30の上に載せた荷物がマスト20の後方に落下するのを防ぐバックレスト28の取り付けが可能である。なお、図2において、バックレスト28の図示は、省略されている。
フォーク30は、リフトブラケット24を介して、マスト20に対して左右一対設けられている。リフトブラケット24は、インナマスト19に対して設けられ、マスト20に対して昇降可能である。なお、左右のフォーク30は、同一の構成であるため、説明の都合上、右のフォーク30をフォーク30Rとし、左のフォーク30をフォーク30Lと表す。
図2に示すように、フォーク30(30R、30L)は、荷物を載置する載置部31と、荷役装置12に対して支持される被支持部33を有し、載置部31と被支持部33が一体形成されることで略L字型に形成されている。
リフトブラケット24は、上下方向に配置されて被支持部33を支持する上下一対のフィンガーバー(第1フィンガーバー25、第2フィンガーバー26)と、上下一対のフィンガーバーの左右方向の両方の端部をそれぞれ連結する連結部材27と、を有している。第1フィンガーバー25は、上側のフィンガーバーであり、第2フィンガーバー26は、下側のフィンガーバーである。
図2に示すように、荷役作業において、例えば、荷物LDは、パレットPTを介して、フォーク30(30R、30L)の載置部31の載置部上面34に載置される。
●[荷役装置における力検出手段58FR、58FLの配置及び機能(図3、図4)]
図3は、第1の実施の形態に係るフォーク30(30R、30L)における左右一対の力検出手段58FR、58FLの配置を示す分解斜視図である。図4は、第1の実施の形態の力検出手段58FR、58FLの配置を説明するXZ平面における断面図である。
フォークリフト10(図1参照)には、力検出手段58FR、58FLが設けられている。力検出手段58FR、58FLは、被支持部33から荷役装置12(図1参照)に対してフォークリフト10の走行時に加えられる力を検出でき、フォーク30(30R、30L)に載置された荷物の滑りを検出する荷滑り検出手段である。
図3に示すように、被支持部33は、上側に上フック42が、下側に下フック43が、それぞれ設けられている。上フック42と下フック43は、被支持部33に対して、成形されて一体的に設けられても、別部材を溶接等で一体的に設けられても良い。被支持部33は、上フック42により第1フィンガーバー25に、下フック43により第2フィンガーバー26にそれぞれ係止される。
図4に示すように、力検出手段58FR、58FLは、フォーク30(30R、30L)の被支持部33のうち、フォークリフト10の後方側を向いている面である被支持部背面33a(支持当接面に相当)において、被支持部33を支持している、第2フィンガーバー26に対向する部分に配置されている。また、力検出手段58FR、58FLは、被支持部33をリフトブラケット24に対して支持しているフィンガーバーの中で最も下に配置されている、第2フィンガーバー26に対向している被支持部33に設けられている。
また、力検出手段58FR、58FLは、力を検出する面である力検出面58Faと第2フィンガーバー26の前向きの面である第2フィンガーバー正面26aとが対向するように隙間を有して、設けられている。なお、力検出手段58FR、58FLは、例えば、印加された力を圧力として検出する圧力センサである。圧力センサは、例えば、圧電素子等であり、圧力が加えられる方向の歪みを電圧へ変換する。
図4で示すように、フォークリフトの荷役作業において、荷物LDがパレットPTを介して載置部31に載置される場合、荷物LDの下面である下面LDaとパレットPTのデッキボードの上面であるデッキボード上面PTbとが接触し、パレットPTのデッキボードの下面であるデッキボード下面PTaと載置部31の上面である載置部上面34とが接触する。
●[フォークリフト10の制御装置50の入出力(図5)]
図5は、フォークリフト10(図1参照)の制御装置50の入出力を説明するブロック図である。
制御装置50は、走行装置52Aと、油圧ポンプ52Bと、バルブ52Cと、を制御する。制御装置50は、力検出手段58FR、58FLと、前後進レバー60と、からの検出信号が入力される。また、制御装置50は、油圧ポンプ52Bとバルブ52Cを制御することで、ティルトシリンダ21とリフトシリンダ22を駆動し、荷役装置12を制御する。なお、点線で示された力検出手段58BR、58BLは、後述する第2の実施の形態のフォークリフトにおいて使用される。
制御装置50は、記憶手段50aと、荷滑り抑制手段56と、を備えている。記憶手段50aは、力検出手段58FR、58FL、58BR、58BLにより検出された力の大きさを記憶し、力の変化率に対し荷物が滑っていると判定する閾値を記憶している。なお、荷滑り抑制手段56Aは、後述する第2の実施の形態のフォークリフトにおいて使用される。
走行装置52Aは、前輪である駆動輪14(図1参照)を制御するとともに、動作状態(回転数等)を制御装置50に出力する。荷滑り抑制手段56は、荷滑り検出手段によって荷物の滑りが検出された場合に、荷物の滑りを抑制する。
●[第1の実施の形態のフォークリフトにおける荷滑り抑制手段56の制御(図6~図11)]
図6は、フォークリフト10(図1参照)が前進方向へ走行した場合における荷物LDが載置されたパレットPTに対する力検出手段58FR、58FL(荷滑り検出手段)の動作を説明する断面図である(図1参照)。図7は、フォークリフト10の前進方向への走行中における荷物LDが載置されたパレットPTが滑っている場合における力検出手段58FR、58FLの動作を説明する断面図である。
図6において、フォークリフト10(図1参照)が前進方向へ走行した場合、車体11に前進方向の加速の大きさAf1が加えられると、下面LDaとデッキボード上面PTbとの間と、デッキボード下面PTaと載置部上面34との間に、前進方向の加速の大きさAf1に応じた摩擦力が生じる。なお、説明の都合上、下面LDaとデッキボード上面PTbとの間の摩擦力が、デッキボード下面PTaと載置部上面34との間の摩擦力よりも十分大きい場合について説明する。つまり、前進方向の加速の大きさAf1の変化に対して、荷物LDは、パレットPT上において滑ることがなく、荷物LDが載置されたパレットPTが載置部31上を滑る場合について説明する。
フォークリフト10が前進方向へ走行し前進方向の加速の大きさAf1が生じると、パレットPTには、パレットPTを後方へ移動させようとする慣性力Rf1と、これに抗してデッキボード下面PTaと載置部上面34との間に摩擦力である静止摩擦力Fr1が生じる。慣性力Rf1が静止摩擦力Fr1の最大(最大静止摩擦力)より小さい場合は、パレットPTは、載置部31に対して滑らず静止する。
しかし、フォーク30(30R、30L)は、リフトブラケット24に対して固定されていないため、前進方向の加速の大きさAf1による慣性力により後方へ向かって移動され、力検出面58Faが第2フィンガーバー正面26aと接触する。この場合、力検出手段58FL、58FRのそれぞれには、静止摩擦力Fr1に応じた力である力FfR1、FfL1がそれぞれの力検出面58Faに加えられる。
図7において、フォークリフト10が前進方向へさらに加速し、車体11に前進方向の加速の大きさAf1(図6参照)より大きな前進方向の加速の大きさAf2が加えられると、慣性力Rf2は、静止摩擦力Fr1(図6参照)の最大(最大静止摩擦力)を越える。この場合、静止していたパレットPTは(二点鎖線で示された位置)、載置部31上を滑り始め後方向に移動させられる(実線で示された位置)。
パレットPTが滑り始めると、デッキボード下面PTaと載置部上面34との間の摩擦力は、静止摩擦力Fr1から動摩擦力Fr2へ変わる。動摩擦力Fr2の大きさは、静止摩擦力Fr1の大きさより小さくなる。この場合、力検出手段58FL、58FRのそれぞれには、動摩擦力Fr2に応じた力FfR2、FfL2がそれぞれの力検出面58Faに加えられる。
図8は、フォークリフト10の前進方向の加速の大きさAfに対する力検出手段58FL、58FRで検出される力の大きさの関係を説明する図である。図9は、フォークリフト10の前進方向の加速走行中における力の変化率Rの大きさの関係を説明する図である。なお、力の変化率Rとは、微小な単位時間あたりにおける力の変化量のことである。
図8において、領域S1は、図6における慣性力Rf1が静止摩擦力Fr1の最大(最大静止摩擦力)より小さく、パレットPTが載置部31に対し滑らず静止しており、力Ff(FfR1、FfL1)が前進方向の加速の大きさAfに比例して大きくなる状態を表している領域である。
領域S1において、力Ff(FfR1、FfL1)は、静止摩擦力Fr1を示すため、慣性力Rf1を生じる前進方向の加速の大きさAfに比例して増大する。図9で示すように、領域S1において、例えば、図8に示すように力Ff(FfR1、FfL1)が一定に変化する場合、力の変化率Rは力の変化率R1で一定となる。
図8において、領域S2は、図7における慣性力Rf2が最大静止摩擦力より大きくなり、静止していたパレットPTが載置部31に対し動摩擦力Fr2で滑り始めており、力Ff(FfR1、FfL1)の前進方向の加速の大きさAfに対する変化の状態を表している領域である。
領域S1において、前進方向の加速の大きさAfが大きくなり、慣性力Rf1による摩擦力が最大静止摩擦力(力Ffxに相当する摩擦力)を超えると、静止していたパレットPTは、載置部31に対し滑り始める。これにより、摩擦力は、最大静止摩擦力(力Ffxに相当する摩擦力)から動摩擦力Fr2(力Ffmに相当する摩擦力)に変わる。
図9で示すように、領域S2において力Ff(FfR1、FfL1)が力Ffxから力Ffmに変化するため、力の変化率Rは(力Ffm-力Ffx)/(前進方向の加速の大きさAfの変化量)となる。その後、力Ffは、力Ffmとなり一定になるため、力の変化率Rは、0になる。制御装置50(図5参照)は、力の変化率Rが所定の値Rthを超えた場合、静止状態であった荷物が荷滑りを起こしていると判定する。所定の値Rthは、予め実験等で求めた荷物が滑り始める瞬間における力の変化率であり、記憶手段50aに記憶されている。
図10において、領域A1、A5は、フォークリフト10が前進方向の走行において加速している期間である。領域A2、A4は、フォークリフト10が前進方向の走行において一定の速度で走行している期間である。また、領域A3は、フォークリフト10が前進方向の走行において減速している期間である。上図において、フォークリフト10は、走行速度V1まで加速し、走行速度V2まで減速し、さらに走行速度V3まで加速している。
また、図10の下図は、各領域(領域A1~A6)における力Ff(FfR1、FfL1)の変化を示している。力Ff(FfR1、FfL1)は、領域A1において力Ff1まで上昇し、領域A2から領域A4においてフォーク30(30R、30L)等の重量に起因する圧力に応じた力Ff2まで降下し、領域A5において力Ff3(最大静止摩擦力に相当)まで上昇している。領域A1~A5において、力Ffが力Ff3を超えないため、荷物は、荷滑りを起こさない。
●[荷滑り抑制手段56の制御(図11)]
制御装置50(図5参照)の処理手順について、図11のフローチャートを用いて説明する。図11は、第1の実施の形態のフォークリフトの荷滑り抑制手段56(図5参照)における制御の説明をするフローチャートである。なお、制御装置50は、起動された場合、所定時間間隔(例えば約10[ms]間隔)にて、処理を実行する。以下、各ステップについて詳細に説明する。
ステップS10において、制御装置50は、車体11(図1参照)の走行情報を取得し、ステップS20に処理を進める。なお、車体11の走行情報は、走行装置52A(図5参照)の動作状態、前後進レバー60における“前進”又は“後進”の選択情報等である。
ステップS20において、制御装置50は、力検出手段58FR、58FL(荷滑り検出手段)(図5参照)により力FfR、FfLを取得し、ステップS25に処理を進める。
ステップS25において、制御装置50は、タイマー起動後所定時間経過したと判定した場合(Yes)は、ステップS30に処理を進め、タイマー起動後所定時間経過していないと判定した場合(No)は、ステップS90に処理を進める。なお、タイマーは、制御装置50において、荷滑り抑制手段56を所定時間動作させるためのものであり、起動されると予め設定された時間、動作する。
ステップS30において、制御装置50は、フォークリフト10(図1参照)が前進方向へ走行していると判定した場合(Yes)、ステップS40に処理を進め、フォークリフト10が前進方向へ走行してないと判定した場合(No)、ステップS85に処理を進める。なお、制御装置50は、走行装置52Aの動作状態と前後進レバー60における情報に基づいて、フォークリフト10が前進しているか、後進しているかを判定する。
ステップS40において、制御装置50は、フォークリフト10が前進方向への加速中であると判定した場合(Yes)、ステップS50に処理を進め、フォークリフト10が前進方向への加速中でないと判定した場合(No)、ステップS85に処理を進める。なお、制御装置50は、走行装置52Aにおける情報に基づいて、フォークリフト10が加速しているか否かを判定する。
ステップS50において、制御装置50は、記憶手段50aに力FfbR、FfbLが記憶されていると判定した場合(Yes)、ステップS60に処理を進め、記憶手段50a(図5参照)に力FfbR、FfbLが記憶されていないと判定した場合(No)、ステップS85に処理を進める。なお、力FfbR、FfbLは、前回の処理におけるステップS20で取得した力FfR、FfLである。また、力FfbR、FfbLは、フォークリフト10の始動時と前後進レバー60の前後方向の切り替えに際し、初期化される。
ステップS60において、制御装置50は、記憶手段50aにおいて記憶されている力FfbR、FfbLと今回取得した力FfR、FfLに基づいて力の変化率RR((力FfR-力FfbR)/所定時間)、RL((力FfL-力FfbL)/所定時間)を算出し、ステップS70に処理を進める。
ステップS70において、制御装置50は、力の変化率RR、RLのいずれか一方の大きさが所定の値Rthを越えたと判定した場合(Yes)、ステップS80に処理を進め、力の変化率RR、RLの双方の大きさが所定の値を越えていないと判定した場合(No)、ステップS85に処理を進める。なお、所定の値Rthは、予め設定された値であり、記憶手段50aに記憶されている。
ステップS80において、制御装置50は、後述する荷滑り抑制手段56(図5参照)の動作を開始(タイマーを起動し、車体11の加速を停止させ慣性走行へ移行させる)し、ステップS90に処理を進める。
ステップS85において、制御装置50は、荷滑り抑制手段56の動作を解除し、ステップS90に処理を進める。
ステップS90において、制御装置50は、力FfR、FfLのそれぞれを記憶手段50aにそれぞれ力FfbR、FfbLとして記憶し、処理を終了する。
●[荷滑り抑制手段56の動作]
制御装置50(図5参照)は、力の変化率RR、RLのいずれか一方の大きさが所定の値Rthを越えたと判定した場合(図9の領域S2参照)、フォーク30(30R、30L)に載置された荷物LDがフォーク30(30R、30L)に対して滑っていると判定する(図7参照)。これにより、摩擦力が静止摩擦力から動摩擦力へ変わる瞬間を捉えるとにより、フォーク30(30R、30L)に対して荷物LDが滑り始めた瞬間(荷物の荷滑り)を、適切に検出することができる。
制御装置50は、荷物の滑りを検出すると、タイマーを起動し予め設定された所定期間、荷滑り抑制手段56を作動させる。荷滑り抑制手段56は、走行装置52Aを制御し、車体11の加速を停止させ慣性走行へ移行させる(図5参照)。これにより、車体11の加速に伴う慣性力がなくなるため、荷物に加えられている慣性力が減少し摩擦力より小さくなるため、荷物のフォーク等に対する滑りを止め停止させることができる。
図10を用いて、荷滑り抑制手段56(図5参照)の動作を説明する。領域A5において、車体11(図1参照)の加速に伴って力検出手段58FR、58FL(図5参照)により検出される力Ffは増加する。力Ffが力Ff3(最大静止摩擦力に相当)を超える場合、つまり、慣性力が最大静止摩擦力より大きくなると、荷物が滑り出すため、摩擦力は最大静止摩擦力(力Ff3に相当)から動摩擦力(力Ff4に相当)に変わる。
領域A6において、制御装置50(図5参照)は、力Ff3から力Ff4への力の変化率Rが所定の値Rthを超えると、荷物が滑り始めたと判定する。制御装置50は、荷物が滑り始めたと判定すると、荷滑り抑制手段56を作動し、車体11の加速を停止させ走行速度V4Cの慣性走行へ移行させ、荷物に加えられている慣性力を減少させ摩擦力より小さくさせて、荷物の滑りを止め停止させる。力Ff4は、荷物が停止するため静止摩擦力に相当する力であり、走行速度V4Cの慣性走行におけるフォーク等の重量に基づく静止摩擦力である。なお、走行速度V4は、荷滑り抑制手段56による荷滑り抑制手段を作動させない場合の車体11の速度であり、荷物は滑り始め、滑る状態が継続されると、やがて荷崩れに至る。
●[第2の実施のフォークリフトの形態における荷滑り抑制手段の制御(図12~図14)]
図12は、第2の実施の形態のフォークリフトの力検出手段58BL、58BR(荷滑り検出手段)の構成を説明するXZ平面における断面図である。図13は、フォークリフト10(図1参照)が後進方向へ走行した場合における荷物LDが載置されたパレットPTに対する荷滑り検出手段56A(図5参照)の動作を説明する断面図である。
第2の実施の形態に係るフォークリフトは、第1の実施の形態に係るフォークリフトが力検出手段58FR、58FLだけを有しているのに対して、さらに力検出手段58BR、58BLを有し、荷滑り抑制手段56の代わりに荷滑り抑制手段56Aを有している点で相違する(図5参照)。以下、力検出手段58BR、58BL及び荷滑り抑制手段56Aについて詳細に説明する。
図12に示すように、力検出手段58BR、58BLは、被支持部33の下フック43のフォークリフト10の前方側を向いている面である下フック内側面43a(係止当接面に相当)における第2フィンガーバー26に対向している部分に配置されている。また、力検出手段58BR、58BLは、被支持部33をリフトブラケット24に対して支持しているフィンガーバーの中で最も下に配置されている第2フィンガーバー26に対向している被支持部33の個所に設けられている。
力検出手段58BR、58BLは、力を検出する面である力検出面58Baと第2フィンガーバー26の後向きの面である第2フィンガーバー背面26bとが対向するように隙間を有して、設けられている。なお、力検出手段58BR、58BLは、力検出手段58FR、58FLと同様に、印加された力を圧力として検出する圧力センサである。
第2の実施の形態における制御装置50Aは、図5における第1の実施の形態における制御装置50の荷滑り抑制手段56が荷滑り抑制手段56Aである点で相違する。また、制御装置50Aは、実線で示された力検出手段58FR、58FLだけでなく、点線で示された力検出手段58BR、58BLからの検出信号が入力される。
図13において、フォークリフト10(図1参照)が後進方向へ走行した場合、車体11に後進方向の加速の大きさAb1が加えられると、下面LDaとデッキボード上面PTbとの間と、デッキボード下面PTaと載置部上面34との間に、後進方向の加速の大きさAb1に応じた摩擦力が生じる。下面LDaとデッキボード上面PTbとの間の摩擦力が、デッキボード下面PTaと載置部上面34との間の摩擦力よりも十分大きい場合について説明する。つまり、後進方向の加速の大きさAb1の変化に対して、荷物LDは、パレットPT上において滑らず、荷物LDが載置されたパレットPTが載置部31上を滑る場合について説明する。
フォークリフト10が後進方向へ走行し後進方向の加速の大きさAb1が生じると、パレットPTには、パレットPTを前方へ移動させようとする慣性力Rf3と、これに抗してデッキボード下面PTaと載置部上面34との間に摩擦力である静止摩擦力Fr3が生じる。慣性力Rf3が静止摩擦力Fr3の最大(最大静止摩擦力)より小さい場合は、パレットPTは、載置部31に対して滑らず静止される。
しかし、フォーク30a(30aR、30aL)は、リフトブラケット24に対して固定されていないため、後進方向の加速の大きさAb1による慣性力により前方へ向かって移動され、力検出面58Baが第2フィンガーバー背面26bと接触する。この場合、力検出手段58BL、58BRのそれぞれには、静止摩擦力Fr3に応じた力である力FbR1、FbL1がそれぞれの力検出面58Baに加えられる。
図14において、フォークリフト10が後進方向へさらに加速し、車体11に後進方向の加速の大きさAb1(図13参照)より大きな後進方向の加速の大きさAb2が加えられると、慣性力Rf4は、静止摩擦力Fr3の最大(最大静止摩擦力)を越える。この場合、静止していたパレットPTは(二点鎖線で示された位置)、載置部31上を滑り始め前方向に移動させられる(実線で示された位置)。
パレットPTが滑り始めると、デッキボード下面PTaと載置部上面34との間の摩擦力は、静止摩擦力Fr3から動摩擦力Fr4へ変わり、動摩擦力Fr4の大きさは、静止摩擦力Fr3の大きさより小さくなる。
●[荷滑り抑制手段56Aの制御(図15)]
制御装置50A(図5参照)の処理手順について、図15のフローチャートを用いて説明する。図15は、第2の実施の形態のフォークリフトの荷滑り抑制手段56A(図5参照)における制御の説明をするフローチャートである。以下、第1の実施の形態における荷滑り抑制手段56における制御と相違する各ステップについて詳細に説明する。なお、相違する各ステップは、太い実線で表されている。
ステップS20Aにおいて、制御装置50Aは、力検出手段58FR、58FL、58BR、58BL(荷滑り検出手段)により力FfR、FfL、FbR、FbLを取得し、ステップS25に処理を進める。
ステップS40Aにおいて、制御装置50Aは、フォークリフト10(図1参照)が前進方向への減速中であると判定した場合(Yes)、ステップS50Aに処理を進め、フォークリフト10が前進方向への減速中でないと判定した場合(No)、ステップS85Aに処理を進める。なお、制御装置50Aは、走行装置52A(図5参照)における情報に基づいて、フォークリフト10が減速しているか否かを判定する。
ステップS50Aにおいて、制御装置50Aは、記憶手段50aに力FbbR、FbbLが記憶されていると判定した場合(Yes)、ステップS60Aに処理を進め、記憶手段50aに力FbbR、FbbLが記憶されていないと判定した場合(No)、ステップS85Aに処理を進める。なお、力FbbR、FbbLは、前回の処理におけるステップS20で取得した力FbR、FbLである。また、力FfbR、FfbL、FbbR、FbbLは、フォークリフト10の始動時と前後進レバー60の前後方向の切り替えに際し、初期化される。
ステップS60Aにおいて、制御装置50Aは、記憶手段50a(図5参照)において記憶されている力FbbR、FbbLと今回取得した力FbR、FbLに基づいて力の変化率RR((力FbR-力FbbR)/所定時間)、RL((力FbL-力FbbL)/所定時間)を算出し、ステップS70Aに処理を進める。
ステップS70Aにおいて、制御装置50Aは、力の変化率RR、RLのいずれか一方の大きさが所定の値Rthを越えたと判定した場合(Yes)、ステップS80Aに処理を進め、力の変化率RR、RLの双方の大きさが所定の値を越えていないと判定した場合(No)、ステップS85Aに処理を進める。なお、所定の値Rthは、予め設定された値であり、記憶手段50aに記憶されている。
ステップS80Aにおいて、制御装置50Aは、後述する荷滑り抑制手段56A(図5参照)の動作を開始(タイマーを起動し、車体11に対するマスト20の傾斜角度を増加させる(図1参照))し、ステップS90Aに処理を進める。なお、タイマーは、制御装置50Aにおいて、荷滑り抑制手段56Aを所定時間動作させるためのものであり、起動されると予め設定された時間、動作する。なお、本実施形態における傾斜角度とは、鉛直方向とマスト20の延在方向とが成す角度のことである。鉛直方向とマスト20の延在方向とが一致している場合を0度として、傾斜角度を増加させる(図1におけるY軸を中心とする時計回りを正とし、正方向へ傾斜させる)とフォーク30の載置部31の先端部が上昇し、減少させる(負方向へ傾斜させる)と先端部が下降する。本実施形態の傾斜角度は一例であり、適宜変更してよい。
ステップS30Aにおいて、制御装置50Aは、フォークリフト10が後進方向へ走行していると判定した場合(Yes)、ステップS40Bに処理を進め、フォークリフト10が後進方向へ走行してないと判定した場合(No)、ステップS85Aに処理を進める。なお、制御装置50Aは、前後進レバー60(図5参照)における情報に基づいて、フォークリフト10が前進しているか、後進しているかを判定する。
ステップS40Bにおいて、制御装置50Aは、フォークリフト10が後進方向への減速中であると判定した場合(Yes)、ステップS50Bに処理を進め、フォークリフト10が後進方向への減速中でないと判定した場合(No)、ステップS40Cに処理を進める。
ステップS50Bにおいて、制御装置50Aは、記憶手段50aに力FfbR、FfbLが記憶されていると判定した場合(Yes)、ステップS60Bに処理を進め、記憶手段50aに力FfbR、FfbLが記憶されていないと判定した場合(No)、ステップS85Aに処理を進める。
ステップS60Bにおいて、制御装置50Aは、記憶手段50aにおいて記憶されている力FfbR、FfbLと今回取得した力FfR、FfLに基づいて力の変化率RR((力FfR-力FfbR)/所定時間)、RL((力FfL-力FfbL)/所定時間)を算出し、ステップS70Bに処理を進める。
ステップS70Bにおいて、制御装置50Aは、力の変化率RR、RLのいずれか一方の大きさが所定の値Rthを越えたと判定した場合(Yes)、ステップS80Bに処理を進め、力の変化率RR、RLの双方の大きさが所定の値を越えていないと判定した場合(No)、ステップS85Aに処理を進める。
ステップS80Bにおいて、制御装置50Aは、後述する荷滑り抑制手段56Aの動作を開始(タイマーを起動し、車体11に対するマスト20の傾斜角度を増加させる)し、ステップS90Aに処理を進める。
ステップS40Cにおいて、制御装置50Aは、フォークリフト10が後進方向への加速中であると判定した場合(Yes)、ステップS50Cに処理を進め、フォークリフト10が後進方向への加速中でないと判定した場合(No)、ステップS85Aに処理を進める。
ステップS50Cにおいて、制御装置50Aは、記憶手段50aに力FbbR、FbbLが記憶されていると判定した場合(Yes)、ステップS60Cに処理を進め、記憶手段50aに力FbbR、FbbLが記憶されていないと判定した場合(No)、ステップS85Aに処理を進める。
ステップS60Cにおいて、制御装置50Aは、記憶手段50aにおいて記憶されている力FbbR、FbbLと今回取得した力FbR、FbLに基づいて力の変化率RR((力FbR-力FbbR)/所定時間)、RL((力FbL-力FbbL)/所定時間)を算出し、ステップS70Cに処理を進める。
ステップS70Cにおいて、制御装置50Aは、力の変化率RR、RLのいずれか一方の大きさが所定の値Rthを越えたと判定した場合(Yes)、ステップS80Cに処理を進め、力の変化率RR、RLの双方の大きさが所定の値を越えていないと判定した場合(No)、ステップS85Aに処理を進める。
ステップS80Cにおいて、制御装置50Aは、後述する荷滑り抑制手段56Aの動作を開始(タイマーを起動し、車体11の加速を停止させ慣性走行へ移行させる)し、ステップS90Aに処理を進める。
ステップS90Aにおいて、制御装置50Aは、力FfR、FfL、FbR、FbLのそれぞれを記憶手段50aにそれぞれ力FfbR、FfbL、FbbR、FbbLとして記憶し、処理を終了する。
●[荷滑り抑制手段56Aの動作]
制御装置50Aは、力の変化率RR、RLのいずれか一方の大きさが所定の値Rthを越えたと判定した場合(図9参照)、フォーク30a(30aR、30aL)に載置された荷物LDがフォーク30a(30aR、30aL)に対して滑っていると判定する(図12~図14参照)。これにより、摩擦力が静止摩擦力から動摩擦力へ変わる瞬間を捉えることにより、フォーク30a(30aR、30aL)に対して荷物LDが滑り始めた瞬間(荷物の荷滑り)を、適切に検出することができる。
制御装置50Aは、荷物の滑りを検出したら、タイマーを起動し予め設定された所定期間、荷滑り抑制手段56Aを作動させる。
荷滑り抑制手段56Aは、車体11が前進加速中又は後進加速中の場合、走行装置52Aを制御し、車体11の加速を停止させ慣性走行へ移行させる。これにより、車体11の加速に伴う慣性力がなくなるため、荷物に加えられている慣性力が減少し摩擦力より小さくなり、荷物のフォーク等に対する滑りを止め停止させることができる。
荷滑り抑制手段56Aは、車体11が前進減速中の場合、油圧ポンプ52Bを制御しティルトシリンダ21を駆動して、車体11に対するマスト20の傾斜角度を増加させる(図1参照)。これにより、フォーク30の載置部31の先端部が上昇し、荷物に対して後方に移動させる力が生じる。この力により、慣性力が減少し摩擦力より小さくなるため、荷物のフォーク等に対する滑りを止め停止させることができる。
荷滑り抑制手段56Aは、車体11が後進減速中の場合、油圧ポンプ52Bを制御しティルトシリンダ21を駆動して、車体11に対するマスト20の傾斜角度を減少させる(図1参照)。これにより、フォーク30の載置部31の先端部が下降し、荷物に対して前方に移動させる力が生じる。この力により、慣性力が減少し摩擦力より小さくなるため、荷物のフォーク等に対する滑りを止め停止させることができる。
●[パレットPTに対して荷物LDが滑る場合(図16)]
第1及び第2の実施の形態において、荷物LDが載置されたパレットPTがフォーク(30R、30L、30aR、30aL)の載置部31に対して滑る場合を説明した。図16は、パレットPTが載置部31に対して滑るのではなく、荷物LDがパレットPT上を滑る場合である。
図16において、フォークリフト10(図1参照)が前進方向へさらに加速走行した場合、車体11に前進方向の加速の大きさAf1(図6参照)より大きな前進方向の加速の大きさAf5が加えられると、慣性力は、最大の静止摩擦力を越える(図示省略)。この場合、静止していた荷物LDは(二点鎖線で示された位置)、パレットPT上を滑り始め被支持部33へ向かって移動させられる(実線で示された位置)。
荷物LDが滑り始めると、下面LDaとデッキボード上面PTbとの間の摩擦力は、静止摩擦力から動摩擦力Fr5へ変わり、動摩擦力Fr5の大きさは、静止摩擦力の大きさより小さくなる。この場合、力検出手段58FL、58FRのそれぞれには、動摩擦力Fr5に応じた力FfR5、FfL5がそれぞれの力検出面58Faに加えられる。これにより、摩擦力が静止摩擦力から動摩擦力へ変わる瞬間を捉えることにより、パレットPTに対して荷物LDが滑り始めた瞬間(荷物の荷滑り)を、適切に検出することができる。
●[本願の効果]
以上に説明したように、本願発明は、フォークに載置した荷物の荷崩れを手間なく容易に抑制することができるとともに荷役作業の作業効率の低下をより抑制することができる。
本発明のフォークリフトは、本実施の形態で説明した構成、構造等に限定されず、本発明の要旨を変更しない範囲で種々の変更、追加、削除が可能である。特に、力検出手段(荷滑り検出手段)は、左右一対のフォークの双方に設けられた構成で説明したが、左右のいずれか一方にのみ設けられた構成でも良い。
本実施の形態にて説明したフォークリフトは、エンジンフォークリフトに限定されず、荷役装置を備えたフォークリフトでも良い。また、載置部の形状は、フォーク状に限定されず、荷物を載置できる形状であれば良い。
力検出手段(荷滑り検出手段)は、圧力センサに限定されず荷重センサでも良い。また、力検出手段(荷滑り検出手段)は、有線で制御装置に接続されていても、無線で制御装置に接続されていても良い。無線で制御装置に接続される場合、力検出手段(荷滑り検出手段)と制御装置を接続する配線のレイアウトを考慮する必要がない。
力検出手段(荷滑り検出手段)は、本願実施の形態の説明において、第2フィンガーバー26(図4参照)に対向する位置に配置されているが、載置部に載置される荷物等が滑る際に発生する摩擦力を適切に検出できる位置であれば良い。
荷滑り抑制手段は、車体の加速を停止させ慣性走行へ移行させること、車体に対するマストの傾斜角度を増加・減少させること、のいずれか一つを行うことに限定されず、これらを組み合わせて荷滑りを抑制しても良い。
10 フォークリフト
11 車体
12 荷役装置
14 駆動輪
15 操舵輪
20 マスト
21 ティルトシリンダ
22 リフトシリンダ
24 リフトブラケット
25 第1フィンガーバー
26 第2フィンガーバー
26a 第2フィンガーバー正面
26b 第2フィンガーバー背面
27 連結部材
30、30R、30L フォーク
30a、30aR、30aL フォーク
31 載置部
33 被支持部
33a 被支持部背面(支持当接面に相当)
34 載置部上面
42 上フック
43 下フック
43a 下フック内側面(係止当接面に相当)
50、50A 制御装置
50a 記憶手段
52A 走行装置
52B 油圧ポンプ
52C バルブ
56、56A 荷滑り抑制手段
58FL、58FR 力検出手段(荷滑り検出手段)
58BL、58BR 力検出手段(荷滑り検出手段)
58Fa 力検出面
58Ba 力検出面
60 前後進レバー
LD 荷物
LDa 下面
PT パレット
PTa デッキボード下面
PTb デッキボード上面
Af、Af1、Af2 前進方向の加速の大きさ
Ab1、Ab2 後進方向の加速の大きさ
Fr1、Fr3 静止摩擦力
Fr2、Fr4 動摩擦力
Ff1、Ff2 力
Ff3、Ff4 力
Rf1、Rf2 慣性力
S1、S2 領域
Ff、FfR、FfL 力
FfR1、FfL1 力
R、RR、RL 力の変化率
A1、A2、A3 領域
A4、A5、A6 領域
V1、V2、V3 走行速度
V4、V4C 走行速度
Rth 所定の値

Claims (6)

  1. 車体と、
    前記車体を走行させる走行装置と、
    フォークを昇降する荷役装置と、
    前記走行装置と前記荷役装置を制御する制御装置と、
    前記フォークに載置された荷物の滑りを検出する荷滑り検出手段と、
    荷滑り抑制手段と、
    を有し、
    前記制御装置は、
    前記荷滑り検出手段を用いて前記フォークに対する荷物の滑りを検出し、
    前記荷滑り検出手段によって荷物の滑りを検出した場合に、荷物の滑りを抑制する前記荷滑り抑制手段を作動させるフォークリフトであって、
    前記フォークは、
    荷物を載置する載置部と、前記荷役装置に対して支持される被支持部と、を有し、
    前記荷滑り検出手段は、
    前記被支持部から前記荷役装置に対して前記フォークリフトの走行時の加減速時に加えられる力を検出可能な力検出手段であり、
    前記制御装置は、
    前記力検出手段の検出結果に基づいて、前記力の変化率の大きさが所定の値を越えた場合、前記載置部に対する荷物の滑りが発生していると判定する、
    フォークリフト。
  2. 請求項に記載のフォークリフトであって、
    前記荷役装置は、
    前記被支持部を支持するフィンガーバーを有するリフトブラケットを備え、
    前記被支持部は、
    前記フィンガーバーに支持されており、
    前記力検出手段は、
    前記被支持部の前記フォークリフトの後方側を向いている面である支持当接面における前記フィンガーバーに対向している部分に配置されている、
    フォークリフト。
  3. 請求項1又は2に記載のフォークリフトであって、
    前記荷役装置は、
    前記被支持部を支持するフィンガーバーを有するリフトブラケットを備え、
    前記被支持部は、
    前記フィンガーバーに支持されており、
    前記力検出手段は、
    前記被支持部の前記フォークリフトの前方側を向いている面である係止当接面における前記フィンガーバーに対向している部分に配置されている、
    フォークリフト。
  4. 請求項2又は3に記載のフォークリフトであって、
    前記フィンガーバーは、複数が上下方向に配置されており、
    前記力検出手段は、
    前記被支持部を前記リフトブラケットに対して支持している前記フィンガーバーの中で最も下に配置されている前記フィンガーバーに対向している前記被支持部の個所に設けられている、
    フォークリフト。
  5. 請求項1~4のいずれか一項に記載のフォークリフトであって、
    前記荷役装置は、
    前記フォークの上下方向の移動を案内するとともに、前記車体に対して前後方向に傾斜させることが可能なマストを有しており、
    前記荷滑り抑制手段は、
    走行中の前記車体を慣性走行させる制御、
    又は、
    前記車体に対する前記マストの傾斜角度を増加あるいは減少させる制御、
    の少なくとも一方である、
    フォークリフト。
  6. 請求項1~5のいずれか一項に記載のフォークリフトであって、
    前記制御装置は、
    前進方向への走行時において、前記荷滑り抑制手段を作動させる、
    フォークリフト。

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