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JP7121383B2 - ガスレーザ発振方法、及びこの方法を用いたガスレーザ発振装置、レーザ溶着装置、レーザ加工装置 - Google Patents
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JP7121383B2 - ガスレーザ発振方法、及びこの方法を用いたガスレーザ発振装置、レーザ溶着装置、レーザ加工装置 - Google Patents

ガスレーザ発振方法、及びこの方法を用いたガスレーザ発振装置、レーザ溶着装置、レーザ加工装置 Download PDF

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本発明は、ガスレーザ発振方法、及びこの方法を用いたガスレーザ発振装置、レーザ溶着装置、レーザ加工装置に関し、具体的には、レーザ光の第一の出力波形と第二の出力波形をもとに、両出力波形を組み合わせた第三の出力波形のレーザ光を発振させるガスレーザ発振方法、及びこの方法を用いたガスレーザ発振装置、レーザ溶着装置、レーザ加工装置に係る。更に詳しくは、レーザ光のフラットな第一の出力波形と、パルス状の第二の出力波形をもとに、両出力波形を組み合わせた第三の出力波形のレーザ光を発振させるガスレーザ発振方法、及びこの方法を用いたガスレーザ発振装置、レーザ溶着装置、レーザ加工装置に関する。
従来の軸方向励起短パルス炭酸ガスレーザ装置では、ガラスなどの絶縁体からなる放電管内に、レーザ媒質として炭酸ガスと、窒素ガスと、ヘリウムガスを混合した励起媒質ガス(レーザガス、以下、略して「励起ガス」と記載)を封入し、放電管には主電極を設け、これら主電極には主電源を接続して、放電管内に放電を発生させるように構成している。この放電で生じた高速の電子が、N2分子を励起して高エネルギー準位に上げ、この励起されたN2分子が、CO2分子に衝突してCO2分子にエネルギーを与えて励起させ、エネルギー準位を上げる。その際、N2分子はエネルギー準位が下がる。反転分布したCO2分子は放電管の両端にそれぞれ対向するように配置したリアミラー(全反射鏡)とハーフミラー(部分反射鏡)により共振器内で増幅され、レーザ光を誘導放出し、ハーフミラーから外部にレーザ光を出力させている(例えば、特許文献1参照)。
図16に、従来の軸方向励起短パルス炭酸ガスレーザ装置で出力されるレーザ光の出力波形を示した。図16では、縦軸にレーザ強度(W)を、横軸に時間をとって、レーザ光の出力波形を示している。レーザ光の出力を始めると、尖塔パルスとして図16のレーザ強度がO点(t1時点)から、P点まで急に立ち上がり、その後低下する。低下の状況は、一旦、尖塔パルスのピークであるP点の半分以下のレーザ強度のQ点(t2時点)まで低下したのち、パルステール(尾)を引くようにレーザ強度が徐々に小さくなって、レーザ強度がゼロのS点(t3時点)に移行する。図16の、O点、P点、Q点、S点を線で結んだ形が、レーザ光の一般的な出力波形である。
一方、レーザ光の工業的利用方法として、レーザ光を複数の重ねた合成樹脂材に照射してレーザ溶着することや、レーザ光を合成樹脂材に照射して孔をあけることが行われている。
例えば、合成樹脂材をレーザ溶着するときは、図17のように、透明のレーザ光透過性樹脂材80の下に、不透明又は有色のレーザ光吸収性樹脂材81を配置し、レーザ光透過性樹脂材80の上からレーザ光50を照射している。
レーザ光50はレーザ光吸収性樹脂材81に吸収され、レーザ光吸収性樹脂材81は溶融して、内部に溶融部分83ができる。溶融部分83の表面83aは、対向し当接しているレーザ光透過性樹脂材80の対向面80aと溶け合い、レーザ光50の照射が止まると冷却、固化して溶着する。
しかし、図17でレーザ光透過性樹脂材80とレーザ光吸収性樹脂材81の表面の凹凸を強調して描いたように、レーザ光透過性樹脂材80とレーザ光吸収性樹脂材81のそれぞれの表面粗さが粗かったり、反りがあったりして、上記説明した対向面80aと表面83aの一部に隙間ができるなど、密着程度が弱いときには、対向面80aと表面83aが密着して互いに溶け合うのに時間がかかる。対向面80aと表面83aが密着していても、軽く接する程度の密着力では、迅速で確実な溶着ができず、溶着作業後の溶着強度が不足することがあった。
そこで従来から、合成樹脂材のレーザ溶着を行う際に、レーザ光透過性樹脂材80とレーザ光吸収性樹脂材81の溶着対象範囲を、ヒータ加熱、電磁誘導加熱、熱風加熱、赤外線ランプ加熱等の手段で予備加熱して軟化させ、レーザ光透過性樹脂材80とレーザ光吸収性樹脂材81を密着させてから、レーザ光を照射して迅速に確実な溶着を行い、所望の溶着強度を得ることが提案されていた(例えば、特許文献2参照)。
すなわち、図18(a)に示したように、レーザ光を照射する前(t0~t1時点)に他の熱源で予備加熱する。すると、レーザ光透過性樹脂材80とレーザ光吸収性樹脂材81の表面粗さが粗くても、レーザ光透過性樹脂材80とレーザ光吸収性樹脂材81の溶着対象範囲が予備加熱で軟化して密着する。レーザ光50を照射すると、密着した状態でレーザ光吸収性樹脂材81が溶融する。溶融部分83の表面83aとレーザ光透過性樹脂材80の対向面80aは溶け合い、レーザ光50の照射が止まると冷却、固化して溶着する。図18(a)に示したように、予備加熱すると迅速に確実なレーザ溶着ができる。
ここで、図18(a)のような波形、つまり図18(b)の点線で示したような波形のレーザ光を照射できれば、予備加熱を必要としない。他の予備加熱手段を設けていない、一つのレーザ光出力手段を持つ装置で、迅速に確実なレーザ溶着が、あるいはその他各種のレーザ加工ができる。
しかし、従来のガスレーザ発振装置で図16のような普通のレーザ光の波形(O点、P点、Q点、S点を線で結んだ形の波形)の前に、予備加熱相当分のレーザ光出力波形を加えることは難しかった。
たとえば、従来のガスレーザ発振装置では図19のように、一つの放電管(レーザ管)に複数の放電領域D1、D2・・・D5を備えた気体レーザ発振器で、各放電領域へパルス電圧を同時的あるいは適宜の位相差をもって印加していた。このように、各放電領域でレーザ発振を行わせてレーザの出力パルスの波形を任意に形成するパルスレーザのパルス整形方法は知られていた(特許文献3参照)。
しかし、一つの放電管に一種類の励起ガスを流すため、一種類の波形のレーザ光が出力される。図19の装置では、隣り合う一対の電極C(C1~C5)と電極A(A1~A5)の放電タイミングをずらしてレーザ光の波形を作っているが、その波形を、図18(b)の点線で示したようにすることは難しかった。
また、図20のように、全反射鏡と半反射鏡(部分通過鏡)の間に、同じ励起ガスを流す複数の放電管を配置したガスレーザ発振装置も知られていたが、同じ励起ガスを流す複数の放電管では、一種類の波形のレーザ光が出力される。複数の放電管ごとに放電のオンオフを組み合わせてレーザ光の出力を可変してレーザ光の出力強度を増減させることはできても、レーザ光の波形を、図18(b)の点線で示したように、レーザ光の波形を任意に作り上げるものではなかった(特許文献4参照)。
特開2000-301477号公報 特開2004-74734号公報 特開昭61-14785号公報 実開平2-140865号公報
本発明は、レーザ光の第一の出力波形と第二の出力波形をもとに、両出力波形を組み合わせた第三の出力波形のレーザ光を発振させるガスレーザ発振方法、及びこの方法を用いたガスレーザ発振装置、レーザ溶着装置、レーザ加工装置を提供することを課題としている。
より詳しくは、レーザ光のフラットな第一の出力波形と、パルス状の第二の出力波形をもとに、両出力波形を組み合わせた第三の出力波形のレーザ光を発振させるガスレーザ発振方法、及びこの方法を用いたガスレーザ発振装置、レーザ溶着装置、レーザ加工装置を提供することを課題としている。
特に本発明は、複数の励起ガスを使用して、レーザ光の第一の出力波形と第二の出力波形をもとに、両出力波形を組み合わせた第三の出力波形のレーザ光を発振させるガスレーザ発振方法、及びこの方法を用いたガスレーザ発振装置、レーザ溶着装置、レーザ加工装置を提供することを課題としている。
上記した課題を達成するために、本発明に係るガスレーザ発振装置では、所定の共振器長(L)だけ離して対向させたリアミラーとハーフミラーの間に、第一の励起ガスを入れた第一の放電管と、第二の励起ガスを入れた第二の放電管を直列に並べ、第一の放電管を第一のパルス電源の発振トリガー手段を用いて放電させ、第二の放電管にパルス電源の発振トリガー手段を用いて放電させ、フラットな波形と尖塔状のパルス波形の加わったレーザ光を発生させるように構成した。
第一の放電管の第一のパルス電源の発振トリガー手段を動作させるタイミングに対して第二の放電管の第二のパルス電源の発振トリガー手段を動作させるタイミングを任意に設定することにより、フラットな波形に加わる尖塔状のパルス波形の位置を任意に設定できるように構成している。
本発明に係るガスレーザ発振装置は、第一の放電管に、第一の励起ガスとして例えば、炭酸ガス、窒素、ヘリウムを体積比で、1:3:4の比率で混合したガスを入れて、フラットな波形をつくるようにしておき、第二の放電管に、第二の励起ガスとして例えば、炭酸ガス、窒素、ヘリウムを体積比で、20:1:5~40の比率で混合したガスを入れて、尖塔パルス状の波形をつくるようにしている。
そして、共振器長(L)だけ離して対向させたリアミラー(全反射鏡)1とハーフミラー(半反射鏡)2の間に、第一の励起ガスを入れた第一の放電管と、第二の励起ガスを入れた第二の放電管を直列に並べ、リアミラー1とハーフミラー2の間で、第一の放電管と第二の放電管を通して増幅させ、フラットな波形と尖塔パルス状の波形とが加わった波形にしたレーザ光を出力している。
本発明に係るガスレーザ発振装置によりレーザ溶着をしたときは、例えば、フラットの波形部分のレーザ光が溶着対象物の当接面を照射して予備加熱し、次に、尖塔パルス状の波形をしたレーザ光が溶着対象物の当接面を強く照射して溶融し、その後、フラットの波形部分のレーザ光が溶着対象物を照射して加熱し、溶着対象物を溶着することも可能である。
また、本発明に係るガスレーザ発振装置により合成樹脂材やガラス材に孔あけるときは、例えば、フラットの波形部分のレーザ光が加工対象物を照射してある程度の予備加熱をし、直ぐに尖塔パルス状の波形をしたレーザ光が加工対象物を強く照射して孔をあけ、その後、フラットの波形部分のレーザ光が加工対象物を照射して加熱し、孔あけ後の加工対象物の飛び散り、ダレなどの発生の程度を抑制するようにすることも可能である。
また、本発明に係るガスレーザ発振装置は、リアミラーとハーフミラーの間に3つ以上の放電管を直列に配置し、各放電管にはそれぞれ専用の励起ガスを入れて、それぞれの放電管で作られる波形を加えられるようにしている。このことにより、本発明に係るガスレーザ発振装置が所望の波形を加えたレーザ光を出力することを可能にしている。
本発明によれば、フラットの波形と尖塔パルス状の波形が加わった、尖塔パルスの前、または前と後にフラットなレーザ出力部分のある波形をしたレーザ光をつくるガスレーザ発振方法を提供可能にしている。
特に本発明は、複数の励起ガスを使用する新しいガスレーザ発振方法を提供可能にしている。
また本発明は、このガスレーザ発振方法を用いて、尖塔パルスの前、または前と後ろにフラットなレーザ出力部分のある波形をしたレーザ光をつくるガスレーザ発振装置を提供可能にしている。
また本発明は、このガスレーザ発振装置を用いて、合成樹脂材のレーザ溶着装置や、合成樹脂材、ガラス材やガラスブロックに孔をあけたり、溝や凹部を形成したりするガスレーザ加工装置を提供することを可能にしている。
本発明の実施形態1にかかるガスレーザ発振装置の構成図。 (a)(b)本発明の実施形態1にかかるガスレーザ発振装置から出力されるレーザ光の出力波形。 (a)本発明の実施形態1にかかるガスレーザ発振装置の第一の放電管に入れる第一の励起ガスの混合比の一例を模式的に示した図、(b)(a)に示した第一の励起ガスによって生じたレーザ光の波形を測定して示した図。 (a)本発明の実施形態1にかかるガスレーザ発振装置の第二の放電管に入れる第二の励起ガスの混合比の一例を模式的に示した図、(b)(a)に示した第二の励起ガスによって生じたレーザ光の波形を測定して示した図。 本発明の実施形態1にかかるガスレーザ発振装置で、第一と第二の放電管の波形を加えたレーザ光の波形を示した図。 本発明の実施形態1にかかるガスレーザ発振装置で、第一と第二の放電管の波形を加えたレーザ光の波形を示した図。 (a)~(d)本発明の実施形態1にかかるガスレーザ発振装置を用いて、レーザ光透過樹脂材とレーザ光吸収樹脂材を重ねてレーザ溶着する工程の断面と、レーザ光の出力タイミングを対にして示した図。 (a)~(d)本発明の実施形態1にかかるガスレーザ発振装置を用いて、レーザ光吸収性樹脂材に孔あけ加工する工程の断面と、レーザ光の出力タイミングを対にして示した図。 本発明の実施形態2にかかるガスレーザ発振装置の構成図。 (a)本発明の実施形態2にかかる第一の放電管でできるレーザ光の波形を示した図、(b)本発明の実施形態2にかかる第二の放電管でできるレーザ光の波形を示した図、(c)本発明の実施形態2にかかる第三の放電管でできるレーザ光の波形、(d)本発明の実施形態2にかかる第一の放電管から第三の放電管の波形を加えてできるレーザ光の出力波形を示した図。 (a)本発明の実施形態2の変形例にかかる第一の放電管でできるレーザ光の波形を示した図、(b)本発明の実施形態2の変形例にかかる第二の放電管でできるレーザ光の波形、(c)本発明の実施形態2の変形例にかかる第三の放電管でできるレーザ光の波形を示した図、(d)本発明の実施形態2の変形例にかかる第一から第三の放電管の波形を加えてできるレーザ光の出力波形を示した図。 本発明の実施形態3にかかるガスレーザ発振装置の構成図。 (a)本発明の実施形態3にかかる第一の放電管でできるレーザ光の波形を示した図、(b)本発明の実施形態3にかかる第二の放電管でできるレーザ光の波形を示した図、(c)本発明の実施形態3にかかる第三の放電管でできるレーザ光の波形、(d)本発明の実施形態3にかかる第四の放電管でできるレーザ光の波形、(e)第一から第四の放電管の波形を加えてできるレーザ光の出力波形を示した図。 本発明の実施形態4にかかるガラス材に孔あけするガスレーザ加工装置の孔あけ加工作業中の状態を示した図。 本発明の実施形態4にかかるガラス材に孔あけするガスレーザ加工装置で孔あけ加工したガラスの拡大断面図。 従来のレーザ光のパルスの波形の一例を示した図。 従来のレーザ溶着方法でレーザ光透過樹脂材とレーザ光吸収樹脂材を重ねてレーザ溶着している状態を示した図。 (a)従来のレーザ光のパルスの波形に、予備加熱のエネルギーが加わる部分を模式的にして示した図、(b)(a)の予備加熱のエネルギーで加わる部分をレーザ光のパルスの波形に組み入れるときの波形を点線で示した図。 従来の他のガスレーザ発振装置の構成図。 従来の更に他のガスレーザ発振装置の構成図。
本発明のガスレーザ発振方法は、炭酸ガスと窒素とヘリウムガスを異なる混合比で混合した複数の励起ガスと、二以上の放電管と、リアミラー(全反射鏡)と、ハーフミラー(半反射鏡)と、レーザ光励起電源と、レーザ光励起電源の発振トリガー手段と、レーザ光励起制御手段と、を用い、前記二以上の放電管に異なる混合比の励起ガスを入れ、所定の共振器長(L)だけ離して対向させた前記リアミラーと前記ハーフミラーの間に前記放電管を長手方向の軸芯を一致させた状態で直列に並べ、前記レーザ光励起制御手段で、前記レーザ光励起電源と前記レーザ光励起電源の前記発振トリガー手段を制御して、前記リアミラーと前記ハーフミラーの間の前記放電管でレーザ光を発振させ、前記それぞれの放電管によって生じるレーザ光の波形を加えたレーザ光を出力するようにしている。
そして、本発明のガスレーザ発振方法を用いたガスレーザ発振装置、レーザ溶着装置、ガスレーザ加工装置は、炭酸ガスと窒素とヘリウムガスを異なる混合比で混合した複数の励起ガスと、二以上の放電管と、リアミラーと、ハーフミラーと、レーザ光励起電源と、レーザ光励起電源の発振トリガー手段と、レーザ光励起制御手段と、を有し、前記二以上の放電管に異なる混合比の励起ガスを入れ、所定の共振器長(L)だけ離して対向させた前記リアミラーと前記ハーフミラーの間に前記放電管を長手方向の軸芯を一致させた状態で直列に並べ、前記レーザ光励起制御手段で、前記レーザ光励起電源と前記レーザ光励起電源の前記発振トリガー手段を制御して、前記リアミラーと前記ハーフミラーの間の前記放電管でレーザ光を発振させ、前記それぞれの放電管によって生じるレーザ光の波形を加えたレーザ光を出力するように構成している。以下、本発明の実施形態を図面に基づき説明する。
(実施形態1)
まず実施形態1について説明する。図1に、本発明の実施形態1にかかるガスレーザ発振装置の構成図を示した。図1では、所定の共振器長(L)だけ離して対向させたリアミラー1とハーフミラー2の間に、第一の放電管10と第二の放電管20を直列に長手方向の軸を一致させて配置している。各放電管10、20は一端にガス入口10a、20a、他端にガス出口10b、20bが形成され、ガス入口10a、20aはそれぞれ、第一の励起ガスボンベ13と第二の励起ガスボンベ23に接続している。
第一の放電管10には、第一の励起ガスボンベ13からフラットな波形のレーザ光を作る第一の励起ガスを入れ、第二の放電管20には第二の励起ガスボンベ23から、尖塔パルス状の波形のレーザ光を作る第二の励起ガスを入れる。
なお、本発明では、励起ガスは使い捨てにしており、第一の放電管10と第二の放電管20の第一の励起ガスと第二の励起ガスが古くなったときには、各放電管10、20のガス出口10b、20bから、それぞれ外気に排出するようにしている。
第一の放電管10と第二の放電管20には、それぞれ第一のパルス電源11と第二のパルス電源21を接続している。なお、レーザ光励起制御手段については、図1では記載を省略しているが、第一と第二のパルス電源11、21の発振トリガー手段12、22を制御して、第一と第二の放電管10、20を放電させている。
なお、既に説明したように、軸方向励起短パルス炭酸ガスレーザ装置では、ガラスなどの絶縁体からなる放電管内に、レーザ媒質として炭酸ガスと、窒素ガスと、ヘリウムガスを混合した励起ガスを封入している。放電管には主電極を設け、これら主電極には主電源を接続して、放電管内に放電を発生させるように構成している。この放電で生じた高速の電子が、N2分子を励起して高エネルギー準位に上げ、この励起されたN2分子が、CO2分子に衝突してCO2分子にエネルギーを与えて励起させ、エネルギー準位を上げる。その際、N2分子はエネルギー準位が下がる。反転分布したCO2分子は放電管の両端にそれぞれ対向するように配置したリアミラー(全反射鏡)とハーフミラー(部分反射鏡)により共振器内で増幅され、レーザ光を誘導放出し、ハーフミラーから外部にレーザ光を出力する。この原理は、本発明のガスレーザ発振装置でも同じである。
本発明のガスレーザ発振装置では、まず、第一のパルス電源11の発振トリガー手段12により、第一の放電管10を放電させる。また、第二のパルス電源21の発振トリガー手段22により、第二の放電管20を放電させる。すると、所定の共振器長(L)だけ離して対向させたリアミラー1とハーフミラー2の間で増幅され、レーザ光を誘導放出し、ハーフミラー2から外部にレーザ光を出力するようにしている。
すなわち、第一の放電管10も第二の放電管20も、ガラス管でできていて、端部には放電電極があるが、レーザ光を通すウィンドゥ(窓)10c、20cになっているので、レーザ光は、リアミラー1から第一の放電管10と第二の放電管20を突き抜けてハーフミラー2に当たり、ハーフミラー2で反射して、第二の放電管20と第一の放電管10を突き抜けてリアミラー1に当たり、リアミラー1で反射し増幅される。
ちなみに、レーザ光は、リアミラー1から第一の放電管10と第二の放電管20を突き抜けてハーフミラー2に当たり、ハーフミラー2で反射して、第二の放電管20と第一の放電管10を突き抜けてリアミラー1に当たり、リアミラー1で反射すること、を繰り返す構成は、従来例を説明した図20と類似している。図20の構成では、複数の放電管に一つの混合比の励起ガスを共通に用いていたが、本発明では、放電管ごとに異なる混合比の励起ガスを用いている。
このことにより、第一の放電管10を通過するときに、第一の放電管10によりフラットな波形(第一の時間波形、W1)がレーザ光に加わり、第二の放電管20により、尖塔パルス状の波形(第二の時間波形、W2)がレーザ光に加わる。第一の放電管10によるフラットな波形は長く、第二の放電管20による尖塔パルス状の波形は短いため、レーザ光出力はフラットな波形をしているところに尖塔パルス状の波形が加わった波形になる。
図2(a)(b)には、図1に示した本発明の実施形態1にかかるガスレーザ発振装置で、第一の放電管10を放電させて第一の放電管10でフラットな波形を作り、次いで、第二のパルス電源21の発振トリガー手段22により、第二の放電管20を放電させて第二の放電管20で尖塔パルス状の波形を作るようにし、所定の共振器長(L)だけ離して対向させたリアミラー1とハーフミラー2の間で増幅され、レーザ光を誘導放出して、ハーフミラー2から出力されるレーザ光の波形を示した。
図2(a)は、フラットな波形があって、後半のタイミングで尖塔パルス状の波形が加わった出力波形(PW1)をしている。図2(b)は、フラットな波形があって、前半のタイミングで尖塔パルス状の波形が加わった出力波形(PW2)をしている。第一と第二のパルス電源11、21のそれぞれの発振トリガー手段12、22で、第一の放電管10と第二の放電管20を放電させるタイミングを任意に設定することにより、フラットな波形に対して、どのタイミングで尖塔パルス状の波形が加わった波形とするかを調整することができる。
図3(a)は、本発明の実施形態1にかかるガスレーザ発振装置の第一の放電管10に入れた第一の励起ガスの混合比を模式的に示した。”長パルス”といっているガス組成の混合比は、体積比で例えば、CO2:N2:He=1:3:4が挙げられる。N2が多くて、ガス圧が高いほど(放電時間が長いほど)長いパルス、フラットなレーザ光50が出る。図3(b)に、ガス組成の混合比を、体積比で例えば、CO2:N2:He=1:3:4のときに実測した波形(第一の時間波形、W1-1)を一例として示した。図3(b)では、横軸を時間軸(t)として、1目盛を20μsecとして示した。縦軸は、レーザ強度(w)として、1目盛を1kwとして示した。ちなみに、このときのパルスエネルギー(斜線部分)は、50mJ(ミリジュール)であった。
図4(a)は、本発明の実施形態1にかかるガスレーザ発振装置の第二の放電管20に入れた第二の励起ガスの混合比を模式的に示した図である。第二の放電管20には、第二の励起ガスとして、炭酸ガス、窒素、ヘリウムを体積比で、CO2:N2:He=20:1:5~40の比率で入れている。出願人は、この混合比でテールのない尖塔パルス状の波形をつくることを発明し、既に特開2014-107349で公表している。必要により同公報を参照されたい。
図4(b)に、ガス組成の混合比を、体積比で、CO2:N2:He=20:1:5~40としたときに実測した波形(第二の時間波形、W2-1)を一例として示した。図4(b)では、波形を見やすくするため、図3(b)とは違って、横軸を時間軸(t)として、1目盛を1μsecとして示した。縦軸は、レーザ強度(w)として、1目盛を10kwとして示した。ちなみに、このときのパルスエネルギー(斜線部分)は、10mJ(ミリジュール)であった。
図5、図6は、本発明の実施形態1にかかるガスレーザ発振装置で出力されるレーザ光の波形(波形PW1-1、PW2-1)である。図5は、先に図2(a)で示した波形に対応する。図6は、先に図2(b)で示した波形に対応する。発振トリガー22のタイミングを変えると、フラットな波形のレーザ光のどこに尖塔パルス状の波形のレーザ光が加わるかが変化する。
レーザ溶着で予備加熱の時間を長くするときは図5のように複数の波形を加え、予備加熱の時間を短くするときは図6のように複数の波形を加える。
なお、図3から図6を用いて説明したものは本発明の実施形態1の一例であり、他の混合比の励起ガスを用いれば、他の波形を組み合わせた波形のレーザ出力が可能である。
以下に図7を用いて、2つの放電管10、20、を直列に並べた本発明の実施形態1のガスレーザ発振装置60で出力したレーザ光50で、レーザ溶着する場合について説明する。
なお、本発明の実施形態1のガスレーザ発振装置60は、既に示した図1の基本構成を装置に仕上げたもので、図7では、レーザ光50の出力口であるノズルの一部を示してガスレーザ発振装置60と溶着対象物との位置関係を説明することとした。
図7(a)から(d)では、図示しない台座の上に、不透明又は、黒色などの有色でレーザ光50を吸収するレーザ光吸収性樹脂材81を置き、その上に、透明でレーザ光を透過するレーザ光透過性樹脂材80を重ねて、溶着対象物である両者をレーザ溶着する工程を示している。なお、図7の左側の図は、溶着対象物の断面とレーザ光との位置関係を示している。図7の右側の図は、左側の図の工程を行っている時のレーザ光照射タイミングを示している。
ガスレーザ発振装置60は、図7(a)で、レーザ光吸収性合成樹脂材81表面に向けてフラットな波形をしたレーザ光50を照射して予備加熱(以下、略して「予熱」と記載)を開始する(t11時点)。図7(b)で、予熱を続けて予熱部分82を拡大する(t12時点)。図7(c)で、高エネルギーの尖塔パルス状の波形をしたレーザ光50を照射して、予熱部分82を一気に溶融部分83にする(t13時点)。そして、図7(d)で、フラットな波形をしたレーザ光50で加熱した後(t14時点)、冷却し、固化させて溶着部分84にてレーザ光吸収性合成樹脂材81とレーザ光透過性合成樹脂材80とを溶着し、レーザ溶着を終了している。
図7では、レーザ光の波形を、フラットな波形が始まった後、尖塔パルス状の波形が来て、再び、フラットな波形になって、最終的に消える出力波形(波形PW1)にしている。そのため、レーザ光吸収性樹脂材81を発熱させる予熱を行い、レーザ光吸収性樹脂材81とレーザ光透過性樹脂材80の当接面を軟化させ、互いに密着させ、互いに密着した当接面近傍を一気に尖塔パルス状の波形で急加熱して溶融させている。このことで、迅速かつ確実にレーザ溶着し、所定の溶着強度を得ることを実現している。
次に図8を用いて、本発明の実施形態1のガスレーザ発振装置で出力させたレーザ光でレーザ光吸収性樹脂材に、孔を開ける場合について説明する。
図8(a)から(d)では、図示しない孔あき台座の上に、加工対象物である不透明又は黒色などの有色でレーザ光を吸収するレーザ光吸収性樹脂材81を置いて、レーザ光50を当てて孔あけする工程を示している。なお、図8の左側の図は、加工対象物の断面とレーザ光との位置関係を示している。図8の右側の図は、左側の図の工程を行っている時のレーザ光照射タイミングを示している。
図8(a)で、ガスレーザ発振装置60は、レーザ光吸収性合成樹脂材81表面に向けてフラットな波形をしたレーザ光50を照射して予熱を開始する(t21時点)。図8(b)で、高エネルギーの尖塔パルス状の波形をしたレーザ光50を照射して、予熱部分82-1を溶融部分83-1にする(t22時点)。図8(c)で、孔85をあける(t23時点)。そして、図8(d)で、ガスレーザ発振装置60は、フラットな波形をしたレーザ光50により加熱して(t24時点)、冷却し、固化させて孔あけを終了している。
レーザ光を照射してレーザ光吸収性樹脂材やガラス材に孔あけをするときは、孔になる範囲の周辺部分がまだ熱せられておらず、低い温度で一定の強度があるうちに、孔になる範囲のレーザ光吸収性樹脂材やガラス材を瞬時に加熱して溶融させてしまうことが望ましい。そのため、図8(a)から(d)の工程では、予熱が始まって直ぐに高エネルギーの尖塔パルス状の波形をしたレーザ光を照射して、一気に孔をあけるようにしている。
このように、本発明は、従来のように尖塔パルスとテールでできた出力波形のレーザ光をそのまま使うのではなく、複数の波形、具体的にはフラットな波形と尖塔パルス状の波形を加えたレーザ光を出力させ、そのレーザ光を使って、合成樹脂材のレーザ溶着や、合成樹脂材やガラス材の孔あけ、溝彫り、その他のレーザ加工を可能にしている。
また、各放電管の励起タイミングを一部が同じで残りが異なるタイミングの中で調整することで、複数の波形を加えたレーザ光を出力させて、溶着対象あるいは加工対象物に適したレーザ溶着やレーザ加工を行うことを可能にしている。
(実施形態2)
次に実施形態2について説明する。本発明の実施形態2のガスレーザ発振装置では、3つの放電管、第一、第二、第三の放電管10、20、30を直列に並べている。
図9は、実施形態2にかかるガスレーザ発振装置の構成図である。図9の左側のリアミラー1と、右側のハーフミラー2の間に、第一の放電管10、第二の放電管20、第三の放電管30が長手方向の軸芯を合わせて一直線に並べてある。左側のリアミラー1と、右側のハーフミラー2は、それぞれの反射面を所定の共振器長の間隔をあけて対向させている。そして、リアミラー1、ハーフミラー2の反射面の中心を結ぶ線上に、第一の放電管10から第三の放電管30の三つの放電管の軸心を一致させて並べている。
各放電管10、20、30には一端にガス入口10a、20a、30aが、他端にガス出口10b、20b、30bが形成され、ガス入口10a、20a、30aはそれぞれ、第一の励起ガスボンベ13、第二の励起ガスボンベ23、第三の励起ガスボンベ33に接続していることは、図1で示した実施形態1の構成と同じである。
第一の放電管10には、第一の励起ガス(例えば、CO2:N2:He=1:3:4の混合比のガス)を入れるようにしていて、第二の放電管20と第三の放電管30には、第二の励起ガス(例えば、CO2:N2:He=20:1:5~40の混合比のガス)を入れるようにしている。第一の放電管10から第三の放電管30の三つの放電管には、それぞれ第一から第三のパルス電源11、21、31と、第一から第三のパルス電源のトリガー手段12、22、32を取り付けている。
なお、レーザ光励起制御手段については、図9では記載を省略しているが、第一から第三のパルス電源11、21、31の発振トリガー手段12、22、32を制御して、第一から第三の放電管10、20、30を放電させている。
そして、第一の放電管10では、第一のパルス電源11を立ち上げて第一のパルス電源11のトリガー手段12で放電させて、レーザ光50にフラットな波形を加えるようにしている。また、第二の放電管20と第三の放電管30では、パルス電源21、31を立ち上げてパルス電源のトリガー手段22、32で放電させて、レーザ光50に尖塔パルス状の波形を加えるようにしている。
本発明の実施形態2のガスレーザ発振装置では、第一の放電管10から第三の放電管30をほぼ同時に放電させて、レーザ光50にそれぞれの放電管が生じさせる波形を加えるようにしている。
図10(a)~(c)に、第一の放電管10から第三の放電管30において、それぞれの波形を生じさせるタイミングを示した。図10(a)では、タイミング(t31)でレーザ光50にフラットな波形を加えている。図10(b)と(c)では、レーザ光50にそれぞれの尖塔パルス状の波形を加えている。第一の放電管10では、タイミング(t31)で、第二の放電管20と第三の放電管30では、タイミング(t32)で放電が始まる。そして、リアミラー1とハーフミラー2の間で増幅して、第一の放電管10から第三の放電管30のそれぞれの放電管が生じさせた波形を加えたレーザ光50として誘導放出し、レーザ光を出力している。
すなわち、図10(d)では、レーザ光50にそれぞれの放電管10、20、30が生じさせた各波形が加わった一つの波形になっている。
図10(d)では、レーザ光50に1つのフラットな波形と2つの尖塔パルス状の波形とが加わった波形になっている。図10(d)の波形では、レーザ光が、フラットな波形で立ち上げて予熱をしてから、2つの尖塔パルス状の波形が同時に加わり急加熱をし、その後にフラットな波形の加熱をしてレーザ光照射を終えている。図10では、第二の放電管20と第三の放電管30を同じタイミング(t32)で放電させているので、2つの尖塔パルス状の波形が重なっている。そのため、2つの尖塔パルス状の波形は、一つの尖塔パルス状の波形の高さを重ねた2倍に高さの波形としてレーザ光の波形に加えられる。
このように予熱してから、複数の尖塔パルス状の波形の高さを重ねた高さの急加熱をするレーザ光の照射方法は、例えば厚さの厚い合成樹脂の孔あけ作業などに有効とされる。
なお、図11には、第二の放電管20と第三の放電管30を放電させるタイミングを第一の放電管10でフラットな波形を生じさせたタイミング(t41)の後、早いタイミング(t42)で同時に放電させたときの状況を示した。図10と図11を対比して見れば、第一の放電管10でフラットな波形を生じさせた後、任意のタイミングで一つの尖塔パルス状の波形の高さを重ねた2倍に高さの波形としてレーザ光の波形に加えて急加熱することができることが、容易に理解される。
(実施形態3)
実施形態3について説明する。本発明の実施形態3のガスレーザ発振装置では、4つの放電管10、20、30、40を直列に並べている。
図12は、実施形態3にかかるガスレーザ発振装置の構成図である。図12の左側のリアミラー1と、右側のハーフミラー2の間に、第一の放電管10、第二の放電管20、第三の放電管30、第四の放電管40が一直線に並べてある。左側のリアミラー1と、右側のハーフミラー2は、それぞれの反射面を所定の共振器長の間隔をあけて対向させている。そして、リアミラー1、ハーフミラー2の反射面の中心を結ぶ線上に、第一の放電管10から第四の放電管40の四つの放電管の軸心を一致させて並べている。
各放電管10、20、30、40には一端にガス入口10a、20a、30a、40aが、他端にガス出口10b、20b、30b、40bが形成され、ガス入口10a、20a、30a、40aはそれぞれ、第一の励起ガスボンベ13、第二の励起ガスボンベ23、第三の励起ガスボンベ33、第四の励起ガスボンベ43に接続していることは、図1で示した実施形態1の構成と同じである。
第一の放電管10と第三の放電管30には、第一の励起ガス(例えば、CO2:N2:He=1:3:4の混合比のガス)を入れるようにしていて、第二の放電管20と第四の放電管40には、第二の励起ガス(例えば、CO2:N2:He=20:1:5~40の混合比のガス)を入れるようにしている。第一の放電管10から第四の放電管40の四つの放電管には、それぞれ第一から第四のパルス電源11、21、31、41と、第一から第四のパルス電源のトリガー手段12、22、32、42を取り付けている。
なお、レーザ光励起制御手段については、図12では記載を省略しているが、第一から第四のパルス電源11、21、31、41の発振トリガー手段12、22、32、42を制御して、第一から第四の放電管10、20、30、40を放電させている。
そして、第一の放電管10と第三の放電管30では、パルス電源11、31を立ち上げてパルス電源のトリガー手段12、32で放電させると、レーザ光のフラットな波形を生じさせるようにしている。また、第二の放電管20と第四の放電管40では、パルス電源21、41を立ち上げてパルス電源のトリガー手段22、42で放電させると、レーザ光の尖塔パルス状の波形を生じさせるようにしている。
本発明の実施形態3のガスレーザ発振装置では、第一の放電管10から第四の放電管40をそれぞれ所定のタイミングに放電させて、レーザ光にそれぞれの放電管が生じさせた波形を持たせている。
図13(a)~(e)に、第一の放電管10から第四の放電管40がどのタイミングでそれぞれの波形を生じさせるかを示した。図13(a)に示す第一の放電管10と図13(c)に示す第三の放電管30では、レーザ強度は異なるが、レーザ光にフラットな波形を生じさせている。図13(b)に示す第二の放電管20と図13(d)に示す第四の放電管40では、ピークのレーザ強度とパルスの立ち上がりタイミングが異なるが、レーザ光に尖塔パルス状の波形を生じさせている。第一の放電管10では、タイミング(t51)、第二の放電管20では、タイミング(t52)で、第三の放電管30では、タイミング(t52)、第四の放電管40では、タイミング(t53)で放電が始まる。
そして、レーザ光は、リアミラー1とハーフミラー2の間で増幅され、第一の放電管10から第四の放電管40のそれぞれの放電管が生じさせた波形を加えている。
すなわち、図13(e)では、レーザ光にそれぞれの放電管が生じさせた各波形が加わった一つの波形になっている。
図13(e)では、レーザ光に2つのフラットな波形と2つの尖塔パルス状の波形とを加えた出力波形を得ている。図13(e)の波形では、レーザ光が、フラットな波形で立ち上げて予熱をしてから、1回目の尖塔パルス状の波形で急加熱をし、一旦フラットな波形の加熱をし、2回目の尖塔パルス状の波形で急加熱をし、最後にフラットな波形の加熱をしてレーザ光照射を終えている。
このように予熱してから、複数段階の尖塔パルス状の急加熱を繰り返すレーザ光の照射方法は、例えば比較的直径の大きな孔あけ作業などに有効とされる。
図14は、ドーム状のガラス容器87に孔あけするガスレーザ孔あけ加工装置の外観を示した。ロボットアーム100の先端に本発明のガスレーザ発振装置90を取り付け、ガスレーザ発振装置90から既に説明したように複数の波形を加えた波形のレーザ光を保持治具110に取り付固定されたドーム状のガラス容器87に照射している。
図15には、ドーム状のガラス容器87に孔88をあけた後の拡大断面図を示した。
なお、上記の実施形態1から3のガスレーザ発振装置の説明では、レーザ光励起制御手段で、少なくとも二つの前記放電管に、一部が同じで残りが異なるタイミングで前記レーザ光励起電源を供給し、全反射鏡と半反射鏡の間の前記放電管でレーザ光を発振させ、それぞれの放電管によって生じるレーザ光の波形を重ねたレーザ光を出力するように構成した場合を説明した。
しかし、本発明のガスレーザ発振方法は、複数の放電管でつくる複数の波形を出力波形に加えるときに、複数の波形をタイミング的に離して加えることもできる。レーザ溶着やレーザ加工の現実的な必要により、複数の波形が重なっておらず、タイミング的に離れていたほうが好都合な場合がある。本発明のガスレーザ発振方法は、現実的な必要により、好ましい形の出力波形にして用いることができる。
本発明のガスレーザ発振方法は、この方法を用いたガスレーザ発振装置、合成樹脂材のレーザ溶着装置や、合成樹脂材やガラス材に孔あけや溝を彫るガスレーザ加工装置に適用できるほか、半導体製造装用の産業用のガスレーザ加工装置や、歯科用のガスレーザ加工装置に適用することができる。
1: リアミラー
2: ハーフミラー
10 :第一の放電管
10a:第一の放電管のガス入口
10b:第一の放電管のガス出口
10c:第一の放電管のウィンドウ
11 :第一のパルス電源
12 :第一のパルス電源の発振トリガー手段
13 :第一の励起ガスボンベ
20 :第二の放電管
20a:第二の放電管のガス入口
20b:第二の放電管のガス出口
20c:第二の放電管のウィンドウ
21 :第二のパルス電源
22 :第二のパルス電源の発振トリガー手段
23 :第二の励起ガスボンベ
30 :第三の放電管
40 :第四の放電管
50:レーザ光
60、90 :ガスレーザ発振装置
70、71:ガス収納容器
80:レーザ光透過性樹脂材
81:レーザ光吸収性樹脂材
82:予熱部分
83:溶融部分
84:溶着部分
85、88:孔
87:ガラス容器
L:共振器長

Claims (9)

  1. レーザ光波形がフラットになる混合比に炭酸ガスと窒素とヘリウムガスを混合した第一の励起ガスと、レーザ光波形が尖塔パルスになる混合比に炭酸ガスと窒素とヘリウムガスを混合した第二の励起ガスを含む、炭酸ガスと窒素とヘリウムガスを異なる混合比で混合した複数の励起ガスと、
    二以上の放電管と、
    全反射鏡と、
    半反射鏡と、
    レーザ光励起電源と、
    レーザ光励起電源の発振トリガー手段と、
    レーザ光励起制御手段と、を有し、
    前記二以上の放電管に異なる混合比の前記励起ガスを入れ、
    前記全反射鏡と前記半反射鏡の間に前記放電管を直列に並べ、
    前記レーザ光励起制御手段で前記レーザ光励起電源と前記レーザ光励起電源の前記発振トリガー手段を制御して、前記全反射鏡と前記半反射鏡の間の前記放電管でレーザ光を発振させ、
    前記それぞれの放電管によって生じるレーザ光の波形を加えたレーザ光を、尖塔パルスの波形を含むように前記それぞれの放電管によって生じるレーザ光の波形を加えて出力するように構成した、
    ことを特徴とするガスレーザ発振装置。
  2. 前記レーザ光励起制御手段で前記レーザ光励起電源と前記レーザ光励起電源の前記発振トリガー手段を制御して、前記全反射鏡と前記半反射鏡の間の前記放電管でレーザ光を発振させ、
    前記それぞれの放電管によって生じるレーザ光の波形を加えたレーザ光の波形が、フラットな波形が始まった後、尖塔パルス状の波形が来て、再び、フラットの波形になるようにした請求項1に記載のガスレーザ発振装置。
  3. 前記第二の励起ガスとして、炭酸ガスと窒素とヘリウムガスの混合比を体積比で、20 :1:5~40の比率として、レーザ光波形が尖塔パルスになるようにした請求項1又は請求項2に記載のガスレーザ発振装置。
  4. 請求項1又は請求項2に記載のガスレーザ発振装置を用いて、溶着対象物を溶着するように構成したレーザ溶着装置。
  5. 請求項1又は請求項2に記載のガスレーザ発振装置を用いて、加工対象物を加工するように構成したレーザ加工装置。
  6. 請求項1又は請求項2に記載のガスレーザ発振装置を用いて、加工対象物に穴、溝又は 凹部を形成するように構成したレーザ加工装置。
  7. レーザ光波形がフラットになる混合比に炭酸ガスと窒素とヘリウムガスを混合した第一の励起ガスと、レーザ光波形が尖塔パルスになる混合比に炭酸ガスと窒素とヘリウムガスを混合した第二の励起ガスを含む、炭酸ガスと窒素とヘリウムガスを異なる混合比で混合した複数の励起ガスと、
    二以上の放電管と、
    全反射鏡と、
    半反射鏡と、
    レーザ光励起電源と、
    レーザ光励起電源の発振トリガー手段と、
    レーザ光励起制御手段と、を用い、
    前記二以上の放電管に異なる混合比の前記励起ガスを入れ、
    前記全反射鏡と前記半反射鏡の間に前記放電管を直列に並べ、
    前記レーザ光励起制御手段で前記レーザ光励起電源と前記レーザ光励起電源の前記発振トリガー手段を制御して、
    前記全反射鏡と前記半反射鏡の間の前記放電管でレーザ光を発振させ、
    前記それぞれの放電管によって生じるレーザ光の波形を加えたレーザ光を、尖塔パルスの波形を含むように前記それぞれの放電管によって生じるレーザ光の波形を加えて出力するようにした、
    ことを特徴とするガスレーザ発振方法。
  8. 前記レーザ光励起制御手段で前記レーザ光励起電源と前記レーザ光励起電源の前記発振トリガー手段を制御して、前記全反射鏡と前記半反射鏡の間の前記放電管でレーザ光を発振させ、
    前記それぞれの放電管によって生じるレーザ光の波形を加えたレーザ光の波形が、フラットな波形が始まった後、尖塔パルス状の波形が来て、再び、フラットの波形になるようにした請求項7に記載のガスレーザ発振方法。
  9. 前記第二の励起ガスとして、炭酸ガスと窒素とヘリウムガスの混合比を体積比で、20:1:5~40の比率とし、レーザ光波形尖塔パルス波形になるようにした請求項7又は請求項8に記載のガスレーザ発振方法。
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