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JP7124692B2 - 足裏形状推定方法、及び感圧センサ装置 - Google Patents
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JP7124692B2 - 足裏形状推定方法、及び感圧センサ装置 - Google Patents

足裏形状推定方法、及び感圧センサ装置 Download PDF

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本発明は、足裏形状推定方法、及び感圧センサ装置に関し、特に圧力を検出する複数の検出セルを用いて当該センサパネル上を歩いた人の足裏の形状を推定する足裏形状推定方法、及び感圧センサ装置に関する。
近年、圧力を検出する複数の検出セルがマトリックス状に配置された感圧センサ装置が様々な分野で用いられている。例えば、感圧センサ装置を床に設置することで、感圧センサ装置の上を通過する人の足の形状を特定し、個人認証等に応用することができる。
特許文献1には、人の足裏による荷重の分布を計測することができ、当該荷重の分布を用いて個人認証することができる個人認証システムが開示されている。特許文献1に係る個人認証システムにおいては、圧電素子を密に配置した感圧センサ装置を用いることで、人の足裏の形状や荷重分布を精度よく求めることができる。
特開2008-250996号公報
人の足裏の形状を測定して個人認証等に応用する場合、当該形状を高い解像度で求める必要がある。一般的に、足裏の形状を高い解像度で求めるためには、特許文献1に記載されているように、圧力を検出する検出セルを感圧センサ装置内に高密度で配置する方法が考えられる。しかしながら、感圧センサ装置に検出セルを高密度に配置した場合、当該感圧センサ装置の製造コストや制御負荷が増大してしまうという問題があった。
本発明は、このような問題を解決するためになされたものであり、圧力を検出する検出セルの配置密度を抑制しつつ、人物の足裏の形状を高い精度で推定することができる足裏形状推定方法、及び感圧センサ装置を提供することを目的とする。
本発明の一態様にかかる足裏形状推定方法は、圧力を検出する複数の検出セルが行方向及び列方向にマトリックス状に配置されたセンサパネルを用いて、当該センサパネル上を歩いた人の足裏の形状を推定する足裏形状推定方法であって、前記センサパネル上を歩いた人の経時的な歩行データを、前記複数の検出セルを用いて取得する第1のステップと、前記取得した歩行データを用いて、前記人の足裏の形状に対応する検出領域をそれぞれ抽出する第2のステップと、前記抽出した複数の検出領域の各々の中心位置を取得する第3のステップと、前記圧力を検出した前記検出セルの経時的な情報を用いて、前記抽出した検出領域の各々における前記人の足裏の接地方向を取得する第4のステップと、前記複数の検出領域同士を、前記中心位置及び前記接地方向がそれぞれ一致するように重ね合わせることで、前記人の足裏の形状を推定する第5のステップと、を備える。
本発明の一態様にかかる感圧センサ装置は、圧力を検出する複数の検出セルが行方向及び列方向にマトリックス状に配置されたセンサパネルと、前記複数の検出セルで検出された圧力に基づいて、当該センサパネル上を歩いた人の足裏の形状を推定する処理回路と、を備え、前記処理回路は、前記センサパネル上を歩いた人の経時的な歩行データを前記複数の検出セルを用いて取得し、前記取得した歩行データを用いて、前記人の足裏の形状に対応する検出領域をそれぞれ抽出し、前記抽出した複数の検出領域の各々の中心位置を取得し、前記圧力を検出した前記検出セルの経時的な情報を用いて、前記抽出した検出領域の各々における前記人の足裏の接地方向を取得し、前記複数の検出領域同士を、前記中心位置及び前記接地方向がそれぞれ一致するように重ね合わせることで、前記人の足裏の形状を推定する。
本発明により、圧力を検出する検出セルの配置密度を抑制しつつ、人物の足裏の形状を高い精度で推定することができる足裏形状推定方法、及び感圧センサ装置を提供することができる。
実施の形態にかかる感圧センサ装置を説明するための図である。 実施の形態にかかる感圧センサ装置が備える検出セルを示す断面図である。 図2に示す検出セルに圧力が印加された状態を示す断面図である。 実施の形態にかかる足裏形状推定方法を説明するための図である。 実施の形態にかかる足裏形状推定方法を説明するための図である。 実施の形態にかかる足裏形状推定方法を説明するためのフローチャートである。 実施の形態にかかる足裏形状推定方法を説明するための図である。 実施の形態にかかる足裏形状推定方法を説明するための図である。 ステップS50の詳細なフローを説明するためのフローチャートである。 実施の形態にかかる足裏形状推定方法を説明するための図である。 実施の形態にかかる足裏形状推定方法を説明するための図である。 実施の形態にかかる足裏形状推定方法を説明するための図である。 実施の形態にかかる足裏形状推定方法における事前処理を説明するための図である。 変形例にかかる足裏形状推定方法を説明するための図である。 変形例にかかる足裏形状推定方法を説明するための図である。 変形例にかかる足裏形状推定方法を説明するための図である。
以下では、具体的な実施形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。各図面において、同一又は対応する要素には同一の符号が付されており、説明の明確化のため、必要に応じて重複説明は省略される。
<感圧センサ装置の構成>
図1は、本実施の形態にかかる感圧センサ装置を説明するためのブロック図である。図1に示すように、本実施の形態にかかる感圧センサ装置1は、センサパネル5、処理回路8、及び記録装置9を備える。センサパネル5は、圧力を検出する複数の検出セル10が行方向及び列方向にマトリックス状に配置されている。図1では、10行×18列の検出セル10を備える構成例を示しているが、本実施の形態にかかる感圧センサ装置1では、行方向および列方向に設ける検出セル10の数は任意に決定することができる。
処理回路8は、センサパネル5の出力(つまり、センサパネル5で検出された圧力)に基づいて人の足裏の形状を推定する回路である。例えば、処理回路8は、プロセッサやメモリなどを備えており、プロセッサにおいてプログラムを実行することで、本実施の形態にかかる足裏形状推定方法が実施される。メモリには、足裏形状推定方法を実施するためのプログラムや所定のデータが格納されている。
記録装置9は、処理回路8が出力した情報を記録する装置である。例えば、記録装置9は、SSD(Solid State Drive)などの不揮発性記録媒体を備えている。なお、記録装置9は着脱可能であってもよいし、感圧センサ装置1の外部に備えられた装置であってもよい。
図2は、本実施の形態にかかる感圧センサ装置が備える検出セル10を示す断面図である。図2に示すように、検出セル10は、基板11上に形成されている。基板11は、プリント配線基板等のリジッド基板を用いて構成することができる。基板11の上面には、互いに近接するように配置された下部電極12、13が配置されている。下部電極12、13の材料には、例えば銅やアルミニウムなどの金属材料や、カーボンブラックやグラファイトなどの炭素系材料を用いることができる。下部電極12、13は、例えば印刷工程を用いて基板11に形成してもよい。また、例えば、下部電極12、13を印刷したフィルムを基板11に貼り合わせて形成してもよい。下部電極12には、駆動電圧が供給される。
基板11の上部にはフィルム15が配置されている。基板11とフィルム15との間にはスペーサ17が設けられている。スペーサ17は、検出セル10の行方向の両側(換言すると、下部電極12、13の両側)に各々配置されている。スペーサ17を設けることで、基板11とフィルム15とを離間して配置することができる。また、フィルム15の下面には上部電極14が形成されている。上部電極14は、下部電極12、13と対向するように配置されている。
図3は、図2に示す検出セル10に圧力が印加された状態を示す断面図である。図3に示すように、本実施の形態にかかる感圧センサ装置1は、各々の検出セル10の上面に応力F1が印加された際に、上部電極14が下部電極12、13に接触することで圧力を検出するように構成されている。つまり、各々の検出セル10の下部電極12には駆動電圧が供給されており、フィルム15が基板11に近づく方向に変位して上部電極14が下部電極12、13に接触して下部電極12、13が導通状態となり、下部電極13に駆動電圧が印加されることを検出することで、圧力を検出するように構成されている。
なお、図2、図3に示した各々の検出セル10の構成は一例であり、本実施の形態では、例えば、圧電素子や感圧素子を用いて検出セル10を構成してもよい。つまり、本実施の形態では、圧力を検出する検出セル10がマトリックス状に複数配置されていればよく、各々の検出セルが圧力を検出する方式については特に限定されることはない。
次に、センサパネル5を用いて人の足裏の形状を推定する方法について説明する。
<人の足を判定するためのアルゴリズム>
図4は、本実施の形態にかかる足裏形状推定方法を説明するための図であり、検出領域が人の足に対応するか否かを判定する処理(アルゴリズム)を説明するための図である。図4の上図に示すように、人の足によってセンサパネル5が踏まれると、検出セル10は圧力を検出する。本願の図面では、圧力を検出した検出セル10をハッチングで示している。例えば、人の足によってセンサパネル5が踏まれて検出領域21(ハッチングで示す領域。以下、同様)が検出されると、処理回路8は検出領域21が人の足に対応するか否かを判定する。具体的には、処理回路8は、人の足に対応するか否かを判定するための基準値と検出領域21とを比較し、検出領域21が基準値の範囲内の場合、検出領域21が人の足に対応すると判定する。図4の下図では、検出領域21が人の足に対応すると判定された領域を領域24で示している。
ここで、人の足か否かを判定するための基準値は、例えば、人の足のサイズ(人の足長であり、靴の長さを含む)であり、処理回路8は、検出領域21の最も長い箇所の長さ(長手方向の長さ)が、人の足長の基準値の範囲内の場合、検出領域21が人の足に対応すると判定する。具体的には、足長の基準値は、最小値と最大値とを有し、検出領域21の長さが、足長の基準値の最小値以上で且つ足長の基準値の最大値以下の場合に、検出領域21が人の足に対応すると判定する。例えば、足長の基準値は、大人の足長を考慮して決定してもよく、また大人の足長に加えて子供の足長も考慮して決定してもよい。
また、本実施の形態では、人の足か否かを判定するための基準値として、更に人の足幅(靴の幅を含む)を用いてもよい。人の足長に加えて、人の足幅を用いることで、より正確に人の足か否かを判定することができる。
また、本実施の形態では、人の足か否かを判定するための基準値として、更に人の足の面積(靴の面積を含む)を用いてもよい。人の足長と足幅に加えて、人の足の面積を用いることで、より正確に人の足か否かを判定することができる。なお、本実施の形態では、人の足長と人の足の面積とを用いて、人の足か否かを判定してもよい。
上述した人の足か否かを判定するための基準値は、例えば処理回路8が備えるメモリに予め格納されている。
図4に示す検出領域21は連続した領域となっているが、例えば図4に示す検出領域22のように、検出領域22が複数の領域に分かれる場合もある。例えばハイヒールを履いてセンサパネル5を踏んだ場合は、踵部分とつま先部分とで検出領域22が分かれる。このような場合は、図4の下図に示すように、検出領域22のうちの一方の領域の中心点26と他方の領域の中心点27との距離を求め、この距離が所定の基準値の範囲内か否かで人の足に対応するか否かを判定することができる。ここで、検出領域22のうち面積が小さい方の領域(中心点26を含む領域)が踵部分に対応し、面積が大きい方の領域(中心点27を含む領域)がつま先部分に対応している。つまり、図4の検出領域22のように、検出領域22が複数の領域に分かれている場合は、踵部分の中心点26とつま先部分の中心点27との距離を用いて、人の足か否かを判定することができる。図4の下図では、領域28が人の足に対応すると判定された領域を示している。検出領域22の場合、人の足か否かを判定するための基準値は、踵部分の中心点とつま先部分の中心点との距離となる。このような基準値は、処理回路8が備えるメモリに予め格納されている。
<足の接地方向を決定するためのアルゴリズム>
次に、図5を用いて人の足の接地方向を決定するためのアルゴリズムについて説明する。一般的に、人が歩くときは、踵から地面に着地し、その後、足全体が地面に接地し、その後、踵が上がり、つま先が地面から離れる。本実施の形態では、このような人の足の一連の動作を追跡することで、足の接地方向を決定している。以下、足の接地方向を決定するためのアルゴリズムについて具体的に説明する。
図5(a)に示すように、センサパネル5に足の踵が着地すると、検出セル10は圧力を検出する。このとき圧力を検出している検出セル10の中心点は、中心点31(足の踵の位置に対応)である。その後、図5(b)に示すように、更に足がセンサパネル5に接地すると、検出セル10が圧力を検出する領域が広くなる。このとき圧力を検出している検出セル10の中心点は、中心点32である。その後、図5(c)に示すように、足全体がセンサパネル5に接地すると、検出セル10が圧力を検出する領域が更に広くなる。このとき圧力を検出している検出セル10の中心点は、中心点32である。その後、図5(d)に示すように、足の踵が上がると、つま先のみがセンサパネル5に接地するので、検出セル10はつま先の圧力を検出する。このとき圧力を検出している検出セル10の中心点は、中心点32(つま先の位置に対応)である。
本実施の形態では、図5(a)~(d)の各々において圧力を検出した検出セル10の中心点32の経時的な移動方向に基づいて足の接地方向を決定している。つまり、図5(a)の中心点31(足の踵の位置に対応)に対する図5(b)~(d)の中心点32の経時的な移動方向(矢印34で示す)を求めることで、人の足の接地方向を決定している。
<人の足裏形状を推定するためのアルゴリズム>
次に、人の足裏の形状を推定するためのアルゴリズムについて説明する。図6は、人の足裏の形状を推定するためのアルゴリズムを説明するためのフローチャートである。図7および図8は、図6のフローチャートを説明するための図である。図7は、センサパネル5上を左方向から右方向に歩いた人の歩行データ100の例を示したものである。図8は、図7に係る歩行データ100を解析した結果である。
図6に示すように、検出領域に関する情報を取得及び記録するステップは、主にステップS10~S50の工程を含む。
まず、ステップS10において、処理回路8は、センサパネル5上を歩いた人の経時的な歩行データ100を、複数の検出セル10を用いて取得する。例えば、処理回路8は、まず圧力を検出した検出セル10の座標位置と検出時刻を取得する。そして、処理回路8は、取得した当該座標位置及び検出時刻の組み合わせを、記録装置9に歩行データ100として記録する。
以下、具体的な例として、図7(a)に示されるような歩行の形跡があった場合について説明する。図7(a)には、センサパネル5と、当該センサパネル5を左から右に歩いた人と、その人とは異なる他人の足跡が示されている。ここで、図7(a)に示すような歩行の履歴に伴って、図7(b)に示すように、いくつかの検出セル10が圧力を検出したとする。すなわち、歩行者の左足に対応した検出領域40、50と、歩行者の右足に対応した検出領域45、55と、他の歩行者の足に対応した検出領域110において、圧力が検出されたとする。また、歩行とは無関係に、検出領域120において圧力が誤検出されたとする。このとき、処理回路8、検出領域40、45、50、55、110、120における各検出セル10の座標位置及び検出時刻の組み合わせを、記録装置9に歩行データ100として記録する。
ステップS10の後はステップS20に進み、処理回路8は、ステップS10で取得した歩行データ100を用いて、人の足裏の形状に対応する検出領域をそれぞれ抽出する(図6参照)。例えば、処理回路8は、前述したアルゴリズム(人の足を判定するためのアルゴリズム)に基づいて、人の足裏の形状に対応する検出領域をそれぞれ抽出する。
図8(a)は、歩行データ100から人の足裏の形状に対応する検出領域を抽出した例を表す図である。図8(a)の例においては、検出領域40、45、50、55、110が、それぞれ人の足43、48、53、58、113に対応するとして抽出されている。一方、検出領域120は、大きさが人の足のサイズに満たないため、人の足の形状に対応しない。したがって、検出領域120は、ステップS20において抽出されない。
次に、ステップS30に進み、処理回路8は、ステップS20で抽出した複数の検出領域の各々の中心位置を取得する(図6参照)。本実施形態の例では、処理回路8は、各々の検出領域を構成する検出セル10の中心点を、当該検出領域の中心位置として決定する。なお、処理回路8は、各々の検出領域を構成する複数の検出セル10の重心を中心位置として決定してもよいし、ユーザが指定した任意の式に基づいて決められる位置を中心位置として決定してもよい。
次に、ステップS40に進み、処理回路8は、圧力を検出した検出セル10の経時的な情報を用いて、ステップS20で抽出した検出領域の各々における人の足裏の接地方向を取得する(図6参照)。例えば、処理回路8は前述したアルゴリズム(足の接地方向を決定するためのアルゴリズム)に基づいて、検出領域の各々における人の足裏の接地方向を決定する。
なお、本実施の形態では、ステップS30の後にステップS40を行う例について説明したが、ステップS40の後にステップS30を行っても構わない。
図8(b)は、検出領域40、45、50、55、110のそれぞれの中心位置及び接地方向を決定した例を表す。例えば処理回路8は、検出領域40に対して、中心点41、42の経時的な移動方向に基づいて足の接地方向44を決定する。ここで、図8(b)において中心点41は踵の位置に対応しており、中心点42は足の中心の位置に対応している。処理回路8は、足の踵の位置(中心点41)から足の中心の位置(中心点42)への経時的な移動方向を求めることで、足の接地方向44を決定することができる。また、処理回路8は、足の中心の位置(中心点42)を、検出領域40の中心位置とする。
なお、図8(b)では、足の踵の位置(中心点41)と足の中心の位置(中心点42)とを用いて足の接地方向44を決定する場合を示しているが、図5で説明したように、足のつま先に対応する中心点を用いて接地方向44を決定してもよい。
同様に、処理回路8は、検出領域45に対して、中心点46、47の経時的な移動方向に基づいて足の接地方向49を決定し、足の中心の位置(中心点47)を、検出領域45の中心位置とする。また、処理回路8は、検出領域50に対して、中心点51、52の経時的な移動方向に基づいて足の接地方向54を決定し、足の中心の位置(中心点52)を、検出領域50の中心位置とする。また、処理回路8は、検出領域55に対して、中心点56、57の経時的な移動方向に基づいて足の接地方向59を決定し、処理回路8は、足の中心の位置(中心点57)を、検出領域55の中心位置と決定する。また、処理回路8は、検出領域110に対して、中心点111、112の経時的な移動方向に基づいて足の接地方向114を決定し、足の中心の位置(中心点112)を、検出領域110の中心位置とする。
ステップS40の後はステップS50に進み、処理回路8は、複数の検出領域同士を、中心位置及び接地方向がそれぞれ一致するように、平行移動及び回転移動させて重ね合わせることで、人の足裏の形状を推定し、フローを終了する(図6参照)。検出領域同士を中心位置及び接地方向が一致するように重ねることによって、それぞれの検出領域を平均化した形状が求められる。このようにして求められた形状は、各検出領域の形状に比べて、足裏形状をよく再現しているといえる。したがって、足裏形状を高い精度で推定することができる。
ここで、ステップS50の詳細な工程の例について説明する。図9は、ステップS50の詳細なフローチャートである。図9に示すように、ステップS50は、主にステップS51~S53を備える。図10は、ステップS52を説明するための図である。
まず処理回路8は、ステップS51において、ステップS20で抽出された複数の検出領域のうち、同じ側の足に対応する検出領域を抽出する(図9参照)。
例えば、処理回路8は、検出時刻の差が少なく、距離が短く、かつ接地方向同士のなす角度が小さい検出領域の組を抽出することで、同一人の足に対応する検出領域を抽出することができる。この場合、処理回路8は、まずステップS20で抽出された複数の検出領域のうち、検出セル10が圧力を検出した検出時刻の差が所定の時間(例えば、0秒~3秒)の範囲内にある検出領域の組を抽出する。そして、処理回路8は、抽出された検出領域の組に対して、それぞれの検出領域間の距離が所定の距離(例えば、人間の歩幅)の範囲内である検出領域の組を抽出する。さらにその後、処理回路8は、それぞれの検出領域における接地方向同士のなす角度が所定の角度(例えば、0度~90度)の範囲内である検出領域の組を抽出する。以上のようにして、処理回路8は、同一人の足に対応する検出領域を抽出することができる。
例えば、図8(b)において、検出領域40、45、50、55が、所定の時間の範囲内で検出されたとする。また、当該検出領域間の距離が、所定の距離の範囲内であったとする。さらに、当該検出領域の接地方向44、49、54、59がなす角度は、それぞれ所定の角度の範囲内である。この場合、検出領域40、45、50、55は、同一人の足に対応すると判定できる。一方で、検出領域110の接地方向114は、他の検出領域(検出領域40、45、50、55)の接地方向(接地方向44、49、54、59)に対して所定の角度の範囲を超えている。この場合、検出領域110は他人の足に対応すると判定できる。
また、処理回路8は、同一人の足に対応すると判定した検出領域40、45、50、55の接地方向44、49、54、59を合成することで、当該人が左から右に歩行したことを検出できる。そして、検出領域40及び50は当該人の歩行方向から見て左側にあることから、処理回路8は、検出領域40及び50が当該人の左足に対応すると判断できる。同様に、検出領域45及び55が当該人の歩行方向から見て右側にあることから、処理回路8は、検出領域45及び55が当該人の右足に対応すると判断できる。以上のようにして、処理回路8は、図8(c)に示すように、検出領域40及び50が同一人の左足、検出領域45及び55が同一人の右足に対応することを抽出できる。
ステップS51の後はステップS52に進み、同一人の同じ足に対応する検出領域同士を、中心位置及び接地方向がそれぞれ一致するように、平行移動及び回転移動させて重ね合わせる(図9参照)。
例えば処理回路8は、図10(a)に示すように、同一人の左足に対応する検出領域40及び50に対して、それぞれの中心位置と接地方向が一致するように、平行移動及び回転移動させて重ね合わせる。具体的には、まず接地方向44と接地方向54が同一の方向になるように、検出領域50を回転させる。その後、それぞれの中心位置である中心点42と中心点52が一致するように、検出領域50を平行移動させて、それぞれの検出領域を重ね合わせる。このようにして、検出領域40と検出領域50とを重ね合わせた積算領域61を得ることができる。図10(a)において、積算領域61のうち検出領域40と検出領域50が重なり合った部分は濃いハッチングで示している。なお、図10(a)では、説明を簡略化するために各々の接地方向44、54が略同一である例を示している。接地方向が異なる検出領域同士を重ね合わせる例については後述する。
同様に、処理回路8は、図10(b)に示すように、同一人の右足に対応する検出領域45及び55に対して、それぞれの中心位置と接地方向が一致するように、平行移動及び回転移動させて重ね合わせる。具体的には、まず接地方向49と接地方向59が同一の方向になるように、検出領域55を回転させる。その後、それぞれの中心位置である中心点47と中心点57が一致するように、検出領域55を平行移動させて、それぞれの検出領域を重ね合わせる。このようにして、検出領域45と検出領域55とを重ね合わせた積算領域62を得ることができる。図10(b)において、積算領域61のうち検出領域40と検出領域50が重なり合った部分は濃いハッチングで示している。なお、図10(b)では、説明を簡略化するために各々の接地方向49、59が略同一である例を示している。接地方向が異なる検出領域同士を重ね合わせる例については後述する。
また、上述の例においては、それぞれの接地方向が一致するように検出領域を回転移動させてから、それぞれの中心位置が一致するように平行移動する場合を説明したが、これらの操作は任意の順番で実行してよい。すなわち、それぞれの中心位置が一致するように検出領域を平行移動させてから、それぞれの接地方向が一致するように検出領域を回転移動させてもよい。また、回転移動と平行移動を同時に行ってもよい。
ステップS52の後はステップS53に進み、ステップS52で求められた積算領域61、62に基づいて、それぞれの足裏の形状を推定し、フローを終了する(図9参照)。例えば、処理回路8は、積算領域61、62において、相対的に多くの検出領域が重なり合わさった部分を抽出することによって人の足裏の形状を推定する。
具体的には、処理回路8は、積算領域61のうち、検出領域40、50が重なった部分を抽出し、積算領域61に対応する足(左足)の形状を推定する。同様に、処理回路8は、積算領域62のうち、検出領域45、55が重なった部分を抽出し、積算領域62に対応する足(右足)の形状を推定する。
なお、図10(a)、(b)に示した例では、説明を簡略化するために2つの検出領域を重ねて足裏の形状を推定する場合について説明した。しかし本実施の形態では、重ねる検出領域の数が多いほど精度よく足裏の形状を推定することができる。以下で、本発明のメカニズムについて詳細に説明する。
図11及び図12は、本発明のメカニズムを説明するための図である。図11(a)~(d)は、それぞれ同一人の同じ足に対して取得した検出領域71、74、77、80である。検出領域71、74、77、80におけるそれぞれの中心位置は、中心点72、75、78、81であり、それぞれの接地方向は接地方向73、76、79、82である。また、図12は、図11の各検出領域を重ね合わせて得られた積算領域83と、各検出領域に対応する足の足裏形状84(実際の足裏形状)である。積算領域83は、検出領域71、74、77、80を、中心位置(中心点72、75、78、81)及び接地方向(接地方向73、76、79、82)が一致するように重ね合わせて得られたものである。なお、図12において、積算領域83のうち複数の検出領域が重なった部分は、重なった検出領域の数に応じて、より濃いハッチングで示している。すなわち、積算領域83のうち検出領域71、74、77、80の全てが重なった部分は、最も濃いハッチングで示している。また、検出領域71、74、77、80のうち3つの検出領域が重なった部分は、次に濃いハッチングで示している。
図12に示すように、積算領域83と実際の足裏形状84を重ねて比較すると、足の内側では積算領域83のハッチングが濃く、足の外側では積算領域83のハッチングが薄くなることが分かる。これは、足の内側にある検出セル10は圧力を検出する確率が高く、足の外側にある検出セル10は圧力を検出する確率が低いことによるものである。換言すると、積算領域83において相対的に多くの検出領域が重なり合った部分を抽出することによって、足裏形状84の形状を高い精度で推定することができる。
より具体的には、積算領域83において所定の割合以上の検出領域が重なり合った部分(例えば、5割以上の検出領域が重なり合った部分)を抽出することによって、実際の足裏形状84を高い精度で推定することができる。積算領域83において、重なり合った検出領域の割合が当該所定の割合に達していない部分は、検出セル10が圧力を検出する確率が小さいことから、足の外側に対応すると考えられるからである。
なお、処理回路8は、図10や図12のように、積算領域において多くの検出領域が重なり合った部分と、検出領域があまり重なり合っていない部分とに異なる色彩や模様を付した画像を作成してもよい。そのような画像は、ユーザに対して、足裏の形状を直感的に理解することを促すことができる。
また、それぞれの接地方向が異なる検出領域同士を重ね合わせると、足裏の形状をより高い精度で求めることができる。例えば、検出領域71、74、77、80の接地方向73、76、79、82は、それぞれ異なっている。このとき、検出領域71、74、77、80を回転させて重ねることで得られる積算領域83は、検出セル10の並ぶ行方向及び列方向のみならず、斜め方向の情報も含むため、全体的に丸みを帯びた形状になりやすい。したがって、足裏形状84の曲線的な輪郭を精度よく表すことができる。なお、具体的には、少なくとも2つの接地方向のなす角度が10度以上である検出領域同士を重ね合わせることが好ましい。
なお、図12の例では、4つの検出領域を重ね合わせて積算領域83を作成した場合について説明したが、積算領域を作成するにあたって重ね合わせられる検出領域の数は多い方が好ましい。より多くの検出領域を重ねることで、積算領域のS/N比が改善し、足の内側と外側の区別を明確にすることができる。
<検出領域の事前処理>
図13は、本実施の形態にかかる移動方向特定方法における事前処理を説明するための図である。図13に示すように、センサパネル5には、複数の検出セル10が行方向及び列方向にマトリックス状に配置されている。各々の検出セル10は、センサピッチ以上の解像度で圧力を検出することができない。このため、図13では、各々の検出セル10の1つ当たりの解像度を擬似的に拡張することで、検出領域を拡張している。
つまり、図13に示す事前処理では、図13の上図に示す各々の検出セル10で検出した検出領域91、92を、図13の下図に示すように拡張している。具体的には、各々の検出セル10で検出した検出領域を、同心円状93に拡張している。そして、拡張された各々の検出領域を用いて、人の足に対応する領域94、95を特定している。
このように検出領域を拡張することで、人の足に対応する領域の判定処理を高精度で行うことができる。また、検出領域を拡張しない場合はセンサピッチに応じた解像度となるため、検出結果は離散的な検出結果となるが、図13に示すように、各々の検出領域を拡張することで、より精密な検出結果が得られるようになる。また、各々の検出領域を拡張することで、人の足のサイズに比べて各々の検出セル10のピッチが大きい場合であっても、足の接地方向や人の移動方向を判定することができる。よって、人の足の大きさと同等の領域を検出対象とすることができるようになる。
以上、本発明を上記実施の形態に即して説明したが、本発明は上記実施の形態の構成にのみ限定されるものではなく、本願特許請求の範囲の請求項の発明の範囲内で当業者であればなし得る各種変形、修正、組み合わせを含むことは勿論である。
例えば、上記実施の形態では、足裏形状推定方法にかかる各工程を処理回路8が実行する場合について説明したが、それぞれの工程の一部あるいは全体をユーザが実行しても構わない。
また、ステップS52において、同一人の一方の足(第1の足)に対応する検出領域の数が所定の数(例えば5つ)よりも少ない場合には、同一人の他方の足(第2の足)に対応する検出領域を用いて、第1の足の形状を推定してもよい。この場合、処理回路8は、まず第2の足に対応する検出領域を裏返しにする。その後、処理回路8は、第1の足に対応する検出領域と、裏返した第2の足に対応する検出領域とを、中心位置及び接地方向がそれぞれ一致するように、平行移動及び回転移動させてから重ね合わせる。このようにすることで、足裏の形状をより精度よく求めることができる。
例えば図8(c)の場合において、左足(ここでは第1の足)に対応する検出領域は検出領域40と検出領域50の2つであり、個数が所定の数よりも少ない。したがって、処理回路8は、同一人の右足(ここでは第2の足)に対応する検出領域45、55を裏返して、それぞれの検出領域を重ね合わせる。右足を裏返した形は、左足を表す形として近似できるからである。
図14は、検出領域45、55の重ね合わせである積算領域62を裏返した積算領域62_2を、検出領域40、50の重ね合わせである積算領域61に重ね合わせた例を示している。積算領域61と積算領域62_2との重ね合わせで得られる積算領域63は、実質的に左足に対応する検出領域を4つ重ね合わせた領域である。したがって、左足に対応する検出領域を2つ重ね合わせた積算領域61に比べて、足裏形状64をより高精度に表すものであるといえる。すなわち、このようにして求めた積算領域63に基づいて足裏形状を推定することで、より高精度に足裏形状を推定することができる。
また、上記実施の形態では、圧力を検出した検出セル10の矩形状の領域を一単位とし、この矩形状の領域の集合を検出領域としたが、例えば各検出セル10の検出中心点であるセンシングポイントを一単位とし、このセンシングポイントの集合に基づいて検出領域を抽出してもよい。図15(a)~(d)は、それぞれ図11(a)~(d)に対応するセンサパネル5である。図15(a)~(d)において、それぞれの検出セル10の中に描かれている各々の丸は、検出セル10の圧力検出のセンシングポイント18を示している。圧力を検出した検出セル10のセンシングポイント18は圧力検出ポイント19として示されている。
センシングポイントに基づいて検出領域を求める一例として、圧力を検出した検出セル10のセンシングポイント(圧力検出ポイント19)の同心円の集合を検出領域とすることができる。図15は、それぞれの圧力検出ポイント19の同心円の集合を検出領域171、174、177、180とした例を示している。このように検出領域を決定する場合、検出領域の形状が検出セル10の形状に依らないため、検出領域は足裏の形状をより強く反映したものになる。したがって、足裏の形状をより高精度で推定することができる。
また、このとき、重ね合わせられた複数の検出領域に含まれる複数のセンシングポイントに基づいて、人の足裏の形状を推定してもよい。図16は、検出領域171、174、177、180を、中心位置及び接地方向が一致するように重ね合わせた時の、各センシングポイント18及び圧力検出ポイント19の分布183を示している。ここで、分布183において圧力検出ポイント19の密度が高い部分は、相対的に多くの検出領域が重なり合った部分に対応するといえる。したがって、分布183において圧力検出ポイント19の密度が高い部分を抽出することによって、高い精度で足裏形状84を推定することができる。
また、本発明に係る足裏形状推定方法では、人物の足裏の形状を高い精度で推定することができるため、歩行者の歩行跡を精度よく推定することができる。したがって、歩幅(歩行方向における両足の間隔)や歩隔(歩行方向と直交する方向における両足の間隔)などの、歩行者に固有の歩行情報を精度よく解析することができる。このような歩行情報を足裏形状の情報と合わせて用いることで、歩行者の個人認証をより精度よく行うことができる。
1 感圧センサ装置
5 センサパネル
8 処理回路
9 記録装置
10 検出セル
11 基板
12、13 下部電極
14 上部電極
15 フィルム
17 スペーサ

Claims (10)

  1. 圧力を検出する複数の検出セルが行方向及び列方向にマトリックス状に配置されたセンサパネルを用いて、当該センサパネル上を歩いた人の足裏の形状を推定する足裏形状推定方法であって、
    前記センサパネル上を歩いた人の経時的な歩行データを、前記複数の検出セルを用いて取得する第1のステップと、
    前記取得した歩行データを用いて、前記人の足裏の形状に対応する検出領域をそれぞれ抽出する第2のステップと、
    前記抽出した複数の検出領域の各々の中心位置を取得する第3のステップと、
    前記圧力を検出した前記検出セルの経時的な情報を用いて、前記抽出した検出領域の各々における前記人の足裏の接地方向を取得する第4のステップと、
    前記複数の検出領域同士を、前記中心位置及び前記接地方向がそれぞれ一致するように重ね合わせることで、前記人の足裏の形状を推定する第5のステップと、を備える、
    足裏形状推定方法。
  2. 前記第5のステップにおいて、相対的に多くの検出領域が重なり合った部分を抽出することによって前記人の足裏の形状を推定する、
    請求項1に記載の足裏形状推定方法。
  3. 前記第5のステップにおいて、所定の割合以上の検出領域が重なり合った部分を抽出することによって前記人の足裏の形状を推定する、
    請求項2に記載の足裏形状推定方法。
  4. 前記第5のステップの前に、同一人の第1の足に対応する検出領域を抽出し、
    前記第5のステップにおいて、前記第1の足に対応する検出領域同士を重ね合わせることで、前記第1の足の足裏の形状を推定する、
    請求項1~3のいずれか1項に記載の足裏形状推定方法。
  5. 前記第5のステップの前に、同一人の第1の足に対応する検出領域を抽出するステップと、前記同一人の前記第1の足とは異なる側の第2の足に対応する検出領域を抽出するステップと、をさらに備え、
    前記第5のステップにおいて、前記第2の足に対応する検出領域を裏返してから、前記第1の足に対応する検出領域と、裏返しさせた前記第2の足に対応する検出領域とを重ね合わせることで、前記第1の足の足裏の形状を推定する、
    請求項1~4のいずれか1項に記載の足裏形状推定方法。
  6. 前記第2のステップにおいて、前記複数の検出領域は、前記圧力を検出した検出セルのセンシングポイントに基づいて抽出される、
    請求項1~5のいずれか1項に記載の足裏形状推定方法。
  7. 前記第5のステップにおいて、重ね合わせられた前記複数の検出領域に含まれる複数の前記センシングポイントに基づいて前記人の足裏の形状を推定する、
    請求項6に記載の足裏形状推定方法。
  8. 前記第5のステップにおいて、重ね合わせられた前記複数の検出領域に含まれる複数の前記センシングポイントの密度が高い部分を抽出することによって前記人の足裏の形状を推定する、
    請求項7に記載の足裏形状推定方法。
  9. 前記接地方向は、前記検出領域において前記圧力を検出した前記検出セルの中心点の経時的な移動方向に基づいて求められる、
    請求項1~8のいずれか1項に記載の足裏形状推定方法。
  10. 圧力を検出する複数の検出セルが行方向及び列方向にマトリックス状に配置されたセンサパネルと、
    前記複数の検出セルで検出された圧力に基づいて、当該センサパネル上を歩いた人の足裏の形状を推定する処理回路と、を備え、
    前記処理回路は、
    前記センサパネル上を歩いた人の経時的な歩行データを前記複数の検出セルを用いて取得し、
    前記取得した歩行データを用いて、前記人の足裏の形状に対応する検出領域をそれぞれ抽出し、
    前記抽出した複数の検出領域の各々の中心位置を取得し、
    前記圧力を検出した前記検出セルの経時的な情報を用いて、前記抽出した検出領域の各々における前記人の足裏の接地方向を取得し、
    前記複数の検出領域同士を、前記中心位置及び前記接地方向がそれぞれ一致するように重ね合わせることで、前記人の足裏の形状を推定する、
    感圧センサ装置。
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