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JP7127259B2 - 画像形成装置 - Google Patents
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JP7127259B2 - 画像形成装置 - Google Patents

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Description

本発明は、樹脂フィルム及び画像形成装置に関する。
表面に受像層を設け、当該受像層の表面抵抗率を調整した画像形成用樹脂フィルムが知られている。
特許文献1には、耐熱温度100℃以上の透明プラスチックフィルムの少なくとも一方の面に、ポリエステル樹脂からなる透明樹脂層を設け、前記ポリエステル樹脂の貯蔵弾性率(Ep)はトナーの結着樹脂の貯蔵弾性率(Et)との間に-50Pa≦(Ep)-(Et)≦2500Paの関係を有し、前記ポリエステル樹脂はトナーとの溶融トナー傾斜角を50度以下に調整し、前記透明樹脂層の厚さは1~8μmの範囲とし、弾性転写ロールに接触する面の表面電気抵抗値が温度20℃、相対湿度65%の環境下で5×10~3.2×1010Ω/cmの範囲にあり、透明樹脂層の表面電気抵抗値が温度20℃、相対湿度65%の環境下で1010~1013Ω/cmの範囲にあることを特徴とする電子写真用被転写フィルムが開示されている。
特許文献2には、透明プラスチックフィルムの少なくとも一方の表面に、受像層が設けられた電子写真用フィルムにおいて、該受像層が、導電性金属酸化物の微粒子と潤滑性を有するマット剤とポリマーとからなり、該ポリマーが、セルロース系樹脂を主成分とし、且つ該受像層の表面電気抵抗が、1×10~1×1014Ωの範囲にある電子写真用透明フィルムが開示されている。
特許文献3には、ベースシートの表面にトナー受容層を設けたカラー電子写真用受像シートにおいて、トナー受容層として、(A)ガラス転移温度が30℃以下のポリエステル樹脂、(B)粗面化剤及び(C)帯電防止剤を少なくとも含有するとともに、10~1011Ω/□(20℃、RH65%)の表面抵抗率を有するものを用い、かつベースシートの裏面に粘着層を介して帯電防止性剥離層を設けたことを特徴とするカラー電子写真用受像シートが開示されている。
特開平8-334916号公報 特開2003-43722号公報 特開平7-271079号公報
従来、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)及びブラック(K)等のカラートナーのほか、白色トナー及び金属顔料を含む金属色トナーが、画像形成に用いられている。しかしながら、これら白色トナー及び金属色トナーを用いて、電子写真方式により樹脂フィルムにトナー画像を形成すると、形成されたトナー画像の後方側(搬送方向上流側)に当該トナーが飛散する場合があることが見出された。
本発明の課題は、白色トナー又は金属色トナーを含む画像が表面に形成される樹脂フィルムであって、樹脂フィルムの両面の表面抵抗率の常用対数値がいずれも11.2(logΩ/□)を超える場合と比較して、白色トナー又は金属色トナーを用いて形成したトナー画像の後方側への当該トナーの飛散を抑制する樹脂フィルムを提供することである。
前記課題を解決するための具体的手段には、下記の態様が含まれる。
請求項1に係る発明は、金属を含む白色顔料を含む白色トナーまたは金属顔料を含む金属色トナーを含む画像が表面に形成され、樹脂基材と、前記樹脂基材の一方の面に接し、前記画像が形成される受像層と、前記樹脂基材の他方の面に接する抵抗調整層と、を備え、前記樹脂基材は、ポリエチレンテレフタレートであり、前記受像層及び前記抵抗調整層の少なくとも一方の温度20℃及び湿度10%RHにおける印加電圧100Vの条件での表面抵抗率の常用対数値が11.2(logΩ/□)以下である、樹脂フィルムと;前記樹脂フィルムの前記受像層に、前記白色トナーまたは前記金属色トナーを含む前記画像を形成する画像形成部と;前記樹脂フィルムを搬送する搬送装置と;を有し、前記画像形成部が、前記画像を形成するトナー画像形成部と、前記トナー画像形成部で形成された前記画像を前記樹脂フィルムに転写する転写装置と、前記樹脂フィルムに転写された前記画像を加熱及び加圧して前記樹脂フィルムに定着する定着装置と、を有する、画像形成装置である。
請求項2に係る発明は、前記受像層の温度20℃及び湿度10%RHにおける印加電圧100Vの条件での表面抵抗率の常用対数値が11.2(logΩ/□)以下である、請求項1に記載の画像形成装置である。
請求項3に係る発明は、温度20℃及び湿度10%RHにおける印加電圧100Vの条件での表面抵抗率の常用対数値が11.2(logΩ/□)以下である層とは反対側の層の温度20℃及び湿度10%RHにおける印加電圧100Vの条件での表面抵抗率の常用対数値が12(logΩ/□)以下である、請求項1又は2に記載の画像形成装置である。
請求項4に係る発明は、前記受像層の温度28℃及び湿度85%RHにおける印加電圧100Vの条件での表面抵抗率の常用対数値が9.8(logΩ/□)以上である、請求項1~3のいずれか一項に記載の画像形成装置である。
請求項5に係る発明は、前記抵抗調整層の温度28℃及び湿度85%RHにおける印加電圧100Vの条件での表面抵抗率の常用対数値に対する、前記受像層の温度28℃及び湿度85%RHにおける印加電圧100Vの条件での表面抵抗率の常用対数値の差が、1.0(logΩ/□)以上である、請求項4に記載の画像形成装置である。
請求項6に係る発明は、黒色紙の上に前記樹脂フィルムを重ねたときのL*の変化量ΔL*が5以下である、請求項1~5のいずれか一項に記載の画像形成装置である。
請求項7に係る発明は、受像層側から測定されたCIE1976L*a*b*表色系に基づくL、a及びb、並びに、抵抗調整層側から測定されたCIE1976L*a*b*表色系に基づくL、a及びbから、下記の式により算出される色差ΔEが3以下である、請求項1~6のいずれか一項に記載の画像形成装置である。
Figure 0007127259000001
請求項1に係る発明によれば、白色トナー又は金属色トナーを含む画像が表面に形成される樹脂フィルムであって、樹脂フィルムの両面の表面抵抗率の常用対数値がいずれも11.2(logΩ/□)を超える場合と比較して、白色トナー又は金属色トナーを用いて形成したトナー画像の後方側への当該トナーの飛散を抑制する樹脂フィルムを有する画像形成装置が提供される。
請求項2に係る発明によれば、受像層の当該表面抵抗率の常用対数値が11.2(logΩ/□)を超える場合と比較して、白色トナー又は金属色トナーを用いて樹脂フィルム上に形成されるライン画像の欠けの発生を抑制する樹脂フィルムを有する画像形成装置が提供される。
請求項3に係る発明によれば、当該反対側の層の当該表面抵抗率の常用対数値が12(logΩ/□)を超える場合と比較して、トナー画像を形成した樹脂フィルムを重ねて保存したときの樹脂フィルム同士の貼り付きを防止する耐スティッキング性に優れる樹脂フィルムを有する画像形成装置が提供される。
請求項4に係る発明によれば、受像層の温度28℃及び湿度85%RHにおける印加電圧100Vの条件での表面抵抗率の常用対数値が9.8(logΩ/□)未満である場合と比較して、湿度85%RH等の高湿条件下における白色画像又は金属色画像による隠蔽性が向上した樹脂フィルムを有する画像形成装置が提供される。
請求項5に係る発明によれば、抵抗調整層の温度28℃及び湿度85%RHにおける印加電圧100Vの条件での表面抵抗率に対する、受像層の温度28℃及び湿度85%RHにおける印加電圧100Vの条件での表面抵抗率の差が、1.0(logΩ/□)未満である場合と比較して、湿度85%RH等の高湿条件下における白色画像又は金属色画像による隠蔽性がより向上した樹脂フィルムを有する画像形成装置が提供される。
請求項6に係る発明によれば、当該変化量ΔL*が5を超える場合と比較して、濃色のカラー画像に対する透明性を確保する樹脂フィルムを有する画像形成装置が提供される。
請求項7に係る発明によれば、当該色差ΔEが3を超える場合と比較して、形成画像の裏打ちとして利用する際の樹脂フィルムの透明性を確保する樹脂フィルムを有する画像形成装置が提供される。
本実施形態に係る画像形成装置の一例を示す概略構成図である。 本実施形態に係るトナー画像形成部を示す概略図である。 本実施形態に係る転写装置を示す概略図である。 本実施形態における二次転写位置での白色トナーの挙動を示す図である。 本実施形態の他の例における二次転写位置での白色トナーの挙動を示す図である。 従来の構成における二次転写位置での白色トナーの挙動を示す図である。
以下に、本発明の実施形態を説明する。これらの説明及び実施例は実施形態を例示するものであり、本発明の範囲を制限するものではない。
<本実施形態の構成>
本実施形態に係るフィルムは、白色トナーまたは金属顔料を含む金属色トナーを含む画像が表面に形成される樹脂フィルムであって、樹脂基材と、樹脂基材の一方の面に接し、画像が形成される受像層と、樹脂基材の他方の面に接する抵抗調整層と、を備え、受像層及び抵抗調整層の少なくとも一方の温度20℃湿度10%RHにおける表面抵抗率の常用対数値が11.2(logΩ/□)以下である、ことを特徴とする。
従来より、透明樹脂フィルムは、表面に画像を形成し、商品パッケージやPOPなど様々な形態に加工され、用いられてきた。近年の多品種少量化の流れに伴い、より簡便な電子写真方式により樹脂フィルム上に画像形成を行うことへの要求が高まっている。これらの用途に用いる画像はフルカラー画像であり、特に白を下引きとして使用する場合が多い。白を下引きとすることにより、隠蔽率が高く、透けないカラー画像を形成することが可能となり、樹脂フィルム上により印象的でインパクトのある画像を形成することができる。そこで、電子写真方式による樹脂フィルムへの画像形成においても、上述した隠蔽率を確保するために、白色顔料及び白色トナーの高含量での使用が求められる。
しかしながら、従来の樹脂フィルムに対して、電子写真方式により、白色トナーを用いて白色画像を形成しようとすると、樹脂フィルムの画像形成面であって、形成した白色画像の後方側(搬送方向の下流側)に白色トナーが飛散し、印刷汚れが発生する場合があることが、本発明者らの検討により判明した。白色トナーに含まれる白色顔料は、代表的な酸化チタンを始めとして導電性であり、これを高濃度含有したトナーでは帯電量が低下することがある。またトナー量を確保するために樹脂フィルム上に白色トナーを多層形成すると、上層のトナーが下層のトナーに比較して静電付着力が低下することがある。そのため、その他のカラー画像を形成する場合と比べて、白色トナーを用いて従来の樹脂フィルム上に白色画像を形成する際、白色トナーが格段に飛散しやすくなるものと考えられた。このような白色トナーの飛散現象は、特に湿度10%RH程度の低湿度環境において、より発生し易いことも判明した。
これに対し、本実施形態に係る樹脂フィルムでは、樹脂基材の一方の面に接し、白色画像が形成される受像層と、樹脂基材の他方の面に接する抵抗調整層とを設け、且つ、受像層及び抵抗調整層の少なくとも一方の温度20℃湿度10%RHにおける表面抵抗率の常用対数値を11.2(logΩ/□)以下とすることにより、両面の表面抵抗率の常用対数値がいずれも11.2(logΩ/□)を超える従来の樹脂フィルムと比較して、上述した白色トナーの飛散を抑制することができる。その理由については、後述する。
以下、本実施形態に係る樹脂フィルムを記録媒体として用いる画像形成装置の一例について、図面に基づいて説明した後、本実施形態により得られる作用について詳しく説明する。なお、各図に示す矢印Hは鉛直方向を示し、矢印Wは水平方向であって装置幅方向を示す。また、本明細書では、樹脂フィルムにおいて受像層を設けた面を「第1面」とも記載し、樹脂フィルムにおいて抵抗調整層を設けた面を「第2面」とも記載する。
<画像形成装置10>
図1は、本実施形態に係る画像形成装置10を正面側から見た構成を示す概略構成図である。この図に示されるように、画像形成装置10は、電子写真方式により、本実施形態に係る樹脂フィルムである記録媒体Pに画像を形成する画像形成部12と、記録媒体Pを搬送する搬送装置50と、画像形成装置10の各部の動作を制御する制御部70と、を有している。この画像形成装置10は、いわゆるタンデム方式の画像形成装置とされている。
[搬送装置50]
図1に示されるように、搬送装置50は、記録媒体Pが収容される収容器51と、収容器51から二次転写位置NTへ記録媒体Pを搬送する複数の搬送ロール52と、を有している。さらに、搬送装置50は、二次転写位置NTから定着装置40へ記録媒体Pを搬送する複数の搬送ベルト58と、定着装置40から記録媒体Pの排出部(図示省略)へ向けて記録媒体Pを搬送する搬送ベルト54及び搬送ロール56と、を有している。
[画像形成部12]
画像形成部12は、トナー画像を形成するトナー画像形成部20と、トナー画像形成部20で形成されたトナー画像を記録媒体Pに転写する転写装置30と、記録媒体Pに転写されたトナー画像を加熱及び加圧して記録媒体Pに定着する定着装置40と、を有している。本実施形態に係る画像形成部12では、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)、白色(W)の各色のトナー画像を形成する、計5つのトナー画像形成部20が設けられている。図1に示す(Y)、(M)、(C)、(K)、(W)は、上記各色に対応する構成部分であることを示している。なお、本明細書では、括弧を省略してY、M、C、K、Wと記載する場合がある。
[トナー画像形成部20]
各色のトナー画像形成部20は、用いるトナーを除き基本的に同様に構成されている。具体的には、各色のトナー画像形成部20は、図2に示すように、図2における時計周り方向に回転する感光体ドラム21と、感光体ドラム21を帯電させる帯電器22と、を有している。さらに、各色のトナー画像形成部20は、帯電器22によって帯電された感光体ドラム21を露光して感光体ドラム21に静電潜像を形成する露光装置23と、露光装置23によって感光体ドラム21に形成された静電潜像を現像してトナー画像を形成する現像装置24と、を有している。例えば、画像形成部20Wでは、白色トナーを用いて、トナー画像を形成する。
帯電器22は、例えば、感光体ドラム21の表面(感光層)を負極性に帯電させる。負極性に帯電した感光体ドラム21の表面は、露光装置23によって露光光Lが照射された部分が正極性を呈し、感光体ドラム21の表面に静電潜像が形成される。そして、現像装置24内で負極性に摩擦帯電されたトナーが、正極性を呈する静電潜像に付着して静電潜像が現像される。
[転写装置30]
転写装置30は、各色の感光体ドラム21のトナー画像を、転写ベルト31(中間転写体)に重畳して一次転写し、該重畳されたトナー画像を二次転写位置NTで記録媒体Pに二次転写するようになっている。具体的には、転写装置30は、図1に示されるように、転写体の一例としての転写ベルト31と、一次転写ロール33と、転写部の一例としての二次転写ベルト36と、を備えている。
転写ベルト31は、図1に示されるように、無端状を成し、複数のロール32に巻き掛けられて姿勢が決められている。この実施形態では、転写ベルト31は、正面視で装置幅方向に長い逆鈍角三角形状の姿勢とされている。複数のロール32のうち、図1に示すロール32Dは、図示しないモータの動力により転写ベルト31を矢印A方向に周回させる駆動ロールとして機能する。転写ベルト31は、矢印A方向に周回することで、一次転写された画像を二次転写位置NTへ搬送するようになっている。
また、複数のロール32のうち、図1に示すロール32Tは、転写ベルト31に張力を付与する張力付与ロールとして機能する。複数のロール32のうち、図1に示すロール32Bは、二次転写ロール34の対向ロールとして機能する。ロール32Bには、前述の通り逆さ鈍角三角形状の姿勢とされた転写ベルト31の鈍角を成す下端側の頂部が巻き掛けられている。この転写ベルト31は、前述した姿勢で装置幅方向に延びる上辺部において、各色の感光体ドラム21に下方から接触している。
一次転写ロール33は、各感光体ドラム21のトナー画像を転写ベルト31に転写させるロールであり、図1に示されるように、転写ベルト31の内側に配置されている。各一次転写ロール33は、転写ベルト31を挟んで対応する色の感光体ドラム21に対して対向配置されている。また、一次転写ロール33には、給電部(図示省略)によって、トナー極性とは逆極性の一次転写電圧が印加されるようになっている。この一次転写電圧の印加により、感光体ドラム21に形成されたトナー画像が、一次転写位置Tで転写ベルト31に転写される。
二次転写ベルト36は、転写ベルト31に重畳されたトナー画像を記録媒体Pに転写するベルトである。二次転写ベルト36は、図3に示すように、無端状をなし、二次転写ロール34と、従動ロール37と、に巻き掛けられている。
二次転写ロール34は、ロール32Bとの間に転写ベルト31及び二次転写ベルト36を挟むように配置されており、二次転写ベルト36と転写ベルト31とは予め定められた荷重にて接触している。このように接触している二次転写ベルト36と転写ベルト31の間が二次転写位置NTとされる。この二次転写位置NTには、収容器51から適時に記録媒体Pが供給されるようになっている。二次転写ベルト36は、二次転写ロール34が回転駆動されることで、矢印B方向へ周回移動される。
本実施形態では、転写ベルト31のトナー画像を記録媒体Pに転写する際には、印加部としての給電部39によって、ロール32Bに負極性の電圧が印加される。これにより、ロール32Bと二次転写ロール34との間に電位差が生じる。すなわち、ロール32Bに負極性の電圧が印加されることで、ロール32Bの対向電極をなす二次転写ロール34にトナー極性と逆極性の二次転写電圧(正極性の電圧)が間接的に印加される。これにより、二次転写位置NTを通過する記録媒体Pに、転写ベルト31からトナー画像が転写される。
画像形成装置10は、白色画像を単色にて記録媒体Pに形成する態様(白色単色モード)を有してもよい。白色単色モードは、例えば、黒色等の有色の記録媒体Pに白色画像を形成する場合に用いられる。白色単色モードでは、制御部70が、トナー画像形成部20Y、20M、20C、20Kを稼働させずに、トナー画像形成部20Wを稼働させることで、実行される。
トナー画像形成部20Wは、金属顔料を含む白色のトナーで白色のトナー画像を形成する形成部の一例である。以下、白色のトナーを白色トナーとも記載し、白色のトナー画像を白色画像とも記載する。
白色トナーは、結着樹脂中に、金属を含む白色顔料が分散してなる粒子である。結着樹脂としては、トナーの製造に用いられる公知の結着樹脂であればよく、例えば、スチレン系樹脂、ビニル系樹脂、エチレン系樹脂、ロジン変性樹脂、アクリル系樹脂、ポリアミド樹脂、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂等が挙げられる。金属を含む白色顔料としては、例えば、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化鉛等が挙げられる。白色トナーは、これら白色顔料を含むため、導電性を有する。白色トナーは、必要に応じて、荷電制御剤及び離型剤等の添加剤を含有してもよく、流動化剤等の外添剤を有してもよい。白色トナーは、公知の粉砕法或いは重合法により作製することができる。
本実施形態では、白色トナーに代えて、或いは、白色トナーに加えて、いわゆる金色又は銀色等の金属光沢を呈する金属色トナーを用いてもよい。金属色トナーとしては、例えば、アルミニウム、黄銅、青銅、ニッケル、ステンレス、亜鉛等の金属顔料を含むものが挙げられる。金属色トナーは、白色顔料に代えて上記の金属顔料を含有することを除き、白色トナーと同じ材料を用いてもよく、また、白色トナーの作製方法に従って作製することができる。
金属色トナーは金属顔料を含有するため、金属を含む白色顔料を含有する白色トナーと同様、導電性を有する。従って、白色トナーと金属色トナーとは、いずれも区別せずに本実施形態に適用することができる。そこで、本明細書において白色トナーについて記載した技術的事項は、特に記載する場合を除き、金属色トナーにも適用可能であるものとする。
[本実施形態の作用]
本実施形態では、白色画像が、転写ベルト31における透明画像の上に一次転写される。これにより、転写ベルト31に白色画像が形成され、この白色画像が二次転写位置NTで記録媒体P(樹脂フィルム)に二次転写される。
樹脂フィルムの両面の表面抵抗率がいずれも11.2(logΩ/□)を超える場合(図6参照)、二次転写位置NTにおいて、樹脂フィルムが転写ベルト31から剥離する際、剥離放電によって第1面S1には負電荷が、二次転写ベルト36の内周面には正電荷が生じる。二次転写ベルト36の内周面に生じた正電荷は、第2面の表面抵抗率が高いため、第2面S2に移動することはできず、二次転写ベルト36内部に保持される。やがて、樹脂フィルムが図6に示すA領域からB領域に移動し、二次転写ベルト36から樹脂フィルムが剥離すると、剥離放電により、二次転写ベルト36の内周面から少量の正電荷が樹脂フィルムの第2面S2に移動する。これにより、二次転写ベルト36から剥離した樹脂フィルムでは、第2面S2に存在する正電荷に比較して第1面S1に存在する負電荷が多くなる。白色トナーは、カラートナーに比べて帯電量が小さいため、樹脂フィルムとの静電付着力も弱い。そのため、樹脂フィルム全体で負電荷過多となると、白色トナーは樹脂フィルム上に保持されなくなり、図6において矢印fが指す方向、即ち、二次転写ベルト36の内周面における正電荷と第1面における負電荷が釣り合っている領域Cに向かって、白色トナーが飛散する。両面の表面抵抗率がいずれも11.2(logΩ/□)を超える従来の樹脂フィルムでは、このような二次転写位置NTで生じる白色トナーの飛散現象により、樹脂フィルム上に形成されたトナー画像の後方側、即ち搬送方向下流側に、白色の画像汚れが発生することが見出された。
このようなトナー飛散現象は、樹脂フィルムに白色画像を形成する際に特に生じ易い傾向があると考えられる。それは、白色トナーが白色顔料を含有しており、導電性を有すること、及び、表面抵抗率が高い樹脂フィルムを記録媒体Pとして用いると、二次転写位置NTにおいて剥離放電が大きくなることが挙げられる。さらに、白色画像における単位面積当たりのトナー質量が多くなると、記録媒体P上に形成されるトナー層が多層になる。これにより、記録媒体Pへの付着力の弱くなる上層のトナー量が増えるため、白色トナーの後方側への飛散が発生しやすくなると考えられる。
それに対して、本実施形態に係る受像層又は抵抗調整層の表面抵抗率が11.2(logΩ/□)以下である樹脂フィルムでは、白色トナー用いて形成したトナー画像の後方側へのトナー飛散を抑制することができる。理論によって拘束されるものではないが、その理由としては、以下で説明する内容が考えられる。
まず、受像層の表面抵抗率が11.2(logΩ/□)以下である場合について、図4に基づいて説明する。受像層の表面抵抗率が11.2(logΩ/□)以下である樹脂フィルムでは、転写ベルト31からの剥離の前後、即ち、二次転写位置NTにあるときと、二次転写位置NTから剥離したときとで、第1面S1における電位差が殆ど生じない。このため、転写ベルト31と樹脂フィルムとのギャップが拡大しても、転写ベルト31の表面と第1面S1との電位差は大きくならない。これにより、第1面S1には、二次転写位置NTでの剥離放電による負電荷が殆ど生じない。一方、第2面S2側では、二次転写位置NTでの剥離放電が発生し、正電荷が二次転写ベルト36の内部に保持される。この状態で、樹脂フィルムが領域Cから領域Dに移動し、二次転写ベルト36から樹脂フィルムが剥離すると、剥離放電により二次転写ベルト36から第2面S2に正電荷が移動する。これにより、二次転写ベルト36から離れた樹脂フィルムは、全体ではやや正電荷が多く含まれることになる。白色トナーは負に帯電しているので、全体として正に帯電する樹脂フィルムへの白色トナーの静電付着力が向上し、トナー飛散の発生を抑制することができる。
次に、抵抗調整層の表面抵抗率が11.2(logΩ/□)以下である場合について、図5に基づいて説明する。抵抗調整層の表面抵抗率が11.2(logΩ/□)以下である樹脂フィルムでは、二次転写位置NTでの転写ベルト31から剥離する際、剥離放電により、第1面S1には負電荷が生じる。そして、二次転写ベルト36の内周面には、生じた負電荷に釣り合う量の正電荷が生じる。樹脂フィルムの第2面S2の表面抵抗率が低いため、二次転写ベルト36の内周面に生じた正電荷は、樹脂フィルムの第2面S2に移動する。この状態で、樹脂フィルムが領域Cから領域Dに移動し、二次転写ベルト36から樹脂フィルムが剥離しても、領域Cと領域Dとで、樹脂フィルムの第2面S2に存在する正電荷の量は殆ど変わらない。よって、樹脂フィルムは、二次転写ベルト36から剥離による影響を受けず、二次転写位置NTでの剥離放電で生じた電荷量が維持され、樹脂フィルムの第1面S1における負電荷と第2面S2における正電荷とが釣り合った状態となる。このように、二次転写ベルト36から剥離した後の樹脂フィルムは、全体として正にも負にも偏らないため、白色トナーの飛散を抑制することができる。
<樹脂フィルム>
以下、本実施形態に係る樹脂フィルムについてより詳細に説明する。本実施形態に係る樹脂フィルムは、樹脂基材と、樹脂基材の一方の面に接する受像層と、樹脂基材の他方の面に接する抵抗調整層とを少なくとも含む。
樹脂フィルムに含まれる樹脂基材は、特に制限は無く、例えば、樹脂材料で形成された公知の電子写真用フィルムを用いればよい。樹脂基材を形成する材料としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等のポリエステル、ニトロセルロース、セルロースアセテート、セルロースアセテートブチレート等のセルロースエステル、ポリスルホン、ポリフェニレンオキサイド、ポリイミド、ポリカーボネート、ポリアミド等を挙げることができる。耐熱性及び透明性の観点から、樹脂基材はポリエチレンテレフタレートフィルムであることが好ましい。
樹脂基材の厚さは、使用目的や利用分野等により設定すればよいが、例えば、50μm以上250μm以下であってよく、75μm以上200μm以下であることが好ましい。樹脂基材の厚さが上記の範囲にあると、画像形成における皺の発生が抑えられ、また、透過率の低下も抑制される。
樹脂フィルムの受像層は、トナー画像と樹脂基材との密着性を向上させるために設けられる公知の受像層が適用できる。受像層を形成する樹脂は、トナーの種類によって異なるが、中間転写体からのトナーの転写性が良好で、かつトナー受容性の良い樹脂が使用される。受像層を形成する樹脂としては、例えば、ポリエステル、ポリスチレン、ポリエチレンイミン、ポリオレフィン、ポリカーボネート、ポリ塩化ビニル、ポリビニルアセタール、セルロース誘導体等が挙げられる。
受像層の温度20℃湿度10%RHにおける表面抵抗率を11.2(logΩ/□)以下とするため、受像層は抵抗調整剤を含有していてもよい。受像層に含まれる抵抗調整剤は、樹脂の電気抵抗を低下させ得る材料であれば使用してもよく、例えば、公知の帯電防止剤が使用し得る。
抵抗調整剤は、例えば、ノニオン系、カチオン系、アニオン系及び両性イオン系の各種界面活性剤、並びに、導電性を有する金属酸化物等が挙げられる。界面活性剤の具体例としては、例えばスルホン酸塩、アンモニウム塩、複素環式アミン、スルホニウム塩、ベタイン系両性塩、ホスホニウム塩等が挙げられる。金属酸化物の具体例としては、二酸化スズ、酸化亜鉛、酸化チタン、アルミナ等が挙げられる。抵抗調整剤の使用量は、所望の表面抵抗率に応じて調整すればよい。
受像層は、必要に応じて、他の添加剤を含有してもよい。受像層は、例えば、フィルム間の摩擦係数を調整するためのマット剤を含有してもよい。マット剤としては、例えば、シリカ、でんぷん、アルミナ等の無機系粒子や、ポリエチレン、ポリエステル、ポリアクリロニトリル、ポリメチルメタアクリレート等の有機系粒子が挙げることができる。
受像層の厚さは、特に制限されないが、例えば、0.3μm以上5μm以下であり、0.5μm以上3μm以下であることが好ましい。受像層が薄すぎると、トナーとの密着性が低下するおそれがあり、受像層が厚すぎると、定着時に受像層が剥離し、或いは、可視光の透過性が低下するおそれがある。
樹脂基材への受像層は、塗膜形成等の公知の方法により形成すればよい。例えば、受像層を構成する樹脂に、必要に応じて、抵抗調整剤及びマット剤等の添加剤が分散してなる塗布液を、樹脂基材に塗布及び乾燥することにより、受像層を形成することができる。また、樹脂基材と受像層との密着性を向上するために、樹脂基材と受像層との間にプライマー層を設けてもよい。プライマー層は、例えばポリエステル、ポリアミド、アクリル樹脂等の熱可塑性樹脂で形成された塗布膜であってもよい。
抵抗調整層は、樹脂フィルムの第2面の表面抵抗率を調整する目的で、樹脂基材における受像層を設けた面とは反対側の面に設けられる。抵抗調整層を形成する材料は、樹脂基材との密着性に優れ、所望の表面抵抗率を得るために内部に抵抗調整剤を分散し得る樹脂であれば、いずれも使用できる。抵抗調整層を形成する材料の具体例としては、上記の受像層を形成する材料の具体例として挙げた各樹脂が挙げられる。
また、抵抗調整層を形成する樹脂の抵抗率が、所望の表面抵抗率を得るには不足する場合、抵抗調整層は抵抗調整剤を含有してもよい。抵抗調整層に含有される抵抗調整剤の種類及び具体例についても、受像層が含有していてもよい抵抗調整剤において記載した通りであり、所望の表面抵抗率に応じて、抵抗調整層における抵抗調整剤の含有量を調製すればよい。
抵抗調整層の厚さは、特に制限されないが、例えば、0.3μm以上5μm以下であり、0.5μm以上3μm以下であることが好ましい。抵抗調整層が薄すぎると、樹脂基材との密着性が低下し、また、表面抵抗率を調整する機能が得られないおそれがある。抵抗調整層が厚すぎると、定着時に剥離するおそれがあり、可視光の透過性が低下するおそれがある。このような抵抗調整層は、例えば、上記の受像層の形成方法に準じて形成することができる。
なお、樹脂フィルムの表面抵抗率の測定は、JIS K6911に準拠して行う。例えば、樹脂フィルムのサンプルを、温度20℃及び湿度10%RHの環境下に8時間以上保管して調湿した後、温度20℃及び湿度10%RHの環境下、抵抗率計(株式会社エーディーシー製、デジタル超高抵抗/微少電流計5451)を使用して、サンプルの一方の面に印加電圧100Vの条件で1分間通電した後、当該面の表面抵抗率[Ω/□]を測定した。温度28℃及び湿度85%の高湿環境下における表面抵抗率の測定も、上記の方法に従って行った。
[樹脂フィルムの表面抵抗特性]
本実施形態に係る樹脂フィルムは、上述の通り、樹脂基材と、樹脂基材の一方の面に接する受像層と、樹脂基材の他方の面に接する抵抗調整層とを備え、受像層及び抵抗調整層の少なくとも一方の温度20℃湿度10%RHにおける表面抵抗率が11.2(logΩ/□)以下である。これにより、樹脂フィルムの第1面及び第2面の表面抵抗率がいずれも11.2(logΩ/□)を超える場合と比較して、トナー画像の後方側への白色トナー又は金属色トナーの飛散現象を抑制でき、印刷汚れを防止することができる。
樹脂フィルムは、受像層及び抵抗調整層の少なくとも一方の温度20℃湿度10%RHにおける表面抵抗率が、10.6(logΩ/□)以下であることが好ましい。これにより、トナー飛散の抑制作用がより向上するためである。受像層及び抵抗調整層の温度20℃湿度10%RHにおける表面抵抗率の下限は特に制限されないが、例えば、周辺部材への転写電流漏洩の観点から、9.0(logΩ/□)以上であることが好ましい。
受像層及び抵抗調整層の少なくとも一方の、温度20℃湿度10%RHにおける表面抵抗率が11.2(logΩ/□)以下である場合、他方の層の当該表面抵抗率は、特に制限されないが、12(logΩ/□)以下であることが好ましく、11.8(logΩ/□)以下であることが好ましい。受像層及び抵抗調整層のうち、当該表面抵抗率が11.2(logΩ/□)以下である層とは反対側の層の当該表面抵抗率が12(logΩ/□)以下であると、当該反対側の層の当該表面抵抗率が12(logΩ/□)を超える場合と比較して、耐スティッキング性に優れるためである。
ここで、耐スティッキング性とは、トナー画像を形成した樹脂フィルムを重ねて保存したときに、形成したトナー画像により、樹脂フィルム同士が貼り付く現象(スティッキング)を防止する性能を意味する。スティッキングが起こると、形成したトナー画像に欠けが生じる他、トナー画像の形成面に重ねられた樹脂フィルムに白色トナーが移る場合があり、いずれも望ましくない印刷汚れを発生させる。
受像層の温度20℃湿度10%RHにおける表面抵抗率が、11.2(logΩ/□)以下であることが好ましい。これにより、白色トナー又は金属色トナーを用いて樹脂フィルム上にライン画像を形成する際、受像層の当該表面抵抗率が、11.2(logΩ/□)を超える場合と比較して、形成されるライン画像の欠け(欠損)の発生を抑制することができる。この理由は、以下のように推察される。
画像形成装置10において、複数の搬送ロール52により、収容器51から二次転写位置NTへ樹脂フィルムを搬送する際、搬送ロール52と樹脂フィルムとの摩擦帯電により、第1面が正に帯電することがある。第1面内の正帯電が強い領域では、転写ベルト31と二次転写ベルト36とのニップ部において、白色トナーと二次転写ベルト36との付着力が低下する。すると、当該ニップ部において生じる圧縮空気によって、付着力が低下した白色トナーが飛散してしまうことがある。受像層の温度20℃湿度10%RHにおける表面抵抗率が11.2(logΩ/□)以下であると、搬送ロール52による摩擦帯電が抑制され、また、第1面内における帯電量の部分的な上昇が抑えられる。これにより、白色トナーの付着力が低下せず、当該ニップ部において生じる圧縮空気による白色トナーの飛散を防止することができる。
受像層の温度20℃湿度10%RHにおける表面抵抗率の下限は、特に制限されず、上述の通り、例えば、隠蔽性の観点から、9.5(logΩ/□)以上であることが好ましく、9.8(logΩ/□)以上であることがより好ましい。
受像層の温度20℃湿度10%RHにおける表面抵抗率が11.2(logΩ/□)以下である場合の抵抗調整層の当該表面抵抗率は、上述の通り、12(logΩ/□)以下であることが好ましく、11.8(logΩ/□)以下であることが好ましい。上述の通り、耐スティッキング性に優れるためである。また、抵抗調整層の温度20℃湿度10%RHにおける表面抵抗率の下限は、特に制限されず、例えば、周辺部材への転写電流漏洩の観点から、9.0(logΩ/□)以上であることが好ましい。
また、本実施形態に係る樹脂フィルムは、受像層の温度28℃及び湿度85%RHにおける表面抵抗率が、9.8(logΩ/□)以上であることが好ましく、11.4(logΩ/□)以上であることがより好ましい。これにより、受像層の温度28℃及び湿度85%RHにおける表面抵抗率が9.8(logΩ/□)未満である場合と比較して、湿度85%RH等の高湿条件下における白色画像又は金属色画像による隠蔽性が向上するためである。これは、高湿条件下での白色トナー又は金属色トナーを用いた画像形成では、受像層の表面抵抗率が低すぎると、当該トナーから受像層に負電荷が漏洩して、当該トナーの樹脂フィルムへの静電付着力が低下することがあるためと、推察される。
さらに、抵抗調整層の温度28℃及び湿度85%RHにおける表面抵抗率に対する、受像層の温度28℃及び湿度85%RHにおける表面抵抗率の差が、1.0(logΩ/□)以上であることが好ましい。これにより、当該表面抵抗率の差が1.0(logΩ/□)未満である場合と比較して、高湿条件下における白色画像又は金属色画像による隠蔽性がより向上するためである。
本実施形態に係る樹脂フィルムは、黒色紙の上に当該樹脂フィルムを重ねた前後における明度L*の変化量(明度差)ΔL*が、5以下であることが好ましく、3以下であることがより好ましい。明度L*は、CIE1976L*a*b*表色系におけるL*値である。明度差ΔL*は、分光計(例えば、X-rite社製、X-rite938)を用いて、樹脂フィルムを重ねていない状態の黒色紙の明度L*と、樹脂フィルムを重ねた黒色紙の明度L*とを測定し、両者の差を取ることにより、算出される。明度差ΔL*が上記の範囲にあると、カラー画像、特に、濃色のカラー画像に対する透明性を確保できる。
また、本実施形態に係る樹脂フィルムは、受像層に形成された白色画像又は金属色画像について、受像層側から測定されたCIE1976L*a*b*表色系に基づくL、a及びb、並びに、抵抗調整層側から測定されたCIE1976L*a*b*表色系に基づくL、a及びbから、下記の式により算出される色差ΔEが、3以下であることが好ましく、2以下であることがより好ましい。
Figure 0007127259000002
、a及びb、並びに、L、a及びbは、CIE1976L*a*b*表色系に基づいて測定されたL*値、a*値及びb*値であり、分光計(例えば、X-rite社製、X-rite938)を用いて測定される。色差ΔEが上記の範囲にあると、樹脂フィルムを形成画像の裏打ちとして利用する際の樹脂フィルムの透明性を確保できる。
樹脂フィルムにおける上記の明度差ΔL*及び色差ΔEは、例えば、樹脂基材、受像層及び抵抗調整層の厚さや構成する各樹脂の種類、或いは、樹脂フィルムの受像層及び抵抗調整層に含有される抵抗調整剤及びマット剤等の添加剤の粒子サイズ又は添加量等を調整することにより、制御すればよい。
なお、上述の説明では、転写装置30が、二次転写位置NTで記録媒体Pを介して転写ベルト31と対向する転写部として、二次転写ロール34により支持された二次転写ベルト36を使用した例を示している。しかしながら、本実施形態では、二次転写ベルト36を介さずに、二次転写ロール34が転写ベルト31と対向する転写装置30を使用してもよい。このような二次転写ベルト36を備えない画像形成装置10においても、白色トナーの飛散を含む上述の課題は生じ得る。
以下、実施例により本発明を詳細に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
<低湿環境下での表面抵抗率測定>
厚さ100μmのPETフィルムの一方の面に受像層を形成し、他方の面に抵抗調整層を形成した。受像層及び抵抗調整層の表面抵抗率を調整し、表1に示す表面抵抗率を有する実施例1~6及び比較例1~4の樹脂フィルムをそれぞれ作製した。なお、表1に示す各樹脂フィルムの表面抵抗率の測定は、JIS K6911に準拠して、各樹脂フィルムを温度20℃及び湿度10%RHの低湿環境下に8時間以上保管して調湿した後、温度20℃及び湿度10%RHの低湿環境下、抵抗率計(株式会社エーディーシー製、デジタル超高抵抗/微少電流計5451)を使用して、測定面に印加電圧100Vの条件で1分間通電した後、当該測定面の表面抵抗率[Ω/□]を測定することにより、行った。
<トナー飛散試験>
温度20℃及び湿度10%RHの低湿環境下において、図1~図3に示す画像形成装置を用いて、白色トナーを使用し、各実施例及び各比較例の樹脂フィルムの第1面に白色画像を形成した。ここで、白色画像として、幅が1cmから3cm程度であり、二次転写ロール34の軸方向に沿った帯状ベタ画像、並びに、8ポイントから16ポイント程度の文字画像を形成した。また、白色トナーとして、ポリエステル樹脂中に白色顔料である酸化チタンを含有するトナーを使用した。形成された帯状ベタ画像及び文字画像の後端側(搬送方向上流側)を目視で観察し、トナーの飛散による画像汚れを、下記の基準に基づいて評価した。トナー飛散試験の結果を表1に示す。
-評価基準-
◎:トナーの飛散が生じていない。
○:文字画像の後端にわずかなトナーの飛散が生じた。
×:ベタ画像の後端に明らかなトナーの飛散が生じた。
××:ベタ画像の後端に著しいトナーの飛散が生じた。
<ライン画像試験>
温度20℃及び湿度10%RHの低湿環境下において、図1~図3に示す画像形成装置を用いて、白色トナーを使用し、各実施例及び各比較例の樹脂フィルムの第1面に、白色のライン画像を形成した。形成した白色のライン画像は、幅が8ドットから12ドット程度であり、二次転写ロール34の軸方向に沿ったライン画像であり、当該ライン画像を、搬送方向に1mmから6mm程度の間隔をおいて複数形成した。形成されたライン画像の欠け(欠損)を目視で確認し、ライン画像形成による欠けの発生を、下記の基準に基づいて評価した。ライン画像試験の結果を表1に示す。
-評価基準-
○:ラインの欠けが生じていない。
△:ラインの欠けが数箇所生じた。
×:ラインの欠けが数十箇所生じた。
××:全域にわたりラインの欠けが著しい。
<耐スティッキング性試験>
上記のトナー飛散試験に従って、各実施例及び各比較例の樹脂フィルムの第1面に、白色の帯状ベタ画像及び文字画像を形成した。次いで、当該画像を形成した樹脂フィルムを50枚から100枚重ね、温度20℃及び湿度10%RHの低湿環境下、5時間保存する。試験終了後、重ね合わせた樹脂フィルム同士の貼り付きの状態を下記の基準に基づいて耐スティッキング性を評価した。耐スティッキング性試験の結果を表1に示す。
-評価基準-
◎:貼り付きは全く発生していない。
○:多少貼り付いているが、一旦剥がせばその後貼り付かない。
×:剥がそうとすると静電気によりバチバチ音がし、その後重ねると再度貼り付く。
Figure 0007127259000003
<高湿環境下での表面抵抗率測定>
実施例1~6及び比較例1~4の樹脂フィルムについて、温度28℃及び湿度85%の高湿環境下での表面抵抗率を測定した。当該高湿環境下での表面抵抗率の測定は、各樹脂フィルムを温度28℃及び湿度85%RHの高湿環境下に8時間以上保管して調湿した後、当該高湿環境下で表面抵抗率の測定を行うことを除き、前述の低湿環境下での表面抵抗率の測定方法に従って行った。各実施例及び各比較例の樹脂フィルムの高湿環境下での表面抵抗率を、表2に示す。
<隠蔽性試験>
JIS K6911に準拠して、樹脂フィルムに形成した白色画像の隠蔽性試験を行った。温度28℃及び湿度85%RHの高湿環境下において、図1~図3に示す画像形成装置を用いて、白色トナーを使用し、各実施例及び各比較例の樹脂フィルムの第1面に、3cm四方のベタパッチを複数形成した。使用した白色トナーは、ポリエステル樹脂中に白色顔料である酸化チタンを含有するトナーであった。JIS K6911に準拠する、白色領域と黒色領域とを有する隠蔽率試験紙の上に、ベタパッチを形成した各樹脂フィルムの第1面を下にして重ねた。このとき、白黒の各領域にベタパッチが重なるように重ね位置を調整した。次いで、測色計(X-rite社製、X-rite938)を用いて、各ベタパッチに対してD50光源を照射し、その反射光を測定した。白黒の各領域において測定された三刺激値(XYZ表色系)のY値から、樹脂フィルムに形成した白色画像の隠蔽率を、下記式
隠蔽率 = Y値(黒)/Y値(白)
より算出した。算出された隠蔽率から、各樹脂フィルムの隠蔽性を、下記の基準に基づいて評価した。隠蔽性試験の結果を表2に示す。
-評価基準-
◎:高抵抗フィルム(比較例4)と同等の隠蔽率を維持する。
○:隠蔽率の低下が2%以下
△:隠蔽率の低下が2%より大きく4%以下
×:隠蔽率の低下が4%より大きい
Figure 0007127259000004
表1に示す通り、白色トナーを含む白色画像が表面に形成される樹脂フィルムであって、樹脂基材の一方の面に接し、白色画像が形成される受像層と、樹脂基材の他方の面に接する抵抗調整層と、を備え、受像層及び抵抗調整層の少なくとも一方の温度20℃湿度10%RHにおける表面抵抗率の常用対数値が11.2(logΩ/□)以下である、実施例1~6の樹脂フィルムでは、樹脂フィルムの両面の表面抵抗率の常用対数値がいずれも11.2(logΩ/□)を超える場合と比較して、二次転写位置NTでの白色トナーの飛散を抑制できることが分かった。
10 画像形成装置、12 画像形成部、20,20Y,20M,20C,20K,20W トナー画像形成部、21 感光体ドラム、22 帯電器、23 露光装置、24 現像装置、30 転写装置、31 転写ベルト、32,32B,32D,32T ロール、33 一次転写ロール、34 二次転写ロール、36 二次転写ベルト、37 従動ロール、39 給電部、40 定着装置、50 搬送装置、51 収容器、52,56 搬送ロール、54,58 搬送ベルト、70 制御部。

Claims (7)

  1. 金属を含む白色顔料を含む白色トナーまたは金属顔料を含む金属色トナーを含む画像が表面に形成され、
    樹脂基材と、
    前記樹脂基材の一方の面に接し、前記画像が形成される受像層と、
    前記樹脂基材の他方の面に接する抵抗調整層と、を備え、
    前記樹脂基材は、ポリエチレンテレフタレートであり、
    前記受像層及び前記抵抗調整層の少なくとも一方の温度20℃及び湿度10%RHにおける印加電圧100Vの条件での表面抵抗率の常用対数値が11.2(logΩ/□)以下である、樹脂フィルムと;
    前記樹脂フィルムの前記受像層に、前記白色トナーまたは前記金属色トナーを含む前記画像を形成する画像形成部と;
    前記樹脂フィルムを搬送する搬送装置と;
    を有し、
    前記画像形成部が、前記画像を形成するトナー画像形成部と、前記トナー画像形成部で形成された前記画像を前記樹脂フィルムに転写する転写装置と、前記樹脂フィルムに転写された前記画像を加熱及び加圧して前記樹脂フィルムに定着する定着装置と、を有する、
    画像形成装置
  2. 前記受像層の温度20℃及び湿度10%RHにおける印加電圧100Vの条件での表面抵抗率の常用対数値が11.2(logΩ/□)以下である、請求項1に記載の画像形成装置
  3. 温度20℃及び湿度10%RHにおける印加電圧100Vの条件での表面抵抗率の常用対数値が11.2(logΩ/□)以下である層とは反対側の層の温度20℃及び湿度10%RHにおける印加電圧100Vの条件での表面抵抗率の常用対数値が12(logΩ/□)以下である、請求項1又は2に記載の画像形成装置
  4. 前記受像層の温度28℃及び湿度85%RHにおける印加電圧100Vの条件での表面抵抗率の常用対数値が9.8(logΩ/□)以上である、請求項1~3のいずれか一項に記載の画像形成装置
  5. 前記抵抗調整層の温度28℃及び湿度85%RHにおける印加電圧100Vの条件での表面抵抗率の常用対数値に対する、前記受像層の温度28℃及び湿度85%RHにおける印加電圧100Vの条件での表面抵抗率の常用対数値の差が、1.0(logΩ/□)以上である、請求項4に記載の画像形成装置
  6. 黒色紙の上に前記樹脂フィルムを重ねたときのL*の変化量ΔL*が5以下である、請求項1~5のいずれか一項に記載の画像形成装置
  7. 受像層側から測定されたCIE1976L*a*b*表色系に基づくL、a及びb、並びに、抵抗調整層側から測定されたCIE1976L*a*b*表色系に基づくL、a及びbから、下記の式により算出される色差ΔEが3以下である、請求項1~6のいずれか一項に記載の画像形成装置
    Figure 0007127259000005
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