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JP7130466B2 - 断熱材固定金物と断熱壁 - Google Patents
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JP7130466B2 - 断熱材固定金物と断熱壁 - Google Patents

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Description

本発明は、断熱材固定金物と断熱壁に関する。
窯業系もしくは金属系のサイディングボードを含む外装材と、石膏ボード等の内装材との間に、複数の断熱材層が介在する断熱壁が建物に適用されている。より具体的には、2層の断熱材層を有し、これらの断熱材層の屋外側と室内側に通気層やエアスペースを介して外装材と内装材が配設されている構造の断熱壁や、外装材と通気層、3層の断熱材層及び内装材が壁厚方向に積層している構造の断熱壁などがある。
従来の断熱壁では、外装材と内装材の間に複数の断熱材層を形成するべく、グラスウールやロックウール等の断熱材が壁内に充填されている。しかしながら、断熱材が単に充填されているだけの断熱壁では、例えば火災時に、断熱材が延焼した後に壁の内部において下方に脱落することになる。このように断熱材が延焼して壁の内部において下方に脱落すると、外装材と内装材の間においてそれまで断熱材が存在していたスペースが空洞となり、壁を介して室内側と屋外側の間で火炎が熱伝され易くなる。そのため、60分、72分といった耐火仕様の断熱壁を実現し難くなるといった課題を有している。ここで、72分耐火仕様とは、火災による火熱が加熱面に72分間加えられた際に、非加熱面に接する可燃物が燃焼する恐れのある温度以上となるまで非加熱面の温度が上昇しない耐火仕様を意味する。
ここで、際根太を土台に取り付けるに当たり、容易な位置決めと止め付けを実現するとともに、断熱材の取り付けも可能とした際根太受け金物が提案されている。具体的には、土台の上面と当接する略水平な位置決め片と、位置決め片の一方の端部より垂下する垂下片と、垂下片から位置決め片と反対方向に略水平に突出する際根太支持片と、断熱材を載置するための略水平な断熱材支持片と、断熱材支持片上に載置された断熱材を係止するための断熱材係止爪とを有する(例えば、特許文献1参照)。
特開平11-013258号公報
特許文献1に記載の際根太受け金物は、本来的には床の際根太を土台に取り付けるに当たり適用される金物であり、壁への適用は想定されていない。仮に、特許文献1に記載の際根太受け金物を断熱壁に適用したとしても、断熱材係止爪が断熱材を係止するに過ぎないことから、上記するように断熱材が延焼した際に延焼した断熱材の脱落を防止することは難しい。
本発明は上記する問題に鑑みてなされたものであり、断熱壁内において断熱材が延焼した場合でも断熱材の脱落を防止することのできる断熱材固定金物と、この断熱材固定金物によって断熱材が固定されることにより、耐火性能に優れた断熱壁と、を提供することを目的としている。
前記目的を達成すべく、本発明による断熱材固定金物の一態様は、
柱と、柱の左右の側面から間隔を置いて配設される左右のスタッドと、該左右の側面とは異なる該柱の前面に配設される断熱材と、を有する建物の壁構造において、該断熱材を固定する断熱材固定金物であって、
平板状のベースと、
前記ベースから突設し、前記左右のスタッドと略同一の間隔を有する一対の係合片であって、それぞれの係合片が先端に前記スタッドに係合する爪を有している、一対の係合片と、
前記ベースから前記係合片と同じ方向に突設し、途中に折り曲げ部を有する突き刺し片と、を備え、
前記突き刺し片に前記断熱材が突き刺され、前記折り曲げ部を介して該突き刺し片の先端が折り曲げられ、前記一対の係合片が前記左右のスタッドに係合されることにより、前記柱の前面において前記左右のスタッドに対して前記断熱材が固定されることを特徴とする。
本態様によれば、柱の前面(室内側の面)に配設される断熱材が断熱材固定金物の有する突き刺し片に突き刺され、突き刺し片の先端が折り曲げ部を介して折り曲げられて断熱材固定金物に固定されるとともに、断熱材固定金物が柱の左右にあるスタッド(間柱)に固定されることにより、断熱材が延焼した場合でもその脱落を防止することができる。そのため、耐火性能の高い断熱壁を形成することができる。
また、本発明による断熱材固定金物の他の態様は、
形鋼材により形成される下地材と、該下地材の前面に配設される断熱材と、を有する壁構造において、該断熱材を固定する断熱材固定金物であって、
前記下地材の一部に係合する係合片を有する平板状のベースと、
前記ベースから張り出して前記下地材の他部を挟持する挟み込み片と、
前記ベースから前記挟み込み片と反対側に突設し、途中に折り曲げ部を有する突き刺し片と、を備え、
前記突き刺し片に前記断熱材が突き刺され、前記折り曲げ部を介して該突き刺し片の先端が折り曲げられ、前記係合片が前記下地材の一部に係合されるとともに前記挟み込み片が前記下地材の他部を挟み込むことにより、前記下地材に対して前記断熱材が固定されることを特徴とする。
本態様によれば、下地材の前面(室内側の面)に配設される断熱材が断熱材固定金物の有する突き刺し片に突き刺され、突き刺し片の先端が折り曲げ部を介して折り曲げられて断熱材固定金物に固定されるとともに、断熱材固定金物が下地材に固定されることにより、断熱材が延焼した場合でもその脱落を防止することができる。そのため、耐火性能の高い断熱壁を形成することができる。ここで、形鋼材により形成される下地材とは、例えば溝形鋼等の形鋼材が枠状に組み付けられることにより形成されるフレーム状の下地材(フレーム部材)等のことであり、断熱壁の主要構造部となり得る部材である。
また、本発明による断熱材固定金物の他の態様は、
柱と、柱の側方に配設されるスタッドと、該スタッドの側方に配設される断熱材と、を有する建物の壁構造において、該断熱材を固定する断熱材固定金物であって、
平板状のベースと、
前記ベースから突設し、前記スタッドの幅と略同一の間隔を有する一対の係合片と、
前記ベースから前記係合片と反対側に突設する第一突き刺し片及び第二突き刺し片であって、前記第一突き刺し片は、前記ベースから突設する突設片と、該突設片の端部から屈曲して先端に第一爪を有し、前記第二突き刺し片は、前記ベースとの取り合い部を折り曲げ部として折り曲げ自在な折り曲げ片と、該折り曲げ片の途中から屈曲して先端に前記第一爪と遊嵌する第二爪を有する、第一突き刺し片及び第二突き刺し片と、を備え、
前記第一爪に前記断熱材が突き刺され、前記折り曲げ片が折り曲げられることにより前記第二爪も該断熱材を突き刺し、前記一対の係合片が前記スタッドに係合されることにより前記スタッドに対して前記断熱材が固定されることを特徴とする。
本態様によれば、スタッドとスタッドの間に配設される断熱材が断熱材固定金物の有する第一突き刺し片及び第二突き刺し片に突き刺され、断熱材固定金物に固定されるとともに、断熱材固定金物がスタッドに固定されることにより、断熱材が延焼した場合でもその脱落を防止することができる。そのため、耐火性能の高い断熱壁を形成することができる。
また、本発明による断熱材固定金物の他の態様において、2つの前記突き刺し片が前記ベースから突設し、それぞれの該突き刺し片がそれぞれの前記折り曲げ部を介して折り曲げられるようになっていることを特徴とする。
本態様によれば、断熱材が2つの突き刺し片に突き刺され、それぞれの突き刺し片の先端が折り曲げ部を介して折り曲げられて断熱材を固定することにより、断熱材の固定度が高くなり、断熱材が延焼した際の脱落防止性が一層良好になる。
また、本発明による断熱壁の一態様は、
室内側の前面、屋外側の背面、及びこれらに直交する左側面及び右側面を有して角形鋼管からなる2つの柱が、壁の幅方向に間隔を置いて配設され、前記背面には、形鋼材が枠状に組み付けられたフレーム部材が配設されており、
2つの前記柱の前記左側面及び前記右側面の間には複数の鋼製のスタッドが配設されており、
前記フレーム部材の屋外側に外装材があり、前記スタッドの室内側に内装材があり、
前記フレーム部材のフレーム内に屋外側断熱材層があり、複数の前記スタッドの間には室内側断熱材層があり、前記柱の前記前面には柱前断熱材層があり、該屋外側断熱材層と該室内側断熱材層の間には中間断熱材層がある、壁構造であって、
本発明の一態様の断熱材固定金物により、前記柱前断熱材層を形成する断熱材が前記スタッドに固定され、
本発明の他の態様の断熱材固定金物により、前記中間断熱材層を形成する断熱材が前記フレーム部材に固定され、
本発明のさらに他の態様の断熱材固定金物により、前記室内側断熱材層を形成する断熱材が前記スタッドに固定されることを特徴とする。
本態様によれば、3層の断熱材を備える断熱壁において、各層の断熱材が固有の断熱材固定金物によりスタッドやフレーム部材に固定されることにより、全ての層の断熱材が延焼した場合でもそれらの脱落が防止され、耐火性能の高い断熱壁を形成することができる。ここで、3層の断熱材層のうち、屋外側断熱材層は、形鋼材により形成されるフレーム部材内に充填される。そして、例えば工場等において、フレーム部材内に屋外側断熱材層が充填された状態(プレセットされた状態)で現場搬送され、建て付けが行われ得る。また、場合によっては、外装材とフレーム部材と屋外側断熱材層が一体にプレセットされた状態で現場搬送され、建て付けられる形態もある。フレーム部材は、例えば縦桟と横桟とから構成される矩形枠状のフレームを基本構成とし、その内部に1つもしくは複数の中間横桟や中間縦桟が介在してもよい。そして、このフレーム部材の横桟や中間横桟等に上記する他の態様の断熱材固定金物が取り付けられ、中間断熱材層を形成する断熱材がこの断熱材固定金物に取り付けられる。
また、フレーム部材の室内側に例えば角形鋼管等により形成される柱が配設され、柱の左右側方(壁の幅方向で壁の厚み方向に直交する方向)に間隔を置いて形鋼材や角形鋼管等により形成されるスタッドが配設され、さらに所定間隔を置いて複数のスタッドが配設される。そして、柱の左右のスタッドに上記する一態様の断熱材固定金物が取り付けられ、柱前断熱材層を形成する断熱材がこの断熱材固定金物に取り付けられる。さらに、スタッドに上記するさらに他の態様の断熱材固定金物が取り付けられ、室内側断熱材層を形成する断熱材がこの断熱材固定金物に取り付けられる。
このように、3層の断熱材層のうち、屋外側断熱材層は断熱壁の主要構造部であるフレーム部材に対してプレセットされ得ることから、延焼してもフレーム部材への固定姿勢が保持されることにより脱落が防止される。また、中間断熱材層は断熱材固定金物を介してフレーム部材に固定されることから、延焼してもフレーム部材への固定姿勢が保持されることにより脱落が防止される。さらに、柱前断熱材層と室内側断熱材層はそれぞれに固有の断熱材固定金物を介してスタッドに固定されることから、延焼してもスタッドへの固定姿勢が保持されることにより脱落が防止される。従って、60分、72分といった耐火仕様の断熱壁となり得る。尚、柱前断熱材層は、柱前に配設されるものの、室内側断熱材層と同様に室内側に配設される断熱材層であり、従って、柱前断熱材層と室内側断熱材層は同一の断熱材層を形成する。そのため、本態様の断熱壁は、屋外側断熱材層、中間断熱材層、柱前断熱材層及び室内側断熱材層、による3層の断熱材層を有する断熱壁となる。
以上の説明から理解できるように、本発明の断熱材固定金物と断熱壁によれば、各種の断熱材固定金物によって断熱材層が断熱壁を形成するフレーム部材やスタッドに固定されることにより、断熱材が延焼した場合でも断熱材の脱落が防止され、もって耐火性能に優れた断熱壁を形成することができる。
実施形態に係る断熱壁の一例の横断面図である。 (a)は、フレーム部材に第3の実施形態に係る断熱材固定金物が取り付けられている状態を示す正面図であり、(b)は、スタッドに第2の実施形態に係る断熱材固定金物が取り付けられている状態を示す正面図である。 図1のIII部の拡大図である。 第1の実施形態に係る断熱材固定金物の一例を示す斜視図である。 第1の実施形態に係る断熱材固定金物に断熱材が取り付けられている状態を示す斜視図である。 図1のVI部の拡大図である。 第2の実施形態に係る断熱材固定金物の一例を示す斜視図である。 第2の実施形態に係る断熱材固定金物に断熱材が取り付けられている状態を示す斜視図である。 図1のIX部の拡大図である。 第3の実施形態に係る断熱材固定金物の一例を示す斜視図である。 第3の実施形態に係る断熱材固定金物に断熱材が取り付けられている状態を示す斜視図である。
以下、実施形態に係る断熱壁と、各実施形態に係る断熱材固定金物について添付の図面を参照しながら説明する。尚、本明細書及び図面において、実質的に同一の構成要素については、同一の符号を付することにより重複した説明を省く場合がある。
[実施形態に係る断熱壁]
はじめに、図1及び図2を参照して、実施形態に係る断熱壁の一例について説明する。ここで、図1は、実施形態に係る断熱壁の一例の横断面図である。また、図2(a)は、フレーム部材に第3の実施形態に係る断熱材固定金物が取り付けられている状態を示す正面図であり、図2(b)は、スタッドに第2の実施形態に係る断熱材固定金物が取り付けられている状態を示す正面図である。
断熱壁100は、複数の柱10と、柱10の前面側(室内側)に配設されている内装材50と、柱10の背面側(屋外側)に配設されているフレーム部材30と、フレーム部材30の屋外側に配設されている外装材40と、3層の断熱材層60A,60B,60C及び60D(断熱材層60C、60Dで1層の断熱材層を形成)と、を有する。
柱10は角形鋼管により形成され、室内側の前面11、屋外側の背面12、これらに直交する左側面13及び右側面14を有する。複数の柱10(図1には2つの柱10を図示)が壁の幅方向に間隔を置いて配設されている。一方の柱10(図1の左側の柱10)の右側面14及び他方の柱10(図1の右側の柱10)の左側面13の間には、複数の角形鋼管により形成されるスタッド20(図1には4つの柱10を図示)が壁の幅方向に間隔を置いて配設されている。各スタッド20は、柱10の前面11よりも室内側に配設されており、従って、柱10の前面11と、柱10の左右のスタッド20と、の間には柱前空間が形成されている。尚、スタッド20は、角形鋼管以外にも、溝形鋼等の型鋼材により形成されてもよい。また、2つの柱10の間に配設されるスタッド20の数は、図示例以外の数であってもよい。
2つの柱10の背面12には、形鋼材(図示例は溝形鋼)が枠状に組み付けられたフレーム部材30が配設されており、柱10に対してボルト等により固定されている。具体的には、図2(a)に示すように、いずれも溝形鋼により形成される横桟31、縦桟32、中間横桟33、及び中間縦桟34から構成され、複数の小矩形枠によりフレーム部材30が形成されている。また、フレーム部材30を形成する横桟31及び中間横桟33には、第3断熱材固定金物90が取り付けられている。また、図2(b)に示すように、それぞれの角形鋼管により形成されるスタッド20の左右の側面には、第2断熱材固定金物80が取り付けられている。尚、第2断熱材固定金物80と第3断熱材固定金物90の具体的な構成については以下で詳説する。
フレーム部材30の枠内には、屋外側断熱材層60Aが配設されている。屋外側断熱材層60Aはグラスウールやロックウール等により形成され、例えば、工場において、フレーム部材30の枠内に屋外側断熱材層60Aが充填された状態で現場に搬送される。従って、現場においてフレーム部材30を建て付けると、フレーム部材30内において屋外側断熱材層60Aが同時に充填されることになる。屋外側断熱材層60Aは、断熱壁100の有する3層の断熱材層のうち、屋外側から数えて1層目の断熱材層である。
一方、フレーム部材30に取り付けられている第3断熱材固定金物90には、中間断熱材層60Bが固定されている。中間断熱材層60Bはグラスウールやロックウールにより形成され、第3断熱材固定金物90が現場においてフレーム部材30に取り付けられ、中間断熱材層60Bが現場において第3断熱材固定金物90を介してフレーム部材30に取り付けられる。中間断熱材層60Bは、断熱壁100の有する3層の断熱材層のうち、屋外側から数えて2層目の断熱材層である。
さらに、スタッド20に取り付けられている第2断熱材固定金物80には、室内側断熱材層60Cが固定されている。室内側断熱材層60Cはグラスウールやロックウール等により形成され、第2断熱材固定金物80が現場においてスタッド20に取り付けられ、室内側断熱材層60Cが現場において第2断熱材固定金物80を介してスタッド20に取り付けられる。室内側断熱材層60Cは、断熱壁100の有する3層の断熱材層のうち、屋外側から3層目の断熱材層(最も室内側に位置する断熱層)である。
また、柱10の前面11と、柱10の左右のスタッド20と、の間の柱前空間には、柱前断熱材層60Dが配設される。柱前断熱材層60Dは、グラスウールやロックウール、フィブロック(登録商標、積水化学工業株式会社製)等により形成される。具体的には、柱10の左右のスタッド20に対して現場にて第1断熱材固定金物70が取り付けられ、第1断熱材固定金物70に柱前断熱材層60Dが取り付けられる。柱前断熱材層60Dの前面(室内側面)は室内側断熱材層60Cの前面(室内側面)と同じ室内側の位置にあり、従って、柱前断熱材層60Dは室内側断熱材層60Cと共に屋外側から3層目の断熱材層を形成する。尚、第1断熱材固定金物70の具体的な構成については以下で詳説する。
外装材40は、窯業系もしくは金属系のサイディングボードにより形成される外装パネル41と、硬質木片セメント板等により形成される外装下地材42と、グラスウールボード等により形成される下張材44とから構成される。外装パネル41と下張材44の間には通気層43が形成されている。また、内装材50は、防湿シート及び石膏ボード等により形成されている。
このように、断熱壁100は3層の断熱材層60A,60B,60C,60D(断熱材層60C,60Dは同一の断熱材層を形成する)を有する。そして、屋外側断熱材層60Aはフレーム部材30に固定され、中間断熱材層60Bは第3断熱材固定金物90を介してフレーム部材30に固定され、室内側断熱材層60Cは第2断熱材固定金物80を介してスタッド20に固定されている。さらに、柱前断熱材層60Dは第1断熱材固定金物70を介してスタッド20に固定されている。従って、いずれの断熱材層60A,60B,60C,60Dとも断熱壁100の主要構造部材に固定されていることから、火災時において、各断熱材層60A,60B,60C,60Dが延焼した場合であっても、断熱壁100の内部において下方に脱落することなく、配設位置に保持されることになる。このように、各断熱材層60A,60B,60C,60Dが当初の配設位置に保持されることにより、断熱壁100は、60分、72分といった所望する耐火性能を有する断熱壁となり得る。
[第1の実施形態に係る断熱材固定金物]
次に、図3乃至図5を参照して、第1の実施形態に係る断熱材固定金物について説明する。ここで、図3は、図1のIII部の拡大図である。また、図4は、第1の実施形態に係る断熱材固定金物の一例を示す斜視図であり、断熱材を固定する前の状態を示す図であり、図5は、第1の実施形態に係る断熱材固定金物に断熱材が取り付けられている状態を示す斜視図である。以下、第1の実施形態に係る断熱材固定金物を第1断熱材固定金物70として説明する。
図3に示すように、柱10の前面11と、柱10の左右のスタッド20と、の間の柱前空間には、第1断熱材固定金物70を介して柱前断熱材層60Dが固定される。第1断熱材固定金物70は金属製の固定金物であり、図4に示すように、平板状のベース71と、ベース71から突設して左右のスタッド20と略同一の間隔t1を有する一対の係合片72と、ベース71から係合片72と同じ方向に突設して途中に折り曲げ部74bを有する突き刺し片74と、を有する。
一対の係合片72は、1枚の金属片を図示例のように略コの字状に折り曲げ加工することにより形成される。各係合片72は、先端が折り曲げられることにより、スタッド20に係合する爪73を有する。また、ベース71の上下位置において、それぞれ一対の係合片72がリベット等によりベース71に固定されている。
略コの字状の一対の係合片72の内側に、同様に1枚の金属片が略コの字状に折り曲げ加工されてなる一対の突き刺し片74がリベット等により固定されている。各突き刺し片74は先端が先鋭に加工されており、突き刺し片74の途中位置において複数の折れ線誘導孔74aが開設され、複数の折れ線誘導孔74aにより折り曲げ部74bが形成されている。尚、複数の折れ線誘導孔74aにより、手指にて容易に折り曲げ部74bを形成しながら突き刺し片74を折り曲げることができるが、折れ線誘導孔74a以外にも、突き刺し片74に対して折り曲げ線に沿って溝を加工し、他の領域に比べて厚みが相対的に薄い薄厚線を形成することにより、この薄厚線を折れ線誘導線としてもよい。
図4に示す第1断熱材固定金物70の有する各突き刺し片74に対して柱前断熱材層60Dを形成する断熱材を刺し込み、次いで各突き刺し片74の折り曲げ部74bを介して先端74cを例えば内側にX1方向に折り曲げる。このように左右の先端74cを折り曲げることにより、ベース71と折り曲げられた先端74cとにより断熱材が挟持され、図5に示すように第1断熱材固定金物70に対して柱前断熱材層60Dを取り付けることができる。図3に示すように、柱前断熱材層60Dが取り付けられた第1断熱材固定金物70の一対の係合片72を左右のスタッド20に嵌め込むことにより、上下の一対の係合片72の先端の爪73が左右のスタッド20の背面に係合される。上下の一対の係合片72が左右のスタッド20に係合されることにより、柱10の前面11において、左右のスタッド20に対して柱前断熱材層60Dを脱落不可の状態で固定することができる。
[第2の実施形態に係る断熱材固定金物]
次に、図6乃至図8を参照して、第2の実施形態に係る断熱材固定金物について説明する。ここで、図6は、図1のVI部の拡大図である。また、図7は、第2の実施形態に係る断熱材固定金物の一例を示す斜視図であり、断熱材を固定する前の状態を示す図であり、図8は、第2の実施形態に係る断熱材固定金物に断熱材が取り付けられている状態を示す斜視図である。以下、第2の実施形態に係る断熱材固定金物を第2断熱材固定金物80として説明する。
図6に示すように、スタッド20の側面に、第2断熱材固定金物80を介して室内側断熱材層60Cが固定される。第2断熱材固定金物80は金属製の固定金物であり、図7に示すように、平板状のベース81と、ベース81から突設してスタッド20の幅t2と略同一の間隔を有する一対の係合片82と、ベース81から係合片82と反対側に突設する第一突き刺し片83及び第二突き刺し片85と、を有する。
一対の係合片82は、ベース81の一部がコの字状に切断され、ベース81の端辺を介して切断された片が背面側に折り曲げられることにより形成される。
第一突き刺し片83は、ベース81から突設する突設片83aと、突設片83aの端部から屈曲する第一爪83bと、を有する。図示例の第一爪83bは、中央に三角形状の切欠きが設けられ、左右に直角三角形状の2つの片を有する形態の爪である。
一方、第二突き刺し片85は、ベース81との取り合い部に複数の折れ線誘導孔84を有する。第二突き刺し片85は、これら複数の折れ線誘導孔84により形成される折り曲げ部84aを介してX2方向に折り曲げ自在な折り曲げ片85aと、折り曲げ片85aの途中から屈曲して先端に第一爪83bと遊嵌する第二爪85bと、を有する。
図8に示すように、折り曲げ部84aを介して第二突き刺し片85を折り曲げることにより、第一爪83bの中央の三角形状の溝に対して、三角形状の第二爪85bが遊嵌される。ここで、「遊嵌」とは、第一爪83bに対して第二爪85bがある程度の隙間Gを有した状態で位置決めされることを意味する。図7に示す状態の第2断熱材固定金物80の第一爪83bに対して、室内側断熱材層60Cを突き刺し、折り曲げ部84aを介して第二突き刺し片85を折り曲げることにより、図8に示すように第一爪83bと第二爪85bの間に形成される隙間Gにて室内側断熱材層60Cの一部を挟み込む。このように、第一爪83bと第二爪85bの間に形成した隙間Gにて室内側断熱材層60Cの一部を挟み込むことにより、室内側断熱材層60Cを切断することなく、第2断熱材固定金物80にて把持することができる。室内側断熱材層60Cを把持した第2断熱材固定金物80の一対の係合片82をスタッド20の側面に係合させることにより、図6に示すように、第2断熱材固定金物80を介して、室内側断熱材層60Cをスタッド20に対して固定することができる。
[第3の実施形態に係る断熱材固定金物]
次に、図9乃至図11を参照して、第3の実施形態に係る断熱材固定金物について説明する。ここで、図9は、図1のIX部の拡大図である。また、図10は、第3の実施形態に係る断熱材固定金物の一例を示す斜視図であり、断熱材を固定する前の状態を示す図であり、図11は、第3の実施形態に係る断熱材固定金物に断熱材が取り付けられている状態を示す斜視図である。以下、第3の実施形態に係る断熱材固定金物を第3断熱材固定金物90として説明する。
図9に示すように、下地材であるフレーム部材30を形成する横桟31に、第3断熱材固定金物90を介して中間断熱材層60Bが固定される。第3断熱材固定金物90は金属製の固定金物であり、図10に示すように、平板状のベース91と、ベース91から張り出して横桟31の一部を挟持する挟み込み片93と、ベース91から挟み込み片93と反対側に突設して途中に折り曲げ部94bを有する一対の突き刺し片94と、を有する。
ベース91の上端は直角に折り曲げられ、横桟31の一部に係合する係合片92が形成されている。また、挟み込み片93は、ベース91の一部がコの字状に切断され、ベース91の端辺を介して切断された片が背面側に折り曲げられることにより形成されている。図10に示すように、ベース91に対して、係合片92と挟み込み片93は同じ側に張り出している。
突き刺し片94は三角形状を呈して先端が先鋭に加工されており、突き刺し片94の途中位置には複数の折れ線誘導孔94aが開設され、複数の折れ線誘導孔94aにより折り曲げ部94bが形成されている。
図10に示す第3断熱材固定金物90の有する各突き刺し片94に対して中間断熱材層60Bを形成する断熱材を刺し込み、次いで各突き刺し片94の折り曲げ部94bを介して先端94cを例えば内側にX3方向に折り曲げる。このように左右の先端94cを折り曲げることにより、ベース91と折り曲げられた先端94cとにより断熱材が挟持され、図11に示すように第3断熱材固定金物90に対して中間断熱材層60Bを取り付けることができる。
横桟31を形成する溝形鋼が下方に開いた姿勢で、フレーム部材30を形成している。第3断熱材固定金物90に対して中間断熱材層60Bを取り付けた後、横桟31を形成する溝形鋼の一方のフランジを挟み込み片93とベース91の間に差し込みながら、第3断熱材固定金物90を溝形鋼の下方から上方に持ち上げ、係合片92を溝形鋼のウエブに係合させることにより、横桟31に対して第3断熱材固定金物90が係合される。このようにして、第3断熱材固定金物90を介して中間断熱材層60Bをフレーム部材30に固定することができる。
尚、上記実施形態に挙げた構成等に対し、その他の構成要素が組み合わされるなどした他の実施形態であってもよく、また、本発明はここで示した構成に何等限定されるものではない。この点に関しては、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で変更することが可能であり、その応用形態に応じて適切に定めることができる。
10:柱、11:前面、12:背面、13:左側面、14:右側面、20:スタッド、30:フレーム部材、31:横桟、32:縦桟、33:中間横桟、34:中間縦桟、40:外装材、41:外装パネル、42:外装下地材、43:通気層、44:下張材、50:内装材、60A:屋外側断熱材層(断熱材層)、60B:中間断熱材層(断熱材層)、60C:室内側断熱材層(断熱材層)、60D:柱前断熱材層(断熱材層)、70:第1断熱材固定金物(断熱材固定金物)、71:ベース、72:係合片、73:爪、74:突き刺し片、74a:折れ線誘導孔、74b:折り曲げ部、74c:先端、80:第2断熱材固定金物(断熱材固定金物)、81:ベース、82:係合片、83:第一突き刺し片、83a:突設片、83b:第一爪、84:折れ線誘導孔、84a:折り曲げ部、85:第二突き刺し片、85a:折り曲げ片、85b:第二爪、90:第3断熱材固定金物(断熱材固定金物)、91:ベース、92:係合片、93:挟み込み片、94:突き刺し片、94a:折れ線誘導孔、94b:折り曲げ部、94c:先端、100:断熱壁、G:隙間

Claims (3)

  1. 柱と、柱の左右の側面から間隔を置いて配設される左右のスタッドと、該左右の側面とは異なる該柱の前面に配設される断熱材と、を有する建物の壁構造において、該断熱材を固定する断熱材固定金物であって、
    平板状のベースと、
    前記ベースから突設し、前記左右のスタッドと略同一の間隔を有する一対の係合片であって、それぞれの係合片が先端に前記スタッドに係合する爪を有している、一対の係合片と、
    前記ベースから前記係合片と同じ方向に突設し、途中に折り曲げ部を有する突き刺し片と、を備え、
    前記突き刺し片に前記断熱材が突き刺され、前記折り曲げ部を介して該突き刺し片の先端が折り曲げられ、前記一対の係合片が前記左右のスタッドに係合されることにより、前記柱の前面において前記左右のスタッドに対して前記断熱材が固定されることを特徴とする、断熱材固定金物。
  2. 2つの前記突き刺し片が前記ベースから突設し、それぞれの該突き刺し片がそれぞれの前記折り曲げ部を介して折り曲げられるようになっていることを特徴とする、請求項に記載の断熱材固定金物。
  3. 室内側の前面、屋外側の背面、及びこれらに直交する左側面及び右側面を有して角形鋼管からなる2つの柱が、壁の幅方向に間隔を置いて配設され、前記背面には、形鋼材が枠状に組み付けられたフレーム部材が配設されており、
    2つの前記柱の前記左側面及び前記右側面の間には複数の鋼製のスタッドが配設されており、
    前記フレーム部材の屋外側に外装材があり、前記スタッドの室内側に内装材があり、
    前記フレーム部材のフレーム内に屋外側断熱材層があり、複数の前記スタッドの間には室内側断熱材層があり、前記柱の前記前面には柱前断熱材層があり、該屋外側断熱材層と該室内側断熱材層の間には中間断熱材層がある、壁構造であって、
    請求項1に記載の断熱材固定金物を第1断熱材固定金物として、該第1断熱材固定金物により、前記柱前断熱材層を形成する断熱材が前記スタッドに固定され、
    第2断熱材固定金物により、前記中間断熱材層を形成する断熱材が前記フレーム部材に固定され、
    第3断熱材固定金物により、前記室内側断熱材層を形成する断熱材が前記スタッドに固定され、
    前記第2断熱材固定金物は、
    形鋼材により形成される下地材と、該下地材の前面に配設される断熱材と、を有する壁構造において、該断熱材を固定する断熱材固定金物であって、
    前記下地材の一部に係合する係合片を有する平板状のベースと、
    前記ベースから張り出して前記下地材の他部を挟持する挟み込み片と、
    前記ベースから前記挟み込み片と反対側に突設し、途中に折り曲げ部を有する突き刺し片と、を備え、
    前記突き刺し片に前記断熱材が突き刺され、前記折り曲げ部を介して該突き刺し片の先端が折り曲げられ、前記係合片が前記下地材の一部に係合されるとともに前記挟み込み片が前記下地材の他部を挟み込むことにより、前記下地材に対して前記断熱材が固定される断熱材固定金物であり、
    前記第3断熱材固定金物は、
    柱と、柱の側方に配設されるスタッドと、該スタッドの側方に配設される断熱材と、を有する建物の壁構造において、該断熱材を固定する断熱材固定金物であって、
    平板状のベースと、
    前記ベースから突設し、前記スタッドの幅と略同一の間隔を有する一対の係合片と、
    前記ベースから前記係合片と反対側に突設する第一突き刺し片及び第二突き刺し片であって、前記第一突き刺し片は、前記ベースから突設する突設片と、該突設片の端部から屈曲して先端に第一爪を有し、前記第二突き刺し片は、前記ベースとの取り合い部を折り曲げ部として折り曲げ自在な折り曲げ片と、該折り曲げ片の途中から屈曲して先端に前記第一爪と遊嵌する第二爪を有する、第一突き刺し片及び第二突き刺し片と、を備え、
    前記第一爪に前記断熱材が突き刺され、前記折り曲げ片が折り曲げられることにより前記第二爪も該断熱材を突き刺し、前記一対の係合片が前記スタッドに係合されることにより前記スタッドに対して前記断熱材が固定される断熱材固定金物であることを特徴とする、断熱壁。
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