JP7133166B2 - 光学材料の製造方法 - Google Patents
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1分子中に15族元素および16族元素から選ばれる元素の原子(α)と17族元素の原子(β)とを、原子数比で原子(α):原子(β)=1:1~4:1の割合で含むラジカルに光を照射する工程1を含む、
融点および/またはガラス転移温度が70℃以上300℃以下のオレフィン重合体を含む光学材料基材を変性してなる光学材料の製造方法。
前記工程1が、
前記光学材料基材と前記ラジカルとが共存する環境において、
前記ラジカルに光を照射して前記光学材料基材を変性する工程である
前記[1]の光学材料の製造方法。
前記工程1が、前記光学材料基材および前記ラジカルに光を照射する工程である前記[2]の光学材料の製造方法。
前記光学材料の一部が未変性状態である前記[1]~[3]のいずれかの光学材料の製造方法。
前記光学材料の厚さが200μm~20cmである前記[1]~[4]のいずれかの光学材料の製造方法。
前記ラジカルが二酸化塩素ラジカルである前記[1]~[5]のいずれかの光学材料の製造方法。
前記オレフィン重合体が環状オレフィン系重合体である前記[1]~[6]のいずれかの光学材料の製造方法。
前記光学材料がレンズ用基材である前記[1]~[7]のいずれかの光学材料の製造方法。
前記レンズが車載センサー用レンズである前記[8]の光学材料の製造方法。
本発明に係る光学材料の製造方法は、
1分子中に15族元素および16族元素から選ばれる元素の原子(α)と17族元素の原子(β)とを、原子数比で原子(α):原子(β)=1:1~4:1の割合で含むラジカルに光を照射する工程1を含む、
融点および/またはガラス転移温度が70℃以上300℃以下のオレフィン重合体を含む光学材料基材を変性してなる光学材料の製造方法である。
前記工程1は、好ましくは、前記光学材料基材と前記ラジカルとが共存する環境において、前記ラジカルに光を照射して前記光学材料基材を変性する工程である。
本発明の製造方法としては、前記ラジカルを含む系に光を照射した後、この系と前記光学材料基材とを接触させて前記光学材料基材を変性するという態様も挙げられる。
前記ラジカルは、15族元素の原子を2種以上含んでいてもよく、16族元素の原子を2種以上含んでいてもよく、15族元素および16族元素の原子をそれぞれ1種以上含んでいてもよく、17族元素の原子を2種以上含んでいてもよい。ただし、これらの場合、前記原子数比は、15族元素および16族元素の原子の合計数と17族元素の原子の合計数との比である。
17族元素としては、好ましくは、塩素、臭素、ヨウ素が挙げられ、塩素、臭素がさらに好ましい。塩素を含むラジカルが、入手ないし発生が容易なこともあって、より好ましい。塩素を含むラジカルを用いる場合、工程1で照射する光としては紫外線を含む光が好ましく、臭素やヨウ素を含むラジカルを用いる場合、紫外線より長波長の光でも反応を進行させることができると考えられる。従って、光の選択自由度や、光学材料基材を構成するオレフィン重合体に光劣化が生じる可能性がある場合等、状況によっては臭素、ヨウ素が好ましい。
上記の観点から、前記ラジカルとしては二酸化塩素ラジカルが好ましい。二酸化塩素ラジカル(ClO2・)に光が照射されることで、塩素ラジカル(Cl・)および酸素分子(O2)が発生すると考えられる。
SIIナノテクノロジー社(現-日立ハイテクサイエンス社)製EXSTAR DSC6220型示差走査熱量計を用いて、約5.0mgの試料を窒素雰囲気下で30℃から昇温速度10℃/分で320℃まで昇温し、その温度で10分間保持する。(ただし、250℃以上320℃以下の温度領域で分解する重合体の場合は、常法の通り、適宜保持する温度を低く調整してもよい。)さらに降温速度10℃/分で30℃まで冷却し、その温度で5分間保持した後、昇温速度10℃/分で320℃まで昇温する。この2度目の昇温の際に観測される吸熱ピークを融解ピークとし、融解ピークが現れる温度を融点(Tm)として求める。融解ピークが多峰性の場合は、最も高温側の融解ピークが現れる温度を融点とする。
前記オレフィン重合体としては、具体的にはノルボルネン、テトラシクロドデセンなどの環状オレフィンとエチレン、プロピレン、ブテンなどから選ばれるα-オレフィンとの共重合体等を例示することができる。その他には、前記の環状オレフィンをメタセシス重合させて得られる開環オレフィンメタセシス重合体およびその水素添加物も、勿論挙げられる。これらの重合体の市販の製品としては、ゼオネックス(登録商標)、アートン(登録商標)、トパス(登録商標)、アペル(登録商標)等を挙げることができる。
本発明の製造方法において、例えば、前記オレフィン重合体の原料におけるオレフィンとして、スチレンなどの芳香族ビニル化合物、(メタ)アクリル酸(エステル)類等が前記の環状オレフィンまたはα-オレフィンと共に用いられてもよい。
前記有機相は、有機溶媒を含めば特に制限されない。
また、前記有機溶媒は、1種類のみ用いても複数種類併用してもよい。前記有機溶媒としては、例えば、炭化水素溶媒、ハロゲン化溶媒が挙げられる。
前記フルオラス溶媒は、炭化水素の水素原子の全てまたは大部分がフッ素原子に置換された溶媒をいう。前記フルオラス溶媒は、例えば、炭化水素の水素原子数の50%以上、60%以上、70%以上、80%以上、または90%以上がフッ素原子に置換された溶媒であってもよい。
前記他の成分は、水相および/または有機相に溶解してもよいが、溶解していなくてもよい。
なお、1つの物質がルイス酸およびブレンステッド酸を兼ねていてもよい。「ルイス酸」は、前記ラジカルの発生源に対してルイス酸として働く物質をいう。
前記有機物質としては、例えば、アンモニウムイオン、有機酸(例えばカルボン酸)が挙げられる。
前記水相および/または有機相中における、前記ルイス酸およびブレンステッド酸の少なくとも一方の濃度は、特に限定されず、適宜設定することができるが、例えば1mg/L以上であってもよく、1g/L以下であってもよい。
本発明の製造方法は、前記ラジカルを生成させる工程(ラジカル生成工程)、具体的には、前記ラジカル発生源から前記ラジカルを生成させる工程を含んでいてもよい。
工程1を行う際の雰囲気圧は、特に限定されないが、例えば、0.1MPa以上であってもよく、100MPa以下であってもよい。
光を照射した周辺部や、光が届かない細孔の深層部が変性される場合もあるが、その割合は小さいと考えられる。
本発明によれば、例えば、二酸化塩素ラジカル水溶液に光照射するのみの極めて簡便な方法で、塩素原子ラジカルCl・および酸素分子O2を発生させ、光学材料基材を構成するオレフィン重合体の酸化反応を行なうことができる。そして、そのような簡便な方法で、例えば、常温および常圧等のきわめて温和な条件下でも、オレフィン重合体を含む光学材料基材を効率よく変性して光学材料を製造することが可能である。
[実施例1]
(光学材料の製造)
ポリ容器に亜塩素酸ナトリウム(Sigma-Aldrich社製)10g、超純水500mLを入れ、亜塩素酸ナトリウムが超純水に溶解してから35~37%塩酸水溶液(富士フイルム和光純薬(株)製)1mLを加え、この液を約32cm×23cm×2cmの大きさの浅型バットに入れた。この条件で、二酸化塩素ラジカルが発生することは、事前にESR法で確認した。一方、約33cm×24cm×3cmの大きさのガラス製バット内部の底面に、下式:
紫外線硬化型コーティング剤「オレスター(登録商標)RA6800」(三井化学(株)製)5.00gに、光開始剤としてIrgacure1173(BASF社製)0.11g、溶剤として1-メトキシ-2-プロパノール(純正化学(株)製)を4.05g混合し、コーティング液を得た。このコーティング液をシクロオレフィンコポリマー片、酸化シクロオレフィンコポリマー片(前工程で、亜塩素酸液側に向けた面を)それぞれにバーコーター#20で塗布し、80℃の温風乾燥機で2分加熱し、脱溶剤して塗膜を形成した。塗膜が形成された各ポリマー片を、UVコンベアー(ランプシステム:F600V/光源:無電極ランプHバルブ/ヘレウス株式会社製)の中をコンベアー速度8m/分(UVA積算光量400mJ/cm2)で通過させて、塗膜を硬化させた。塗膜硬化後の各コポリマー片に対して、JIS K5400-8.5に準拠する形で塗膜の接着性を評価した。
Claims (8)
- 1分子中に15族元素および16族元素から選ばれる元素の原子(α)と17族元素の原子(β)とを、原子数比で原子(α):原子(β)=1:1~4:1の割合で含むラジカルに光を照射する工程1を含み、
前記15族元素および16族元素から選ばれる元素が酸素であり、
前記17族元素が塩素、臭素またはヨウ素であり、
前記工程1が、
融点および/またはガラス転移温度が70℃以上300℃以下のオレフィン重合体を含む光学材料基材と前記ラジカルとが共存する環境において、
前記ラジカルに光を照射して前記光学材料基材を変性する工程を含む光学材料の製造方法。 - 前記工程1が、前記光学材料基材および前記ラジカルに光を照射する工程である請求項1に記載の光学材料の製造方法。
- 前記光学材料の一部が未変性状態である請求項1または2に記載の光学材料の製造方法。
- 前記光学材料の厚さが200μm~20cmである請求項1~3のいずれか一項に記載の光学材料の製造方法。
- 前記ラジカルが二酸化塩素ラジカルである請求項1~4のいずれか一項に記載の光学材料の製造方法。
- 前記オレフィン重合体が環状オレフィン系重合体である請求項1~5のいずれか一項に記載の光学材料の製造方法。
- 前記光学材料がレンズ用基材である請求項1~6のいずれか一項に記載の光学材料の製造方法。
- 前記レンズが車載センサー用レンズである請求項7に記載の光学材料の製造方法。
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