本開示の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。
当該図面においては、理解を容易にするために、各部の形状、縮尺、縦横の寸法比等を、実物から変更したり、誇張したりして示している場合がある。本明細書等において「~」を用いて表される数値範囲は、「~」の前後に記載される数値のそれぞれを下限値及び上限値として含む範囲であることを意味する。本明細書等において、「フィルム」、「シート」、「板」等の用語は、呼称の相違に基づいて相互に区別されない。例えば、「板」は、「シート」、「フィルム」と一般に呼ばれ得るような部材をも含む概念である。
〔インプリントモールド用基板〕
図1は、本実施形態に係るインプリントモールド用基板の概略構成を示す切断端面であり、図2は、図1に示すインプリントモールド用基板におけるA部の概略構成を示す部分拡大切断端面図であり、図3は、本実施形態に係るインプリントモールド用基板の凸構造部の概略構成を示す平面図である。
図1及び図2に示すように、本実施形態に係るインプリントモールド用基板1は、第1面2A及び当該第1面2Aに対向する第2面2Bを有する基材2と、基材2の第1面2Aから突出する凸構造部3と、第2面2B側に形成されている窪み部4とを備える。
基材2としては、インプリントモールド用基板として一般的なもの、例えば、石英ガラス基板、ソーダガラス基板、蛍石基板、フッ化カルシウム基板、フッ化マグネシウム基板、バリウムホウケイ酸ガラス、アミノホウケイ酸ガラス、アルミノケイ酸ガラス等の無アルカリガラス基板等のガラス基板、ポリカーボネート基板、ポリプロピレン基板、ポリエチレン基板、ポリメチルメタクリレート基板、ポリエチレンテレフタレート基板等の樹脂基板、これらのうちから任意に選択された2以上の基板を積層してなる積層基板等の透明基板等を用いてもよいし、ニッケル基板、チタン基板、アルミニウム基板等の金属基板;シリコン基板、窒化ガリウム基板等の半導体基板等を用いてもよい。ただし、後述するレプリカモールドの製造方法や当該レプリカモールドを用いたインプリント方法において、インプリント樹脂を硬化させるために基材2側から光照射を行うのであれば、基材2はインプリント樹脂を硬化させ得るような光透過性を具備していることが必要である。なお、本実施形態において「透明」とは、インプリント樹脂を硬化させ得る波長の光を透過可能であることを意味し、波長150nm~400nmの光線の透過率が60%以上であることを意味し、好ましくは90%以上、特に好ましくは95%以上である。
基材2の平面視形状としては、特に限定されるものではなく、例えば、略矩形状等が挙げられる。基材2が光インプリント用として一般的に用いられている石英ガラス基板からなるものである場合、通常、基材2の平面視形状は略矩形状である。
基材2の大きさ(平面視における大きさ)も特に限定されるものではないが、基材2が上記石英ガラス基板からなる場合、例えば、基材2の大きさは152mm×152mm程度である。また、基材2の厚さは、強度、取り扱い適性等を考慮し、例えば、300μm~10mm程度の範囲で適宜設定され得る。
基材2の第1面2Aから突出する凸構造部3は、平面視において基材2の略中央に設けられている。凸構造部3の平面視における形状は、略矩形状である。凸構造部3の大きさは、インプリントモールド用基板1を用いたインプリント処理を経て製造される製品等に応じて適宜設定されるものであり、例えば、30mm×25mm程度に設定される。
凸構造部3の突出高さ(基材2の第1面2Aと凸構造部3の上面部3Aとの間の基材2厚み方向に沿った長さ)は、本実施形態に係るインプリントモールド用基板1が凸構造部3を備える目的を果たし得る限り、特に制限されるものではなく、例えば、10μm~100μm程度に設定され得る。
凸構造部3の上面部3Aは、その略中央に位置し、凹凸パターン11が形成されるパターン領域PAと、パターン領域PAの周囲を取り囲む非パターン領域NAとを含む。パターン領域PAには、ハードマスク層6が形成されている。ハードマスク層6を構成する材料としては、例えば、クロム、チタン、タンタル、珪素、アルミニウム等の金属;窒化クロム、酸化クロム、酸窒化クロム等のクロム系化合物、酸化タンタル、酸窒化タンタル、酸化硼化タンタル、酸窒化硼化タンタル等のタンタル化合物、窒化チタン、窒化珪素、酸窒化珪素等が挙げられ、これらのうちの1種を単独で、又は任意に選択した2種以上を組み合わせて用いることができる。非パターン領域NAは、少なくとも1つ(図示例においては4つ)のアライメントマーク領域AAを含み、当該アライメントマーク領域AAにアライメントマーク5が形成されている。
アライメントマーク5は、凹凸パターン構造を有し、基材2に対して所定のコントラスト差を有する材料により構成される。アライメントマーク5が基材2に対して所定のコントラスト差を有する材料により構成されていることで、インプリントモールド用基板1の凸構造部3の上面部3Aにマスターモールド20(図10参照)の転写パターン22を転写する際のマスターモールド20とインプリントモールド用基板1との位置合わせ時に、アライメントマーク5を容易に視認することができる。アライメントマーク5を構成する材料としては、基材2が透明基板により構成される場合には、例えば、クロム、(Cr)、モリブデン(Mo)、タンタル(Ta)、タングステン(W)、ジルコニウム(Zr)、チタン(Ti)等が挙げられる。アライメントマーク5を構成する材料は、基材2を構成する材料との関係で、基材2のエッチング時にエッチングマスクとして機能し得る材料であり、かつ基材2にダメージを与えることなく当該アライメントマーク5を除去可能な材料である。例えば、アライメントマーク5を構成する材料は、基材2に対するエッチング選択比を有する材料であって、かつ所定のエッチャントを用いることで、基材2をエッチングすることなくアライメントマーク5のみがエッチングされ得るような材料であればよい。アライメントマーク5が基材2に対するエッチング選択比を有する材料により構成されていることで、インプリントモールド用基板1からレプリカモールド10を製造する過程において、凸構造部3の上面部3Aに凹凸パターン11を形成する際に、アライメントマーク5が形成されているアライメント領域AAがエッチングされないという効果が奏される。その結果、レプリカモールド10を用いて被転写基板(例えばシリコンウェハ等)にパターンを形成した後、レプリカモールド10における当該領域(インプリントモールド用基板1のアライメント領域AA)に対応する被転写基板上の領域に別個のパターンを形成することができるようになる。また、アライメントマーク5が除去可能な材料により構成されていることで、上記レプリカモールド10における非パターン領域NA(アライメント領域AA)を平坦面により構成することができる。
アライメントマーク5を構成する材料とハードマスク層6を構成する材料とは、互いに同一であってもよいし、異なっていてもよい。ハードマスク層6を構成する材料とアライメントマーク5を構成する材料とが同一であれば、インプリントモールド用基板1の作製にあたり、ハードマスク層6とアライメントマーク5とを同時に形成したり、除去したりすることが可能となる。両者が同一の材料であっても、ハードマスク層6の厚さとアライメントマーク5の厚さとが異なる場合には、それぞれを別個に形成してもよい。
アライメントマーク5を構成する凹凸パターン構造の凸部51の平面視における形状としては、後述するマスターモールド20のアライメントマーク23の形状に応じて適宜設定され得るものであるが、例えば、ライン状(図4参照)、略十字状(図5参照)、略ロの字状(図6参照)等を挙げることができる。
アライメントマーク5を構成する凹凸パターン構造の凸部51の寸法は、当該アライメントマーク5を撮像素子等により視認可能な程度の寸法であればよい。例えば、アライメントマーク5を構成する凹凸パターン構造の凸部51の短手方向の長さは、100nm~1000nm程度であればよい。
アライメントマーク5を構成する凹凸パターン構造の凸部51の平面視形状がライン状(図4参照)である場合、当該凹凸パターン構造のピッチP5は、後述するマスターモールド20のアライメントマーク23の凹凸構造のピッチP23と同一であってもよいし(図7(A)参照)、異なっていてもよい(図8(A)参照)。アライメントマーク5の凹凸パターン構造のピッチP5がマスターモールド20のアライメントマーク23の凹凸構造のピッチP23と同一であることで、マスターモールド20とインプリントモールド用基板1とを重ね合わせ、撮像素子によりアライメントマーク5,23を観察したときに、略等間隔のライン状のパターンが観察される(図7(B)参照)。このライン状のパターンの形状に基づき、マスターモールド20とインプリントモールド用基板1との高精度な位置合わせが可能となる。一方、アライメントマーク5の凹凸パターン構造のピッチP5がマスターモールド20のアライメントマーク23の凹凸構造のピッチP23と異なることで、マスターモールド20とインプリントモールド用基板1とを重ね合わせ、撮像素子によりアライメントマーク5,23を観察したときに、明暗の縞模様、すなわちモアレ模様が観察される(図8(B)参照)。このモアレ模様においては、アライメントマーク5,23の相対的な位置関係により明暗の縞の位置が変化する。したがって、この明暗の縞の位置に基づき、マスターモールド20とインプリントモールド用基板1との高精度な位置合わせが可能となる。
インプリントモールド用基板1におけるアライメントマーク5の凹凸パターン構造のピッチP5は、マスターモールド20のアライメントマーク23の凹凸構造のピッチP23との関係において、マスターモールド20とインプリントモールド用基板1とを位置合わせしたときのアライメントマーク5,23が撮像素子によりモアレ模様として観察されるように、適宜設定されればよい。
アライメントマーク5の凸部51の高さT51は、アライメントマーク5の凹部とのコントラストが得られる高さ差として設定されればよく、アライメントマーク5を構成する材料の屈折率や消衰係数に応じて設定され得る。一方、後述するマスターモールド20におけるアライメントマーク23が形成されているアライメントマーク領域213の深さD213との関係において、当該高さT51は深さD213以下であればよい。アライメントマーク23の凸部51の高さT51が上記深さD213を超えると、マスターモールド20を用いてインプリントモールド用基板1にインプリント処理を施すときに、アライメントマーク5がマスターモールド20のアライメントマーク領域213に接触してしまい、マスターモールド20を損傷させたり、異物を発生させたりするおそれがある。
基材2の第2面2Bには、所定の大きさの窪み部4が形成されている。窪み部4が形成されていることで、本実施形態に係るインプリントモールド用基板1から作製されるレプリカモールド10(図18(C)参照)を用いたインプリント処理時、特にインプリント樹脂との接触時やレプリカモールド10の剥離時に、基材2、特に凸構造部3の上面部3Aを湾曲させることができる。その結果、凸構造部3の上面部3Aとインプリント樹脂とを接触させるときに、凸構造部3の上面部3Aに形成されている凹凸パターン11とインプリント樹脂との間に気体が挟みこまれてしまうのを抑制することができ、また、インプリント樹脂に凹凸パターン11が転写されてなるパターンからレプリカモールド10を容易に剥離することができる。
窪み部4の平面視形状は、略円形状であるのが好ましい。略円形状であることで、インプリント処理時、特に凸構造部3の上面部3Aとインプリント樹脂とを接触させるときやインプリント樹脂からレプリカモールド10を剥離するときに、レプリカモールド10の凸構造部3の上面部3Aを、その面内において実質的に均一に湾曲させることができる。
窪み部4の平面視における大きさは、窪み部4を基材2の第1面2A側に投影した投影領域内に、凸構造部3が包摂される程度の大きさである限り、特に制限されるものではない。当該投影領域が凸構造部3を包摂不可能な大きさであると、レプリカモールド10の凸構造部3の上面部3Aの全面を効果的に湾曲させることができないおそれがある。
上述した構成を有するインプリントモールド用基板1によれば、アライメントマーク5が基材2に対してコントラスト差を有する材料により構成されていることで、マスターモールド20のアライメントマーク23との間にインプリント樹脂が完全に充填されていたとしても、マスターモールド20との位置合わせ時に容易にアライメントマーク5,23を視認することができるため、マスターモールド20と高い精度で位置合わせすることができる。その結果、インプリントモールド用基板1の凸構造部3の上面部3Aに高い位置精度で凹凸パターン11を形成することが可能となる。また、本実施形態に係るインプリントモールド用基板1においては、アライメントマーク5が基材2に対するエッチング選択比を有する材料により構成されていることで、インプリントモールド用基板1からレプリカモールド10を製造する過程において、凸構造部3の上面部3Aに凹凸パターン11を形成する際に、アライメントマーク5が形成されているアライメント領域AAがエッチングされないという効果が奏される。さらに、アライメントマーク5が除去可能な材料により構成されていることで、上記レプリカモールド10における非パターン領域NA(アライメント領域AA)を平坦面により構成することができる。その結果、レプリカモールド10を用いて被転写基板(例えばシリコンウェハ等)にパターンを形成した後、レプリカモールド10における当該領域(インプリントモールド用基板1のアライメント領域AA)に対応する被転写基板上の領域に別個のパターンを形成することができるようになる。
〔インプリントモールド用基板の製造方法〕
上述したインプリントモールド用基板を製造する方法について説明する。図9は、本実施形態に係るインプリントモールド用基板の製造方法の各工程を凸構造部近傍の部分拡大切断端面にて示す工程フロー図である。
まず、第1面及び当該第1面に対向する第2面を有し、第1面から突出する凸構造部3と、第2面側に形成されている窪み部とを備える基材を準備し、凸構造部3の上面部3Aに金属含有層6’を形成する(図9(A)参照)。
基材としては、インプリントモールド用基板として一般的なもの、例えば、石英ガラス基板、ソーダガラス基板、蛍石基板、フッ化カルシウム基板、フッ化マグネシウム基板、バリウムホウケイ酸ガラス、アミノホウケイ酸ガラス、アルミノケイ酸ガラス等の無アルカリガラス基板等のガラス基板、ポリカーボネート基板、ポリプロピレン基板、ポリエチレン基板、ポリメチルメタクリレート基板、ポリエチレンテレフタレート基板等の樹脂基板、これらのうちから任意に選択された2以上の基板を積層してなる積層基板等の透明基板等を用いることができる。
基材の平面視形状としては、特に限定されるものではなく、例えば、略矩形状等が挙げられる。基材が光インプリント用として一般的に用いられている石英ガラス基板からなるものである場合、通常、基材2の平面視形状は略矩形状である。
基材の大きさ(平面視における大きさ)も特に限定されるものではないが、基材が上記石英ガラス基板からなる場合、例えば、基材の大きさは152mm×152mm程度である。また、基材の厚さは、強度、取り扱い適性等を考慮し、例えば、300μm~10mm程度の範囲で適宜設定され得る。
金属含有層6’を構成する材料としては、インプリントモールド用基板1におけるアライメントマーク5及びハードマスク層6を構成する材料であればよく、例えば、クロム、(Cr)、モリブデン(Mo)、タンタル(Ta)、タングステン(W)、ジルコニウム(Zr)、チタン(Ti)等のうちの1種を単独で、又は任意に選択した2種以上を組み合わせて用いることができる。
金属含有層6’の厚さは、インプリントモールド用基板1におけるアライメントマーク5の凸部51の高さT51に応じて適宜設定される。アライメントマーク5の凸部51の高さT51は、アライメントマーク5の凹部とのコントラストが得られる高さ差として設定されればよく、アライメントマーク5を構成する材料の屈折率や消衰係数に応じて適宜設定され得る。例えば、金属含有層6’の厚さは、5nm~30nm程度の範囲内で適宜設定され得る。
基材の第1面に金属含有層6’を形成する方法としては、特に限定されるものではなく、例えば、スパッタリング、PVD(Physical Vapor Deposition)、CVD(Chemical Vapor Deposition)等の公知の成膜方法が挙げられる。
次に、基材の凸構造部3の上面部3A上の金属含有層6’を覆うようにしてスピンコート法等によりレジスト層を形成する。そして、当該レジスト層に電子線描画処理及び現像処理、又は当該レジスト層に所定の開口を有するフォトマスク(図示省略)を介した露光処理及び現像処理を施すことで、アライメントマーク5に対応するレジストパターン7を金属含有層6’上に形成する(図9(B)参照)。
レジスト層を構成する材料は、電子線感応型レジスト及び光感応型レジストである限りにおいて特に限定されるものではなく、例えば、ネガ型又はポジ型の感光性材料等を用いることができるが、ポジ型の感光性材料を用いるのが好ましい。レジスト層の膜厚は、特に限定されるものではなく、金属含有層6’の構成材料に応じた選択比等に応じて適宜設定され得る。
上記のようにして形成されたレジストパターン7をエッチングマスクとし、開口部から露出する金属含有層6’を、例えば、塩素系(Cl2+O2)のエッチングガスを用いてドライエッチングし、残存するレジストパターン7を除去する。この金属含有層6’のエッチング量を調整することで、基材の凸構造部3の上面部3Aにアライメントマーク5及びハードマスク層6が同時に形成される(図9(C)参照)。このようにして、本実施形態に係るインプリントモールド用基板1が製造される。なお、金属含有層6’のエッチングによりアライメントマーク5を形成した後に、アライメント領域AA以外の領域(例えばパターン領域PA)に残存する金属含有層6’を完全にエッチングで除去し、あらためて当該領域(例えばパターン領域PA)にハードマスク層6を形成してもよい。
〔マスターモールド〕
本実施形態におけるマスターモールドについて説明する。図10は、本実施形態におけるマスターモールドの概略構成を示す切断端面図であり、図11は、本実施形態におけるマスターモールドのアライメントマークの概略構成を示す部分拡大切断端面図である。
本実施形態におけるマスターモールド20は、第1面21A及び第1面21Aに対向する第2面21Bを有する基部21と、基部21の第1面21A上のパターン領域211に設けられてなる転写パターン22と、基部21の第1面21A上のパターン領域211の周囲を取り囲む非パターン領域212に設けられてなるアライメントマーク23とを有する。マスターモールド20は、上述したインプリントモールド用基板1の凸構造部3の上面部3Aに、転写パターン22を転写してなる凹凸パターン11を形成し、レプリカモールド10を製造するために用いられるものである。
基部21としては、インプリントモールド用基板として一般的なもの、例えば、石英ガラス基板、ソーダガラス基板、蛍石基板、フッ化カルシウム基板、フッ化マグネシウム基板、バリウムホウケイ酸ガラス、アミノホウケイ酸ガラス、アルミノケイ酸ガラス等の無アルカリガラス基板等のガラス基板、ポリカーボネート基板、ポリプロピレン基板、ポリエチレン基板、ポリメチルメタクリレート基板、ポリエチレンテレフタレート基板等の樹脂基板、これらのうちから任意に選択された2以上の基板を積層してなる積層基板等の透明基板等を用いてもよい。
基部21の平面視形状としては、特に限定されるものではなく、例えば、略矩形状等が挙げられる。基部21が光インプリント用として一般的に用いられている石英ガラス基板からなるものである場合、通常、基部21の平面視形状は略矩形状である。
基部21の大きさ(平面視における大きさ)も特に限定されるものではないが、基部21が上記石英ガラス基板からなる場合、例えば、基部21の大きさは152mm×152mm程度である。また、基部21の厚さは、強度、取り扱い適性等を考慮し、例えば、300μm~10mm程度の範囲で適宜設定され得る。
転写パターン22の形状、寸法等は、本実施形態に係るインプリントモールド用基板1から製造されるレプリカモールド10(レプリカモールド10を用いて製造される製品)等にて要求される形状、寸法等に応じて適宜設定され得る。例えば、転写パターン22の形状としては、ラインアンドスペース状、ピラー状、ホール状、格子状等が挙げられる。また、転写パターン22の寸法は、例えば、10nm~200nm程度に設定され得る。
アライメントマーク23は、第1面21A上における非パターン領域212内のアライメントマーク領域213に形成されてなる凹凸構造により構成される。アライメントマーク領域213は、基部21の第1面21Aから第2面21B側に向かって窪んだ領域であって、第1面21Aから窪んだアライメントマーク領域213の底面にアライメントマーク23を構成する凹凸構造が形成されている。
アライメントマーク23を構成する凹凸構造の凹部231の底面には、基部21に対して所定のコントラスト差を有する材料により構成される高コントラスト膜24が形成されている。当該高コントラスト膜24が基部21に対して所定のコントラスト差を有する材料により構成されていることで、インプリントモールド用基板1の凸構造部3の上面部3Aにマスターモールド20の転写パターン22を転写する際のマスターモールド20とインプリントモールド用基板1との位置合わせ時に、アライメントマーク23を容易に視認することができる。高コントラスト膜24を構成する材料としては、基部21が透明基板により構成される場合には、例えば、クロム、(Cr)、モリブデン(Mo)、タンタル(Ta)、タングステン(W)、ジルコニウム(Zr)、チタン(Ti)等が挙げられる。
アライメントマーク23を構成する凹凸構造の凹部231の平面視における形状としては、インプリントモールド用基板1のアライメントマーク5の形状に応じて適宜設定され得るものである。アライメントマーク5の凹凸パターン構造の凸部51の平面視形状がライン状(図4参照)である場合、例えば、アライメントマーク23を構成する凹凸構造の凹部231の平面視形状も同様にライン状にすることができる。また、アライメントマーク5の凹凸パターン構造の凸部51の平面視形状が略十字状(図5参照)である場合、例えば、アライメントマーク23を構成する凹凸構造の凹部231の平面視形状を、略十字状のアライメントマーク5を物理的に包含可能な略ロの字状にすることができる(図12参照)。さらに、略ロの字状(図6参照)である場合、例えば、アライメントマーク23を構成する凹凸構造の凹部231の平面視形状を、略ロの字状のアライメントマーク5に物理的に包含され得るような略十字状、略方形状等にすることができる(図13(A)及び(B)参照)。
アライメントマーク23を構成する凹凸構造の平面視形状がライン状である場合、当該凹凸構造のピッチP23は、インプリントモールド用基板1のアライメントマーク5の凹凸パターン構造のピッチP5と同一であってもよいし(図7(A)参照)、異なっていてもよい(図8(A)参照)。アライメントマーク23の凹凸構造のピッチP23がインプリントモールド用基板1のアライメントマーク5の凹凸パターン構造のピッチP5と同一であることで、マスターモールド20とインプリントモールド用基板1とを重ね合わせ、撮像素子によりアライメントマーク5,23を観察したときに、略等間隔のライン状のパターンが観察される(図7(B)参照)。このライン状のパターンの形状に基づき、マスターモールド20とインプリントモールド用基板1との高精度な位置合わせが可能となる。一方、アライメントマーク23の凹凸構造のピッチP23がインプリントモールド用基板1のアライメントマーク5の凹凸パターン構造のピッチP5と異なることで、マスターモールド20とインプリントモールド用基板1とを重ね合わせ、撮像素子によりアライメントマーク5,23を観察したときに、明暗の縞模様、すなわちモアレ模様が観察される(図8(B)参照)。このモアレ模様においては、アライメントマーク5,23の相対的な位置関係により明暗の縞の位置が変化する。したがって、この明暗の縞の位置に基づき、マスターモールド20とインプリントモールド用基板1との高精度な位置合わせが可能となる。
マスターモールド20におけるアライメントマーク23の凹凸構造のピッチP23は、インプリントモールド用基板1のアライメントマーク5の凹凸パターン構造のピッチP5との関係において、マスターモールド20とインプリントモールド用基板1とを位置合わせしたときのアライメントマーク5,23が撮像素子によりモアレ模様として観察されるように、適宜設定されればよい。
後述するように、本実施形態におけるマスターモールド20の製造過程において、転写パターン22とアライメントマーク23とは同時に行われるエッチング処理により形成される。そのため、アライメントマーク23を構成する凹凸構造の凹部231の深さD231は、転写パターン22の凹部221の深さD221と実質的に同一となる。
アライメントマーク領域213の深さD213は、インプリントモールド用基板1のアライメントマーク5を構成する凹凸パターン構造の凸部51の高さT51以上であり、かつ転写パターン22の凹部221の深さD221以上である。アライメントマーク領域213の深さD213がインプリントモールド用基板1のアライメントマーク5の凸部51の高さT51未満であると、マスターモールド20を用いてインプリントモールド用基板1にインプリント処理を施すときに、アライメントマーク領域213とインプリントモールド用基板1のアライメントマーク5とが接触してしまい、マスターモールド20が損傷してしまうおそれがある。また、アライメントマーク領域213の深さD213が転写パターン22の凹部221の深さD221未満であると、アライメントマーク23を構成する凹凸構造とアライメントマーク5を構成する凹凸パターン構造との相対位置(凸部同士、凹部同士の位置(インプリント処理時における基材2及び基部21の厚さ方向に見たときの位置))が一致していない場合に、インプリントモールド用基板1のアライメントマーク5の下方に位置する基材2を加工(エッチング)してしまうおそれがある。
上述した構成を有するマスターモールド20によれば、アライメントマーク領域213の深さD213が、インプリントモールド用基板1のアライメントマーク5を構成する凹凸パターン構造の凸部51の高さT51以上、かつ転写パターン22の凹部221の深さD221以上であることで、アライメントマーク23を構成する凹凸構造とアライメントマーク5を構成する凹凸パターン構造との相対位置が一致していない場合であっても、インプリントモールド用基板1のアライメントマーク5の下方に位置する基材2を加工(エッチング)することなく、非パターン領域NAが平坦面により構成されるレプリカモールド10を製造することができる。
〔マスターモールドの製造方法〕
上述したマスターモールド20の製造方法の一例につき説明する。図14及び図15は、本実施形態におけるマスターモールドの製造方法の各工程を部分拡大切断端面にて示す工程フロー図である。
第1面21A及び第1面21Aに対向する第2面21Bを有し、第1面21Aにハードマスク層25が設けられてなる基部21を準備し(図14(A)参照)、当該ハードマスク層25上に転写パターン22及びアライメントマーク23の凹凸構造に対応するレジストパターンを形成する。そして、当該レジストパターンをマスクとし、ハードマスク層25を塩素系(Cl2+O2)のエッチングガス等を用いてドライエッチングすることにより、当該第1面21A上にハードマスクパターン26を形成する(図14(B)参照)。
基部21としては、インプリントモールド用基板として一般的なもの、例えば、石英ガラス基板、ソーダガラス基板、蛍石基板、フッ化カルシウム基板、フッ化マグネシウム基板、バリウムホウケイ酸ガラス、アミノホウケイ酸ガラス、アルミノケイ酸ガラス等の無アルカリガラス基板等のガラス基板、ポリカーボネート基板、ポリプロピレン基板、ポリエチレン基板、ポリメチルメタクリレート基板、ポリエチレンテレフタレート基板等の樹脂基板、これらのうちから任意に選択された2以上の基板を積層してなる積層基板等の透明基板等を用いてもよい。
基部21の平面視形状としては、特に限定されるものではなく、例えば、略矩形状等が挙げられる。基部21が光インプリント用として一般的に用いられている石英ガラス基板からなるものである場合、通常、基部21の平面視形状は略矩形状である。
基部21の大きさ(平面視における大きさ)も特に限定されるものではないが、基部21が上記石英ガラス基板からなる場合、例えば、基部21の大きさは152mm×152mm程度である。また、基部21の厚さは、強度、取り扱い適性等を考慮し、例えば、300μm~10mm程度の範囲で適宜設定され得る。
ハードマスク層25を構成する材料としては、例えば、クロム、チタン、タンタル、珪素、アルミニウム等の金属;窒化クロム、酸化クロム、酸窒化クロム等のクロム系化合物、酸化タンタル、酸窒化タンタル、酸化硼化タンタル、酸窒化硼化タンタル等のタンタル化合物、窒化チタン、窒化珪素、酸窒化珪素等が挙げられ、これらのうちの1種を単独で、又は任意に選択した2種以上を組み合わせて用いることができる。
ハードマスク層25は、後述する工程によりパターニングされて形成され、転写パターン22と、アライメントマーク23を構成する凹凸構造とをエッチングにて形成するためのマスクとして用いられるハードマスクパターン26を構成する。そのため、基部21の構成材料に応じ、エッチング選択比等を考慮して、ハードマスク層25の構成材料を選択するのが好ましい。例えば、基部21が石英ガラス基板である場合、ハードマスク層25として酸化クロム膜等が好適に選択され得る。
ハードマスク層25の膜厚は、基部21の構成材料に応じたエッチング選択比等を考慮して適宜設定される。例えば、基部21が石英ガラス基板であって、ハードマスク層25が酸化クロム膜である場合、ハードマスク層25の厚さは、1nm~20nm程度の範囲内で適宜設定され得る。
基部21の第1面21Aにハードマスク層25を形成する方法としては、特に限定されるものではなく、例えば、スパッタリング、PVD(Physical Vapor Deposition)、CVD(Chemical Vapor Deposition)等の公知の成膜方法が挙げられる。
ハードマスク層25上に形成されるレジストパターンを構成する材料は、特に限定されるものではなく、例えば、ネガ型又はポジ型の電子線感応型レジスト材料等を用いることができる。レジストパターンの厚さは、特に限定されるものではなく、ハードマスク層25の構成材料に応じた選択比等に応じて適宜設定され得る。レジストパターンは、ハードマスク層25上に設けられたレジスト層に電子線描画処理及び現像処理を施すことで形成され得る。
次に、ハードマスクパターン26をマスクとして基部21の第1面21Aにドライエッチング処理を施すことで、転写パターン22及びアライメントマーク23の凹凸構造を形成する(図14(C)参照)。基部21のドライエッチング処理は、当該基部21の構成材料の種類に応じて適宜エッチングガスを選択して行なわれ得る。エッチングガスとしては、例えば、フッ素系ガス等を用いることができる。
続いて、転写パターン22及びアライメントマーク23の凹凸構造が形成された基部21の第1面21Aに、ネガ型又はポジ型の感光性材料等により構成されるレジスト層を形成し、当該レジスト層に露光・現像処理を施すことで、アライメントマーク領域213に対応する開口部を有するレジストパターン28を形成する(図15(A)参照)。
そして、レジストパターン28をマスクとして基部21の第1面21Aにドライエッチング処理を施すことで、基部21の第1面21Aから第2面21B側に向かって窪み、底面にアライメントマーク23を構成する凹凸構造が形成されてなるアライメントマーク領域213を形成することができる(図15(B)参照)。
アライメントマーク領域213を形成するにあたっては、アライメントマーク領域213の深さD213が、マスターモールド20の転写パターン22の転写対象であるインプリントモールド用基板1のアライメントマーク5を構成する凹凸パターン構造の凸部51の高さT51以上、かつ転写パターン22の凹部221の深さD221以上となるように、基部21の第1面21Aにドライエッチング処理を施す。アライメントマーク領域213の深さD213がインプリントモールド用基板1のアライメントマーク5の凸部51の高さT51未満であると、マスターモールド20を用いてインプリントモールド用基板1にインプリント処理を施すときに、アライメントマーク領域213とインプリントモールド用基板1のアライメントマーク5とが接触してしまい、マスターモールド20が損傷してしまうおそれがある。また、アライメントマーク領域213の深さD213が転写パターン22の凹部221の深さD221未満であると、アライメントマーク23を構成する凹凸構造とアライメントマーク5を構成する凹凸パターン構造との相対位置(凸部同士、凹部同士の位置(インプリント処理時における基材2及び基部21の厚さ方向に見たときの位置))が一致しない場合に、インプリントモールド用基板1のアライメントマーク5の下方に位置する基材2を加工(エッチング)してしまうおそれがある。
最後に、アライメントマーク23を構成する凹凸構造の凹部231の底面に、基部21に対して所定のコントラスト差を有する材料により構成される高コントラスト膜24を形成する(図15(C)参照)。高コントラスト膜24を構成する材料としては、基部21が透明基板により構成される場合には、例えば、クロム、(Cr)、モリブデン(Mo)、タンタル(Ta)、タングステン(W)、ジルコニウム(Zr)、チタン(Ti)等が挙げられる。このようにして、本実施形態におけるマスターモールド20が製造される。
なお、高コントラスト膜24は、例えば、図16に示す工程により製造され得る。
まず、アライメントマーク領域213を形成した基部21(図15(B)参照)を準備し、スパッタ法等の手法を用いて、基部21の第1面21A上、並びに転写パターン22を構成する凹凸構造の凹部の底面及びアライメントマーク23を構成する凹凸構造の凹部231の底面上に、高コントラスト膜24を構成する材料を成膜して高屈折膜241を形成する(図16(A)参照)。
次に、その上からレジスト膜27を形成し、段差基板を押し付けて、アライメントマーク23の形成されている領域の膜厚が、転写パターン22の形成されている領域の膜厚よりも厚くなるようにレジスト膜27を変形させる(図16(B)参照)。なお、このような段差構造を有するレジスト膜27は、当該段差構造に対応する構造を有するインプリントモールドを用いたインプリント処理により形成されてもよい。
その後、レジスト膜27の所定の厚み分をドライエッチングして、アライメントマーク23を構成する凹凸構造の凹部231の内部のみにレジスト膜27を残存させる(図16(C)参照)。次に、レジスト膜27から露出する高屈折膜241をドライエッチングして除去し、最後に、アライメントマーク23を構成する凹凸構造の凹部231の内部のレジスト膜27を除去することで、アライメントマーク23を構成する凹凸構造の凹部231の底面上に高コントラスト膜24を形成することができる(図16(D)参照)。
〔レプリカモールドの製造方法〕
本実施形態におけるマスターモールド20及びインプリントモールド用基板1を用いてレプリカモールドを製造する方法を説明する。図17及び図18は、本実施形態におけるレプリカモールドの製造方法の各工程を切断端面にて示す工程フロー図である。
まず、本実施形態におけるマスターモールド20及びインプリントモールド用基板1を準備し、インプリントモールド用基板1の凸構造部3の上面部3Aにインプリント樹脂40を供給する(図17(A)参照)。
インプリント樹脂40(レジスト材料)としては、特に限定されるものではなく、インプリント処理に一般的に用いられる樹脂材料(例えば、紫外線硬化性樹脂、熱硬化性樹脂等)を用いることができる。インプリント樹脂40には、マスターモールド20を容易に引き離すための離型剤、インプリントモールド用基板1の凸構造部3の上面部3A(ハードマスク層6)への密着性を向上させるための密着剤等が含まれていてもよい。
凸構造部3の上面部3Aに対するインプリント樹脂40の供給量は、マスターモールド20の転写パターン22及びアライメントマーク23にインプリント樹脂40が完全に充填され得る量であればよい。
次に、凸構造部3の上面部3Aに供給されたインプリント樹脂40に、マスターモールド20の第1面21Aに形成されている転写パターン22を接触させ、マスターモールド20の第1面21Aとインプリントモールド用基板1の凸構造部3の上面部3Aとの間にインプリント樹脂40を展開させ、転写パターン22及びアライメントマーク23にインプリント樹脂40を完全に充填させる(図17(B)参照)。その状態において、マスターモールド20のアライメントマーク23とインプリントモールド用基板1のアライメントマーク5とを撮像素子等により観察することで、マスターモールド20とインプリントモールド用基板1との位置合わせを行う。
アライメントマーク5が基材2に対して所定のコントラスト差を有する材料により構成されており、アライメントマーク23の凹凸構造の凹部231の底面に高コントラスト膜24が形成されているため、アライメントマーク5及びアライメントマーク23を容易に視認することができ、両者の位置合わせを高い精度で行うことができる。
アライメントマーク5を構成する凹凸パターン構造の凸部51の平面視形状がライン状(図4参照)、アライメントマーク23を構成する凹凸構造の平面視形状がライン状であって、アライメントマーク5の凹凸パターン構造のピッチP5がアライメントマーク23の凹凸構造のピッチP23と同一である場合(図7(A)参照)、マスターモールド20とインプリントモールド用基板1とを重ね合わせ、撮像素子によりアライメントマーク5,23を観察したときに、略等間隔のライン状のパターンが観察される(図7(B)参照)。このライン状のパターンの形状に基づき、マスターモールド20とインプリントモールド用基板1との高精度な位置合わせが可能となる。一方、アライメントマーク5の凹凸パターン構造のピッチP5がアライメントマーク23の凹凸構造のピッチP23と異なる場合、マスターモールド20とインプリントモールド用基板1とを重ね合わせ、撮像素子によりアライメントマーク5,23を観察したときに、明暗の縞模様、すなわちモアレ模様が観察される(図8(B)参照)。このモアレ模様においては、アライメントマーク5,23の相対的な位置関係により明暗の縞の位置が変化する。したがって、この明暗の縞の位置に基づき、マスターモールド20とインプリントモールド用基板1との高精度な位置合わせが可能となる。
両者の位置合わせが完了した後に、インプリント樹脂40に光を照射して硬化させ、その後、マスターモールド20を離型させる。これにより、インプリントモールド用基板1の凸構造部3の上面部3Aに、転写パターン22が転写されてなるレジストパターン41が形成される(図17(C)参照)。
続いて、レジストパターン41の残膜を除去し(図18(A)参照)、当該レジストパターン41をマスクとして用い、例えば、塩素系(Cl2+O2)のエッチングガスを用いるドライエッチング処理によりインプリントモールド用基板1の凸構造部3の上面部3Aに形成されているハードマスク層6をエッチングして、ハードマスクパターン61を形成する(図18(B)参照)。
そして、ハードマスクパターン61をマスクとしてインプリントモールド用基板1にドライエッチング処理を施し、凸構造部3の上面部3Aに凹凸パターン11を形成する。その後、凸構造部3の上面部3Aに残存するハードマスクパターン61及びアライメントマーク5を除去することで、レプリカモールド10が製造される(図18(C)参照)。インプリントモールド用基板1のドライエッチングは、当該インプリントモールド用基板1の構成材料の種類に応じて適宜エッチングガスを選択して行なわれ得る。エッチングガスとしては、例えば、フッ素系ガス等を用いることができる。
本実施形態におけるインプリントモールド用基板1のアライメントマーク5は、除去可能な材料により構成されているため、凸構造部3の上面部3Aの非パターン領域NAが平坦面により構成されるレプリカモールド10を製造することができる。特にアライメントマーク5がハードマスクパターン61(ハードマスク層6)と同一材料により構成されていることで、ハードマスクパターン61と同時にアライメントマーク5を除去することができるという効果が奏される。
本実施形態におけるマスターモールド20のアライメントマーク領域213の深さD213が、転写パターン22の凹部221の深さD221以上であることで、以下に説明するような作用が発揮される。
マスターモールド20のアライメントマーク23とインプリントモールド基板1のアライメントマーク5の凹凸パターン構造との相対位置(凸部同士、凹部同士の位置(インプリント処理時における基材2及び基部21の厚さ方向に見たときの位置))が一致していない場合(図19(A)参照)、マスターモールド20の転写パターン22がインプリント樹脂40に転写されてレジストパターン41が形成された後(図19(B)参照)、レジストパターン41の残膜411が除去される(図19(C)参照)。残膜411を除去したときに、アライメントマーク5の凹凸パターン構造部の凸部上にレジストパターン41の薄膜部412が残存するとともに、凹部上にも十分な厚さのレジストパターン41が残存するため(図19(C)参照)、ハードマスク層6のエッチング処理時にレジストパターン41によりアライメントマーク5がマスクされる。その結果、アライメントマーク5の膜厚が減り難くなる(図19(D)参照)。よって、その後のインプリントモールド用基板1のエッチング時に、凸構造部3の上面部3Aの非パターン領域NAがアライメントマーク5によりマスクされ、エッチングされない。すなわち、マスターモールド20のアライメントマーク領域213の深さD213が、転写パターン22の凹部221の深さD221以上であることで、当該非パターン領域NAが平坦面により構成されるレプリカモールド10を製造することができる(図19(E)参照)。
一方、マスターモールド20のアライメントマーク領域213の深さD213が、転写パターン22の凹部221の深さD221未満であって、マスターモールド20のアライメントマーク23の凹凸構造とインプリントモールド基板1のアライメントマーク5の凹凸パターン構造との相対位置(凸部同士、凹部同士の位置(インプリント処理時における基材2及び基部21の厚さ方向に見たときの位置))が一致していない場合(図20(A)参照)、マスターモールド20の転写パターン22がインプリント樹脂40に転写されてレジストパターン41が形成された後(図20(B)参照)、レジストパターン41の残膜411が除去されると(図20(C)参照)、アライメントマーク5の凹凸パターン構造部の凸部上のレジストパターン41の薄膜部412が消滅するとともに、凹部の一部上のレジストパターン41の厚さが不十分になるため(図20(C)参照)、ハードマスク層6のエッチング処理の途中にアライメントマーク5の凹部をマスクするレジストパターン41の一部が消滅してしまう。その結果、アライメントマーク5の一部がエッチングされて消滅してしまったり、アライメントマーク5の一部の膜厚が極めて薄くなってしまったりする(図20(D)参照)。よって、その後のインプリントモールド用基板1のエッチング時に、凸構造部3の上面部3Aの非パターン領域NAの一部がアライメントマーク5により十分にマスクされず、エッチングされてしまう(図20(E)参照)。
このように、本実施形態によれば、マスターモールド20のアライメントマーク領域213の深さD213が、転写パターン22の凹部221の深さD221以上であることで、凸構造部3の上面部3Aにおける非パターン領域NAが平坦面により構成されるレプリカモールド10を製造することができる。
以上説明した実施形態は、本発明の理解を容易にするために記載されたものであって、本発明を限定するために記載されたものではない。したがって、上記実施形態に開示された各要素は、本発明の技術的範囲に属する全ての設計変更や均等物をも含む趣旨である。