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JP7140376B2 - 歯科矯正支援装置および歯科矯正支援プログラム - Google Patents
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JP7140376B2 - 歯科矯正支援装置および歯科矯正支援プログラム - Google Patents

歯科矯正支援装置および歯科矯正支援プログラム Download PDF

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Description

本発明は、長期に渡る矯正治療を支援する歯科矯正支援装置および歯科矯正支援プログラムに関するものである。
矯正治療は、患者にとって理想な歯列とするために、矯正対象歯に矯正力を掛けて移動させたり、時には矯正対象歯の移動に邪魔になる隣接した歯に矯正力を掛けて、矯正対象歯より先に移動させた後に矯正対象歯に矯正力を掛けて移動させたりする。
矯正治療を行う際に、患者から歯列の状態をデータ化して、矯正対象歯の移動方向や、矯正治療の方針を決定することをコンピュータにより行うことが知られている(例えば、特許文献1~3参照。)。
特許文献1に記載の漸増的に歯を移動させるための方法およびシステムは、最初の歯列を表す最初のデジタルデータ組に基づいて視覚的画像をディスプレイ上に表示し、視覚的画像内の個々の歯を再配置するようにコンピュータを操作して、再配置された歯を有する最終的な歯列を表す最終的なデジタルデータ組を生成させると共に、最初の歯列から最終的な歯列に漸進する一連の連続する歯列を表す複数の中間のデジタルデータ組を生成させるというものである。
特許文献2に記載の透明矯正器製造方法は、歯科主治医から転送された患者の現在歯牙データと、主治医の矯正内容に基づいて矯正処理して生成された多数個のステップに区分されて進められる矯正歯牙データとによって多数個の金型を製作し、多数個の金型に透明素材を真空圧着して透明矯正器が製造されるというものである。
特許文献3に記載の歯科用装置のコンピュータシステム支援設計は、コンピュータシステムで、患者の1つ以上の歯の初期位置を提供する3D歯牙構造のデジタル表現を受信して、取り外し可能な歯科用装置の寸法及び形状が1つ以上の歯を初期位置から調整された位置に再配置するように構成されるというものである。
特開2008-18253号公報 特開2014-519392号公報 特表2018-504191号公報
特許文献1~3に記載の従来の歯科矯正支援装置では、矯正対象歯をどのように移動させるかを勘案しながら矯正器具を製作するためものである。しかし、矯正治療は長い期間を要するため、患者は治療が良好に進捗しているものなのか、それとも矯正対象の歯が想定した位置より移動していないのか否かが分かり難い。そのため、患者は矯正治療を途中で止めてしまうことがある。
そこで本発明は、矯正治療中における患者の不安を緩和させ、治療に対するモチベーションを上げ、長期に渡る治療を継続させることを支援する歯科矯正支援装置および歯科矯正支援プログラムを提供することを目的とする。
本発明の歯科矯正支援装置は、矯正対象歯の治療開始時の位置から治療終了時の位置までの治療予定経路を設定する経路設定手段と、前記矯正対象歯の治療開始時の位置から治療途中の位置までに基づく治療途中経路の距離と、前記治療予定経路の距離とに基づいて、治療の進捗情報を出力手段に出力する進捗処理手段とを備えたことを特徴とする。
また、本発明の歯科矯正支援プログラムは、コンピュータを、矯正対象歯の治療開始時の位置から治療終了時の位置までの治療予定経路を設定する経路設定手段、前記矯正対象歯の治療開始時の位置から治療途中の位置までに基づく治療途中経路の距離と、前記治療予定経路の距離とに基づいて、治療の進捗情報を出力手段に出力する進捗処理手段として機能させることを特徴とする。
本発明によれば、経路設定手段により設定された治療予定経路の距離と、治療途中経路の距離とに基づいて、進捗処理手段が治療の進捗情報を出力するため、患者は矯正治療の進捗度合いを把握することができる。
前記進捗処理手段は、前記矯正対象歯の治療途中の位置が前記経路設定手段により設定された治療予定経路から外れているときに、治療途中の位置を通る経路に治療予定経路を更新することができる。
矯正対象歯が予定とは異なる迂回した経路で移動しても、進捗処理手段が実際に即した進捗度合いを算出することができるため、正確な進捗情報を患者に提供することが可能である。
前記経路設定手段が、前記矯正対象歯の移動に隣在歯の移動が伴うときに、前記治療予定経路に、前記隣在歯における治療開始時の位置から治療終了時の位置までの移動経路を加算し、前記進捗処理手段が、治療途中経路の距離として、前記矯正対象歯の治療途中経路の距離に、前記隣在歯の治療途中経路の距離を加算して、前記進捗情報を出力することができる。
進捗処理手段が、移動させる歯の全ての距離の合算により、進捗情報を出力することができるので、矯正治療が着実に進捗していることを患者に提示することができる。
前記進捗処理手段は、前記治療予定経路と前記治療途中経路とから算出した百分率を、前記進捗情報に含ませて出力することができる。
進捗処理手段が、治療予定経路と治療途中経路とから算出した百分率で表した進捗情報を含ませているため、患者は進捗度合いを定量的に把握することができる。
本発明によれば、患者は矯正治療の進捗度合いを把握することができるので、矯正治療中における患者の不安を緩和させ、治療に対するモチベーションを上げ、長期に渡る治療を継続させることを支援することができる。
本発明の実施の形態に係る歯科矯正支援装置を用いた歯科矯正支援システムの構成を説明するための図である。 図1に示す歯科矯正支援装置の構成を説明するための図である。 治療前模型および治療中模型に基づいて作製されるアライナーを用いた矯正治療を説明するための図である。 治療予定経路の設定を説明するための図であり、(A)は矯正対象歯の治療開始時の位置を設定する際の画面の一例の図、(B)は矯正対象歯の治療終了時の位置を設定する際の画面の一例の図、(C)は(B)の矯正対象歯を含む歯列の一部拡大図である。 (A)は表示手段に表示された進捗情報の一例を示す図であり、(B)は(A)の矯正対象歯を含む歯列の一部拡大図である。 電子メールに記載された進捗情報の一例を示す図である。 矯正対象歯の治療途中の位置が治療予定経路から外れ、あらたな治療予定経路が設定されることを説明するための図である。 矯正対象歯だけでなく隣在歯も移動させる場合を説明するための図である。
本発明の実施の形態に係る歯科矯正支援装置を図面に基づいて説明する。
図1に示す歯科矯正支援装置10は、患者Cの矯正治療を支援するものである。歯科矯正支援装置10は、歯科技工所に設置され、歯科矯正支援プログラムが動作するコンピュータである。
歯科矯正支援装置10は、電気通信回線の一例であるインターネットWを介して、矯正治療の進捗度合いを通知するための情報提供装置21および患者Cが操作するスマートフォンなどの端末装置22に、通信可能に接続されている。
歯科矯正支援装置10には、周辺機器として、印刷装置23と、3Dスキャナ装置24と、3Dプリンタ装置25とが接続されている。
情報提供装置21は、歯科技工所に設置したコンピュータとする以外に、レンタルサーバーとして運用されるコンピュータとしたり、歯科矯正支援サービスを提供する運営会社に設置したコンピュータとしたりすることができる。
図2に示すように、歯科矯正支援装置10は、通信手段101と、3Dスキャナ制御手段102と、3Dモデル処理手段103と、3Dプリンタ制御手段104と、経路設定手段105と、進捗処理手段106と、メール処理手段107と、印刷制御手段108と、表示手段109と、入力手段110と、記憶手段111とを備えている。
通信手段101は、インターネットWからの受信データを受信して、歯科矯正支援装置10の各手段へ出力したり、歯科矯正支援装置10の各手段からの送信データを入力して、インターネットWへ送信したりする。
3Dスキャナ制御手段102は、3Dスキャナ装置24が接続され、3Dスキャナ装置24から3Dデータを取り込む機能を備えている。
3Dモデル処理手段103は、3Dモデルを表示手段109に表示したり、入力手段110の操作に応じて3Dモデルを変更したり、3Dモデルを製作可能な3Dデータに変換したりしてする機能を備えている。
3Dプリンタ制御手段104は、3Dプリンタ装置25が接続され、3Dデータを3Dプリンタ装置25へ出力する。
経路設定手段105は、矯正対象歯の治療開始時の位置から治療終了時の位置までの治療予定経路を設定する機能を備えている。
進捗処理手段106は、矯正対象歯の治療開始時の位置から治療途中の位置までに基づく治療途中経路の距離と、治療予定経路の距離とに基づいて、治療の進捗情報を、メール処理手段107、印刷制御手段108または表示手段109に出力する機能を備えている。
メール処理手段107は、進捗処理手段106からの進捗情報に基づいて、メール文を生成して、図示しないメールサーバへ患者のメールアドレス宛に電子メールを送信する出力手段として機能するものである。
印刷制御手段108は、印刷装置23が接続され、進捗処理手段106からの進捗情報に基づいて、印刷文を生成して、紙媒体に印刷する出力手段として機能するものである。
表示手段109は、各種手段から表示データを表示する出力手段として機能するものである。表示手段109は、LCDや有機ELディスプレイ、CRTなどとすることができる。
入力手段110は、操作者が操作して入力データを出力するものであり、キーボード、マウス、タッチパネルなどとすることができる。
記憶手段111は、各種のプログラムや各種の設定およびデータが格納される。記憶手段111は、ハードディスクドライブ装置やフラッシュメモリとすることができる。記憶手段111は、歯科矯正支援装置10に内蔵されたものとする以外に、クラウド上のストレージサービスを利用してもよい。
以上のように構成された本発明の実施の形態に係る歯科矯正支援装置を図面に基づいて説明する。
歯科医院にて、歯科医師が、印象材により、患者の口腔から印象を採得して凹型を作製し、この凹型から石膏などにより凸型となる歯型模型を作製する。以下、この歯型模型を治療前模型M1(図1および図3参照)と称する。
そして、歯科医師は、治療前模型M1を、歯科技工所へ送付する。
歯科技工所では、歯科技工士が歯科矯正支援装置10の入力手段110を操作してスキャンを指示することで、3Dスキャナ制御手段102が3Dスキャナ装置24を動作させ、治療前模型M1の3Dデータが記憶手段111に取り込まれる。
歯科技工士は、入力手段110を操作して経路設定手段105に指示することで、治療前模型M1の3Dデータを記憶手段111から読み出し、まず、図4(A)に示す治療設定画面にて、矯正対象歯T1の治療開始時の位置P1を設定する。
次に、歯科技工士は、入力手段110を操作して経路設定手段105に指示し、矯正対象歯T1を移動させ、図4(B)および同図(C)に示すような矯正対象歯T1の治療終了時の位置P2を設定する。
このとき、治療開始時の位置P1から治療終了時の位置P2まで、まっすぐ移動する場合には、経路設定手段105は、治療予定経路として、治療開始から治療終了までの最短距離が直線で示される。なお、直線に移動しつつ、途中で何回か折れ曲がるような移動をする場合には、その経路を、治療予定経路として、そのまま設定する。
また、治療開始時の位置P1から治療終了時の位置P2まで、矯正対象歯T1を、円弧を描くように移動させる場合には、入力手段110により治療予定経路として円弧曲線を入力することで、円弧状の曲線が示される。
本実施の形態では、矯正対象歯T1が上顎右側の中切歯を曲線移動させるため、図4(B)および同図(C)に示すように治療予定経路R1として円弧状の曲線が示されている。
このようにして、治療予定経路R1を設定して治療計画が策定できると、歯科技工士は、最初の段階に適用されるマウスピース型の歯科矯正装置(以下、アライナーと称す。)を成形するための歯型模型を作製する。以下、この歯型模型を段階別模型M2(図1および図3参照)と称す。
段階別模型M2の作製は、まず、歯科技工士が、3Dモデル処理手段103が表示手段109に表示した治療前模型M1の3Dデータに基づき、入力手段110を操作して、矯正対象歯を最初の段階の位置P2まで移動させた3Dデータを作成する。3Dモデル処理手段103は、3Dデータを記憶手段111に格納する。
アライナーを作製するための最初の段階における段階別模型M2は、治療開始時の位置から治療終了時の位置までの移動経路にて、矯正対象歯を最初の段階の終了位置まで移動させた状態のものとなる。
例えば、患者Cから1ヶ月ごとに印象を取り、歯型模型を作製し、新しいアライナーを作製する治療計画とすると、3Dデータは矯正対象歯が1ヶ月後に移動した位置の状態のものとなる。
次に、歯科技工士は、入力手段110を操作して、3Dプリンタ制御手段104に指示することで、この3Dデータに基づいて3Dプリンタ装置25により段階別模型M2を作製する。
図1および図3に示すように、歯科技工士は、段階別模型M2に基づいて複数種類のアライナーA1~A3を作製する。本実施の形態では、3種類の硬さのものが3個作製される。
アライナーA1~A3は、従来の方法により作製することができる。例えば、厚みが異なる複数種類の樹脂板を段階別模型M2に押圧して、段階別模型M2の形状を樹脂板に転写することでアライナーA1~A3を作製することができる。
これらのアライナーA1~A3は、歯科医院に送付される。歯科医院では、最初に最も軟質なアライナーA1が患者Cに装着される。
患者Cは、所定の期間、例えば10日間ほどアライナーA1を装着すると、次のステップの硬さのアライナーA2を装着する。このようにして、患者Cは、ステップごとに硬さが硬くなるアライナーを装着して、最後は最も硬いアライナーA3を順に装着することで矯正治療を進める。
そして、最初の段階が終わると、患者Cから再度、歯型模型を作製する。以下、この歯型模型を治療中模型M3と称す。この治療中模型M3は、治療前模型M1と同じ手順で作製される。
歯科医師は、治療中模型M3を、歯科技工所へ送付する。
歯科技工所では、歯科技工士が、図2に示す歯科矯正支援装置10の入力手段110を操作してスキャンを指示することで、3Dスキャナ制御手段102が3Dスキャナ装置24を動作させ、治療中模型M3の3Dデータが記憶手段111に取り込まれる。
治療中模型M3の3Dデータをスキャンすると、治療前模型M1から段階別模型M2を作製したときと同様に、矯正対象歯が1ヶ月後に移動した位置の状態の3Dデータを作成し、この3Dデータに基づいて3Dプリンタ装置25により、次の段階の段階別模型M2を作製する。
そして、次の段階の段階別模型M2を歯科技工所に送付して、次の段階のアライナーA1~A3を作製する。
このような矯正治療を段階ごとに繰り返す。
そして、例えば、7段階目(7ヶ月目)ともなれば、矯正対象歯も目標とする位置にかなり近いが、患者Cも長期に渡る治療期間により、矯正治療が順調に進んでいるのか、不安になる頃である。
そこで、歯科技工士が入力手段110を操作して進捗処理手段106に指示することで、進捗処理手段106が、7段階目において3Dスキャンした治療中模型M3の3Dデータを記憶手段111から読み出すと共に、経路設定手段105が設定した矯正対象歯の治療開始時の位置を読み出して、矯正対象歯の治療開始時の位置から、矯正対象歯の治療途中の位置までに基づいて、治療途中経路の距離を解析する。
そして、進捗処理手段106が、治療予定経路の距離と、治療途中経路の距離とに基づいて、治療の進捗情報を、出力手段の一例である表示手段109に表示したり、印刷制御手段108を介して印刷装置23から紙媒体に印刷したりすることができる。
例えば、進捗情報は、図5に示すような表示や印刷物とすることができる。図5に示す「矯正進捗だより」では、治療前模型M1(治療前)と、治療中模型M3と、治療終了時の矯正対象歯T1とを、それぞれ異なる色で重ね合わせることができる。また、異なる色で示される歯を重ね合わせる以外に、輪郭線を異なる太さとしたり、実線や点線、一点鎖線などとしたりして、識別可能に表現することができる。また、治療に対する説明文が掲載されている。また、進捗度合いを、治療予定経路と治療途中経路とから算出した百分率で掲載されている。
歯科技工士は、表示手段109に表示された進捗情報を見て、患者Cの進捗度合いを把握することができる。進捗情報を印刷物としたときには、歯科技工士が、この印刷物をアライナーA1~A3と一緒に郵便物として郵送して患者Cへ手渡しすることができる。
また、進捗処理手段106が、メール処理手段107に進捗情報を出力することで、メール処理手段107が進捗情報を、図6に示すような電子メールEとして患者Cのメールアドレス宛にメールサーバ(図示せず)へ送信したり、電子メールを歯科医院に送付して歯科医師から患者Cに手渡したりすることができる。更に、進捗情報を、出力手段の一例である通信手段101を介して情報提供装置21へ送信したりすることができる。情報提供装置21は、端末装置22からブラウザによりアクセスすることで、進捗情報をウェブページにより提供するサーバとすることができる。
情報提供装置21は、独自のサイトにより端末装置22に進捗情報を提供する以外に、各種のSNSを通じて患者Cへ送信することができる。
患者Cは、メールサーバからの電子メールEを端末装置22により受信したり、端末装置22により情報提供装置21にアクセスしてウェブページに掲載された進捗情報を閲覧したりすることで、矯正治療の進捗度合いを、在宅したままで把握することができる。
このように、進捗処理手段106が、治療途中経路の距離と、治療予定経路の距離とに基づいて、治療の進捗情報を表示したり、電子メールEで送信したり、郵便物として郵送したりまたは手渡ししたりするため、患者Cは矯正治療の進捗度合いを把握することができる。従って、歯科矯正支援装置10は、患者の不安を緩和させ、長期に渡る治療を継続させることを支援することができる。
また、進捗処理手段106が出力する進捗情報に、治療予定経路と治療途中経路とから算出した百分率で表した進捗情報を含ませているため、患者は進捗度合いを定量的に把握することができる。
上記例では、図4に示すように矯正対象歯T1が治療予定経路R1に沿って移動した場合を説明したが、図7に示すように、治療計画では、矯正対象歯T1が円弧状の曲線移動(治療予定経路R1参照)する予定であったが、矯正対象歯T1が直線的に移動(経路R2参照)したため、矯正対象歯T1の治療途中の位置P3が、治療予定経路R1から外れる場合がある(治療前の矯正対象歯を実線、治療後の矯正対象歯を点線、治療途中の矯正対象歯を一点鎖線にて示す。)。
この場合、進捗処理手段106は、治療途中の位置P3を通る経路に治療予定経路を更新する。例えば、図7では、矯正対象歯の治療開始時の位置P1から治療途中の位置P3までの経路R2と、この位置P3から治療終了時の位置P2まで矯正対象歯を移動させる経路R3とを新たな治療予定経路とする。そうすることで、矯正対象歯が予定とは異なる迂回した経路で移動しても、実際に即した進捗度合いを算出することができるため、正確な進捗情報を患者に提供することが可能である。
また、矯正治療では、矯正対象歯の移動に邪魔になる隣在歯を移動させることがある。特に、隣在歯を、矯正対象歯より先に移動するときには、目的とする矯正対象歯の移動までに更に時間を要するため、辛抱強く矯正治療を続ける必要があり、患者は不安になる。
この場合、矯正対象歯だけを対象に治療予定経路を設定すると、長期に渡る治療期間の割りには、矯正対象歯があまり移動していないように見えるため、矯正治療が進んでいないと誤解を招くおそれがある。
そこで、矯正対象歯の移動に隣在歯の移動が伴うときには、経路設定手段105が、隣在歯における治療開始時の位置から治療終了時の位置までの移動経路を、治療予定経路に加算する。
そして、進捗処理手段106が、治療途中経路の距離として、矯正対象歯の治療途中経路の距離に、隣在歯の治療途中経路の距離を加算して、進捗情報を出力する。
図8に示す例では、上顎右側の中切歯T2の矯正には、隣在歯となる左側の中切歯T3も移動が伴う。
右側の中切歯T2は、治療開始時の位置P41から治療終了時の位置P42までの治療予定経路R41が予定されている。また、右側の中切歯T3は、治療開始時の位置P51から治療終了時の位置P52までの治療予定経路R42,R43が予定されている。
従って、左右の中切歯T2,T3の矯正としては、まず、中切歯T3を位置P51からから位置P53まで経路R42に従って移動させ、中切歯T2の移動スペースをつくる。次に、中切歯T2を位置41から位置42へ経路R41に従って移動させる。そして、中切歯T3を位置P53から位置P52まで経路R43に従って移動させる。中切歯T3が位置P52まで移動すれば、中切歯T2の矯正が終了する。
この場合、中切歯T2,T3の矯正は、治療予定経路R41,R42,R43の合計が移動経路の距離となる。また、治療途中経路の距離は、中切歯T2の治療開始時の位置P41から治療途中の位置P43までの距離に、中切歯T3の治療開始時の位置P51から治療途中の位置P54までの距離を加算したものとなる。
そうすることで、移動させる歯の全ての距離の合算により、進捗情報を出力することができるので、矯正治療が着実に進捗していることを患者に提示することができる。
以上、本実施の形態を説明したが、本実施の形態では、アライナーを用いて矯正治療を行うものであるが、ブラケット、フレンケル装置、FKOによる矯正治療、ビムラー矯正等でも、矯正治療の進捗状態を患者に提供するものとして、適用することができる。
また、本実施の形態では、図1に示すように、歯科医院にて作製された治療前模型M1と、治療中模型M3とを歯科技工所へ送付して、歯科技工所にて段階別模型M2を作製してアライナーA1~A3を作製するようにしていた。
しかし、歯科医院にて、口腔内スキャナによる口腔内スキャンした3Dデータ、患者の口腔から印象材により印象を採得した凹型をスキャナ装置により読み取った3Dデータ、凹型から作製された治療前模型M1または治療中模型M3を3Dスキャナ装置24で読み取った3Dデータ、営業所内のスキャンセンターにより治療前模型M1または治療中模型M3を3Dスキャナ装置24で読み取った3Dデータ歯科技工所に送信して、歯科技工所にて段階別模型M2を作製するようにしてもよい。
また、歯科医院の院内技工所にて、治療前模型M1または治療中模型M3の作製から、アライナーA1~A3の作製まで全部を歯科医院内にて行うようにしてもよい。
更に、本実施の形態では、経路設定手段105は、歯科技工士が入力手段110を操作して、矯正対象歯の治療開始時の位置と、治療終了時の位置とを入力し、その間を直線で結んだり、円弧曲線で結んだり、直線に移動しつつ途中で何回か折れ曲がるようなを経路により結んだりすることを入力して、治療予定経路を設定していた。
しかし、この治療予定経路は、矯正対象歯およびその隣在歯の状態に基づいて自動的に算出することも可能である。
例えば、治療予定経路と、実際に矯正したときの経路である実績経路とを治療ごとに経路情報として蓄積し、この経路情報に基づいてAI(人工知能)を用いることにより、矯正対象歯の治療開始時の位置から治療終了時の位置までの最適な治療予定経路を割り出すことで、矯正治療の均質化を図ることができる。
また、進捗処理手段106においても、実際の矯正による矯正対象歯の移動が、治療予定経路から外れた場合に、治療終了時の位置までの最適な治療予定経路を自動的に割り出すようにしてもよい。
本発明は、矯正治療を行う歯科医院、歯型模型を作製する歯科技工所にて好適である。
10 歯科矯正支援装置
101 通信手段
102 3Dスキャナ制御手段
103 3Dモデル処理手段
104 3Dプリンタ制御手段
105 経路設定手段
106 進捗処理手段
107 メール処理手段
108 印刷制御手段
109 表示手段
110 入力手段
111 記憶手段
21 情報提供装置
22 端末装置
23 印刷装置
24 3Dスキャナ装置
25 3Dプリンタ装置
A1~A3 アライナー
C 患者
E 電子メール
R1,R41,R42,R43 治療予定経路
R2,R3 経路
M1 治療前模型
M2 段階別模型
M3 治療中模型
P1,P2,P3,P41,P42,P43,P51,P52,P53,P54 位置
T1 矯正対象歯
T2,T3 中切歯
W インターネット

Claims (5)

  1. 矯正対象歯の治療開始時の位置から治療終了時の位置までの治療予定経路を設定する経路設定手段と、
    前記矯正対象歯の治療開始時の位置から治療途中の位置までに基づく治療途中経路の距離と、前記治療予定経路の距離とに基づいて、治療の進捗情報を出力手段に出力する進捗処理手段とを備えた歯科矯正支援装置。
  2. 前記進捗処理手段は、前記矯正対象歯の治療途中の位置が前記経路設定手段により設定された治療予定経路から外れているときに、治療途中の位置を通る経路に治療予定経路を更新する請求項1記載の歯科矯正支援装置。
  3. 前記経路設定手段は、前記矯正対象歯の移動に隣在歯の移動が伴うときに、前記治療予定経路に、前記隣在歯における治療開始時の位置から治療終了時の位置までの移動経路を加算し、
    前記進捗処理手段は、治療途中経路の距離として、前記矯正対象歯の治療途中経路の距離に、前記隣在歯の治療途中経路の距離を加算して、前記進捗情報を出力する請求項1または2記載の歯科矯正支援装置。
  4. 前記進捗処理手段は、前記治療予定経路と前記治療途中経路とから算出した百分率を、前記進捗情報に含ませて出力する請求項1または2記載の歯科矯正支援装置。
  5. コンピュータを、
    矯正対象歯の治療開始時の位置から治療終了時の位置までの治療予定経路を設定する経路設定手段、
    前記矯正対象歯の治療開始時の位置から治療途中の位置までに基づく治療途中経路の距離と、前記治療予定経路の距離とに基づいて、治療の進捗情報を出力手段に出力する進捗処理手段として機能させる歯科矯正支援プログラム。
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