JP7141632B2 - 極性基を有する親水性有機化合物の結晶スポンジ法による構造解析のための結晶構造解析用試料調製方法 - Google Patents
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Description
前記結晶スポンジ法が、有機化合物の分子構造決定方法であって、以下の工程(1)~(3)、
(1)ゲスト化合物内包高分子金属錯体結晶を提供する工程であって、
前記ゲスト化合物内包高分子金属錯体結晶が、式:[〔M(X)2〕3(L)2]n〔式中、Mは金属イオンを表し、Xは一価の陰イオンを表し、Lは、下記式(1)
(式中、Arは、置換基を有していてもよい3価の芳香族基を表し、X1~X3は、それぞれ独立に、2価の有機基、またはArとY1~Y3とを直接結ぶ単結合を表し、Y1~Y3は、それぞれ独立に、配位性部位を有する1価の有機基を表す)で示される三座配位子を表し、nは任意の自然数を表す〕で示される高分子金属錯体の結晶であって、
前記三座配位子が、前記金属イオンに配位して三次元ネットワーク構造を形成し、かつ、該三次元ネットワーク構造が、その内部に空隙を有し、前記空隙に、脂肪族炭化水素;脂環式炭化水素;エーテル類;エステル類;ベンゼン、トルエン、キシレン、メシチレン、ナフタレン、アントラセン及びフェナントレンからなる群から選ばれる芳香族炭化水素;ハロゲン化炭化水素、並びにニトリル類からなる群から選ばれる少なくとも一種が、ゲスト化合物(A)として内包されており、
前記空隙における、前記ゲスト化合物(A)の存在量が、前記空隙に内包されているすべてのゲスト化合物に対して60モル%以上である、工程、
(2)前記有機化合物を含む溶媒溶液に前記ゲスト化合物内包高分子金属錯体結晶を浸漬させて、前記三次元ネットワーク構造内の空隙に、前記有機化合物の分子が内包されてなる結晶構造解析用試料を得る工程、並びに
(3)前記結晶構造解析用試料の結晶構造解析を行って、前記三次元ネットワーク構造内の空隙に内包されている有機化合物の分子構造を決定する工程、
を含む、方法であり、
前記結晶構造解析用試料調製方法が、以下の工程(a)及び(b)、
(a)前記親水性有機化合物の極性基に疎水性置換基を導入して、疎水性置換基を導入した有機化合物を得る工程、及び
(b)前記疎水性置換基を導入した有機化合物を含む溶媒溶液に前記ゲスト化合物内包高分子金属錯体結晶を浸漬させて、前記三次元ネットワーク構造内の空隙に、前記疎水性置換基を導入した有機化合物の分子が内包されてなる前記結晶構造解析用試料を得る工程、
を含むことを特徴とする、結晶構造解析用試料調製方法。
前記結晶スポンジ法が、有機化合物の分子構造決定方法であって、以下の工程(1)~(3)、
(1)ゲスト化合物内包高分子金属錯体結晶を提供する工程であって、
前記ゲスト化合物内包高分子金属錯体結晶が、式:[〔M(X)2〕3(L)2]n〔式中、Mは金属イオンを表し、Xは一価の陰イオンを表し、Lは、下記式(1)
(式中、Arは、置換基を有していてもよい3価の芳香族基を表し、X1~X3は、それぞれ独立に、2価の有機基、またはArとY1~Y3とを直接結ぶ単結合を表し、Y1~Y3は、それぞれ独立に、配位性部位を有する1価の有機基を表す)で示される三座配位子を表し、nは任意の自然数を表す〕で示される高分子金属錯体の結晶であって、
前記三座配位子が、前記金属イオンに配位して三次元ネットワーク構造を形成し、かつ、該三次元ネットワーク構造が、その内部に空隙を有し、前記空隙に、脂肪族炭化水素;脂環式炭化水素;エーテル類;エステル類;ベンゼン、トルエン、キシレン、メシチレン、ナフタレン、アントラセン及びフェナントレンからなる群から選ばれる芳香族炭化水素;ハロゲン化炭化水素、並びにニトリル類からなる群から選ばれる少なくとも一種が、ゲスト化合物(A)として内包されており、
前記空隙における、前記ゲスト化合物(A)の存在量が、前記空隙に内包されているすべてのゲスト化合物に対して60モル%以上である、工程、
(2)前記有機化合物を含む溶媒溶液に前記ゲスト化合物内包高分子金属錯体結晶を浸漬させて、前記三次元ネットワーク構造内の空隙に、前記有機化合物の分子が内包されてなる結晶構造解析用試料を得る工程、並びに
(3)前記結晶構造解析用試料の結晶構造解析を行って、前記三次元ネットワーク構造内の空隙に内包されている有機化合物の分子構造を決定する工程、
を含む、方法であり、
前記結晶構造解析用試料調製方法が、以下の工程(a)及び(b)、
(a)前記親水性有機化合物の極性基に疎水性置換基を導入して、疎水性置換基を導入した有機化合物を得る工程、及び
(b)前記疎水性置換基を導入した有機化合物を含む溶媒溶液に前記ゲスト化合物内包高分子金属錯体結晶を浸漬させて、前記三次元ネットワーク構造内の空隙に、前記疎水性置換基を導入した有機化合物の分子が内包されてなる前記結晶構造解析用試料を得る工程、
を含むことを特徴とする、試料調製方法に関する。
本発明の試料調製方法は、前記親水性有機化合物の極性基に疎水性置換基を導入して、疎水性置換基を導入した有機化合物を得る工程(工程(a))を含む。
本発明の結晶構造解析用試料調製方法は、疎水性置換基を導入した有機化合物を含む溶媒溶液に前記ゲスト化合物内包高分子金属錯体結晶を浸漬させて、三次元ネットワーク構造内の空隙に、疎水性置換基を導入した有機化合物の分子が内包されてなる結晶構造解析用試料を得る工程(工程(b))を含む。工程(b)は、有機化合物を含む溶媒溶液として工程(a)で得られる疎水性置換基を導入した有機化合物を含む溶媒溶液を用いる以外は、後述する結晶スポンジ法における結晶構造解析用試料の作製方法と同様にして実施することができる。
ゲスト化合物内包高分子金属錯体結晶は、配位性部位を2つ以上有する配位子及び中心金属としての金属イオンとを含む高分子金属錯体であって、前記配位子が前記金属イオンに配位して形成された三次元ネットワーク構造を有し、かつ、該三次元ネットワーク構造内に三次元的に規則正しく整列した空隙を有する高分子金属錯体の前記空隙内に、脂肪族炭化水素、脂環式炭化水素、エーテル類、エステル類、芳香族炭化水素、ハロゲン化炭化水素、及びニトリル類からなる群から選ばれる少なくとも一種がゲスト化合物(A)として内包されてなり、前記空隙内における、前記ゲスト化合物(A)の存在量が、前記空隙内に内包されているすべてのゲスト化合物に対して60モル%以上であることを特徴とする。
高分子金属錯体は、配位性部位を2つ以上有する配位子及び中心金属としての金属イオンとを含む三次元ネットワーク構造を有するものである。
ここで、「三次元ネットワーク構造」とは、配位子(配位性部位を2つ以上有する配位子及びその他の単座配位子)と金属イオンが結合して形成された構造単位が、三次元的に繰り返されてなる網状の構造をいう。
配位性部位を2つ以上有する配位子(以下、「多座配位子」ということがある。)は、金属イオンに配位して、前記三次元ネットワーク構造を形成し得るものである限り特に限定されず、公知の多座配位子を利用することができる。
ここで、「配位性部位」とは、配位結合が可能な非共有電子対を有する、配位子中の原子又は原子団をいう。例えば、窒素原子、酸素原子、硫黄原子、リン原子等のヘテロ原子;ニトロ基、アミノ基、シアノ基、カルボキシル基等の原子団;等が挙げられる。なかでも、窒素原子又は窒素原子を含む原子団が好ましい。
さらに、比較的大きな空隙を有する高分子金属錯体を容易に得ることができる観点から、多座配位子としては、配位性部位を2つ以上有する配位子が好ましく、配位性部位を3つ有する配位子(以下、「三座配位子」ということがある。)がより好ましく、3つの配位性部位の非共有電子対(軌道)が擬同一平面上に存在し、かつ、3つの配位性部位が、三座配位子の中心部に対して等間隔放射状に配置されているものがさらに好ましい。
また、「3つの配位性部位が、三座配位子の中心部に対して等間隔放射状に配置されている」とは、配位子の中心部から等間隔で放射状に延びる線上に、3つの配位性部位が前記中心部から略等距離に配置されている状態をいう。
(式中、Arは、置換基を有していてもよい3価の芳香族基を表す。X1~X3は、それぞれ独立に、2価の有機基、又はArとY1~Y3とを直接結ぶ単結合を表す。Y1~Y3は、それぞれ独立に、配位性部位を有する1価の有機基を表す。)で示される配位子が挙げられる。
Arを構成する炭素原子の数は、通常3~22、好ましくは3~13、より好ましくは3~6である。
2価の有機基を構成する炭素原子の数は、2~18が好ましく、2~12がより好ましく、2~6がさらに好ましい。
6員環の芳香環1つからなる単環構造を有する2価の有機基としては、1,4-フェニレン基等が挙げられる。
6員環の芳香環が2~4個縮合してなる縮合環構造を有する2価の有機基としては、1,4-ナフチレン基、1,5-ナフチレン基、2,6-ナフチレン基、アントラセン-1,4-ジイル基等が挙げられる。
これらの2価の有機基の2種以上の組み合わせとしては、下記のものが挙げられる。
また、2価の有機基は、置換基を有するものであってもよい。かかる置換基としては、Arの置換基として先に示したものと同様のものが挙げられる。
これらの中でも、X1~X3で表される2価の有機基としては、下記のものが好ましい。
Y1~Y3で表される有機基としては、Ar、X1~X3とともに、π電子共役系を構成し得るものが好ましい。
Y1~Y3で表される有機基がπ電子共役系を構成することで、式(1)で示される三座配位子の平面性が向上し、強固な三次元ネットワーク構造が形成され易くなる。
Y1~Y3を構成する炭素原子の数は、5~11が好ましく、5~7がより好ましい。
これらの中でも、式(3a)で表される基が特に好ましい。
中心金属としての金属イオンは、前記多座配位子と配位結合を形成して、三次元ネットワーク構造を形成し得るものである限り特に限定されず、公知の金属イオンが挙げられる。なかでも、鉄イオン、コバルトイオン、ニッケルイオン、銅イオン、亜鉛イオン、銀イオン等の周期表第8~12族の金属のイオンが好ましく、2価の、周期表第8~12族の金属イオンがより好ましい。なかでも、大きな空隙を有する高分子金属錯体が得られ易いことから、亜鉛(II)イオン、コバルト(II)イオンが特に好ましい。
高分子金属錯体は、通常、中性の多座配位子の他に、対イオンとなる単座配位子が配位することで安定化されている。
かかる単座配位子としては、塩化物イオン(Cl-)、臭化物イオン(Br-)、ヨウ化物イオン(I-)、チオシアン酸イオン(SCN-)等の1価の陰イオンが挙げられる。
高分子金属錯体の三次元ネットワーク構造は、前記多座配位子が前記金属イオンに配位して形成されたものであり、その内部に、三次元的に規則正しく整列した空隙を有する。
「細孔」は、後述する図3(a)、(b)に示すごとく、三次元ネットワーク構造の間に形成された空間A、Bや、図4(a)に示すごとく、球状錯体構造の繰り返し単位間に形成された空間等のように、高分子金属錯体の三次元ネットワーク構造の間に形成された空間を意味する。また、「中空」とは、図4(a)に示す球状錯体構造の繰り返し単位(線で囲まれた部分、図4(b)参照)における、球状錯体構造が有する内部空間をいう。
なお、本明細書において、「三次元ネットワーク構造内の細孔」、「高分子金属錯体の細孔」、「単結晶中の細孔」はいずれも同じ意味を表す。
一般的に、配位子の中心から、配位性部位までの距離が長い多座配位子を用いると、相対的に空隙が大きい高分子金属錯体が得られ、配位子の中心から、配位性部位までの距離が短い多座配位子を用いると、相対的に空隙が小さい高分子金属錯体が得られる。
すなわち、まず、対象の細孔を横切る適当な方向の結晶面X(A面、B面、C面かそれぞれの対角面など)を選ぶ。そして、結晶面X上に存在し、かつ、ホスト分子を構成する原子を、ファンデルワールス半径を用いて表すことで、結晶面Xを切断面とする細孔の断面図を描く。同様に、当該結晶面Xと一単位胞ずれた結晶面Yを切断面とする細孔の断面図を描く。次に、それぞれの結晶面における細孔の断面形状の中心間を、立体図において直線(一点鎖線)で結ぶ(図1参照)。このとき得られる直線の方向が、細孔が延在する方向である。
すなわち、まず、上記と同様の方法により、前記平行面を切断面とする細孔の断面図を描く。次に、その断面図において細孔の内接円を描き、その直径を測定した後、得られた測定値を実際のスケールに換算することで、実際の細孔の内接円の直径を求めることができる。
さらに、前記平行面を、一単位胞分、徐々に平行移動させながら、各平行面における細孔の内接円の直径を測定することで、最も狭い部分の内接円の直径と、最も広い部分の内接円の直径が求められる。
高分子金属錯体の細孔の内接楕円の長径は、2~30Åが好ましく、3~10Åがより好ましい。また、高分子金属錯体の細孔の内接楕円の短径は、2~30Åが好ましく、3~10Åがより好ましい。
高分子金属錯体の細孔容積(一粒の単結晶中のすべての細孔の容積)は、1×10-7~0.1mm3が好ましく、1×10-5~1×10-3mm3がより好ましい。
この結晶化溶媒がゲスト化合物(A)であれば、得られる高分子金属錯体は、ゲスト化合物内包高分子金属錯体に相当する。
結晶化溶媒がゲスト化合物(A)でない場合には、後述するように、結晶化溶媒を、ゲスト化合物(A)にゲスト置換することにより、結晶構造解析用試料の作製に好適に用いることができるゲスト化合物内包高分子金属錯体とすることができる。
以下、これらの高分子金属錯体について詳しく説明する。なお、以下の説明中、配位子や溶媒分子を以下のように省略することがある。
TPH:トリフェニレン
PER:ペリレン
MeOH:メタノール
DCB:1,2-ジクロロベンゼン
式(6a)で示される高分子金属錯体としては、特開2008-214584号公報、J.Am.Chem.Soc.2004,v.126,pp16292-16293に記載の[(ZnI2)3(TPT)2(PhNO2)5.5]n(高分子金属錯体1)が挙げられる。
高分子金属錯体1の三次元ネットワーク構造は、2つの三次元ネットワーク構造5と6から構成される。三次元ネットワーク構造5、6中、各亜鉛(II)イオンには、2つのTPTのピリジル基と2つのヨウ化物イオンが四配位四面体型で配位している。そして、TPTによって、この亜鉛(II)イオンを含む構造同士が三次元的に結ばれることで、それぞれの三次元ネットワーク構造が形成されている〔図2(a)〕。
これらの三次元ネットワーク構造5、6は、(010)軸に沿ったピッチが15Åの螺旋状のヘキサゴナル三次元ネットワーク構造とみなすことができる〔図2(c)〕。
この複合化三次元ネットワーク構造を有する高分子金属錯体1は、規則的に整列した1種類の細孔を有している〔図2(d)〕。
高分子金属錯体1の細孔の内接円の直径は、5~8Åである。
式(6b)で示される高分子金属錯体としては、特開2008-214318号公報に記載の[(ZnBr2)3(TPT)2(PhNO2)5(H2O)]n(高分子金属錯体2)が挙げられる。
高分子金属錯体2の細孔の形状や大きさ、及び空隙率は、高分子金属錯体1のものとほぼ同じである。
式(6c)で示される高分子金属錯体としては、特開2006-188560号公報に記載の[(ZnI2)3(TPT)2(TPH)(PhNO2)3.9(MeOH)1.8]n(高分子金属錯体3)や、[(ZnI2)3(TPT)2(PER)(PhNO2)4]n(高分子金属錯体4)が挙げられる。
高分子金属錯体3の三次元ネットワーク構造は、2つの三次元ネットワーク構造7と8から構成される。三次元ネットワーク構造7、8中、各亜鉛(II)イオンには、2つのヨウ化物イオンと2つのTPTのピリジル基が四配位四面体型で配位している。そして、TPTによって、この亜鉛(II)イオンを含む構造同士が三次元的に結ばれることで、それぞれの三次元ネットワーク構造が形成されている。
三次元ネットワーク構造7、8は、同じ亜鉛(II)イオンを共有することはなく、互いに独立している。そして、同一の空間を共有するように互いに入り組んだ入れ子状に相互貫通することで、複合化三次元ネットワーク構造を構成する。
細孔Aは、ほぼ円筒型であり、且つ、積み重なった無数のTPT及びTPHのπ平面の側縁に存在する水素原子でほぼ取り囲まれている。
一方、細孔Bは、略三角柱型であり、且つ、その三角柱を形成する3方の面のうち、2つはTPTのπ平面に取り囲まれ、もう一つは積み重なった無数のTPT及びTPHのπ平面の側縁に存在する水素原子で取り囲まれている。
これら細孔A及びBは、若干蛇行した細長い形状を有している。
高分子金属錯体3の細孔Aの内接円の直径は、5~8Åである。
高分子金属錯体3の細孔Bの内接円の直径は、5~8Åである。
高分子金属錯体4の細孔の形状や大きさ、及び空隙率は、高分子金属錯体3のものとほぼ同じである。
式(6d)で示される高分子金属錯体としては、WO2011/062260号公報に記載の[(Co(NCS)2)3(TPT)4(DCB)25(MeOH)5]n(高分子金属錯体5)が挙げられる。
高分子金属錯体5は、構造単位として、コバルトイオン6個と、TPT4個とから構成される〔Co6(TPT)4〕構造を有する。この構造単位は八面体型の立体形状を有し、該八面体の6つの頂点にコバルトイオンが配置されている〔図4(b)〕。各コバルト(II)イオンには、4つのTPTのピリジル基と2つのチオシアン酸イオンとが六配位八面体型で配位している。なお、図4(b)は、図4(a)中の線で囲った部分を拡大した図である。
そして、この〔Co6(TPT)4〕構造の各頂点に位置するコバルトイオンを共有しながら、〔Co6(TPT)4〕構造が三次元的に連結することで、〔Co6(TPT)4〕構造間に細孔が形成される〔図4(c)〕。
また、前記構造単位は、内部に中空を有している。
高分子金属錯体5の空隙率は、78%である。この値は、細孔及び中空の体積をあわせて算出した値である。
高分子金属錯体5の細孔の内接円の直径は、10~18Åである。
これらは一種単独で、あるいは二種以上を組み合わせて用いることができる。
前記ゲスト化合物(A)の存在量が、前記空隙内に内包されているすべてのゲスト化合物に対して60モル%以上であれば、目的とする結晶構造解析用試料を容易に作製できるので好ましい。
前記占有率が10%以上であれば、X線単結晶構造解析においてゲスト化合物の構造を決定することが容易になり、ここから得られる構造データも化学的な信頼度が高くなる。
ゲスト化合物内包高分子金属錯体結晶の製造方法は、配位性部位を2つ以上有する配位子及び中心金属としての金属イオンとを含む高分子金属錯体であって、前記配位子が前記金属イオンに配位して形成された三次元ネットワーク構造を有し、かつ、該三次元ネットワーク構造内に空隙を有する高分子金属錯体の空隙内に、結晶化溶媒(ゲスト化合物(A)を除く、以下にて同じ。)が内包されてなる結晶化溶媒内包高分子金属錯体結晶を、液体状のゲスト化合物(A)、又は、ゲスト化合物(A)を含む不活性溶媒溶液中に浸漬させる工程を有することを特徴とする。
結晶化溶媒内包高分子金属錯体は、多座配位子及び金属イオン含有化合物等を反応させる公知の方法によって合成することができる。例えば、多座配位子の第1の溶媒の溶媒溶液に、金属イオン含有化合物の第2の溶媒の溶媒溶液を加え、このまま、0~70℃で、数時間から数日間、静置する方法が挙げられる。
具体例としては、ベンゼン、トルエン、キシレン、クロロベンゼン、1,2-ジクロロベンゼン、ニトロベンゼン等の芳香族炭化水素類;n-ペンタン、n-ヘキサン、n-ヘプタン等の脂肪族炭化水素類;シクロペンタン、シクロヘキサン、シクロヘプタン等の脂環式炭化水素類;アセトニトリル、ベンゾニトリル等のニトリル類;ジメチルスルホキシド(DMSO)等のスルホキシド類;N,N-ジメチルホルムアミド、n-メチルピロリドン等のアミド類;ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、1,2-ジメトキシエタン、1,4-ジオキサン等のエーテル類;メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール等のアルコール類;アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン類;エチルセロソルブ等のセロソルブ類;ジクロロメタン、クロロホルム、四塩化炭素、1,2-ジクロロエタン等のハロゲン化炭化水素類;酢酸メチル、酢酸エチル、乳酸エチル、プロピオン酸エチル等のエステル類;水;等が挙げられる。これらの溶媒は一種単独で、あるいは二種以上を組み合わせて用いることができる。
上述したように、上記高分子金属錯体1~5については、それぞれ、上記文献に記載された方法にしたがって合成することができる。
得られる高分子金属錯体は、三次元ネットワーク構造を有し、該三次元ネットワーク構造内に三次元的に規則正しく整列した空隙を有するが、その空隙内には、結晶化溶媒が内包されている。
この結晶化溶媒内包高分子金属錯体結晶を、液体状のゲスト化合物(A)、又は、ゲスト化合物(A)を含む不活性溶媒溶液中に浸漬させて静置し、空隙内の結晶化溶媒を、ゲスト化合物(A)と置換することによって、目的とするゲスト化合物内包高分子金属錯体結晶を得ることができる。
用いる不活性溶媒としては、ゲスト化合物(A)と相溶性があり、高分子金属錯体に対して、不活性、すなわち、ゲスト化合物(A)よりも高分子金属錯体の空隙内に置換されにくいものであれば特に制約はない。不活性溶媒としては、例えば、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール等のアルコール類が挙げられる。
なお、ゲスト化合物(A)が液体状であれば、そのまま用いることができる。
浸漬時間は、空隙内の60%以上をゲスト化合物(A)が占めるようになるまでの時間であり、通常6時間以上、好ましくは12時間から10日、より好ましくは1日~8日である。
また、この間は、置換を促進するために、1日おき程度に、浸漬液(ゲスト化合物(A)の溶液)の上澄み液を傾斜法により除去し、除去した分、新たな浸漬液を追加するのが好ましい。
以上のようにして得られるゲスト化合物内包高分子金属錯体結晶は、他の様々なゲスト化合物を包接する場合にゲスト交換を阻害することなく効率的な取り込みを行う事を可能にする。ゲスト交換における試料は、結晶性固体である必要が無く、液体、気体、非晶質固体などあらゆるものが適用可能である。包接に必要なゲスト化合物の重量は、5μg以下でよく、数十ngの量でも十分に良好な単結晶X線構造解析のデータが得られる。結晶スポンジ法による単結晶X線構造解析では、分子の絶対配置を含めた立体構造が正確に決定できる。また、熱分解や加溶媒分解を起こしやすい不安定な化合物に対しても、加熱したり、種々の溶媒あるいは緩衝溶液等に溶解させたりすることなく立体構造(絶対構造)が得られるようになった。
結晶構造解析用試料の作製方法は、高分子金属錯体結晶の空隙内に、分子構造を決定するための有機化合物の分子が規則性をもって配列されてなる結晶構造解析用試料の作製方法であって、前記有機化合物を含む溶媒溶液に、ゲスト化合物内包高分子金属錯体結晶を浸漬させる工程を有することを特徴とする。
結晶スポンジ法における分子構造を決定する有機化合物(以下、「有機化合物(α)」ということがある。)は、高分子金属錯体の空隙内に入り得る大きさのものである限り、特に限定されない。本発明においては、分子構造を決定する有機化合物は、極性基を有する親水性化合物である。
有機化合物(α)が低分子化合物の場合、その分子量は、通常、20~3000、好ましくは50~1000、より好ましくは100~500である。
また、有機化合物(α)がポリエチレン等のような、繰り返し単位を有する鎖状高分子化合物の場合、その分子量は、通常、103~106、好ましくは104~105である。さらに、有機化合物(α)は、室温付近(25℃±5℃)において、固体であっても、液体であってもよい。
かかる観点から、用いる溶媒としては、常圧(1×105Pa)での沸点が、0~250℃のものが好ましく、0~185℃のものがより好ましく、30~150℃のものがさらに好ましい。
これらの中でも、良質な結晶構造解析用試料が得られる観点から、用いた前記ゲスト化合物(A)を用いるのが好ましい。
浸漬時間(濃縮時間)は、通常、6時間以上、好ましくは12~168時間、より好ましくは24~78時間である。
溶媒の揮発速度があまりに速い場合には、良質の結晶構造解析用試料を得られないおそれがある。一方、溶媒の揮発速度があまりに遅いと、作業効率の観点から好ましくない。
溶媒を揮発させて、溶媒溶液を濃縮する操作時の圧力は、通常、1~1×106Pa、好ましくは、1×10~1×106Paである。
以上のように、溶媒溶液を濃縮する操作時において、温度や圧力を調節することで、溶媒の揮発速度を適宜なものに調節することができる。
この場合、前記溶媒溶液の溶媒を別の溶媒に置換したのち、得られた溶液中に、前記高分子錯体の結晶を浸漬させてもよい。
ここで、「有機化合物の分子が規則性をもって配列される」とは、有機化合物の分子が、単結晶X線構造解析によって構造を決定することができる程度に乱れなく、高分子金属錯体の空隙内に規則正しく収容されていることをいう。
12は蓋部、13は気体分子が通過可能な開口部、14は容器本体、15は有機化合物(α)の溶媒溶液、16は高分子金属錯体の単結晶である。
蓋部(12)としては、容器を密閉可能な状態にできるものであればよく、例えば、セプタム等のゴム製のものが使用できる。開口部(13)は、例えば、蓋部(12)にガス抜き用中空針を差し込むことで形成することができる。容器本体(14)としては、例えば、試験管、耐圧ガラス瓶等のガラス製の容器が使用できる。容器本体(14)の底部は、平坦であってもよいが、図5(a)に示すように、先端部が尖った形状を有する場合には、結晶の出し入れが容易であり、操作性に優れ好ましい。また、容器本体(14)として、透明なものを使用する場合には、溶媒の揮発状態や結晶の色変化(ゲスト分子が高分子金属錯体の空隙内に取り込まれると、結晶の色が変化する。)を、外部から容易に観察することができる。
装置Bは、図5(c)、(d)に示すように、蓋部(12)、容器本体(14)及び気体分子が通過可能な開口部(13)を有する密閉可能な容器と、前記蓋部に固定された結晶支持体(17)とを備え、前記結晶支持体(17)の先端部が、配位性部位を2つ以上有する配位子及び中心金属としての金属イオンとを含む三次元ネットワーク構造を有する高分子金属錯体の単結晶(16)を固定し得るものであり、かつ、前記容器を閉じたときに、前記結晶支持体(17)の先端部が下向きに容器内部に収容されるものである。
装置Bは、有機化合物(α)を高分子金属錯体の空隙内に包接させて、結晶解析用試料を得た後、そのまま、X線結晶解析装置等の結晶構造解析装置に載せ替えて、測定を行うことができるものであることが好ましい。
有機化合物の分子構造決定方法は、結晶構造解析用試料の結晶構造解析を行うことにより、結晶構造解析用試料の空隙内に内包されている有機化合物の分子構造を決定することを特徴とする。
上記方法においては、X線回折、中性子線回折のいずれの方法も利用することができる。
上記方法により有機化合物の分子構造を決定する際は、従来の単結晶の代わりに、上記方法で得た結晶構造解析用試料をマウントする点を除き、従来と同様の方法を用いることができる。
また、常温で液体の有機化合物であっても、かかる有機化合物を包接する結晶構造解析用試料を用いることで、その分子構造を決定することができる。
試料作製に用いる有機化合物は、気体、液体、固体を問わず、有機溶媒に溶解させることができれば、高分子金属錯体の単結晶内に導入することができる。
1粒の高分子金属錯体の単結晶に対して必要な有機化合物の量は多くとも5μgでよく、少ない場合では50ngでも単結晶構造を得られる。
結晶スポンジ法を用いれば、医薬中の微量の不純物、香料、食品添加物、動植物中の微量成分などの迅速且つ正確な構造決定を行うことができる。また、熱分解や加溶媒分解を起こしやすい不安定な化合物に対しても、加熱したり、種々の溶媒あるいは緩衝溶液等に溶解させたりすることなく立体構造(絶対構造)が得られる。
(1)NMR
Brucker社製 AVANCE III 400を用いて生成物の1H-NMRの測定を行った。
(2)LC/MS
Waters社製 ACQUITY UPLCシステム(SQDシステム)を用いて生成物のm/zの測定を行った。
(3)単結晶X線構造解析
実施例1,2,3,4,5,8,9,10,12のX線結晶構造解析は、リガク社製 XtaLAB pro P200 MM007(線源:Mo-Kα線 波長0.71Å,出力:50mA,24kV,測定温度93K)を用いて行った。
実施例7のX線結晶構造解析は、リガク社製 R-AXIS RAPID 191R(線源:Cu-Kα線 波長1.54Å,出力:30mA,40kV,測定温度98K)を用いて行った。
実施例6,11,13のX線結晶構造解析は、大学共同利用機関法人 高エネルギー加速器研究機構 放射光科学研究施設 ビームライン5A(波長0.75Å,測定温度95K)にて行った。
<シクロヘキサン内包高分子金属錯体結晶の合成>
特許第5969616号の実施例8と同様にして、シクロヘキサン内包高分子金属錯体結晶を合成した。
<ノルマルヘプタン内包高分子金属錯体結晶の合成>
溶媒をシクロヘキサンからノルマルヘプタンに替えた以外は特許第5969616号の実施例8と同様にして、シクロヘキサン内包高分子金属錯体結晶を合成した。
(工程a)L-アラニンメチルエステル塩酸塩のアミノ基への1-ナフチルカルバモチオイル基の導入によるメチル(2S)-2-(1-ナフチルカルバモチオイルアミノ)プロパノエート(化合物1)の合成
L-アラニンメチルエステル塩酸塩(100mg、0.716mmol)をアセトニトリル(1mL)に溶解した。この溶液に氷冷下トリエチルアミン(110μL、0.788 mmol)、イソチオシアンサン酸1-ナフチル(146mg、0.788mmol)を加え1時間撹拌した。この反応液を濃縮し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル/n-ヘキサン=1/4~1/1)にて精製することで白色固体として表題化合物を得た。
1H NMR(400MHz、DMSO-d6)δ 9.76(s,1H),8.06-7.75(m,4H),7.66-7.44(m,4H),4.97(p,J=7.3Hz,1H),3.65(s,3H),1.36(d,J=7.3Hz,3H).
参考例1で得たシクロヘキサン内包高分子金属錯体結晶の単結晶1粒を100μLのシクロヘキサンと共に、セプタムキャップ付マイクロバイアル瓶に入れ、この中に工程aで得た化合物1の1 mg/mLジクロロメタン溶液を10μL加えた。このマイクロバイアル瓶のキャップを閉め、セプタム部に注射針(21G:内径0.57mm)を刺し、50℃で2日間置くことでマイクロバイアル瓶内の溶液を濃縮した。
(工程a)L-アラニンメチルエステル塩酸塩のアミノ基への1,1-ジフェニルアセチル基の導入によるメチル(2S)-2-[(2,2-ジフェニルアセチル)アミノ]プロパノエート(化合物2)の合成
L-アラニンメチルエステル塩酸塩(100mg、0.716mmol)をジクロロメタン(2mL)に溶解した。この溶液に氷冷下トリエチルアミン(220μL、1.58mmol)を加え5分間撹拌した。この溶液に氷冷下ジフェニルアセチルクロリド(165mg、0.716mmol)を加え、90分間撹拌した。この反応液を水(2mL)にて希釈し、ジクロロメタン(2mL)で3回抽出した。抽出液を合わせ濃縮し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル/n-ヘキサン=1/9~1/1)にて精製することで白色固体として表題化合物(178 mg)を得た。
1H NMR(400MHz,DMSO-d6)δ 8.74(d,J=7.1Hz,1H),7.35-7.18(m,11H),5.01(s,1H),4.27(p,J=7.2Hz,1H),3.61(s,3H),1.28(d,J=7.1Hz,3H);MS(ESI)m/z298(M+H)+.
参考例1で得たシクロヘキサン内包高分子金属錯体結晶の単結晶1粒を100μLのシクロヘキサンと共に、セプタムキャップ付マイクロバイアル瓶に入れ、この中に工程aで得た化合物2の0.20mg/mLのジクロロメタン溶液を5μL加えた。このマイクロバイアル瓶のキャップを閉め、セプタム部に注射針(21G:内径0.57mm)を刺し、50℃で2日間置くことでマイクロバイアル瓶内の溶液を濃縮した。
(工程a)L-フェニルアラニンメチルエステル塩酸塩のアミノ基への1,1-ジフェニルアセチル基の導入によるメチル(2S)-2-[(2,2-ジフェニルアセチル)アミノ]-3-フェニル-プロパノエート(化合物3)の合成
L-フェニルアラニンメチルエステル塩酸塩(103mg、0.478mmol)をジクロロメタン(2mL)に溶解した。この溶液に氷冷下トリエチルアミン(147μL、 1.05mmol)、ジフェニルアセチルクロリド(110mg、0.478mmol)を加え、一晩撹拌した。この反応液を水(2mL)にて希釈し、ジクロロメタン(3mL)で3回抽出した。抽出液を合わせ濃縮し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル/n-ヘキサン=5~35%)にて精製することで白色固体として表題化合物(166mg)を得た。
1H NMR(400MHz,DMSO-d6)δ 8.73(d,J=7.7Hz,1H),7.35-7.21(m,6H),7.26-7.14(m,6H),7.17-7.09(m,2H),7.10-7.03(m,2H),4.99(s,1H),4.52(td,J=9.4,7.7,5.4Hz,1H),3.59(s,3H),3.04(dd,J=13.8,5.4Hz,1H),2.91(dd,J=13.8,9.4Hz,1H);MS(ESI)m/z374(M+H)+.
参考例1で得たシクロヘキサン内包高分子金属錯体結晶の単結晶1粒を45μLのシクロヘキサンと共に、セプタムキャップ付マイクロバイアル瓶に入れ、この中に工程aで得た化合物3の1mg/mLの1,2-ジクロロエタン溶液を5μL加えた。このマイクロバイアル瓶のキャップを閉め50℃で一晩放置した後、セプタム部に注射針(21G:内径0.57mm)を刺し、26℃で1日置くことでマイクロバイアル瓶内の溶液を濃縮した。
(工程a)L-バリンメチルエステル塩酸塩のアミノ基への1,1-ジフェニルアセチル基の導入によるメチル(2S)-2-[(2,2-ジフェニルアセチル)アミノ]-3-メチル-ブタノエート(化合物4)の合成
L-バリンメチルエステル塩酸塩(100mg、0.597mmol)をジクロロメタン(3 mL)に溶解した。この溶液に室温にてトリエチルアミン(183μL、1.31mmol)、ジフェニルアセチルクロリド(138mg、0.597mmol)を加え、1時間撹拌した。この反応液を水(3mL)にて希釈し、ジクロロメタン(2mL)で3回抽出した。抽出液を合わせ濃縮し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル/n-ヘキサン=1/8~1/6)にて精製することで白色固体として表題化合物(188 mg)を得た。
1H NMR(400MHz,DMSO-d6)δ 8.59(d,J=8.2Hz,1H),7.35-7.17(m,10H),5.18(s,1H),4.21(dd,J=8.1,6.3Hz,1H),3.62(s,3H),2.03(m,1H),0.85(d,J=6.8Hz,3H),0.82(d,J=6.8Hz,3H);MS(ESI)m/z326(M+H)+.
参考例1で得たシクロヘキサン内包高分子金属錯体結晶の単結晶1粒を45μLのシクロヘキサンと共に、セプタムキャップ付マイクロバイアル瓶に入れ、この中に工程aで得た化合物4の1mg/mLの1,2-ジクロロエタン溶液を5μL加えた。このマイクロバイアル瓶のキャップを閉め50℃で一晩放置した後、セプタム部に注射針(21G:内径0.57mm)を刺し26℃で10日置くことでマイクロバイアル瓶内の溶液を濃縮した。
(工程a)L-セリンメチルエステル塩酸塩のアミノ基への1,1-ジフェニルアセチル基の導入によるメチル(2S)-2-[(2,2-ジフェニルアセチル)アミノ]-3-ヒドロキシ-プロパノエート(化合物5)の合成
L-セリンメチルエステル塩酸塩(118mg、0.758mmol)をジクロロメタン(3mL)に溶解した。この溶液に0℃にてトリエチルアミン(106μL、0.758mmol)、ジフェニルアセチルクロリド(227mg、0.985mmol)を加え、室温まで昇温し100分間撹拌した。この反応液に更にトリエチルアミン(106μL、0.758mmol)を加え、室温にて80分間撹拌した。この反応液を水(3mL)にて希釈し、ジクロロメタン(3mL)で3回抽出した。抽出液を合わせ濃縮し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル/n-ヘキサン=1/2~1/1)にて精製することで白色固体として表題化合物(101mg)を得た。
1H NMR(400MHz,DMSO-d6)δ 8.61(d,J=7.5Hz,1H),7.35-7.24(m,8H),7.28-7.17(m,2H),5.17(s,1H),5.08(t,J=5.5Hz,1H),4.37(dt,J=7.5,4.8Hz,1H),3.71(m,1H),3.61(s,3H),3.61(m,1H);MS(ESI)m/z314(M+H)+.
参考例1で得たシクロヘキサン内包高分子金属錯体結晶の単結晶1粒を45μLのシクロヘキサンと共に、セプタムキャップ付マイクロバイアル瓶に入れ、この中に工程aで得た化合物5の1mg/mLの1,2-ジクロロエタン溶液を5μL加えた。このマイクロバイアル瓶のキャップを閉めセプタム部に注射針(21G:内径0.57mm)を刺し、26℃で3日置くことでマイクロバイアル瓶内の溶液を濃縮した。
(工程a)L-グルタミン酸ジメチルエステル塩酸塩のアミノ基への1,1-ジフェニルアセチル基の導入によるジメチル(2S)-2-[(2,2-ジフェニルアセチル)アミノ]ペンタンジオエート(化合物6)の合成
L-グルタミン酸ジメチルエステル塩酸塩(51mg、0.24mmol)をジクロロメタン(2mL)に溶解した。この溶液に0℃にてトリエチルアミン(67μL、0.48mmol)、ジフェニルアセチルクロリド(50mg、0.22mmol)を加え、室温まで昇温し2時間撹拌した。この反応液を濃縮し、残渣を逆相HPCL(0.1%TFAアセトニトリル/0.1%TFA水=15~90%)にて精製後、凍結乾燥することで白色固体として表題化合物(58mg)を得た。
1H NMR(400MHz,DMSO-d6)δ 8.72(d,J=7.4Hz,1H),7.35-7.18(m,10H),5.03(s,1H),4.29(ddd,J=9.0,7.4,5.5Hz,1H),3.60(s,3H),3.56(s,3H),2.39-2.26(m,2H),2.00(m,1H),1.84(m,1H);MS(ESI) m/z370(M+H)+.
参考例1で得たシクロヘキサン内包高分子金属錯体結晶の単結晶1粒を50μLのシクロヘキサンと共に、セプタムキャップ付マイクロバイアル瓶に入れ、この中に工程aで得た化合物6の5mMの酢酸エチル溶液を5μL加えた。このマイクロバイアル瓶のキャップを閉め、50℃で1日置いた後、セプタム部に注射針(21G:内径0.57mm)を刺し6℃で5日置くことでマイクロバイアル瓶内の溶液を濃縮した。
(工程a)L-フェニルアラニノールのアミノ基への1,1-ジフェニルアセチル基の導入によるN-[(1S)-1-ベンジル-2-ヒドロキシ-エチル]-2,2-ジフェニル-アセトアミド(化合物7)の合成
L-フェニルアラニノール(37mg、0.24mmol)をジクロロメタン(2mL)に溶解した。この溶液に0℃にてトリエチルアミン(34μL、0.24mmol)、ジフェニルアセチルクロリド(50mg、0.22mmol)を加え、室温まで昇温し3時間撹拌した。この反応液を濃縮し、残渣を逆相HPCL(0.1%TFAアセトニトリル/0.1%TFA水=5~95%)にて精製後、凍結乾燥することで白色固体として表題化合物(74 mg)を得た。
1H NMR(400MHz,DMSO-d6)δ 8.12(d,J=8.4Hz,1H),7.34-7.09(m,13H),7.09-7.01(m,2H),4.92(s, 1H),4.81(s,1H),3.95(m,1H),2.84(dd,J=13.7,5.3Hz,1H),2.61(dd,J=13.7,8.7Hz,1H);MS(ESI)m/z346(M+H)+.
参考例2で得られたノルマルヘプタン内包高分子金属錯体結晶の単結晶1粒を50μLのシクロヘキサンと共に、セプタムキャップ付マイクロバイアル瓶に入れ、この中に工程aで得た化合物7の5mMの酢酸1,2-ジクロロエタン溶液を5μL加えた。このマイクロバイアル瓶のキャップを閉めセプタム部に注射針(24G:内径0.37mm)を刺し50℃で1日置いた後、注射針を21G(内径0.57mm)に付け替え更に50℃で2日間置くことでマイクロバイアル瓶内の溶液を濃縮した。
(工程a)L-アラニンメチルエステル塩酸塩のアミノ基への4-tert-ブチルベンゾイル基の導入によるメチル(2S)-2-[(4-tert-ブチルベンゾイル)アミノ]プロパノエート(化合物8)の合成
L-アラニンメチルエステル塩酸塩(60mg、0.43mmol)、O-(7-アザベンゾトリアゾール-1-イル)-N,N,N′,N′-テトラメチルウロニウムヘキサフルオロりん酸塩(180mg、0.47mmol)、4-tert-ブチル安息香酸(77mg、0.43mmol)をジクロロメタン(2mL)に溶解した。この溶液に室温にてトリエチルアミン(130μL、0.95mmol)を加え70分間撹拌した。この反応液を水(2mL)にて希釈し、ジクロロメタン(2mL)で3回抽出した。抽出液を合わせ濃縮し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル/n-ヘキサン15~40%)にて精製することで無色シロップとして表題化合物(90 mg)を得た。
1H NMR(400MHz,DMSO-d6)δ 8.70(d,J=7.0Hz,1H),7.81(d,J=8.5Hz,2H),7.49(d,J=8.5Hz,2H),4.47(m,1H),3.64(s,3H),1.40(d,J=7.3Hz,3H),1.30(s,9H);MS(ESI)m/z264(M+H)+.
参考例1で得たシクロヘキサン内包高分子金属錯体結晶の単結晶1粒を45μLのシクロヘキサンと共に、セプタムキャップ付マイクロバイアル瓶に入れ、この中に工程aで得た化合物8の1mg/mLの1,2-ジクロロエタン溶液を5μL加えた。このマイクロバイアル瓶のキャップを閉め50℃で1日放置した後、セプタム部に注射針(21G:内径0.57mm)を刺し、50℃で1日置くことでマイクロバイアル瓶内の溶液を濃縮した。
(工程a)チロシンメチルエステルのアミノ基への4-tert-ブチルベンゾイル基の導入によるメチル(2S)-2-[(4-tert-ブチルベンゾイル)アミノ]-3-(4-ヒドロキシフェニル)プロパノエート(化合物9)の合成
4-tert-ブチル安息香酸(102 mg、0.572 mmol)、1-エチル-3-(3-ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩(110 mg、0.572mmol)をジクロロメタン(2 mL)に溶解した。この溶液に室温にてトリエチルアミン(159 μL、1.14 mmol、,L-チロシンメチルエステル(112 mg、0.572 mmol)を加え3時間撹拌した。この反応液を水(10 mL)にて希釈し、ジクロロメタン(10 mL)で3回抽出した。抽出液を合わせ濃縮し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル/n-ヘキサン25~50%)にて精製することで無色シロップとして表題化合物(165 mg)を得た。
1H NMR(400MHz,DMSO-d6)δ 9.19(s,1H),8.67(d,J=7.8Hz,1H),7.74(d,J=8.7Hz,2H),7.47(d,J=8.7Hz,2H),7.07(d,J=8.3Hz,2H),6.64(d,J=8.3Hz,2H),4.55(ddd,J=9.9,7.8,5.3Hz,1H),3.62(s,3H),3.03(dd,J=13.8,5.3Hz,1H),2.96(dd,J=13.8,9.9Hz,1H),1.29(s,9H);MS(ESI)m/z356(M+H)+.
参考例1で得たシクロヘキサン内包高分子金属錯体結晶の単結晶1粒を45μLのシクロヘキサンと共に、セプタムキャップ付マイクロバイアル瓶に入れ、この中に工程aで得た化合物9の1mg/mLの酢酸エチル溶液を5μL加えた。このマイクロバイアル瓶のキャップを閉め、50℃で一晩置いた後、セプタム部に注射針(24G:内径0.37mm)を刺し50℃で2日置くことでマイクロバイアル瓶内の溶液を濃縮した。
(工程a)L-セリンメチルエステル塩酸塩のアミノ基への4-tert-ブチルベンゾイル基の導入によるメチル(2S)-2-[(4-tert-ブチルベンゾイル)アミノ]-3-ヒドロキシ-プロパノエート(化合物10)の合成
4-tert-ブチル安息香酸(50mg、0.28mmol)、N,N,N′,N′-テトラメチルウロニウムヘキサフルオロりん酸塩(120mg、0.31mmol)をジクロロメタン(2mL)に溶解した。この溶液に室温にてトリエチルアミン(34μL、0.24mmol)、L-セリンメチルエステル塩酸塩(48mg、0.31mmol)を加え一晩撹拌した。この反応液を濃縮し、残渣を逆相HPCL(0.1%TFAアセトニトリル/0.1%TFA水=5~95%)にて精製し後凍結乾燥することで白色固体として表題化合物(85mg)を得た。
1H NMR(400MHz,DMSO-d6)δ 8.46(d,J=7.5Hz,1H),7.85-7.80(m,2H),7.52-7.46(m,2H),4.53(dt,J=7.5,5.4Hz,1H),3.79(d,J=5.4Hz,2H),3.64(s,3H),1.30(s,9H);MS(ESI)m/z280(M+H)+.
参考例1で得たシクロヘキサン内包高分子金属錯体結晶の単結晶1粒を50μLのシクロヘキサンと共に、セプタムキャップ付マイクロバイアル瓶に入れ、この中に工程aで得た化合物10の5mMの酢酸エチル溶液を5μL加えた。このマイクロバイアル瓶のキャップを閉め、5セプタム部に注射針(24G:内径0.37mm)を刺し50℃で3日置くことでマイクロバイアル瓶内の溶液を濃縮した。
(工程a)L-プロリンメチルエステル塩酸塩のアミノ基への2-インドールカルボニル基の導入によるメチル(2S)-1-(1H-インドール-2-カルボニル)ピロリジン-2-カルボキシレート(化合物11)の合成
L-プロリンメチルエステル塩酸塩(83.5mg、0.504mmol)、インドール-2-カルボン酸(81.2mg、0.605 mmol)、N,N,N′,N′-テトラメチルウロニウムヘキサフルオロりん酸塩(230mg、1.11 mmol)をジクロロメタン(2mL)に溶解した。この溶液に室温にてトリエチルアミン(155μL、1.11mmol)を加え、一晩撹拌した。この反応液を水(20mL)にて希釈し、ジクロロメタン(10mL)で3回抽出した。抽出液を合わせ濃縮し、得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル/n-ヘキサン=30~50%)にて精製し、更に残渣を逆相HPCL(0.1%TFAアセトニトリル/0.1%TFA水=15~80%)にて精製後、凍結乾燥することで白色固体として表題化合物(88.3mg)を得た。
1H NMR(400MHz,DMSO-d6)δ 11.59(s,1H),7.65(d,J=8.0Hz,1H),7.44(d,J=8.5Hz,1H),7.21(m,1H),7.10-7.01(m,2H),4.57(dd,J=8.5,4.7Hz,1H),3.96(t,J=6.8Hz,2H),3.65(s,3H),2.27(m,1H),2.10-1.98(m,2H),1.93(m,1H);MS(ESI)m/z273(M+H)+.
参考例1で得たシクロヘキサン内包高分子金属錯体結晶の単結晶1粒を50μLのシクロヘキサンと共に、セプタムキャップ付マイクロバイアル瓶に入れ、この中に工程aで得た化合物11の1mg/mLの酢酸エチル溶液を1μL加えた。このマイクロバイアル瓶のキャップを閉め50℃で1日置いた後、セプタム部に注射針(21G:内径0.57mm)を刺し50℃で3日置くことでマイクロバイアル瓶内の溶液を濃縮した。
(工程a)L-フェニルアラニンメチルエステル塩酸塩のアミノ基への2-インドールカルボニル基の導入によるメチル(2S)-2-(1H-インドール-2-カルボニルアミノ)-3-フェニル-プロパノエート(化合物12)の合成
インドール-2-カルボン酸(50mg、0.31mmol)、N,N,N′,N′-テトラメチルウロニウムヘキサフルオロりん酸塩(130mg、0.34mmol)をジクロロメタン(2mL)に溶解した。この溶液に室温にてトリエチルアミン(95μL、0.68mmol)、L-フェニルアラニンメチルエステル塩酸塩(74mg、0.34mmol)を加え、1時間撹拌した。この反応液を濃縮し、残渣を逆相HPCL(0.1%TFAアセトニトリル/0.1%TFA水=15~90%)にて精製後、凍結乾燥することで白色固体として表題化合物(88mg)を得た。
1H NMR(400 MHz,DMSO-d6)δ 11.52(d,J=2.2Hz,1H),8.84(d,J=8.0Hz,1H),7.63(d,J=7.8Hz,1H),7.40(dd,J=8.3,1.1Hz,1H),7.35-7.23(m,4H),7.22-7.15(m,3H),7.03(m,1H),4.71(ddd,J=10.1,8.0,5.2Hz,1H),3.65(s,3H),3.19(dd,J=13.8,5.2Hz,1H),3.10(dd,J=13.8,10.1Hz,1H);MS(ESI)m/z m/z323(M+H)+.
参考例1で得たシクロヘキサン内包高分子金属錯体結晶の単結晶1粒を50μLのシクロヘキサンと共に、セプタムキャップ付マイクロバイアル瓶に入れ、この中に工程aで得た化合物12の5mMの酢酸エチル溶液を5μL加えた。このマイクロバイアル瓶のキャップを閉め、50℃で3日置いた後、セプタム部に注射針(21G:内径0.57mm)を刺し50℃で1日置くことでマイクロバイアル瓶内の溶液を濃縮した。
(工程a)D-マンデル酸のカルボキシ基へのジフェニルメチル基の導入によるベンズヒドリル(2R)-2-ヒドロキシ-2-フェニル-アセテート(化合物13)の合成
D-マンデル酸(51.5 mg, 0.338 mmol)をジクロロエメタン(2 mL)に溶解し、SYNLETT 2014, 25, 0283-0287.記載の方法で合成したジフェニルメチルトリクロロアセトイミダート(114mg、0.439mmol)を加え、室温にて一晩撹拌した。この反応液を濃縮し残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにて精製することで、表題化合物(96.9mg)を得た。
1H NMR(400MHz,DMSO-d6)δ 7.49-7.42(m,2H),7.40-7.30(m,7H),7.27(m,1H),7.23-7.17(m,3H),7.14-7.07(m,2H),6.77(s,1H),6.17(s,1H),5.30(s,1H);MS(ESI)m/z167(M-C8H7O3)+.
参考例1で得たシクロヘキサン内包高分子金属錯体結晶の単結晶1粒を45μLのシクロヘキサンと共に、セプタムキャップ付マイクロバイアル瓶に入れ、この中に工程aで得た化合物13の1mg/mLの酢酸エチル溶液を5μL加えた。このマイクロバイアル瓶のキャップを閉め50℃で1日置いた後、セプタム部に注射針(21G:内径0.57mm)を刺し50℃で1日置くことでマイクロバイアル瓶内の溶液を濃縮した。
2 結晶面Y
3 細孔
4 細孔が延在する方向
5 三次元ネットワーク構造
6 三次元ネットワーク構造
7 三次元ネットワーク構造
8 三次元ネットワーク構造
9 トリス(4-ピリジル)トリアジン
10 トリス(4-ピリジル)トリアジン
11 トリフェニレン分子
12 蓋部(セプタム付き蓋)
12a セプタム部
12b プラスチック部
13 開口部(ガス抜き用中空針)
14 容器本体(バイアル瓶)
15 有機化合物(α)の溶媒溶液
16 高分子金属錯体の単結晶
17 結晶支持体
A 細孔
B 細孔
Claims (14)
- 極性基を有する親水性有機化合物の結晶スポンジ法による構造解析のための結晶構造解析用試料調製方法であって、
前記結晶スポンジ法が、有機化合物の分子構造決定方法であって、以下の工程(1)~(3)、
(1)ゲスト化合物内包高分子金属錯体結晶を提供する工程であって、
前記ゲスト化合物内包高分子金属錯体結晶が、式:[〔M(X)2〕3(L)2]n〔式中、Mは金属イオンを表し、Xは一価の陰イオンを表し、Lは、下記式(1)
(式中、Arは、置換基を有していてもよい3価の芳香族基を表し、X1~X3は、それぞれ独立に、2価の有機基、またはArとY1~Y3とを直接結ぶ単結合を表し、Y1~Y3は、それぞれ独立に、配位性部位を有する1価の有機基を表す)で示される三座配位子を表し、nは任意の自然数を表す〕で示される高分子金属錯体の結晶であって、
前記三座配位子が、前記金属イオンに配位して三次元ネットワーク構造を形成し、かつ、該三次元ネットワーク構造が、その内部に空隙を有し、前記空隙に、脂肪族炭化水素;脂環式炭化水素;エーテル類;エステル類;ベンゼン、トルエン、キシレン、メシチレン、ナフタレン、アントラセン及びフェナントレンからなる群から選ばれる芳香族炭化水素;ハロゲン化炭化水素、並びにニトリル類からなる群から選ばれる少なくとも一種が、ゲスト化合物(A)として内包されており、
前記空隙における、前記ゲスト化合物(A)の存在量が、前記空隙に内包されているすべてのゲスト化合物に対して60モル%以上である、工程、
(2)前記有機化合物を含む溶媒溶液に前記ゲスト化合物内包高分子金属錯体結晶を浸漬させて、前記三次元ネットワーク構造内の空隙に、前記有機化合物の分子が内包されてなる結晶構造解析用試料を得る工程、並びに
(3)前記結晶構造解析用試料の結晶構造解析を行って、前記三次元ネットワーク構造内の空隙に内包されている有機化合物の分子構造を決定する工程、
を含む、方法であり、
前記結晶構造解析用試料調製方法が、以下の工程(a)及び(b)、
(a)前記親水性有機化合物の極性基に疎水性置換基を導入して、疎水性置換基を導入した有機化合物を得る工程、及び
(b)前記疎水性置換基を導入した有機化合物を含む溶媒溶液に前記ゲスト化合物内包高分子金属錯体結晶を浸漬させて、前記三次元ネットワーク構造内の空隙に、前記疎水性置換基を導入した有機化合物の分子が内包されてなる前記結晶構造解析用試料を得る工程、
を含むことを特徴とする、結晶構造解析用試料調製方法。 - 前記疎水性置換基が、少なくとも1つの芳香環を有する、請求項1に記載の試料調製方法。
- 前記疎水性置換基が、2つのベンゼン環、1つのベンゼン環と1つのtert-ブチル基、1つのインドール環又は1つのナフタレン環を有する、請求項2に記載の試料調製方法。
- 前記疎水性置換基が、前記極性基への導入により前記親水性有機化合物の脂溶性を向上させる基である、請求項1~3のいずれか1項に記載の試料調製方法。
- 前記疎水性置換基が、前記高分子金属錯体と相互作用する基である、請求項1~4のいずれか1項に記載の試料調製方法。
- 前記極性基が、アミノ基、水酸基、チオール基又はカルボキシ基である、請求項1~5のいずれか1項に記載の試料調製方法。
- 前記極性基が、アミノ基又はカルボキシ基である、請求項6に記載の試料調製方法。
- 前記極性基が、アミノ基であり、前記工程(a)において、アミド結合、ウレタン結合、ウレア結合又はチオウレア結合により前記疎水性置換基を前記極性基に導入する、請求項7に記載の試料調製方法。
- 前記疎水性置換基が、1-ナフチルカルバモチオイル基、1,1-ジフェニルアセチル基、4-tert-ブチルベンゾイル基又は2-インドールカルボニル基である、請求項8に記載の試料調製方法。
- 前記極性基が、カルボキシ基であり、前記工程(a)において、エステル結合又はアミド結合により前記疎水性置換基を前記極性基に導入する、請求項7に記載の試料調製方法。
- 前記疎水性置換基が、ジフェニルメチル基である、請求項10に記載の試料調製方法。
- 前記親水性有機化合物が、アミノ酸、核酸、又は有機酸である、請求項1~11のいずれか1項に記載の試料調製方法。
- 請求項1~12のいずれか1項に記載の試料調製方法により得られた前記試料の結晶構造解析を行う工程を含む、結晶スポンジ法による親水性有機化合物の構造解析方法。
- 請求項1~12のいずれか1項に記載の試料調製方法に用いるための、前記疎水性置換基を提供する化合物を含む、置換基導入用試薬。
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