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JP7141840B2 - 断熱構造、建物及び断熱材の設置方法 - Google Patents
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JP7141840B2 - 断熱構造、建物及び断熱材の設置方法 - Google Patents

断熱構造、建物及び断熱材の設置方法 Download PDF

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Description

本発明は、建物の断熱構造、及び当該断熱構造を備える建物、並びに断熱材の設置方法に関する。
従来、建物の外壁(外周壁)において、外壁パネル等の外装材の内側に、複数のパネル状等の断熱材を並べて配置して断熱層を形成することにより、建物の断熱性を高めることが知られている。また、建物の外壁側の架構を構成する梁又は柱の周りにおいては、当該梁または柱の屋内側に断熱材が配置されていることが多い。
しかしながら、外壁側の架構の屋内側には、床材や屋内側の梁等が、上記断熱層を貫通するように配置されているため、当該断熱層を貫通する部材が熱橋となり、建物の断熱性能を低下させてしまうという問題がある。
これに対して、特許文献1には、建物の外装材として、セメント板と断熱層と内層板とを積層一体化した複合パネルを用いることで、梁の屋外側に断熱層を形成した構成が開示されている。このような構成とすることにより、屋外側から屋内側に断熱層を貫通して延びる部材を減らすことができるので、建物の断熱性を高めることができる。
特開平11-6219号公報
しかしながら、上記のような断熱構造においても、建物の外周を取り囲む外壁全体にわたって断熱層を隙間なく連続的に形成することは困難であり、隣接する複合パネルの間に形成される断熱層の切れ目(隙間)等に起因して断熱性が低下する虞があった。
それゆえ本発明は、建物の外壁側の架構と外装材との間に形成される断熱層の連続性を高めることにより、建物の断熱性をさらに向上させることが可能な断熱構造、建物及び断熱材の設置方法を提供することを目的とするものである。
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、本発明の断熱構造は、建物の外壁側の架構を構成する梁又は柱と、
前記梁又は柱の屋外側に、該梁又は柱に沿って並べて配置される複数の断熱材と、
前記梁又は柱と前記断熱材との間に圧縮状態で配置され、隣接する2つの断熱材間の隙間を塞ぐ隙間閉塞部材と、を備えることを特徴とするものである。
なお、本発明の断熱構造にあっては、前記梁又は柱は、前記断熱材側に開口する凹部を有し、
前記隙間閉塞部材は、前記凹部に配置されることが好ましい。
また、本発明の断熱構造にあっては、前記隙間閉塞部材は、圧縮状態で気密性を有する発泡体で構成されることが好ましい。
本発明の建物は、上記の何れかの断熱構造を有することを特徴とするものである。
また、本発明の断熱材の設置方法は、
建物の外壁側の架構を構成する梁又は柱に、隙間閉塞部材を配置する隙間閉塞部材配置工程と、
前記梁又は柱の屋外側に、複数の断熱材を並べて配置する断熱材配置工程であって、隣接する2つの断熱材間の隙間が圧縮状態の前記隙間閉塞部材で覆われるように、該断熱材を配置する断熱材配置工程と、を含むことを特徴とするものである。
また、本発明の断熱材の設置方法にあっては、前記隙間閉塞部材配置工程において、
前記隙間閉塞部材を、前記梁又は柱に設けられた凹部に対して嵌め込むように配置することが好ましい。
また、本発明の断熱材の設置方法にあっては、前記断熱材配置工程において、前記梁に沿って配置され、該梁の上部及び下部にそれぞれ取付けられた上側連結部材と下側連結部材との間に、前記断熱材を嵌め込むように配置することが好ましい。
本発明によれば、建物の外壁側の架構と外装材との間に形成される断熱層の連続性を高めることにより、建物の断熱性をさらに向上させることが可能な断熱構造、建物及び断熱材の設置方法を提供することができる。
本発明の一実施形態としての断熱構造を示す断面図である。 図1の断熱構造の梁に対して隙間閉塞部材、断熱材、及び外壁パネルを設置する様子を概略的に示す側面視での断面図である。 図1の断熱構造の梁に対する隙間閉塞部材及び断熱材の設置の様子を概略的に示す斜視図である。 図1の断熱構造の梁に対する隙間閉塞部材、断熱材及び外壁パネルの設置の様子を概略的に示す斜視図である。 図1の上側連結部材及び下側連結部材を説明するための斜視図である。 (a)~(c)は、梁に取り付けられた上側連結部材と下側連結部材の間に断熱材を設置する様子を示す側面視での断面図である。 隙間閉塞部材及び断熱材の設置方法の変形例を示す図である。
以下、本発明に係る断熱構造の実施形態について、図面を参照しつつ説明する。各図において共通する構成には同一の符号を付している。
図1は、本発明に係る断熱構造1の一実施形態を示す鉛直方向の断面図である。断熱構造1は、建物の外壁側の架構を構成する梁10と、断熱材20と、隙間閉塞部材30とを備える。また、本例の断熱構造1は、外装材としての外壁パネル40と、梁10と外壁パネル40とをそれぞれ連結する上側連結部材50及び下側連結部材60と、を備えている。
まず、断熱構造1を備える建物の一例の全体構成を説明する。建物は、例えば、鉄骨造の軸組みを有する2階建ての住宅とすることができる。このような建物は、例えば、地盤に固定された鉄筋コンクリート造の基礎構造体と、柱や梁10などの長尺部材で構成された骨組みを有し、基礎構造体に固定された上部構造体と、で構成される。
基礎構造体は、軸組架構の鉛直方向下方に位置し、軸組架構を支持する。基礎構造体は、例えば、鉄筋コンクリート造の断面T字状の布基礎である。
上部構造体は、複数の柱及び柱間に架設された複数の梁10から構成される軸組架構と、この軸組架構の外周部に配置される外壁と、軸組架構の梁10上に固定される各階の床と、を備える。
外壁は、外装材としての外壁パネル40、断熱材20及び内装材を備える。なお、図1では、説明の便宜上、内装材を省略して描いている。
外壁パネル40としては、例えば、軽量気泡コンクリート(以下、「ALC」と記載する。「ALC」とは「autoclaved light weight concrete」の略である。)のパネル、金属系や窯業系のサイディング、押出成形セメント板、木質系パネルなどを用いることができる。この外壁パネル40を軸組架構の外周部の周囲に連接することにより、外壁の外皮層を形成することができる。
また、断熱材20としては、例えば、フェノールフォーム、ポリスチレンフォーム、ウレタンフォーム等の発泡樹脂系の材料からなり、パネル状に形成したものを用いることができる。このような発泡樹脂系の材料であれば、断熱材が納まる場所の寸法より若干大きめに加工しておくことにより、材料により端部を欠けさせたり、つぶしたり、全体的に圧縮して設置することで仮固定や固定の手間を省略することができる。この断熱材20を外壁パネル40の屋内側に、外壁パネル40の内面に沿って配置することにより断熱層を形成することができる。内装材としては、例えば、石膏ボードを用いることができ、内装材を軸組架構の外周部の屋内側に連接することにより、内皮層を形成することができる。
以下、建物における断熱構造1について詳細に説明する。図1は、例えば建物の1階と2階の間の高さに配置される外壁側の梁10の周りの断熱構造1とすることができる。断熱構造1は、図2にも示すように、梁10に連結部材(上側連結部材50及び下側連結部材60)を介して連結及び支持される外壁パネル40との間に配置される複数の断熱材20と、隙間閉塞部材30と、を備える。
梁10は、建物の外壁に沿って配置され、水平方向に延在するものであり、架構を構成する複数の柱によって支持される。また梁10は、図示例ではウェブ11及び一対のフランジ12a、12bを有するH形鋼で構成されているが、この形状に限られるものではなく、形状を適宜変更することができる。フランジ12a、12bには、後述する上側連結部材50及び下側連結部材60をボルト等の締結具で締結固定するための貫通孔12cが形成されている。
また、梁10は、隙間閉塞部材30を配置可能な凹部13を有する。本例において凹部13は、上下のフランジ12a、12bとウェブ11に囲まれた空間である。本例のようにH形鋼である梁10には、屋外側及び屋内側の両方に凹部が形成されるが、隙間閉塞部材30は、断熱材20側すなわち屋外側に開口する凹部13に配置される。
隙間閉塞部材30は、圧縮状態で気密性を有し、梁10の長手方法に沿って水平方向に隣接する2つの断熱材20間に形成される隙間を閉塞可能に構成されている。なお、図2に示すように、梁10等の架構に対して、隙間閉塞部材30、断熱材20、外壁パネル40の順番に取り付けられる。本例では、図2、3、4等にも示すように、隙間閉塞部材30は、断熱材20側に配置される圧縮部材31と、圧縮部材31の裏面側に固定され、梁10の凹部13に嵌め込まれる下地部材32とを備える。圧縮部材31は、圧縮状態での気密性、水密性(止水性)、断熱性、及び難燃性等を有し、圧縮可能な弾性を有する例えばEPDM等のポリエチレン系の発泡体を矩形板状に形成したものとすることができる。下地部材32は、圧縮部材31に比べて硬く、圧縮等の変形がし難い構成となっている。
なお、隙間閉塞部材30の形状は図示例に限定されず、適宜変更可能である。また、隙間閉塞部材30は、本例のように2つの部材を一体に組み合わせたものに限らず、1つの部材のみからなる構成としてもよいし、3つ以上の部材を組み合わせてもよい。本例のように、圧縮状態での気密性に優れた圧縮部材31と、圧縮部材31よりも圧縮され難い下地部材32とを組み合わせることで、梁10に対する隙間閉塞部材30の設置及び、隙間閉塞部材30設置後の、断熱材20の設置が容易となる。適度な硬さを有する下地部材32で圧縮部材31の裏面側を支持することができるため、断熱材20と下地部材32とで圧縮部材31を挟み込んで、十分に圧縮させることができる。
また、圧縮部材31は、梁10の上面(上側フランジ12aの上面)から下面(下側フランジ12bの上面)までを覆うことが可能な長さを有することが好ましい。すなわち、圧縮部材31の上下方向の長さL1は、梁10の鉛直方向高さH1以上であることが好ましく、長さL1は、梁10の鉛直方向高さH1よりも大きいことがより望ましい。なお、図1に示す例では、圧縮部材31の長さL1は、梁10の高さH1と同一としている。圧縮部材31の長さL1を梁10の高さH1以上とすることにより、圧縮部材31を、梁10の上側フランジ12a及び下側フランジ12bの端面を覆うように配置することができる。これにより、梁10の上側フランジ12aと断熱材20とで圧縮部材31の上端部を挟むことができ、また下側フランジ12bと断熱材20とで圧縮部材31の下端部を挟むことができるので、より確実に、隣接する断熱材20間の隙間の形成を防止することができる。その結果、外壁パネル40の内面に沿って並べて配置される複数の断熱材20で構成される断熱層の気密性を高め、建物の断熱性をさらに向上させることができる。また、圧縮部材31の上端部及び下端部はそれぞれ、上下に隣接する断熱材20同士の間に挟むように配置してもよい。
また、圧縮部材31の幅W1(図3参照)は、30mm~200mmであることが好ましい。これによれば、200mm以下とすることで、材料のコストを抑えつつ、30mm以上とすることで、断熱材20の取り付け位置が所期した位置から僅かにずれた場合でも、隣接する断熱材20間の隙間を圧縮部材31で閉塞することができる。なお、さらに好ましくは50mm~100mmである。
また、圧縮部材31の厚さT1(図3参照)は、例えば、10mm~15mmとすることができるが、これに限られるものではない。
下地部材32は、圧縮部材31に比べて硬く弾性変形し難いものの、梁10の凹部13に配置される際には僅かに圧縮変形可能に構成された直方体状の部材とすることができるが、これに限定されない。下地部材32は、例えば、ポリエチレン系の発泡体とすることができる。下地部材32は、圧縮部材31を裏面側(梁10側)から支持し、当該圧縮部材31を所期した圧縮状態で断熱材20に当接させることができるものであればよい。
また、下地部材32は、梁10の凹部13に嵌り込み、脱落することなく当該凹部13に保持される構成であることが好ましい。これによれば、梁10の凹部13に隙間閉塞部材30を配置した状態で、両手を使って断熱材20を配置する作業を行うことが可能となるため、断熱材20の設置作業が容易となり、施工効率を高めることができる。
下地部材32の幅W2(図3参照)は、圧縮部材31の幅W1以上の大きさであることが好ましい。また、下地部材32は圧縮部材31の幅方向の全体にわたって配置することが好ましい。これによれば、圧縮部材31の幅W1全体にわたって、圧縮部材31の裏面側から支持することができ、断熱材20に対して広い範囲にわたって圧縮部材31を圧縮状態で当接させることができる。
また、下地部材32の上下方向の長さL2は、梁10の凹部13の上下方向高さH2(上側フランジ12aの下面と下側フランジ12bの上面との距離)と略同一であるか、下地部材32を凹部13に圧入することができる程度に僅かに高さH2よりも大きいことが好ましい。これによれば、下地部材32を凹部13に容易に嵌め込んで配置することができ、且つ、断熱材20を取り付ける前の段階においても、隙間閉塞部材30の脱落を防止することができる。
また、下地部材32の厚さT2(図3参照)は、梁10の凹部13の深さ(フランジ12の端面からウェブ11までの距離)D(図1参照)と略同一であることが好ましい。これによれば、下地部材32の圧縮部材31を1側の面を、梁10の上側フランジ12a及び下側フランジ12bの端面と同一平面上に配置することができるので、圧縮部材31を上下方向の長さ全体にわたって、均一な圧縮状態で断熱材20に当接させることができる。
上側連結部材50は、図1、5に示すように、梁10の上側フランジ12aに対して、例えばボルト等の締結具を用いて結合されるとともに、上階側の外壁パネル40を下方から支持するものである。具体的に、本例の上側連結部材50は、断面がL字状のアングル材で構成されるパネル支持部51と、パネル支持部51を梁10に持ち出し状態で連結して支持する持出連結部52とを有する。
パネル支持部51は、水平フランジ部51aと、水平フランジ部51aの端部から上方に延びる鉛直フランジ部51bとを有する。水平フランジ部51aは、上階側の外壁パネル40の下面を下方から支持する。また、鉛直フランジ部51bは、当該外壁パネル40の屋内側の面(裏面)にあてがわれ、ボルト等の締結具を用いて外壁パネル40に締結固定される。
持出連結部52は、パネル支持部51を梁10の外側(屋外側、外壁パネル40側)に持ち出すように連結して支持するものである。持出連結部52は、鉛直フランジ部51bの裏面(水平フランジ部51aとは逆側の面)に溶接された鉛直板部52aと、当該鉛直板部52aの下面に溶接された水平板部52bとを有する。水平板部52bは、鉛直フランジ部51bの裏面から所定の間隔を空けて設けられている。当該水平板部52bと鉛直フランジ部51bの間の空間Sは、断熱材20の上端部を差し込み可能な空間Sとなっている。すなわち、当該空間Sに断熱材20の上端部を差し込むようにすることで、断熱材20を容易に上側連結部材50と下側連結部材60の間の所定の位置に配置することができるとともに、断熱材20の脱落を防止することができる。また、断熱材20の配置時に断熱材20の上端部が持出連結部52の垂直板部52aに食い込むような寸法とすることもできる。そのようにすることで断熱材20の脱落をより防止することができる。持出連結部52は、パネル支持部51の長手方向に間隔を空けて配置されており、本例では、3つの持出連結部52がパネル支持部51の長手方向に沿って均等に配置されている。
下側連結部材60は、断面がL字状のアングル材で構成されるパネル連結部61と、パネル連結部61を梁10に持ち出し状態で連結する持出連結部62とを有する。パネル連結部61は、水平フランジ部61aと、水平フランジ部61aの端部から下方に延びる鉛直フランジ部61bとを有する。水平フランジ部61aは、鉛直フランジ部61bの上端部から屋内側(梁10側)に延びており、その上面に断熱材20が載置される。鉛直フランジ部61bは、外壁パネル40の屋内側の面(裏面)にあてがわれ、ボルト等の締結具を用いて外壁パネル40に締結固定される。
持出連結部62は、パネル連結部61を梁10の外側(屋外側、外壁パネル40側)に持ち出すように連結して支持するものである。持出連結部62は、水平フランジ部61aの下面及び鉛直フランジ部61bの裏面に溶接された鉛直板部62aと、当該鉛直板部62aの上面に溶接された水平板部62bとを有する。持出連結部62は、パネル連結部61の長手方向に間隔を空けて配置されており、本例では、3つの持出連結部62がパネル連結部61の長手方向に沿って均等に配置されている。
なお、上側連結部材50及び下側連結部材60の形状は図示の形状に限定されず、梁10と外壁パネル40との間に断熱材20及び隙間閉塞部材30を配置可能であれば、適宜変更可能である。
以下に、断熱材20の設置方法を含む断熱構造1の形成方法について説明する。先ず、図2、3に示すように、建物の外壁側の架構を構成する梁10に設けられた凹部13に対して、隙間閉塞部材30の下地部材32を嵌め込むように配置する隙間閉塞部材配置工程を行う。なお、図3、4においては、上側連結部材50及び下側連結部材60を省略して描いている。
次いで、梁10の屋外側に、複数の断熱材20を並べて配置する断熱材配置工程を行う。断熱材20は、長尺パネル状の断熱材20の長手方向が梁10の長手方向と平行となるように、梁10に沿って配置される。断熱材配置工程では、梁10の長手方向に沿って隣接配置される2つの断熱材20間の隙間を圧縮状態の隙間閉塞部材30の圧縮部材31で覆うように、複数の断熱材20を配置する。圧縮部材31は、隣接する2つの断熱材20に跨って配置され、圧縮部材31の表面は、隣接する2つの断熱材20の裏面(屋内側の面)に当接することとなる。
図3、4に示すように、各断熱材20は、1つずつ順番に設置され、長手方向の端部20aが、隙間閉塞部材30の圧縮部材31上に位置するように配置される。なお、断熱材20の設置にあたり、隣接配置される2つの断熱材20の間に隙間を意図的に設ける必要はなく、対向する2つの断熱材20の端面同士を当接させた状態で配置してもよい。その場合においても、隣接配置される2つの断熱材20の間の隙間を完全になくすことは実質的に不可能であり、境界部には僅かな隙間が形成されるため、隙間閉塞部材30の圧縮部材31を当該境界部に配置することで、境界部における気密性を高め、建物の断熱性を向上させることができる。
本例において、梁10には上側連結部材50及び下側連結部材60をボルト等の締結具で締結固定されている。また、断熱材配置工程において、断熱材20は、上側連結部材50と下側連結部材60との間に嵌め込まれるように配置され、脱落を抑制された状態で保持される。
より具体的に、断熱材20を梁10の屋外側に設置する際には、図6(a)に示すように、先ず、上側連結部材50における水平板部52bと鉛直フランジ部51bの間の空間Sに断熱材20の上部を差し込み、次いで、図6(b)に示すように断熱材20の下部を梁10側に移動させ、図6(c)に示すように下側連結部材60の水平フランジ部61a上に載置する。このようにして上側連結部材50と下側連結部材60との間に配置された断熱材20は、その上端部が空間Sに嵌り込んでいるため、脱落が抑制された状態で保持される。その後、下側連結部材60に外壁パネル40をボルト等の締結具により締結固定することにより、断熱材20は梁10と外壁パネル40との間で挟持されることとなり、取り付けが完了する。各外壁パネル40は、上側連結部材50または下側連結部材60を介して梁10に支持される。
上記のような構成を有する本実施形態の断熱構造1にあっては、梁10と断熱材20との間で、梁10の長手方向(水平方向)に隣接する2つの断熱材20間の隙間を塞ぐように隙間閉塞部材30を圧縮状態で配置したことにより、断熱層を構成する断熱材20の連続性を高めるとともに、断熱材20間の隙間に起因する断熱性の低下を防止することができる。より具体的に、断熱材20間の隙間により漏気が生じ、これにより断熱性が低下してしまうことを防止することができる。
また、梁10の屋外側にパネル支持部51及びパネル連結部61を持ち出し状態で配置することにより、梁10と外壁パネル40との間に断熱材20を配置可能な空間を形成することができる。これにより、外壁パネル40の内面にそって連続的に断熱材20を並べて配置し易くなり、建物の断熱性を高めることができる。
本実施形態では、外壁パネル40の外側の冷熱が、上側連結部材50及び下側連結部材60によって梁10に伝わり難い構成となっている。すなわち、外壁パネル40と梁10とを連結する上側連結部材50及び下側連結部材60を、連結部材としての強度は維持しつつも、熱を伝える面積が小さくなるようにして、熱橋作用を低減している。具体的に上側連結部材50においては、パネル支持部51の長手方向の一部のみに持出連結部52を設け、パネル支持部51の鉛直フランジ部51bに持出連結部52の鉛直板部52aを垂直に突き当てて溶接することで、結合部の断面積が小さくなるようにしている。また、持出連結部52の鉛直板部52aを水平板部52bに対して垂直に突き当てて溶接することで、同様に結合部の断面積が小さくなるようにしている。また、同様の理由により、梁10に対する持出連結部52の接触面積も小さくなるように構成している。なお、パネル支持部51の鉛直フランジ部51bと持出連結部52の鉛直板部52aとの接合方法は、溶接に限らず、例えばボルト接合等としてもよい。同様に、持出連結部52の鉛直板部52aと水平板部52bとの接合方法も溶接に限らず、例えばボルト接合等としてもよい。
下側連結部材60においては、パネル連結部61と持出連結部62との結合部の断面積、及び、持出連結部62の鉛直板部62aと水平板部62bとの結合部の断面積が小さくなっており、持出連結部62と梁10との接触面積も小さくなっている。
ここで、図7に示すように、梁10の屋外側に、当該梁10に対して垂直方向に突出する他の梁70がある場合の、断熱材20及び隙間閉塞部材30の設置方法について説明する。なお、梁70は、例えば、庇状の屋根部分を支持するための梁部材とすることができるが、これに限定されない。また梁70は図1~6に示す上述の梁10と断面形状が同一のH形鋼とし、梁10の凹部13と同様の凹部73を有するものである。
このような梁10の屋外側に突出する梁70が設けられている場合、隙間閉塞部材30を梁70の凹部73に嵌め込むように配置し、梁10に沿って配置される断熱材20の長手方向の端部20aを圧縮部材31に突き当てるように配置することが好ましい。これにより、断熱材20と梁70との間に形成され得る隙間を塞いで気密性を高め、建物の断熱性を向上させることができる。
以下、図6を参照して、上記の隙間閉塞部材30を配置しない場合における断熱材20の設置方法について説明する。
本例における断熱材20の設置方法は、建物の外壁側の架構を構成する梁10に沿って配置され、梁10の上部及び下部にそれぞれ取付けられた上側連結部材50と下側連結部材60との間に、前記断熱材20を嵌め込むように配置する断熱材配置工程を含むものである。
ここで、従来は外壁の重量を水平板で受けていた。この場合、外壁の重量を弱軸で受ける(水平板で受ける)際に十分な剛性を確保するために、ある程度の水平板の断面積を確保する必要があり、熱橋を低減するのに限界があった。
図6(a)~(c)に示すように、空間Sに断熱材20の上端部を差し込むようにして断熱材20を上側連結部材50と下側連結部材60との間に配置することで、手で押さえていなくても断熱材20が脱落せずに当該位置に保持(仮固定)される。これにより、所定の位置に配置した断熱材20を手で押さえながら別の作業をする必要がなくなるため、作業の効率性、及び安全性をともに向上させることができる。また、従来は、断熱材と水平板との間に隙間が開きやすく気密処理に手間がかかっていた。具体的に、断熱材間の隙間の気密処理方法として一般的なテープなどによる隙間埋めは、パネルを取り付ける外部工事時の作業としては安全上も施工性も優れず、天候によって適切に接着できない(水に濡れることで接着性が低下する)ことがある。本例の方法によれば、テープなどによる隙間埋めが基本的に不要となるため、気密処理にかかる手間を減らすことができ、テープを使用しないため天候にも左右されず、安全性及び施工性も改善することができる。
以下に、外壁支持構造の一例について説明する。当該外壁支持構造は、断熱層を貫通して建物の断熱性能を低下させる熱橋をより効果的に低減することを目的としており、その概要は以下の通りである。
梁と外壁と連結部材とを備える外壁支持構造であって、
外壁は梁に固定された連結部材により梁から離間するように支持されており、
連結部材は梁から持ち出され外壁の重量を受ける垂直板部を有することを特徴とする外壁支持構造。
当該外壁支持構造は、例えば図1に示す梁11と、外壁を構成する外壁パネル40と、連結部材を構成する上側連結部材50及び下側連結部材60とを備える。外壁パネル40は、梁11に固定された連結部材50、60により梁11から離間するように支持されている。連結部材50、60はそれぞれ、梁11から持ち出され外壁パネル40の重量を受ける鉛直板部52a、62aを有する。
このような構成により、断熱層を貫通して建物の断熱性能を低下させる熱橋をより効果的に低減することができる。さらに図6に示すように、連結部材50の鉛直板部52aに断熱材20を食い込ませる構成とすることにより、断熱材20を仮固定することができる。
なお、梁11と連結部材50、60とを固定する固定部(持出連結部52、62)は、連結部材50、60の長手方向(梁11の長手方向に平行な方向)に沿って間隔を空けて配置されていることが好ましく、これによれば、より効果的に熱橋を低減することができる。
また、外壁支持構造の他の例の概要は以下の通りである。
梁と外壁と連結部材と断熱材とを含む断熱構造であって、
外壁は梁に固定された連結部材により梁から離間するように支持されており、
連結部材は梁から持ち出され外壁の重量を受ける垂直板部を有し、
断熱材は梁と外壁との離間部に配置され、さらに他の断熱材がその上方又は下方に配置されていることを特徴とする断熱構造。
当該外壁支持構造は、例えば図1に示す梁11と、外壁を構成する外壁パネル40と、連結部材を構成する上側連結部材50及び下側連結部材60と、断熱材20とを備える。外壁パネル40は、梁11に固定された連結部材50、60により梁11から離間するように支持されている。連結部材50、60はそれぞれ、梁11から持ち出され外壁パネル40の重量を受ける鉛直板部52a、62aを有する。断熱材20は、梁11と外壁パネル40との間の離間部(空間)に配置され、他の断熱材20が上方又は下方に配置される(図示例では、断熱材20の上方及び下方の両方に他の断熱材20がそれぞれ配置されている。)
このような構成により、施工性及び断熱性を両立した断熱構造を形成することができる。すなわち、梁11と外壁パネル11との間の離間部に断熱材20を配置する構成とすることで、施工性を向上させるとともに、断熱層を貫通して建物の断熱性能を低下させる熱橋をより効果的に低減させることができる。
本発明に係る断熱構造、建物、及び断熱材の設置方法は、上述した実施形態の構成に限定されるものではなく、特許請求の範囲で記載された内容を逸脱しない範囲で、様々な構成により実現することが可能である。例えば、本実施形態では、架構を構成する梁10の屋外側に隙間閉塞部材30と断熱材20とを配置する場合について説明したが、外壁側の架構を構成する柱の屋外側に隙間閉塞部材と断熱材とを設けることも可能である。その場合、当該柱にも隙間閉塞部材30を配置するための凹部が設けられていることが好ましい。
また、上述の説明においては、断熱材20を差し込み可能な空間Sを、上側連結部材50のみに設けたが、これに限らず、下側連結部材60のみに設けてもよいし、上側連結部材50及び下側連結部材60の両方に設けてもよい。あるいは、断熱材20を差し込み可能な空間Sを設けずに、上側連結部材50及び下側連結部材60の間に、隙間なく断熱材20が嵌め込まれる、もしくは断熱材20が圧入されることで、断熱材20が脱落しない構成としてもよい。
1:断熱構造
10:梁
11:ウェブ
12a:上側フランジ
12b:下側フランジ
13:凹部
20:断熱材
20a:断熱材の長手方向の端部
30:隙間閉塞部材
31:圧縮部材
32:下地部材
40:外壁パネル
50:上側連結部材
51:パネル支持部
51a:水平フランジ部
51b:鉛直フランジ部
52:持出連結部
52a:鉛直板部
52b:水平板部
60:下側連結部材
61:パネル連結部
61a:水平フランジ部
61b:鉛直フランジ部
62:持出連結部
62a:鉛直板部
62b:水平板部
70:梁
73:凹部
S:水平板部と鉛直フランジ部の間の空間

Claims (5)

  1. 建物の外壁側の架構を構成する梁又は柱と、
    前記梁又は柱の屋外側に、該梁又は柱に沿って並べて配置される複数の断熱材と、
    前記梁又は柱と前記断熱材との間に圧縮状態で配置され、隣接する2つの断熱材間の隙間を塞ぐ隙間閉塞部材と、を備え
    前記梁又は柱は、ウェブ及び一対のフランジを有するH形鋼で構成され、
    前記隙間閉塞部材は、
    前記断熱材側に配置される圧縮部材と、
    前記圧縮部材の前記梁又は柱の側に固定され、前記ウェブ及び前記一対のフランジに囲まれた空間である前記梁又は柱の凹部に嵌め込まれる下地部材と、を備え、
    前記圧縮部材は、前記梁又は柱の前記一対のフランジの端面を覆うように配置されている部分を備え、当該部分は、前記梁又は柱の前記一対のフランジと前記断熱材とで挟み込まれていることを特徴とする断熱構造。
  2. 前記隙間閉塞部材は、圧縮状態で気密性を有する発泡体で構成される、請求項1に記載の断熱構造。
  3. 請求項1又は2に記載された断熱構造を有することを特徴とする建物。
  4. 建物の外壁側の架構を構成する梁又は柱に、隙間閉塞部材を配置する隙間閉塞部材配置工程と、
    前記梁又は柱の屋外側に、複数の断熱材を並べて配置する断熱材配置工程であって、隣接する2つの断熱材間の隙間が圧縮状態の前記隙間閉塞部材で覆われるように、該断熱材を配置する断熱材配置工程と、を含み、
    前記梁又は柱は、ウェブ及び一対のフランジを有するH形鋼で構成され、
    前記隙間閉塞部材は、
    前記断熱材側に配置される圧縮部材と、
    前記圧縮部材の前記梁又は柱の側に固定されている下地部材と、を備え、
    前記隙間閉塞部材配置工程において、前記隙間閉塞部材の前記下地部材を、前記ウェブ及び前記一対のフランジに囲まれた空間である前記梁又は柱の凹部に嵌め込むように配置する共に、前記隙間閉塞部材の前記圧縮部材を、前記梁又は柱の前記一対のフランジの端面を覆うように配置することを特徴とする、断熱材の設置方法。
  5. 前記断熱材配置工程において、前記梁に沿って配置され、該梁の上部及び下部にそれぞれ取付けられた上側連結部材と下側連結部材との間に、前記断熱材を嵌め込むように配置する、請求項4に記載の断熱材の設置方法。
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