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JP7147339B2 - サイドバイザ - Google Patents
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JP7147339B2 - サイドバイザ - Google Patents

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Description

この発明は、車両のサイドドアにおけるドアサッシュ部に沿って、車両の前後方向に延びる板状のサイドバイザに関する。
従来、雨除けとして、車両のサイドドアにおけるドアサッシュ部に沿って、車両の前後方向に延びる板状のサイドバイザを設けたものが知られている。
すなわち、図8に示すように、サイドドアとしてのフロントドア80におけるドアサッシュ部81の周縁外部に車両のフロントピラー82およびルーフサイドレール83に沿って配設され、当該周縁外部から車両の前後方向に延びる板状のサイドバイザ84が設けられている。
サイドバイザ84をドアサッシュ部81に沿って車両の前後方向に延びるよう取付けることで、サイドドアガラス85を少し下げた時、車室内に雨水が侵入するのを防止することができる。
図8のB-B線に沿うサイドバイザ84の矢視拡大断面図を図9に示すように、上述のサイドバイザ84には、剛性を確保する目的で、当該サイドバイザ84のドアサッシュ部81に対向した端部に、内側平面部84aよりも車幅方向内側に突出するリブ部84bをサイドバイザ84の長手方向全長にわたって設けることが一般的であるが、このリブ部84bを設けることで、次のような問題点が発生する。
つまり、図8に矢印で示すように、車両走行中においてサイドバイザ84の前端84cから走行風e6がサイドバイザ84とフロントドア80との間に一旦入り込み、入り込んだ風e7の一部はサイドバイザ84の中途部から外部に出る。
風e7が外部に出る時、図9に矢印で示すように、サイドバイザ84の内側平面部84aに沿って流下する風e8が上述のリブ部84bに当って、その圧力が高くなり、圧力が高くなった風e9は、リブ部84bを大きく迂回して外部に流出するので、車体側面流が乱されて、風切り音(風騒音)が発生するという問題点があった。
ところで、特許文献1には、サイドバイザのサイドドア周縁部(詳しくは、サイドドアにおけるドアサッシュ部の周縁部)から車外方向下方に突出した車外側端部つまり下端部に、サイドドアガラスに近接する方向に突出した内方突出部(上述のリブ部に相当)と、サイドドアガラスから離間する方向に突出した外方突出部とを一体形成したものが開示されている。そして、上記外方突出部で雨水がサイドドアガラスに付着することを低減し、上述の内方突出部でサイドバイザの剛性を確保することができる反面、当該内方突出部は上述のリブ部に相当するものであるから、風切り音が発生し、この風切り音を低減させるという観点で、改善の余地があった。
特開2008-284926号公報
そこで、この発明は、サイドバイザそれ自体の剛性確保と、風切り音の低減との両立を図ることができるサイドバイザの提供を目的とする。
この発明によるサイドバイザは、車両のサイドドアにおけるドアサッシュ部に沿って、車両の前後方向に延びる板状のサイドバイザであって、上記サイドバイザは、上記ドアサッシュ部から車両下方に延びる内側平面部と、サイドドアガラスに対向した下端部において上記内側平面部よりも車幅方向内側に突出したリブ部と、を備え、上記内側面部には、上記リブ部の上方に隣接して車幅方向外側に突出した溝部を備え、上記溝部の断面形状は半円形状であり、上記溝部に隣接するリブ部上部の断面形状は円弧形状であり、上記溝部の曲率半径と、上記リブ部上部の曲率半径とは、同一半径に設定されたものである。
上記構成によれば、次の如き効果がある。
すなわち、車両走行時に、走行風はサイドバイザとドアとの間に一旦入り込み内側平面部に沿って流れた後に、サイドバイザ外方に出ようとする。この風の一部を音の発生源であるリブ部のドアサッシュ部方向に隣接して設けられた上記溝部に導き入れて、当該溝部で渦を発生させ、渦を発生させることで風のエネルギの一部を消費させて、リブ部に当る風の圧力を弱め、サイドバイザから外方に出る風のエネルギを低下させ、風切り音の低減を図ることができる。
要するに、リブ部の形成によるサイドバイザそれ自体の剛性確保と、溝部による渦の発生に基づく風切り音の低減と、の両立を図ることができる。
また、上記溝部の断面形状は半円形状であり、これにより、半円形状の溝部にて安定した渦を発生させることができるので、リブ部に当る風のエネルギ、圧力および流速を低減させることができる。
しかも、上記溝部に隣接するリブ部上部の断面形状は円弧形状であり、上記溝部の曲率半径と、上記リブ部上部の曲率半径とは、同一半径に設定されたものであるから、次の如き効果がある。
すなわち、上述の溝部で安定した一定の渦を発生させることができるので、リブ部に当る風のエネルギ、圧力および流速を確実に低減させることができる。
この発明によるサイドバイザは、また、車両のサイドドアにおけるドアサッシュ部に沿って、車両の前後方向に延びる板状のサイドバイザであって、上記サイドバイザは、上記ドアサッシュ部から車両下方に延びる内側平面部と、サイドドアガラスに対向した下端部において上記内側平面部よりも車幅方向内側に突出したリブ部と、を備え、上記内側平面部には、上記リブ部の上方に隣接して車幅方向外側に突出した溝部を備え、上記溝部の断面形状は半円形状であり、上記内側平面部下端と上記溝部上端とは、その断面形状が円弧状の円弧部を介して連続しており、該円弧部の曲率半径と、上記溝部の曲率半径と、上記リブ部上部の曲率半径とは、それぞれ同一半径に設定されたものである。
上記構成によれば、次の如き効果がある。
すなわち、車両走行時に、走行風はサイドバイザとドアとの間に一旦入り込み内側平面部に沿って流れた後に、サイドバイザ外方に出ようとする。この風の一部を音の発生源であるリブ部のドアサッシュ部方向に隣接して設けられた上記溝部に導き入れて、当該溝部で渦を発生させ、渦を発生させることで、風のエネルギの一部を消費させて、リブ部に当る風の圧力を弱め、サイドバイザから外方に出る風のエネルギを低下させ、風切り音の低減を図ることができる。
要するに、リブ部の形成によるサイドバイザそれ自体の剛性確保と、溝部による渦の発生に基づく風切り音の低減と、の両立を図ることができる。
また、上記溝部の断面形状は半円形状であるから、この半円形状の溝部にて安定した渦を発生させることができるので、リブ部に当る風のエネルギ、圧力および流速を低減させることができる。
しかも、上記内側平面部下端と上記溝部上端とは、その断面形状が円弧状の円弧部を介して連続しており、該円弧部の曲率半径と、上記溝部の曲率半径と、上記リブ部上部の曲率半径とは、それぞれ同一半径に設定されたものであるから、次の如き効果がある。
すなわち、溝部を形成する各部の曲率半径を同一に成したので、溝部で発生する渦の速度を一定にして、安定した渦を発生させることができ、この結果、リブ部に当る風のエネルギ、圧力および流速をより一層確実に低減させることができる。
この発明によるサイドバイザは、さらに、車両のサイドドアにおけるドアサッシュ部に沿って、車両の前後方向に延びる板状のサイドバイザであって、上記サイドバイザは、上記ドアサッシュ部から車両下方に延びる内側平面部と、サイドドアガラスに対向した下端部において上記内側平面部よりも車幅方向内側に突出したリブ部と、を備え、上記内側平面部には、上記リブ部の上方に隣接して車幅方向外側に突出した溝部を備え、上記溝部は、上記サイドバイザのうち長手方向中間部のみに設けられたものである。
上記構成によれば、次の如き効果がある。
すなわち、車両走行時に、走行風はサイドバイザとドアとの間に一旦入り込み内側平面部に沿って流れた後に、サイドバイザ外方に出ようとする。この風の一部を音の発生源であるリブ部のドアサッシュ部方向に隣接して設けられた上記溝部に導き入れて、当該溝部で渦を発生させ、渦を発生させることで、風のエネルギの一部を消費させて、リブ部に当る風の圧力を弱め、サイドバイザから外方に出る風のエネルギを低下させ、風切り音の低減を図ることができる。
要するに、リブ部の形成によるサイドバイザそれ自体の剛性確保と、溝部による渦の発生に基づく風切り音の低減と、の両立を図ることができる。
しかも、上記溝部は、上記サイドバイザのうち長手方向中間部のみに設けられたものであるから、次の如き効果がある。
すなわち、サイドバイザから風が外部に流出する長手方向中間部のみに溝部を設けることで、サイドバイザの剛性向上と、風切り音の低減との両立を図ることができる。
この発明の一実施態様においては、上記溝部は、上記サイドバイザが車両のフロントピラーに沿って傾斜した部位に設けられたものである。
上記構成によれば、次の如き効果がある。
すなわち、サイドバイザから風が外部に流出する部位は傾斜した部位であるから、上述のフロントピラーに沿って傾斜した部位に溝部を設けることで、確実に風切り音を低減することができる。
この発明によれば、サイドバイザそれ自体の剛性確保と、風切り音の低減との両立を図ることができる効果がある。
本発明のサイドバイザを備えた車両の要部斜視図 図1のA-A線に沿う要部の矢視断面図 (a)は図2の要部拡大図、(b)は風の流れを示す説明図 サイドバイザなしの従前構造と、溝部がないサイドバイザを備えた従来構造と、溝部をもったサイドバイザを備えた実施例構造との周波数に対する風切り音の特性の差異を示す特性図 本実施例のサイドバイザ下端周辺の圧力度合を示す分布図 従来構造のサイドバイザ下端周辺の圧力度合を示す分布図 (a)~(d)は溝部構造の他の実施例を示すサイドバイザの要部拡大断面図 従来構造のサイドバイザを備えた車両の部分斜視図 図8のB-B線に沿う要部の矢視拡大断面図
サイドバイザそれ自体の剛性確保と、風切り音の低減との両立を図るという目的を、車両のサイドドアにおけるドアサッシュ部に沿って、車両の前後方向に延びる板状のサイドバイザであって、上記サイドバイザは、上記ドアサッシュ部から車両下方に延びる内側平面部と、サイドドアガラスに対向した下端部において上記内側平面部よりも車幅方向内側に突出したリブ部と、を備え、上記内側面部には、上記リブ部の上方に隣接して車幅方向外側に突出した溝部を備え、上記溝部の断面形状は半円形状であり、上記溝部に隣接するリブ部上部の断面形状は円弧形状であり、上記溝部の曲率半径と、上記リブ部上部の曲率半径とは、同一半径に設定されるという構成にて実現した。
この発明の一実施例を以下図面に基づいて詳述する。
図面はサイドバイザを示し、図1は当該サイドバイザを備えた車両の要部斜視図、図2は図1のA-A線に沿う要部の矢視断面図、図3の(a)は図2の要部拡大図、図3の(b)は風の流れを示す説明図である。
サイドバイザの説明に先立って、まず、図1、図2を参照して車体側およびドア側の構造について説明する。
図1に示すように、車体側部において閉断面構造のヒンジピラーの上端から後方かつ上方に傾斜して延びる後傾形状のフロントピラー11(いわゆるAピラー)を設け、このフロントピラー11に連続して車両前後方向に延びるルーフサイドレール12を設けている。
左右一対のルーフサイドレール12(但し、図面では車両左側の構成のみを示す)と、フロントヘッダと、リヤヘッダとの間には、ルーフパネル13を張架する一方、左右一対のフロントピラー11と、ルーフパネル13前端と、カウルアッパパネルとの間には、フロントウインドガラス14を設けている。
ヒンジピラーに上下一対のドアヒンジを介して開閉可能に取付けられたサイドドアとしてのフロントドア15は、ドア本体部16と、当該ドア本体部16のベルトライン部BLより上方に一体的に設けられた枠形状のドアサッシュ部17とを備えている。
上述のドア本体部16は、ドアアウタパネル18とドアインナパネルとで形成されたドア内部空間に周知構造のウインドレギュレータ装置を内蔵し、このウインドレギュレータ装置でサイドドアガラス19を昇降すべく構成している。
上述のドアサッシュ部17の前側下部とベルトライン部BLとの間に設けられた略三角形状のミラー取付け板20には、後方視認用のドアミラー21が取付けられている。
上述のドアサッシュ部17は、フロントピラー11形状に対応する前片部17aと、ルーフサイドレール12形状に対応する上片部17bと、センタピラー形状に対応する後片部17cと、を一体形成したものである。
図2に示すように、ドアサッシュ部17には、シール部材としてのウエザストリップ22とガラスランチャンネル23とが設けられている。また、同図に示すように、ドアサッシュ部17の車外側部には、ゴム部材24を含むステンレス製のサッシュモール25が取付けられている。
サイドドアであるフロントドア15におけるドアサッシュ部17に沿って、車両の前後方向に延びる板状のサイドバイザ30が設けられる。
図2に示すように、該サイドバイザ30はその上部に取付け部31を有し、サイドバイザ30の該取付け部31が、同図に示すように両面接着テープ26を介してサッシュモール25の外面に接着固定されている。
また、図2に示すように、サイドバイザ30の取付け部31外面には、両面接着テープ27を介してサイドバイザ30側のモール28が接着固定されている。
図1に示すように、上述のサイドバイザ30は車両のフロントピラー11に沿って傾斜した前片部30Fと、車両のルーフサイドレール12に沿って車両前後方向に延びる上片部30Uとを一体形成したもので、図2に示すように、該サイドバイザ30はドアサッシュ部17の前片部17aおよび上片部17bの車外側面に位置する上述のサッシュモール25の外部から車外方向下方に延びるものである。
上述の前片部30Fおよび上片部30Uから成るサイドバイザ30は、この実施例においては、アクリル樹脂(ポリメチルメタクリレート、すなわちPMMA)にて形成されているが、サイドバイザ30を形成する材料は、これに限定されるものではない。
図2に示すように、車両の上下方向断面において、サイドバイザ30の取付け部31は、その車幅方向内側が高く、車幅方向外側が低くなるよう傾斜状に形成されており、該取付け部31の下端には、当該下端から車幅方向外側に略水平状に延びる段差部32を介してサイドバイザ本体33を連接している。
このサイドバイザ本体33は、上述の段差部32の延出端部(車幅方向外側の端部)から、車幅方向内側が高く、車幅方向外側が低くなるよう斜め下方に延びるもので、当該サイドバイザ本体33は外側平面部34と内側平面部35とを備えている。
ここで、上述の段差部32は、サイドバイザ本体33の外側平面部34とモール28の外面とを面一状または略面一状に成して、サイドバイザ30を車両に取付けた際の見映えを確保するためのものである。
図2、図3の(a)に示すように、上述のサイドバイザ30は、上記ドアサッシュ部17から車両下方に延びる上述の内側平面部35と、サイドドアガラスに対向した下端部において上述の内側平面部35よりも車幅方向の内側に突出したリブ部37と、を備えており、上記内側平面部35には、上記リブ部37の上方に隣接して車幅方向外側に突出した溝部36(以下、凹溝部36と称する)を備えている。上述の凹溝部36は、リブ部37に隣接してその直上部に設けられている。
この実施例では、上述の凹溝部36はサイドバイザ30の長手方向の全長、すなわち前片部30Fと上片部30Uとを含むサイドバイザ30の長手方向の全長にわたって形成されている。
上記リブ部37に隣接して車幅方向外側に突出した凹溝部36を形成することで、車両走行時に、走行風は次のように流れる。
すなわち、図1に矢印で示すように、走行風e1はサイドバイザ30の前端30aから当該サイドバイザ30とフロントドア15との間に一旦入り込み、入り込んだ風e2の一部は、流速が速い車体側面流の影響を受けてサイドバイザ30の中途部から外部に出ようとする。
風e2が外部に出る時、図3の(b)に矢印で示すように、サイドバイザ30の内側平面部35に沿って流下する風e3の一部を、音の発生源であるリブ部37に隣接してその直上部に設けられた上述の凹溝部36に導き入れて、当該凹溝部36で渦e4を発生させる。
渦e4を発生させることで風e3のエネルギの一部を消費させて、リブ部37に当る風の圧力を弱め、サイドバイザ30から外方に出る風のエネルギを低下させ、風切り音の低減を図るよう構成したものである。
図3の(a)に示すように、上述の凹溝部36の断面形状は半円形状に形成されており、これにより、半円形状の凹溝部36にて安定した渦(図3のbの渦e4参照)を発生させることができ、リブ部37に当る風のエネルギ、圧力および流速を低減させるよう構成したものである。
図3の(a)に示すように、上述の凹溝部36に隣接するリブ部37の上部37aの断面形状は円弧形状であり、凹溝部36の曲率半径R1と、リブ部37の上部37aの曲率半径R2とは、同一半径に設定されており、これにより、凹溝部36で発生する渦e4の速度を一定にして、安定した渦e4を発生させて、この結果、リブ部37に当る風のエネルギ、圧力および流速をより一層確実に低減させるよう構成している。
この実施例では、リブ部37の下部37bの断面形状を円弧形状に形成すると共に、外側平面部34下端とリブ部37の下部37bにおける車幅方向外端部とを連接するコーナ部38の断面形状も円弧形状に形成しており、リブ部37の下部37bの曲率半径は、上記曲率半径R1,R2の約2倍に設定しており、コーナ部38の曲率半径は、上記曲率半径R1,R2の約3倍に設定している。
また、図3の(a)に示すように、凹溝部36の深さが最も深い位置と、外側平面部34との間には、曲率半径R1の2倍以上の余肉40を有するよう形成し、サイドバイザ30の剛性低下を防止している。
さらに、図3の(a)に示すように、サイドバイザ本体33の内側平面部35下端と、上述の凹溝部36の上端とは、その断面形状が円弧状の円弧部39を介して連続しており、当該円弧部39の曲率半径R3と、上述の凹溝部36の曲率半径R1と、上述のリブ部37の上部37aの曲率半径R2とは、それぞれ同一半径に設定されている。
このように、凹溝部36を形成する各部(つまり凹溝部36の上流部、凹溝部36の下流部、凹溝部36主体部の各部)の曲率半径R3,R2,R1をそれぞれ同一に成すことで、凹溝部36で発生する渦e4の速度を一定にして、安定した渦e4を発生し、これによりリブ部37に当る風のエネルギ、圧力および流速をより一層確実に低減させるよう構成したものである。
図4は横軸に風切り音の周波数をとり、縦軸に風切り音のデシベルをとって、図2、図3で示した凹溝部36をもったサイドバイザ30を備えた実施例構造の特性a(実線参照)と、図9で示した凹溝部がないサイドバイザ84を備えた従来構造の特性b(仮想線参照)と、サイドバイザを一切有さない従前構造の特性c(点線参照)との差異を示す特性図である。
上述のそれぞれの特性a,b,cは、風洞施設にて同一条件下で実車計測した結果を示すものである。
図4に示す特定周波数f2においてサイドバイザなしの車両の風切り音のデシベル(特性c参照)と、従来構造のサイドバイザ84を有する車両の風切り音のデシベル(特性b参照)との差を100%とした時、本実施例のサイドバイザ30を備えた車両の風切り音のデシベル(特性a参照)は、従来構造のサイドバイザ84を有する車両の風切り音のデシベル(特性b参照)に対して、約31.25%低減し、風切り音の低減を図ることができ、図4に示す周波数f1~f3の間において風切り音の充分な低減効果が認められた。
図5は本実施例のサイドバイザ30下端周辺における圧力度合を示す分布図、図6は従来構造のサイドバイザ84(図9参照)下端周辺における圧力度合を示す分布図である。
図5、図6においては、図示の便宜上、圧力度合をハッチングの粗密にて示しており、ハッチング密度が密な程、圧力が高いことを示し、ハッチング密度が粗である程、圧力が低いことを示している。
図5と図6との対比により明らかなように、凹溝部36を有する本実施例のものは(図5参照)、当該凹溝部36の形成により渦が発生し、内側平面部35に沿って流れる風のエネルギの一部が消費されるので、風切り音の原因となるリブ風切り部37cの圧力が、図6に示す従来構造のリブ風切り部84dの圧力に対して小さくなる。
換言すれば、図5に示す本実施例のものは、図6で示す従来構造のものと比較して、凹溝部36で渦が発生することにより、内側平面部35に沿って流下する風のエネルギが減少し、かつ当該渦の発生によりリブ風切り部37cにおける圧力が低下するものであり、これにより風切り音の低減を図ることができる。
因に、上述の風切り音は、車両を時速100Km/h以上で走行させた時、耳障りな音となる。
上記実施例においては、上述の凹溝部36がサイドバイザ30の長手方向の全長にわたって形成されたが、この構造に代えて、上記凹溝部36を、図1に領域αで示すように、サイドバイザ30のうちの前片部30Fにおける長手方向中間部のみに設けてもよい。
このように、サイドバイザ30から風が外部に流出する特定の領域αとしての長手方向中間部のみに凹溝部36を設けると、サイドバイザ30の長手方向全長にわたって凹溝部36を形成する構造と比較して、サイドバイザ30の剛性向上を図ることができると共に、必要箇所にのみ凹設形成された凹溝部36にて、風切り音の低減を図ることができる。
ここで、長手方向中間部とは、フロントピラー11とベルトライン部BLとの成す角度が45度以上のSUV(スポーツ ユーティリティ ビークル)等の車両においては上下方向中間部を意味し、フロントピラー11とベルトライン部BLとの成す角度が45度未満のセダン等の車両においては前後方向中間部を意味する。
また、上記実施例においては、上述の凹溝部36がサイドバイザ30の前片部30F、上片部30Uを含む長手方向の全長にわたって形成されたが、この構造に代えて、上記凹溝部36をサイドバイザ30が車両のフロントピラー11に沿って傾斜した部位(前片部30F参照)にのみ設けてもよい。
このように構成すると、サイドバイザ30から風が外部に流出する部位は傾斜した部位であり、前片部30Fは後傾形状に傾斜しているので、上記凹溝部36にて確実に風切り音の低減を図ることができる。
図7の(a)~(d)は凹溝部構造の他の実施例を示すサイドバイザ30の要部拡大断面図である。
図3の(a)で示した実施例においては、凹溝部36の断面形状を半円形状と成したが、これは、図7の(a)~(d)に示すように、他の断面形状であってもよい。
すなわち、図7の(a)に示す凹溝部36Aの断面形状は三角形状であり、図7の(b)に示す凹溝部36Bの断面形状は四角形状であり、図7の(c)に示す凹溝部36Cの断面形状は半楕円形状であり、図7の(d)に示す凹溝部36Dの断面形状は台形状であって、何れの凹溝部36A~36Dもリブ部37に隣接してその直上部に設けられており、各凹溝部36A~36Dにて渦を形成すべく構成している。
また、図7の(a)~(d)に示す各実施例においても凹溝部36A~36Dの深さが最も深い位置と、外側平面部34との間には、凹溝部36A~36Dの最大深さの2倍以上の余肉40A~40Dを有するよう形成しており、これによりサイドバイザ30の剛性低下を防止すべく構成している。
このように構成しても、図3の(a)で示した実施例とほぼ同様の作用、効果を奏するので、図7の(a)~(d)において、前図と同一の部分には、同一符号を付して、その詳しい説明を省略する。
なお、図中、矢印Fは車両前方を示し、矢印Rは車両後方を示し、矢印OUTは車幅方向の外方を示し、矢印INは車幅方向の四方を示し、矢印UPは車両上方を示す。
このように、上記実施例のサイドバイザは、車両のサイドドア(フロントドア15参照)におけるドアサッシュ部17に沿って、車両の前後方向に延びる板状のサイドバイザ30であって、上記サイドバイザ30は、上記ドアサッシュ部17から車両下方に延びる内側平面部35と、サイドドアガラスに対向した下端部において上記内側平面部35よりも車幅方向内側に突出したリブ部37と、を備え、上記内側平面部35には、上記リブ部37の上方に隣接して車幅方向外側に突出した溝部(凹溝部36参照)を備えるものである(図2、図3参照)。
この構成によれば、次の如き効果がある。
すなわち、車両走行時に、走行風e1(図1参照)はサイドバイザ30とフロントドア15との間に一旦入り込み内側平面部35に沿って流れた後に、サイドバイザ30外方に出ようとする。この風の一部を音の発生源であるリブ部37に隣接して設けられた上記溝部(凹溝部36)に導き入れて、当該溝部(凹溝部36)で渦e4(図3の(b)参照)を発生させ、渦e4を発生させることで風のエネルギの一部を消費させて、リブ部37に当る風の圧力を弱め、サイドバイザ30から外方に出る風のエネルギを低下させ、風切り音の低減を図ることができる。
要するに、リブ部37の形成によるサイドバイザ30それ自体の剛性確保と、溝部(凹溝部36)による渦の発生に基づく風切り音の低減と、の両立を図ることができる。
また、この発明の一実施形態においては、上記溝部(凹溝部36)の断面形状は半円形状であることを特徴とする(図3参照)。
この構成によれば、半円形状の溝部(凹溝部36)にて安定した渦を発生させることができるので、リブ部37に当る風のエネルギ、圧力および流速を低減させることができる。
さらに、この発明の一実施形態においては、上記溝部(凹溝部36)に隣接するリブ部37上部37aの断面形状は円弧形状であり、上記溝部(凹溝部36)の曲率半径R1と、上記リブ部37の上部37aの曲率半径R2とは、同一半径(R1=R2)に設定されたものである(図3の(a)参照)。
この構成によれば、上述の溝部(凹溝部36)で安定した一定の渦を発生させることができるので、リブ部37に当る風のエネルギ、圧力および流速を確実に低減させることができる。
さらにまた、この発明の一実施形態においては、上記内側平面部35下端と上記溝部(凹溝部36)上端とは、その断面形状が円弧状の円弧部39を介して連続しており、該円弧部39の曲率半径R3と、上記溝部(凹溝部36)の曲率半径R1と、上記リブ部37の上部37aの曲率半径R2とは、それぞれ同一半径に設定されたものである(図3の(a)参照)。
この構成によれば、溝部(凹溝部36)を形成する各部の曲率半径R1,R2,R3を同一に成したので、溝部(凹溝部36)で発生する渦e4の速度を一定にして、安定した渦を発生させることができ、この結果、リブ部37に当る風のエネルギ、圧力および流速をより一層確実に低減させることができる。
加えて、この発明の一実施形態においては、上記溝部(凹溝部36)は、上記サイドバイザ30のうち長手方向中間部(図1の領域α参照)のみに設けられたものである。
この構成によれば、サイドバイザ30から風が外部に流出する長手方向中間部のみに溝部(凹溝部36)を設けることで、サイドバイザ30の剛性向上と、風切り音の低減との両立を図ることができる。
さらに、この発明の一実施形態においては、上記溝部(凹溝部36)は、上記サイドバイザ30が車両のフロントピラー11に沿って傾斜した部位に設けられたものである(図1参照)。
この構成によれば、次の如き効果がある。
すなわち、サイドバイザ30から風が外部に流出する部位は傾斜した部位であるから、上述のフロントピラー11に沿って傾斜した部位に溝部(凹溝部36)を設けることで、確実に風切り音を低減することができる。
この発明の構成と、上述の実施例との対応において、
この発明のサイドドアは、実施例のフロントドア15に対応し、
以下同様に、
溝部は、凹溝部36,36A,36B,36C,36Dに対応するも、
この発明は、上述の実施例の構成のみに限定されるものではない。
以上説明したように、本発明は、車両のサイドドアにおけるドアサッシュ部の周縁外部から車両下方に延びるサイドバイザについて有用である。
11…フロントピラー
15…フロントドア(サイドドア)
17…ドアサッシュ部
30…サイドバイザ
35…内側平面部
36,36A,36B,36C,36D…凹溝部(溝部)
37…リブ部
37a…上部
39…円弧部

Claims (4)

  1. 車両のサイドドアにおけるドアサッシュ部に沿って、車両の前後方向に延びる板状のサイドバイザであって、
    上記サイドバイザは、上記ドアサッシュ部から車両下方に延びる内側平面部と、
    サイドドアガラスに対向した下端部において上記内側平面部よりも車幅方向内側に突出したリブ部と、を備え、
    上記内側面部には、上記リブ部の上方に隣接して車幅方向外側に突出した溝部を備え
    上記溝部の断面形状は半円形状であり、
    上記溝部に隣接するリブ部上部の断面形状は円弧形状であり、
    上記溝部の曲率半径と、上記リブ部上部の曲率半径とは、同一半径に設定された
    サイドバイザ。
  2. 車両のサイドドアにおけるドアサッシュ部に沿って、車両の前後方向に延びる板状のサイドバイザであって、
    上記サイドバイザは、上記ドアサッシュ部から車両下方に延びる内側平面部と、
    サイドドアガラスに対向した下端部において上記内側平面部よりも車幅方向内側に突出したリブ部と、を備え、
    上記内側平面部には、上記リブ部の上方に隣接して車幅方向外側に突出した溝部を備え、
    上記溝部の断面形状は半円形状であり、
    上記内側平面部下端と上記溝部上端とは、その断面形状が円弧状の円弧部を介して連続しており、
    該円弧部の曲率半径と、上記溝部の曲率半径と、上記リブ部上部の曲率半径とは、それぞれ同一半径に設定された
    サイドバイザ。
  3. 車両のサイドドアにおけるドアサッシュ部に沿って、車両の前後方向に延びる板状のサイドバイザであって、
    上記サイドバイザは、上記ドアサッシュ部から車両下方に延びる内側平面部と、
    サイドドアガラスに対向した下端部において上記内側平面部よりも車幅方向内側に突出したリブ部と、を備え、
    上記内側平面部には、上記リブ部の上方に隣接して車幅方向外側に突出した溝部を備え、
    上記溝部は、上記サイドバイザのうち長手方向中間部のみに設けられた
    サイドバイザ。
  4. 上記溝部は、上記サイドバイザが車両のフロントピラーに沿って傾斜した部位に設けられた
    請求項1~の何れか一項に記載のサイドバイザ。
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