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JP7147660B2 - 歩行者保護性能評価装置 - Google Patents
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JP7147660B2 - 歩行者保護性能評価装置 - Google Patents

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Description

本発明は、車両の歩行者保護性能を評価する歩行者保護性能評価装置に関するものである。
特許文献1に記載のように、車両には衝突時における歩行者の保護のために有効な性能(以下、歩行者保護性能)の向上が求められる。そして、車両の開発に際しては、次のようにして歩行者保護性能の評価が実行される。車両開発に際して車両の意匠形状(デザイン)が決定されると、この意匠形状をもとに車両各部の図面が作成される。その後に車両各部の図面が完成すると、それら図面をもとにFEM(有限要素法)によって車両がモデル化される。そして、このモデルを用いてCAE(Computer Aided Engineering)解析を行うことにより、車両の歩行者保護性能が評価される。
特開2018-140742号公報
上述した車両開発では、車両の歩行者保護性能を評価する作業は、車両各部の図面をもとにFEMによる車両のモデル化を行う都合上、図面作成が完了した後のタイミング、すなわち車両開発工程における後の方の工程でしか実行できない。車両の開発期間は限られていることから、歩行者保護性能を評価する工程が車両開発工程における後の方の工程になると、歩行者保護性能の向上のための車両各部の形状変更の機会の減少を招くおそれがある。
本発明は、そうした実情に鑑みてなされたものであり、その目的は、車両開発工程における早いタイミングで車両の歩行者保護性能を評価することのできる歩行者保護性能評価装置を提供することにある。
上記課題を解決するための歩行者保護性能評価装置は、車両の歩行者保護性能を評価する歩行者保護性能評価装置において、前記車両の意匠形状を示す画像を記憶する入力部と、前記車両の意匠形状を示す画像と同車両の歩行者保護性能に係る情報とが組み合わされてなる教師データによって学習された畳み込みニューラルネットワークを記憶する記憶部と、前記入力部に記憶された前記画像を入力データとして、前記記憶部に記憶された学習済みの畳み込みニューラルネットワークから、前記車両の歩行者保護性能に係る情報を取得する出力部と、を有する。
車両が歩行者に衝突する際に同歩行者は車両外面に接触するため、車両の意匠形状と同車両の歩行者保護性能とは高い相関を有すると云える。上記構成では、車両の意匠形状を示す画像と同車両の歩行者保護性能に係る情報とを組み合わせた教師データによって学習済みの畳み込みニューラルネットワークが予め用意されている。これにより、車両の意匠形状(例えば前部の外面形状や、フードの外面形状)を示す画像を入力データとすることによって、学習済みの畳み込みニューラルネットワークから、車両の歩行者保護性能に係る情報を取得することができる。そのため、車両の開発過程において、車両各部の図面の作成完了を待つことなく、車両の意匠形状が決定したタイミングで、車両の歩行者保護性
能の評価を行うことができる。このように上記構成によれば、車両開発工程における早いタイミングで車両の歩行者保護性能を評価することができる。
上記歩行者保護性能評価装置において、前記画像は、前記車両のフードの意匠形状を示す画像である。
上記構成によれば、車両のフードの意匠形状を示す画像を入力データとして、学習済みの畳み込みニューラルネットワークから、フードによる歩行者の頭部保護性能を評価することができる。
上記歩行者保護性能評価装置において、前記入力部は、前記フードの同一部位における異方向の断面を示す複数の画像を各別に記憶するものであり、前記教師データは、前記フードの同一部位における異方向の断面を示す複数の画像と前記歩行者保護性能に係る情報とが組み合わされてなるデータであることが好ましい。
フードの同一部位における異方向の断面を示す複数の画像が用意される場合には、一方向の断面を示す一つの画像のみが用意される場合と比較して、三次元形状のフードの形状を精度良く予測することが可能になる。上記構成によれば、そうした異方向の断面を示す複数の画像を畳み込みニューラルネットワークの入力データとして用いることができる。そのため、三次元形状をなすフードによる頭部保護性能を精度良く評価することができる。
上記歩行者保護性能評価装置において、前記歩行者保護性能に係る情報は、頭部傷害基準値、および、頭部インパクタの前記車両への侵入量、および、前記頭部インパクタの車両衝突初期における加速度のいずれか1つを含む。
上記構成によれば、フードの画像をもとに、頭部傷害基準値、頭部インパクタの前記車両への侵入量、および頭部インパクタの車両衝突初期における加速度の少なくとも1つを求めて、フードによる歩行者保護性能を評価することができる。
本発明によれば、車両開発工程における早いタイミングで車両の歩行者保護性能を評価することができる。
一実施形態の歩行者保護性能評価装置のハードウェア構成を示すブロック図。 歩行者保護性能評価装置の学習器の構造を示す略図。 評価対象車両のフードの平面図。 教師データのファイル名の一例を示す略図。 学習処理の実行手順を示すフローチャート。 評価処理の実行手順を示すフローチャート。
以下、歩行者保護性能評価装置の一実施形態について説明する。
本実施形態の歩行者保護性能評価装置は、車両のフードの断面形状を示す画像を入力データとして、学習済みの畳み込みニューラルネットワークから、同車両の歩行者保護性能を評価する装置である。具体的には、歩行者保護性能評価装置により、車両の歩行者保護性能(詳しくは、頭部保護性能)に係る情報としての以下の(値A)~(値D)が求められる。
[値A]頭部傷害基準値(以下、HIC)。
[値B]歩行者保護試験用の頭部インパクタの車両フードへの侵入量に相当する値(以下、インパクタ侵入量)。
[値C]車両フードへの衝突初期(1ミリ秒)における頭部インパクタの平均加速度に相当する値(以下、1ミリ秒G)。
[値D]車両フードへの衝突初期(2ミリ秒)における頭部インパクタの平均加速度に相当する値(以下、2ミリ秒G)。
以下、本実施形態の歩行者保護性能評価装置のハードウェア構成について説明する。
図1に示すように、歩行者保護性能評価装置10は、制御部11、記憶部12、入力装置13および出力装置14が電気的に接続されたコンピュータである。
制御部11は、ハードウェアプロセッサであるCPU15や、RAM16、ROM17等を有している。この制御部11は、各種のプログラムやデータに基づいて各種の演算処理を実行するように構成されている。
記憶部12は、ハードディスクドライブやソリッドステートドライブなどによって構成されている。この記憶部12は、制御部11によって実行される実行プログラム18や、学習器の機械学習に利用される教師データ19、機械学習の実行を通じて作成された学習データ20、歩行者保護性能の評価対象車両の画像を記憶する入力部21、歩行者保護性能の評価結果を示す評価結果データ22等を記憶する。
実行プログラム18は、歩行者保護性能評価装置10に学習処理を実行させるとともに同学習処理の実行結果を示すデータである学習データ20を生成させるためのプログラムであり、且つ、歩行者保護性能評価装置10に評価処理を実行させるとともに同評価処理の実行結果を示す評価結果データ22を生成させるためのプログラムである。教師データ19は、歩行者保護性能を評価する能力を獲得するように、学習処理を通じて学習器の機械学習を行うためのデータである。なお、学習処理、評価処理、および教師データ19の詳細については後に詳述する。
入力装置13は、マウスやキーボードなどの入力を行うための装置である。また、出力装置14は、ディスプレイやスピーカなどの出力を行うための装置である。これら入力装置13および出力装置14によって歩行者保護性能評価装置10は操作される。
図2に示すように、歩行者保護性能評価装置10は、歩行者保護性能を評価するための機械学習を行った学習済みの学習器として、畳み込みニューラルネットワーク(以下、CNN30)を利用する。
記憶部12の入力部21は、画像データを格納する第1入力フォルダ21Aおよび第2入力フォルダ21Bを有している。第1入力フォルダ21Aには車両のフード外面の正面視断面を示す画像が保存される。第2入力フォルダ21Bには車両のフード外面の側面視断面を示す画像が保存される。本実施形態では、図3に断面線の一部を破線で示すように、フード25の正面視断面を示す画像を形成する箇所として、車両の前後方向(図3のL方向)において並ぶ複数箇所(例えば4000箇所)が定められている。また、フード25の側面視断面を示す画像を形成する箇所としては、車幅方向(図3のW方向)において並ぶ複数箇所(4000箇所)が定められている。そうした第1入力フォルダ21A(図2)および第2入力フォルダ21Bに保存される画像をもとに、制御部11は実行プログラム18を通じて歩行者保護性能の評価のための処理(学習処理や評価処理)を実行する。なお本実施形態では、正面視断面を示す画像および側面視断面を示す画像が、フード2
5の同一部位における異方向の断面を示す複数の画像に相当する。
歩行者保護性能評価装置10は、画像データを数値化する数値化部31A,31Bを2つ有している。第1数値化部31Aは第1入力フォルダ21Aに保存された画像データを数値化し、第2数値化部31Bは第2入力フォルダ21Bに保存される画像データを数値化する。これら数値化部31A,31Bでは、画像データが二次元配列の値に変換される。
CNN30は、第1入力層32Aおよび第2入力層32Bを有している。これら第1入力層32Aおよび第2入力層32Bは画像データを数値化した値が入力される層である。第1入力層32Aには第1数値化部31Aによって数値化された二次元配列の値が入力され、第2入力層32Bには第2数値化部31Bによって数値化された二次元配列の値が入力される。
CNN30は第1中間層33Aおよび第2中間層33Bを有している。第1中間層33Aおよび第2中間層33Bはそれぞれ、入力されるデータに対して畳み込み処理を行う畳み込み層34と、畳み込み層34から出力されたデータに対してプーリング処理を行うプーリング層35とを有している。第1中間層33Aおよび第2中間層33Bはそれぞれ、畳み込み層34およびプーリング層35が交互に複数回(例えば3回)並ぶ構造になっている。
CNN30は結合層36を有している。結合層36は、第1中間層33Aから出力される値と第2中間層33Bから出力される値とを結合する。
CNN30は4つの全結合層37A,37B,37C,37Dを有している。これら全結合層37A~37Dはいずれも、第1中間層33Aおよび第2中間層33Bを通じて特徴部分が取り出されたデータを一つのノードに結合するとともに、活性化関数によって変換した値(特徴変数)を出力する。本実施形態では、第1全結合層37Aは「HIC」に対応する値を出力する層であり、第2全結合層37Bは「インパクタ侵入量」に対応する値を出力する層であり、第3全結合層37Cは「1ミリ秒G」に対応する値を出力する層であり、第4全結合層37Dは「2ミリ秒G」に対応する値を出力する層である。
CNN30は4つの出力層38A,38B,38C,38Dを有している。これら出力層38A~38DはCNN30の最も出力側に配置される層である。本実施形態では、第1出力層38Aは第1全結合層37Aから出力された値をもとに「HIC」を算出して出力する層であり、第2出力層38Bは第2全結合層37Bから出力された値をもとに「インパクタ侵入量」を算出して出力する層である。また、第3出力層38Cは第3全結合層37Cから出力された値をもとに「1ミリ秒G」を算出して出力する層であり、第4出力層38Dは第4全結合層37Dから出力された値をもとに「2ミリ秒G」を算出して出力する層である。なお本実施形態では、これら出力層38A~38Dが出力部に相当する。
以下、前記学習処理の実行手順について説明する。
学習処理の実行に際して制御部11は、記憶部12に記憶されている実行プログラム18をRAM16に展開する。そして、制御部11は、実行プログラム18(詳しくは、学習処理)をCPU15により実行して、CNN30の機械学習を実行する。
また学習処理を実行する際には、記憶部12の第1入力フォルダ21Aおよび第2入力フォルダ21Bに画像(詳しくは、教師データ19)が記憶される。この画像をもとにCNN30の機械学習が実行される。
教師データ19は、開発済みの車両の歩行者保護性能を実際に測定した結果をもとに作
成される。教師データ19としては、フード外面の正面視断面を示す画像と、同フード外面の側面視断面を示す画像と、歩行者保護性能の各値(HIC、インパクタ侵入量、1ミリ秒G、2ミリ秒G)とを組み合わせたデータが多数用意されている。
教師データ19は、各入力フォルダ21A,21Bに保存される画像のファイル名によって、正面視断面を示す画像と側面視断面を示す画像と歩行者保護性能の各値とが関連付けられたデータセットになっている。具体的には、第1入力フォルダ21Aおよび第2入力フォルダ21Bに記憶される多数の画像のうち、組み合わせ対象となる一対の画像には同一のファイル名が付与されている。また、このファイル名には、それら画像を組み合わせた場合における歩行者保護性能の各値についての情報が含まれている。学習処理の実行に際して、入力フォルダ21A,21Bから同一のファイル名の画像を各別に抽出することにより、正面視断面を示す画像と側面視断面を示す画像と歩行者保護性能の各値とがセットになったデータを得ることができる。
そうしたファイル名の一例を図4に示す。図4に示す例では、ファイル名の「L1000」が正面視断面のL方向位置を示しており、同ファイル名の「W200」が側面視断面のW方向位置を示している。具体的には、ファイル名の「L1000W200」は、正面視断面のうちの車両前側から1000番目の断面と、側面視断面のうちの車両左側から200番目の断面とを組み合わせたデータであることを示している。また、上記ファイル名の「HIC500」は正面視断面と側面視断面との交点(打点座標)におけるHICが「500」であることを示しており、同ファイル名の「ST90」は上記打点座標におけるインパクタ侵入量が「90」であることを示している。さらに、上記ファイル名の「1G20」は上記打点座標における1ミリ秒Gが「20」であることを示しており、同ファイル名の「2G10」は上記打点座標における2ミリ秒Gが「10」であることを示している。本実施形態では、教師データ19として、上記打点座標毎に、多数組(例えば数千組)のデータが用意されている。
図5に示すように、本実施形態の歩行者保護性能評価装置10では、学習処理の実行に合わせて、教師データ19におけるフードの正面視断面を示す画像が第1入力フォルダ21Aに記憶されるとともに、同フードの側面視断面を示す画像が第2入力フォルダ21Bに記憶される(ステップS11)。
そして、学習処理では、各入力フォルダ21A,21Bに記憶された画像をもとに、学習器としてのCNN30の機械学習が実行される(ステップS12)。詳しくは、各入力フォルダ21A,21Bに記憶された画像のファイル名をもとに、正面視断面を示す画像と側面視断面を示す画像とが対をなす画像データが一組抽出される。そして、それら画像をCNN30の入力データとした場合に、同画像のファイル名に含まれる歩行者保護性能の各値がCNN30の出力値として得られるように、CNN30が構築される。本実施形態の学習処理では、こうしたCNN30の機械学習が、正面視断面を示す画像と側面視断面を示す画像とが対をなす画像データの組毎に実行される態様で、繰り返し実行される。そして、このとき構築したCNN30の構成(例えば、各層におけるニューロンの個数、ニューロン同士の結合関係、各ニューロンの伝達関数)や、各ニューロン間の結合の重み、並びに各ニューロンの閾値を示す情報が学習データ20として記憶部12に格納される。本実施形態では、こうした一連の処理が自動的に実行されるように、実行プログラム18が構築されて記憶部12に記憶されている。
以下、前記評価処理の実行手順について説明する。
評価処理の実行に際して制御部11は、記憶部12に記憶されている実行プログラム18をRAM16に展開する。なお、学習済みのCNN30の構成や、各ニューロン間の結合の重み、並びに各ニューロンの閾値を示す情報は、記憶部12に記憶されている学習デ
ータ20に含まれている。本実施形態では、実行プログラム18を展開する際に、そうした学習データ20が参照されて、歩行者保護性能を評価する評価処理に用いる学習済みのCNN30の設定が行われる。
図6に示すように、本実施形態の歩行者保護性能評価装置10では、評価処理の実行に合わせて、入力装置13の操作を通じて評価対象車両のフード25の正面視断面を示す画像が第1入力フォルダ21Aに記憶されるとともに、同フード25の側面視断面を示す画像が第2入力フォルダ21Bに記憶される(ステップS21)。
なお本実施形態では、評価対象車両の開発工程において意匠形状(デザイン)が決定されると、その意匠形状をもとにフード25(詳しくは、その外面)の側面視断面を示す画像と正面視断面を示す画像とが形成される。そして、評価処理の実行に合わせて、それら画像が第1入力フォルダ21Aおよび第2入力フォルダ21Bに保存される。
こうした評価用の画像としては、フード25の正面視断面を示す画像と同フード25の側面視断面を示す画像とを組み合わせた一対の画像データが前記打点座標毎に1組ずつ用意される。評価用の画像データは、各入力フォルダ21A,21Bに保存される画像に付与されたファイル名によって、正面視断面を示す画像と側面視断面を示す画像とが関連付けられたデータセットになっている。具体的には、第1入力フォルダ21Aおよび第2入力フォルダ21Bに記憶される多数の画像データのうち、組み合わせ対象となる一対の画像データには同一のファイル名(例えば、L1000W200.jpeg)が付与されている。そのため、評価処理の実行に際して、各入力フォルダ21A,21Bから同一のファイル名の画像を抽出することにより、正面視断面を示す画像と側面視断面を示す画像とがセットになったデータを得ることができる。なお、例示したファイル名(L1000W200.jpeg)における「L1000」は正面視断面のL方向位置を示しており、同ファイル名の「W200」は側面視断面のW方向位置を示している。そのため、このファイル名は、正面視断面のうちの車両前側から1000番目の断面と、側面視断面のうちの車両右側から200番目の断面とを組み合わせたデータであることを示している。
本実施形態の評価処理では、一対の画像データをもとに、学習済みのCNN30を利用して、正面視断面と側面視断面との交点(打点座標)における歩行者保護性能についての各出力値(HIC、インパクタ侵入量、1ミリ秒G、2ミリ秒G)が求められる(ステップS22)。本実施形態では、こうした歩行者保護性能についての各出力値の算出が、正面視断面を示す画像と側面視断面を示す画像とが対をなすデータセット毎に実行される態様で、繰り返し実行される。本実施形態では、こうした一連の処理が自動的に実行されるように実行プログラム18が構築されて記憶部12に記憶されている。
そして、全てのデータセットについての歩行者保護性能の出力値の算出が完了すると、それら出力値が出力される(ステップS23)。具体的には、各衝撃打点と歩行者保護性能についての各出力値との関係を示すデータ(例えば、CSVデータ)が作成されるとともに、同データが評価結果データ22として記憶部12に記憶される。また、衝撃打点と歩行者保護性能についての各出力値との関係を示す表が作成されて、出力装置14(詳しくはディスプレイ)に表示される。
本実施形態によれば、以下に記載する作用効果が得られる。
(1)車両前部が歩行者に衝突する際に、同歩行者の頭部が車両のフード25の外面に接触することがある。そのため、フード25の意匠形状と車両の歩行者保護性能とは高い相関を有すると云える。この点を踏まえて本実施形態では、フード25の断面形状を示す画像と車両の歩行者保護性能に係る情報とを組み合わせた教師データ19によって学習済みのCNN30が予め用意される。そのため、評価対象車両の開発過程において車両の意
匠形状が決定したタイミングで、同車両のフード25の断面形状を示す画像を作成してこれを入力データとすることにより、学習済みのCNN30から、同車両の歩行者保護性能に係る情報(具体的には、HIC、インパクタ侵入量、1ミリ秒G、2ミリ秒G)を取得することができる。したがって本実施形態によれば、評価対象車両の開発過程において、車両の意匠形状が決定した後に車両各部の図面の作成完了を待つことなく、車両の歩行者保護性能の評価を行うことができる。従来の装置では、図面をもとにFEMによって車両をモデル化する作業やCAE解析によって車両を評価する作業は、長い時間を要する煩雑な作業であった。本実施形態によれば、そうしたFEMやCAE解析を通じて車両の歩行者保護性能を評価する従来の装置と比較して、車両開発工程における格段に早いタイミングで簡単に車両の歩行者保護性能を評価することができるようになる。
(2)CNN30の入力データや教師データ19を構成する画像データとして、フードの正面視断面を示す画像と側面視断面を示す画像との二種類の画像が用意される。ここで、三次元形状のフードの形状を予測する際には、その予測に用いる画像として一方向の断面を示す一枚の画像のみが用意される場合と比較して、異方向の断面を示す二枚の画像が用意される場合のほうが、同フードの形状を精度良く予測することが可能である。本実施形態によれば、そうした異方向の断面を示す二枚の画像をCNN30の入力データや教師データ19として用いることができる。そのため、三次元形状のフード25の形状を正確に把握して考慮しつつ、同フード25による歩行者保護性能を精度良く評価することができる。
(3)フード25の断面形状を示す画像をもとに、HIC、インパクタ侵入量、1ミリ秒G、および2ミリ秒Gを求めて、同フード25による歩行者保護性能を評価することができる。
なお、上記実施形態は、以下のように変更して実施してもよい。
・教師データ19を、フードの正面視断面を示す画像と、同フードの側面視断面を示す画像と、歩行者保護性能の各値を示す数値データファイルとを組み合わせたデータにしてもよい。要は、フードの正面視断面を示す画像と同フードの側面視断面を示す画像と歩行者保護性能の各値とが関連付けられたデータセットであれば、教師データ19として用いることができる。
・CNN30の入力データおよび教師データ19を、フードの正面視断面を示す画像および同フードの側面視断面を示す画像の一方のみを含むデータにしてもよい。また、CNN30の入力データおよび教師データ19として、フードの断面を示す画像を含まずに同フードの外面形状を示す画像を含むデータを用いることもできる。
・CNN30の入力データおよび教師データ19を構成する画像データとして、三枚以上の画像を用いるようにしてもよい。この場合には、それら画像データに各別に対応する態様で、画像データを保存する入力フォルダや、同画像データを数値化する数値化部、CNNの入力層および中間層を設定するようにすればよい。例えば、L方向位置の異なる複数枚の正面視断面を示す画像とW方向位置の異なる複数枚の側面視断面を示す画像とを、CNN30の入力データおよび教師データ19を構成する画像データとして用いることができる。こうした構成によれば、フードにおける打点座標周辺の形状を考慮したうえで、フードによる歩行者保護性能を評価することができる。その他、CNN30の入力データおよび教師データ19を構成する画像データとして、フードの正面視断面を示す画像と、側面視断面を示す画像と、それら正面視断面および側面視断面以外の断面を示す画像とを用いることなども可能である。
・CNN30の構成は任意に変更することができる。例えば各中間層33A,33Bに
おいて畳み込み層34およびプーリング層35が交互に並ぶ回数を変更したり、ドロップアウト層を追加したりしてもよい。
・歩行者保護性能評価装置10による評価対象項目を、HIC、インパクタ侵入量、1ミリ秒G、および2ミリ秒Gのいずれか1つにしたり、いずれか2つにしたり、いずれか3つにしたりしてもよい。また、HIC、インパクタ侵入量、1ミリ秒G、および2ミリ秒G以外の値を、歩行者保護性能評価装置10の評価対象項目にすることもできる。
・歩行者保護性能の評価結果を出力する態様は、評価結果を示すデータを記憶部12に記憶したり同データを出力装置14に表示させたりすることに限らず、任意に変更することができる。
・CNNの入力データや教師データを構成する画像データに、フードの厚さを示す情報やフードの材質を示す情報を付与するようにしてもよい。例えばフードの厚さを示す情報は同フードの断面を示す線の太さを変えることによって付与することができ、フードの材質を示す情報は同フードの断面を示す線の表示色を変えることによって付与することができる。上記構成によれば、フードの厚さや材質を把握したうえで歩行者保護性能の各値の算出を行うことができるため、それら値をより精度良く算出することができる。
・歩行者保護性能の評価に用いるCNNを車種毎に設定するようにしてもよい。同一の車種であれば、車両がモデルチェンジしたところで、フードの基本構造は大きくは変わらない。そのため、上記実施形態の歩行者保護性能評価装置のように、フードの外面の断面形状を示す画像を入力データとして学習済みのCNN30から歩行者保護性能の各値を求めることにより、それら値を精度良く求めることができる。上記構成によれば、車種毎に設定されるCNNを利用して、フードによる歩行者保護性能を精度よく評価することができる。
・上記実施形態にかかる歩行者保護性能評価装置は、車両のフードによる歩行者の頭部保護性能を評価する装置に限らず、車両のバンパーによる歩行者の脚部保護性能を評価する装置にも適用することができる。この場合には、バンパーの意匠形状を示す画像を入力データとして、学習済みのCNNから、脚部保護性能を評価するようにすればよい。
10…歩行者保護性能評価装置、11…制御部、12…記憶部、13…入力装置、14…出力装置、15…CPU、16…RAM、17…ROM、18…実行プログラム、19…教師データ、20…学習データ、21…入力部、21A…第1入力フォルダ、21B…第2入力フォルダ、22…評価結果データ、25…フード、30…畳み込みニューラルネットワーク(CNN)、31A…第1数値化部、31B…第2数値化部、32A…第1入力層、32B…第2入力層、33A…第1中間層、33B…第2中間層、34…畳み込み層、35…プーリング層、36…結合層、37A…第1全結合層、37B…第2全結合層、37C…第3全結合層、37D…第4全結合層、38A…第1出力層、38B…第2出力層、38C…第3出力層、38D…第4出力層。

Claims (3)

  1. 車両の歩行者保護性能を評価する歩行者保護性能評価装置において、
    前記車両の意匠形状を示す画像として、前記車両のフードの同一部位における異方向の断面を示す複数の画像を各別に記憶する入力部と、
    前記同一部位における異方向の断面を示す複数の画像と前記車両の歩行者保護性能に係る情報とが組み合わされてなる教師データによって学習された畳み込みニューラルネットワークを記憶する記憶部と、
    前記入力部に記憶された前記同一部位における異方向の断面を示す複数の画像を入力データとして、前記記憶部に記憶された学習済みの畳み込みニューラルネットワークから、前記車両の歩行者保護性能に係る情報を取得する出力部と、
    を有することを特徴とする歩行者保護性能評価装置。
  2. 前記歩行者保護性能に係る情報は、頭部傷害基準値、および、頭部インパクタの前記車両への侵入量、および、前記頭部インパクタの車両衝突初期における加速度のいずれか1つを含む
    請求項1に記載の歩行者保護性能評価装置。
  3. 車両の歩行者保護性能を評価する歩行者保護性能評価装置において、
    前記車両の意匠形状を示す画像として、前記車両のバンパーの同一部位における異方向の断面を示す複数の画像を各別に記憶する入力部と、
    前記同一部位における異方向の断面を示す複数の画像と前記車両の歩行者保護性能に係る情報とが組み合わされてなる教師データによって学習された畳み込みニューラルネットワークを記憶する記憶部と、
    前記入力部に記憶された前記同一部位における異方向の断面を示す複数の画像を入力データとして、前記記憶部に記憶された学習済みの畳み込みニューラルネットワークから、前記車両の歩行者保護性能に係る情報を取得する出力部と、
    を有することを特徴とする歩行者保護性能評価装置。
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