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JP7149766B2 - 摺動部材用樹脂組成物及び摺動部材 - Google Patents
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JP7149766B2 - 摺動部材用樹脂組成物及び摺動部材 - Google Patents

摺動部材用樹脂組成物及び摺動部材 Download PDF

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Description

本発明は、摺動部材用樹脂組成物及び摺動部材に関する。
従来から、ポリアミド樹脂、ポリアセタール樹脂、ポリエステル樹脂、ポリフェニレンサルファイド樹脂及びポリエーテルエーテルケトン樹脂等の合成樹脂は、機械的強度及び熱的特性に優れており、射出成形等により成形して軸受及び歯車等の機械部品に使用されている。しかしながら、これらの合成樹脂単独では、限界PV値〔軸受材料が一定の荷重(P)と速度(V)以上になると材料が摩擦により融けたり、焼付いたりするときの負荷の限界値〕が低い、すなわち摺動特性に劣るという欠点がある。
摺動特性を改良するべく、合成樹脂に潤滑油やロウ等の潤滑油剤又はポリエチレン樹脂等の低摩擦特性を有する合成樹脂を配合した摺動部材あるいは摺動部材用の樹脂組成物が提案されている。例えば、ポリアセタール樹脂に潤滑油やロウ等の潤滑油剤を含有した摺動部材として、特許文献1には、ポリアセタール樹脂又はポリアミド樹脂から成る熱可塑性合成樹脂を粉末状にし、これに潤滑油剤を混ぜて撹拌してその樹脂粉末表面に潤滑油剤を均一に附着させ、次いで、これを加熱シリンダーの成形原料供給部が冷却手段によって該合成樹脂の融点以下の低温に保たれ、シリンダーの他の部分が少なくとも該合成樹脂の融点以上の温度に保たれた造粒機によって溶融混練して粒状とし、これを成形原料として所要の形状に成形する軸受などの要滑部材の製造方法が提案されている。
また、ポリアセタール樹脂にポリエチレン樹脂等の低摩擦特性を有する合成樹脂を配合した合成樹脂組成物として、特許文献2には、平均分子量50万以上を有する超高分子量のポリエチレン樹脂に潤滑油を混和したものをポリアミド樹脂及びポリアセタール樹脂等の合成樹脂材料の1又は2以上の混合物に添加し、成形して成る含油プラスチック組成物が、特許文献3には、ポリアセタール樹脂、ポリアミド樹脂及びポリエチレンテレフタレート樹脂から選ばれる結晶性熱可塑性樹脂と粉末状の高密度ポリエチレン樹脂とを溶融混合し、結晶性熱可塑性樹脂中に粉末状の高密度ポリエチレン樹脂を独立の相として含有せしめて成る耐摩耗性の改良された結晶性熱可塑性樹脂組成物が、特許文献4には、ポリアミド樹脂、ポリアセタール樹脂、ポリエステル樹脂及びポリカーボネート樹脂から選ばれる熱可塑性樹脂70~98重量%と、超高分子量ポリエチレン樹脂粉末30~2重量%とを溶融混練して成る熱可塑性樹脂組成物が、特許文献5には、高密度ポリエチレン樹脂20~45重量%とポリアセタール樹脂55~80重量%とを含有する低摩擦で摩耗の少ないポリアセタール樹脂組成物が夫々提案されている。
特公昭46-42217号公報 特公昭47-29374号公報 特公昭46-41456号公報 特公昭63-65232号公報 特開2002-105279号公報
しかしながら、特許文献1に記載された摺動部材においては、摩擦摩耗等の摺動特性を著しく向上させるが、例えば前記部品の小型軽量化を目的として、摺動相手材に合成樹脂が選択され、合成樹脂同士の摺動摩擦となった場合においては、スティックスリップを生じ、当該スティックスリップに起因するきしみ音の発生を防止することが必ずしも充分でなく、しかも、各成分が均一混合された成形体を得るための成形条件が複雑であり、成形時の成形機の各部の温度制御を必要とする等、通常の成形条件では満足し得る成形物が得られ難いという問題がある。
特許文献2ないし特許文献5に記載された合成樹脂組成物からなる摺動部材においては、摩擦摩耗等の摺動特性をある程度向上させることができるが、ポリオレフィン樹脂はポリアセタール樹脂との相溶性が悪いため、成形品が層状に剥離し、成形品の外観が損なわれることがある。
本発明は、上記諸点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、これらの合成樹脂の機械的強度、熱的特性に悪影響を与えることなく、低摩擦性及び耐摩耗性を含む摺動特性を向上させることができる摺動部材用樹脂組成物及び摺動部材を提供することにある。
本発明の摺動部材用樹脂組成物は、ポリアセタール樹脂、ポリアミド樹脂及び脂肪族ポリケトン樹脂から選択される合成樹脂を主成分として含有する摺動部材用樹脂組成物であって、主成分としての合成樹脂に加えて、組成物全質量に対して、添加剤として潤滑油1~30質量%、木質系充填材0.25~32質量%、ポリオレフィン樹脂0.65~36質量%及び相溶化剤0.005~6.8質量%を含有する。
本発明の摺動部材用樹脂組成物によれば、当該摺動部材用樹脂組成物からなる成形材料では、木質系充填剤及びポリオレフィン樹脂が潤滑油を吸収保持するので、成形材料の表面の潤滑油によるべたつきはなく、成形機のスクリューへの食い込み性がよく成形加工性が優れており、該成形材料からなる成形物(摺動部材)の表面には、剥離がなく、優れた表面状態を有した成形品となり、しかも、該摺動部材には、木質系充填剤が均一に分散含有されていると共に潤滑油が含有されているので、低摩擦性及び耐摩耗性を含む摺動特性を大幅に向上させることができる。
本発明の摺動部材用樹脂組成物は、追加成分として、天然ワックス、炭化水素系ワックス並びに高級脂肪酸及び高級脂肪酸を誘導して得られるワックス等の成形加温時に液状を呈する潤滑油剤及びセルロース繊維のうちの少なくとも一方を1~10質量%の割合で含有していてもよい。成形加温時に液状を呈する潤滑油剤は、常温で液状を呈する潤滑油を吸収保持する保持体の役割を果たすため、該摺動部材用樹脂組成物からなる摺動部材への潤滑油剤としての配合量を多くすることができ、摺動部材の摺動性を一層向上させることができる。また、セルロース繊維は、摺動部材の機械的強度及び衝撃強度を向上させることができる。
該摺動部材用樹脂組成物の成形材料からなる摺動部材は、添加剤としての潤滑油と木質系充填材とポリオレフィン樹脂と相溶化剤と、主成分としての合成樹脂とを夫々所定量の割合で計量し、これらを混合機で混合して混合物を作製し、該混合物をベント付一軸又は二軸スクリュー型押出機又は無ベント式一軸又は二軸スクリュー型押出機に投入して紐状の成形物に成形した後、該成形物を裁断して粒子状にした成形材料ペレットを作製し、この成形材料ペレットを射出成形機等による成形手段によって成形して形成されてもよく、また、予め木質充填材とポリオレフィン樹脂と相溶化剤とを夫々所定量の割合で計量し、これらを混合機で混合して混合物を作製し、該混合物を該スクリュー型押出機に投入し、溶融混練して紐状の成形物に成形した後、該成形物を裁断して樹脂添加剤マスターバッチペレットを作製し、この樹脂添加剤マスターバッチペレットと潤滑油と合成樹脂を所定量の割合で夫々計量し、これらを混合機で混合して混合物を作製し、該混合物を該スクリュー型押出機に投入して紐状の成形物に成形した後、裁断して粒子状にした成形材料ペレットを作製し、この成形材料ペレットを射出成形機等による成形手段によって成形して形成されてもよい。
後者の摺動部材を、木質系充填材とポリオレフィン樹脂と相溶化剤とからなる樹脂添加剤マスターバッチペレットを使用して作成することにより、摺動部材への木質充填材の偏析を防止できるので該木質充填材の均一な分散が可能となり、作成された摺動部材の表面には、剥離がなく優れた表面状態を有するという利点がある。
本発明によれば、低摩擦性及び耐摩耗性を含む摺動特性を向上させることができる摺動部材用樹脂組成物及び摺動部材を提供することができる。
図1は、スラスト試験方法を説明するための斜視説明図である。
本発明の摺動部材用樹脂組成物は、主成分としての合成樹脂に加えて、組成物全質量に対して、添加剤として潤滑油1~30質量%、木質系充填材0.25~32質量%、ポリオレフィン樹脂0.65~36質量%及び相溶化剤0.005~6.8質量%を含有する。
本発明の摺動部材用樹脂組成物において、マトリックス(主成分)を形成する合成樹脂としては、ポリアセタール樹脂、ポリアミド樹脂及び脂肪族ポリケトン樹脂等が挙げられる。
ポリアセタール樹脂は、オキシメチレン基(-CH2O-)を主たる構成単位とする高分子化合物であり、オキシメチレン単位のみからなるポリアセタールホモポリマーと、オキシメチレン単位及びコモノマー単位を含有するポリアセタールコポリマーとが含まれる。本発明においてはポリアセタール樹脂として、ポリアセタールホモポリマー及びポリアセタールコポリマーのいずれも使用することが可能であるが、熱安定性の点からは、ポリアセタールコポリマーが好ましい。
ポリアセタール樹脂の分子量(数平均分子量)は、その成形が可能な限り特に制限はないが、20,000~80,000の範囲である。そして、ASTM-D-1238法によるメルトフローレート(MFR)が測定可能であり、温度190℃、測定荷重2160gの条件下において測定したMFRが0.1~100g/minの範囲のポリアセタール樹脂が好ましく、特に好ましくはMFRが1.0~5.0g/10minの範囲のポリアセタール樹脂である。
ポリアセタール樹脂の具体例としては、分子量50,000~70,000のポリアセタールホモポリマー(例えば、米国デュポン社製の商品名「デルリン」、旭化成社製の商品名「テナック」など)、分子量50,000のポリアセタールコポリマー(例えば、ポリプラスチックス社製の商品名「ジュラコン」など)が挙げられる。
ポリアミド樹脂(ナイロン)としては、脂肪族ポリアミド樹脂が挙げられ、具体的には、ε-カプロラクタム(炭素数6)の重縮合反応により合成されるナイロン6、ウンデカンラクタム(炭素数11)の重縮合反応により合成されるナイロン11、ラウリルラクタム(炭素数12)の重縮合反応により合成されるナイロン12、ヘキサメチレンジアミン(炭素数6)とセバシン酸(炭素数10)との共縮重合反応により合成されるナイロン610、カプロラクタム(炭素数6)とラウリルラクタム(炭素数12)とのωアミノ酸同士の共縮重合反応により合成されるナイロン612等を例示し得る。
ポリアミド(ナイロン)樹脂の具体例としては、東レ社製のナイロン6、ナイロン11、ナイロン12、ナイロン610(商品名「アミラン」)、デュポン社製のナイロン6、ナイロン11、ナイロン12、ナイロン612(商品名「ザイテル」)、ダイセル・エボニック社製のナイロン11、ナイロン12(商品名「ベスタミド」)、アルケマ社製のナイロン11、ナイロン12(商品名「リルサン」)等が挙げられる。
脂肪族ポリケトン樹脂は、下記一般式(I)で表されるものが好ましく、一般式(I)において、Rの80モル%以上がエチレン由来の連結基であることが好ましい。
Figure 0007149766000001
〔(I)式中、Rはエチレン性不飽和化合物由来の連結基であり、各繰り返し単位において、同一であっても異なっていても良い。〕
脂肪族ポリケトン樹脂の具体例としては、ヒョスング社製のポリケトン樹脂(商品名「
カリロン:Karilon」)が挙げられる。
本発明の摺動部材用樹脂組成物において、添加剤としての潤滑油としては、スピンドル油、冷凍機油、ダイナモ油、タービン油、マシン油、シリンダー油及びギア油等のパラフィン系及びナフテン系鉱油、鯨油等の動物油、ひまし油及びホホバ油等の植物油、エステル並びにポリグリコール、ポリフェニルエーテル、シリコーン及びハロカーボン等の合成油の少なくとも一つから選択される常温で液状を呈する潤滑油(常温とは通常、15~27℃程度、概ね20℃程度)が挙げられる。
摺動部材用樹脂組成物において潤滑油の配合量は、組成物全質量に対して、1~30質量%、好ましくは3~20質量%である。潤滑油の配合量が1質量%未満では、摺動性の向上に効果がなく、また配合量が30質量%を超えると成形によって得られた摺動部材の機械的性質の低下や表面外観の低下、スクリューへの食い込み不良等を発生する虞がある。
本発明の摺動部材用樹脂組成物において、添加剤としての木質系充填材としては、スギ、アカマツ、エゾマツ、トドマツ、ベイマツ、ベイツガ及びヒノキなどの針葉樹並びにキリ、シナノキ、ブナ、マカバ、カツラ、カエデ、ミズナラ及びケヤキなどの広葉樹などに由来する木粉のほか、アシ(ヨシ)、稲わら、籾殻及びヤシの実などの植物材料に由来する粉末や竹、麻、草木類及び農産物などの植物材料などの粉末が含まれる。さらに、木質系充填材として、例えば、木質合板、パーティクルボード(チップボード)、MDF(Medium Density Fiberboard:中密度繊維板)及びOSB(Oriented Strand Board:配向性ストランドボード)などの木質ボードの廃材などをカッターミルなどによって破断し、これをボールミルやインペラーミルなどによって粉砕して、微粉状にしたものなどを用いてもよい。木質系充填材の粒径としては、100~500μm程度とすることが好ましく、木質系充填材は、充分に乾燥したもの(木質系充填材の全質量に対して、水分量が3質量%以下、さらには2質量%以下、特に1質量%以下)を用いるのが好ましい。
摺動部材用樹脂組成物において木質系充填材の配合量は、組成物全質量に対して、0.25~32質量%、好ましくは3~24質量%である。
摺動部材用樹脂組成物において、添加剤としてのポリオレフィン樹脂は、前記潤滑油と親和性(親油性)を有するもので、斯かるポリオレフィン樹脂として、ポリエチレン、ポリプロピレン、プロピレン-エチレン(ブロック又はランダム)共重合体、エチレン-プロピレンエラストマー、エチレン-プロピレン-ジシクロペンタジエンエラストマー、エチレン-アクリル酸エステル共重合体及びエチレン-酢酸ビニル共重合体等を好ましい例として挙げることができる。これらポリオレフィン樹脂は、融点が200℃以下であるので、前記木質系充填材との混合工程において、当該木質系充填材の変質(分解)を極力防止できる。
ポリオレフィン樹脂としては、特に前記潤滑油と親和性(親油性)の高い、例えば、密度が0.910~0.940g/cmの低密度ポリエチレン樹脂(LDPE)、密度が0.910~0.930g/cmの直鎖状低密度ポリエチレン樹脂(LLDPE)、密度が0.925~0.942g/cmの中密度ポリエチレン樹脂(MDPE)、密度が0.940~0.970g/cmの高密度ポリエチレン樹脂(HDPE)及び分子量が100万以上の超高分子量ポリエチレン樹脂(UHMWPE)等のポリエチレン樹脂が好ましく使用される。
摺動部材用樹脂組成物においてポリオレフィン樹脂の配合量は、組成物全質量に対して、0.65~36質量%、好ましくは1~10質量%である。
摺動部材用樹脂組成物において、添加剤としての相溶化剤は、前記木質系充填材のポリオレフィン樹脂及び合成樹脂への分散性を高めるために使用される。木質系充填材は、多くの水酸基を有しており、粉砕時又は混合時に、互いに凝集する虞を有している。相溶化剤を添加することにより、木質系充填材の表面が相溶化剤によって被覆され、前記ポリオレフィン樹脂及び合成樹脂と木質系充填材との馴染みが良くなり、木質系充填材の分散性の向上が図られる。
相溶化剤としては、不飽和カルボン酸又はその誘導体などのグラフトモノマーを前記ポリオレフィン樹脂にグラフト重合させて得られる変性ポリオレフィン樹脂が使用される。
不飽和カルボン酸としては、アクリル酸、メタクリル酸、α-エチルアクリル酸、クロトン酸、イソクロトン酸、フラン酸、ペンテン酸、ビニル酢酸、アンゲリカ酸等の一塩基性不飽和カルボン酸、マレイン酸、クロロマレイン酸、フマール酸、テトラヒドロフタル酸、イタコン酸、グルタコン酸、シトラコン酸、エンドシス-ビシクロ〔2,2,1〕ヘプト-5-エン-2,3-ジカルボン酸(商品名:ナジック酸)、メチル-エンドシス-ビシクロ〔2,2,1〕ヘプト-5-エン-2,3-ジカルボン酸(商品名:メチルナジック酸)等の二塩基性不飽和カルボン酸、クエン酸、アコニット酸等の三塩基性不飽和カルボン酸が挙げられる。
また、不飽和カルボン酸の誘導体としては、前記一塩基性、二塩基性及び三塩基性不飽和カルボン酸の誘導体、例えば、酸ハライド、アミド、イミド、酸無水物、エステル及び塩(ナトリウム塩及び亜鉛塩等)等が挙げられる。かかる不飽和カルボン酸の誘導体の具体例としては、塩化マレニル、アクリルアミド、マレイミド、N-フェニルマレイミド、N-メチルマレイミド、N-エチルマレイミド、無水マレイン酸、無水イタコン酸、無水グルタコン酸、無水シトラコン酸、エンドシス-ビシクロ〔2,2,1〕ヘプト-5-エン-2,3-ジカルボン酸無水物(商品名:無水ナジック酸)、無水アコニット酸、アクリル酸メチル、メタクリル酸メチル、マレイン酸モノメチル、マレイン酸ジメチル、イタコン酸ジエチル、シトラコン酸ジブチル、グリシジルアクリレート、グリシジルメタクリレート、ジグリシジルマレエート、アクリル酸ナトリウム及びアクリル酸亜鉛等が挙げられる。
不飽和カルボン酸又は不飽和カルボン酸の誘導体の中でも、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、クエン酸、これら不飽和カルボン酸のナトリウム塩や亜鉛塩、無水マレイン酸、無水イタコン酸及び無水ナジック酸が好ましい。
変性用モノマーのグラフト量は、ポリオレフィン樹脂100重量部に対して0.1~20質量部(0.1~17質量%)、好ましくは0.2~15質量部(0.2~13質量%)、さらに好ましくは0.3~10質量部(0.3~9質量%)の割合で導入されているのが好ましい。
上記成分組成の摺動部材用樹脂組成物からなる摺動部材は、組成物全質量に対して、添加剤としての潤滑油1~30質量%と木質系充填材0.25~32質量%とポリオレフィン樹脂0.65~36質量%及び相溶化剤0.005~6.8質量%と、主成分としての合成樹脂とを夫々所定量の割合で計量し、これらをヘンシェルミキサー、スーパーミキサー、ボールミル及びタンブラーミキサー等の混合機で混合物を作製し、該混合物をベント付一軸若しくは二軸スクリュー型押出機又は無ベント一軸若しくは二軸スクリュー型押出機に投入し、溶融混錬して紐状の成形物を成形したのち、該成形物を裁断して粒子状の成形材料ペレットを作製し、この成形材料ペレットを射出成形機等による成形手段によって円筒ブッシュや板状体等の所望の形状に成形される。
また、上記成分組成の摺動部材用樹脂組成物からなる摺動部材は、上記製法の他に次の製法によって成形することもできる。すなわち、予め木質系充填材とポリオレフィン樹脂と相溶化剤とを夫々所定量の割合で計量し、これらを前記製法と同様の混合機で混合して、組成物全質量に対して、木質系充填材5~80質量%とポリオレフィン樹脂13~90質量%と相溶化剤0.1~17質量%とからなる混合物を作製し、該混合物を前記と同様のスクリュー型押出機に投入し、溶融混錬して紐状の成形物に成形した後、該成形物を裁断して粒子状のペレットを作製する。このペレットは、主成分としての合成樹脂に希釈される樹脂添加剤マスターバッチペレットとなる。そして、組成物全質量に対して、潤滑油1~30質量%と、樹脂添加剤マスターバッチペレット(木質系充填材5~80質量%とポリオレフィン樹脂13~90質量%及び相溶化剤0.1~17質量%)5~40質量%と、残部が主成分の合成樹脂とを混合機で混合物を作製し、該混合物を前記と同様のスクリュー型押出機に投入し、溶融混錬して紐状の成形物に成形した後、該成形物を裁断して粒子状の成形材料ペレットを作製し、この成形材料ペレットを射出成形機等による成形手段によって円筒ブッシュや板状体等の所望の形状に成形される。
主成分としての合成樹脂に加えて、組成物全質量に対して、添加剤として潤滑油1~30質量%、木質系充填材0.25~32質量%、ポリオレフィン樹脂0.65~36質量%及び相溶化剤0.005~6.8質量%を含有する本発明の摺動部材用樹脂組成物によれば、当該摺動部材用樹脂組成物からなる成形材料ペレットは、成形材料ペレットの表面の潤滑油によるべたつきはなく、成形機のスクリューへの食い込み性がよく成形加工性が優れており、該成形材料ペレットからなる成形品(摺動部材)の表面には、剥離がなく優れた表面状態を有している。該摺動部材用樹脂組成物からなる成形材料ペレットを成形して得られる摺動部材には、木質系充填材が均一に分散含有されていると共に潤滑油が含有されているので、該摺動部材は、低摩擦性及び耐摩耗性を含む摺動特性が大幅に向上される。
本発明の摺動部材用樹脂組成物において、追加成分として、成形加温時に液状を呈する潤滑油剤及びセルロース繊維のうちの少なくとも一方を配合することができる。
成形加温時に液状を呈する潤滑油剤としては、天然ワックス、炭化水素系ワックス、高級脂肪酸及び高級脂肪酸を誘導して得られるワックス等のロウ状を呈する物質が挙げられる。
天然ワックスとしては、モンタンワックス及びカルナウバワックス等が挙げられる。
炭化水素系ワックスとしては、概ね炭素数が24以上のパラフィン系ワックス、概ね炭素数が26以上のオレフィン系ワックス、概ね炭素数が28以上のアルキルベンゼン及びマイクロクリスタリンワックスが挙げられる。炭化水素系ワックスの具体例としては、日本精蝋(株)製のパラフィンワックス「150」、クラリアントジャパン(株)製のポリエチレンワックス「リコワックスPE520(商品名)」、日本精蝋(株)製のマイクロクリスタリンワックス「Hi-Mic-1080(商品名)」、「Hi-Mic-2045(商品名)」、「Hi-Mic-2095(商品名)」、「Luvax2191(商品名)」及び日興リカ(株)製のポリエチレンワックスとパラフィンワックスとの混合物「ゴデスワックス(商品名)」等が挙げられる。
高級脂肪酸としては、概ね炭素数が12以上のラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、アラキジン酸、ベヘン酸、セロチン酸及びモンタン酸などの高級飽和脂肪酸、そして概ね炭素数が18以上のオレイン酸、リノール酸、リノレン酸、エライジン酸、オクタデセン酸、アラキドン酸、カドレイン酸、エルカ酸及びパリナリン酸などの不飽和脂肪酸などが挙げられる。
高級脂肪酸を誘導して得られるワックスとしては、高級脂肪酸エステル、高級脂肪酸アミド及び高級脂肪酸塩などが挙げられる。
高級脂肪酸エステルは、上記高級脂肪酸と一価又は多価アルコールとのエステルである。一価アルコールとしては、カプリルアルコール、ラウリルアルコール、ミリスチルアルコール、パルミチルアルコール、ステアリルアルコール及びベヘニルアルコール等が挙げられ、多価アルコールとしては、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブタンジオール、グリセリン、ペンタエリスリトール及びソルビット等が挙げられる。高級脂肪酸エステルの具体例としては、ステアリルステアレート、ペンタエリスリトールテトラステアレート、ステアリン酸モノグリセリド、ベヘン酸モノグリセリド及びモンタン酸ワックス等が挙げられる。
高級脂肪酸アミドとしては、ラウリン酸アミド、パルミチン酸アミド、ステアリン酸アミド及びベヘニン酸アミド等の飽和高級脂肪酸アミド、エルカ酸アミド、オレイン酸アミド、ブラシジン酸アミド及びエライジン酸アミド等の不飽和高級脂肪酸アミド、メチレンビスステアリン酸アミド、エチレンビスステアリン酸アミド及びエチレンビスオレイン酸アミド等の高級脂肪酸ビスアミドが挙げられる(高級脂肪酸メチルアミド及び高級脂肪酸エチルアミド等の飽和または不飽和高級脂肪酸アルキルアミドも含む)。
高級脂肪酸塩(金属石ケン)は、前記高級脂肪酸とリチウム、マグネシウム、カルシウム、バリウム及び亜鉛などとの塩である。高級脂肪酸塩の具体例としては、ステアリン酸リチウム、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸亜鉛及びステアリン酸マグネシウム等が挙げられる。
これらの潤滑油剤は1種類を用いてもよいし、2種類以上を組み合わせて用いてもよく
、成形加温時に液状を呈する潤滑油剤と常温で液状を呈する潤滑油剤とを併用する場合、成形加温時に液状を呈する潤滑油剤が常温で液状を呈する潤滑油剤を吸収保持する保持体の役割を果たすために、潤滑油剤としての配合量を多くすることができ、摺動部材の摺動性を一層向上させることができる。
成形加温時に液状を呈する潤滑油剤の配合量は、組成物全質量に対して、0.1~10質量%、好ましくは0.5~5質量%である。潤滑油剤の配合量が0.1質量%未満では、摺動性の向上に効果がなく、また配合量が10質量%を超えると成形によって得られた摺動部材の機械的性質の低下や表面外観の低下、スクリューへの噛み込み不良等を発生する虞がある。
セルロース繊維は、摺動部材用樹脂組成物からなる成形物(摺動部材)に分散含有されて機械的強度と衝撃強度を向上させる。セルロース繊維としては、木材繊維(針葉樹、広葉樹等の木材パルプ等)、竹繊維、サトウキビ繊維、種子毛繊維(コットンリンター、ボンバックス綿、カポック等)、ジン皮繊維(麻、コウゾ、ミツマタ等)及び葉繊維(マニラ麻、ニュージーランド麻等)などの天然セルロース繊維(パルプ繊維)が挙げられる。
セルロース繊維の平均繊維長(L)は、好ましくは0.1~100μm、より好ましくは0.5~80μmである。また、セルロース繊維の平均繊維径(直径:D)は、好ましくは4nm~100μm、より好ましくは4nm~90μmである。さらに、セルロース繊維のアスペクト比(L/D)は、好ましくは2~2,000、より好ましくは20~1,000である。
セルロース繊維の具体例としては、例えば、大阪ガスケミカル社製の親水性のセルロースを疎水性のフルオレン基で表面処理した「フルオレンセルロース(商品名)」等が挙げられる。
このセルロース繊維の配合量は、組成物全質量に対して、1~10質量%、好ましくは3~5質量%である。配合量が1質量%未満では、成形物の機械的強度や衝撃強度の向上に効果が発揮されず、また配合量が10質量%を超えると成形物への分散性が損なわれて偏析を生じ、却って成形物の機械的強度や衝撃強度を低下させる虞がある。
本発明の摺動部材用樹脂組成物には、本発明の目的を損なわない限り、必要に応じて、二硫化モリブデン、黒鉛、ポリテトラフルオロエチレン等の固体潤滑剤、ガラス繊維、カーボン繊維、アラミド繊維、チタン酸カリウムファイバー及び同ウィスカー等の繊維状物質、ガラス粉末、タルク、クレイ、炭酸カルシウム及び酸化亜鉛などの無機充填材を添加することが出来る。
更には、公知の各種安定剤を添加して安定性を補強することが出来る。また、目的とする用途に応じてその性質を改善するために、公知の添加剤を配合することが出来る。添加剤としては、各種の着色剤、離型剤(前記の潤滑剤以外)、帯電防止剤及び界面活性剤などが挙げられる。
以下、本発明を実施例により詳細に説明するが、本発明は、これら実施例に限定されるものではない。なお、以下の例において、摺動部材の摩擦摩耗特性は、次のスラスト試験により評価した。
<スラスト試験>
試験方法:表1及び表2に示す試験条件で、図1に示すように、一辺が30mmの方形状の軸受試験片(摺動部材)1を試験台に固定し、相手材となる円筒体2から軸受試験片1の一方の面3に、当該面3に直交する方向Xの所定の荷重をかけながら、円筒体2を当該円筒体2の軸心4の周りで方向Yに回転させ、軸受試験片1と円筒体2の間の摩擦係数及び試験後の軸受試験片1の面3の摩耗量を測定した。摩擦係数については、試験を開始してから1時間経過以降、試験終了までの安定時の摩擦係数を示し、また摩耗量については、試験時間8時間後の摺動面の寸法変化量で示した。
[表1]
<スラスト試験:I>
すべり速度 1m/min
荷重(面圧) 100kgf/cm
試験時間 8時間
試験片 方形状摺動部材(一辺30mm)
相手材 中空円筒状相手材〔ステンレス鋼(SUS304)、内径20mm、外径25.6mm、長さ15mm〕
潤滑 無潤滑
[表2]
<スラスト試験:II>
すべり速度 20m/min
荷重(面圧) 10kgf/cm
試験時間 8時間
試験片 方形状摺動部材(一辺30mm)
相手材 中空円筒状相手材〔ステンレス鋼(SUS304)、内径20mm、外径25.6mm、長さ15mm〕
潤滑 無潤滑
以下の諸例において、マトリックスを形成する合成樹脂、常温で液状を呈する潤滑油、木質系充填材、ポリオレフィン樹脂、相溶化剤、セルロース繊維及び成形加温時に液状を呈する潤滑油剤は、以下に示す材料を使用した。
<マトリックスを形成する合成樹脂>
(1) ポリアセタール樹脂(ポリプラスチックス社製の「ジュラコンM90(商品名)
」)
(2) ポリアミド樹脂(ナイロン6:東レ社製の「アミランCM(商品名)」)
(3) 脂肪族ポリケトン樹脂(ヒョスング社製のポリケトン樹脂(商品名「カリロン:Karilon」)
<常温で液状を呈する潤滑油>
ホホバ油(植物油)
タービン油(鉱油)
<木質系充填材>
木粉(粒径100~500μmの範囲に分布し、水分量が1質量%以下の木粉)
<ポリオレフィン樹脂>
高密度ポリエチレン樹脂(密度0.956g/cm
<相溶化剤>
マレイン酸変性ポリエチレン樹脂
(高密度ポリエチレン樹脂100質量部に対し、無水マレイン酸1質量部及び重合開始剤としてラウロイルパーオキサイド1重量部を添加して混合し、この混合物をオートクレーブに入れ230℃に加熱することによりマレイン酸をグラフト化したマレイン酸変性ポリエチレン樹脂)
<セルロース繊維>
アスペクト比(L/D)500の天然セルロース繊維
<成形加温時に液状を呈する潤滑油剤>
パラフィンワックス(炭化水素系ワックス)
実施例1~6
木粉70質量%と、マレイン酸変性ポリエチレン樹脂3質量%と、高密度ポリエチレン樹脂27質量%とを計量し、これらをタンブラーミキサーで混合して混合物を作製した。この混合物をベント付二軸スクリュー型押出機に供給し、溶融混練して紐状の成形物を成形したのち、この成形物を裁断して粒子状の樹脂添加剤マスターバッチペレットを作製した。この樹脂添加剤マスターバッチペレット2~20質量%と、ホホバ油1~15質量%と、ポリアセタール樹脂65~97質量%(残部)とを夫々計量し、これらをタンブラーミキサーで混合して混合物を作製した。この混合物をベント付二軸スクリュー型押出機に供給し、溶融混練して紐状の成形物を成形したのち該成形物を裁断して粒子状の成形材料ペレットを作製した。次いで、この成形材料ペレットをスクリュー型射出成形機に供給して射出成形し、一辺が30mm、厚さ3mmの寸法を有する方形状の成形物(摺動部材)を作製した。この摺動部材の成分組成を表3及び表4の実施例1~6に示す。
実施例7~8
実施例1~6と同様の樹脂添加剤マスターバッチペレットを作製した。この樹脂添加剤マスターバッチペレット10質量%と、ホホバ油5質量%と、合成樹脂としてポリアミド樹脂又は脂肪族ポリケトン樹脂85質量%とを夫々計量し、これらをタンブラーミキサーで混合して混合物を作製した。この混合物をベント付二軸スクリュー型押出機に供給し、溶融混練して紐状の成形物を成形した後、裁断して粒子状の成形材料ペレットを作製した。次いで、この成形材料ペレットを用いて実施例1~6と同様の方法で一辺が30mm、厚さ3mmの寸法を有する方形状の成形物(摺動部材)を作製した。この摺動部材の成分組成を表4の実施例7及び8に示す。
実施例9~17
実施例1~6と同様の樹脂添加剤マスターバッチペレットを作製した。この樹脂添加剤マスターバッチペレット5~20質量%と、タービン油又はホホバ油3~5質量%と、パラフィンワックス3~5質量%及び天然セルロース繊維3~5質量%のうちの少なくとも一方と、ポリアセタール樹脂71~89質量%とを夫々計量し、これらをタンブラーミキサーで混合して混合物を作製した。この混合物をベント付二軸スクリュー型押出機に供給し、溶融混練して紐状の成形物を成形した後、裁断して粒子状の成形材料ペレットを作製した。以下、この成形材料ペレットを使用して実施例1~6と同様の方法で一辺が30mm、厚さ3mmの寸法を有する方形状の成形物(摺動部材)を作製した。この摺動部材の成分組成を表5から表7の実施例9~17に示す。
実施例18~22
ホホバ油3~30質量%と、木粉3.8~32質量%と、高密度ポリエチレン樹脂10~30質量%と、マレイン酸変性ポリエチレン樹脂1.2~3.5質量%と、ポリアセタール樹脂50~59.5質量%とを夫々計量し、これらをタンブラーミキサーで混合して混合物を作製した。この混合物をベント付二軸スクリュー型押出機に供給し、溶融混練して紐状の成形物を成形した後、この成形物を裁断して粒子状の成形材料ペレットを作製した。以下、この成形材料ペレットを使用して実施例1~6と同様の方法で一辺が30mm、厚さ3mmの寸法を有する方形状の成形物(摺動部材)を作製した。この摺動部材の成分組成を表7及び表8の実施例18~22に示す。
実施例23~25
ホホバ油10質量%と、木粉3.8質量%と、高密度ポリエチレン樹脂20質量%と、マレイン酸変性ポリエチレン樹脂2.5質量%と、パラフィンワックス5質量%及び天然セルロース繊維5質量%のうちの少なくとも一方と、ポリアセタール樹脂53.7~58.7質量%とを夫々計量し、これらをタンブラーミキサーで混合して混合物を作製した。この混合物をベント付二軸スクリュー型押出機に供給し、溶融混練して紐状の成形物を成形した後、この成形物を裁断して粒子状の成形材料ペレットを作製した。以下、この成形材料ペレットを使用して実施例1~6と同様の方法で一辺が30mm、厚さ3mmの寸法を有する方形状の成形物(摺動部材)を作製した。この摺動部材の成分組成を表8及び表9の実施例23~25に示す。
比較例1
実施例と同様のポリアセタール樹脂からなる粒子状の成形材料ペレットを作製し、この成形材料ペレットをベント付二軸スクリュー型射出成形機に供給して射出成形し、一辺が30mm、厚さ3mmの寸法を有する方形状成形物(摺動部材)を作製した。この摺動部材の成分組成を表9の比較例1に示す。
比較例2
実施例と同様のポリアセタール樹脂97質量%と潤滑油としてタービン油3質量%とを夫々計量し、これらをタンブラーミキサーで混合して混合物を作製したのち、この混合物をベント付二軸スクリュー型押出機に供給し、溶融混練して紐状の成形物を成形したのち裁断して粒子状の成形材料ペレットを作製した。以下、この成形材料ペレットを実施例と同様の方法で一辺が30mm、厚さ3mmの寸法を有する方形状の成形物(摺動部材)を作製した。この摺動部材の成分組成を表9の比較例2に示す。
比較例3
超高分子ポリエチレン樹脂〔三井化学社製の「ハイゼックスミリオン(商品名)」〕80質量%と潤滑油としてタービン油20質量%とを計量し、これらをタンブラーミキサーで混合して混合物を作製したのち、この混合物をベント付二軸スクリュー型押出機に供給し、溶融混練して紐状の成形物を成形したのち裁断して、鉱油20質量%と超高分子ポリエチレン樹脂80質量%を含む樹脂添加剤マスターバッチペレットを作製した。この樹脂添加剤マスターバッチペレット50質量%と実施例と同様のポリアセタール樹脂50質量%とを夫々計量し、これらをタンブラーミキサーで混合して混合物を作製したのち、この混合物をベント付二軸スクリュー型押出機に供給し、溶融混練して紐状の成形物を成形したのち裁断して粒子状の成形材料ペレットを作製した。以下、この成形材料ペレットを使用して実施例と同様の方法で一辺が30mm、厚さ3mmの寸法を有する方形状の成形物(摺動部材)を作製した。この摺動部材の成分組成を表9の比較例3に示す。
Figure 0007149766000002
Figure 0007149766000003
Figure 0007149766000004
Figure 0007149766000005
Figure 0007149766000006
Figure 0007149766000007
Figure 0007149766000008
以上の試験結果から、実施例からなる摺動部材は、低速度高面圧(スラスト試験:I)の条件下での使用においても高速度低面圧(スラスト試験:II)の条件下での使用においても、低摩擦性及び耐摩耗性を含む摺動特性に優れていることが分かる。また、実施例からなる摺動部材は、その表面に剥離がなく優れた表面状態を有していることを目視により確認した。
以上説明したように、本発明の摺動部材用樹脂組成物からなる成形材料では、木質系充填剤及びポリオレフィン樹脂が潤滑油を吸収保持するので、成形材料の表面の潤滑油によるべたつきはなく、成形機のスクリューへの食い込み性がよく成形加工性が優れており、該成形材料からなる成形物(摺動部材)の表面には、剥離がなく、優れた表面状態を有した成形品となり、しかも、該摺動部材には、木質系充填剤が均一に分散含有されていると共に潤滑油が含有されているので、低摩擦性及び耐摩耗性を含む摺動特性を大幅に向上させることができる。
1 軸受試験片(摺動部材)
2 円筒体(相手材)
3 面
4 軸心

Claims (6)

  1. ポリアセタール樹脂、ポリアミド樹脂及び脂肪族ポリケトン樹脂から選択される合成樹脂を主成分として含有する摺動部材用樹脂組成物であって、前記主成分としての合成樹脂に加えて、組成物全質量に対して、添加剤として潤滑油1~30質量%、木質系充填材0.25~32質量%、ポリオレフィン樹脂0.65~36質量%及び相溶化剤0.005~6.8質量%を含有する摺動部材用樹脂組成物。
  2. 潤滑油は、パラフィン系及びナフテン系鉱油、動物油、植物油及び合成油の少なくとも一つから選択される常温で液状を呈する潤滑油である請求項1に記載の摺動部材用樹脂組成物。
  3. 木質系充填材は、木、竹、稲わら、籾殻、合板、パーティクルボード、中密度繊維板(MDF)、配向性ストランドボード(OSB)及び集成材の少なくとも一つから選択される粉末である請求項1または2に記載の摺動部材用樹脂組成物。
  4. ポリオレフィン樹脂は、低密度ポリエチレン樹脂、直鎖状低密度ポリエチレン樹脂、中密度ポリエチレン樹脂、高密度ポリエチレン樹脂及び超高分子量ポリエチレン樹脂から選択されるポリエチレン樹脂である請求項1からのいずれか一項に記載の摺動部材用樹脂組成物。
  5. 相溶化剤は、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、クエン酸、これら不飽和カルボン酸のナトリウム塩や亜鉛塩、無水マレイン酸、無水イタコン酸及び無水ナジック酸を含む不飽和カルボン酸又は不飽和カルボン酸の誘導体から選ばれたモノマーでグラフトされた変性ポリオレフィン樹脂からなる請求項1からのいずれか一項に記載の摺動部材用樹脂組成物。
  6. 請求項1からのいずれか一項に記載の摺動部材用樹脂組成物からなる摺動部材であって、組成物全質量に対して、潤滑油1~30質量%と木質系充填材0.25~32質量%とポリオレフィン樹脂0.65~36質量%と相溶化剤0.005~6.8質量%とが合成樹脂中に分散含有されていることを特徴とする摺動部材。
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