JP7166239B2 - 吸放湿性水性インキ及びその製造方法、並びに包装材 - Google Patents
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Description
本発明の一実施形態の水性インキは、茶殻及び珪藻土を含有する吸放湿性水性インキである。この吸放湿性水性インキは、茶殻及び珪藻土の合計の乾燥質量としての含有量が、吸放湿性水性インキの総固形分の質量を基準として、10~30質量%の範囲内である。
本発明の一実施形態の包装材は、紙製基材と、紙製基材に設けられた吸放湿性インキ層と、を備える。この包装材における吸放湿性インキ層は、茶殻及び珪藻土を含有し、吸放湿性インキ層中の茶殻及び珪藻土の合計の乾燥質量としての含有量が10~30質量%の範囲内である。
[1]水性インキであって、前記水性インキは、茶殻及び珪藻土を含有する吸放湿性水性インキであり、前記茶殻及び前記珪藻土の合計の乾燥質量としての含有量が、前記吸放湿性水性インキの総固形分の質量を基準として、10~30質量%の範囲内である吸放湿性水性インキ。
[2]前記茶殻の乾燥質量と前記珪藻土の乾燥質量との比が、茶殻:珪藻土=20:80~40:60の範囲内である上記[1]に記載の吸放湿性水性インキ。
[3]前記茶殻及び前記珪藻土として、茶殻付き珪藻土を含有し、前記茶殻付き珪藻土の平均粒子径は、1~500μmの範囲内である上記[1]又は[2]に記載の吸放湿性水性インキ。
[4]さらにバインダー樹脂を含有する上記[1]~[3]のいずれかに記載の吸放湿性水性インキ。
[5]フレキソ印刷に用いられる上記[1]~[4]のいずれかに記載の吸放湿性水性インキ。
[6]紙製基材に用いられる上記[1]~[5]のいずれかに記載の吸放湿性水性インキ。
[7]茶殻及び珪藻土を含有する水分散液を調製する工程と、前記水分散液を用いて、前記茶殻及び前記珪藻土の合計の乾燥質量としての含有量が、インキの総固形分の質量を基準として、10~30質量%の範囲内である吸放湿性水性インキを製造する工程と、を含む吸放湿性水性インキの製造方法。
[8]紙製基材と、前記紙製基材に設けられた吸放湿性インキ層と、を備え、前記吸放湿性インキ層は、茶殻及び珪藻土を含有し、前記吸放湿性インキ層中の前記茶殻及び前記珪藻土の合計の乾燥質量としての含有量が10~30質量%の範囲内である包装材。
[9]紙製基材と、前記紙製基材に設けられた吸放湿性インキ層と、を備え、前記吸放湿性インキ層は、上記[1]~[6]のいずれかに記載の吸放湿性水性インキで形成されている包装材。
(茶殻及び珪藻土の準備)
茶葉を熱水で10g/Lの割合で10分間抽出した液とそれら茶殻を90kg/cm2で圧搾して得られた圧搾液を、目開き500μmのメッシュで濾過し、透過率が0.08Darcy、ケーク嵩密度が0.4g/cm3の珪藻土に混合した後に布で液体を除去した茶殻付き珪藻土を準備した。なお、茶殻及び珪藻土の含水率は58%、茶殻と珪藻土との乾燥質量比は30(茶殻):70(珪藻土)であった。また、茶殻付き珪藻土(茶殻及び珪藻土の混合物)について、レーザー回折・散乱法を利用した粒度分布測定装置(商品名「レーザ回折式粒子径分布測定装置 SALD-2300」、島津製作所製)を用いて、体積基準の粒度分布を測定した結果、その平均粒子径(D50)は、125μmであった。
水18.8部、樹脂分散剤(スチレン-アクリル系共重合樹脂の30%水溶液;商品名「Joncryl 70J」、BASFジャパン製)20.0部、及び消泡剤(固形分:96%超、商品名「BYK-024」、ビックケミー・ジャパン製)0.2部を配合した液に、上記含水状態の茶殻付き珪藻土10.0部を添加し、混合液を得た。この混合液をホモミキサーで粗大粒子がなくなるまで十分に撹拌して、水中に茶殻及び珪藻土が分散した均一な分散液を得た。得られた茶殻及び珪藻土を含有する分散液に、着色剤として有機顔料である銅フタロシアニンブルー顔料(商品名「シアニンブルーZCA-350EP」、大日精化工業製)を添加し、撹拌機にて十分撹拌した後、横型ビーズミル型分散機を用いて分散処理を行った(分散工程)。このようにして、水中に茶殻、珪藻土、及び顔料を微分散させた水分散液を得た。
上記の水分散液の調製工程で得られた、茶殻、珪藻土、及び顔料等を含有する水分散液に、バインダー樹脂としてコアシェル型スチレン-メタクリル酸共重合物系エマルジョン(固形分:34%、理論Tg:17℃)37.0部、水2.0部、低分子量ポリエチレンワックスの水分散体(固形分:40%、JIS K 2207による針入度:10、商品名「ケミパールW500」、三井化学製)1.5部、及び消泡剤(固形分:96%超、商品名「BYK-024」、ビックケミー・ジャパン製)0.3部を加えて十分に撹拌し、実施例1の水性インキを調製した。
実施例1と比較して、「水分散液の調製工程」で使用した水及び含水状態の茶殻付き珪藻土の各量を表1の上段(「水分散液の調製工程」欄)に示す量に変更したこと、及び「インキの調製工程」で使用した樹脂エマルジョンの量を表1の中段(「インキの調製工程」欄)に示す量に変更したこと以外は、実施例1と同様の方法により、実施例2~4及び比較例1~3のそれぞれの水性インキを調製した。
(包装材の作製)
実施例1~4及び比較例1~3で得られた各水性インキに水を加えて、各水性インキの粘度が25℃においてザーンカップ#4(離合社製)で13~15秒となるように調整した。無地段ボールシートの両面の全体に、希釈した水性インキをフレキソ印刷方式にてベタ印刷し、乾燥させてインキ層を形成した。このようにして、実施例1~4及び比較例1~3のそれぞれについて、段ボールシートの両面にインキ層を設けた包装材(包装資材)を作製した。
作製した各包装材について、一定面積を切り取って試験体とし、各試験体を、温度25℃で相対湿度50%RHの恒温恒湿槽内に、試験体の質量が恒量となるまで養生させ、養生後の試験体の質量m0(g)を、試験前の初期質量として測定した。養生後の試験体を、温度40℃で相対湿度90%RHの恒温恒湿槽内に48時間置いて吸湿させた(吸湿過程)。その吸湿過程後、上記恒温恒湿槽から試験体を取り出して直ぐに、吸湿後の試験体の質量ma(g)を測定した後、その吸湿後の試験体を、温度25℃で相対湿度50%RHの恒温恒湿槽内に移し置き、放湿させた(放湿過程)。その放湿過程の開始から10分後、30分後、45分後、及び60分後の試験体の質量md(それぞれ、md10、md30、md45、及びmd60)を測定した。
Wa=(ma-m0)/A ・・・(1)
Wd=(ma-md)/A ・・・(2)
放湿率(%)=(Wd/Wa)×100 ・・・(3)
(包装材の作製)
実施例1~4及び比較例1~3で得られた各水性インキに水を加えて、各水性インキの粘度が25℃においてザーンカップ#4(離合社製)で13~15秒となるように調整した。段ボール用表ライナー紙の両面の全体に、希釈した水性インキをフレキソ印刷方式にてベタ印刷し、乾燥させてインキ層を形成した。このようにして、実施例1~4及び比較例1~3のそれぞれについて、ライナー紙の両面にインキ層を設けた包装材(包装資材)を作製した。
作製した各包装材について、一定面積を切り取って試験体とし、各試験体を、温度25℃で相対湿度50%RHの恒温恒湿槽内に、試験体の質量が恒量となるまで養生させ、養生後の試験体の質量m0(g)を測定した。この養生後の試験体(試験前の試験体)の単位面積当たりの初期質量(m0/試験体面積A;g/m2)を算出した。次に各試験体を温度26℃で相対湿度76%RHの室内に保管し、10分後、30分後、45分後の質量(g)を測定し、吸湿時の質量mb(それぞれ、mb10、mb30、mb45)とした。この所定時間吸湿させた際の吸湿時の試験体の単位面積当たりの質量増加量([mb-m0]/A;g/m2)、及び質量増加率(%)を算出した。
(包装材の作製)
実施例1~4及び比較例1~3で得られた各水性インキに水を加えて、各水性インキの粘度が25℃においてザーンカップ#4(離合社製)で13~15秒となるように調整した。無地の未晒ライナー紙の片面全体に、希釈した水性インキを、フレキソハンドプルーファーを用いたフレキソ印刷方式にて300LPIアニロックスの塗布量でベタ印刷し、乾燥させてインキ層を形成した。このようにして、実施例1~4及び比較例1~3のそれぞれについて、未晒ライナー紙の片面にインキ層を設けた包装材(包装資材)を作製した。作製した各包装材を、温度25℃で相対湿度50%RHの恒温恒湿槽内に24時間置いて養生させ、養生後の各包装材を各試験体とした。
各試験体について、学振型耐摩擦堅牢度試験機を用いて、試験体におけるインキ層上を、200gfの荷重をかけた白布(綿3-1号)で100往復擦った後、インキ層の外観を目視にて確認し、以下の評価基準にしたがって、インキ層の耐摩擦性を評価した。この評価結果を表2の「耐摩耗性」欄に示す。
A:摩擦による汚れがほとんど確認されなかった。
B:摩擦による汚れがあまり確認されなかったが、一部確認された。
C:摩擦による目立った汚れが確認された。
(印刷物の作製)
実施例1~4及び比較例1~3で得られた各水性インキに水を加えて、各水性インキの粘度が25℃においてザーンカップ#4(離合社製)で13~15秒となるように調整した。アート紙の片面全体に、希釈した水性インキを、フレキソハンドプルーファーを用いたフレキソ印刷方式にて300LPIアニロックスの塗布量でベタ印刷し、乾燥させてインキ層を形成した。このようにして、実施例1~4及び比較例1~3のそれぞれについて、アート紙の片面にインキ層を設けた印刷物を作製した。作製した各印刷物を、温度25℃で相対湿度50%RHの恒温恒湿槽内に24時間置いて養生させ、養生後の各印刷物を各試験体とした。
各試験体について、分光測色計(商品名「X-Rite eXact」、X-Rite製)を用いて、CIELAB表色系におけるL*、a*、b*の各値を測定した。また、それらの測定値を用いて、比較例1のL*、a*、b*の各値を基準として、実施例1~4並びに比較例2及び3のそれぞれのΔE*の値を算出した。これらの結果を表2の下段に示す。
Claims (7)
- 水性インキであって、
前記水性インキは、茶殻及び珪藻土を含有する吸放湿性水性インキであり、
前記茶殻及び前記珪藻土の合計の乾燥質量としての含有量が、前記吸放湿性水性インキの総固形分の質量を基準として、10~30質量%の範囲内であり、
前記茶殻の乾燥質量と前記珪藻土の乾燥質量との比が、茶殻:珪藻土=20:80~40:60の範囲内である吸放湿性水性インキ。 - 前記茶殻及び前記珪藻土として、茶殻付き珪藻土を含有し、
前記茶殻付き珪藻土の平均粒子径は、1~500μmの範囲内である請求項1に記載の吸放湿性水性インキ。 - さらにバインダー樹脂を含有する請求項1又は2に記載の吸放湿性水性インキ。
- フレキソ印刷に用いられる請求項1~3のいずれか1項に記載の吸放湿性水性インキ。
- 紙製基材に用いられる請求項1~4のいずれか1項に記載の吸放湿性水性インキ。
- 茶殻及び珪藻土を含有する水分散液を調製する工程と、
前記水分散液を用いて、前記茶殻及び前記珪藻土の合計の乾燥質量としての含有量が、インキの総固形分の質量を基準として、10~30質量%の範囲内である吸放湿性水性インキを製造する工程と、を含み、
前記茶殻の乾燥質量と前記珪藻土の乾燥質量との比が、茶殻:珪藻土=20:80~40:60の範囲内である吸放湿性水性インキの製造方法。 - 紙製基材と、
前記紙製基材に設けられた吸放湿性インキ層と、を備え、
前記吸放湿性インキ層は、茶殻及び珪藻土を含有し、前記吸放湿性インキ層中の前記茶殻及び前記珪藻土の合計の乾燥質量としての含有量が10~30質量%の範囲内であり、前記茶殻の乾燥質量と前記珪藻土の乾燥質量との比が、茶殻:珪藻土=20:80~40:60の範囲内である包装材。
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