JP7169766B2 - スケグ船 - Google Patents
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Description
特許文献1及び2に、ツインスケグ船の例が開示されている。
船尾部の船底に船体前後方向に沿って設けられるスケグであって、第1スケグと、第1スケグに対して前記船体幅方向に間隔をあけて設けられた第2スケグとを少なくとも含むスケグと、
前記スケグに支持されるとともに、前記スケグから後方に突出するプロペラ軸と、
前記プロペラ軸に固定されたプロペラと、
を備え、
前記第1スケグまたは前記第2スケグの少なくとも一方において、前記スケグの船外側面と船内側面とに開口して前記船外側面と前記船内側面とを連通する少なくとも1個の流路が形成されている。
ここで、「船内側面」とは、2基のスケグ間に形成される船底凹部に面するスケグの面を意味し、「船外側面」とは、船内側面と反対側に形成されるスケグの面を意味する。
前記流路は、前記スケグにおける前記プロペラ軸より上方の部位に設けられる。
上記(2)の構成によれば、プロペラ軸より上方に形成された上記流路から船底凹部に流入する水流が、舵に流入する流れを弱める上記渦流と逆方向へ流れるために、該渦流を弱めるように作用する。これによって、舵に流入する水流の流速低下を抑制し、旋回性能を改善できる。
なお、上記流路をプロペラ軸より下方に位置するスケグに設けても、船底凹部における水流の増速効果が得られるので、浅水域での旋回性能を向上できる。
前記流路は、船体前後方向が船体高さ方向より大きい横断面を有する。
上記(3)の構成によれば、上記流路の横断面は船体前後方向が船体高さ方向より大きく構成されるため、旋回時などにおいてスケグの外側に形成される水流が上記流路に流入しやすくなる。これによって、船底凹部の水流の流速が上昇し、舵力を増加できる。
前記流路は、船体高さ方向が船体前後方向より大きい横断面を有する。
スケグの内部には、プロペラ軸の軸受や該軸受の潤滑装置など、様々な機器類が搭載される。そのため、上記流路が船体前後方向に大きなスペースを取ることは難しい。
上記(4)の構成によれば、上記流路が、船体高さ方向が船体前後方向より大きい横断面を有するため、機器類のレイアウトを変更せずに機器類の間に流路を配置しやすくなり、流路の設置が容易になる。
前記流路は、円弧で形成された横断面を有する。
上記(5)の構成によれば、上記流路が円弧で形成された横断面、例えば、円形又は楕円形の横断面を有することで、製作上の技術的難易度を緩和できる。例えば、既技術であるサイドスラスタを設置する要領で製作できるため、製作が容易になる。
前記流路は、前記スケグの前記船外側面から前記船内側面に向かって船体前後方向に対して船体後方へ傾斜するように配置される。
上記(6)の構成によれば、旋回時におけるスケグの船外側と船底凹部との間の圧力差によって発生するスケグの外側から内側へ向かう流れに加えて、スケグ船の前進速度成分も合わせることで、船底凹部に流入する水流の流量を増加できる。これによって、舵力を増して旋回性能を向上できる。
前記船外側面に開口する船外側開口が、前記船内側面に開口する船内側開口に対して、船体前後方向において前方側に、かつ、前記船体高さ方向において下方側に配置される。
2基のスケグの間に形成される船底凹部には、後方へ向かって上方へ傾斜する船底傾斜面が形成される。航行時、2基のスケグ間の船底凹部に形成される水流は、ほぼ船底傾斜面に沿って後方のプロペラに向かって上昇する水流が形成される。
上記(7)の構成によれば、上記流路は、船底凹部に形成される船底傾斜面とほぼ同一方向に配置されるため、該流路から船底凹部に流入する水流は、船底傾斜面に沿って流れる水流とほぼ同一方向で船底凹部に流入する。そのため、少ない抵抗で船底凹部に流入できると共に、船底凹部の水流を乱さずに舵へ向かわせることができるので、舵力を増加できる。
前記流路の横断面は、前記スケグの前記船外側面から前記船内側面に向かって徐々に縮小するように構成される。
上記(8)の構成によれば、船外側面から該流路に流入した水流は、該流路で徐々に増速して船内側面から船底凹部に流出する。そのため、旋回時に船底凹部に形成される渦流を効果的に弱め、かつ舵に作用する力を増すことができ、これによって、旋回性能を向上できる。
前記流路の前記船外側面に開口する船外側開口を開閉可能な蓋部材と、
前記流路を開閉するように前記蓋部材を動作させる駆動部と、
を備える。
上記(9)の構成によれば、浅水域での旋回時などでは、上記流路を開放して旋回性能を高め、船舶が深水域を航行中など、不要なときは上記蓋部材で上記流路の船外側開口を閉じておくことで、船体に沿う流れの乱れを抑制でき、これによって、通常航行時の船体抵抗の増加を回避できる。また、旋回時に、旋回外側のスケグの流路のみ開放することで、旋回内側のスケグの流路から水流がスケグ外に漏れないようにすることができる。これによって、舵に向かう水流の流速を増加でき、旋回性能を向上できる。さらに、各スケグに複数の流路を形成する場合、水深に合わせて開放する流路の個数を変更することで、意図する旋回性能を得ることができる。
前記流路の前記船外側面に開口する船外側開口に配置される整流デバイスであって、前記船外側開口を横断する複数の棒状部材又は板状部材を含む整流デバイスをさらに備える。
上記(10)の構成によれば、旋回時には、船外側開口から上記整流デバイスを通して船底凹部に水流を導入することで、旋回性能を向上でき、通常航行時には、上記整流デバイスによって水流の流入を抑制できるので、船体抵抗の増加を抑制できる。
前記スケグは、前記第1スケグおよび前記第2スケグの間に、前記第1スケグおよび前記第2スケグの各々に対して船体幅方向に間隔をあけて設けられた第3スケグをさらに備え、
前記第3スケグには、一方側側面と他方側側面とに開口して前記一方側側面と前記他方側側面とを連通する少なくとも1個の流路が形成されている。
上記(11)の構成によれば、第3スケグを備えることで、船体幅が大きい船舶であっても、第3スケグの整流作用を付加することで、スケグ船の直進安定性を向上できる。これによって、スケグを備える3軸船において直進安定性を向上できる。
例えば、「ある方向に」、「ある方向に沿って」、「平行」、「直交」、「中心」、「同心」或いは「同軸」等の相対的或いは絶対的な配置を表す表現は、厳密にそのような配置を表すのみならず、公差、若しくは、同じ機能が得られる程度の角度や距離をもって相対的に変位している状態も表すものとする。
例えば、「同一」、「等しい」及び「均質」等の物事が等しい状態であることを表す表現は、厳密に等しい状態を表すのみならず、公差、若しくは、同じ機能が得られる程度の差が存在している状態も表すものとする。
例えば、四角形状や円筒形状等の形状を表す表現は、幾何学的に厳密な意味での四角形状や円筒形状等の形状を表すのみならず、同じ効果が得られる範囲で、凹凸部や面取り部等を含む形状も表すものとする。
一方、一つの構成要素を「備える」、「具える」、「具備する」、「含む」、又は「有する」という表現は、他の構成要素の存在を除外する排他的な表現ではない。
なお、2基のスケグ14のうち、少なくとも一方に流路24が形成されればよい。
スケグ船10が左旋回するときは、船尾部12は右舷側(矢印b方向)へ移動する。このときは、右舷側の流路24(24b)に船底凹部26に流入する水流Wc2が形成される。この水流Wc2によってスケグ14間の内側領域r2の流速が上昇するため、舵28に作用する水流の力が増加し、旋回性能が向上する。
加えて、船底と海底30との距離が近づくことによって、旋回時に船底凹部26へ流入する流れが抑制され、これによって、プロペラ18から出る流れの流速が小さくなり、舵28に流入する流れの流速が小さくなる。このように、舵28に作用する流れの力が小さくなり、舵力が低下するため、旋回性能が低下する。
一実施形態では、図2に示すように、各スケグ14に複数の流路24(24A、24B)が形成されていてもよい。各スケグ14に複数の流路24を形成することで、1個のみの流路24を形成する場合と比べて、船底凹部26における水流の増速効果を高めることができる。
一実施形態では、図2に示す流路24(24A、24B)の横断面は四角形を有するが、他の形状であってもよい。
一実施形態では、図2に示す流路24(24A、24B)のように、プロペラ軸16の上方域又は下方域に、複数の流路24を列状に並べて形成するようにしてもよい。
この実施形態によれば、流路24から船底凹部26に流入する水流Wc1又はWc2が渦流Scと逆方向へ流れるために、渦流Scを弱めるように作用する。そのため、舵28に流入する水流の力を強めることができるため、旋回性能を向上できる。
なお、図2に示す流路24(24B)のように、スケグ14におけるプロペラ軸16より下方の部位に設けてもよい。この実施形態でも、旋回時に、流路24(24B)から船底凹部26に流入する水流Wc1によって船底凹部26に形成される水流を増速でき、その増速流によって舵力を増加できるので、浅水域での旋回性能を向上できる。
この実施形態によれば、流路24(24C)の横断面が上記関係を有するため、旋回時などにおいてスケグ14の外側に形成される水流が船体の前進によって流路24(24C)に流入しやすくなる。これによって、船底凹部26において舵28に向かう水流の流速が上昇し、舵28に作用する水流の力を増加できるため、旋回性能を向上できる。
この実施形態によれば、流路24(24D)の横断面が上記関係にあるため、流路24(24D)はスケグ内に設けられる機器類の間に形成できる。従って、これら機器類のレイアウトを変更せずに流路24の設置が容易になる。
この実施形態によれば、流路24(24E)の製作時に、製作上の技術的難易度を緩和できる。例えば、既技術であるサイドスラスタを設置する要領で製作できるため、製作が容易になる。
図5に示す実施形態は、複数の流路24(24E)がプロペラ軸16より上方のスケグ14の部位でプロペラ軸16に沿って並べて形成されている。これによって、製作上の難易度を上げずに船底凹部26における水流の増速効果を高めることができる
この実施形態によれば、旋回時におけるスケグ14の船外側と船底凹部26との間の圧力差によって発生するスケグ14の外側から内側へ向かう力に加えて、スケグ船10(10E)の前進速度成分も合わせることで、船底凹部26に流入する水流Wc1の流量を増加できる。これによって、舵力を増して旋回性能を向上できる。
この実施形態によれば、流路24(24G)は、船底凹部26に形成される船底傾斜面26aとほぼ同一方向に配置されるため、流路24(24G)から船底凹部26に流入する水流Wc1は、船底傾斜面26aに沿って流れる水流Wcとほぼ同一方向で船底凹部26に流入する。そのため、水流Wc1は少ない抵抗で船底凹部26に流入できると共に、船底凹部26の水流Wcを乱さずに舵28へ向かわせることができるので、舵力を増加できる。
この実施形態によれば、流路24(24G)に流入した水流Wc1は、徐々に増速して船内側面22から船底凹部26に流出する。そのため、旋回時に船底凹部26に形成される渦流Scを効果的に弱め、かつ舵28に作用する力を増すことができる。
この実施形態によれば、スケグ船10が深水域を航行中など、流路24(24E)にスケグ外側から水を流入させる必要がないときは、蓋32で流路24(24E)の船外側開口20aを閉じておく。これによって、船体に沿う流れの乱れを抑制できるため、通常航行時の船体抵抗の増加を回避できる。
さらに、各スケグ14に複数の流路24を形成する場合、水深に合わせて開放する流路24の個数を変更することで、意図する旋回性能を得ることができる。
なお、この実施形態において、流路24(24E)の横断面は、円形以外の他の形状であってもよい。
一実施形態では、プロペラ軸16の回転が駆動部34に伝達され、駆動部34はプロペラ軸16の回転を動力として回動軸36を回動させるように構成される。
一実施形態では、流路24(24E)を挟んで駆動部34の反対側に回動軸36を軸支する軸受部38を備える。
図8A及び図8Bに示す実施形態では、回動軸36は水平方向に沿うように配置されているが、鉛直方向に沿うように配置されてもよい。あるいは、水平方向及び鉛直方向に対して傾斜する方向へ配置されてもよい。
一実施形態では、図8A及び図8Bに示す蓋32は、一方向に沿って分割された複数の分割片で構成され、分割片毎に回動軸36と分割片を回動させる駆動部34を夫々備えるようにしてもよい。
また、他の実施形態では、蓋32をヒンジ軸を介して船体外板に回動可能に取り付けるように構成し、これによって、流路24(24E)を開閉可能にしてもよい。
この実施形態によれば、旋回時には、船外側開口20aから整流デバイス40を通して船底凹部26に水流Wc1又はWc2を導入することで、旋回性能を向上でき、通常航行時には、整流デバイス40の存在によって水流Wc1又はWc2の流入を抑制できるので、船体抵抗の増加を抑制できる。
図9Bに示す整流デバイス40(40b)は、互いに間隔を置いて並列に配置された複数の棒状(板状)部材42を含んで構成され、船外側開口20aを一方向へ延在し並列に並んだ複数の開口に分割するように構成される。
船外側開口20aに整流デバイス40(40a、40b)を設けることで、旋回時に旋回性能を向上できると共に、通常航行時に船体抵抗の増加を抑制できる。
なお、整流デバイス40が複数の板状部材で構成される場合、該板状部材は船外側開口20aから流入する水流の方向に沿うように配置される。
さらに、一実施形態では、上記プロペラの後方に舵(不図示)が設けられる。
別な実施形態では、スケグ14(14c)には、プロペラ軸16(16c)を設けない。従って、プロペラ軸16(16c)の後端に装着されるプロペラ及びこのプロペラの後方に設けられる舵を設けなくてもよい。
12 船尾部
14(14a、14b、14c) スケグ(第1スケグ、第2スケグ、第3スケグ)
16(16a、16b、16c) プロペラ軸
18(18a、18b) プロペラ
20 船外側面
20a 船外側開口
22 船内側面
22a 船内側開口
24(24a、24b、24c、24A、24B、24C、24D、24E、24F、24G) 流路
26 船底凹部
26a 船底傾斜面
28 舵
30 海底
32 蓋
34 駆動部
36 回動軸
38 軸受部
40(40a、40b) 整流デバイス
42 棒状部材又は板状部材
Sc 渦流
Wc、Wc1、Wc2 水流
r1 外側領域
r2、r3、r4 内側領域
Claims (10)
- 船尾部の船底に船体前後方向に沿って設けられるスケグであって、第1スケグと、前記第1スケグに対して船体幅方向に間隔をあけて設けられた第2スケグと、を少なくとも含むスケグと、
前記スケグに支持されるとともに、前記スケグから後方に突出するプロペラ軸と、
前記プロペラ軸に固定されたプロペラと、
を備え、
前記第1スケグまたは前記第2スケグの少なくとも一方において、前記スケグの船外側面と船内側面とに開口して前記船外側面と前記船内側面とを連通する少なくとも1個の流路が形成され、
前記流路は、前記スケグにおける前記プロペラ軸より上方の部位に設けられており、
前記流路の内部にはスラスタが配置されていないことを特徴とするスケグ船。 - 前記流路は、船体前後方向が船体高さ方向より大きい横断面を有することを特徴とする請求項1に記載のスケグ船。
- 前記流路は、船体高さ方向が船体前後方向より大きい横断面を有することを特徴とする請求項1に記載のスケグ船。
- 前記流路は、円弧で形成された横断面を有することを特徴とする請求項1に記載のスケグ船。
- 前記流路は、前記スケグの前記船外側面から前記船内側面に向かって船体前後方向に対して船体後方へ傾斜するように配置されることを特徴とする請求項1乃至4の何れか一項に記載のスケグ船。
- 前記船外側面に開口する船外側開口が、前記船内側面に開口する船内側開口に対して、
船体前後方向において前方側、かつ、船体高さ方向において下方側に配置されることを特
徴とする請求項1乃至5の何れか一項に記載のスケグ船。 - 前記流路の横断面は、前記スケグの前記船外側面から前記船内側面に向かって徐々に縮小するように構成されることを特徴とする請求項1乃至6の何れか一項に記載のスケグ船。
- 前記流路の前記船外側面に開口する船外側開口を開閉可能な蓋部材と、
前記流路を開閉するように前記蓋部材を動作させる駆動部と、
を備えることを特徴とする請求項1乃至7の何れか一項に記載のスケグ船。 - 前記流路の前記船外側面に開口する船外側開口に配置される整流デバイスであって、前記船外側開口を横断する複数の棒状部材を含む整流デバイスをさらに備えることを特徴とする請求項1乃至7の何れか一項に記載のスケグ船。
- 前記スケグは、前記第1スケグおよび前記第2スケグの間に、前記第1スケグおよび前記第2スケグの各々に対して船体幅方向に間隔をあけて設けられた第3スケグをさらに備え、
前記第3スケグには、一方側側面と他方側側面とに開口して前記一方側側面と前記他方側側面とを連通する少なくとも1個の流路が形成されていることを特徴とする請求項1乃至9の何れか一項に記載のスケグ船。
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