JP7172733B2 - 人等の姿勢推定装置 - Google Patents
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Description
人等の体幹に装着され、3軸方向の加速度値を時系列に計測する加速度センサと、
前記3軸方向の加速度値のうち、前記人等が歩行状態にあるときに於ける3軸方向の加速度値を抽出し、前記抽出された3軸方向の加速度値を用いて、前記人等の歩行状態にあるときの加速度の代表方向を表す基準ベクトルを決定する基準ベクトル決定手段と、
前記3軸方向の加速度値を前記基準ベクトルの方向が所定の基準方向に一致した基準座標空間に於ける座標値である変換後加速度値に変換する変換後加速度値決定手段と、
前記変換後加速度値に基づいて前記人等の姿勢を推定する姿勢推定手段と
を含む装置によって達成される。
10…姿勢推定装置
12…機械学習装置
P…被検者
図1(A)を参照して、本発明による人等の姿勢推定装置の一つの実施形態は、人等である被検者Pの体幹、例えば、頭部、頸部、胸部、腹部、腰部、臀部に装着可能な(ウェアラブルな)筐体1を有し、かかる筐体1内に姿勢の推定に使用される構成要素が収容された形態となっていてよい。筐体1内には、姿勢推定のために参照される加速度値を計測する加速度センサが収容され、更に、気圧値を計測する気圧センサが収容されていてよい。加速度センサは、被検者の姿勢変化(体幹の向きの変化)に伴って変化する加速度ベクトルを決定する3軸方向の加速度値を計測できるセンサであり、典型的には、3軸加速度センサが用いられてよいが、これに限定されない(例えば、一方向の加速度を計測するセンサが3つ準備され、それぞれ互いに異なる方向の加速度値を計測するようになっていてもよい。)。また、加速度センサは、被検者の体の向きや運動に対してできるだけ影響を与えずに、被検者が普段通りに行動している状態にて、その体幹上で加速度の計測が可能な比較的コンパクトで携帯用の筐体1に収納可能なセンサが有利に用いられる。一方、気圧センサは、被検者が歩行中に階段の昇り降りや登坂・降坂した際に生ずる気圧の変化を計測可能なものであり、加速度センサの場合と同様に被検者の体の向きや運動に対してできるだけ影響を与えずに、被検者が普段通りに行動している状態にて気圧の計測が可能な比較的コンパクトで携帯用の筐体1に収納可能なセンサが有利に用いられる。センサを収容する筐体1の形態は、採用されるセンサの形態に応じて種々のものであってよいことは理解されるべきである。
(1)姿勢推定に於ける改良の概要
「発明の概要」の欄に於いても説明されている如く、本発明による姿勢推定装置に於いては、図2(A)~(C)にて模式的に描かれている如く、被検者Pに筐体1に収納された加速度センサを装着した場合に、加速度センサの加速度値の計測軸(実線矢印)に対する重力方向gが被検者Pの姿勢によって変化することにより、加速度センサにて計測される加速度値が変化するので、かかる加速度値の変化に基づいて被検者Pの姿勢が立位(A)、座位(B)、臥位(C)などのいずれにあるのかが推定される。この加速度値による姿勢の推定に関して、加速度センサの計測する加速度値は、被検者Pの体幹に対する加速度センサの向きが変わることによっても変化するところ、被検者Pの体幹に対する加速度センサの向きは、加速度センサの装着の度に変わり得るので、加速度センサに於いて得られた加速度値を参照しただけでは被検者Pの姿勢を識別することは困難となる。例えば、姿勢の立位の時に加速度センサがその計測軸が上向きになるように装着されているときに姿勢が臥位になった場合は、姿勢の立位の時に加速度センサがその計測軸が横向きになるように装着されているときに姿勢が立位になっている場合と区別がつかず、また、同じ姿勢であっても、加速度センサの計測軸の向きが異なれば、加速度値が変わってしまうので、異なる姿勢であると判定してしまう場合が起き得る。即ち、被検者Pの体幹に対する加速度センサの計測軸の向きが常に同一でない場合、或いは、把握できていない場合には、加速度値に基づいて精度良く姿勢を推定することが困難となるところ、加速度センサの計測軸の向きは、被検者の体格、センサの装着位置や取り付け方などが異なることから、必ずしも同じにはならず、また、体幹に対するセンサの向きを正確に把握することも容易ではない。
本実施形態の装置の人等の姿勢の推定に於いては、図4(A)に示されている如く、加速度値・気圧値の取得(ステップ1~3)、歩行区間の識別(ステップ5~6)、基準ベクトルの決定(ステップ8)、加速度値の座標変換(ステップ9)、姿勢の識別(ステップ10~11)が順々に実行され、推定結果が出力されてよい。以下、各処理について説明する。
姿勢の推定のために計測される加速度値と気圧値とは、上記の如く、それぞれ、加速度センサと気圧センサとにより、時系列に計測され記憶される。後の一連の処理に於いては、これらの計測値の時系列データから、図4(C)に模式的に示されている如きエポックという単位毎に算出される特徴量が識別器の入力データとして用いられるので、加速度値と気圧値の計測が1エポック完了毎に、次の処理が実行されることとなる。なお、一つのエポックは、前後のエポックと重複していても(前後のエポックと重複する割合は任意に変更されてよい。)、重複していなくてもよい。図示の如く、例えば、4秒幅のエポックが、2秒間ずつ前後のエポックと重複するようになっていてもよく、各エポックの終了時Ct1、Ct2…に於いて各エポックに於ける時系列の計測データを用いて特徴量が抽出又は算出されることとなる。従って、この場合、図4(A)に示されている如く、各エポックが完了するまで、加速度値・気圧値の計測(ステップ1)と記憶(ステップ2)が反復して実行され、エポックの完了毎(ステップ3)に次の処理が実行されることとなる(ステップ4)。
加速度値・気圧値の計測・記憶のエポック完了毎に、後に説明する基準ベクトルが決定されていないときには(ステップ4)、基準ベクトルを決定するために、加速度値・気圧値の特徴量を参照して、その加速度値・気圧値の時系列データに於いて、被検者が歩行中の区間が特定され抽出される。具体的には、まず、加速度値・気圧値のエポック毎の特徴量が算出される。かかる特徴量は、加速度値・気圧値の各エポック内の時系列データから適宜選択されてよい。典型的は、特徴量として、時系列データの所定の時間毎の統計量が採用されよい。具体的には、特徴量としては、例えば、各軸の加速度値の平均値、中央値、標準偏差、平方自乗平均(RMS)、特定の周波数領域のエネルギー、自己相関関数のピーク位置・高さ、気圧波形を線形回帰したときの係数などが利用可能である。また、歩行中の区間の識別に於いて、複数の特徴量(例えば、7つの特徴量)が参照されてよい。
上記の被検者が歩行中であったか否かの識別により、歩行区間が検出されると、基準ベクトルを決定可能か否かが判定される(ステップ7)。後に説明される如く、基準ベクトルは、歩行区間に於ける3軸方向の加速度値を参照して、それらの表す加速度ベクトルの代表的な方向に選択されるところ、参照する3軸方向の加速度値の区間が短過ぎるときには、精度良く基準ベクトルを選択できないこととなる。従って、基準ベクトルを選択するのに十分な長さの歩行区間が検出されてから、基準ベクトルの決定が実行されるようになっていてよい(即ち、基準ベクトルを選択するのに十分な長さの歩行区間が蓄積されるまで、ステップ1~6がそのまま反復されるようになっていてよい。)。
上記の基準ベクトルが決定されると、加速度センサの計測した加速度値を基準ベクトルが所定の基準方向に設定された基準座標空間の座標値に変換する処理が可能となる。この点に関し、かかる変換処理は、加速度センサの計測座標空間の座標値(bx,by,bz)にて表された基準ベクトルの方向を所定の基準方向に回転する回転変換の操作に相当する。例えば、所定の基準方向をx軸の負方向、即ち、(-1,0,0)の方向に設定したとすると、図2(D)、(E)を参照して、基準ベクトルVrの方向を(-1,0,0)に一致させるためには(即ち、加速度センサのx軸の負方向を基準ベクトルの方向に一致させるためには)、基準ベクトルVrをy軸周りとz軸周りとに回転させればよい。具体的には、例えば、まず、基準ベクトルVrがy軸周りにて回転角βだけ回転され、x-y平面上に配置される。ここで、回転角βは、
As=Rz・Ry・Am …(6)
の変換処理を実行し、変換後加速度値(As)が算出される。
上記の一連の処理によって、変換後加速度値が得られると、変換後加速度値を用いて、ステップ5と同様の要領にて、変換後加速度値・気圧値のエポック毎の特徴量が算出される(ステップ10)。かかる特徴量は、変換後加速度値・気圧値の各エポック内の時系列データから適宜選択されてよい。典型的は、特徴量として、時系列データの所定の時間毎の統計量が採用されよい。特徴量としては、例えば、各軸の変換後加速度値の平均値、中央値、標準偏差、平方自乗平均(RMS)、特定の周波数領域のエネルギー、自己相関関数のピーク位置・高さ、気圧波形を線形回帰したときの係数などが利用可能である。また、姿勢の識別に於いて、複数の特徴量(例えば、7つの特徴量)が参照されてよい。
上記の本実施形態の装置の姿勢の推定に於いては、被検者の歩行区間の識別のための識別器のパラメータと、被検者の姿勢の識別のための識別器のパラメータとが、予め機械学習の手法によって決定され、メモリに記憶される。既に述べた如く、いずれの識別器もランダムフォレスト法、サポートベクターマシン法、勾配ブースティング法、k-NN法などの任意の教師付き機械学習の手法に従って構成されてよい。
上記に説明した本発明の有効性を検証するために、以下の如き実験を行った。なお、以下の実施例は、本発明の有効性を例示するものであって、本発明の範囲を限定するものではないことは理解されるべきである。
Claims (1)
- 人又は動物又は歩行型ロボット(以下、「人等」と称する。)の姿勢を推定する装置であって、
人等の体幹に装着され、3軸方向の加速度値を時系列に計測する加速度センサ及び前記体幹に於ける気圧値を計測する気圧センサと、
前記3軸方向の加速度値及び気圧値のうち、前記人等が略水平方向の歩行状態にあるときに於ける3軸方向の加速度値及び気圧値を抽出し、前記抽出された3軸方向の加速度値及び気圧値を用いて、前記人等の略水平方向の歩行状態にあるときの加速度の代表方向を表す基準ベクトルを決定する基準ベクトル決定手段と、
前記3軸方向の加速度値を前記基準ベクトルの方向が所定の基準方向に一致した基準座標空間に於ける座標値である変換後加速度値に変換する変換後加速度値決定手段と、
前記変換後加速度値及び気圧値に基づいて前記人等の姿勢を推定する姿勢推定手段と
を含み、
前記基準ベクトル決定手段が、機械学習を用いて構成された第一の識別器を含み、
前記第一の識別器が、前記人等が前記略水平方向の歩行状態を含む種々の状態を取っているときの加速度値及び気圧値の時系列データとそれらの加速度値及び気圧値の時系列データに対応する前記人等の姿勢の時系列の正解データとから成る教師データを用いて、前記加速度値及び前記気圧値の時系列データから前記人等の姿勢の特徴を反映するものとして選択された特徴量が入力データとして与えられたときに前記正解データの姿勢を識別結果として出力するパラメータを決定し、
前記パラメータを用いて構成された前記第一の識別器へ前記加速度センサにて時系列に計測された3軸方向の加速度値及び前記気圧センサにて時系列に計測された気圧値の特徴量を入力することにより、前記加速度値及び前記気圧値の時系列データに於いて前記人等の姿勢が前記略水平方向の歩行状態となっている区間のデータを識別し抽出するよう構成され、
前記姿勢推定手段が、機械学習を用いて構成された第二の識別器を含み、
前記第二の識別器が、前記人等が種々の状態を取っているときの前記加速度センサにより計測された3軸方向の加速度値及び前記気圧センサにより計測された気圧値の時系列データとそれらの前記加速度値及び前記気圧値の時系列データに対応する人等の姿勢の時系列の正解データとから成る教師データを用いて、前記教師データの前記加速度値の時系列データを前記基準座標空間に於ける座標値である変換後加速度値に変換し、前記変換後加速度値及び前記気圧値の時系列データから前記人等の姿勢の特徴を反映するものとして選択された特徴量を算出し、それらの特徴量を入力データとし、識別結果として前記正解データの姿勢を出力するようにパラメータを決定し、
前記パラメータを用いて構成された前記第二の識別器へ前記加速度センサにて時系列に計測された3軸方向の加速度値から得られた変換後加速度値及び前記気圧センサにより計測された気圧値の特徴量を入力することにより、前記人等の姿勢を識別し推定するよう構成されている
装置。
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