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JP7174573B2 - 充填装置の使用方法、及びセメント系部材の製造方法 - Google Patents
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JP7174573B2 - 充填装置の使用方法、及びセメント系部材の製造方法 - Google Patents

充填装置の使用方法、及びセメント系部材の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、セメント系材料を充填する充填装置の使用方法、及びセメント系部材の製造方法に関する。
コンクリート構造物の施工では、一般に、トラックミキサ(アジテータ車)からホースをコンクリート等のセメント系材料打設場所まで延ばし、トラックミキサにて混練されているフレッシュなセメント系材料をトラックミキサによる吐出圧力にて圧送することにより、セメント系材料の打設が行われている。
しかしながら、施工現場の状況に応じて、トラックミキサがセメント系材料打設場所までアクセスできない場合や、トラックミキサのアクセス場所からセメント系材料打設場所までの距離がセメント系材料の圧送を可能とする圧送距離以上となる場合がある。このような施工現場においては、トラックミキサによる圧送にてセメント系材料の打設ができないことから、セメント系材料の圧送が可能な位置にバケットを載置しておき、まず、このバケットにセメント系材料を充填する。次いで、セメント系材料が充填されたバケットを、セメント系材料打設場所まで作業員が台車を使用して搬送したり、重機で吊り上げて搬送したりした後、打設場所にセメント系材料を流し込むことによりセメント系材料の打設が行われている。
セメント系材料がトラックミキサによって圧送される場合は、圧送距離に応じてセメント系材料を打設する際の圧送力が低減するものの、この低減した圧送力によりセメント系材料を比較的広範囲に充填することができる。それに対して、打設場所にセメント系材料を流し込む方法では、トラックミキサの圧送力がないことから、例えば可及的に高所からセメント系材料を落下させながら充填することにより、セメント系材料の位置エネルギーを利用して広範囲の充填が可能になる。そのような場合には、高さのあるホッパーを打設位置に設置し、ホッパーの高さを利用してセメント系材料の打設を行う方法が考えられる。
しかしながら、単に高さのあるホッパーの天端からセメント系材料を落とし込む方法では、ホッパーの下端開口から側方に向かって流出したセメント系材料がその天端において押さえ込まれていないことから、セメント系材料の有する運動エネルギーの一部が押さえ込みのない上方に逃げてしまい、側方に効果的に充填され難いといった課題を有している。
ところで、ホッパーを利用して型枠内にセメント系材料を充填することにより、例えばコンクリート構造物を製作する充填装置が開示されている。この充填装置は、ホッパーに相当する容器の下端に箱状の型枠の幅を有する柱状体が取り付けられ、柱状体の下面に開設されているスリットを介して型枠の幅に亘ってセメント系材料を充填するものである(例えば、特許文献1参照)。
特開2005-138360号公報
しかしながら、特許文献1に記載の充填装置では、容器から落下したセメント系材料が柱状体の内部を流通する過程でセメント系材料の運動エネルギーが低減され、セメント系材料を広範囲に充填することは難しい。
本発明は上記する問題に鑑みてなされたものであり、トラックミキサの圧送力がない状況下において、セメント系材料を打設範囲内に十分に充填することのできる充填装置を提供することを目的としている。
前記目的を達成すべく、本発明による充填装置の一態様は、
セメント系材料が充填される充填開口を有する鋼板を天端に備えたセメント系部材を製作するための充填装置であって、
上方から下方に向かって断面が小さくなるように配設されている、切頭円錐状もしくは切頭角錐状のホッパーと、
前記ホッパーの下端にあって前記充填開口よりも平面寸法の小さなホッパー開口の周囲に固定され、前記充填開口よりも大きな平面寸法を有し、前記鋼板に載置されて前記充填開口と該ホッパー開口の間の隙間を閉塞する閉塞板と、を有することを特徴とする。
本態様によれば、セメント系材料が充填される充填開口を有する鋼板の該充填開口と、充填開口よりも平面寸法の小さなホッパー開口の間の隙間を閉塞板にて閉塞することにより、ホッパー開口から側方に充填されたセメント系材料をその天端から押さえ付けることができ、セメント系材料の位置エネルギーの上方への逃げを抑制しながら側方への効果的な流動を実現することができる。
本態様の充填装置の製作対象は、セメント系材料が充填される充填開口を有する鋼板を天端に備えたセメント系部材である。鋼板の有する充填開口とホッパーの下端のホッパー開口を同寸法とした場合、施工現場において、充填開口にホッパー開口を嵌め込んでセットできない場合が生じ得ることから、鋼板の有する充填開口よりもホッパー開口を小寸法にすることが肝要である。例えば、双方の開口の製作誤差や、熱変形等による開口寸法の変動などが一要因として挙げられる。このように、双方の開口に寸法差を持たせることで施工現場における上記課題は解消できるものの、今度は、鋼板の充填開口にホッパー開口を設置した際に、双方の間に隙間が生じることになる。トラックミキサの圧送力がない状況下において、ホッパーを利用してその頂部からセメント系材料を流し込み、ホッパーの高さに起因するセメント系材料の位置エネルギーを利用してセメント系材料を可及的に広範囲に充填させようとした際に、充填開口とホッパー開口の間の隙間から圧力が逃げてしまい、セメント系材料の側方への流動性が阻害されるといった新たな課題が生じ得る。
そこで、本態様では、鋼板に載置されて充填開口とホッパー開口の間の隙間を閉塞する閉塞板をホッパー開口の周囲に固定した構成を適用している。充填開口とホッパー開口の間の隙間を閉塞板により閉塞したことにより、充填開口とホッパー開口の間の隙間から圧力が逃げることが抑制され、セメント系材料の側方への良好な流動性が促進される。
ここで、ホッパーは、切頭円錐状もしくは切頭角錐状であり、切頭角錐状には、切頭四角錐(正方形、矩形)やそれ以外の切頭の多角錐が包含される。また、セメント系材料には、モルタルやコンクリートが包含される。本態様の充填装置により、鋼板と硬化したセメント系材料が一体となったセメント系部材が製作される。特に、フレッシュ状態のセメント系材料が鋼板の背面に充填され、セメント系材料が硬化することにより鋼板とセメント系部材が一体化されることから、双方の界面に隙間を生じさせることなく、鋼板が一体に埋設されたセメント系部材を製作することができる。本態様の充填装置を適用することにより、例えばセメント系部材の平面寸法が大きい場合でも、トラックミキサの圧送力がない状況下において、セメント系部材製作用の型枠までセメント系材料を十分に行き渡らせることが可能になる。
また、本発明による充填装置の他の態様は、
セメント系材料が充填される充填開口を有する鋼板を天端に備えたセメント系部材を製作するための充填装置であって、
上方から下方に向かって断面が小さくなるように配設されている、切頭円錐状もしくは切頭角錐状のホッパーと、
前記ホッパーの下端の断面形状を有してセメント系材料の落下高さを調整する筒部材と、
前記筒部材の下端にあって前記充填開口よりも平面寸法の小さな筒部材開口の周囲に固定され、前記充填開口よりも大きな平面寸法を有し、前記鋼板に載置されて前記充填開口と該筒部材開口の間の隙間を閉塞する閉塞板と、を有することを特徴とする。
本態様によれば、ホッパーの下端にセメント系材料の落下高さを調整する筒部材が配設されていることにより、ホッパーの規模を大規模にすることなく、セメント系材料の落下高さを所望に調整することができる。例えば、セメント系部材の平面寸法が大きい場合は、筒部材の長さを長く設定することにより、セメント系材料の位置エネルギーを大きくすることができ、例えばセメント系材料に高流動性を付与する添加剤を添加することなく、セメント系部材製作用の型枠までセメント系材料を十分に行き渡らせることが可能になる。また、本態様の充填装置では、筒部材の下端にあって充填開口よりも平面寸法の小さな筒部材開口の周囲に閉塞板が固定され、この閉塞板により鋼板の充填開口と筒部材開口の間の隙間が閉塞される。
また、本発明による充填装置の他の態様は、前記ホッパー開口の先端が前記閉塞板よりも下方に突出していることを特徴とする。
本態様によれば、鋼板の充填開口とホッパー開口の間の隙間が閉塞板にて閉塞される形態において、ホッパー開口の先端が閉塞板よりも下方に突出していることにより、ホッパー開口から流出したセメント系材料が閉塞板と鋼板の間に入り込むことを抑止することができる。例えば、ホッパー開口の先端を閉塞板の下面よりも10mm下方に突出させておくことにより、鋼板の上に閉塞板が載置された状態において、ホッパー開口の先端を鋼板と閉塞板の界面よりも下方に突出させることができる。
また、本発明による充填装置の他の態様は、前記筒部材開口の先端が前記閉塞板よりも下方に突出していることを特徴とする。
本態様によれば、鋼板の充填開口と筒部材開口の間の隙間が閉塞板にて閉塞される形態において、筒部材開口の先端が閉塞板よりも下方に突出していることにより、筒部材開口から流出したセメント系材料が閉塞板と鋼板の間に入り込むことを抑止することができる。
また、本発明による充填装置の他の態様は、前記ホッパーもしくは前記筒部材の途中位置において、セメント系材料の流下を遮蔽する遮蔽板がスライド自在に取り付けられていることを特徴とする。
本態様によれば、例えばセメント系部材製作用の型枠内に十分な量のセメント系材料が充填された際に、ホッパー内にセメント系材料が残っている場合において、遮蔽板にてセメント系材料の流下を速やかに遮蔽することにより、セメント系材料が型枠内にさらに充填されて型枠外へ漏れ出すことを抑止することができる。尚、より具体的には、切頭四角錐状のホッパーやこのホッパーの下端の断面形状を有する筒部材を備えた充填装置において、遮蔽板が取り付けられるホッパーの途中位置や筒部材の途中位置の断面形状に相補的な四角形状の遮蔽板が取り付けられる形態が好ましい。
また、本発明による充填装置の他の態様は、前記鋼板に載置される架台に前記ホッパーが支持されていることを特徴とする。
本態様によれば、充填装置が鋼板に載置される架台を有し、架台にホッパーが支持されていることにより、ホッパーを安定的に載置した状態でセメント系材料の充填を行うことができる。尚、充填装置がホッパーを支持する架台を有していない場合は、ホッパーに吊り治具を設けておき、吊り治具にワイヤを係止して重機にてホッパーを支持させる形態が適用できる。
また、本発明による充填装置の他の態様は、前記セメント系部材が、鋼製のベースプレートである前記鋼板が天端に固定されている、免震支承を構成する下部装置であることを特徴とする。
本態様によれば、トラックミキサがアクセスできない施工現場においても、免震支承を構成する下部装置を効率的かつ高品質に製作することができる。尚、この免震支承を構成する下部装置は、例えば平面視円形や八角形のコンクリート製の台座の天端に鋼製のベースプレートが埋設され、ベースプレートの上に、例えば円形の滑り材が上面に嵌め込まれたゴム支承が設置されること等により形成される。このゴム支承の上に、ソールプレートとスライド板とにより構成される上部装置が載置されることにより、下部装置と上部装置からなる免震装置(弾性滑り支承)が形成される。
以上の説明から理解できるように、本発明の充填装置によれば、トラックミキサの圧送力がない状況下において、セメント系材料を打設範囲内に十分に充填することができる。
第1の実施形態に係る充填装置の一例の斜視図である。 図1のII-II矢示図であって、充填装置の縦断面図であり、充填されたセメント系材料の型枠内における流れをともに示す図である。 遮閉板によりセメント系材料の流下が遮蔽されている状態を示す図である。 充填装置により製作された免震支承を構成する下部装置の一例の斜視図である。 第2の実施形態に係る充填装置の一例の斜視図である。 図5のVI-VI矢示図であって、充填装置の縦断面図であり、充填されたセメント系材料の型枠内における流れをともに示す図である。
以下、本発明の各実施形態に係る充填装置の一例について添付の図面を参照しながら説明する。尚、本明細書及び図面において、実質的に同一の構成要素については、同一の符号を付することにより重複した説明を省く場合がある。
[第1の実施形態に係る充填装置]
はじめに、図1乃至図3を参照して、第1の実施形態に係る充填装置の一例について説明する。ここで、図1は、第1の実施形態に係る充填装置の一例の斜視図である。また、図2は、図1のII-II矢示図であって、充填装置の縦断面図であり、充填されたセメント系材料の型枠内における流れをともに示す図である。図2においては、型枠内の配筋の図示を省略している。また、図3は、遮閉板によりセメント系材料の充填が遮蔽されている状態を示す図である。
図1に示すように、本実施形態に係る充填装置100は、ホッパー10と、ホッパー10の下端が嵌め込まれるようにしてホッパー10に取付けられている閉塞板20と、ホッパー10を支持する架台30と、を有する。充填装置100は、トラックミキサがセメント系材料打設場所までアクセスできない施工現場や、トラックミキサのアクセス場所からセメント系材料打設場所までの距離がセメント系材料の圧送を可能とする圧送距離以上となる施工現場において好適に用いられる装置である。
ホッパー10は、切頭角錐状(より詳細には、図示例は切頭四角錐状で平面視正方形)を呈し、上方から下方に向かって断面が小さくなるように配設され、フレーム状の架台30に支持されている。尚、ホッパー10は、切頭錐体であれば、図示例の切頭四角錐状以外にも、切頭五角錐状等の他の切頭角錐状や、切頭円錐状であってもよい。ホッパー10は、例えば台形状に切断加工された4枚の鋼板が相互に溶接にて接合されることにより形成される。ホッパー10は、4つの隅角部や4つの側面の例えば中央位置等において、ホッパー10の長手方向に沿う補強リブ(図示せず)を有していてもよい。
閉塞板20は鋼製の平面視矩形(例えば正方形)の板材であり、その中央には、図2に示すように、ホッパー10の下端にある平面視正方形のホッパー開口11から高さt5上方の位置において、ホッパー10の側面と隙間なく嵌まり込む四角形状(高さt5の位置におけるホッパー10の平面形状(正方形)と相補的な平面形状(正方形))の嵌合開口21を有している。
架台30は、ホッパー10の4つの上端を支持する枠状の上方横架材31と、上方横架材31の4つの隅角部から鉛直方向に延設する4本の縦材32と、4本の縦材32を下方で固定する枠状の下方横架材33とを有する。
充填装置100の製作対象の一例は、鋼板Pを天端に備えたセメント系部材であり、より詳細には、図4に示すように、鋼製のベースプレートである鋼板Pが天端に固定されている、免震支承を構成する下部装置Mである。整地された地盤上、もしくは地盤内に造成されている場所打ち杭や既製杭(図示せず)等の上方において、円盤状の下部装置Mを製作するに当たり、コの字状の鉄筋R1を放射状に配筋するとともに、各鉄筋R1をリング状のフープ鉄筋R2で一体とする配筋が行われる。そして、平面視円形の配筋から径方向に所定のかぶり厚さ離れた位置に筒状の型枠Kが組み付けられる。尚、型枠Kは、型枠K内に充填されたセメント系材料の充填圧により変形や組み付け状態に不具合が生じないように、補強用の環状フランジ(図示せず)を周囲に配設する等の措置が講じられてもよい。
型枠K内に円盤状に配筋されている鉄筋R1,R2の上方には、円盤状の鋼板Pが配設される。鋼板Pは、地盤にて支持される鋼板用架台(図示せず)にて下方から支持される等により、鉄筋R1,R2との間で鉛直方向に所定の隙間を有した状態で型枠Kの中央位置の上方に位置決めされる。鋼板Pの上面には複数のアイボルトP2が取り付けられており、各アイボルトP2に重機(図示せず)から垂下されたワイヤ先端のフックが係止され、重機による吊り下ろし等により鋼板Pの設置が行われる。
ホッパー10を支持する架台30の下方横架材33は、鋼板Pの上面に載置され、必要に応じて、鋼板Pの上面の各所に突設されている位置決め用のボルト(図示せず)にて位置ずれしない態様で配設される。型枠Kの内側の中央位置に鋼板Pが載置された状態においては、図1及び図2に示すように、鋼板Pと型枠Kの間に平面視環状の隙間Dが形成される。この隙間Dにより、ホッパー10を介して型枠K内にセメント系材料が十分に充填されているかが確認できるとともに、必要に応じて、この隙間Dからバイブレータ(図示せず)を挿入してセメント系材料の流動を促進させることができる。
図2に示すように、鋼板Pの中央には例えば平面視正方形の充填開口P1が開設されており、その一辺の長さはt1である。一方、ホッパー開口11の一辺の長さはt2であり、t2<t1の関係にある。これは、t2=t1の関係で充填開口P1とホッパー開口11を製作した場合、現場にて双方を位置合わせした際に、製作誤差や温度による部材の熱変形等によりt2>t1となることがあり得るが、このような場合にホッパー開口11が充填開口P1内に入り込まなくなることから、この課題を解消するために双方の開口の大小関係を規定している。仮に、ホッパー開口11が充填開口P1内に入り込まずに鋼板Pの上面にホッパー開口11が載置された状態となった場合、ホッパー10内に提供されたセメント系材料がホッパー開口11から下方に充填されるのみならず、鋼板Pの上面に漏れ出す恐れがある。
充填開口P1の一辺の長さt1とホッパー開口11の一辺の長さt2の間にt2<t1の関係があるように双方を製作することにより、図2に示すように、充填開口P1の内部にホッパー開口11を位置決めすることができる。
また、ホッパー10の外周には、ホッパー開口11から高さt5の位置に平面視正方形の閉塞板20が嵌め込まれており、閉塞板20の平面寸法は、鋼板Pの充填開口P1よりも大きく、閉塞板20の一辺の長さt3と充填開口P1の一辺の長さt1との間には、t3>t1の関係がある。t3>t1の関係を満たすように閉塞板20と充填開口P1が製作されていることにより、架台30を鋼板Pの上面に載置した図2の状態において、閉塞板20が鋼板Pの充填開口P1の周囲に載置され、充填開口P1の内部にホッパー開口11が位置決めされる。
従って、ホッパー開口11と充填開口P1の間に形成される隙間Gは、閉塞板20により上方から完全に閉塞される。また、隙間Gが閉塞板20により完全に閉塞されながら、閉塞板20から高さt5下方の位置にホッパー開口11が配設される。一例として、高さt5を10mm程度に設定することができる。閉塞板20から高さt5下方の位置にホッパー開口11が配設されることにより、ホッパー10内を流下してきてホッパー開口11から下方に流出したセメント系材料が、鋼板Pの上面と閉塞板20の下面の界面に入り込むことを抑止できる。セメント系材料が鋼板Pの上面と閉塞板20の下面の界面に入り込むことにより、ホッパー10が浮いて姿勢が傾斜する等の不具合が生じ得る。
ホッパー10の有する4つの側面のうち、1つの側面には遮蔽板用開口12が開設されており、遮蔽板用開口12には、遮蔽板用開口12が開設されている位置におけるホッパー10の内部の平面寸法及び平面形状を備えた鋼製の遮蔽板40が、X1方向に出入り自在に取り付けられている。
遮蔽板40は、平面視正方形の鋼製の本体41と、本体41の上面の端部に溶接等により接合されている山形鋼から形成される取っ手42とを有する。ホッパー10の内面のうち、遮蔽板40がスライドする方向の左右側方には、例えば山形鋼により形成される案内片(図示せず)が溶接等により接合されている。さらに、ホッパー10の内面のうち、遮蔽板用開口12に対向する位置には、遮蔽板40がホッパー10内に完全に収容された際に、遮蔽板40の先端を下方から支持する支持片43(図示例は山形鋼により形成される)が溶接等により接合されている。
図2に示すように、ホッパー10内にセメント系材料を上方からY1方向に充填する際には、遮蔽板40をホッパー10の外側にX2方向に引き出しておき、セメント系材料の下方への流動を阻害しないようにする。
ホッパー10内に充填されるセメント系材料には、モルタルとコンクリートの双方が含まれる。既述するように、トラックミキサによるセメント系材料の打設ができない施工現場にてセメント系部材を製作するに当たり、セメント系材料の圧送が可能な位置に載置されたバケット等にトラックミキサからセメント系材料を打設した後、バケット等を台車や重機等でホッパー10まで搬送し、ホッパー10の上方からバケット等を介してセメント系部材を流し込むことにより、型枠K内にセメント系材料を充填する。このように、トラックミキサによる直接的な打設ができないことから、トラックミキサによる圧送力が期待できない。そのため、図2に示すホッパー10の高さt4やホッパー10の側面の勾配θ等が重要になり、特に、ホッパー10の高さt4に起因したセメント系材料の位置エネルギーが、型枠K内におけるセメント系材料の充填性に大きく影響する。
仮に、ホッパー開口11と充填開口P1の間に形成される隙間Gが閉塞板20により上方から完全に閉塞されていない場合、ホッパー10を利用してその頂部からセメント系材料を流し込み、ホッパー10の高さt4に起因するセメント系材料の位置エネルギーを利用してセメント系材料を型枠K内において可及的に広範囲に充填させようとした際に、充填開口P1とホッパー開口11の間の隙間Gから圧力が逃げてしまい、セメント系材料の側方への流動性が阻害される。
しかしながら、充填装置100では、充填開口P1とホッパー開口11の間の隙間Gを閉塞板20が上方から完全に閉塞していることにより、ホッパー開口11から流下して隙間GへY3方向に回り込んだセメント系材料に対して閉塞板20から圧力Qを付与でき、下方へ押し込まれたセメント系材料を側方へ流動させることができる。ホッパー開口11の中央から流下して型枠K側に向かってY2方向に流動するセメント系材料の流れと、閉塞板20から圧力Qで押し込まれて型枠K側に向かってY3方向に流動するセメント系材料の流れが相俟って、セメント系材料の側方への良好な流動性が促進される。
図3に示すように、型枠K内にセメント系材料が十分に充填された状態において、ホッパー10内にはセメント系材料Cが往々にして残っている。このようにホッパー10内に残っているセメント系材料Cが型枠K内にさらに充填されると、余分なセメント系材料Cは隙間Dから上方に漏れ出すことになる。そこで、型枠K内にセメント系材料Cが十分に充填された段階で、遮蔽板40をホッパー10の内部側へX3方向にスライドさせ、遮蔽板40の先端を支持片43に支持させてホッパー10内を遮蔽することにより、以後のセメント系材料Cの流下を速やかに遮蔽することができる。この遮蔽板40によるホッパー10内の遮蔽により、セメント系材料Cが型枠K内にさらに充填されて型枠K外へ漏れ出すことが抑止される。
図4に示すように、型枠K内に充填されたセメント系材料が硬化し、充填装置100が撤去され、型枠Kが脱型されることにより、コンクリート製の台座Sの天端に鋼製のベースプレートPが埋設された、免震装置(弾性滑り支承)を構成する下部装置Mが製作される。下部装置Mは、より詳細には、ベースプレートPの上に、例えば円形の滑り材Wが上面に嵌め込まれたゴム支承Tが固定されることによりその全体が形成される。尚、充填装置100は、図示例の弾性滑り免震装置の下部装置M以外にも、その他の積層ゴム免震装置の構成部材や、他の様々なセメント系部材の製造に適用することができる。
実施形態に係る充填装置100によれば、トラックミキサの圧送力がない状況下においても、セメント系材料を型枠K内に十分に充填することができ、良好な製作性の下で鋼板Pを天端に備えたセメント系部材Sを製作することができる。
[第2の実施形態に係る充填装置]
次に、図5及び図6を参照して、第2の実施形態に係る充填装置の一例について説明する。ここで、図5は、第2の実施形態に係る充填装置の一例の斜視図であり、図6は、図5のVI-VI矢示図であって、充填装置の縦断面図であり、充填されたセメント系材料の型枠内における流れをともに示す図である。
本実施形態に係る充填装置100Aは、ホッパー10の下端において、ホッパー10の下端の断面形状を有して、セメント系材料の落下高さを調整する筒部材50が設けられ、筒部材50の途中位置に閉塞板20が嵌め込まれている点で、充填装置100と相違している。尚、ホッパー10が切頭円錐状の形態では、切頭円錐状の下端の形状及び寸法を有する円筒状の筒部材が適用される。
充填装置100と同様のホッパー10を利用する場合、その高さt4と、平面視正方形の筒部材50の高さt6を合算した高さt7が装置の高さとなり、ホッパー10そのものを大規模化することなく、ホッパー10の上端からY1方向に流し込まれるセメント系材料の位置エネルギーを高めることができる。
図6に示すように、鋼板Pの中央にある平面視正方形の充填開口P1の一辺の長さはt1であり、筒部材50の下端にある筒部材開口51の一辺の長さはt2'であり、双方の間にはt2'<t1の関係がある。図2に示すホッパー開口11と同様に、充填開口P1の一辺の長さt1と筒部材開口51の一辺の長さはt2'の間にt2'<t1の関係があるように双方を製作することにより、施工現場において、充填開口P1の内部に筒部材開口51を不具合なく位置決めすることができる。
本実施形態においても、筒部材開口51と充填開口P1の間に形成される隙間Gは、閉塞板20により上方から完全に閉塞される。また、隙間Gが閉塞板20により完全に閉塞されながら、閉塞板20から下方に高さt5の位置に筒部材開口51が配設される。
筒部材50の有する4つの側面のうち、1つの側面には遮蔽板用開口52が開設されており、遮蔽板用開口52には、筒部材50の内部の平面寸法及び平面形状を備えた鋼製の遮蔽板40AがX1方向に出入り自在に取り付けられている。
遮蔽板40Aは、平面視正方形の鋼製の本体41Aと、本体41Aの上面の端部に溶接等により接合されている山形鋼から形成される取っ手42Aとを有する。筒部材50の内面のうち、遮蔽板40Aがスライドする方向の左右側方には、例えば山形鋼により形成される案内片(図示せず)が溶接等により接合されている。さらに、筒部材50の内面のうち、遮蔽板用開口52に対向する位置には、遮蔽板40Aが筒部材50内に完全に収容された際に、遮蔽板40Aの先端を下方から支持する支持片43A(図示例は山形鋼により形成される)が溶接等により接合されている。
図6に示すように、ホッパー10内にセメント系材料を上方からY1方向に充填する際には、遮蔽板40Aを筒部材50の外側にX2方向に引き出しておき、セメント系材料の下方への流動を阻害しないようにする。そして、型枠K内にセメント系材料が十分に充填された段階で、ホッパー10内にセメント系材料が残っている場合は、遮蔽板40Aをホッパー10の内部側へスライドさせ、遮蔽板40Aの先端を支持片43Aに支持させてホッパー10内を遮蔽する。
充填装置100Aにおいても、鋼板Pに載置されて充填開口P1と筒部材開口51の間の隙間Gを閉塞板20が上方から完全に閉塞していることにより、筒部材開口51から流下して隙間GへY3方向に回り込んだセメント系材料に対して閉塞板20から圧力Qを付与でき、下方へ押し込まれたセメント系材料を側方へ流動させることができる。ホッパー開口11の中央から流下して型枠K側に向かってY2方向に流動するセメント系材料の流れと、閉塞板20から圧力Qで押し込まれて型枠K側に向かってY3方向に流動するセメント系材料の流れが相俟って、セメント系材料の側方への良好な流動性が促進される。
尚、上記実施形態に挙げた構成等に対し、その他の構成要素が組み合わされるなどした他の実施形態であってもよく、ここで示した構成に本発明が何等限定されるものではない。この点に関しては、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で変更することが可能であり、その応用形態に応じて適切に定めることができる。
10:ホッパー、11:ホッパー開口、12:遮蔽板用開口、20:閉塞板、21:嵌合開口、30:架台、40:遮蔽板、50:筒部材、51:筒部材開口、52:遮蔽板用開口、100,100A:充填装置、P:鋼板(ベースプレート)、P1:充填開口、K:型枠、R1、R2:鉄筋、C:セメント系材料、S:セメント系部材(台座)、M:免震支承を構成する下部装置(下部装置)

Claims (5)

  1. セメント系材料が充填される充填開口を有する鋼板を天端に備えたセメント系部材を製作するための充填装置の使用方法であって、
    前記充填装置は、
    上方から下方に向かって断面が小さくなるように配設されている、切頭円錐状もしくは切頭角錐状のホッパーと、
    前記ホッパーの下端にあって前記充填開口よりも平面寸法の小さなホッパー開口の周囲に固定され、前記充填開口よりも大きな平面寸法を有し、前記鋼板に載置されて前記充填開口と該ホッパー開口の間の隙間を閉塞する閉塞板と、を有し、
    前記充填装置の使用方法は、
    前記ホッパー開口の先端前記閉塞板よりも下方に突出させ
    前記ホッパー開口の先端前記鋼板の下面よりも高い位置に配置することを特徴とする、充填装置の使用方法
  2. セメント系材料が充填される充填開口を有する鋼板を天端に備えたセメント系部材を製作するための充填装置の使用方法であって、
    前記充填装置は、
    上方から下方に向かって断面が小さくなるように配設されている、切頭円錐状もしくは切頭角錐状のホッパーと、
    前記ホッパーの下端の断面形状を有してセメント系材料の落下高さを調整する筒部材と、
    前記筒部材の下端にあって前記充填開口よりも平面寸法の小さな筒部材開口の周囲に固定され、前記充填開口よりも大きな平面寸法を有し、前記鋼板に載置されて前記充填開口と該筒部材開口の間の隙間を閉塞する閉塞板と、を有し、
    前記充填装置の使用方法は、
    前記筒部材開口の先端前記閉塞板よりも下方に突出させ、
    前記筒部材開口の先端前記鋼板の下面よりも高い位置に配置することを特徴とする、充填装置の使用方法
  3. 前記充填装置には、前記ホッパーもしくは前記筒部材の途中位置において、セメント系材料の流下を遮蔽する遮蔽板がスライド自在に取り付けられ
    前記充填装置の使用方法は、前記遮蔽板をスライドさせて前記セメント系材料の流下を遮蔽することを特徴とする、請求項1又は2に記載の充填装置の使用方法
  4. 前記鋼板に載置される架台により前記ホッパー支持することを特徴とする、請求項1乃至のいずれか一項に記載の充填装置の使用方法
  5. 請求項1~4の何れか一項に記載の充填装置の使用方法を適用して前記セメント系部材を製造するセメント系部材の製造方法であって、
    前記セメント系部材が、鋼製のベースプレートである前記鋼板が天端に固定されている、免震支承を構成する下部装置であることを特徴とする、セメント系部材の製造方法。
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