JP7175234B2 - 監視システム、および監視方法 - Google Patents
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Description
基礎部は、杭の上端部に連結された鋼製の杭頭接合部と、杭頭接合部から上方に向けて延びる鋼製の支柱部と、支柱部から水平方向に延びるとともに、床スラブを支持する鋼製の基礎梁とを備えている。
この基礎構造では、一般的な土壌でのミクロセル腐食だけではなく、コンクリート土壌マクロセル腐食(以下、「CSマクロセル腐食」という。)が生じる。この基礎構造では、杭鉄筋やスラブ鉄筋と、基礎部とが導通されていることから、これらの間に電位差が生じ、基礎部がアノードとなって基礎部でアノード反応が生じて杭鉄筋やスラブ鉄筋がカソードとなって杭鉄筋やスラブ鉄筋でカソード反応が生じ、アノードから土壌を通してカソードに腐食電流が流れアノードである基礎部にCSマクロセル腐食が生じる。このとき、基礎部の電位が貴側に移行する。
CSマクロセル腐食とミクロセル腐食を防止するため、鋼製の基礎部に塗装を施し、更にマグネシウム合金陽極などの電気防食を適用する技術がある。本技術では、鋼製の基礎部の塗装欠陥部に十分な防食電流密度が流入すると貴側であった鋼製の基礎部の対地電位が卑側に移行し、対地電位が防食電位より卑側になると鋼製の基礎部の防食が達成される。
電気防食では、対象の鋼製の基礎部に必要な防食電流密度を供給できるように必要な防食電流発生装置(例えばマグネシウム合金陽極)が設計される。
しかし、対象の鋼製の基礎部に他の金属物が接触すると、マグネシウム合金陽極から発生する防食電流は、対象の鋼製の基礎部以外の他の金属物にも流入するため、本来防食が必要であった鋼製の基礎部の防食電流密度は防食電位に達する値以下になる。そのため、鋼製の基礎部は電気防食を適用しているにもかかわらず、他の金属物の金属接触により防食電位未達となり腐食が発生する。このとき、金属接触している箇所の近傍のマグネシウム合金陽極の発生電流は増加する。鋼製の基礎部に接触する他の金属物としては、鋼製の建物への引き込み配管、工事の残置金属物、そのほか土中の金属物などがある。
また、直流電気鉄道などが原因となる迷走電流が流れている土壌に、鋼製の基礎部が設置されている場合、迷走電流は低接地構造体である鋼製の基礎部を含むコンクリート杭やマグネシウム合金陽極に流出入する。迷走電流が流入する箇所は、電位が卑側に移行して電気防食と同じように防食効果が得られるが、流出する箇所では対地電位が貴側に移行し、迷走電流腐食(電食)が発生する。このように迷走電流の流出入によって、対象物の対地電位が卑側や貴側に移行する現象を干渉という。
このとき、迷走電流がマグネシウム合金に流入する場合には、陽極の対地電位が卑化するとともに陽極の発生電流は抑制されるが、迷走電流がマグネシウム合金から流出する場合には、陽極の対地電位が貴化するとともに陽極の発生電流は迷走電流分増加し、陽極の溶解が電流増加分進行する。そのため陽極設計で見込んだ陽極の耐用年数前に陽極が消耗してしまう問題が発生する。
しかし、鋼製の基礎部の防食電位に達しない箇所と原因とを特定することは、困難である。このため、パイプラインでは、防食電位に達しない箇所を検出する技術の開発が行われている。例えば、パイプラインに他の金属の接触がある場合の接触位置の検出法の一つに磁気センサー法がある。これは、電流をパイプラインに流し、パイプラインに流れる電流により発生する磁界を磁気センサーで、パイプラインに沿って連続測定していくものであるが、金属接触箇所でパイプラインに流れる電流が分岐することから、接触前後で磁界の大きさが変化し、磁界の大きさの変曲点から金属物との接触位置を検知するといった方法である。この方法は、パイプラインのような単純な延伸構造で効果を発揮するが、鋼製基礎の様な複雑な構造物では、鋼製基礎部に電流を流し磁界を測定しようとしても、部材同士の磁界が重なりあって、金属物の接触位置の検知は不可能である。このように、パイプラインで開発された技術を、鋼製の基礎部には適用できない。
この場合、監視システムは、少なくとも三箇所の対地電位を示す情報を受け付ける。このため、監視システムは、受け付けた少なくとも三箇所の対地電位を示す情報によって定義される平面に基づいて、基礎部に低接地物が接触している位置の導出と、迷走電流の干渉による電流流出が発生している位置の導出とのいずれか一方又は両方を行う。
この場合、監視システムは、複数の陽極の各々が発生する防食電流を示す情報を受け付ける。このため、監視システムは、受け付けた複数の陽極の各々が発生する防食電流を示す情報に基づいて、基礎部に低接地物が接触している位置の導出と、迷走電流の干渉による電流流出が発生している位置の導出とのいずれか一方又は両方を行う。
(8)本発明の一態様に係る監視方法は、上記(7)に記載の監視方法であって、複数の前記基礎構造の各々の前記床スラブには、前記対地電位を測定する電位測定機が設置され、前記特定ステップでは、前記基礎部に低接地物が接触している床スラブの位置の導出と、迷走電流の干渉による電流流出が発生している床スラブの位置の導出とのいずれか一方又は両方を行う。
(10)本発明の一態様に係る監視方法は、上記(9)に記載の監視方法であって、複数の前記基礎構造の各々の前記床スラブには、前記防食電流を測定する電流測定機が設置され、前記特定ステップでは、前記基礎部に低接地物が接触している床スラブの位置の導出と、迷走電流の干渉による電流流出が発生している床スラブの位置の導出とのいずれか一方又は両方を行う。
なお、実施形態を説明するための全図において、同一の機能を有するものは同一符号を用い、繰り返しの説明は省略する。
また、本願でいう「XXに基づいて」とは、「少なくともXXに基づく」ことを意味し、XXに加えて別の要素に基づく場合も含む。また、「XXに基づいて」とは、XXを直接に用いる場合に限定されず、XXに対して演算や加工が行われたものに基づく場合も含む。「XX」は、任意の要素(例えば、任意の情報)である。
(基礎構造)
図1は、本発明の実施形態に係る基礎構造を示す図である。
図1に示すように、本実施形態に係る基礎構造1は、土壌D中に埋設され、かつ内側に複数の杭鉄筋11が配設されたコンクリート製の杭10と、地面Gに設置され、かつ内側に複数のスラブ鉄筋21が配設されたコンクリート製の床スラブ20と、杭10と床スラブ20とを連結し、かつ少なくとも一部が土壌D中に埋設された鋼製の基礎部30と、基礎部30に防食電流を供給する電流供給部51とを備えている。基礎構造1では、電気防食法を採用している。
以下の説明において、杭10が延びる方向を上下方向Xといい、上下方向Xと直交する方向を水平方向という。
床スラブ20は、表裏面が上下方向Xを向く板状に形成され、上面視で矩形状を呈している。床スラブ20の内側には、スラブ鉄筋21が水平方向に間隔をあけて複数配設されている。
杭頭接合部31は有頂筒状をなしている。杭頭接合部31の頂部には、支柱部32が立設されている。
杭頭接合部31は、杭鉄筋11と当接している。これにより、杭頭接合部31および杭鉄筋11は互いに導通されている。杭鉄筋11の上端部が、杭頭接合部31の下端開口縁と当接している。
基礎梁33は支柱部32に複数接続されている。基礎梁33は、床スラブ20の上面視における周縁部に配置され矩形状をなし、床スラブ20を下方から支持している。
基礎梁33における上側に位置するフランジ部33Bの上面には、上方に向けて突出するスタッドジベル34が配設されている。スタッドジベル34は、フランジ部33Bの上面に、基礎梁33の延在方向に沿って、間隔をあけて複数配設されている。基礎梁33は、スタッドジベル34を介してスラブ鉄筋21と連結されている。これにより、基礎梁33およびスラブ鉄筋21が互いに導通されている。
第1絶縁部材40は、杭10と土壌Dとの間、又は床スラブ20と土壌Dとの間に介在されている。本実施形態では、スラブ絶縁部材41は、床スラブ20と土壌Dとの間に介在され、杭絶縁部材42は、杭10と土壌Dとの間に介在されている。
なお、スラブ絶縁部材41はアスファルトに限られない。例えばポリエチレンシート、絶縁ゴムシートなど絶縁性の高い有機材料であれば、スラブ絶縁部材41に適用することができる。
なお、杭絶縁部材42は塗装に限られない。例えば、アスファルト、ポリエチレンシート、絶縁ゴムシートなど絶縁性が高い有機材料であれば、杭絶縁部材42に適用することができる。
なおこのとき、基礎部30では、下記(1)式に示すアノード反応が起こり、杭鉄筋11、スラブ鉄筋21では、下記(2)式に示すカソード反応が起こる。
1/2O2+H2O+2e-→2OH-・・・(2)
電流供給部51は、犠牲陽極52である。犠牲陽極52は、土壌D中に埋設されている。犠牲陽極52は、基礎部30と導通されている。土壌D中の犠牲陽極52のうちマグネシウム合金陽極の電位(例えば-1.5V 飽和硫酸銅電極基準)は、土壌D中の基礎部30の電位(例えば-0.6V)よりも低い。したがって、この電位差に基づいて、犠牲陽極52をアノードとするとともに基礎部30をカソードとし、アノードからカソードへ土壌D中を流れる防食電流を流すことができる。図示の例では、犠牲陽極52は、マグネシウム合金やマグネシウムにより形成されており、犠牲陽極52では、下記(3)式に示すアノード反応が生じる。
Mg→Mg2++2e-・・・(3)
なお、犠牲陽極52を形成する材料には、マグネシウム合金やマグネシウムに代えて、例えば、亜鉛合金や亜鉛などを採用することも可能である。
電気防食は、基礎部30が設計耐用年数、防食電位になるように設計する必要がある。具体的には、基礎部30が防食電位に達にするために必要な防食電流密度(例えば0.02A/m2)に電気防食の対象となる基礎部30の表面積を乗じて、必要な防食電流を算出し、防食電流を耐用年数の間、供給できる犠牲陽極52の質量、形状寸法、個数を決定する。
そのため、犠牲陽極52の設計では、基礎部30のほかに、杭鉄筋11、スラブ鉄筋21に流入する電流を加算し、犠牲陽極52の質量、形状寸法、個数を決定する。
電気防食は、防食電流が流入する範囲を決定し、その防食対象が防食電位になるように設計している。防食対象である基礎構造1の金属部に他の金属物が接触してしまうと、防食電流は他の接触金属物にも流入するため、防食電流の流入範囲が拡大し、もともと防食対象であった鋼製の基礎部30へ流入すべき防食電流密度が低下し、基礎部30は防食電位に達せず、防食電位よりかなり貴側(高い)電位となり、腐食が発生する。
また、陽極発生電流は、金属物が接触している位置に近い犠牲陽極52ほど、陽極発生電流が大きく、他の金属接触金属物に遠いほど、陽極発生電流は小さくなる傾向を示す。
迷走電流が流れている土壌中に基礎構造1が存在すると、迷走電流の一部が基礎構造1の一部に流入し、基礎構造1の別の位置から流出する場合がある。迷走電流が流入する基礎構造1では対地電位が卑側になり、この迷走電流によっても電気防食効果が得られるが、迷走電流が流出する基礎構造1では対地電位が貴側に移行し、腐食が発生する。
一方、基礎構造1に迷走電流が流入する範囲における陽極発生電流は減少し、逆に基礎構造1に迷走電流が流出する範囲における陽極発生電流は増加する。特に犠牲陽極52から迷走電流が流出すると、過大な電流により犠牲陽極52の消耗が急速に進展し、計画耐用年数に達する前に消耗してしまう危険性がある。
図2は、本発明の実施形態に係る監視システムの一例を示す図である。
監視システム200は、電気防食されているにもかかわらず、基礎構造1の鋼製の基礎梁33が防食電位に達しないことを検出する。さらに、監視システム200は、基礎構造1の鋼製の基礎梁33が防食電位に達しない原因を特定する。本実施形態では、一例として、4個の基礎構造1を含む基礎床版毎に、基礎構造1の鋼製の基礎梁33が防食電位に達しないことを検出する場合について説明を続ける。ただし、基礎床版に含まれる基礎構造1の数は、4個に限られない。例えば、基礎床版が、1個から3個の基礎構造1を含んでもよいし、5個以上の基礎構造1を含んでもよい。
監視システム200は、基礎床版B11に含まれる基礎構造1a-11と、基礎構造1b-11と、基礎構造1c-11と、基礎構造1d-11とのうち、複数の基礎構造の基礎梁の対地電位を測定する。ここで、基礎床版は、荷重を直接受ける部材である。
基礎構造1a-11の基礎部30と基礎構造1b-11の基礎部30とは、鋼製の基礎梁33ab-11を共有する。基礎構造1b-11の基礎部30と基礎構造1d-11の基礎部30とは、鋼製の基礎梁33bd-11を共有する。基礎構造1d-11の基礎部30と基礎構造1c-11の基礎部30とは、鋼製の基礎梁33dc-11を共有する。基礎構造1c-11の基礎部30と基礎構造1a-11の基礎部30とは、鋼製の基礎梁33ca-11を共有する。
以下、基礎梁33ab-mn、基礎梁33bc-mn、基礎梁33ca-mn、基礎梁33bd-mnのうち、任意の基礎梁を、基礎梁33と記載する。
基礎梁33の対地電位は、鋼製の基礎梁33の塗膜欠陥部の鋼露出面(以下「塗膜欠陥部」と記す)を模擬したクーポン72a-11の照合電極71a-11を基準とした対地電位として測定する。クーポンは鋼製の基礎梁と成分が同一のもので、表面積が予め公知な小鋼片である。
照合電極71a-11はクーポン72a-11に接近させて設置する。その理由は、クーポン72a-11から照合電極71a-11までの距離があると、土中を流れる防食電流によって生じる土壌での電圧降下(IRドロップ)が、クーポン72a-11の対地電位に対してマイナス側に加算されるため、クーポン72a-11は防食電位に達してなくとも、見かけ上防食電位に達していると判断してしまうからである。
また、照合電極71a-11はクーポン72a-11に接近させた方法に加え、スイッチSW-11によりクーポン72a-11に流入している防食電流を遮断し、その瞬間のクーポン72a-11に対する対地電位を照合電極71a-11で測定すれば、よりIRドロップが抑制される。
なお、クーポンをオフしないときのクーポンの対地電位をクーポンオン電位、クーポンをオフした時のクーポンの対地電位をクーポンオフ電位という。
電位測定機60a-11には、電圧計、高感度記録計、デジタルマルチメータ、データロガーなどが用いられる。電位測定機60a-11への電線の接続は通常、照合電極71a-11側をマイナス極、クーポン72a-11をプラス極とする。
電位測定機60a-11は、照合電極71a-11を基準とした基礎部30の鋼製の基礎梁33の塗膜欠陥の対地電位を、鋼製の基礎梁33の塗膜欠陥部を模擬したクーポン72-a11の対地電位として、測定し、対地電位の測定結果を示す情報と、基礎梁33の識別情報と、測定時刻情報とを含む対地電位測定情報を作成し、作成した対地電位測定情報を、監視装置100に送信する。
電流供給部51a-11が一床に一個以上設置されるため、鋼製の基礎梁用防食モニタリングは一床毎に設置する。複数の基礎構造の各々の床スラブに、防食電流を測定する電流測定機を設置する。照合電極71a-11とクーポン72a-11とはマグネシウム合金陽極からの防食電流が流入しにくいマグネシウム合金陽極から遠方の端部付近に接近させて埋設する。
また、マグネシウム合金陽極、照合電極71a-11、クーポン72a-11からのリード線は床版上に立ち上げ、建柱に設けた端子台に接続する。リード線は断線や損傷しないように土中から端子台まで電線保護管で保護する。端子台には、防食電流遮断や電流値調整ができるようにスイッチや、抵抗を配する。これにより、全ての箇所において、測定したいときに測定計器を持ち込めば、建柱に設置した端子台で、鋼製の基礎梁の対地電位(クーポンオン電位、および、クーポンオフ電位)、陽極が発生する防食電流であるマグネシウム合金陽極発生電流を測定できる。また、必要に応じてデータロガーを設置すれば連続測定が可能となる。さらに、ネットワーク50や監視装置100を付加すれば遠隔監視も可能となる。
電流測定機70a-11は、電流供給部51a-11から発生し、基礎梁33を含む基礎部30とそれに連なる杭鉄筋に流入する電流を測定し、電流の測定結果を示す情報と、基礎梁33の識別情報と、測定時刻情報とを含む電流測定情報を作成し、作成した電流測定情報を、監視装置100に送信する。
図3は、基礎床版の一例を示す図である。図3に示すように、基礎構造1a-mnの基礎部30と基礎構造1b-mnの基礎部30とは、鋼製の基礎梁33ab-mnを共有する。基礎構造1b-mnの基礎部30と基礎構造1d-mnの基礎部30とは、鋼製の基礎梁33bd-mnを共有する。基礎構造1d-mnの基礎部30と基礎構造1c-mnの基礎部30とは、鋼製の基礎梁33dc-mnを共有する。基礎構造1c-mnの基礎部30と基礎構造1a-mnの基礎部30とは、鋼製の基礎梁33ca-11を共有する。図2に戻り説明を続ける。図2に示される例では、基礎梁33の対地電位を測定するために、電位測定機60a-mnが、照合電極71a-mnと、基礎構造1a-mnの基礎部30の鋼製の基礎梁33(基礎梁33ab-mn、基礎梁33ca-mn)に電線を介して接続されたクーポン72a-mnと接続される。電位測定機60a-mnは、ネットワーク50を経由して、監視装置100と接続される。また、スイッチSW-mnを介して、基礎構造1a-mnの基礎部30の鋼製の基礎梁33(基礎梁33ab-mn、基礎梁33ca-mn)と、クーポン72a-mnとが接続される。
また、電流供給部51a-mnに発生する電流を測定するために、電流測定機70a-mnが、電流供給部51a-mnと、基礎構造1a-11の基礎部30の鋼製の基礎梁33と接続される。電流測定機70a-mnは、ネットワーク50を経由して、監視装置100と接続される。
電流測定機70a-mnは、電流供給部51a-mnから発生し、基礎梁33を含む基礎部30とそれに連なる杭鉄筋に流入する電流とを測定し、電流の測定結果を示す情報と、基礎梁33の識別情報と、測定時刻情報とを含む対地電位測定情報を作成し、作成した対地電位測定情報を、監視装置100に出力する。
また、電流供給部51a-11~電流供給部51a-mnのうち任意の電流供給部を電流供給部51a-mnと記載し、電位測定機60a-11~電位測定機60a-mnのうち任意の電位測定機を電位測定機60a-mnと記載する。また、電位測定機60a-11~電位測定機60a-mnのうち任意の電位測定機を電位測定機60a-mnと記載し、電流測定機70a-11~電流測定機70a-mnのうち任意の電流測定機を電流測定機70a-mnと記載する。また、照合電極71a-11~照合電極71a-mnのうち任意の照合電極を照合電極71a-mnと記載する。また、クーポン72a-11~クーポン72a-mnのうち任意のクーポンをクーポン72a-mnと記載する。
(監視装置100)
図4は、本発明の実施形態に係る監視システムを構成する監視装置を示すブロック図である。
監視装置100は、パーソナルコンピュータ、サーバー、又は産業用コンピュータ等の装置によって実現される。
監視装置100は、通信部110と、記憶部120と、情報処理部130と、各構成要素を図4に示されているように電気的に接続するためのアドレスバスやデータバスなどのバスライン160とを備える。
アプリ124は、監視装置100に、電流測定機70a-11~電流測定機70a-mnの各々が送信した電流測定情報を受信させる。
アプリ124は、監視装置100に、受信させた複数の対地電位測定情報と、複数の電流測定情報とを受け付けさせる。
アプリ124は、監視装置100に、受け付けさせた複数の対地電位測定情報と、複数の電流測定情報とに基づいて、鋼製の基礎梁33と導通する全ての鋼材に他の金属物(低接地物)が接触している箇所があるか否かを判定させる。
アプリ124は、監視装置100に、鋼製の基礎梁33と導通する全ての鋼材に他の金属物が接触している箇所があると判定させた場合に、その箇所を特定させる。
アプリ124は、監視装置100に、受け付けさせた対地電位測定情報と、電流測定情報とに基づいて、電鉄等からの迷走電流の干渉による電流流出が発生しているか否かを判定させる。
アプリ124は、監視装置100に、電鉄等からの迷走電流の干渉による電流流出が発生していると判定させた場合に、その箇所を特定させる。
基礎梁位置情報128は、基礎梁の識別情報と、その基礎梁の位置情報とを関連付けたテーブル形式の情報である。
情報処理部130は、例えば、受付部131と、処理部132と、特定部133とを備える。
処理部132は、受付部131が出力した複数の対地電位測定情報と、複数の電流測定情報とを取得し、取得した複数の対地電位測定情報と、電流測定情報とに基づいて、鋼製の基礎梁33と導通する全ての鋼材に他の金属物が接触しているか否かと、電鉄等からの迷走電流の干渉による電流流出が発生しているか否かを判定する。
鋼製の基礎梁33の対地電位は、陽極に発生する電流の変動とリンクしている。このため、対地電位と、陽極に発生する電流とに基づいて、現象をより確実にとらえることができる。対地電位の変動量と陽極に発生する電流の変動とに基づいて、対象物の接地抵抗Rを導出できる。接地抵抗Rは、土壌抵抗率ρと損傷面積Aとの関数であるため、接触物の大きさの目安にできる。また、迷走電流の干渉による電流流出についても、対地電位と、陽極に発生する電流との相関が高い。
このため、本実施形態では、対地電位と陽極に発生する電流とを測定する場合について説明する。また、陽極に発生する電流は、陽極の消耗量に影響するため、耐用年数をチェックするためにも使用される。
具体的には、鋼製の基礎梁33と導通する全ての鋼材に他の金属物が接触している場合には、電流供給部51が基礎部30の鋼製の基礎梁33に供給する防食電流が急増し、鋼製の基礎梁33の対地電位が貴化する。この防食電流の急増と、対地電位の貴化とは、接触箇所で顕著であり、接触箇所から離隔するほど、防食電流の増加と、対地電位の貴化とが見られなくなる。
処理部132は、取得した複数の対地電位測定情報の各々に含まれる対地電位の測定結果を示す情報を取得し、取得した複数の対地電位の測定結果を示す情報の各々に基づいて、対地電位の測定結果が電位閾値以上変化したか否かを判定する。
処理部132は、複数の電位の測定結果のいずれも電位閾値以上変化しない場合には、鋼製の基礎梁33と導通する全ての鋼材に他の金属物が接触しておらず、迷走電流の干渉による電流流出も発生していないと判定する。
処理部132は、複数の電位の測定結果のうち少なくとも一つが電位閾値以上変化した場合に、複数の電位の測定結果に卑側に変動したものがないか否かを判定する。
処理部132は、複数の電位の測定結果に卑側に変動したものがない場合には、鋼製の基礎梁33と導通する鋼材に他の金属物が接触したものがあると判定する。
処理部132は、複数の電位の測定結果のうち、少なくとも一つが卑側に変動している場合には、迷走電流の干渉による電流流出が発生していると判定する。
また、処理部132は、取得した複数の電流測定情報の各々に含まれる電流の測定結果を示す情報を取得し、取得した複数の電流の測定結果を示す情報に基づいて、電流の測定結果が電流閾値以上変化したか否かを判定する。
処理部132は、複数の電流の測定結果のいずれも電流閾値以上変化しない場合には、鋼製の基礎梁33と導通する全ての鋼材に他の金属物が接触しておらず、迷走電流の干渉による電流流出も発生していないと判定する。
処理部132は、複数の電流の測定結果のうち少なくとも一つが電流閾値以上変化した場合に、複数の電流の測定結果に減少したものがないか否かを判定する。
処理部132は、複数の電流の測定結果に減少したものがない場合には、鋼製の基礎梁33と導通する鋼材に他の金属物が接触しているものがあると判定する。
処理部132は、複数の電流の測定結果に減少したものがある場合には、迷走電流の干渉による電流流出が発生していると判定する。
処理部132は、迷走電流の干渉による電流流出が発生したと判定した場合に、迷走電流の干渉による電流流出が発生したことを示す情報を、表示部150に出力する。処理部132は、迷走電流の干渉による電流流出が発生したと判定した場合に、迷走電流の干渉による電流流出が発生したことを示す情報と、複数の鋼製の基礎梁33の識別情報と、その鋼製の基礎梁33で計測された電位の測定結果を示す情報とを関連付けた情報とを含む迷走電流発生情報を作成し、作成した迷走電流発生情報を、特定部133へ出力する。
ここで、記憶部120に記憶されているシミュレーション結果126の詳細について説明する。
シミュレーション条件(数値解析条件)について説明する。大梁で囲まれた一区画を、基礎床版Bmnとした。防食対象を鋼製の基礎梁とし、防食方法を犠牲陽極(マグネシウム合金)による電気防食とした。基礎梁は、塗装されている。犠牲陽極は、その寸法Φを、200mm×1200mmとし、地上から、1.6mの深さに水平に埋設した。なお、梁の分極曲線は、塗装の絶縁欠陥率1%とし、無塗装の鋼材(土中)の分極曲線に欠陥率を作用させた。土壌抵抗は、50Ωmとした。
迷走電流に関して、電位の勾配を、5mV/mとした。迷走電流の方向を変えて、電位の計測値から方向を導出した。
他の金属接触に関して、鋼の接触を仮定した。接触する鋼は、その寸法Φを100mm×2000mmとした。接触位置を変えて、電位計測値から接触位置を算出した。
鋼製の基礎梁33に関して、図3を参照して説明した基礎梁33ab-mnの長手方向の長さと、基礎梁33bd-mnの長手方向の長さと、基礎梁33dc-mnの長手方向の長さと、基礎梁33ca-mnの長手方向の長さとの各々を10mとした。
図5は、基礎梁の寸法の一例を示す。図5に示すように、フランジ厚を28mmとし、ウェブ厚を16mmとし、高さを900mmとし、フランジの短辺の長さを250mmとした。
図6は、参照電極の設置位置の一例を示す。図6に示すように、基礎構造1a-mnに設置される参照電極2Eと基礎構造1b-mnに設置される参照電極1Eとの距離を9mとした。また、基礎構造1b-mnに設置される参照電極1Eと基礎構造1d-mnに設置される参照電極4Eとの距離を9mとした。また、基礎構造1d-mnに設置される参照電極4Eと基礎構造1c-mnに設置される参照電極3Eとの距離を9mとした。また、基礎構造1c-mnに設置される参照電極3Eと基礎構造1a-mnに設置される参照電極2Eとの距離を9mとした。参照電極1Eと、参照電極2Eと、参照電極3Eと、参照電極4Eとを、地上から0.9mの深さに設置した。
図7の上図は、基礎梁33ab-mnと、基礎梁33bd-mnと、基礎梁33dc-mnと、基礎梁33ca-mnと、電流供給部51との各々の電位を示す。図7の下図(a)は、地上から0.9m深さの電位を示す。図7の上図(a)と下図(b)の両方において、防食電位は、-0.725VvsSSEである。
図7の上図(a)によれば、基礎梁表面は、-0.875VvsSSEであるため、卑に分極されていることが分かる。図7の下図(b)によれば、電流供給部51は、-1.000VvsSSEであるため、卑に分極されていることが分かる。
図8において、(a)は迷走電流が無い場合であり、(b)は迷走電流が0度の方向から流入する場合であり、(c)は迷走電流が15度の方向から流入する場合であり、(d)は迷走電流が30度の方向から流入する場合であり、(e)は迷走電流が45度の方向から流入する場合である。図8において、防食電位は、-0.725VvsSSEである。図8によれば、迷走電流が流入する方向を変えることによって、迷走電流が流入する方向が、卑に分極されることが分かる。
図9は、図6を参照して説明した参照電極1E~参照電極4Eの各々について、迷走電流が無い場合と、迷走電流が流入する方向を0度とした場合と、迷走電流が流入する方向を15度とした場合と、迷走電流が流入する方向を30度とした場合と、迷走電流が流入する方向を45度とした場合とについて、電位を導出した結果を示す。図9によれば、参照電極1Eと参照電極4Eとは、参照電極2Eと参照電極3Eとに比べて、迷走電流が流入する方向に近いため、より卑側に変化していることが分かる。
また、図9に基づいて、参照電極の電位の値から電位勾配の大きさと、方向(角度)とを導出した。その結果を表1に示す。
図10は、金属接触位置の一例を示す。参照電極1E~参照電極4Eは、前述したように、地上から0.9mの深さに設置した。なお、接触金属の寸法Φは、100mm×2000mmである。
図10において、(a)に示すように、参照電極1Eと参照電極4Eとの垂直二等分線上で、地上から0.45mの深さの位置に、接触金属(鋼)CMを埋設した。(b)に示すように、(a)に対して、+y方向に2m平行移動させた位置に、接触金属(鋼)CMを埋設した。(c)に示すように、(a)に対して、+y方向に4m平行移動させた位置に、接触金属(鋼)CMを埋設した。
図12は、シミュレーション結果の一例を示す図である。図12には、金属を接触させた場合の解析結果を示す。図12は、図6を参照して説明した参照電極1E~参照電極4Eの各々について、金属の接触が無い場合と、図10の(a)の場合と、図10の(b)の場合と、図10の(c)の場合とについて、電位を導出した結果を示す。図12によれば、金属を接触させることによって、基礎梁を、貴側に変化できることが分かる。また、図12によれば、参照電極1Eと参照電極4Eとは、参照電極2Eと参照電極3Eとに比べて、接触金属に近いため、より貴側に変化していることが分かる。
また、図12に基づいて、参照電極の値から、電位の勾配の方向を導出し、梁の中央から導出した電位の方向を見た場合の位置(接触推定位置)、つまりy方向の位置を導出した。その結果を表2に示す。
図13は、基礎床版の一例を示す図である。
シミュレーション結果の一例(その3)は、前述したシミュレーション結果の一例(その1、その2)と、鋼製の基礎梁の一区画(基礎床版B11)を、3×6区画集めて、一単位とした点で異なる。また、犠牲陽極は、各区画の中央で、且つ地上から、1.6mの深さに水平に埋設した。
図14は、参照電極の設置位置の一例を示す。図14に示すように、鋼製の基礎梁の一区画(基礎床版B11)を、3×6区画集めたものについて、四隅と、長手方向の中点との計6点に、参照電極1E~参照電極6Eを設置した。
図15は、シミュレーション結果の一例を示す図である。図15には、迷走電流の干渉による電流流出が発生せず、且つ基礎梁に低接地物が接触していない場合を示す。
図15の上図(a)は、鋼製の基礎梁の一区画を、3×6区画集めたものについて、各基礎梁と、電流供給部51との各々の電位を示す。図15の下図(b)は、地上から0.9m深さの電位を示す。図15の上図(a)と下図(b)の両方において、防食電位は、-0.725VvsSSEである。
図15の上図(a)によれば、基礎梁表面は、-0.925VvsSSEであるため、卑に分極されていることが分かる。図15の下図(b)によれば、電流供給部51は、-1.000VvsSSEであるため、卑に分極されていることが分かる。ここでは、3×6区画について示したが、3×6区画に限らず、任意の区画についても同様である。
図16において、(a)は迷走電流の干渉による電流流出が発生していない場合であり、(b)は迷走電流が0度の方向から流入する場合であり、(c)は迷走電流が45度の方向から流入する場合であり、(d)は迷走電流が90度の方向から流入する場合である。図16において、防食電位は、-0.750VvsSSEである。図16によれば、迷走電流が流入する方向を変えることによって、迷走電流が流入する方向が、卑に分極されることが分かる。ここでは、3×6区画について示したが、3×6区画に限らず、任意の区画についても同様である。
図17は、シミュレーション結果の一例を示す図である。図17は、迷走電流の解析結果を示す。図17は、図14を参照して説明した参照電極1E~参照電極6Eの各々について、迷走電流の干渉による電流流出が発生していない場合と、迷走電流が流入する方向を0度とした場合と、迷走電流が流入する方向を45度とした場合と、迷走電流が流入する方向を90度とした場合とについて、電位を導出した結果を示す。図17によれば、迷走電流が流入する方向が0度から90度に変化するにしたがって、迷走電流が流入する方向に近い参照電極5E、参照電極6E、参照電極3Eが順により卑側に変化していることが分かる。
また、図17に基づいて、参照電極の値から電位勾配の大きさと角度とを導出した。その結果を表3に示す。
図18は、金属接触位置の一例を示す。参照電極1E~参照電極6Eは、前述したように、地上から0.9mの深さに設置した。なお、接触金属CMの寸法Φは、100mm×2000mmである。
図18において、参照電極6Eと参照電極4Eとの垂直二等分線からy軸方向に4m平行移動させ、地上から0.45mの深さの位置に、接触金属(鋼)CMを埋設した。
図19は、シミュレーション結果の一例を示す図である。図19には、金属の接触がない場合と、図18の場合とを示す。図19によれば、金属の接触がない場合と比較して、金属を接触させた場合には、対地電位が貴化していることが分かる。
図20は、シミュレーション結果の一例を示す図である。図20には、金属を接触させた場合の解析結果を示す。図20は、図14を参照して説明した参照電極1E~参照電極6Eの各々について、金属の接触が無い場合と、金属の接触がある場合とについて、電位を示す。図20によれば、金属を接触させることによって、基礎梁を、貴側に変化できることが分かる。
また、図20に基づいて、参照電極の値から、電位の勾配の方向を導出し、梁の中央から導出した電位の方向を見た場合の位置、つまりy方向の位置を導出した。その結果は、1.2mであり、参照電極の電位の値から導出した金属の接触推定位置と近い値が得られた。このため、参照電極の電位の計測値から、金属の接触位置を導出できることかわかる。つまり、基礎部に低接地物が接触している床スラブの位置を導出できる。
また、特定部133は、取得した複数の基礎梁の位置情報の各々と、その基礎梁で計測された対地電位の測定結果とから、少なくとも3箇所の基礎梁の位置情報の各々と、その基礎梁で計測された対地電位の測定結果とを取得する。特定部133は、取得した少なくとも3箇所の基礎梁の位置情報の各々と、その基礎梁で計測された対地電位の測定結果とに基づいて、電位勾配を導出し、導出した電位勾配からその方向を導出する。特定部133は、導出した電位勾配に基づいて、基礎床版Bmnの中央から、電位勾配の方向を見た場合の基礎梁の位置を導出することによって、低接地物が接触した位置を導出する。特定部133は、導出した低接地物が接触した位置を示す情報を、表示部150に出力する。
また、特定部133は、取得した複数の基礎梁の位置情報の各々と、その基礎梁で計測された対地電位の測定結果とから、少なくとも3箇所の基礎梁の位置情報の各々と、その基礎梁で計測された対地電位の測定結果とを取得する。特定部133は、取得した少なくとも3箇所の基礎梁の位置情報の各々と、その基礎梁で計測された対地電位の測定結果とに基づいて、電位の勾配を導出し、導出した電位の勾配からその方向を導出する。特定部133は、導出した電位の勾配に基づいて、基礎床版Bmnの中央から、電位の勾配の方向を見た場合の角度を導出することによって、迷走電流の角度を導出する。特定部133は、導出した迷走電流が流入した位置を示す情報を、表示部150に出力する。
図21は、鋼製基礎梁の一例を示す図である。
特定部133が、金属物接触位置の検知する処理について説明する。マグネネシウム合金陽極の発生電流測定のため、電流測定装置を、マグネシム合金陽極と鋼製基礎梁と導通のある建柱との間に挿入し、電流測定装置を鋼製基礎梁1区画毎に準備する。複数の基礎構造の各々の床スラブに、防食電流を測定する電流測定装置が設置される。このように構成することによって、全ての区画のマグネシム合金陽極発生電流を常時監視できるようにする。図21に示すように、鋼製基礎梁の位置を、区画の横方向を1列目、2列目、・・・、n列目(nは、n>0の整数)とし、区画の縦方向を1行目、2行目、・・・、m行目(mは、m>0の整数)とし、鋼製基礎梁の各位置をn列目×m行目で表すこととする。図21には、一例として、5列×3行の15区画が示される。この場合、15区画の各々に含まれる床スラブに、電流測定装置が設置される。
仮に、1列×1行の鋼製基礎梁に、他の金属物が接触した場合に、マグネシウム合金陽極の発生電流は経過時間とともに変化する。
金属物の接触がない場合には、鋼製基礎梁の位置によらず防食電流はほぼ一定と想定される。この定常の状態の鋼製基礎梁に金属物が接触すると接触した金属接触部にもマグネシウム合金陽極からの発生電流が流入する。したがって、マグネシウム合金陽極の発生電流は金属物が接触すると、定常状態から大きく増加する。マグネシウム合金陽極の発生電流の増加の度合いは、鋼製基礎梁との金属接触部に近いマグネシウム合金陽極ほど大きくなり、金属接触部に遠いマグネシウム合金陽極ほど小さくなる。
このため、金属物が3列目、2行目の鋼製基礎梁の中央部に接触した場合におけるマグネシウム合金の発生電流の大きさは、n列目×m行目の鋼製基礎梁に発生する電流を、「In,m」で表した場合、以下のようになる。
I3,2>I3,1,I3,3,I2,2,I4,2>I2,1,I4,1,I2,3,I4,3
したがって、マグネシウム合金陽極の発生電流を常時監視できればマグネシウム合金陽極の発生電流の大きさから、金属物の接触位置が推定できる。特定部133は、マグネシウム合金陽極の発生電流の大きさに基づいて、基礎部に低接地物が接触している床スラブを導出する。
なお、マグネシウム合金陽極の発生電流は、通信回線による常時監視でなくてもよく、定期的なマグネシウム合金陽極の発生電流の測定によっても、マグネシウム合金陽極の発生電流の大きさから金属物の接触箇所は推定できる。
また、マグネシウム合金陽極の発生電流は、全箇所測定ではなく、隣接する数箇所のマグネシウム合金陽極をスキップして測定しても、大まかには金属物の接触箇所をとらえることができる。
直流電気鉄道などを発生源とし、レールから漏洩した迷走電流が土壌中に流れているところにいくつもの鋼製基礎梁があると、土壌中を流れる迷走電流は電圧降下が最少となるような経路を取るので、接地抵抗の低い杭鉄筋や鋼製基礎梁の塗膜欠陥部やマグネシウム合金陽極などに流入する。一旦、杭鉄筋や鋼製基礎梁の塗膜欠陥部やマグネシウム合金陽極に流入した迷走電流は、別の個所の杭鉄筋や鋼製基礎梁の塗膜欠陥部やマグネシウム合金陽極から土壌中に流出し、その後、直流電気鉄道のレールに戻る。
図23は、迷走電流の流出箇所のマグネシウム合金陽極の発生電流経時変化の一例を示す図である。
直流電気鉄道から漏れた迷走電流が、図21に示される鋼製基礎梁の1列1行~1列3行の、鋼製基礎梁の塗膜欠陥部や杭鉄筋、更にはマグネシウム合金陽極に流入し、5列1行~5列3行にかけて流出し、直流電気鉄道のレールに戻る場合を考える。迷走電流が流入した1列1行~1列3行では鋼製基礎梁の塗膜欠陥部、杭鉄筋、更にはマグネシウム合金陽極の電位が卑側にシフトするとともに、マグネシウム合金陽極の発生電流は迷走電流が流入する前と比較して減少する。
一方、迷走電流が杭鉄筋や鋼製基礎梁の塗膜欠陥部やマグネシウム合金陽極などから流出した場合に、5列1行~5列3行では、杭鉄筋や鋼製基礎梁の塗膜欠陥部やマグネシウム合金陽極の電位が貴化するとともに、マグネシウム合金陽極の発生電流は迷走電流が流出する前と比較して増加する。迷走電流が土壌中に流出する杭鉄筋や鋼製基礎梁の塗膜欠陥部やマグネシウム合金陽極箇所では腐食が生じる。マグネシウム合金陽極では陽極が強制溶解するので、陽極寿命が縮小となる。
迷走電流の干渉による電流流出範囲はマグネシウム合金陽極の発生電流が上昇したところとなる。特定部133は、マグネシウム合金陽極の発生電流に基づいて、迷走電流の干渉による電流流出が発生している床スラブの位置を導出する。図4に戻り説明を続ける。
表示部150は、例えば液晶ディスプレイ等によって構成される。表示部150は、処理部132が出力した低接地物が接触していることを示す情報、特定部133が出力した低接地物が接触した位置を示す情報、処理部132が出力した迷走電流が発生していることを示す情報、特定部133が出力した迷走電流が発生している位置を示す情報などを表示する。
図24と、図25とは、本実施形態の監視システムの動作の一例を示すフローチャートである。図24と、図25とには、主に、監視システム200に含まれる監視装置100の動作を示す。
対象物に電流が流出入することで対地電位が変動する。電流の変動は変状発生とともに直ちに変化するが、対地電位は対象物の分極を伴う場合が多く、変状発生に伴う電位変動は電流よりは遅くなる。以上のことから、本実施形態では、鋼製部材対地電位に加え、陽極発生電流の両方をモニタリングし、他金属との接触の有無、迷走電流の干渉(流出域が腐食箇所)の有無を検知する場合について説明を続ける。
図24を参照して、基礎構造(1a-11~1a-mn)の基礎部30の鋼製の基礎梁33に電線を介して接続されたクーポン72a-11の対地電位を照合電極(71a-11~71a-mn)で測定し、その測定結果に基づいて、基礎梁33に低接地物が接触しているか否かの判断と、迷走電流の干渉による電流流出が発生しているか否かの判定とのいずれか一方又は両方を行う処理について説明する。
(ステップS1)
監視装置100の通信部110は、電位測定機60a-11~電位測定機60a-mnの各々が送信した対地電位測定情報を受信し、受信した対地電位測定情報を、情報処理部130に出力する。
情報処理部130の受付部131は、通信部110が出力した複数の対地電位測定情報を取得し、取得した複数の対地電位測定情報を受け付ける。
処理部132は、受付部131が出力した複数の対地電位測定情報を取得し、取得した複数の対地電位測定情報の各々に含まれる対地電位の測定結果を示す情報を取得する。処理部132は、取得した複数の対地電位の測定結果を示す情報の各々に基づいて、電位の測定結果が電位閾値以上変化したものがあるか否かを判定する。
(ステップS3)
処理部132は、複数の電位の測定結果の全てが電位閾値以上変化しない場合には、鋼製の基礎梁33と導通する全ての鋼材に他の金属物が接触しておらず、迷走電流の干渉による電流流出も発生していないと判定する。
(ステップS4)
処理部132は、複数の電位の測定結果のうち少なくとも一つが電位閾値以上変化した場合に、複数の電位の測定結果に卑側に変動したものがないか否かを判定する。
処理部132は、複数の対地電位の測定結果に卑側に変動したものがない場合には、基礎梁33に低接地物が接触していると判定する。処理部132は、基礎梁33に低接地物が接触していると判定した場合に、基礎梁33に低接地物が接触していることを示す情報を、表示部150に出力する。処理部132は、基礎梁33に低接地物が接触していると判定した場合に、基礎梁33に低接地物が接触していることを示す情報と、鋼製の基礎梁33の識別情報と、対地電位の測定結果を示す情報とを関連付けた情報を含む低接地物接触発生情報を作成し、作成した低接地物接触発生情報を、特定部133へ出力する。
(ステップS6)
特定部133は、取得した低接地物接触発生情報に含まれる鋼製の基礎梁33の識別情報と、対地電位の測定結果を示す情報とを関連付けた情報とを取得する。特定部133は、取得した鋼製の基礎梁33の識別情報と、対地電位の測定結果を示す情報とを関連付けた情報に基づいて、低接地物が接触した床スラブの位置を導出する。特定部133は、取得した鋼製の基礎梁33の識別情報と、対地電位の測定結果を示す情報とを関連付けた情報に基づいて、低接地物が接触した位置を導出する。特定部133は、導出した低接地物が接触した位置を示す情報を、表示部150に出力する。
低接地物が接触した場合には、基礎梁33の電位が上昇してしまう。この場合、低接地物が接触した位置に基づいて、低接地物を除去することによって、基礎梁33の電位を下げることができる。
処理部132は、複数の対地電位の測定結果に、卑側に変動したものがある場合には、迷走電流の干渉による電流流出が発生したと判定する。処理部132は、迷走電流の干渉による電流流出が発生したと判定した場合に、迷走電流の干渉による電流流出が発生したことを示す情報を、表示部150に出力する。処理部132は、迷走電流の干渉による電流流出が発生したと判定した場合に、迷走電流の干渉による電流流出が発生したことを示す情報と、鋼製の基礎梁33の識別情報と、対地電位の測定結果を示す情報とを関連付けた情報とを含む迷走電流の干渉による電流流出発生情報を作成し、作成した迷走電流の干渉による電流流出発生情報を、特定部133へ出力する。
(ステップS8)
特定部133は、処理部132が出力した迷走電流の干渉による電流流出発生情報を取得し、取得した迷走電流の干渉による電流流出発生情報に含まれる鋼製の基礎梁33の識別情報と、対地電位の測定結果を示す情報とを関連付けた情報とを取得する。特定部133は、取得した鋼製の基礎梁33の識別情報と、対地電位の測定結果を示す情報とに基づいて、迷走電流の干渉による電流流出が発生した床スラブの位置を導出する。特定部133は、取得した鋼製の基礎梁33の識別情報と、対地電位の測定結果を示す情報とを関連付けた情報に基づいて、対地電位の測定結果から、迷走電流の干渉による電流流出が発生した箇所を導出する。特定部133は、導出した迷走電流の干渉による電流流出が発生した箇所を示す情報を、表示部150に出力する。
迷走電流の干渉による電流流出が発生した場合に、電位が高い箇所は流出電流が多いため、腐食が問題となる。この場合、マグネシウム電極の回路に抵抗を挿入することによって、電流を下げることができる。マグネシウムの電極の回路に抵抗を挿入しても、電位が下がらない場合には、マグネシウムを追加することによって、電位を下げることができる。
電流測定機70a-11~電流測定機70a-mnの各々は、電流供給部(51a-11~51a-mn)から、基礎構造の基礎部30の鋼製の基礎梁33の他、それに導通している杭鉄筋に流れる電流を測定し、電流の測定結果を示す情報と、基礎梁33の識別情報と、測定時刻情報とを含む電流測定情報を作成し、作成した電流測定情報を、監視装置100に送信する。
(ステップS11)
監視装置100の通信部110は、電流測定機70a-11~電流測定機70a-mnの各々が送信した電流測定情報を受信し、受信した電流測定情報を、情報処理部130に出力する。
情報処理部130の受付部131は、受け付けた複数の電流測定情報を、処理部132に出力する。
(ステップS12)
処理部132は、受付部131が出力した複数の電流測定情報を取得し、取得した複数の電流測定情報の各々に含まれる電流の測定結果を示す情報を取得する。処理部132は、取得した複数の電流の測定結果を示す情報の各々に基づいて、電流の測定結果が電流閾値以上変化したものがあるか否かを判定する。
(ステップS13)
処理部132は、複数の電流の測定結果の全てが電流閾値以上変化しない場合には、鋼製の基礎梁33と導通する全ての鋼材に他の金属物が接触しておらず、迷走電流の干渉による電流流出も発生していないと判定する。
(ステップS14)
処理部132は、複数の電流の測定結果のうち少なくとも一つが電流閾値以上変化した場合に、複数の電流の測定結果に減少したものがないか否かを判定する。
(ステップS15)
処理部132は、複数の電流の測定結果に減少したものがない場合には、基礎梁33に低接地物が接触していると判定する。処理部132は、基礎梁33に低接地物が接触していると判定した場合に、基礎梁33に低接地物が接触していることを示す情報を、表示部150に出力する。ここで、特定部133は、複数の電流の測定結果に基づいて、基礎梁33に低接地物が接触している床スラブの位置を導出してもよい。
処理部132は、複数の電流の測定結果に減少したものがある場合には、迷走電流の干渉による電流流出が発生したと判定する。処理部132は、迷走電流の干渉による電流流出が発生したと判定した場合に、迷走電流が発生したことを示す情報を、表示部150に出力する。ここで、特定部133は、複数の電流の測定結果に基づいて、迷走電流の干渉による電流流出が発生した床スラブの位置を導出してもよい。
ステップS15の後に、処理部132は、基礎梁33に低接地物が接触していることを示す情報と、鋼製の基礎梁33の識別情報と、対地電位の測定結果を示す情報とを関連付けた情報を含む低接地物接触発生情報を作成し、作成した低接地物接触発生情報を、特定部133へ出力してもよい。
特定部133は、取得した低接地物接触発生情報に含まれる鋼製の基礎梁33の識別情報と、対地電位の測定結果を示す情報とを関連付けた情報とを取得する。特定部133は、取得した鋼製の基礎梁33の識別情報と、対地電位の測定結果を示す情報を関連付けた情報とに基づいて、低接地物が接触した位置を導出する。特定部133は、導出した低接地物が接触した位置を示す情報を、表示部150に出力する。
低接地物が接触した場合には、基礎梁33の電位が上昇してしまう。この場合、低接地物が接触した位置に基づいて、低接地物を除去することによって、基礎梁33の電位を下げることができる。
特定部133は、処理部132が出力した迷走電流の干渉による電流流出発生情報を取得し、取得した迷走電流の干渉による電流流出発生情報に含まれる鋼製の基礎梁33の識別情報と、対地電位の測定結果を示す情報とを関連付けた情報とを取得する。特定部133は、取得した鋼製の基礎梁33の識別情報と、対地電位の測定結果を示す情報とを関連付けた情報に基づいて、対地電位の測定結果から、迷走電流の干渉による電流流出が発生した箇所を導出する。特定部133は、導出した迷走電流の干渉による電流流出が発生した箇所を示す情報を、表示部150に出力する。
迷走電流の干渉による電流流出が発生した場合に、電位が高い箇所は流出電流が多いため、腐食が問題となる。この場合、マグネシウム電極の回路に抵抗を挿入することによって、電流を下げることができる。マグネシウムの電極の回路に抵抗を挿入しても、電位が下がらない場合には、マグネシウムを追加することによって、電位を下げることができる。
前述した実施形態では、杭10の外周面に杭絶縁部材42が塗装されている場合について説明したが、この例に限られない。例えば、杭10の外周面に杭絶縁部材42が塗装されていなくてもよい。
前述した実施形態では、監視システム200に、一台の監視装置100が含まれる場合について説明したが、この例に限られない。例えば、監視システム200に、複数の監視装置100が含まれてもよい。
前述した実施形態では、監視システム200が、迷走電流の干渉による電流流出が発生したことの判定と、低接地物が接触したことの判定との両方を行う場合について説明したが、この例に限られない。例えば、監視システム200が、迷走電流の干渉による電流流出が発生したことの判定と、低接地物が接触したことの判定とのいずれかを行うようにしてもよい。
実施形態に係る監視システム200によれば、監視装置100は、システム鋼製の基礎梁の防食で懸念される迷走電流の干渉による電流流出が発生したことを判定できるとともに、迷走電流が流入した方向を導出できる。このため、マグネシウム電極の回路に抵抗を挿入して電流を下げる。抵抗のみで設計値まで電位が下がらない場合は、マグネシウムを追加するなどの対策を施すことができる。
また、監視装置100は、システム鋼製の基礎梁の防食で懸念される低接地物が接触したことを判定できるとともに、低接触物が接触した位置を導出できる。このため、低接触物が接触した位置に基づいて、低接地物を除去するなどの対策を施すことができる。
前述した実施形態では、監視システム200が、基礎梁33の対地電位と、陽極が発生する防食電流とをモニタリングし、モニタリンクの結果に基づいて、他金属との接触の有無、迷走電流の干渉による電流流出の有無を検知する場合について説明したが、この例に限られない。例えば、監視システム200が、基礎梁33の対地電位をモニタリングし、モニタリンクの結果に基づいて、他金属との接触の有無、迷走電流の干渉による電流流出の有無を検知してもよいし、陽極が発生する防食電流とをモニタリングし、モニタリンクの結果に基づいて、他金属との接触の有無、迷走電流の干渉による電流流出の有無を検知してもよい。
以上、実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更、組合せを行うことができる。これら実施形態は、発明の範囲や要旨に含まれると同時に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD-ROMなどの可搬媒体のことをいう。また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」は、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスクなどの記憶装置を含む。
また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」には、サーバーやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリのように、一定時間プログラムを保持しているものも含んでもよい。また上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであってもよい。また、上記プログラムは、前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるものであってもよい。また、上記プログラムは、プログラマブルロジックデバイスを用いて実現されるものであってもよい。プログラマブルロジックデバイスは、例えば、FPGA(Field Programmable Gate Array)である。
ここでコンピュータ読み取り可能な記録媒体とは、磁気ディスク、光磁気ディスク、CD-ROM、DVD-ROM、半導体メモリなどをいう。また、このコンピュータプログラムを通信回線によってコンピュータに配信し、この配信を受けたコンピュータが当該プログラムを実行するようにしてもよい。
また、上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであってもよい。
さらに、前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるもの、いわゆる差分ファイル(差分プログラム)であってもよい。
10 杭
11 杭鉄筋
20 床スラブ
21 スラブ鉄筋
30 基礎部
31 杭頭接合部
32 支柱部
33、33ab-11~33ab-mn、33bd-11~33bd-mn、33dc-11~33dc-mn、33ca-11~33ca-mn 基礎梁
40 第1絶縁部材
43 第2絶縁部材
50 ネットワーク
51a-11~51a-mn 電流供給部
52 犠牲陽極
60a-11~60a-mn 電位測定機
70a-11~70a-mn 電流測定機
71a-11~71a-mn 照合電極
72a-11~72a-mn クーポン
100 監視装置
110 通信部
120 記憶部
130 情報処理部
140 操作部
150 表示部
Claims (10)
- 土壌中に埋設され、かつ内側に複数の杭鉄筋が配設されたコンクリート製の杭と、前記土壌の表面に設置され、かつ内側に複数のスラブ鉄筋が配設されたコンクリート製の床スラブと、前記杭と前記床スラブとを連結し、かつ少なくとも一部が前記土壌中に埋設された鋼製の基礎部とを備え、前記基礎部は、杭の上端部に連結された鋼製の杭頭接合部と、杭頭接合部から上方に向けて延びる鋼製の支柱部と、支柱部から水平方向に延びるとともに、前記床スラブを支持する鋼製の基礎梁とを備える基礎構造の前記基礎部に防食電流を供給する電流供給部と、
前記基礎構造の前記基礎部の対地電位を示す情報を受け付ける受付部と、
前記受付部が受け付けた前記対地電位を示す情報に基づいて、前記基礎部に低接地物が接触しているか否かの判定と、迷走電流の干渉による電流流出が鋼製の基礎部で発生しているか否かの判定とのいずれか一方又は両方を行う処理部と
を備える、監視システム。 - 前記電流供給部として、土壌中に埋設された陽極を用い、
前記受付部は、当該陽極が発生する防食電流を示す情報を受け付け、
前記処理部は、前記受付部が受け付けた前記防食電流を示す情報にさらに基づいて、前記基礎部に低接地物が接触しているか否かの判定と、迷走電流の干渉による電流流出が発生しているか否かの判定とのいずれか一方又は両方を行う、請求項1に記載の監視システム。 - 前記受付部は、複数の前記基礎構造の各々の前記基礎部の前記対地電位を示す情報を受け付け、
前記監視システムは、
前記受付部が受け付けた複数の前記基礎構造の各々の前記基礎部の前記対地電位を示す情報に基づいて、前記基礎部に低接地物が接触している位置の導出と、迷走電流の干渉による電流流出が発生している位置の導出とのいずれか一方又は両方を行う特定部
を備える、請求項1又は請求項2に記載の監視システム。 - 前記特定部は、少なくとも三箇所の前記対地電位を示す情報によって定義される平面に基づいて、前記基礎部に低接地物が接触している位置の導出と、迷走電流の干渉による電流流出が発生している位置の導出とのいずれか一方又は両方を行う、請求項3に記載の監視システム。
- 前記受付部は、複数の前記電流供給部の各々が複数の前記基礎構造の各々の基礎部に電流を供給することによって、複数の陽極の各々が発生する防食電流を示す情報を受け付け、
前記受付部が受け付けた複数の前記陽極の各々が発生する前記防食電流を示す情報に基づいて、前記基礎部に低接地物が接触している位置の導出と、迷走電流の干渉による電流流出が発生している位置の導出とのいずれか一方又は両方を行う特定部
を備える、請求項1に記載の監視システム。 - 土壌中に埋設され、かつ内側に複数の杭鉄筋が配設されたコンクリート製の杭と、前記土壌の表面に設置され、かつ内側に複数のスラブ鉄筋が配設されたコンクリート製の床スラブと、前記杭と前記床スラブとを連結し、かつ少なくとも一部が前記土壌中に埋設された鋼製の基礎部とを備え、前記基礎部は、杭の上端部に連結された鋼製の杭頭接合部と、杭頭接合部から上方に向けて延びる鋼製の支柱部と、支柱部から水平方向に延びるとともに、前記床スラブを支持する鋼製の基礎梁とを備える基礎構造の前記基礎部に電流を供給するステップと、
前記基礎構造の前記基礎部の対地電位を示す情報を受け付けるステップと、
前記受け付けるステップで受け付けた前記対地電位を示す情報に基づいて、前記基礎部に低接地物が接触しているか否かの判定と、迷走電流の干渉による電流流出が発生しているか否かの判定とのいずれか一方又は両方を行うステップと
を有する監視システムが実行する監視方法。 - 前記受け付けるステップでは、複数の前記基礎構造の各々の前記基礎部の前記対地電位を示す情報を受け付け、
前記監視方法は、
前記受け付けるステップで受け付けた複数の前記基礎構造の各々の前記基礎部の前記対地電位を示す情報に基づいて、前記基礎部に低接地物が接触している位置の導出と、迷走電流の干渉による電流流出が発生している位置の導出とのいずれか一方又は両方を行う特定ステップ
を有する、請求項6に記載の監視方法。 - 複数の前記基礎構造の各々の前記床スラブには、前記対地電位を測定する電位測定機が設置され、
前記特定ステップでは、前記基礎部に低接地物が接触している床スラブの位置の導出と、迷走電流の干渉による電流流出が発生している床スラブの位置の導出とのいずれか一方又は両方を行う、請求項7に記載の監視方法。 - 前記基礎部に電流を供給するステップでは、土壌中に埋設された複数の陽極を防食電流の供給源として用い、
前記受け付けるステップでは、これら複数の陽極の各々が発生する防食電流を示す情報を受け付け、
前記監視方法は、
前記受け付けるステップで受け付けた複数の前記陽極の各々が発生する前記防食電流を示す情報に基づいて、前記基礎部に低接地物が接触している位置の導出と、迷走電流の干渉による電流流出が発生している位置の導出とのいずれか一方又は両方を行う特定ステップ
を有する、請求項6に記載の監視方法。 - 複数の前記基礎構造の各々の前記床スラブには、前記防食電流を測定する電流測定機が設置され、
前記特定ステップでは、前記基礎部に低接地物が接触している床スラブの位置の導出と、迷走電流の干渉による電流流出が発生している床スラブの位置の導出とのいずれか一方又は両方を行う、請求項9に記載の監視方法。
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