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JP7175705B2 - 画像形成装置 - Google Patents
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JP7175705B2 - 画像形成装置 - Google Patents

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本発明は、光源から出射され偏向器で偏向されたレーザ光を被走査面に対して走査する光走査装置を備えたレーザプリンタや複写機、ファクシミリ等の画像形成装置に関するものである。
従来のレーザプリンタ等の画像形成装置に用いられる光走査装置は、画像信号に応じて光源から出射したレーザ光を光変調し、光変調されたレーザ光を例えば回転多面鏡からなる偏向器で偏向走査している。偏向走査されたレーザ光は、fθレンズなどの走査レンズによって被走査面としての感光ドラムの表面に結像させて静電潜像を形成する。次いで、感光ドラム上の静電潜像を現像装置によってトナー像に顕像化し、これを記録紙等の記録材に転写して定着装置へ送り、記録材上のトナーを加熱定着させることで印刷(プリント)が行われる。
回転多面鏡の反射面は、レーザ光を高精度に偏向走査するために、高精度な加工が行われている。しかしながら昨今の光走査装置の小型化等により、回転多面鏡の各反射面の精度バラツキが印刷画像の品質に影響を与えるようになってきている。そこで、回転多面鏡の反射面を検知して、反射面毎に画像の濃度ムラを電気的に補正する技術が提案されている(特許文献1)。
また、画像形成装置に対する光走査装置の取り付け誤差や、fθレンズにおける屈折率変動などによって、回転多面鏡の偏向走査方向(主走査方向)にてずれが発生する。ずれは、画像品質の悪化となり好ましくないため、主走査方向のずれに対して画像クロックを変えることによって補正する技術が提案されている(特許文献2)。
また、回転多面鏡の材料として一般的にはアルミニウムが用いられているが、プラスチックにすることで反射面の面形状を自由に設定することができ、設計の自由度向上につながる提案がなされている(特許文献3)。
特許第5733897号 特許第5041583号 特開2004-102006号
しかしながら、回転多面鏡の材質をプラスチックにすると、回転多面鏡が高速回転した時に、遠心力によって反射面が変形する。図11(b)は、図11(a)に示す4つの反射面51A~51Bで構成された回転多面鏡51を高速回転させた時の反射面変形の数値シミュレーションである。回転多面鏡の材料としては、従来の金属であるアルミニウム(AL)の場合と、樹脂材料であるポリカーボネート(PC)の場合を設定しており、各回転多面鏡の回転数は45000min-1で数値シミュレーションを行った。
図11(a)において、回転多面鏡51の各反射面の大きさl×hは、約14mm×2mmである。反射面の大きさlは反射面の長手方向の一方の端部から他方の端部までの長さである。反射面の大きさhは前記長手方向と直交する短手方向の一方の端部から他方の端部までの長さであり、回転多面鏡の回転中心を通る軸線方向の長さである。
図11(b)に示すグラフの縦軸は図11(a)に示す反射面の法線方向の変形量を示している。図11(b)に示すグラフの横軸は図11(a)に示す反射面の主走査方向(長手方向)における反射面中心から端部までの距離(反射面の長手方向の半分の長さ)を示している。したがって、図11(b)では、反射面中心から端部までの間の、反射面の法線方向の変形量を示している。ここで、反射面の法線方向とは、反射面の反射面中心の接線(回転多面鏡の回転中心と反射面の中心を結ぶ線に直交する線)に対して直交する、反射面の外側に向かう方向のことを指す。前述の反射面の変形量とは、この法線方向への反射面の変形量を指す。なお、図11(a)において、回転多面鏡の反射面の大きさlは約14mmであるので、反射面中心から端部までの長さl/2は約7mmである。
図11(b)に示すグラフより、回転多面鏡の材質がアルミニウムの場合は、反射面の反射面中心から端部までの変形量はほぼない。しかし、回転多面鏡の材質がポリカーボネートの場合は、反射面の主走査方向(長手方向)において反射面中心から端部にかけて160nm程度の変形を生じている。一般的には反射面の平面度はλ/5(λは波長:λ=632.8nm)は必要とされており、回転多面鏡の回転による動的な変形だけで生じる160nm程度の変形量は光学系的には大きな変形量である。
図12は、実際にプラスチックの回転多面鏡を用いて、回転多面鏡を回転させた時の、各反射面で反射され偏向走査されたレーザ光の一定区間内の走査時間ジッターである。図12に示す縦軸は走査時間ジッターであり、各反射面の平面度に起因するジッター量を主に表している。ここでは、ジッター量(走査時間ジッター)を、回転多面鏡の各反射面(4面)の走査時間の最大値から最小値を引いた値を平均走査時間で割って百分率で表している。図12に示す横軸は回転多面鏡の回転数である。図12より、各反射面の平面度に起因するジッター量が回転数によって変わっていることがわかる。回転多面鏡の回転数によってジッター量が変化すると、感光ドラム上の主走査方向の結像位置がずれる。通常、回転多面鏡の材質がアルミニウムの場合は、各反射面の平面度に起因するジッター量は回転数によってほとんど変わらない。一方、回転多面鏡の材質がポリカーボネート等のプラスチックになると、図11(a)および図11(b)を用いて説明したように、回転多面鏡の回転によって反射面に大きな変形が生じる。図11(b)に示す数値シミュレーション上では、プラスチックからなる回転多面鏡の特定の反射面の変形を示している。実際には図12に示すように、回転多面鏡自体の製造のバラツキや偏向器への組み付けバラツキ等の影響によって、各反射面の変形量が反射面間でも違いが出る可能性がある。
画像形成装置は、様々な印刷モードを有しており、例えば印刷する紙種によって印刷スピードを変えたりしている。この場合、偏向器において回転多面鏡の回転数を変えるなどして対応をしている場合がある。例えば、一つの偏向器で、回転多面鏡を40000min-1で回転させる場合と24000min-1とで回転させる場合がある。この時、図12において、40000min-1時のジッター量は約0.032%であり、24000min-1時のジッター量は約0.026%である。各回転数でのジッター量の差は、約0.006%であり、その差分を距離に換算すると、例えばA4の短辺の長さ210mmで考えると、約12μmとなる。つまり、回転多面鏡が4面の場合は4つの走査線が少なくとも相対的に約12μmほど主走査方向にずれを示している(主走査方向の走査線のずれ)。4つの走査線で12μm程度の周期的な主走査方向の位置ずれを生じると、画像としてはモアレが発生する恐れがある。
本発明の目的は、回転多面鏡の回転数が変わっても、各回転数における各面の主走査方向のずれの補正を行い、モアレが発生しない画像形成装置を実現することにある。
上記目的を達成するため、本発明に係る画像形成装置は、像担持体に対して光源から出射されたレーザ光を回転多面鏡の回転により前記像担持体の軸線方向である主走査方向に走査する光走査装置を備え、前記回転多面鏡を第1の回転数又は前記第1の回転数より速い第2の回転数で回転することが可能な画像形成装置であって、前記光走査装置に設けられ、前記第1の回転数又は前記第2の回転数で回転される前記回転多面鏡が有する反射面によって反射されたレーザ光を受光し信号を出力する出力部と、前記出力部から出力された信号にもとづいて、前記回転多面鏡の複数の反射面のうちの特定の反射面を特定する面特定部と、前記特定の反射面に対応づけた前記特定の反射面によって反射されるレーザ光の前記像担持体の前記主走査方向のずれを補正するための補正データであって、前記第1の回転数で前記回転多面鏡が回転した場合の第1補正データと、前記第2の回転数で前記回転多面鏡が回転した場合の第2補正データと、を予め記憶した記憶部と、前記第1補正データ又は前記第2補正データに基づいて前記光源によるレーザ光を変調するための信号を発生する変調部と、を有することを特徴とする。
本発明によれば、回転多面鏡の回転数ごとに生じる各反射面によって反射されるレーザ光の主走査方向の位置ずれを確実に補正することができる。したがって、画像形成装置の回転多面鏡の回転数が変わっても画像品質の劣化を生じることがなく、高品質な画像を保持することができる。
本発明の実施形態に係る光走査装置の斜視図である。 本発明の実施形態に係る偏向器の部分断面図である。 本発明の実施形態に係る主走査方向の倍率ずれ量補正のための機構を示すブロック図である。 (a)(b)は面IDと走査周期測定部で測定したBD周期βとの対応付けの一例を時系列で示す図である。 (a)は本発明の実施形態に係る補正データ記憶部に格納された、回転数とBD周期と補正データの具体例を示す図である。(b)は回転多面鏡のBD周期とそれに対応する補正データを測定するための構成を示す模式図である。 (a)は補正データ記憶部に格納されているBD周期αの一例を示す図である。(b)は測定され走査周期記憶部に格納されたBD周期βの一例を示す図である。 (a)(b)はパターンマッチに成功した場合の、特定部における面ID及びBD周期βと補正データ記憶部のBD周期αとの対応関係の一例を示す概念図である。 (a)(b)は面IDと走査周期測定部で測定したBD周期βと補正データ記憶部に記憶されている補正データとの対応付けの一例を時系列で示す図である。 本発明の実施形態に係る反射面の特定・主走査倍率ずれ補正の処理のフローチャートである。 本発明の実施形態に係る画像形成装置を示す模式断面図である。 (a)は回転多面鏡の斜視図、(b)は回転多多面鏡の回転時の反射面の変形量の数値シミュレーション結果を示す図である。 プラスチック材の回転多面鏡の回転数ごとの走査時間ジッターの一例を示す図である。
以下、図面を用いて、本発明の実施形態に係る光走査装置を備えた画像形成装置について説明する。なお、以下の説明では、まず本発明の実施形態に係る光走査装置を備えた画像形成装置を例示して説明し、次いで前記画像形成装置における光走査装置について説明する。次いで前記光走査装置に組み付ける偏向器について説明する。
[画像形成装置]
まず図10を用いて画像形成装置110について説明する。図10は本実施形態に係る光走査装置101を備えた画像形成装置110の模式断面図である。
画像形成装置110は、光走査装置101を備え、光走査装置101により像担持体としての感光ドラムを走査し、この走査された画像に基づいて記録紙等の記録材Pに画像形成を行う。ここでは、画像形成装置としてレーザビームプリンタを例示して説明する。
図10に示すように、画像形成装置(プリンタ)110は、画像情報に基づいたレーザ光を露光手段としての光走査装置101から出射し、プロセスカートリッジ102に内蔵された像担持体である感光ドラム103上に照射する。感光ドラム103上にレーザ光が照射され、露光されることで感光ドラム103上に潜像が形成される。感光ドラム103に形成された潜像は、現像剤としてのトナーによりトナー像として顕像化される。なお、プロセスカートリッジ102とは、感光ドラム103と、感光ドラム103に作用するプロセス手段として、帯電手段や現像手段等を一体的に有し、画像形成装置に対して着脱可能なものである。
一方、記録材積載板104に収容された記録材Pは、給送ローラ105によって1枚ずつ分離されながら給送され、搬送ローラ106によって、さらに下流側に搬送される。搬送された記録材P上には、感光ドラム103上に形成されたトナー像が転写ローラ107によって転写される。この未定着のトナー像が形成された記録材Pは、さらに下流側に搬送され、内部に加熱体(ヒータ)を有する定着器108によりトナー像が記録材Pに定着される。その後、記録材Pは、排出ローラ109によって機外に排出される。
なお、本実施形態では感光ドラム103に作用するプロセス手段としての前記帯電手段及び前記現像手段をプロセスカートリッジ102中に感光ドラム103と一体的に有することとした。しかし、これに限定されるものではなく、各プロセス手段を感光ドラム103と別体に構成することとしてもよい。
[光走査装置]
次に図1を用いて、前記画像形成装置における光走査装置について説明する。図1は本実施形態に係る光走査装置の斜視図である。図1に示す矢印Zは、図2に示す回転軸10の軸方向(軸線方向)である。矢印Xは矢印Zと直交する方向であり、矢印Yは矢印Zおよび矢印Xと直交する方向である。
図1に示すように、光走査装置101は、以下の光学部材を有している。光走査装置101は、半導体レーザユニット1、複合アナモフィックコリメータレンズ2を有している。半導体レーザユニット1は、レーザ光Lを出射する光源である。複合アナモフィックコリメータレンズ2は、コリメータレンズとシリンドリカルレンズの機能を併せ持ったアナモフィックコリメータレンズと、同期信号検知用レンズ(BDレンズ)とを一体に成形したレンズである。さらに光走査装置101は、開口絞り3、回転多面鏡4を回転駆動させる偏向器5、出力部としての同期信号検知センサ(BDセンサ)6、fθレンズ(走査レンズ)7を有している。光走査装置101は、上記の光学部材を光学箱8に収容している。
上記構成において、半導体レーザユニット1から出射したレーザ光Lは、複合アナモフィックコリメータレンズ2によって主走査方向では略平行光または収束光とされ、副走査方向では収束光とされる。次にレーザ光Lは、開口絞り3を通ってレーザ光幅が制限されて、回転多面鏡4の反射面上において主走査方向に長く伸びる焦線状に結像する。そして、このレーザ光Lは回転多面鏡4を回転させることによって偏向走査され、複合アナモフィックコリメータレンズ2のBDレンズに入射する。BDレンズを通過したレーザ光Lは、同期信号検知センサ6に入射する。すなわち、同期信号検知センサ6は、回転多面鏡4の各反射面によって反射されたレーザ光Lを受光する。このとき、同期信号検知センサ6で同期信号(BD信号)を検知し、このタイミングを主走査方向の書き出し位置の同期検知タイミングとする。同期信号(BD信号)は、回転多面鏡4の各面での主走査方向における画像書き出し位置の同期をとるための信号である。そして、同期信号検知センサ6は、前記信号(BD信号)を後述する面識別信号生成部300(図3参照)に出力する。次にレーザ光Lは、fθレンズ7に入射する。fθレンズ7は、レーザ光を感光ドラム上にスポットを形成するように集光し、かつスポットの走査速度が等速に保たれるように設計されている。このようなfθレンズ7の特性を得るために、fθレンズ7は非球面レンズで形成されている。fθレンズ7を通過したレーザ光Lは、光学箱8の出射口から出射し、感光ドラム上に結像走査される。
回転多面鏡4の回転によってレーザ光を偏向走査し、感光ドラム上でレーザ光による感光ドラムの軸線方向に主走査が行われ、また感光ドラムがその円筒の軸線まわりに回転駆動することによって副走査が行われる。この感光ドラムの軸線方向に走査する方向を主走査方向とし、この感光ドラムが軸線まわりに回転することによって走査する方向を前記主走査方向と直交する副走査方向とする。このようにして感光ドラムの表面には静電潜像が形成される。
[偏向器]
次に、図2を用いて前記光走査装置における偏向器について説明する。図2は本実施形態に係る偏向器の部分断面図である。
図2に示すように、偏向器5は、回転多面鏡4を含むロータ20、軸受15、ステータコア16、ステータコイル17、回路基板18、回路基板上に半田付けされたホール素子(磁気センサ)19などを有している。ロータ20は、回転多面鏡4の他に、回転軸10、ロータボス11、ロータフレーム12、ロータマグネット13、回転多面鏡4の固定具14とから構成される。回転多面鏡4の材質は、ポリカーボネート樹脂やシクロオレフィン樹脂等の樹脂材料としてのプラスチックである。
上述の構成において、ステータコイル17に電流が供給されるとロータマグネット13との間で電磁力が発生し、軸受15に軸支されている回転軸10を中心にロータ20が回転する。ホール素子19はステータコイル17に電流を流すタイミング(整流タイミング)を決めるための磁気センサであり、ロータマグネット13の下に配置されており、ロータマグネット13の磁極(N、S)を検知している。
[回転多面鏡4の回転数ごとの各反射面の主走査方向の位置ずれの補正]
次に図を用いて、回転多面鏡4の回転数ごとの各反射面の主走査方向のジッター量(各反射面の主走査方向の走査線の位置ずれ)の補正方法について説明する。図3は本実施形態に係る主走査方向の走査線の位置ずれ量補正のための機構を示すブロック図である。図5(a)は本実施形態に係る補正データ記憶部に格納された、回転数と回転多面鏡の各反射面のBD周期と補正データの具体例を示す図である。図5(b)は回転多面鏡の反射面のBD周期とそれに対応する補正データを測定するための構成を示す模式図である。図4(a)及び図4(b)は、面IDと走査周期測定部で測定したBD周期βとの対応付けの一例を時系列で示す図である。図6(a)は補正データ記憶部に格納されているBD周期αと、それに対応する反射面と、補正データとの一例を示す図である。図6(b)は測定され走査周期記憶部に格納されたBD周期βと、反射面の面IDとの一例を示す図である。図7(a)及び図7(b)はパターンマッチに成功した場合の、面識別信号生成部における面ID及びBD周期βと補正データ記憶部のBD周期αとの対応関係の一例を示す概念図である。図8(a)及び図8(b)は面IDと走査周期測定部で測定したBD周期βと補正データ記憶部に記憶されている補正データとの対応付けの一例を時系列で示す図である。
図3に示すように、この機構には、面識別信号生成部300、主走査位置ずれ補正部301、画像信号生成部305が含まれる。主走査倍率ずれ補正部301は、制御に係る補正データ制御部と面特定部(補正データ制御部+面特定部303)を有する。面特定部303aは、面識別信号生成部300から情報を受け、回転多面鏡の特定の面を特定する面特定部である。補正データ制御部303bは、面識別信号生成部300から情報を受け、特定された特定面の補正データをもとに、レーザ光変調部(画像クロック発生部)304を介してレーザ駆動部306の駆動を制御する。本実施例においては、この補正データ制御部と面特定部とは、装置の動作を制御する制御部であるCPUが担っている。画像信号生成部305は画像信号を生成し、レーザ駆動部306に供給する。レーザ駆動部306は、供給された画像信号と後述する補正データ(主走査位置ずれ補正部301で生成された画像クロック)とに従い、半導体レーザユニット1からレーザ光を出力する。半導体レーザユニット1から射出されたレーザ光は、回転する回転多面鏡4の反射面で反射され、反射されたレーザ光はBDセンサ6で検知された後、感光ドラム103上を走査する。ここで、レーザ光がBDセンサ6で検知された際、BD信号が生成、出力される。
面識別信号生成部300は、図示しない走査周期測定部、走査周期記憶部、面識別信号部を有する。回転多面鏡4が安定して等速回転し、面IDを付与する処理が開始される。すると、面識別信号部では、現在の反射面に対して面識別信号である面IDをBD周期に対して割り当て、以降BD信号が入力される度にBD周期に対応した面IDを更新して次の反射面に割り当てる。
「現在の反射面」とは、直前に出力されたBD信号の元となる反射光を供給した反射面である。回転多面鏡4が1回転する毎、すなわち、BD信号が反射面の数(4つ)と同じ数だけ出力される毎に同じ反射面が反射光の供給元となる。この例では、4回に1回出力される各BD信号が、ある1つの反射面に対応する。従って、面IDは、各反射面を特定するための情報であると同時に回転多面鏡4の1回転における各BD信号を識別するものでもある。
走査周期測定部では、内部のカウンタで、BD信号の出力間隔である「BD周期」を反射面毎の出力間隔として検出する。従って、BD周期を回転多面鏡4の面数分測定する。そして、走査周期記憶部に、測定した順番に各反射面のBD周期を格納する。この走査周期記憶部に格納される各反射面のBD周期は、走査周期測定部によって反射面毎の出力間隔として測定した測定データである。最初に測定されるBD周期の開始側のBD信号に対応する反射面は、定まっているものではなく、毎回異なり得る。
例えば、図4(a)に示すように、回転多面鏡4の回転数がr1であり、回転多面鏡4が4つの反射面を有する場合において、面IDを割り付ける工程を開始後、最初のBD信号が出力された直後にレーザ光を反射する位置に位置する反射面が第1面とする。この場合、面識別信号部では、第1面に対して面IDを「ID11」と割り当てる。次の(2番目の)BD信号が入力されると、最初のBD信号との間隔を、走査周期測定部で測定し、それを第1面のBD周期(例えばβ11)として走査周期記憶部に格納する。
さらに次の(3番目の)BD信号が入力されると、直前の(2番目の)BD信号との間隔を次の第2面のBD周期として測定し、BD周期(例えばβ12)を走査周期記憶部に格納すると共に、第2面に対して面IDとして「ID12」を割り当てる。このような処理を、第1の回転数r1と、第1の回転数r1より大きい第2の回転数r2の、2つの回転数ごとに、回転多面鏡4の面数分行う。そして、各回転数ごとに、各反射面のBD周期β(β11~β14、β21~β24)を走査周期記憶部に格納するのと同時に面ID(ID11~ID14、ID21~ID24)を割り付ける。例えば、第2の回転数r2の場合、図4(b)に示すように、最初の反射面に対して面IDを「ID21」と割り付け、以下順番に面数分IDを割り付ける。図6(b)に、回転数r1,r2ごとに、走査周期記憶部に格納されたBD周期βと面識別信号部で生成された面IDの対応関係を示す。BD周期βは、面識別信号生成部300の走査周期測定部によって反射面毎の出力間隔として測定した測定データであり、出力の順番を面IDに割り付けて対応づけられた周期データである。
主走査位置ずれ補正部301は、記憶部である補正データ記憶部302、特定の反射面を特定するための面特定部303aと、データを読み出し補正制御を行う補正データ制御部303bと、レーザ光変調部(画像クロック発生部)304と、を有する。なお、本実施例では、補正データ制御部と面特定部とをCPUが担っているが、各部の構成はこれに限定されるものではない。主走査位置ずれ補正部301を構成する各部は、ASICなど専用の回路によって実現されてもよいし、CPU、ROM、RAMおよびコンピュータプログラムにより実現されてもよい。ここでは、前述したように、面特定部303aと補正データ制御部303bの役目を担うCPUが、面識別信号生成部300から情報を受け、回転多面鏡の面を特定し、レーザ光変調部(画像クロック発生部)304を介してレーザ駆動部306の駆動を制御する。補正データ記憶部302は、図6(a)に示すように、予め組立工程などで複数の回転数ごとに測定された回転多面鏡4の各反射面のBD周期とそれに対応する補正データとを対応づけて格納している。なお、ここでは複数の反射面を有する回転多面鏡として、図3に示すように4つの反射面A~Dを有する回転多面鏡4を例示している。
図6(a)に示すように、補正データ記憶部302には、各反射面A~Dのそれぞれに対応するBD周期αと、各反射面A~Dのそれぞれに対応する補正データdataとが予め格納されている。ここでは、各反射面A~Dのそれぞれに対応づけたBD周期αが、識別データである。
また、各反射面A~Dに対応する識別データ(BD周期α)と補正データdataは、第1の回転数r1と、第1の回転数r1より大きい第2の回転数r2の、2つの回転数ごとに、前記補正データ記憶部302に予め格納されている。
即ち、補正データ記憶部302は、第1の回転数r1の時の回転多面鏡4の各反射面A~DのBD周期α1(α11からα14)と、各反射面A~Dに対応する主走査位置ずれ補正データ(dataL1からdataL4)とを予め記憶している。補正データ(dataL1からdataL4)は、第1の回転数で回転多面鏡4が回転した場合の反射面によって反射されるレーザ光の感光ドラム上の主走査方向のずれを補正するための第1補正データである。また、補正データ記憶部302は、第2の回転数r2の時の回転多面鏡4の各反射面A~DのBD周期α2(α21からα24)と、各反射面A~Dに対応する主走査位置ずれ補正データ(dataH1からdataH4)とを予め記憶している。補正データ(dataH1からdataH4)は、第2の回転数で回転多面鏡4が回転した場合の反射面によって反射されるレーザ光の感光ドラム上の主走査方向のずれを補正するための第2補正データである。
図6(a)に示す回転数ごとの各反射面のBD周期αと、それに対応する主走査位置ずれの補正データdataは、予め組立工程で治工具を用いて測定される。この回転多面鏡の各反射面の主走査方向の位置ずれを測定する治工具等については、特許文献2において光走査装置の部分倍率を測定する治工具等が例示されている。特許文献2では、BDセンサ(同期信号検知センサ)を除くと走査位置検出センサが6個の例が示されている。これに対し、本実施形態では、BDセンサ以外に3個の走査位置検知センサで、感光ドラム103の主走査方向の3箇所(画像書き出し部と画像中心部と画像書き終わり部)の位置ずれを補正する補正データを取得している。測定したBD周期と、それに対応する補正データの具体例を図5(a)に示す。なお、図5(a)において、各反射面によって反射されるレーザ光の主走査方向のずれを補正するための補正データは、第1の回転数r1(25000min-1)の場合より第2の回転数r2(39625min-1)の場合の方が大きくなる。
図6(a)および図5(a)において、BD周期とは、回転多面鏡の1面でBD信号1を取得し、その次の面でBD信号2を取得した時のBD信号1からBD信号2までの時間間隔である。例えば、図3に示す回転多面鏡4の反射面AのBD信号をBDセンサ6によりBD信号1として取得する。次いで、前記反射面Aに隣接する回転方向の次の面である反射面BのBD信号をBDセンサ6によりBD信号2として取得する。このBD信号1を取得してからBD信号2を取得するまでの時間間隔が、BD周期である。すなわち、BDセンサ6により出力された信号の出力間隔が、BD周期である。他の反射面間のBD周期(時間間隔)も同様に取得する。また、各反射面と各BD周期との対応関係は、1つのBD周期のうち、先の信号であるBD信号1を取得した時の面を、BD信号1からBD信号2までの時間間隔(BD周期)と対応付けしている。例えば、BDセンサ6により取得した反射面AのBD信号1から、反射面BのBD信号2までの時間間隔(BD周期)は、先の信号であるBD信号1の反射面Aと対応付けしている。他の反射面とBD周期との対応付けも同様である。
一方、補正データとは、回転多面鏡の1面内における面の変形によって生じる各反射面によって反射されるレーザ光Lの主走査方向の位置ずれ(基準となる理想位置からの主走査方向への位置ずれ量)を補正するためのデータである。この各反射面によって反射されるレーザ光Lの主走査方向の位置ずれとは、主走査方向において走査開始位置から画像領域(画像書き出し部の位置から画像書き終わり部の位置までの領域)までの距離のずれのことである。ここで、距離の換算として、時間を用いても良い。本実施例では、図5(b)に示すようにBDセンサ6以外に3個の走査位置検知センサS1,S2,S3で、感光ドラム103の主走査方向の3箇所(画像書き出し部と画像中心部と画像書き終わり部)の位置ずれを補正する補正データを取得している。図5(b)に示すように、走査開始位置には、BDセンサ6が配置されている。感光ドラムの主走査方向における前記3箇所の位置には、画像書き出し部の位置にセンサS1、画像中心部の位置にセンサS2、画像書き終わり部の位置にセンサS3がそれぞれ配置されている。主走査方向において、符号aは走査開始位置から画像書き出し部の位置までの距離、符号bは走査開始位置から画像中心部の位置までの距離、符号cは走査開始位置から画像書き終わり部の位置までの距離である。補正データとしては、主走査方向における前記3箇所の理想位置からの主走査方向のずれ量が格納される。すなわち、各距離a,b,cを測定し、測定した各距離a,b,cの基準となる理想距離からの主走査方向のずれ量が、補正データとして図3に示す補正データ記憶部302に予め格納される。なお、前記治工具による測定において、BDセンサ以外の走査位置検出センサの配置や数は、これに限定されるものではなく、必要に応じて適宜設定すべきものである。
ここで、BD周期αは、A面~D面の各反射面を特定して予め測定されたものであり、BD周期βに相当するパラメータである。ただし、BD周期βが、各々、どの反射面に対応するのかは、毎回の面特定において変化し得るため、反射面を特定したBD周期αの各々がどのBD周期βに対応するのかは、後述する反射面特定の処理を経ないと決定されない。
BD周期αの測定は、BD周期βと同じ手法で可能であるが、測定手法は問わない。すなわち、本画像形成装置の出荷前の段階で測定されることが想定されるものであるので、回転多面鏡4を回転させて実際に走査を行うような動作を行わせることは必須でない。主走査位置ずれ補正データdata(以下、単に「補正データdata」とも記す)は、予め測定された主走査方向の走査線のずれ量を、画像形成時に補正するためのデータである。このデータも、装置の出荷前の段階で測定されることが想定される。
補正データ制御部303bは、面識別信号生成部300で生成された面IDに応じて、補正データ記憶部302に対して読み出しアドレスadrsを出力する。そして、読み出しアドレスadrsに格納されている補正データdataを補正データ記憶部302から受け取り、レーザ駆動部306へと補正データを出力する。
次に、面識別信号生成部300で生成された面IDと補正データ記憶部401に記憶された読み出しアドレスadrsの対応付け方法を説明する。
CPUは、回転数(r1、r2)に応じて、面識別信号生成部300の走査周期記憶部からBD周期β(β11~β14、β21~β24)を読み出すと共に、補正データ記憶部302からBD周期α(α11~α14、α21~α24)を読み出す。そして、それぞれ読み出したBD周期βとBD周期αとを比較して、回転多面鏡4の各反射面の面IDに対して、補正データ記憶部302における補正データdataの読み出しアドレスadrsを設定する。
例えば、回転多面鏡4の回転数が第1の回転数r1であり、回転多面鏡4が4面構成の場合、以下のように4種類の組み合わせパターンのそれぞれについて、BD周期(β11~β14)とBD周期(α11~α14)の差の二乗和をとる。まず、面特定の処理において最初にBD信号が出力されたときに、レーザ光を反射する位置にある反射面が任意に定まる。この任意に定まる反射面を第1面(面ID=ID1)として回転多面鏡4の回転方向に沿って登場する順に順番付けられる各反射面と、予めA面から順に順番付けられた各反射面とをそれぞれ順番に沿って組み合わせて1つ目の組み合わせパターンとする。
この1つ目の組み合わせパターンにおける各組(ここでは、第1面とA面の組、第2面とB面の組、第3面とC面の組、第4面とD面の組)について、BD周期βとBD周期αとの差の二乗を算出する処理を実行する。そして、予め順番付けられた反射面を1つずつずらすことで組み合わせパターンを変更していくと、組み合わせパターンは4種類(回転多面鏡が有する反射面の面数分)となる。これら4つ全ての組み合わせパターンにおける各組について、上記の差の二乗を算出する処理を行う。例えば、2つ目の組み合わせパターンにおいては、第1面とB面の組、第2面とC面の組、第3面とD面の組、第4面とA面の組について算出される。3つ目の組み合わせパターンにおいては、第1面とC面の組、第2面とD面の組、第3面とA面の組、第4面とB面の組について算出される。4つ目の組み合わせパターンにおいては、第1面とD面の組、第2面とA面の組、第3面とB面の組、第4面とC面の組について算出される。
そして、全ての組み合わせパターンについて、各組の差の二乗の総和(すなわち、差の二乗和)を求め、それらを差分値とする。組み合わせパターン1~4の差分値1~4は、具体的に次の算出式で算出される。
パターン1:(β11-α11)+(β12-α12)+(β13-α13)+(β14-α14)=差分値1
パターン2:(β11-α12)+(β12-α13)+(β13-α14)+(β14-α11)=差分値2
パターン3:(β11-α13)+(β12-α14)+(β13-α11)+(β14-α12)=差分値3
パターン4:(β11-α14)+(β12-α11)+(β13-α12)+(β14-α13)=差分値4
なお、組み合わせパターンを変える際、BD周期αとBD周期βとの組み合わせを変える順番は問わない。例えば、上記算出式では、BD周期βに対して、BD周期αを1つずつずらしたが、これに限定されるものではなく、BD周期αに対して、BD周期βを1つずつずらしていってもよい。
図6(a)は、補正データ記憶部302に予め格納されている回転数ごとのBD周期(α11~α14、α21~α24)の一例を示す図である。図6(b)は、測定されて面識別信号生成部300の走査周期記憶部に格納された回転数ごとのBD周期(β11~β14、β21~β24)の一例を示す図である。
ここで、4つの組み合わせパターンのうち、差分値が最小となる組み合わせパターンによって、面識別信号生成部300の走査周期記憶部の各BD周期βに対する、補正データ記憶部302の各BD周期αの対応が決定される。その際、ある閾値を設定し、「最小の差分値が閾値以下で且つ、それ以外の差分値のすべてが閾値より大きい」というマッチング条件の充足を判別する。そしてこのマッチング条件を満たす場合に限り、面識別信号生成部300の走査周期記憶部の各BD周期βに対する、補正データ記憶部302の各BD周期αの対応付け(パターンマッチ)が成功したと判断する。
ここで、面識別信号生成部300において面IDとBD周期βとは対応付けられている(図6(b)参照)。補正データ記憶部302において、補正データdataが格納されている読み出しアドレスadrsとBD周期αとは対応付けられており、読み出しアドレスadrsを通じて、BD周期αと補正データdataとも対応関係を有している(図6(a)参照)。なお、図7(a)及び図7(b)では、回転数ごとに、前述した4つの組み合わせパターンのうち、差分値4が最小となる組み合わせパターンの場合の対応関係を例示している。
パターンマッチが成功した場合は、その組み合わせパターンにおけるBD周期βとBD周期αとの1対1の対応関係に基づき、補正データ記憶部302の補正データdataのうち、各反射面の面IDに対応したものを主走査位置ずれ補正に使用する。すなわち、面ID→BD周期β→BD周期α→読み出しアドレスadrsという順で、面IDに対応する読み出しアドレスadrsを取得する(図7参照)。そして、この読み出しアドレスadrsに格納されている補正データdataを主走査位置ずれ補正に使用する補正データとして読み出す。
BD周期βとBD周期αとの対応関係が判明することから、現在、レーザ光を反射している反射面が、実際にはどの反射面であるのかが判明することにもなる。すなわち、面特定の完了前の段階では、回転多面鏡4の各反射面に面IDが割り当てられているだけで、実際には各反射面の絶対的な位置はわからない。しかし、面特定の完了後には、回転多面鏡4の複数の反射面の各々が特定されることになる。そのため、BD信号との対応関係から、各反射面が、レーザ光を反射している反射面であるか、あるいはその反射面に対してどの相対的位置にある反射面であるのかの特定結果が得られる。本実施例では、このマッチング処理を面特定部で行っており、面特定部での処理で回転多面鏡の反射面4面を特定することが可能であるが、反射面の特定方法はこの方法に限られない。反射面の一面だけを特定することができれば、その特定の面に対して補正データで主走査方向のずれを補正することは可能である。
なお、パターンマッチに失敗した場合は、補正データ記憶部302の補正データを設定しない。ここでは、パターンマッチに失敗した場合は、補正データを設定しない処理を例示したが、これに限定されるものではない。例えば、パターンマッチに失敗した場合であっても、補正データ記憶部302の補正データdataの平均値を、共通の補正データとしてすべての反射面に対して設定しても良い。ここで、同一の補正データは、上記平均値ではなく、予め定めたものであってもよい。
パターンマッチが成功した場合、最小の差分値は限りなく0に近づく。そこで、上記マッチング条件における閾値Tの決め方としては、パターンマッチが成功した場合において、回転多面鏡4の回転ジッタ等から算出される誤差の値を設定するのが望ましい。
例えば、最小の差分値である差分値4が閾値T以下で且つ、最小の差分値4以外の差分値1、差分値2、差分値3がいずれも閾値Tより大きい場合は、パターンマッチが成功したものとみなす。
一方、すべての差分値が閾値Tより大きくなってしまう場合は、パターンマッチが失敗したものとみなす。これは、BD信号にノイズが入る等の原因で、面識別信号生成部300の走査周期記憶部において、ある反射面のBD周期が正確に測定できなかった場合等に生じ得る。
例えば、回転数r1、差分値4にて最小値をとり、パターンマッチに成功した場合、図7(a)に示すように、面識別信号生成部300の走査周期記憶部のBD周期β11に対応する補正データ記憶部302のBD周期はBD周期α14となる。図6(b)のBD周期β11に対応する反射面(面IDがID11の面)を起点とするBD周期βの推移のパターンと、図6(a)のBD周期α14に対応する反射面(D面)を起点とするBD周期αの推移のパターンとが最も近似することがわかる。結局、パターンマッチは、BD周期βの推移のパターンとBD周期αの推移のパターンとが一致するような、BD周期の起点同士を特定することでもある。
この場合は、図7(a)に示すようにBD周期β11に対応する面IDであるID11に対して、主走査位置ずれ補正部301の補正データ記憶部302における読み出しアドレスadrsとして「adrs14」を設定する。位置ずれ補正においては、読み出しアドレスadrs14に格納されている補正データdataL4を読み出して補正データとして用いる。なお、回転数r2、差分値4にて最小値をとり、パターンマッチに成功した場合を、図7(b)に例示している。
このように、面IDと補正データ記憶部302における読み出しアドレスadrsの対応が決定すれば、回転数ごとに、各面IDに応じて、回転多面鏡4の現在の反射面に対応する補正データdataを読み出して用いることが可能である。即ち、補正データ記憶部302に予め記憶した、第1の回転数r1で回転多面鏡4が回転した場合の第1補正データ、または、第2の回転数r2で回転多面鏡4が回転した場合の第2補正データを読み出して用いることが可能である。図8(a)に回転数r1、差分値4の場合、図8(b)に回転数r2、差分値4の場合のBD信号、面ID、補正データの対応関係を示す。位置ずれ補正においては、レーザ駆動部306において、読み出した補正データdataに応じてレーザ光の射出を制御する。即ち、CPUが、読み出した補正データdata(第1補正データ又は第2補正データ)に応じて、レーザ駆動部306を介して光源である半導体レーザユニット1によるレーザ光の出射を制御する。これにより、回転多面鏡の回転数ごとに生じる各反射面によって反射されるレーザ光の主走査方向の位置ずれを確実に補正することができ、前記位置ずれによる画像品質の劣化を抑制することができる。
次に、面特定部303aと補正データ制御部303bとの役目を担うCPUによる反射面の特定と、特定した反射面の主走査方向の位置ずれ補正の制御処理について説明する。図9は、反射面の特定・主走査位置ずれ補正の処理のフローチャートである。
まず、ステップS101において、CPUは、画像形成開始か否かを判別し、画像形成開始となればステップS102に処理を進め、各種印刷モードに伴う回転多面鏡4の回転数を判別する。画像形成装置は、様々な印刷モードを有しており、例えば印刷する紙種によって印刷スピードを変えている。この場合、偏向器において回転多面鏡の回転数を変えて対応している。例えば、記録材の種類を検知する検知部であるセンサからの信号によって紙種を検出し、それに応じて印刷スピード(回転多面鏡の回転数)を変えている。具体的には、記録材が厚紙の場合には、厚紙より厚みが薄い普通紙の場合に比べて、印刷スピードを遅くするので、回転多面鏡の回転数を遅くしている。従って、記録材が厚紙の場合は第1の回転数r1とし、記録紙が普通紙の場合は前記第1の回転数より速い第2の回転数としている。ここでは、回転多面鏡の複数の回転数として、第1の回転数r1と、第1の回転数より速い第2の回転数r2の2速の場合を例示したが、これに限定されるものではない。回転多面鏡の複数の回転数は、印刷スピードや紙種に応じて、適宜設定されるべきものである。
そして、CPUは、回転多面鏡4の回転数が第1の回転数r1ならばステップS103に処理を進める。ステップS103では、CPUは、面識別信号生成部300により第1の回転数r1に応じた回転多面鏡4の各反射面のBD周期β1(β11からβ14)を測定すると共に、測定したBD周期β1を走査周期記憶部に格納するよう制御する。そして、回転多面鏡4の全ての反射面につきBD周期β1の測定が完了したら、CPUは、ステップS104に処理を進める。ステップS104では、CPUは、面識別信号生成部300の走査周期記憶部から第1の回転数r1に応じた回転多面鏡4の各反射面のBD周期β1を読み出す。
次に、ステップS105において、CPUは、補正データ記憶部302から第1の回転数r1に応じた回転多面鏡4の各反射面のBD周期α1(α11からα14)を読み出す。次に、ステップS106で、CPUは、上記読み出した第1の回転数r1に応じた各反射面のBD周期β1とBD周期α1とから、回転多面鏡4の面数分の各組み合わせパターンにおける差分値を算出する。例えば、回転多面鏡4が4面の場合、BD周期の組合せが4パターンあるので、差分値1~差分値4が算出される。
次に、ステップS107において、CPUは、上述したマッチング条件に従って、第1の回転数r1に応じたBD周期α1とBD周期β1とのパターンマッチを行うと共に、パターンマッチが成功したか否かを判別する。その結果、パターンマッチが成功した場合は、CPUは、処理をステップS108に進める。
ステップS108では、CPUは、回転多面鏡4の回転数が第1の回転数r1である場合において、最小の差分値となる組み合わせパターンを特定し、その組み合わせパターンにおけるBD周期β1とBD周期α1との1対1の対応関係を把握する。すなわち、パターンマッチが成功し、最小差分値となる組み合わせパターンが特定されることで、面IDが対応づけられたBD周期βと予め各反射面に対応づけられたBD周期αの対応関係が特定され、回転多面鏡4の各反射面が特定される。そして、CPUは、上述したように、対応関係を辿り、各面IDに対する補正データ記憶部302における読み出しアドレスadrsを設定する(図7参照)。
そして、ステップS109では、CPUは、各面IDに設定された読み出しアドレスadrsに格納されている補正データ記憶部302から補正データdataを読み出す。ここでは、回転多面鏡4の回転数が第1の回転数r1である場合において、CPUが、補正データ記憶部302から前記補正データdata(第1補正データ)を読み出す。
そして、続くステップS110では、CPUが、読み出した補正データdata(第1補正データ)に応じて、レーザ駆動部306を介して光源である半導体レーザユニット1によるレーザ光の出射を制御し、画像形成を行う。さらに具体的には、CPUは、読み出した補正データdata(第1補正データ)をレーザ光変調部(画像クロック発生部)304へ出力するように制御する。
レーザ光変調部(画像クロック発生部)304では、主走査位置ずれ補正データdataに基づいて、回転多面鏡4の各反射面の走査線毎に画像クロック変調を行い、主走査位置ずれ補正を行う。主走査位置ずれ補正データから画像クロック変調を行う手段の詳細については特許文献2の技術等を用いれば可能であり、説明は省略する。
レーザ光変調部(画像クロック発生部)304は、回転数と特定した反射面に応じた補正データに基づいて変調された画像クロックをレーザ駆動部306へ供給する。画像信号生成部305は画像信号を生成し、レーザ駆動部306に供給する。レーザ駆動部306は、供給された画像信号と主走査位置ずれ補正部301で生成された画像クロックとに従い、半導体レーザユニット1からレーザ光を出力し、画像形成を行う。そして、ステップS111では、CPUは、画像形成が終了したかどうかを判別し、画像形成が終了すると本制御処理を終了する。
一方、前記ステップS107において、パターンマッチに失敗した場合は、CPUは、処理をステップS110に進める。ステップS110では、CPUは、補正データを設定しない。なお、ここでは、パターンマッチに失敗した場合は、補正データを設定しない制御処理を例示したが、これに限定されるものではない。例えば、パターンマッチに失敗した場合であっても、以下のように制御処理しても良い。すなわち、補正データ記憶部302の補正データdataの平均値を、共通の補正データとしてすべての反射面に対して設定する。そして、回転多面鏡4の各反射面に対するレーザ光に同一の補正を行う。このように制御処理しても良い。
また、前記ステップS102において、CPUは、各種印刷モードに伴う回転多面鏡4の回転数を判別した際に、回転多面鏡4の回転数が第2の回転数r2ならばステップS113に処理を進める。ステップS113~S120までの処理は、回転数と、その回転数ごとのBD周期などのデータが異なる以外の処理の流れは、前述したステップS103~S110までの処理と同様であるため、ここでは説明は省略する。
そして、前記回転数(第2の回転数r2)と前記特定した反射面に応じて回転多面鏡の各反射面の補正データ(第2補正データ)が設定されると、続くステップS111では、CPUは、前述したように画像形成を行う。ステップS112では、CPUは、画像形成が終了したかどうかを判別し、画像形成が終了すると本制御処理を終了する。
上述した主走査位置ずれ補正を行うことによって、前記主走査方向の位置ずれに起因する画像品質の劣化を抑制することができる。また、前記位置ずれ補正を行うことによって、画像書き出し部と画像中心部と画像書き終わり部とでの理想位置からの最大ずれ量は、各回転数において、所定の値以下(ここでは約5μm以下)にすることができる。また、回転多面鏡4の各反射面の相対的ずれ量としては、約2μm以下にすることが可能である。なお、本実施例では回転多面鏡4の回転数が2速の場合を示したが、それ以上の回転数を有する場合でも、各回転数に応じた主走査方向位置ずれ補正データを事前に補正データ記憶部302に持たせておけば同様の作用を得ることができる。
また、回転多面鏡4の材質がポリカーボネート樹脂やシクロオレフィン樹脂等の樹脂材料の場合を示したが、これに限定されるものではない。回転多面鏡4の材質がアルミニウムなどの金属材料の場合でも、回転多面鏡4の回転による反射面の変形量が完全にゼロではない。そのため、前述したように、回転多面鏡4の材質が金属材料の場合でも、回転数ごとに同様の補正データを取得し、回転数ごとに主走査位置ずれ補正を行ってもよい。
このように、画像形成装置で使用されている回転多面鏡4の回転数ごとに主走査方向位置ずれ補正データを持たせることで、回転多面鏡4の回転数ごとに生じる各反射面によって反射されるレーザ光の主走査方向の位置ずれを確実に補正することができる。したがって、画像形成装置の回転多面鏡4の回転数が変わっても画像品質の劣化を生じることがなく、高品質な画像を保持することができる。
なお、前述した実施形態では、画像形成装置としてプリンタを例示したが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば複写機、ファクシミリ装置等の他の画像形成装置や、或いはこれらの機能を組み合わせた複合機等の他の画像形成装置であっても良い。これらの画像形成装置に本発明を適用することにより同様の効果を得ることができる。
L …レーザ光
1 …半導体レーザユニット
2 …複合アナモフィックコリメータレンズ
3 …開口絞り
4 …回転多面鏡
5 …偏向器
6 …同期信号検知センサ(BDセンサ)
7 …fθレンズ
101 …光走査装置
103 …感光ドラム
110 …画像形成装置
300 …面識別信号生成部
301 …主走査位置ずれ補正部
302 …補正データ記憶部
303 …補正データ制御部+特定部
303a …面特定部
303b …補正データ制御部
304 …レーザ光変調部(画像クロック発生部)
305 …画像信号生成部
306 …レーザ駆動部

Claims (11)

  1. 像担持体に対して光源から出射されたレーザ光を回転多面鏡の回転により前記像担持体の軸線方向である主走査方向に走査する光走査装置を備え、前記回転多面鏡を第1の回転数又は前記第1の回転数より速い第2の回転数で回転することが可能な画像形成装置であって、
    前記光走査装置に設けられ、前記第1の回転数又は前記第2の回転数で回転される前記回転多面鏡が有する反射面によって反射されたレーザ光を受光し信号を出力する出力部と、
    前記出力部から出力された信号にもとづいて、前記回転多面鏡の複数の反射面のうちの特定の反射面を特定する面特定部と、
    前記特定の反射面に対応づけた前記特定の反射面によって反射されるレーザ光の前記像担持体の前記主走査方向のずれを補正するための補正データであって、前記第1の回転数で前記回転多面鏡が回転した場合の第1補正データと、前記第2の回転数で前記回転多面鏡が回転した場合の第2補正データと、を予め記憶した記憶部と、
    前記第1補正データ又は前記第2補正データに基づいて前記光源によるレーザ光を変調するための信号を発生する変調部と、
    を有することを特徴とする画像形成装置。
  2. 前記回転多面鏡は、プラスチックで構成されていることを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
  3. 前記反射面によって反射されるレーザ光の主走査方向のずれを補正するための補正データは、前記第1の回転数の場合より前記第2の回転数の場合の方が大きくなることを特徴とする請求項1又は2に記載の画像形成装置。
  4. 前記出力部は、前記回転多面鏡の各反射面での主走査方向における画像書き出し位置の同期をとるための信号を出力することを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載の画像形成装置。
  5. 前記記憶部に記憶された補正データは、主走査方向において、前記出力部が配置された走査開始位置から、前記像担持体の画像領域の所定の位置までの距離を測定し、前記測定した距離の、基準となる理想距離からの主走査方向のずれ量であることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項に記載の画像形成装置。
  6. 前記像担持体の画像領域は、画像書き出し部の位置から画像書き終わり部の位置までの領域であり、
    前記像担持体の画像領域の所定の位置は、主走査方向において、画像書き出し部の位置、画像中心部の位置、画像書き終わり部の位置であることを特徴とする請求項5に記載の画像形成装置。
  7. 前記面特定部は、前記回転多面鏡が有する反射面の面数分の、前記出力部から順に出力された2つの信号にもとづいて測定された前記信号の出力間隔と、前記記憶部に予め記憶された前記信号の出力間隔とを用いて、前記回転多面鏡が有する反射面の面数分の組み合わせパターンの差分値を算出し、
    前記面数分の組み合わせパターンのうち、前記算出した面数分の差分値のうちの最小の差分値が、予め設定された閾値より小さいというマッチング条件を満たす組み合わせパターンにより反射面を特定することを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
  8. 前記面数分の組み合わせパターンのうち、前記算出した面数分の差分値のうちの最小の差分値が、予め設定された閾値より小さいというマッチング条件を満たす場合、各反射面ごとの補正データを設定し、前記マッチング条件を満たさない場合、前記補正データを設定しないことを特徴とする請求項7に記載の画像形成装置。
  9. 記録材の種類を検知する検知部を有し、
    前記検知部により検知した記録材の種類に応じて、前記回転多面鏡の回転数を前記第1の回転数又は前記第2の回転数に変えることを特徴とする請求項1乃至8のいずれか一項に記載の画像形成装置。
  10. 前記検知部により検知した記録材が厚紙の場合、前記回転多面鏡の回転数を前記第1の回転数とし、前記記録材が前記厚紙より厚みが薄い普通紙の場合、前記第2の回転数とすることを特徴とする請求項9に記載の画像形成装置。
  11. 前記第1の回転数に対応した反射面ごとの第1補正データを設定した場合には、前記第1補正データを用いて前記特定した反射面に対する前記光源によるレーザ光の出射を制御し、前記第2の回転数に対応した反射面ごとの前記第1補正データとは異なる第2補正データを設定した場合には、前記第2補正データを用いて前記特定した反射面に対する前記光源によるレーザ光の出射を制御することを特徴とする請求項1乃至10のいずれか1項に記載の画像形成装置。
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