JP7177002B2 - ジベンゾピロメテンホウ素キレート化合物、近赤外光吸収色素、光電変換素子、近赤外光センサー及び撮像素子 - Google Patents
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Description
また、さらに特許文献2には、近赤外領域に蛍光波長を有する近赤外蛍光色素の例として、ナフトフルオレセイン化合物が開示されている。
また、特許文献3乃至5には、BODIPY骨格を有する化合物をB-Oキレート化することにより、化合物の光に対する堅牢性が更に向上すると共に、吸収波長を長波長側にシフトさせることができることが記載されている。しかしながら、BODIPY骨格を有する化合物はB-Oキレート化することにより分子の剛直性が高くなるため、溶解性が著しく低下するのが一般的である。
即ち、本発明は、
[1]下記一般式(1)
[2]下記一般式(2)
[3]nが1である前項[1]又は[2]に記載のジベンゾピロメテンホウ素キレート化合物、
[4]R9及びR10が水素原子である前項[1]乃至[3]のいずれか一項に記載のジベンゾピロメテンホウ素キレート化合物、
[5]前項[1]乃至[4]のいずれか一項に記載のジベンゾピロメテンホウ素キレート化合物含む近赤外吸収色素、
[6]前項[1]乃至[4]のいずれか一項に記載のジベンゾピロメテンホウ素キレート化合物含を含む有機薄膜、
[7]前項[1]乃至[4]のいずれか一項に記載のジベンゾピロメテンホウ素キレート化合物を含む光電変換素子、
[8]前項[7]に記載の光電変換素子を備える近赤外光センサー、及び
[9]前項[7]に記載の光電変換素子を備える撮像素子、
に関する。
式(1)中のR1乃至R8はそれぞれ独立に水素原子、脂肪族炭化水素基、アルコキシ基、アルキルチオ基、芳香族基、複素環基、ハロゲン原子、水酸基、メルカプト基、ニトロ基、置換アミノ基、非置換アミノ基、シアノ基、スルホ基、又はアシル基を表す。
式(1)中のR1乃至R8が表す脂肪族炭化水素基としては、直鎖状又は分岐状の脂肪族炭化水素基であることが好ましく、飽和の直鎖状又は分岐状のアルキル基であることがより好ましく、n-ブチル基、n-ヘキシル基、n-オクチル基、n-デシル基、n-ドデシル基、2-エチルへキシル基、2-メチルプロピル基又は2-ブチルオクチル基であることが更に好ましく、n-ヘキシル基、n-オクチル基又は2-メチルプロピル基であることが特に好ましい。
上記式(1)中のR1乃至R8が表すアルキルチオ基とは、硫黄原子とアルキル基が結合した置換基であり、アルキルチオ基が有するアルキル基としては、例えば式(1)中のR1乃至R8が表す脂肪族炭化水素基の項に具体例として記載したアルキル基が挙げられる。式(1)中のR1乃至R8が表すアルキルチオ基は、例えばアルキルチオ基等の置換基を有していてもよい。
上記式(1)中のR1乃至R8が表すアシル基とは、カルボニル基と芳香族基又はアルキル基が結合した置換基であり、アシル基の有するアルキル基及び芳香族基としては、式(1)中のR1乃至R8が表す脂肪族炭化水素基の項に記載したアルキル基、及び式(1)中のR1乃至R8が表す芳香族基と同じものが挙げられる。
また、R1とR8が同一であることが好ましく、R2とR7が同一であることが好ましく、R3とR6が同一であることが好ましく、R4とR5が同一であることが好ましい。
上記式(1)中のR9乃至R14が表す脂肪族炭化水素基は、飽和又は不飽和の直鎖状、分岐状又は環状のいずれにも限定されず、その炭素数は1乃至10が好ましく、1乃至6がより好ましい。ここで、飽和又は不飽和の直鎖、分岐又は環状の脂肪族炭化水素基の具体例としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n-ブチル基、iso-ブチル基、アリル基、t-ブチル基、n-ペンチル基、n-ヘキシル基、n-オクチル基、n-デシル基、n-ドデシル基、n-トリデシル基、n-テトラデシル基、n-セチル基、n-ヘプタデシル基、n-ブテニル基、2-エチルへキシル基、3-エチルヘプチル基、4-エチルオクチル基、2-ブチルオクチル基、3-ブチルノニル基、4-ブチルデシル基、2-ヘキシルデシル基、3-オクチルウンデシル基、4-オクチルドデシル基、2-オクチルドデシル基、2-デシルテトラデシル基、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基及びシクロヘキシル基等が挙げられる。
式(1)中のR9乃至R14が表す脂肪族炭化水素基としては、直鎖状又は分岐状の脂肪族炭化水素基であることが好ましく、飽和の直鎖状又は分岐状のアルキル基であることがより好ましく。メチル基、エチル基、n-プロピル基、n-ブチル基、n-ペンチル基又は2-ヘキシル基、であることが更に好ましく、メチル基、エチル基又はn-プロピル基であることが特に好ましい。
尚、芳香族基と成り得る芳香族化合物は置換基を有していてもよく、該有していてもよい置換基は特に限定されない。
尚、複素環基と成り得る複素環化合物は置換基を有していてもよく、該有していても良い置換基は特に限定されない。
式(1)におけるR11乃至R14としてはそれぞれ独立に水素原子、脂肪族炭化水素基、芳香族基又は複素環基が好ましく、脂肪族炭化水素基又は芳香族基がより好ましい。
式(2)中のR15乃至R22は水素原子、脂肪族炭化水素基、アルコキシ基、アルキルチオ基、芳香族基、複素環基、ハロゲン原子、水酸基、メルカプト基、ニトロ基、置換アミノ基、非置換アミノ基、シアノ基、スルホ基、又はアシル基を表す。
式(2)中のR15乃至R22が表す脂肪族炭化水素基としては、直鎖状又は分岐状の脂肪族炭化水素基であることが好ましく、飽和の直鎖状又は分岐状のアルキル基であることがより好ましく。メチル基、エチル基、n-プロピル基、n-ブチル基、n-ペンチル基又は2-ヘキシル基であることが更に好ましく、nメチル基、エチル基又はn-プロピル基であることが特に好ましい。
尚、芳香族基と成り得る芳香族化合物は置換基を有していてもよく、該有していてもよい置換基は特に限定されない。
尚、複素環基と成り得る複素環化合物は置換基を有していてもよく、該有していても良い置換基は特に限定されない。
また、R15とR22が同一であることが好ましく、R16とR21が同一であることが好ましく、R17とR20が同一であることが好ましく、R18とR19が同一であることが好ましい。
尚、式(1)におけるR11とR12が結合して、及び/又はR13とR14が結合して形成する芳香環は置換基を有していてもよく、該有していてもよい置換基としては、式(2)のR15乃至R22が表す脂肪族炭化水素基、アルコキシ基、アルキルチオ基、芳香族基、複素環基、ハロゲン原子、水酸基、メルカプト基、ニトロ基、置換アミノ基、非置換アミノ基、シアノ基、スルホ基及びアシル基と同じものが挙げられる。
上記式(1)中のZ1及びZ2が表す芳香族化合物の芳香環から水素原子を一つ除いた二価の連結基となり得る芳香族化合物としては、例えばベンゼン、ナフタレン、アントラセン、ピレン、フルオレン及びフェナントレン等が挙げられ、ベンゼン又はナフタレンが好ましく、ベンゼンがより好ましい。
尚、二価の連結基と成り得る芳香族化合物は置換基を有していてもよく、該有していてもよい置換基は特に限定されない。
尚、二価の連結基と成り得る複素環化合物は置換基を有していてもよく、該有していてもよい置換基は特に限定されない。
前記式(1)で表される化合物は例えば以下の示す合成スキームにより合成することができる。化合物(a)は、公知の方法(特許文献5)を参考に合成可能であり、得られた化合物(a)を2級アミン誘導体と反応させて、化合物(b)とした後に、三臭化ホウ素を反応させることでB-Oキレート化することにより式(1)で表される化合物が得られる。これらの化合物の精製方法は特に限定されず、例えば洗浄、再結晶、カラムクロマトグラフィー、真空昇華等が採用でき、必要に応じてこれらの方法を組み合わせることができる。
本発明の近赤外光吸収色素中の式(1)で表される化合物の含有量は、近赤外光吸収色素を用いる用途において必要とされる近赤外光の吸収能力が発現する限り特に限定されないが、通常は50質量%以上であり、80質量%以上が好ましく、90質量%以上がより好ましく、95質量%以上が更に好ましい。
本発明の近赤外光吸収色素には、式(1)で表される化合物以外の化合物(例えば式(1)で表される化合物以外の近赤外光吸収色素等)や添加剤等を併用してもよい。併用し得る化合物や添加剤等は、近赤外光吸収材料を用いる用途において必要とされる近赤外光の吸収能力が発現する限り特に限定されない。
一般的な近赤外光吸収色素は、加工の容易性という観点からは化合物を溶液状態で塗布するようなプロセスが望まれているが、有機膜を積層するような有機エレクトロニクスデバイスの場合、塗布溶液が下層の有機膜を侵す恐れがあることから不向きである。
本発明の化合物、近赤外光吸収材料或いは近赤外発光材料又はこれらを用いた有機薄膜を含む有機エレクトロニクスデバイスを作製することができる。有機エレクトロニクスデバイスとしては、例えば、薄膜トランジスタ、有機光電変換素子、有機太陽電池素子、有機エレクトロルミネッセンス素子(以下、「有機EL素子」又は「有機発光素子」と表す。)、有機発光トランジスタ素子、有機半導体レーザー素子などが挙げられる。本発明では、特に近赤外用途の展開が期待される有機光電変換素子、有機EL素子に着目する。ここでは本発明の実施形態の一つである近赤外光吸収材料として用いた近赤外有機光電変換素子、近赤外発光特性を利用した有機EL素子、有機半導体レーザー素子について説明する。
なお、ここでは詳細に説明しないが、700nmを超える近赤外光は、生体組織に対する透過性が高い。従って、生体内組織の観測のため利用も可能であるため、近赤外蛍光プローブ等、医療分野での病理解明、診断等において、その目的に応じて、いろいろな態様での適用が可能である。
上記式(1)で表される化合物は近赤外光吸収特性を有する化合物であることから、近赤外有機光電変換素子としての利用が期待される。特に、本発明の有機光電変換素子に於ける光電変換層に用いることができる。当該素子に於いては、光に対する応答波長光の吸収帯の極大吸収が780nm以上2500nm以下であることが好ましい。ここで、近赤外有機光電変換素子としては近赤外光センサ、有機撮像素子、近赤外光イメージセンサ等が挙げられる。
光電変換部は、光電変換層と、電子輸送層、正孔輸送層、電子ブロック層、正孔ブロック層、結晶化防止層及び層間接触改良層等から成る群より選択される一種又は複数種の光電変換層以外の有機薄膜層とから成ることが多い。本発明の化合物は光電変換層以外にも用いることもできるが、光電変換層の有機薄膜層として用いることが好ましい。光電変換層は前記式(1)で表される化合物のみで構成されていてもよいが、前記式(1)で表される化合物以外に、公知の近赤外光吸収材料やその他を含んでいてもよい。
上記一般式(1)で表される化合物は近赤外発光特性を有する化合物であることから、有機半導体レーザー素子としての利用が期待される。すなわち、上記一般式(1)で表される化合物を含有する有機半導体レーザー素子に共振器構造を組み込み、効率的にキャリアを注入して励起状態の密度を十分に高めることができれば、光が増幅されレーザー発振に至る事が期待される。従来、光励起によるレーザー発振が観測されるのみで、電気励起によるレーザー発振に必要とされる、高密度のキャリアを有機半導体素子に注入し、高密度の励起状態を発生させるのは非常に困難と提唱されているが、上記一般式(1)で表される化合物を含有する有機半導体素子を用いることで、高効率な発光(電界発光)が起こる可能性が期待される。
下記のスキームにより式(1-59)で表される本発明の化合物を合成した。
フラスコ中で、上記式(2-1)で表される化合物(0.11mmol)とインダンジオン(1.1mmol)をクロロホルム(10mL)に溶解し、還流状態で1時間攪拌した。反応液を放冷して、溶媒を濃縮乾燥した後に、メタノールで懸濁ろ過することにより、式(2-2)で表される中間体化合物を得た(0.059mmol、収率54質量%)。式(2-2)で表される化合物の分子量の測定結果は以下のとおりであった。
MALDI-TOF MS(m/z):1016[M]+
フラスコ中で、工程1で得られた式(2-2)で表される中間体化合物(0.059mmol)をジクロロメタン(10mL)に溶解させた。次いで、三臭化ホウ素(1.0mL)を反応系に加え、5時間攪拌した。反応液を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液に加えることで中和したのち、有機層を濃縮乾燥した。メタノールを加えて、懸濁ろ過することにより式(1-59)で表される本発明の化合物を得た。(0.031mmol、収率:61質量%)。
式(1-59)で表される化合物の分子量の測定結果は以下のとおりであった。
EI-MS(m/z):948[M]+
1H NMR(CDCl3)δ(ppm)=8.54(d、4H)、8.02(m、4H)、7.95(dd、2H)、7.87(s、2H)、7.82(m、8H)、7.71(d、2H)、7.50(s、1H)、7.30(s、2H)、7.20(d、2H)
(工程3)上記具体例の式(1-74)で表される本発明の化合物の合成
フラスコ中で、ジ((ホルミルチエニル)-メトキシチエニル)ジフルオロジベンゾピロメテンーBF2錯体(1.64mmol)とインダンジオン(17.1mmol)をクロロホルム(160mL)に溶解し、還流状態で3時間攪拌した。反応液を放冷して、溶媒を濃縮乾燥した後に、メタノールで懸濁ろ過することにより、中間体化合物を得た(1.47mmol)。前記で得られた中間体化合物(0.24mmol)をフラスコ中でジクロロメタン(75mL)に溶解させた。次いで、三臭化ホウ素(7mL)を反応系に加え、15時間攪拌した。反応液を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液に加えることで中和したのち、有機層を濃縮乾燥した。メタノールを加えて、懸濁ろ過することにより式(1-74)で表される本発明の化合物を得た。(0.16mmol、収率:67質量%)。
式(1-74)で表される化合物の分子量の測定結果は以下のとおりであった。
EI-MS(m/z):960[M]+
1H NMR(CDCl3)δ(ppm)=7.93(m、4H)、7.90(m、3H)、7.75(m、4H)、7.65(d、2H)、7.45(s、1H)7.42(d、2H)、7.39(s、2H)7.22(m、4H)
特許文献5に記載の方法に準じて、下記式(3-1)で表される比較用の化合物を得た。
実施例1、2及び比較例1で得られた本発明の化合物及び比較用の化合物のクロロホルムへの溶解度を測定し、結果を表1に示した。
実施例1、2及び比較例1で得られた化合物のクロロホルム溶液(濃度1.0×10-5mol/L)を調製し、吸収スペクトルの測定結果に基づいて求めたλmaxの値を表2に示した。
実施例1で得られた式(1-59)で表される化合物を用いて、0.5wt%のクロロホルム溶液を調製した後、石英基板上に100μL塗布し、1000rpm、30秒の条件でスピンコーティングをすることで本発明の有機薄膜を得た。得られた有機薄膜について吸収スペクトルを測定し、結果を図2に示した。実施例3の有機薄膜のλmaxは921nmであった。
実施例2で得られた式(1-74)で表される化合物を用いて、0.5wt%のクロロホルム溶液を調製した後、石英基板上に100μL塗布し、1000rpm、30秒間の条件でスピンコーティングをすることで本発明の有機薄膜を得た。得られた有機薄膜について吸収スペクトルを測定し、結果を図3に示した。実施例4の有機薄膜のλmaxは954nmであった。
1 絶縁部
2 上部電極
3 電子ブロック層
4 光電変換層
5 正孔ブロック層
6 下部電極
7 絶縁基材若しくは他光電変換素子
Claims (9)
- 下記一般式(1)
(式中、R1乃至R8はそれぞれ独立に水素原子、脂肪族炭化水素基、アルコキシ基、アルキルチオ基、芳香族基、複素環基、ハロゲン原子、水酸基、メルカプト基、ニトロ基、置換アミノ基、非置換アミノ基、シアノ基、スルホ基、又はアシル基を表す。R9及びR10はそれぞれ独立に水素原子、脂肪族炭化水素基、芳香族基、又は複素環基を表す。R11乃至R14はそれぞれ独立に水素原子、脂肪族炭化水素基、芳香族基、又は複素環基を表す。また、R11とR12が結合して芳香環を形成してもよく、R13とR14が結合して芳香環を形成してもよい。Z1及びZ2はそれぞれ独立に芳香族基、又は複素環基を表す。nはそれぞれ独立に0以上の整数を表す。)で表されるジベンゾピロメテンホウ素キレート化合物。 - nが1である請求項1又は2に記載のジベンゾピロメテンホウ素キレート化合物。
- R9及びR10が水素原子である請求項1乃至3のいずれか一項に記載のジベンゾピロメテンホウ素キレート化合物。
- 請求項1乃至4のいずれか一項に記載のジベンゾピロメテンホウ素キレート化合物含む近赤外吸収色素。
- 請求項1乃至4のいずれか一項に記載のジベンゾピロメテンホウ素キレート化合物含を含む有機薄膜。
- 請求項1乃至4のいずれか一項に記載のジベンゾピロメテンホウ素キレート化合物を含む光電変換素子。
- 請求項7に記載の光電変換素子を備える近赤外光センサー。
- 請求項7に記載の光電変換素子を備える撮像素子。
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