JP7181366B2 - アルミニウム電解コンデンサ用電解液、およびそれを用いたアルミニウム電解コンデンサ - Google Patents
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Description
しかし、ポリビニルアルコールは極性溶媒(例えばエチレングリコール)に溶解せず、不均一系の電解液となってしまい、加熱によりさらに増粘し、高温での使用に問題がある。また、使用するポリオキシエチレングリコールは低分子量では火花電圧の向上効果が低く、高分子量化すると電導度が低下することが問題であった。
すなわち、本発明は、3~8価の多価アルコールのアルキレンオキサイド付加物(A)、2級または3級アミン(B)、カルボン酸(C)、および極性溶媒(D)を含有することを特徴とするアルミニウム電解コンデンサ用電解液;並びにそれを用いたアルミニウム電解コンデンサである。
アルキレンオキサイド付加物(A)におけるアルキレンオキサイドの種類は、電極へ浸透しやすいという観点から、エチレンオキサイドを含むことが好ましい。
本発明において、アルキレンオキサイド付加物(A)は単独使用でも2種以上を併用してもよい。
その場合、電極へ浸透しやすくするという観点から、EO/POのそのモル比は、50/50~99/1が好ましく、より好ましくは、65/35~99/1である。
また、アルキレンオキサイド付加物(A)においては、アルキレンオキサイドの末端の多価アルコールと反対側の水酸基はアルキル基、アリル基などで置換されていてもよい。
EO/POのモル比は、水酸基価で全体の分子量を算出し、さらにプロトン核磁気共鳴装置(H-NMR)でPOのメチル基とEO、POのメチレン基のピーク面積比から算出できる。
エチレンオキサイドの平均付加モル数は、水酸基価で全体の分子量を算出し、さらにプロトン核磁気共鳴装置(H-NMR)でPOのメチル基とEO、POのメチレン基のピーク面積比から算出できる。
EO/POの付加形式をランダム状にするには、あらかじめ、EOとPOをボンベ中で混合して、均一にし、得られた混合物を多価アルコールに滴下することによって作製できる。
一方、EO/POの付加形式をブロック状にするには、まず、EO(またはPO)を多価アルコールに反応させた後、圧力が低下し反応が終わったことを確認後、PO(またはEO)を反応させる。
電導度変化率を低くするために、アミン化合物は、2級アミンまたは3級アミンである。
好ましくはトリエチルアミン、トリメチルアミン、ジメチルエチルアミン、ジエチルアミン、ジメチルアミンである。また、2級または3級アミン(B)は、単独使用でも2種以上を併用してもよい。
カルボン酸(C)の炭素数は2~15が望ましく、さらに比電導度の観点から4~10が好ましい。カルボン酸(C)も、単独使用でも2種以上を併用してもよい。
以下に具体例を示す。
コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、1,6-デカンジカルボン酸、1,10-デカンジカルボン酸などの脂肪族ポリカルボン酸;マレイン酸、シトラコン酸、フマル酸、イタコン酸などの不飽和ポリカルボン酸;フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、トリメリット酸、ピロメリット酸などの芳香族ポリカルボン酸;チオジプロピオン酸などのS含有ポリカルボン酸など。
飽和モノカルボン酸(ギ酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸、イソ酪酸、吉草酸、カプロン酸、エナント酸、カプリル酸、ペラルゴン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、ステアリン酸、ベヘン酸、エチルヘキサン酸などの脂肪族モノカルボン酸);アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、オレイン酸などの不飽和モノカルボン酸;安息香酸、ケイ皮酸、ナフトエ酸などの芳香族モノカルボン酸。
1価アルコール(メチルアルコール、エチルアルコール、プロピルアルコール、ブチルアルコール、ジアセトンアルコール、ベンジルアルコール、アミノアルコール、フルフリルアルコールなど)、2価アルコール(エチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、ヘキシレングリコールなど)、3価アルコール(グリセリンなど)、4価以上のアルコール(ヘキシトールなど)など。
ホルムアミド(N-メチルホルムアミド、N,N-ジメチルホルムアミド、N-エチルホルムアミド、N,N-ジエチルホルムアミドなど)、アセトアミド(N-メチルアセトアミド、N,N-ジメチルアセトアミド、N-エチルアセトアミド、N,N-ジエチルアセトアミドなど)、プロピオンアミド(N,N-ジメチルプロピオンアミドなど)、ピロリドン(N-メチルピロリドン、N-エチルピロリドンなど)、ヘキサメチルホスホリルアミドなど。
γ-ブチロラクトン(以下、GBLと記す。)、α-アセチル-γ-ブチロラクトン、β-ブチロラクトン、γ-バレロラクトン、δ-バレロラクトンなど。
アセトニトリル、プロピオニトリル、ブチロニトリル、アクリロニトリル、メタクリルニトリル、ベンゾニトリルなど。
スルホラン、ジメチルスルホキシド、エチルメチルスルホンなど。
1,3-ジメチル-2-イミダゾリジノンなど。
カルボン酸(C)の含有量は、(A)~(D)の合計重量に基づいて、通常5~20重量%、好ましくは7~15重量%である。
極性溶媒(D)の含有量は、(A)~(D)の合計重量に基づいて、通常50~90重量%、好ましくは60~80重量%である。
添加剤としては、ニトロ化合物(例えば、o-ニトロ安息香酸、p-ニトロ安息香酸、m-ニトロ安息香酸、o-ニトロフェノール、p-ニトロフェノールなど)、ホウ酸などを挙げることができる。その添加量は、比電導度と電解液への溶解度の観点から、電解液の重量に基づいて、好ましくは5重量%以下、特に好ましくは0.1~2重量%がよい。
本発明のアルミニウム電解コンデンサは、本発明のアルミニウム電解コンデンサ用電解液を用いたことを特徴とする。
アルミニウム電解コンデンサとしては、特に限定されず、例えば、捲き取り形の電解コンデンサであって、陽極表面に酸化アルミニウムが形成された陽極(酸化アルミニウム箔)と陰極アルミニウム箔との間に、セパレーターを介在させて捲回することにより構成されたコンデンサが挙げられる。本発明の電解液を駆動用電解液としてセパレーターに含浸し、陽陰極と共に、有底筒状のアルミニウムケースに収納した後、アルミニウムケースの開口部を封口ゴムで密閉して電解コンデンサを構成することができる。
数平均分子量は水酸基価から計算される数平均分子量である。水酸基価は、JIS-K 1557-1に規定される方法に準拠して測定した。
ソルビトール182重量部(1mol)に水酸化カリウム1.1重量部(0.02mol)を添加し、170℃でエチレンオキサイド1,056重量部(24mol)を反応させ、圧平衡に達したところで終点とした。
その後、カリウム除去のためにキョーワード600、およびキョーワード700(いずれも製品名、協和化学工業株式会社製の吸着剤)を用いて吸着処理を行い、カリウム含量1ppm以下であることも確認した。プロトン核磁気共鳴装置(H-NMR)チャートと、水酸基価でソルビトールのエチレンオキサイド24モル付加物(A-1)を得たことを確認した。(A-1)の数平均分子量は1,240であった。
ソルビトールをペンタエリスリトール136重量部(1mol)に変更した以外は、製造例1と同様にしてペンタエリスリトールのエチレンオキサイド24モル付加物(A-2)を得た。(A-2)の数平均分子量は1,100であった。
ソルビトールをグリセリン92重量部(1mol)に変更した以外は、製造例1と同様にしてグリセリンのエチレンオキサイド24モル付加物(A-3)を得た。(A-3)の数平均分子量は1,080であった。
エチレンオキサイド1,056重量部単独を、エチレンオキサイド1,056重量部(24mol)とプロピレンオキサイド174重量部(3mol)の混合物とした以外は製造例1と同様にしてソルビトールのエチレンオキサイド24モル/プロピレンオキサイド3モルのランダム付加物(A-4)を得た。(A-4)の数平均分子量は1,300であった。
ソルビトールをグリセリン92重量部(1mol)に変更し、エチレンオキサイド単独を、エチレンオキサイド660重量部(15mol)とプロピレンオキサイド812重量部(14mol)の混合物とした以外は製造例1と同様にしてグリセリンのエチレンオキサイド15モル/プロピレンオキサイド14モルのランダム付加物(A-5)を得た。(A-5)の数平均分子量は1,500であった。
ソルビトールをグリセリン92重量部(1mol)に変更し、エチレンオキサイド単独を、エチレンオキサイド1100重量部(25mol)とプロピレンオキサイド58重量部(1mol)の混合物とした以外は製造例1と同様にしてグリセリンのエチレンオキサイド25モル/プロピレンオキサイド1モルのランダム付加物(A-6)を得た。(A-6)の数平均分子量は1,300であった。
エチレングリコール62重量部(1mol)に水酸化カリウム1.1重量部(0.02mol)を添加し、170℃でエチレンオキサイド1,188重量部(27mol)を反応させ、圧平衡に達したところで終点とした。その後、カリウム除去のためにキョーワード600、およびキョーワード700(いずれも製品名、協和化学工業株式会社製の吸着剤)を用いて吸着処理を行い、カリウム含量1ppm以下であることも確認した。数平均分子量が1,200であるポリオキシエチレングリコール(A’-1)を得たことを確認した。
極性溶媒(D)としてのエチレングリコール(D-1)中で、表1に記載した配合部数(重量部)で、それぞれジエチルアミン(B-1)、ジメチルアミン(B-2)、トリエチルアミン(B-3)、トリメチルアミン(B-4)とアゼライン酸(C-1)、または1,6-デカンジカルボン酸(C-2)を室温で中和させ、溶解させた。その後、(A-1)~(A-6)を添加し、均一混合して、電解液(E-1)~(E-11)を得た。
実施例1における(A-1)を、比較製造例1で得た(A’-1)に変更する以外は実施例1と同様にして、比較のための電解液(E’-1)を得た。
実施例1における(B-1)をn-ブチルアミン(B’-2)に変更する以外は実施例1と同様にして、比較のための電解液(E’-2)を得た。
比較例3
表1に記載した配合部数(重量部)で、エチレングリコール(D-1)中にアゼライン酸(C-1)を加えて攪拌して分散させた後、アンモニアガス(B’-1)を吹き込みpHが6.9になって(C-1)が溶解したところで吹き込みの終点とした。その後、ソルビトールのエチレンオキサイド24モル付加物(A-1)を添加し均一混合させて、比較のための電解液(E’-3)を得た。
表1に記載した配合部数(重量部)で、エチレングリコール(D-1)中にアゼライン酸(C-1)を分散させた後、アンモニアガス(B’-1)を吹き込みpHが6.9になって(C-1)が溶解したところで吹き込みの終点とした。その後、ポバール(PVA-105(株式会社クラレ製))を添加し、120℃で2時間混合して溶解させて、比較のための電解液(E’-4)を得た。
表1に記載した配合部数(重量部)で、エチレングリコール(D-1)中で、ジエチルアミン(B-1)とアゼライン酸(C-1)を室温で中和させ、溶解させた。その後、ポバール(PVA-105(株式会社クラレ製))を添加し、120℃で2時間混合して溶解させて、比較のための電解液(E’-5)を得た。
電導度計CM-40S(東亜電波工業株式会社製)を用いて、まず、実施例、比較例の電解液の30℃での初期電導度を測定した。
この評価条件では、初期電導度は、一般に0.9mS/cm以上が好ましい。
次に、電解液を耐圧容器に密閉し、125℃の乾燥機中で1,000時間放置して耐熱試験を実施した。耐圧容器から耐熱試験後の電解液を取り出し、同じく30℃での電導度を測定した。耐熱試験前後の電導度変化率(%)を算出した。
電導度変化率(%)=[(初期電導度-耐熱試験後の電導度)/初期電導度]×100
この評価条件では、電導度変化率(%)は、一般に30%以下が好ましい。
なお、ポバールを用いた比較例4、比較例5の電解液は、耐熱試験後ゲル状になっており、電導度を測定できなかった。
陽極に10cm2の高圧用化成エッチングアルミニウム箔、陰極に10cm2のプレーンなアルミニウム箔を用い、25℃にて定電流法(2mA)を負荷したときの電解液の火花電圧(V)を測定した。
この評価条件では、火花電圧は一般に450V以上が好ましい。
一方、本発明における(A)ではないポリオキシエチレングリコール(A’-1)を用いた比較例1は初期電導度が不良であった。2級アミン、3級アミンではなく1級アミンを用いた比較例2及びアンモニアガスを用いた比較例3の電解液は電導度変化率が不良であった。
また、本発明における(A)を使わずにポバールを用いた比較例5の電解液は耐熱試験後にゲル状になってしまい、電導度が測定できなかった(電導度変化率が不良)。
同じく、本発明における(A)を使わずにポバールを用い、さらに2級アミン、3級アミンではなくアンモニアガスを用いた比較例4の電解液も、耐熱試験後にゲル状になってしまった。
さらに、家電、車載などの長寿命・信頼性が求められる用途に好適である。
Claims (7)
- グリセリンのアルキレンオキサイド付加物(A)、2級または3級アミン(B)、カルボン酸(C)、および極性溶媒(D)を含有し、前記(A)中のアルキレンオキサイドがエチレンオキサイドのみであるか、又はエチレンオキサイド及びプロピレンオキサイドのみであり、前記(A)において、グリセリンと反対側のアルキレンオキサイドの末端はいずれも水酸基であり、前記カルボン酸(C)が飽和脂肪族ポリカルボン酸であり、前記(B)および(C)の合計重量が、前記(A)~(D)の合計重量に対して10.5~12.1重量%であることを特徴とするアルミニウム電解コンデンサ用電解液。
- アルキレンオキサイド付加物(A)中のアルキレンオキサイドがエチレンオキサイド(EO)とプロピレンオキサイド(PO)の併用であり、EO/POのモル比が50/50~99/1である請求項1に記載のアルミニウム電解コンデンサ用電解液。
- エチレンオキサイドとプロピレンオキサイドの付加形式がランダム状の部位を含む請求項2に記載のアルミニウム電解コンデンサ用電解液。
- (A)中のエチレンオキサイドの平均付加モル数が12.0~42.0である請求項1~3いずれかに記載のアルミニウム電解コンデンサ用電解液。
- (A)の数平均分子量が1,000~2,200である請求項1~4いずれかに記載のアルミニウム電解コンデンサ用電解液。
- (A)~(D)の合計重量に基づいて、(A)の含有量が5~40重量%である請求項1~5いずれかに記載のアルミニウム電解コンデンサ用電解液。
- 請求項1~6いずれかに記載のアルミニウム電解コンデンサ用電解液を用いたアルミニウム電解コンデンサ。
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