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JP7187899B2 - 熱電発電装置 - Google Patents
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Description

本発明は、互いに直列または並列に接続された複数の熱電変換素子を備える熱電発電装置に関する。
特許文献1には、複数の熱電変換素子を夫々直列に接続して構成された複数の熱電変換素子群(「ストリング」と呼ばれる)を、互いに並列に接続して構成された熱電発電装置が開示されている。
特開2010-010637号公報(図1)
特許文献1では、異なるストリング同士の間で熱電変換素子の数が等しく、これら同数の熱電変換素子を互いに直列に接続して1つのストリングが構成される。よって、熱源が小さかったり、加熱にむらがあるか、加熱が局所的であったりすることなどにより、熱電発電装置の受熱量に位置に応じたばらつきが生じた場合に、熱電変換素子に形成される温度差にばらつきができ、個々の熱電変換素子の出力特性に差異が生じることから、熱電発電装置を全体として効率的に動作させることが困難となる。そして、出力特性の差異は、温度差にばらつきができた場合に限らず、温度差が一定であっても個体差により生じる場合がある。
本発明は、熱電変換素子の出力特性に生じるばらつきの影響を抑制し、全体として効率的に動作させることのできる熱電発電装置を提供することを目的とする。
本発明の一形態では、温度差が形成される方向に対して垂直な方向に並べて配置された複数の同じ熱電変換素子を有する第1の熱電変換素子群と、温度差が形成される方向に対して垂直な方向に並べて配置された、第1の熱電変換素子群よりも少ない数の同じ熱電変換素子を有し、第1の熱電変換素子群よりも高温の領域に設けられ熱電変換素子が互いに並列に接続された第2の熱電変換素子群と、を含んで構成され、第1の熱電変換素子群と第2の熱電変換素子群とが、互いに直列に接続され、第1の熱電変換素子群の熱電変換素子は、第2の熱電変換素子群の熱電変換素子よりも、発電時に形成される温度差が小さい、熱電発電装置が提供される。
他の形態では、温度差が形成される方向に対して垂直な方向に並べて配置された複数の同じ熱電変換素子を有し、熱電変換素子が互いに直列に接続された第1の熱電変換素子群と、温度差が形成される方向に対して垂直な方向に並べて配置された、第1の熱電変換素子群よりも少ない数の同じ熱電変換素子を有し、第1の熱電変換素子群よりも高温の領域に設けられ、熱電変換素子が互いに直列に接続された第2の熱電変換素子群と、を含んで構成され、第1の熱電変換素子群と第2の熱電変換素子群とが、互いに並列に接続され、第1の熱電変換素子群の熱電変換素子は、第2の熱電変換素子群の熱電変換素子よりも、発電時に形成される温度差が小さい、熱電発電装置が提供される。
本発明によれば、第1の熱電変換素子群と第2の熱電変換素子群とのそれそれで、熱電変換素子を効率的に動作させることが可能となり、熱電発電装置を全体としてより効率的に動作させることができる。第1の熱電変換素子群と第2の熱電変換素子群とで熱電変換素子を互いに並列に接続する場合は、各群についてより効率的な電流の設定が可能となり、他方で、第1の熱電変換素子群と第2の熱電変換素子群とで熱電変換素子を互いに直列に接続する場合は、各群についてより効率的な電圧の設定が可能となる。
図1は、本発明の一実施形態に係る熱電発電装置の全体的な構成を示す概略図である。 図2は、同上実施形態に係る熱電変換素子の温度差に応じた出力特性の変化を示す説明図である。 図3は、同上実施形態に係る熱電変換素子の結線パターンの第1の例を模式的に示す説明図である。 図4は、同上実施形態に係る熱電変換素子の結線パターンの第2の例を模式的に示す説明図である。 図5は、本発明の他の実施形態に係る熱電発電装置の全体的な構成を示す概略図である。 図6は、同上実施形態に係る熱電変換素子の結線パターンの第1の例を模式的に示す説明図である。 図7は、同上実施形態に係る熱電変換素子の結線パターンの第2の例を模式的に示す説明図である。 図8は、本発明の更に別の実施形態に係る熱電発電装置が備わる廃熱回収装置の構成を模式的に示す説明図である。 図9は、同上実施形態に係る熱電変換素子に形成される温度差を示す説明図である。
以下、図面を参照して、本発明の実施形態について説明する。
(第1実施形態)
図1は、本発明の一実施形態に係る熱電発電装置1aの全体的な構成を示し、図示しない熱源からの熱の流れFhを、矢印付きの太線により併せて示している。図1は、便宜上、熱の流れFhに平行な方向を熱電発電装置1の縦方向Lとし、これに垂直な方向を横方向Wとして示す。
本実施形態に係る熱電発電装置(以下単に「熱電発電装置」という)1aは、縦方向Lおよび横方向Wのマトリクス状に配置された複数の熱電変換素子11(図1は、縦方向Lに4、横方向Wに3の、合計12の熱電変換素子11を示すが、熱電変換素子11の合計の数および縦方向L、横方向W夫々に並べる数がこれに限定されるものでないことは、いうまでもない)を備える。熱電変換素子11は、高温ないし加熱側の面(図1にみる熱電変換素子11の上面)と、低温ないし冷却側の面(同じく熱電変換素子11の底面)と、の間の温度差ΔTに基づくゼーベック効果により、両面の間に電位差が形成され、起電力を生じさせるものである。熱電発電装置1aは、熱電変換素子11以外に、熱電変換素子11の低温側の面を冷却しまたは高温側の面よりも低い温度に保つ冷却部12と、熱電変換素子11が生じさせた電力を変換し、熱電発電装置1aの出力を形成する電力変換部13(図3、4)と、を備える。本実施形態において、冷却部12は、冷媒を循環させることにより一定の温度に保たれ、電力変換部13は、最大電力点追従(MPPT)制御により、個々の熱電変換素子11が発電する電力を、熱電発電装置1全体での最大電力点に制御する。
熱電変換装置1は、熱電変換素子11の高温側の面が熱源からの熱の流れFhに対して直接的にまたは何らかの熱媒体を介して間接的に晒されており、この流れFhが熱源から遠ざかるにつれて輸送する熱量を失うことから、高温側の面には、特に温度が高いもの(熱電変換素子11h)と、温度が低いもの(熱電変換素子11l)と、それらの中間のもの(熱電変換素子11m)と、が形成される。図1は、熱の流れFhに関して最も上流側の3つの熱電変換素子11hが占める領域を高温領域Rhとし、最も下流側の3つおよびその上流側に隣接する3つの熱電変換素子11lが占める領域を低温領域Rlとし、これら以外の3つの熱電変換素子11mが占める領域を中間領域Rmとして示すが、このような領域の区分は、説明上のものであり、熱電変換素子11の出力特性に現れるばらつきに応じて適宜に変更することが可能である。例えば、流れFから失われる熱量が小さい場合に、中間領域Rmを省略し、熱電変換素子11が占める領域Rを、上流側の高温領域Rhと、下流側の低温領域Rlと、の2つに区分することが可能である。
ここで、熱電変換素子11の高温側の面の温度Thに、熱源との位置関係、つまり、熱源に対して近いか遠いかに応じたばらつきが生じ、高温側の面と低温側の面との間に形成される温度差ΔTにばらつきができると、個々の熱電変換素子11の出力特性に、温度差ΔTのばらつきに応じた差異が生じる。図2は、熱電変換素子11の温度差ΔTごとの出力特性を示し、図2(a)は、低温時(温度差ΔTl)における出力特性を、同図(b)は、高温時(温度差ΔTh)における出力特性を、夫々示している。図2(a)および(b)の双方において、太い実線が電力Pを、点線が電圧Vを示す。
高温時と比べ、低温時では、発電可能な電力Pが小さく、電流Iがとり得る範囲も狭いことが分かる。よって、温度差ΔTに生じたばらつきによらず、換言すれば、温度差ΔTが大きいものと小さいものとの区別なく、熱電変換素子11を単に直列に接続したとすれば、発電時の電流Iが温度差ΔTの小さい熱電変換素子11の電流により律速されて、電流Iに不足が生じることとなる。他方で、熱電変換素子11を単に並列に接続したとすれば、発電時の電圧Vが温度差ΔTの小さい熱電変換素子11の電圧により律速されて、電圧Vに不足が生じることとなり、いずれにしても熱電発電装置1aを全体として効率的に動作させることが困難となる。
そこで、本実施形態では、温度差ΔTが比較的近い熱電変換素子11同士で素子の群(熱電変換素子群)を形成し、同一の群に属する熱電発電素子11を互いに直列または並列に接続するとともに、異なる熱電変換素子群を互いに接続して、熱電発電装置1を構成することとする。ここで、素子の群または熱電変換素子群とは、熱電変換素子11の電気的な接続関係における纏まりをいうに過ぎず、レイアウト上の纏まりまでをも意味するものではなく、よって、必ずしも互いに隣接して配置されることを要するものではない。
図3は、本実施形態に係る熱電変換素子11の結線パターンの第1の例を模式的に示している。
第1の例では、低温領域Rlに設けられる複数の熱電変換素子11lを互いに並列に接続して熱電変換素子の第1の群(「第1の熱電変換素子群」に相当し、以下「第1の素子群」という)Gl1を形成し、高温領域Rhに設けられる熱電変換素子11hを熱電変換素子の第2の群(「第2の熱電変換素子群」に相当し、以下「第2の素子群」という)Gh1に分類する。さらに、中間領域Rmに設けられる熱電変換素子11mを互いに並列に接続して熱電変換素子の第3の群(以下「第3の素子群」という)Gm1を形成する。
ここで、高温領域Rhの第2の素子群Gh1を構成する熱電変換素子11hの数(例えば、1)は、低温領域Rlの第1の素子群Gl1を構成する熱電変換素子11lの数(例えば、4)および中間領域Rmの第3の素子群Gm1を構成する熱電変換素子11mの数(例えば、2)のいずれよりも少なく、さらに、中間領域Rmの第3の素子群Gm1を構成する熱電変換素子11mの数(例えば、2)は、低温領域Rlの第1の素子群Gl1を構成する熱電変換素子11lの数(例えば、4)よりも少ない。
そして、本実施形態では、第1の素子群Gl1、第2の素子群Gh1および第3の素子群Gm1を互いに直列に接続し、この直列回路を介して得られる電力を電力変換部13により変換して、熱電発電装置1aの出力とする。
ここで、第1の素子群Gl1および第2の素子群Gh1を夫々構成する熱電変換素子11l、11hの数m、nは、図3に示す数(m=4、n=1)に限定されるものではなく、他の組み合わせの数であってもよい。例えば、第2の素子群Gh1における数nが第1の素子群Gl1における数mよりも少ない数である限り、第2の素子群Gh1を、高温領域Rhに設けられる2つ以上の熱電変換素子11hにより形成することも可能である。この場合は、第2の素子群Gh1に属する熱電変換素子11hを互いに並列に接続する。熱電変換素子11l、11hの数m、nは、次式(1)により表される範囲に収まる数に設定するのが好ましい。Min(ΔThi=1n)は、第2の素子群Gh1における温度差ΔThの最小値を抽出する関数であり、Max(ΔThi=1n)は、第2の素子群Gh1における温度差ΔThの最大値を抽出する関数である。例えば、高温領域Rhにおける温度差ΔThiが40℃であり、低温領域Rlにおける温度差ΔTliが10℃である場合に、m=4、n=1は、20≦40≦80との関係にあり、第1の例における熱電変換素子11l、11hの数m、nは、次式(1)の関係を満たす。
(1/2)Min(ΔThi=1n)≦ΣΔTli=1m≦2Max(ΔThi=1n) …(1)
図3は、説明のため、4つの熱電変換素子11lにより1つの第1の素子群Gl1を形成し、夫々1つの熱電変換素子11hにより合計2つの第2の素子群Gh1を形成する例を示すが、第1および第2の素子群Gl1、Gh1の数は、これに限定されるものではなく、例えば、第2の素子群Gh1の数は、3つ以上であってもよいし、1つのみであってもよい。
図4は、本実施形態に係る熱電変換素子11の結線パターンの第2の例を模式的に示している。
第2の例では、低温領域Rlに設けられる複数の熱電変換素子11lを互いに直列に接続して第1の素子群(「第1の熱電変換素子群」に相当する)Gl2を形成し、高温領域Rhに設けられる熱電変換素子11hを第2の素子群(「第2の熱電変換素子群」に相当する)Gh2に分類する。さらに、中間領域Rmに設けられる熱電変換素子11mを互いに直列に接続して第3の素子群Gm2を形成する。
ここで、第1の例と同様に、第2の素子群Gh2を構成する熱電変換素子11hの数(例えば、1)は、第1の素子群Gl2を構成する熱電変換素子11lの数(例えば、4)および第3の素子群Gm2を構成する熱電変換素子11mの数(例えば、2)のいずれよりも少なく、さらに、第3の素子群Gm2を構成する熱電変換素子11mの数(例えば、2)は、第1の素子群Gl2を構成する熱電変換素子11lの数(例えば、4)よりも少ない。
そして、第1の素子群Gl2、第2の素子群Gh2および第3の素子群Gm2を互いに並列に接続し、この並列回路を介して得られる電力を電力変換部13により変換して、熱電発電装置1aの出力とする。
ここで、第1の素子群Gl2および第2の素子群Gh2を夫々構成する熱電変換素子11l、11hの数m、nは、図4に示す数(m=4、n=1)以外の組み合わせの数であってもよく、上式(1)により表される範囲に収まる数であるのが好ましい。そして、第2の素子群Gh2における数nが第1の素子群Gl2における数mよりも少ない数である限り、第2の素子群Gh2を、高温領域Rhに設けられる2つ以上の熱電変換素子11hにより形成することも可能であり、この場合は、第2の素子群Gh2に属する熱電変換素子11hを互いに直列に接続する。
さらに、図4は、説明のため、4つの熱電変換素子11lにより1つの第1の素子群Gl2を形成し、夫々1つの熱電変換素子11hにより合計2つの第2の素子群Gh2を形成する例を示すが、第1および第2の素子群Gl2、Gh2の数は、これに限定されるものではなく、例えば、第2の素子群Gh1の数は、3つ以上であってもよいし、1つのみであってもよい。
(作用効果の説明)
本実施形態に係るは、以上のように構成され、本実施形態により得られる効果について、以下に纏める。
第1に、第1の例において、複数の熱電変換素子11lを互いに並列に接続して低温側の第1の素子群Gl1を形成するとともに、第1の素子群Gl1よりも少ない数(1であってもよい)の熱電変換素子11hにより高温側の第2の素子群Gh1を形成し、第1の素子群Gl1と第2の素子群Gh1とを互いに直列に接続して熱電変換装置1aを構成したことで、第1の素子群Gl1と第2の素子群Gh1とのそれそれで、熱電変換素子11l、11hを効率的に動作させることのできる電流Iを設定することが可能となり、熱電発電装置1aを全体としてより効率的に動作させることができる。ここで、第2の素子群Gh1を構成する熱電変換素子11hが複数である場合は、これら複数の熱電変換素子11hを互いに並列に接続して、1つの第2の素子群Gh1を形成する。
第2に、第2の例において、複数の熱電変換素子11lを互いに直列に接続して低温側の第1の素子群Gl2を形成するとともに、第1の素子群Gl2よりも少ない数(1であってもよい)の熱電変換素子11hにより高温側の第2の素子群Gh2を形成し、第1の素子群Gl2と第2の素子群Gh2とを互いに並列に接続して熱電変換装置1aを構成したことで、第1の素子群Gl2と第2の素子群Gh2とのそれそれで、熱電変換素子11l、11hを効率的に動作させることのできる電圧Vを設定することが可能となり、熱電発電装置1を全体としてより効率的に動作させることができる。ここで、第2の素子群Gh2を構成する熱電変換素子11hが複数である場合は、これら複数の熱電変換素子11hを互いに直列に接続して、1つの第2の素子群Gh2を形成する。
第3に、発電時における温度差ΔTが比較的近い熱電変換素子11l(温度差ΔTl)、11h(温度差ΔTh)同士で群Gl(Gl1、Gl2)およびGh(Gh1、Gh2)を形成し、各群の熱電変換素子11l、11hを互いに直列または並列に接続することで、熱電変換素子11l、11hの温度差ΔTl、ΔThに生じたばらつきが熱電発電装置1a全体の効率に及ぼす影響を抑制し、熱電変換装置1aを全体として効率的に動作させることができる。
第4に、複数の熱電変換素子11hにより第2の素子群Ghを形成することで、より大きな電力を出力可能な熱電発電装置1aを提供することが可能となる。
以上の説明では、第1の素子群Glを構成する熱電変換素子11lの数mと、第2の素子群Ghを構成する熱電変換素子11hの数nと、の関係を、熱電変換素子11l、11hに形成される温度差ΔTl、ΔThの観点から規定した。そして、数m、nが上式(1)を満たす関係とすることで、第1の素子群Glおよび第2の素子群Ghで、互いの出力特性を群全体として近付け、具体的には、第2の素子群Ghを構成する熱電変換素子11hの最大出力点での発電を可能として、熱電発電装置1の動作を全体としてより効率的なものとすることを可能とした。
しかし、第1および第2の素子群Gl、Ghのそれぞれにおける熱電変換素子11l、11hの数m、nの関係は、これに限定されるものではなく、温度差ΔTと、当該温度差ΔTにおける最大出力点の電力Pと、の比であるP/ΔTや、発電時の温度差ΔTにおける最大出力点の電力等の観点から規定することも可能である。
温度差ΔTと最大出力点の電圧Pとの比P/ΔTの観点から規定する場合は、比P/ΔTが比較的小さい複数の熱電変換素子11lにより第1の素子群Glを形成し、第1の素子群Glの熱電発電素子11lよりも比P/ΔTが大きい熱電変換素子11hにより第2の素子群Ghを形成する。第2の素子群Ghを、第1の素子群Glよりも少ない数の熱電変換素子11hにより形成することは、先の例と同様である。
このように、温度差ΔTに応じた出力特性が比較的近い熱電変換素子11l、11h同士で群Gl、Ghを形成し、各群の熱電変換素子11l、11hを互いに直列または並列に接続することで、熱電変換素子11l、11hの個体差による出力特性のばらつきないし出力差によらず、熱電発電装置1を全体として効率的に動作させることが可能となる。
そして、この場合の数m、nの関係は、第1の素子群Glを構成する熱電変換素子11lの比P/ΔTlをKli、第2の素子群Ghを構成する熱電変換素子11hの比P/ΔThをKhiとして、次式(2)による。
(1/2)Min(Khi=1n)≦ΣKli=1m≦2Max(Khi=1-n) …(2)
他方で、温度差ΔTにおける最大出力点の電力Pの観点から規定する場合は、電力Pが比較的小さい複数の熱電変換素子11lにより第1の素子群Glを形成し、第1の素子群Glの熱電発電素子11lよりも電力Pが大きい熱電変換素子11hにより第2の素子群Ghを形成する。先の例と同様に、第2の素子群Ghを、第1の素子群Glよりも少ない数の熱電変換素子11hにより形成する。
このように、発電時の温度差ΔTにおける出力特性が比較的近い熱電変換素子11l、11h同士で群Gl、Ghを形成し、各群の熱電変換素子11l、11hを互いに直列または並列に接続することで、実際の発電時における出力特性のばらつきないし出力差を考慮した群の形成を可能とし、熱電発電装置1aを全体として効率的に動作させることが可能となる。そして、発電時の温度差ΔTが熱電発電装置1a全体に亘って一定の場合は、熱電変換素子11l、11hの個体差による出力特性のばらつきの影響を緩和し、発電効率の向上を図ることができる。
そして、この場合の数m、nの関係は、第1の素子群Glを構成する熱電変換素子11lの最大出力点の電圧をPli、第2の素子群Ghを構成する熱電変換素子11hの最大出力点の電圧をPhiとして、次式(3)による。
(1/2)Min(Phi=1n)≦ΣPli=1m≦2Max(Phi=1n) …(3)
さらに、発電時における熱電変換素子11l、11hの出力特性は、電力Pに限らず、発電時の温度差ΔTにおける最大出力点の電流Iまたは電圧Vによっても評価することが可能である。
つまり、熱電変換素子11l、11hの出力特性を最大出力点の電流Iにより評価する場合は、電流Iが比較的小さい複数の熱電変換素子11lにより第1の素子群Glを形成する一方、第1の素子群Glの熱電変換素子11lよりも電流Iが大きい熱電変換素子11hにより第2の素子群Ghを形成し、各群の熱電変換素子11l、11hを、図3に示す例と同様に、互いに並列に接続する。これにより、発電時における出力特性のばらつきを電流Iの観点から評価し、熱電発電装置1aを全体として効率的に動作させることが可能となる。
そして、この場合の熱電変換素子11l、11hの数m、nの関係は、第1の素子群Glを構成する熱電変換素子11lの最大出力点の電流をIli、第2の素子群Ghを構成する熱電変換素子11hの最大出力点の電流をIhiとして、次式(4)による。
(1/2)Min(Ihi=1n)≦ΣIli=1m≦2Max(Ihi=1n) …(4)
他方で、熱電変換素子11l、11hの出力特性を最大出力点の電圧Vにより評価する場合は、電圧Vが比較的小さい複数の熱電変換素子11lにより第1の素子群Glを形成する一方、第1の素子群Glの熱電変換素子11lよりも電圧Vが大きい熱電変換素子11hにより第2の素子群Ghを形成し、各群の熱電変換素子11l、11hを、図4に示す例と同様に、互いに直列に接続する。これにより、発電時における出力特性のばらつきを電圧Vの観点から評価し、熱電発電装置1aを全体として効率的に動作させることが可能となる。
そして、この場合の熱電変換素子11l、11hの数m、nの関係は、第1の素子群Glを構成する熱電変換素子11lの最大出力点の電圧をVli、第2の素子群Ghを構成する熱電変換素子11hの最大出力点の電圧Vhiとして、次式(5)による。
(1/2)Min(Vhi=1n)≦ΣVli=1m≦2Max(Vhi=1n) …(5)
(他の実施形態の説明)
以上の説明では、熱電変換素子11に形成される温度差ΔTに、熱源に対する位置に応じたばらつきが生じた場合に、温度差ΔTが近い熱電変換素子11l、11h同士で群を形成し、温度差ΔTが小さい低温側の群(第1の素子群Gl)で、これを構成する熱電変換素子11lの数を増やす例について説明した。
しかし、温度差ΔTに生じたばらつきの補償は、これに限定されるものではなく、熱源に近く、温度差ΔTが大きい高温側の群(第2の素子群Gh)で、熱電変換素子11hにより形成される熱抵抗を増大させることによっても可能である。
図5は、本発明の他の実施形態に係る例として、高温領域Rhと低温領域Rlとで熱電変換素子11l、11hにより形成される熱抵抗の大きさを異ならせた熱電発電装置1bの全体的な構成を示している。図1と同様に、矢印付きの太線Fhは、熱源からの熱の流れを示す。
本実施形態では、高温領域Rhの熱電変換素子11h(11ha、11hb)を温度差ΔThが形成される方向に重ねて配置し、熱電変換素子11l、11hにより形成される熱抵抗を、高温領域Rhでは比較的大きく(熱電変換素子11ha、11hb)、低温領域Rlでは高温領域Rhよりも小さくする(熱電変換素子11l)。これにより、1つの熱電変換素子11l、11hに形成される温度差ΔTを高温領域Rhと低温領域Rlとで互いに近付け、熱源に対する位置の違いが熱電変換素子11l、11hの出力特性に及ぼす影響を抑制する。
具体的には、低温領域Rlに設けられる複数の熱電変換素子11lを温度差ΔTlが形成される方向に対して垂直な方向に並べて配列する一方、高温領域Rhに設けられる複数の熱電変換素子11ha、11hbを、温度差ΔThが形成される方向に互いに重ね合わせ、2段に分けて配列する。図5は、便宜上、上段に配列されるものを熱電変換素子11haとし、下段に配列されるものを熱電変換素子11hbとして示す。
図6は、本実施形態に係る熱電変換素子11の結線パターンの第1の例を模式的に示している。
第1の例では、低温領域Rlの熱電変換素子11lを互いに並列に接続して第1の素子群(「第1の熱電変換素子群」に相当する)Gl1を形成し、高温領域Rhの熱電変換素子11hを互いに並列に接続して第2の素子群(「第2の熱電変換素子群」に相当する)Gha1、Ghb1を形成する。そして、第1の素子群Gl1と第2の素子群Gha1、Ghb1とを、互いに直列に接続する。
図6に示す例では、低温領域Rlの4つの熱電変換素子11lにより第1の素子群Gl1を形成し、高温領域Rhの2つの熱電変換素子11hにより第2の素子群Gha1、Ghb1を形成したが、それぞれの群Gl1、Gha1、Ghb1を構成する熱電変換素子11l、11hの数は、これに限定されるものではなく、発電時における実際の温度差ΔTに応じて適宜に選択することが可能である。例えば、低温領域Rlにおける温度差ΔTlがより小さく、1つの熱電変換素子11lが生じさせることのできる電流が小さい場合は、第1の素子群Gl1を構成する熱電変換素子11lの数を増やして出力特性のばらつきの緩和を図ることが可能である。他方で、熱抵抗の調整により低温領域Rlと高温領域Rhとで1つの熱電変換素子当たりの温度差ΔTが近くなる場合は、第1の素子群Gl1と第2の素子群Gha1、Ghb1とで、各群の熱電変換素子11l、11hの数を等しくする(例えば、第2の素子群Gha1、Ghb1を形成する熱電変換素子11hの数を、夫々4つとする)ことも可能である。
図7は、本実施形態に係る熱電変換素子11の結線パターンの第2の例を模式的に示している。
第2の例では、低温領域Rlの熱電変換素子11lを互いに直列に接続して第1の素子群(「第1の熱電変換素子群」に相当する)Gl2を形成し、高温領域Rhの熱電変換素子11hを互いに直列に接続して第2の素子群(「第2の熱電変換素子群」に相当する)Gha2、Ghb2を形成する。そして、第1の素子群Gl2と第2の素子群Gha2、Ghb2とを、互いに並列に接続する。
第1の例と同様に、低温側の第1の素子群Gl2および高温側の第2の素子群Gha2、Ghb2のそれぞれを構成する熱電変換素子11l、11hの数は、図7に示す数に限定されるものではなく、発電時における実際の温度差ΔTに応じて適宜に選択することが可能である。例えば、低温領域Rlにおける温度差ΔTlがより小さく、1つの熱電変換素子11lが生じさせることのできる電圧が小さい場合は、第1の素子群Gl2を構成する熱電変換素子11lの数を増やして出力特性のばらつきの緩和を図ることが可能であり、他方で、熱抵抗の調整により低温領域Rlと高温領域Rhとで1つの熱電変換素子当たりの温度差ΔTが近くなる場合は、第1の素子群Gl2と第2の素子群Gha2、Ghb2とで、各群の熱電変換素子11l、11hの数を等しくすることも可能である。
さらに、第1および第2の例のそれぞれにおいて、高温領域Rhの熱電変換素子11hを重ね合わせる際の段数は、図5に示すような2段に限らず、3段以上であってもよい。例えば、高温領域Rhに対する受熱量がより大きく、より大きな温度差ΔThが形成される場合に、低温領域Rlと高温領域Rhとで1つの熱電変換素子当たりの温度差ΔTを近付けるべく、熱電変換素子11hを3段以上に分けて配列するのである。そして、第2の素子群Ghの数は、熱電発電装置1bの要求出力に応じて適宜に選択することが可能であり、2つに限らず、1つのみであってもよいし、3つ以上であってもよい。
そして、高温側の第2の素子群Ghは、同一の段に配列された熱電変換素子11h(11ha、11hb)から選択されたものであってもよいし、異なる段に設けられた熱電変換素子11hから選択されたものであってもよい。換言すれば、温度差ΔThが形成される方向に重なり合う2つまたは3つ以上の熱電変換素子11h(11ha、11hb、11hc…)を1つの「組」として、熱電変換素子11hの複数の「組」を規定し、これら複数の組のうち、同一の組または異なる組の熱電変換素子11hを適宜に選択し、互いに並列または直列に接続することで、第2の素子群Ghを形成することが可能である。
さらに、以上の説明では、熱源に対する位置の違いが熱電変換素子11の出力特性に及ぼす影響を、低温側の第1の素子群Glを構成する熱電変換素子11lの数を調整したり、高温側の第2の素子群Ghを構成する熱電変換素子11hを通じた熱抵抗を調整したりすることにより補償したが、この影響は、熱電発電装置の冷却部12の構成を変更し、熱電変換素子11に形成される温度差ΔTの縮小を図ることによっても抑制することが可能である。
図8は、その場合の例として、本発明の更に別の実施形態に係る熱電発電装置1cの構成を模式的に示している。本実施形態に係る熱電発電装置1cは、熱源21から排出される熱を回収し、これを電気に変換して出力する廃熱回収装置を構成する。図8は、熱源21からの熱の流れFhを矢印付きの実線により示すとともに、熱電発電装置1cの冷却部12を介する冷媒の流れFcを矢印付きの太い点線により示している。本実施形態に係る熱源21として、車両の駆動源を構成する内燃エンジンおよび走行モータ制御用のインバータを例示することができる。
熱源21から排出されまたは熱源21を通過した排気は、熱源21から延びる廃熱通路22を介して系外に排出される。ここで、熱電発電装置1cを構成する第2、第3および第1の素子群Gh、Gm、Glの熱電変換素子11h、11m、11lが熱源21および廃熱通路22の周りに、熱源21に近い側からこの順で配置される。具体的には、熱源21の周りに、高温側に設けられる第2の素子群Ghの熱電変換素子11hが配置され、廃熱通路22のうち、熱源21から比較的遠い側に、低温側に設けられる第1の素子群Glの熱電変換素子11lが配置され、さらに、第1の素子群Glと第2の素子群Ghとの間に、廃熱通路22に沿って第3の素子群Gmの熱電変換素子11mが配置される。第1~第3の素子群Gl、Gm、Ghのいずれの熱電変換素子11l、11m、11hも、熱源21または廃熱通路22に対し、熱源21からの熱をその高温側の面により受け得るように配置される。
ここで、本実施形態に係る熱電変換素子11l、11m、11hの結線パターンとして、先に述べたいずれの実施形態によるものをも適用することが可能であるが、温度差ΔTが充分に近い場合は、第1~第3の素子群Gl、Gm、Ghを構成する熱電変換素子11l、11m、11hを同数とすることが可能である。
これに対し、熱電発電装置1cの冷却部12を介する冷媒の流れFcは、本実施形態では、第3の素子群Gmに対応する中流域から第2の素子群Ghに対応する下流域にかけて形成され、その向きが、熱源21からの熱の流れFhに対向する方向に、換言すれば、熱の流れFhに関して下流から上流に向けて定められている。
このように、冷媒の流れる方向Fcを熱源21からの熱の流れFhに対向する方向に設定したことで、図9に示すように、熱電変換素子11に形成される温度差ΔTを、熱源21に対する位置の違いによらず、熱電発電装置1cの全体に亘って均一に近付けることが可能となり、温度差ΔTに起因する出力特性のばらつきを抑制し、熱電発電装置1cを全体として効率的に動作させ、廃熱の回収効率を増大させることができる。
以上の説明では、熱電変換素子11の高温側の面に対する受熱量の違いにより温度差ΔTにばらつきが生じたが、温度差ΔTのばらつきは、受熱量に違いがなくとも冷却部12による吸熱量にばらつきがあることにより生じる場合がある。
以上、本発明の実施形態について説明したが、上記実施形態は、本発明の適用例の一部を示したに過ぎず、本発明の技術的範囲を、上記実施形態の具体的構成に限定する趣旨ではない。上記実施形態に対し、特許請求の範囲に記載した事項の範囲内で様々な変更および修正が可能である。
1a、1b、1c…熱電発電装置
11、11l、11m、11h…熱電変換素子
12…冷却部
13…電力変換部
21…熱源
22…廃熱通路
Rl…低温領域
Rm…中間領域
Rh…高温領域
Gl…第1の素子群
Gm…第3の素子群
Gh…第2の素子群

Claims (6)

  1. 温度差が形成される方向に対して垂直な方向に並べて配置された複数の同じ熱電変換素子を有し、前記熱電変換素子が互いに並列に接続された第1の熱電変換素子群と、
    前記温度差が形成される方向に対して垂直な方向に並べて配置された、前記第1の熱電変換素子群よりも少ない数の同じ前記熱電変換素子を有し、前記第1の熱電変換素子群よりも高温の領域に設けられ、前記熱電変換素子が互いに並列に接続された第2の熱電変換素子群と、
    を含んで構成され、
    前記第1の熱電変換素子群と前記第2の熱電変換素子群とが、互いに直列に接続され
    前記第1の熱電変換素子群の前記熱電変換素子は、前記第2の熱電変換素子群の前記熱電変換素子よりも、発電時に形成される温度差が小さい、
    熱電発電装置。
  2. 温度差が形成される方向に対して垂直な方向に並べて配置された複数の同じ熱電変換素子を有し、前記熱電変換素子が互いに直列に接続された第1の熱電変換素子群と、
    前記温度差が形成される方向に対して垂直な方向に並べて配置された、前記第1の熱電変換素子群よりも少ない数の同じ前記熱電変換素子を有し、前記第1の熱電変換素子群よりも高温の領域に設けられ、前記熱電変換素子が互いに直列に接続された第2の熱電変換素子群と、
    を含んで構成され、
    前記第1の熱電変換素子群と前記第2の熱電変換素子群とが、互いに並列に接続され
    前記第1の熱電変換素子群の前記熱電変換素子は、前記第2の熱電変換素子群の前記熱電変換素子よりも、発電時に形成される温度差が小さい、
    熱電発電装置。
  3. 前記第1の熱電変換素子群の前記熱電変換素子は、前記第2の熱電変換素子群の前記熱電変換素子よりも、発電時の温度差における最大出力点の電力が小さい、
    請求項1または2に記載の熱電発電装置。
  4. 前記第1の熱電変換素子群の前記熱電変換素子は、前記第2の熱電変換素子群の前記熱電変換素子よりも、発電時の温度差における最大出力点の電流が小さく、互いに並列に接続された、
    請求項1に記載の熱電発電装置。
  5. 前記第1の熱電変換素子群の前記熱電変換素子は、前記第2の熱電変換素子群の前記熱電変換素子よりも、発電時の温度差における最大出力点の電圧が小さく、互いに直列に接続された、
    請求項2に記載の熱電発電装置。
  6. 前記第1および第2の熱電変換素子群が夫々複数の前記熱電変換素子を含む、
    請求項1~のいずれか一項に記載の熱電発電装置。
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