以下に、本発明の実施形態に係る車両表示装置用指針につき図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、この実施形態によりこの発明が限定されるものではない。また、下記の実施形態における構成要素には、当業者が容易に想定できるものあるいは実質的に同一のものが含まれる。
[実施形態]
図1から図25を参照して、実施形態について説明する。本実施形態は、車両表示装置用指針に関する。図1は、実施形態に係る車両表示装置の平面図、図2は、実施形態に係る車両表示装置の断面図、図3は、実施形態に係る車両表示装置の分解斜視図、図4は、実施形態に係る車両表示装置用指針の平面図、図5は、実施形態に係る車両表示装置用指針の側面図、図6は、実施形態に係る車両表示装置用指針の正面図、図7は、実施形態に係る車両表示装置用指針の断面図、図8は、実施形態に係る導光部の斜視図、図9は、実施形態に係る導光部の断面図、図10は、実施形態に係る導光部の他の断面図である。図2には、図1のII-II断面が示されている。図7には、図5のVII-VII断面が示されている。図9には、図5のIX-IX断面が示されている。図10には、図9のX-X断面が示されている。
図1に示す車両表示装置100は、車両に搭載され、車両に関する情報を表示する装置である。車両表示装置100は、例えば、車両のダッシュボードに設けられたインストルメントパネルに配置される。本実施形態の車両表示装置100は、車両の運転席と対向して配置されており、当該運転席に着座した運転者に対して車両前方に位置している。図1及び図2に示すように、車両表示装置100は、指針1と、文字板11と、を有する。指針1は、車両表示装置用指針である。
文字板11は、運転席と対向して配置された板状の部材である。より詳しくは、文字板11の前面11aが運転席と対向している。以下の説明では、車両表示装置100において、車両前後方向における運転席へ向う側を「前面側」と称し、運転席とは反対へ向う側を「背面側」と称する。前面側は、典型的には車両後側であり、背面側は、典型的には車両前側である。
文字板11は、例えば、透明生地のポリカーボネイト製シートである。文字板11には、暗色系のインクによる遮光性の印刷が施されている。車両表示装置100は、文字板11に対して背面側から光を照射する文字板用光源を有している。文字板11において、インクによる印刷がなされた領域は文字板用光源から照射される光を遮る。
文字板11には、走行速度の指標としての目盛り線11bおよび数字11cが配置されている。文字板11において、目盛り線11bおよび数字11cの領域では、印刷が中抜きされている。目盛り線11bおよび数字11cは、指針1の中心軸線C1を中心とする周方向に沿って複数配置されている。数字11cは、目盛り線11bに対応する走行速度を示す。指針1は、後述するモータ60によって駆動されて回動し、現在の走行速度に応じた目盛り線11bを指し示す。
図1乃至図3に示すように、指針1は、指針本体2および被覆部3を有する。なお、図3では、文字板11が省略されている。指針本体2および被覆部3は、例えば、絶縁性の合成樹脂によって成型されている。指針本体2は、透光性を有する部材である。指針本体2は、例えば、無色または有色の透明な樹脂によって成型されている。図2および図3に示すように、指針本体2は、軸部21、指針部22、および導光部23を有する。軸部21、指針部22、および導光部23は、一体に成型されている。本実施形態の指針本体2は、軸部21から導光部23を介して導かれた光によって発光する発光指針である。
軸部21は、中心軸線C1周りに回転駆動される。本実施形態の軸部21は、後述するモータ60から出力される回転トルクによって、中心軸線C1を回転中心として回動する。中心軸線C1は、軸部21の中心軸線である。軸部21は、先端側から照射される光を受光する。本実施形態の軸部21は、中心軸線C1の延長線上に配置された光源4から照射される光を受光する。本実施形態の軸部21の形状は、先細の角柱形状である。すなわち、軸部21において、中心軸線C1と直交する断面の形状は矩形である。また、側方から見た場合の軸部21の幅は、基端から先端へ向うに従って狭くなっている。
図3および図4等に示すように、指針部22および導光部23は、板状の構成部である。指針部22は、第一方向Xに延在する。第一方向Xは、中心軸線C1と直交する方向、言い換えると軸部21の軸方向Zと直交する方向である。指針部22は、第一指針部22Aおよび第二指針部22Bを有する。第一指針部22Aおよび第二指針部22Bは、導光部23から第一方向Xに沿って互いに異なる側へ向けて延出している。すなわち、第一指針部22Aは、導光部23から第一方向Xの一方側へ向けて延出している。第二指針部22Bは、導光部23から第一方向Xの他方側へ向けて延出している。第一指針部22Aは、第二指針部22Bよりも長い。図1に示すように、第一指針部22Aは、目盛り線11bと重なる位置まで延出している。
以下の説明では、軸方向Zおよび第一方向Xのそれぞれと直交する方向を「第二方向Y」と称する。第二方向Yは、指針部22および導光部23の板厚方向である。図4に示すように、第二方向Yにおける第一指針部22Aの厚さt1は、第一方向Xに沿った基端から先端まで均一である。また、第二方向Yにおける第二指針部22Bの厚さt2は、第一方向Xに沿った基端から先端まで均一である。本実施形態では、第一指針部22Aの厚さt1と第二指針部22Bの厚さt2とが等しい。なお、本実施形態の指針本体2では、第一指針部22Aおよび第二指針部22Bの先端が丸められている。第一指針部22Aおよび第二指針部22Bにおいて、丸みを帯びた部分以外は、厚さt1,t2が均一である。
図6に示すように、本実施形態の指針本体2では、指針部22の厚さt1は、第二方向Yにおける軸部21の幅t21および第二方向Yにおける導光部23の幅t23の何れよりも小さい。軸部21の幅t21は、例えば、軸部21の先端面21aにおける幅である。なお、本実施形態では、軸部21の幅t21は、基端から先端面21aまで均一である。導光部23の幅t23は、例えば、導光部23における軸部21との境界部の幅である。本実施形態では、軸部21と導光部23との境界部において、幅t21と幅t23とが等しい。
図5等に示すように、第一指針部22Aおよび第二指針部22Bは、先端へ向うに従って軸方向Zの寸法(以下、「高さ」と称する。)が小さくなる先細形状に形成されている。より詳しくは、第一指針部22Aでは、第一方向Xに沿って先端へ向うに従って前面22cが文字板11側へ近づく。前面22cは、第一指針部22Aにおいて、文字板11側とは反対側に向けてわずかに湾曲している。第二指針部22Bでは、第一方向Xに沿って先端へ向うに従って背面22dが文字板11から遠ざかる。
本実施形態の指針部22は、上記のように、厚さt1が軸部21の幅t21および導光部23の幅t23の何れよりも小さい。このような指針部22のスリム化によって、指針1の意匠性向上が図られている。また、指針部22の基端から先端まで厚さt1が均一なことで、更なる意匠性の向上が実現されている。
ここで、指針部22がスリム化される場合に、指針部22の先端において十分な輝度を実現できることが望ましい。本実施形態の指針1は、以下に詳しく説明するように、軸部21で受光した光を適切に指針部22の先端まで導くことができるように構成されている。本実施形態の指針1では、導光部23の幅t23や軸部21の幅t21よりも厚さt1が狭い指針部22に対して十分な量の光が供給される。よって、指針1の視認性や意匠性が向上する。
導光部23は、軸部21と指針部22とをつないでいる。導光部23は、光源4から軸部21に入射する光を第一指針部22Aおよび第二指針部22Bに導く。本実施形態の導光部23には、空気層2aが形成されている。空気層2aは、第二方向Yに沿って導光部23を貫通している。第二方向Yは、軸方向Zおよび第一方向Xと直交する方向であり、導光部23の板厚方向である。側面視における空気層2aの形状は、頂点を軸部21側に向けた略三角形の形状である。
導光部23は、指針部22の基端とつながる接続部24を有する。本実施形態の導光部23は、第一接続部24Aおよび第二接続部24Bを有する。第一接続部24Aは、第一指針部22Aの基端とつながっている。第一接続部24Aは、空気層2aと第一指針部22Aとの間に位置している。図4に示すように、第二方向Yにおける第一接続部24Aの厚さt3は、中心軸線C1から第一指針部22Aの基端へ近づくに従って小さくなる。本実施形態の第一接続部24Aは、両方の側面24c,24cが第一方向Xに対して傾斜している。一つの側面24cは、第一方向Xに沿って第一指針部22Aへ近づくに従って他方の側面24cへ近づくように、第一方向Xに対して傾斜している。
第二接続部24Bは、空気層2aと第二指針部22Bとの間に位置している。第二方向Yにおける第二接続部24Bの厚さt4は、中心軸線C1から第二指針部22Bの基端へ近づくに従って小さくなる。本実施形態の第二接続部24Bは、両方の側面24d,24dが第一方向Xに対して傾斜している。一つの側面24dは、第一方向Xに沿って第二指針部22Bへ近づくに従って他方の側面24dへ近づくように、第一方向Xに対して傾斜している。
図2に示すように、被覆部3は、軸部21とは反対側から導光部23を覆う遮光性の部材である。本実施形態の被覆部3は、導光部23および接続部材5を覆う。図3に示すように、被覆部3は、第一被覆部31および第二被覆部32を有する。第一被覆部31と第二被覆部32とは一体に成型されている。第一被覆部31は、主として接続部材5を覆う部分である。第一被覆部31の形状は、断面形状が略円形の筒状である。第二被覆部32は、主として導光部23を覆う部分である。第二被覆部32は、板状の構成部である。本実施形態の被覆部3は、第二方向Yにおいて互いに対向する一対の第二被覆部32,32を有する。第二被覆部32,32は、第二方向Yの両側から導光部23を挟み込み、導光部23を遮蔽する。
被覆部3は、挿通口33を有する。挿通口33は、一対の第二被覆部32,32の間の隙間である。挿通口33は、第二被覆部32,32における第一方向Xの両端に設けられている。第一指針部22Aおよび第二指針部22Bは、挿通口33から被覆部3の外部に突出する。被覆部3は、更に、スリット34を有する。スリット34は、一対の第二被覆部32,32の間の隙間である。スリット34は、軸方向Zにおいて導光部23の前面23aと対向している。スリット34は、導光部23の一部を運転席側に向けて露出させる。言い換えると、導光部23における前面23aの一部は、運転席側から視認される。
図1に示すように、スリット34は、第一指針部22Aと第二指針部22Bとをつなぐ直線状のスリットである。スリット34の幅tsは、第一指針部22Aの厚さt1および第二指針部22Bの厚さt2と等しい。つまり、各厚さt1,t2、および幅tsは、下記式(1)の関係を有する。従って、指針1を正面視した場合に、導光部23における露出した部分と、第一指針部22Aと、第二指針部22Bと、が均一幅の一つの指針発光体を構成する。
t1=t2=ts…(1)
図2に示すように、指針1は、接続部材5を介してモータ60の回転軸61と連結される。モータ60は、基板18に固定されている。基板18は、文字板11に対して背面側に配置されており、軸方向Zにおいて文字板11と対向している。基板18は、ケース等を介して車体に対して固定されている。文字板11は、貫通孔11dを有する。モータ60は、回転軸61と貫通孔11dとが同軸上に位置するように配置されている。モータ60は、回転軸61およびモータ本体62を有する。モータ本体62は、基板18から供給される電力によって回転軸61を回転させる。
本実施形態の回転軸61は、透光性を有する部材である。基板18には、光源4が配置されている。光源4は、回転軸61に対して軸部21側とは反対側に、かつ回転軸61と同軸上に配置されている。つまり、回転軸61は、光源4と軸部21との間に配置されている。光源4は、基板18から供給される電力によって発光し、回転軸61に対して光を照射する。
接続部材5は、軸部21と回転軸61とを連結する遮光性の部材である。接続部材5は、筒状部50と、フランジ部53と、を有する。筒状部50は、中空の筒形状の構成部である。筒状部50は、第一挿入部51および第二挿入部52を有する。第一挿入部51および第二挿入部52は、同軸上に設けられており、相互に連通されている。回転軸61は、第一挿入部51に挿入されて接続部材5に対して固定される。指針本体2の軸部21は、第二挿入部52に挿入されて接続部材5に対して固定される。軸部21の先端面と回転軸61の先端面とは、筒状部50の内部において互いに対向している。筒状部50は、文字板11の貫通孔11dに挿入された状態で回転軸61によって保持される。光源4から照射される光は、回転軸61を透過して軸部21に入射する。
フランジ部53は、軸方向Zと直交する方向に向けて筒状部50から突出している。フランジ部53は、筒状部50における導光部23側の端部とつながっている。図3に示すように、フランジ部53は略円形であり、二つの突出部53a,53bを有する。突出部53a,53bは、第一方向Xに向けて突出している。突出部53a,53bは、導光部23の背面および側面を覆うことで、導光部23から外部への光漏れを抑制する。
図7を参照して説明するように、指針部22の表面には、着色層41およびミラー層42が形成されている。着色層41は、指針部22の前面22cに対して、ホットスタンプ等によって形成された層である。つまり、着色層41は、指針部22における運転席側を向く面に形成されている。着色層41は、透光性を有する有色の層である。本実施形態の着色層41は、光拡散性を有しており、輝度ムラを低減させることができる。着色層41は、指針部22の基端から先端までの全範囲に形成されている。なお、着色層41は、導光部23の前面23aにも形成されている。つまり、本実施形態の指針1では、第一指針部22A、第二指針部22B、および導光部23の前面22c,23aに対して着色層41が形成されている。
ミラー層42は、光を反射する反射層である。ミラー層42は、指針部22における前面22cを除く各面に形成されている。ミラー層42は、例えば、金属蒸着によって形成される。ミラー層42は、指針部22の背面22dや側面22eにおいて光を反射し、指針部22から外部への光漏れを抑制する。ミラー層42は、指針部22の基端から先端までの全範囲に形成されている。
図8に示すように、導光部23は、第一反射面25、および第二反射面26を有する。第一反射面25および第二反射面26は、導光部23における空気層2aとの境界面である。第一反射面25は、軸部21から入射する光を第一指針部22Aに向けて反射する。第二反射面26は、軸部21から入射する光を第二指針部22Bに向けて反射する。
図9の断面図に示すように、第一反射面25は、第二方向Yに対してわずかに傾斜している。より具体的には、第一反射面25は、中央線X1に関して線対称な二つの面251,252を有する。二つの面251,252は、V字形状をなすように傾斜している。二つの面251,252は、第二方向Yに沿って中央線X1へ近づくに従って第二指針部22Bへ向うように傾斜している。二つの面251,252の傾斜角度は、第二方向Yにおける第一指針部22Aの中央部へ向けて光を反射するように定められている。
第二反射面26は、中央線X1に関して線対称な二つの面261,262を有する。二つの面261,262は、V字形状をなすように第二方向Yに対して傾斜している。二つの面261,262は、第二方向Yに沿って中央線X1へ近づくに従って第一指針部22Aへ向うように傾斜している。二つの面261,262の傾斜角度は、第二方向Yにおける第二指針部22Bの中央部へ向けて光を反射するように定められている。
導光部23は、透光部27を有する。透光部27は、第一反射面25および第二反射面26から空気層2aに向けて突出している。透光部27は、第一反射面25および第二反射面26における第二方向Yの中央部から突出している。透光部27は、後述するように、軸部21から入射する光を前面23aから照射させる。
図10に示すように、第一反射面25は、空気層2a側に向けて湾曲している湾曲面である。第一反射面25は、軸方向Zに沿って軸部21から遠ざかるに従って第一方向Xに沿って第一指針部22Aへと近づくように傾斜している。本実施形態の第一反射面25は、第一湾曲面25a、第二湾曲面25b、および第三湾曲面25cを有する。第一湾曲面25aは、軸方向Zにおいて最も軸部21側に位置している。第二湾曲面25bは、第一湾曲面25aよりも軸部21側とは反対側に位置している。第二湾曲面25bの曲率半径r2は、第一湾曲面25aの曲率半径r1よりも大きい。すなわち、第二湾曲面25bは、第一湾曲面25aと比較して、湾曲度合いが小さい。
第三湾曲面25cは、軸方向Zにおける第一湾曲面25aと第二湾曲面25bとの間に位置している。つまり、第三湾曲面25cは、第一湾曲面25aの端部と第二湾曲面25bの端部とをつないでいる。第三湾曲面25cの曲率半径r3は、第一湾曲面25aの曲率半径r1よりも大きく、かつ第二湾曲面25bの曲率半径r2よりも小さい。つまり、三つの曲率半径の値は、下記式(2)の関係を有する。
r2>r3>r1…(2)
なお、第一湾曲面25a、第二湾曲面25b、および第三湾曲面25cのそれぞれにおいて、曲率半径r1,r2,r3の値は、均一でなくてもよい。例えば、第一湾曲面25aにおいて、第三湾曲面25cへ近づくに従って曲率半径r1の値が増加していてもよい。この場合に、第三湾曲面25cの曲率半径r3は、第一湾曲面25aの曲率半径r1の最大値よりも大きな値である。第三湾曲面25cにおいて、第二湾曲面25bへ近づくに従って曲率半径r3の値が増加していてもよい。この場合に、第二湾曲面25bの曲率半径r2は、第三湾曲面25cの曲率半径r3の最大値よりも大きな値である。第二湾曲面25bにおいて、第三湾曲面25cから遠ざかるに従って曲率半径r2の値が増加していてもよい。
上記のように、本実施形態の第一反射面25では、軸部21に最も近い部分において、曲率半径r1の値が小さく、軸部21から最も遠い部分において、曲率半径r2の値が大きくなっている。第一反射面25は、以下に説明するように、第一指針部22Aにおける輝度分布の均一化を実現することができる。
図11に示すように、第一湾曲面25a、第三湾曲面25c、および第二湾曲面25bは、軸方向Zに対する傾斜角度θが互いに異なる。第一湾曲面25aでは、傾斜角度θが最も小さい。第三湾曲面25cでは、第一湾曲面25aと比較して、傾斜角度θが大きい。第二湾曲面25bでは、第一湾曲面25aおよび第三湾曲面25cの何れと比較しても、傾斜角度θが大きい。
従って、第一湾曲面25aで反射される光Ltaは、第一方向Xに対する傾斜角度αが大きい。言い換えると、光Ltaは、第一指針部22Aにおける基端側の部分の壁面へ向けて進む。一方、第二湾曲面25bで反射される光Ltbは、第一方向Xに対する傾斜角度αが小さい。言い換えると、光Ltbは、第一指針部22Aにおける先端側の部分の壁面へ向けて進む。第三湾曲面25cで反射される光Ltcは、第一方向Xに対する傾斜角度αが中程度である。
本実施形態の指針1では、傾斜角度θが最大である第二湾曲面25bの曲率半径r2が最も大きな値である。第二湾曲面25bは、三つの湾曲面25a,25b,25cのうちで最も平面に近い。このような形状の第二湾曲面25bは、軸部21側から入射する光を反射するときに、反射光を指針部22の先端に向けて集中させることができる。平面に近い形状の第二湾曲面25bにおいて反射された反射光は、反射方向が分散しにくく、同じ方向に向けて進む。以上のことから、本実施形態の第一反射面25は、第一指針部22Aの先端に向けて十分な量の光を導くことができる。
本実施形態の第一反射面25では、第二湾曲面25bの面積が最も大きく、第一湾曲面25aの面積が最も小さい。従って、第一反射面25は、第一指針部22Aの先端へ向けて第一方向Xに沿って進む光量を多くすることができる。言い換えると、第一反射面25において反射される全ての光のうち、第一指針部22Aの先端へ向けて第一方向Xに沿って進む光の割合が大きくなる。
従って、図12に示すように、必要とされる光量が確保される。図12において、横軸は第一指針部22Aにおける第一方向Xに沿った位置を示し、縦軸は各位置における光量を示す。図12において、実線は必要とされる光量Qdである。必要とされる光量Qdは、例えば、第一指針部22Aにおける輝度が第一方向Xに沿って均一となるように定められる。図12において、破線は、実際の光量Qrである。本実施形態の指針1では、実際の光量Qrが第一指針部22Aの基端から先端までほぼ均一に分布している。
ここで、比較例について説明する。図13に示す比較例の導光部23では、第一反射面125の曲率半径rの値が実質的に均一である。第一反射面125の湾曲形状は、円弧形状に近い。このような構成では、第一反射面125において反射される全ての光のうち、第一指針部22Aの先端へ向けて第一方向Xに沿って進む光Ltdの割合が十分でない。その結果、図14に示すように、光量にばらつきが生じてしまう。図14において、実線は必要とされる光量Qd、破線は実際の光量Qrである。第一指針部22Aにおいて、基端側の部分では必要とされる光量Qdに対して実際の光量Qrが過剰となる。一方、先端側の部分では、必要とされる光量Qdに対して実際の光量Qrが不足する。本実施形態の指針1によれば、必要とされる光量Qdに対する実際の光量Qrの過不足が少ないため、指針1の意匠性や視認性が向上する。
本実施形態の指針1では、透光部27によって、導光部23の前面23aに光が導かれる。図15に示すように、透光部27は、軸部21から入射する光の少なくとも一部を空気層2aに透過させる。透光部27は、軸部21から入射する光を第一方向Xに沿って分散させる。透光部27から空気層2aに出射された光は、導光部23のブリッジ部23bを透過して前面23aから出射される。ブリッジ部23bは、空気層2aに隣接した部分であり、導光部23における第一指針部22A側と第二指針部22B側とをつないでいる。なお、透光部27は、軸部21から入射する光の一部を第二指針部22Bに向けて反射してもよい。
本実施形態の指針1では、以下に説明するように、導光部23に接続部24が設けられていることにより、ミラー層42による反射回数が低減される。まず、図16を参照して、指針部22の内部における光の進み方について説明する。図16には、ミラー層42が形成されていない状態の第一指針部22Aが示されている。導光部23から第一指針部22Aへ導かれた光Lt1,Lt2の光路が示されている。入射角が大きい光Lt1は、全反射によって第一指針部22Aの内部を先端に向けて進む。一方、入射角が小さい光Lt2は、全反射されずに第一指針部22Aから外部に漏れてしまう。
本実施形態の指針1では、図17に示すように、指針部22の表面にミラー層42が形成されている。従って、入射角が小さい光Lt2は、ミラー層42によって反射されて指針部22の内部を先端に向けて進むことができる。ここで、光がミラー層42によって反射される際には、光量が低減される。従って、ミラー層42による反射回数が多くなると、指針部22の先端に届くまでに光が減衰してしまい、先端における輝度の低下を招く。
本実施形態の指針1では、図18に示すように、接続部24の傾斜角度βは、ミラー層42による反射回数を低減できるように定められている。傾斜角度βは、接続部24において反射されて側面22eに入射する光Lt3の入射角が大きな角度となるように定められる。光Lt3の入射角が大きな角度となることで、ミラー層42による反射回数が低減され、光の減衰が抑制される。傾斜角度βは、指針部22における輝度分布を均一化するように適宜定められる。また、接続部24の傾斜角度βは、導光部23から指針部22へとより多くの光を導くことができるように定められる。接続部24において、指針部22に向けて徐々に幅が狭くなることで、指針部22へ光が入射しやすくなる。
本実施形態の指針1では、図6や図7に示すように、指針部22の厚さが軸方向Zに沿って均一である。例えば、図7に示すように、第一指針部22Aの厚さt1は、前面22cから背面22dまで、軸方向Zに沿って均一である。第二指針部22Bについても同様であり、第二指針部22Bの厚さt2は、前面22cから背面22dまで、軸方向Zに沿って均一である。言い換えるならば、指針部22において一方の側面22eと他方の側面22eとが平行である。これにより、指針部22からの光漏れが抑制される。
図19に示すように、本実施形態の指針部22の内部では、光Lt4の進行方向と第一方向Xとのなす角度が変化しにくい。二つの側面22e,22eが平行であることから、指針部22の内部において光が反射される際に、第一方向Xに対する光路の角度が実質的に一定である。言い換えると、指針部22を第二方向Yから側面視した場合に、光Lt4の直進性が向上する。従って、光Lt4が指針部22の先端部まで到達しやすい。
図20には、比較例の指針部122が示されている。比較例の指針部122では、前面の厚さtuが背面の厚さtdよりも大きい。つまり、指針部122の断面形状は、前面側よりも背面側が狭いテーパ形状である。このようなテーパ形状は、成型された指針部122を金型110から取り出すために、指針部122に抜き勾配が設けられたための形状である。側面122e,122eが平行でないことから、図21に示すように、指針部122から光Lt5が漏れてしまいやすい。光Lt5の光路の向きは、指針部122の内部で反射されるごとに前面側へと変化してしまう。つまり、第二方向Yから側面視した場合に、指針部122の内部で光Lt5が反射されるごとに、光路が前面側へ向けて屈曲していく。その結果、光Lt5は、指針部122の先端へ到達するまでに指針部122から漏れてしまう。
本実施形態の指針部22は、図22に示すように、スライド式の金型130によって成型される。金型130は、第一金型131、第二金型132、第三金型133、および第四金型134を有する。第一金型131は、背面22dに対応する金型である。第二金型132は、前面22cに対応する金型である。第三金型133および第四金型134は、側面22e,22eに対応する金型である。第二金型132、第三金型133、および第四金型134は、第一金型131に対して相対移動するように構成されている。このようなスライド式の金型130によって、指針部22の側面22e,22eが平行とされる。比較例のように背面側の厚さを狭くする必要がないため、必要な強度や導光性を確保しつつ指針部22をスリム化することができる。
また、本実施形態の指針本体2に対してミラー層42が形成される際には、図23に示す治具7が用いられる。治具7は、着色層41を覆うマスキング用の治具である。本実施形態の指針本体2が製造される際には、指針本体2に対して着色層41を形成する着色工程が実行され、その後にミラー層42を形成する蒸着工程が実行される。蒸着工程では、指針本体2に治具7が取り付けられる。治具7は、着色層41を覆う板状の覆い部71と、一対の傾斜壁部72,72と、を有する。一方の傾斜壁部72は、覆い部71における第二方向Yの一端から斜め方向に延出している。他方の傾斜壁部72は、覆い部71における第二方向Yの他端から斜め方向に延出している。
傾斜壁部72は、覆い部71から第二方向Yに沿って遠ざかるに従って指針部22の背面22dへ向かうように傾斜している。図24に示すように、治具7が着色層41を覆っている状態で、指針部22の背面22dおよび側面22e,22eに対してミラー層42が形成される。治具7の傾斜壁部72が背面側に向けて傾斜していることから、着色層41の前面が保護される。図25において、矢印Y1は、蒸着粒子の動きを示す。傾斜壁部72が背面側に向けて傾斜していることで、蒸着粒子が着色層41の前面41aに回り込みにくい。よって、前面41aに対する蒸着粒子の付着が発生しにくい。また、傾斜壁部72が覆い部71に対して傾斜していることで、指針部22に対する治具7の位置ずれが抑制される。
比較例として、図26に示すような治具8を用いて蒸着工程を行う場合について説明する。比較例の治具8は、覆い部81および一対の壁部82,82を有する。覆い部81は、着色層41を覆う。壁部82,82は、覆い部81の両端から斜め方向に延出している。壁部82は、覆い部81から第二方向Yに沿って遠ざかるに従って前面側へ向うように傾斜している。比較例の治具8を用いた場合、図27に示すように、着色層41の前面41aに蒸着粒子が回り込みやすい。その結果、着色層41の縁部がミラー層42によって覆われてしまい、指針部22の視認性や意匠性を低下させてしまうことがある。
なお、覆い部81と壁部82,82とが直線状であったとしても、着色層41の前面41aに蒸着粒子が回り込んでしまいやすい。例えば、比較例の治具8が第二方向Yに対して傾いてしまうと、治具8と前面41aとの間に隙間が生じる。この隙間に蒸着粒子が入り込むと、着色層41の縁部がミラー層42によって覆われてしまう。一方、本実施形態の治具7では、傾斜壁部72が背面側に向けて傾斜している。傾斜壁部72は、前面41aへ向けて蒸着粒子が回り込んでしまうことを抑制することができる。
以上説明したように、本実施形態の車両表示装置用指針は、透光性の指針本体2と、遮光性の被覆部3と、を有する。指針本体2は、軸部21と、指針部22と、導光部23と、を有する。軸部21は、中心軸線C1周りに回転駆動され、かつ先端側から照射される光を受光する。指針部22は、軸部21の軸方向と直交する第一方向Xに延在する。導光部23は、軸部21と指針部22とをつなぎ、軸部21から指針部22へ光を導く。
指針部22は、第一方向Xに向けて導光部23から突出している。第二方向Yにおける指針部22の厚さt1は、第一方向Xに沿った基端から先端まで均一である。指針部22の厚さt1は、第二方向Yにおける軸部21の幅t21および第二方向Yにおける導光部23の幅t23の何れよりも小さい。指針部22の厚さt1が狭く、かつ指針部22において熱さt1が基端から先端まで均一であることにより、指針1の意匠性が向上する。導光部23は、遮光性の被覆部3によって覆われている。導光部23が運転席側から遮蔽されていることから、導光部23の幅t23が広くても、指針1の意匠性が損なわれない。
本実施形態の指針1において、第二方向Yにおける導光部23の幅t23は、第二方向Yにおける軸部21の幅t21以上である。十分な幅t23を有する導光部23は、軸部21において受光した光のうち、指針部22に導く光の割合を向上させることができる。
本実施形態の導光部23は、指針部22の基端とつながる接続部24を有する。第二方向Yにおける接続部24の厚さt3,t4は、中心軸線C1から指針部22の基端へ近づくに従って小さくなる。テーパ形状の接続部24を有する導光部23は、より多くの光を軸部21から指針部22へ導くことができる。
本実施形態の指針1は、更に、指針部22の側面22eを覆い、かつ光を反射する反射層を有する。反射層の一例として、本実施形態では指針部22にミラー層42が形成されている。ミラー層42は、指針部22から外部への光漏れを抑制し、指針部22における輝度分布を均一化することができる。本実施形態では、側面22eに加えて、背面22dにもミラー層42が形成される。よって、指針部22からの光漏れが更に低減される。ミラー層42が形成されることにより、側面22eや背面22dを別の遮光部材で覆うことなく光漏れを抑制することができる。
また、本実施形態において、指針部22の厚さt1,t2は、軸方向Zに沿って均一である。これにより、指針部22の側面22eにおいて光が反射される際に、光路が軸方向Zに向けて屈曲しにくい。その結果、指針部22からの光漏れが低減され、指針部22における輝度の分布が均一化される。
また、本実施形態の被覆部3は、指針部22の延長線上に設けられて第一方向Xに延在するスリット34を有する。スリット34は、前面側に向けて導光部23の一部を露出させる。スリット34の幅tsは、指針部22の厚さt1と等しい。導光部23における露出部と指針部22とによって、均一幅の発光指針が構成される。よって、本実施形態の指針1は、意匠性の更なる向上を可能とする。
また、本実施形態の導光部23は、空気層2aとの境界面であって、軸部21から入射する光を指針部22に向けて反射する第一反射面25を有する。第一反射面25は、空気層2a側に向けて湾曲しており、かつ軸方向Zに沿って軸部21から遠ざかるに従って第一方向Xに沿って指針部22へと近づく湾曲面である。第一反射面25は、軸方向Zにおける軸部21側に位置する第一湾曲面25aと、第一湾曲面25aよりも軸部21側とは反対側に位置する第二湾曲面25bと、を有する。第二湾曲面25bの曲率半径r2は、第一湾曲面25aの曲率半径r1よりも大きい。第一反射面25は、指針部22の先端まで届く光量を増加させ、指針部22における輝度分布の均一化を図ることができる。
[実施形態の第1変形例]
実施形態の第1変形例について説明する。図28は、実施形態の第1変形例に係る指針本体の側面図である。実施形態の第1変形例に係る指針本体2では、指針部22の高さが基端から先端まで均一である。第一指針部22Aの高さh1は、第一方向Xに沿った第一指針部22Aの基端から先端まで均一である。第二指針部22Bの高さh2は、第一方向Xに沿った第二指針部22Bの基端から先端まで均一である。指針部22は、上記実施形態と同様に、着色層41およびミラー層42が形成される。
上記のように第一指針部22Aにおいて高さh1が均一とされた場合であっても、第一反射面25を有する導光部23は第一指針部22Aの先端まで十分な量の光を導くことができる。
[実施形態の第2変形例]
上記実施形態の被覆部3は、導光部23の前面23aを露出させるスリット34を有していたが、スリット34を有していなくてもよい。すなわち、導光部23の前面23aが被覆部3によって全て覆われていてもよい。この場合、導光部23は、より多くの光を指針部22に導くことができる。その結果、指針部22の輝度を向上させることや、指針部22の更なるスリム化を図ることが可能となる。
上記実施形態では、導光部23の幅t23が軸部21の幅t21と同等であったが、これに代えて導光部23の幅t23が軸部21の幅t21よりも大きくされてもよい。このようにした場合、導光部23は、軸部21において受光した光のうち、より多くの光を指針部22に導くことが可能となる。
上記実施形態では、接続部24の側面24cや側面24dが平面であったが、形状は平面には限定されない。側面24cや側面24dは曲面であってもよい。
上記の実施形態および変形例に開示された内容は、適宜組み合わせて実行することができる。