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JP7190811B2 - 飲食品用乳化組成物の製造方法、及び飲食品用乳化組成物のメイラード反応の抑制方法 - Google Patents
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JP7190811B2 - 飲食品用乳化組成物の製造方法、及び飲食品用乳化組成物のメイラード反応の抑制方法 - Google Patents

飲食品用乳化組成物の製造方法、及び飲食品用乳化組成物のメイラード反応の抑制方法 Download PDF

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Description

本発明は、飲食品用乳化組成物のメイラード反応抑制剤、飲食品用乳化組成物の製造方法、及び飲食品用乳化組成物のメイラード反応の抑制方法に関する。
様々な飲食品の原料などとして用いられているクリームやクリームパウダー等の飲食品用乳化組成物は、アミノ酸と糖類を含むため、その製造過程における加熱によりメイラード反応が生じてしまうという問題がある。メイラード反応が生じると乳化組成物が褐変し、また風味も劣化してしまい、製品価値が低下してしまうという問題がある。
これまでに、加熱処理によりアクリルアミドを生成する恐れのある可食材料のアクリルアミドの生成を抑制する方法に関し、L-アスパラギンとD-グルコースとからのアクリルアミドの生成の抑制には、加熱処理の際に、ルチン、ナリンジン、ヘスペリジンを共存させることで、著しくアクリルアミドの生成を抑制できることが示されている(特許文献1参照)。
しかしながら、上記技術では、メイラード反応の抑制効果が十分とはいえないという問題がある。
また、カテキン添加油脂を対象とする着色抑制方法として、カテキン類を添加した油脂を高温加熱する際に、カテキン類、乳化剤、及び水を特定量含有するカテキン油性剤を使用する技術が提案されている(特許文献2参照)。
しかしながら、上記技術は、アミノ酸と糖類を含む物を対象とするものではない。
また、メイラード反応は、製造過程のみならず、保存中にも生じてしまうため、製品の賞味期限延長などの観点から、保存中のメイラード反応をも抑制することができる技術の開発が求められている。
しかしながら、製造過程のみならず、保存中におけるメイラード反応をも十分に抑制することができる技術は未だ提供されておらず、その速やかな提供が強く求められている。
特開2004-305201号公報 特開2008-163203号公報
本発明は、従来における前記諸問題を解決し、以下の目的を達成することを課題とする。即ち、本発明は、飲食品用乳化組成物の製造過程及び保存中に生じるメイラード反応を抑制することができる飲食品用乳化組成物のメイラード反応抑制剤、飲食品用乳化組成物の製造方法、及び飲食品用乳化組成物のメイラード反応の抑制方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、前記目的を達成するべく鋭意検討を行った結果、カテキン類と、クルクミノイドとを併用することにより、飲食品用乳化組成物の製造過程及び保存中に生じるメイラード反応を抑制することができることを知見した。
本発明は、本発明者らの前記知見に基づくものであり、前記課題を解決するための手段としては、以下の通りである。即ち、
<1> カテキン類及びクルクミノイドを含有することを特徴とする飲食品用乳化組成物のメイラード反応抑制剤である。
<2> 原料に、カテキン類及びクルクミノイドを添加する工程を含むことを特徴とする飲食品用乳化組成物の製造方法である。
<3> カテキン類及びクルクミノイドが、乳化処理前に添加される前記<2>に記載の飲食品用乳化組成物の製造方法である。
<4> 原料に、カテキン類及びクルクミノイドを添加する工程を含むことを特徴とする飲食品用乳化組成物のメイラード反応の抑制方法である。
<5> カテキン類及びクルクミノイドが、乳化処理前に添加される前記<4>に記載の飲食品用乳化組成物のメイラード反応の抑制方法である。
本発明によれば、従来における前記諸問題を解決し、前記目的を達成することができ、飲食品用乳化組成物の製造過程及び保存中に生じるメイラード反応を抑制することができる飲食品用乳化組成物のメイラード反応抑制剤、飲食品用乳化組成物の製造方法、及び飲食品用乳化組成物のメイラード反応の抑制方法を提供することができる。
図1は、試験例1における保管後の乳化組成物の明度差(ΔL*)を示したグラフである。 図2は、試験例2における製造直後の乳化組成物の色差(b*)を示したグラフである。
(飲食品用乳化組成物のメイラード反応抑制剤)
本発明の飲食品用乳化組成物のメイラード反応抑制剤(以下、「メイラード反応抑制剤」と称することがある)は、カテキン類と、クルクミノイドとを少なくとも含み、必要に応じて更にその他の成分を含む。
<カテキン類>
前記カテキン類は、ツバキ科の植物であるチャ(Camellia sinensis var sinensis、var assamicaなど)の葉及びその加工品に含まれる植物ポリフェノールである。
前記チャの加工品の具体例としては、例えば、緑茶、ほうじ茶、ウーロン茶、プーアルチャ、紅茶などが挙げられる。
前記カテキン類の具体例としては、例えば、エピカテキン、エピカテキンガレート、エピガロカテキン、エピガロカテキンガレート、ガロカテキンガレート、カテキンガレート、テアフラビン、テアフラビンガレートA、テアフラビンガレートB、テアフラビンジガレートなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記カテキン類は、上記成分の少なくともいずれかを含む粗精製品、精製品、又はこれらを含有する製剤などを使用することができる。
前記カテキン類の態様としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、上記植物の葉及びその加工品からの水及び/又はアルコール抽出液、該抽出液の濃縮液又は濃縮乾固物、該濃縮乾固物を賦形剤と共に水溶液とし、該水溶液を常法により噴霧乾燥して得られる粉末などが好ましい。
前記賦形剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、澱粉分解物、乳糖、アラビアガムなどが挙げられる。
前記カテキン類は、調製したものを使用してもよいし、市販品を使用してもよい。
前記カテキン類の前記メイラード反応抑制剤における含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、飲食品用乳化組成物に対する添加量(以下、「使用量」、「配合量」と称することもある)などに応じて適宜選択することができる。
<クルクミノイド>
前記クルクミノイドは、ショウガ科の植物であるウコン(Curcuma longa LINNE)の根茎から得られたクルクミンを主成分とし、クルクミン以外に直鎖状ジアリルヘプタノイド、前記直鎖状ジアリルヘプタノイドの塩若しくはエステル、並びにその他の直鎖状ジアリルヘプタノイドの類縁化合物などを含有するものである。なお、クルクミンを主成分とするものであれば、その他の成分の全てが含有されていなくとも差し支えない。
前記直鎖状ジアリルヘプタノイドの具体例としては、例えば、デメトキシクルクミン、ビスデメトキシクルクミン、ヤクチノンA、ヤクチノンB、テトラヒドロクルクミン、ジヒドロキシテトラヒドロクルクミンなどが挙げられる。
前記その他の直鎖状ジアリルヘプタノイドの類縁化合物の具体例としては、例えば、クルクミンの重合物と呼ばれているカシュムニンA、カシュムニンB、カシュムニンCなどが挙げられる。
また、前記クルクミノイドは、食品添加物として使用されるウコン色素であって、ショウガ科ウコン(Curcuma longa LINNE)の根茎の乾燥物を粉末にしたウコン末、該ウコン末を適当な溶媒用いて抽出して得られる粗クルクミンあるいはオレオレジン(ターメリックオレオレジン)、精製したクルクミンなどであってもよい。
前記溶媒としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、エタノール、油脂、プロピレングリコール、ヘキサン、アセトンなどが挙げられる。
前記クルクミノイドの態様としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、ウコンの根茎の乾燥品(ウコン粉末)からエタノール若しくはプロピレングリコール、ヘキサン又はアセトンで抽出して調製されるクルクミンが好ましく、ウコン粉末に由来する苦味や辛味、並びにウコン臭が低減もしくは除去される程度に精製されたクルクミンがより好ましく、結晶状態のクルクミンが更に好ましい。
このようなクルクミンは、ウコン粉末を溶媒によって抽出し、その抽出溶媒を濾過後、乾燥させて溶媒を揮発させることによって調製することができる。
前記クルクミノイドは、調製したものを使用してもよいし、市販品(例えば、クルクミンの粉末)を使用してもよい。
前記クルクミノイドの前記メイラード反応抑制剤における含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、飲食品用乳化組成物に対する添加量(以下、「使用量」、「配合量」と称することもある)などに応じて適宜選択することができる。
<その他の成分>
前記メイラード反応抑制剤におけるその他の成分としては、本発明の効果を損なわない限り、特に制限はなく、飲食品を製造するに際して通常用いられる成分の中から目的に応じて適宜選択することができ、例えば、炭水化物、油脂、食塩、香料、香辛料、酵母エキス、調味料などが挙げられる。これらは1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記その他の成分の前記メイラード反応抑制剤における含有量における含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
<態様>
前記メイラード反応抑制剤は、前記カテキン類と、前記クルクミノイドと、必要に応じて前記その他の成分とを同一の包材に含む態様であってもよいし、前記各成分を別々の包材に入れ、使用時に併用する態様であってもよい。
前記メイラード反応抑制剤の形状としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、粉末状、液体状などが挙げられる。
<添加>
-添加量-
前記メイラード反応抑制剤の添加量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
--カテキン類--
前記カテキン類の添加量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、飲食品用乳化組成物100質量部に対して、0.0005質量部~1.0質量部の量となるように添加することが好ましく、0.001質量部~0.02質量部の量となるように添加することがより好ましい。前記添加量が好ましい範囲内であると、メイラード反応の抑制と、飲食品用乳化組成物の風味とを高いレベルで両立することができる点で、有利である。
--クルクミノイド--
前記クルクミノイドの添加量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、飲食品用乳化組成物100質量部に対して、0.0005質量部~1.0質量部の量となるように添加することが好ましく、0.001質量部~0.02質量部の量となるように添加することがより好ましい。前記添加量が好ましい範囲内であると、メイラード反応の抑制と、飲食品用乳化組成物の風味とを高いレベルで両立することができる点で、有利である。
-添加時期-
前記メイラード反応抑制剤を飲食品用乳化組成物の原料に添加する時期としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、乳化処理前であってもよいし、乳化処理後であってもよいが、メイラード反応をより抑制することができる点で、乳化処理前が好ましい。
-添加方法-
前記メイラード反応抑制剤の飲食品用乳化組成物の原料への添加方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、乳化処理後の乳化組成物に添加する方法;乳化処理前に、前記カテキン類は水相の原料に添加し、前記クルクミノイドは油相の原料に添加する方法などが挙げられる。これらの中でも、メイラード反応をより抑制することができる点で、乳化処理前に、前記カテキン類は水相の原料に添加し、前記クルクミノイドは油相の原料に添加する方法が好ましい。
また、前記クルクミノイドは、熱水、エタノール、プロピレングリコール、氷酢酸等には溶解するものの、水(冷水や常温水)には難溶性という特性を有していることから、中鎖脂肪酸トリグリセライド(以下、「MCT」と称することがある)に予め溶解することが好ましい。
前記MCTは、グリセリン骨格に中鎖脂肪酸がエステル結合した化合物(植物性油脂)であって、食用油脂として認められているものである。前記中鎖脂肪酸としては、通常、炭素数6から12の脂肪酸であり、炭素数6から10の脂肪酸が好ましく、炭素数8から10の脂肪酸がより好ましい。これらの中鎖脂肪酸分子部分は、直鎖、分岐、環状、あるいはこれらの組合せであってもよい。
前記MCTの具体例としては、例えば、カプリル酸トリグリセライド、カプリン酸トリグリセライド、ラウリン酸トリグリセライドなどが挙げられ、これらの混合物であってもよい。
また、前記MCTを構成する脂肪酸としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、カプリル酸とカプリン酸を含むものが好ましく、その中でも特に、カプリル酸とカプリン酸とを質量比で95:5~5:95の割合で含むものが好ましく、85:15~50:50の割合で含むものがより好ましい。
前記クルクミノイドと、前記MCTとの質量比としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、1:0.1~1:100が好ましい。
前記メイラード反応抑制剤は、単独で使用してもよいし、飲食品に用いられるその他の製剤などと共に使用してもよい。
<飲食品用乳化組成物>
前記飲食品用乳化組成物(以下、「乳化組成物」と称することがある)としては、メイラード反応を生じる可能性があり、飲食品として用いられる乳化組成物であれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
また、前記乳化組成物の態様としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、水中油型乳化組成物(W/Oエマルション)、油中水型乳化組成物(O/Wエマルション)などが挙げられる。
前記乳化組成物の具体例としては、例えば、糖類とアミノ酸とを含む乳化組成物が挙げられ、より具体的には、乳成分を含有する乳化組成物などが挙げられる。
前記乳成分を含有する乳化組成物の具体例としては、牛乳、濃縮乳、全粉乳、脱脂粉乳、バター、クリーム、チーズ、加糖練乳などの乳または乳製品、各種飲食品の原料として又は各種飲食品に添加して用いられるクリーミングパウダー、クリームパウダー、ミルクパウダー、バターパウダー、チーズパウダーなどが挙げられる。
前記乳化組成物の形状としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、粉末状、液体状などが挙げられる。
前記乳化組成物が用いられる前記飲食品の具体例としては、例えば、コーヒー、紅茶、ココア、粉末飲料、ヨーグルト風味飲料、スープ、ソース、ホワイトソース、カレー、アイス、デザート、チョコレート、菓子、サンドクリーム、ポタージュ、シーズニング、グラタン、ドリア、ピザ、ピラフなどが挙げられる。
本発明のメイラード反応抑制剤によれば、製造過程及び保存中に生じるメイラード反応を抑制することができるので、保存期間の延長が可能であり、また、風味に優れた商品価値の高い乳化組成物を提供することができる。
(飲食品用乳化組成物の製造方法)
本発明の飲食品用乳化組成物の製造方法は、原料に、カテキン類及びクルクミノイドを添加する工程(以下、「添加工程」と称することがある)を含む限り、特に制限はなく、公知の製造方法を適宜選択することができる。
<添加工程>
前記添加工程は、飲食品用乳化組成物の原料に、カテキン類及びクルクミノイドを添加する工程である。前記添加工程では、前記原料、前記カテキン類、前記クルクミノイド以外のその他の成分が含まれていてもよい。
-原料-
前記飲食品用乳化組成物の原料としては、特に制限はなく、公知の飲食品用乳化組成物の原料として用いられるものの中から適宜選択することができ、例えば、乳または乳製品、油脂、タンパク質、乳化剤、賦形剤、糖類などが挙げられる。
前記乳または乳製品の具体例としては、例えば、牛乳、濃縮乳、全粉乳、脱脂粉乳、バター、バターオイル、クリーム、チーズ、加糖練乳、ホエイパウダーなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記油脂の具体例としては、例えば、動物性油脂、植物性油脂、それらの硬化油、エステル交換油、分別油などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記動物性油脂の具体例としては、例えば、乳脂肪、ラードなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記植物性油脂の具体例としては、例えば、サフラワー油、サンフラワー油、大豆油、とうもろこし油、綿実油、コメ油、ナタネ油、オリーブ油、パーム油、パーム核油、ヤシ油などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記タンパク質の具体例としては、例えば、乳タンパク質、カゼインNa、カゼインCa、植物性タンパク質などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記乳化剤の具体例としては、例えば、蒸留モノグリセライド、反応モノグリセライド、ポリグリセリンエステル、有機酸モノグリセライド、ソルビタン脂肪酸エステル、プロピレングリコール脂肪酸エステル、レシチンなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記賦形剤の具体例としては、例えば、デキストリン、マルトデキストリン、オリゴ糖、セルロース、ソルビトール、マンニトール、パラチニット、マルチトール、ラフィノース、エリスリトール、ラクチトール、キシリトールなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記糖類の具体例としては、例えば、ブドウ糖、果糖、ガラクトース、乳糖、ショ糖、麦芽糖、トレハロースなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記原料に用いられる各成分の前記飲食品用乳化組成物における含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
-カテキン類及びクルクミノイド-
前記カテキン類及びクルクミノイドは、上記した本発明のメイラード反応抑制剤の<カテキン類>及び<クルクミノイド>の項目に記載したものと同様である。
-その他の成分-
前記その他の成分としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、上記した本発明のメイラード反応抑制剤の<その他の成分>の項目に記載したものと同様のものなどが挙げられる。
-添加-
前記カテキン類及びクルクミノイドの前記原料への添加は、上記した本発明のメイラード反応抑制剤の<添加>の項目に記載したものと同様にして行うことができる。
<その他の工程>
前記飲食品用乳化組成物の製造方法は、乳化処理工程と、必要に応じて殺菌処理工程、噴霧乾燥処理工程を含んでもよい。
-乳化処理工程-
前記乳化処理工程(以下、「均質化処理工程」と称することもある)は、水相原料と、油相原料とを混合し、乳化組成物とする工程である。
前記乳化処理の方法及び条件としては、特に制限はなく、公知の方法及び条件を適宜選択することができる。前記乳化処理は、1回で行ってもよいし、複数回に分けて行ってもよい。
-殺菌処理工程-
前記殺菌処理工程は、乳化組成物を殺菌処理する工程である。
前記殺菌の方法及び条件としては、特に制限はなく、公知の方法及び条件を適宜選択することができる。
-噴霧乾燥処理工程-
前記噴霧乾燥処理工程は、液体の乳化組成物を噴霧乾燥し、粉末状の乳化組成物を得る工程である。
前記噴霧乾燥の方法及び条件としては、特に制限はなく、公知の方法及び条件を適宜選択することができる。
本発明の飲食品用乳化組成物の製造方法によれば、原料に、カテキン類と、クルクミノイドとを添加するだけで、製造過程及び保存中に生じるメイラード反応を抑制することができ、風味も優れた飲食品用乳化組成物を効率良く製造することができる。
(飲食品用乳化組成物のメイラード反応の抑制方法)
本発明の飲食品用乳化組成物のメイラード反応の抑制方法は、原料に、カテキン類及びクルクミノイドを添加する工程(以下、「添加工程」と称することがある)を含む限り、特に制限はなく、公知の製造方法を適宜選択することができる。
<添加工程>
前記添加工程は、飲食品用乳化組成物の原料に、カテキン類及びクルクミノイドを添加する工程であり、上記した本発明の飲食品用乳化組成物の製造方法における<添加工程>と同様にして行うことができる。
<その他の工程>
前記その他の工程としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、上記した本発明の飲食品用乳化組成物の製造方法における<その他の工程>の項目に記載したものと同様のものなどが挙げられる。
本発明の飲食品用乳化組成物のメイラード反応の抑制方法によれば、原料に、カテキン類と、クルクミノイドとを添加するだけで、飲食品用乳化組成物の製造過程及び保存中に生じるメイラード反応を抑制することができる。
以下に試験例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらの試験例に何ら限定されるものではない。
(試験例1)
<試験例1-1:乳化組成物の製造>
生クリーム60gを水25gに入れ、撹拌した。
70℃に加温した水にカテキン類(サンフェノンBG-3、太陽化学株式会社製)0.004gを溶かし、そこに、脱脂粉乳8.6g、砂糖4.0g、乳糖、4.0g、及び乳たんぱく3.0gを溶かし、水相を調製した。
上記生クリームを含む水に前記水相を入れ、ホモミキサー(プライミクス株式会社製)を用いて、5,000rpmの条件で撹拌し、溶解させた。
中鎖脂肪酸トリグリセライド(MT-N、花王株式会社製;以下、「MCT」と称することがある)0.4gと、クルクミノイド(クルクミン(70)-I、株式会社中原製)0.004gとを生クリーム20gと混ぜたものを、前記水相を溶解させた生クリームを含む水に入れ、ホモミキサー(プライミクス株式会社製)を用いて、10,000rpmの条件で撹拌し、溶解させ、予備乳化液を得た。
前記予備乳化液を80℃で殺菌した後、卓上型ホモゲナイザー(三和エンジニアリング株式会社製)を用いて、35Mpaの条件で均質化処理し、乳化液を得た。
前記乳化液をスプレードライヤー(ヤマト科学株式会社製)を用いて、入口温度150℃、出口温度75℃の条件で噴霧乾燥し、乳化組成物(クリームパウダー;水中油型乳化物)を得た。下記表1に乳化組成物の組成を示す。
<試験例1-2:乳化組成物の製造>
カテキン類及びクルクミノイドを用いなかった以外は試験例1-1と同様にして、乳化組成物を製造した。下記表1に乳化組成物の組成を示す。
<試験例1-3:乳化組成物の製造>
カテキン類の量を0.008gとし、クルクミノイドを用いなかった以外は試験例1-1と同様にして、乳化組成物を製造した。下記表1に乳化組成物の組成を示す。
<試験例1-4:乳化組成物の製造>
カテキン類を用いず、クルクミノイドの量を0.008gとした以外は試験例1-1と同様にして、乳化組成物を製造した。下記表1に乳化組成物の組成を示す。
Figure 0007190811000001
<評価>
試験例1-1~4で得られた乳化組成物について、製造直後と、55℃で100日間保管した後の明度(L*)を色差計(SA4000、日本電色工業株式会社製)により測定した。
製造直後の乳化組成物の明度は、以下の通りであった。また、保管後の明度との差(ΔL*)は、図1の通りであった。
-製造直後の乳化組成物の明度-
・ 試験例1-1 ・・・ 96.35
・ 試験例1-2 ・・・ 96.65
・ 試験例1-3 ・・・ 95.97
・ 試験例1-4 ・・・ 95.88
以上の結果から、カテキン類とクルクミノイドとを組み合わせた試験例1-1では、製造中のみならず、保管中のメイラード反応を抑制できることが確認された。また、図1に示されるように、カテキン類又はクルクミノイドを単独で用いた場合と比較して、両者を組み合わせた試験例1-1では、メイラード反応(褐変度)の抑制効果は、約2倍高まり、相乗的な効果が得られることが確認された。
なお、55℃で100日間の保存が可能である場合、通常の保存条件では、1~2年程度の保存が可能であると判断される。そのため、本件発明によれば、乳化組成物を長期間保存した場合でもメイラード反応を抑制することができることが示された。
(試験例2)
<試験例2-1:乳化組成物の製造>
70℃に加温した水にカテキン類(サンフェノンBG-3、太陽化学株式会社製)0.004gを溶かし、そこに、デキストリン60.34g、乳糖8.62g、カゼインナトリウム4.3g、乳化剤(ソルビタン脂肪酸エステル、理研ビタミン株式会社製)0.86gを溶かし、水相を調製した。
MCT(MT-N、花王株式会社製)2.6gと、クルクミノイド(クルクミン(70)-I、株式会社中原製)0.004gとを植物油脂(ヤシ硬化油、不二製油株式会社製)23.28gに溶かし、油相を調製した。
前記水相と、前記油相とをホモミキサー(プライミクス株式会社製)を用いて、10,000rpmの条件で撹拌し、溶解させ、予備乳化液を得た。
前記予備乳化液を80℃で殺菌した後、卓上型ホモゲナイザー(三和エンジニアリング株式会社製)を用いて、35Mpaの条件で均質化処理し、乳化液を得た。
前記乳化液をスプレードライヤー(ヤマト科学株式会社製)を用いて、入口温度150℃、出口温度75℃の条件で噴霧乾燥し、乳化組成物(クリーミングパウダー;水中油型乳化物)を得た。下記表2に乳化組成物の組成を示す。
<試験例2-2:乳化組成物の製造>
70℃に加温した水に、デキストリン60.34g、乳糖8.62g、カゼインナトリウム4.3g、乳化剤(ソルビタン脂肪酸エステル、理研ビタミン株式会社製)0.86gを溶かし、水相を調製した。
MCT(MT-N、花王株式会社製)2.6gを植物油脂(ヤシ硬化油、不二製油株式会社製)23.28gに溶かし、油相を調製した。
前記水相と、前記油相とをホモミキサー(プライミクス株式会社製)を用いて、10,000rpmの条件で撹拌し、溶解させ、予備乳化液を得た。
前記予備乳化液を80℃で殺菌した後、卓上型ホモゲナイザー(三和エンジニアリング株式会社製)を用いて、35Mpaの条件で均質化処理し、乳化液を得た。
前記乳化液に、カテキン類(サンフェノンBG-3、太陽化学株式会社製)0.004gと、クルクミノイド(クルクミン(70)-I、株式会社中原製)0.004gとを添加した。
前記乳化液をスプレードライヤー(ヤマト科学株式会社製)を用いて、入口温度150℃、出口温度75℃の条件で噴霧乾燥し、乳化組成物(クリーミングパウダー;水中油型乳化物)を得た。下記表2に乳化組成物の組成を示す。
<試験例2-3:乳化組成物の製造>
カテキン類及びクルクミノイドを用いなかった以外は試験例2-1と同様にして、乳化組成物を製造した。下記表2に乳化組成物の組成を示す。
Figure 0007190811000002
<評価>
試験例2-1~3で得られた乳化組成物の製造直後の色差(b*)を色差計(SA4000、日本電色工業株式会社製)により測定した。結果を図2に示す。
クルクミノイドにはウコン色素が含まれるため、溶解すると鮮やかな黄色味を呈する。L*a*b*表色系では、b*の値が大きくなればなるほど鮮やかな黄色であることを示す。図2の結果から、試験例2-1~2の乳化組成物は、試験例2-3の乳化組成物と比べて鮮やかな黄色であることが確認され、製造中のメイラード反応が抑制されていた。中でも、試験例2-1の乳化組成物は、一番鮮やかな黄色を示しており、カテキン類は水相に、クルクミノイドは油相に溶解させてから乳化処理を行うことで、乳化組成物中にクルクミノイドが損なわれることなく乳化され、より優れたメイラード反応抑制効果が得られることが示された。

Claims (4)

  1. 原料に、カテキン類及びクルクミノイドを添加する工程を含み、
    前記カテキン類が、乳化処理前の飲食品用乳化組成物の水相の原料に添加され、
    前記クルクミノイドが、乳化処理前の飲食品用乳化組成物の油相の原料に添加され、
    前記飲食品用乳化組成物が、糖類とアミノ酸とを含むことを特徴とする飲食品用乳化組成物の製造方法。
  2. 前記クルクミノイドが、中鎖脂肪酸トリグリセライドに溶解させたものである請求項1に記載の飲食品用乳化組成物の製造方法。
  3. 原料に、カテキン類及びクルクミノイドを添加する工程を含み、
    前記カテキン類が、乳化処理前の飲食品用乳化組成物の水相の原料に添加され、
    前記クルクミノイドが、乳化処理前の飲食品用乳化組成物の油相の原料に添加されることを特徴とする飲食品用乳化組成物のメイラード反応の抑制方法。
  4. 前記クルクミノイドが、中鎖脂肪酸トリグリセライドに溶解させたものである請求項3に記載の飲食品用乳化組成物のメイラード反応の抑制方法。
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