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JP7195815B2 - 紫外線発光素子 - Google Patents
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Description

本開示は、紫外線発光素子に関する。
紫外線発光素子は、発光層のバンドギャップエネルギーを制御することにより発光波長を制御することができるとともに、寿命が長く信頼性が高い。そのため、照明、計測器用光源、殺菌用光源など様々な用途に利用されている。一般的な紫外線発光素子は、基板上に、発光層をp型窒化物半導体とn型窒化物半導体で挟んだPIN構造を有する。
発光素子の発光出力(発光強度)を高めるために、発光効率を向上させる事が重要である。例えば、特許文献1には、活性層(発光層)とp型窒化物半導体層との間に量子障壁層を形成し、各層のバンドギャップエネルギーを調整する事で、発光効率を向上させる技術が開示されている。
また、発光強度を高めるために、活性層周辺の層内のミスフィット転位を排除する技術(例えば特許文献2参照)、および、転位密度を抑制する技術(例えば特許文献3および4参照)が提案されている。
特開2010-114403号公報 特開2014-232892号公報 国際公開第2016/143653号 特開2015-167231号公報
紫外線発光素子には、さらなる発光効率の向上が求められている。本開示の目的は、発光強度を高めることができる紫外線発光素子を提供することにある。
本開示に係る紫外線発光素子は、Alを含む窒化物半導体を含む基板と、前記基板上に形成され、導電性を有し、AlおよびGaを含む第1導電型窒化物半導体層と、前記第1導電型窒化物半導体層上に形成され、AlおよびGaを含む窒化物半導体を含む発光層と、前記発光層上に形成され、前記第1導電型窒化物半導体層と異なる導電性を有する第2導電型窒化物半導体層と、を備え、前記第1導電型窒化物半導体層のXRDによる(0002)面におけるωスキャンロッキングカーブの半値幅Hbは、前記基板のXRDによる(0002)面におけるωスキャンロッキングカーブの半値幅Haより大きく、1<Hb/Ha≦2.5を満たす。
本開示によれば、発光強度を高めることができる紫外線発光素子を提供することが可能となる。
一実施形態に係る紫外線発光素子の構成を示す断面図である。
<紫外線発光素子の構成>
図1に示すように、本実施形態の紫外線発光素子1は、基板2と、基板2上に形成される窒化物半導体積層体11と、を備える。窒化物半導体積層体11は、第1導電型窒化物半導体層3と、発光層4と、第2導電型窒化物半導体層5と、を有する。つまり、紫外線発光素子1は、基板2と、第1導電型窒化物半導体層3と、発光層4と、第2導電型窒化物半導体層5と、を備える。紫外線発光素子1はさらに電極を備え得る。
(基板)
基板2はAlを含む窒化物半導体を含む。Alを含む窒化物半導体は例えばAlNである。Alを含む窒化物半導体は、AlNに限定されず、例えばAlGaNであってよい。ここで、「基板2は…窒化物半導体を含む」という表現における「含む」という文言は、窒化物半導体を主に層内に含むことを意味するが、その他の元素を含む場合もこの表現に含まれる。具体的には、他の元素を少量(例えばGa(Gaが主元素でない場合)、In、As、P、またはSb等の元素を数%以下)加える等してこの層の組成に軽微な変更を加える場合についてもこの表現に含まれる。その他の層の組成の表現においても、「含む」という文言は、同様の意味を有する。また、含まれる少量元素については前述の限りではない。
例えばAlN、AlGaN等の窒化物半導体単結晶基板、または、基材上にAlN、AlGaN等の窒化物半導体層が形成された基板(テンプレート基板)を用いると、基板2の上側に形成する窒化物半導体層との格子定数差が小さくなり、窒化物半導体層を格子整合系で成長させることで貫通転位を少なくできる。
また、基板2は、ドナー不純物またはアクセプタ不純物によって、n型またはp型にドーピングされてよい。また、基板2は、AlN等の窒化物半導体と、サファイア(Al)、Si、SiC、MgO、Ga、ZnO、GaNまたはInNとの混晶であり得る。
基板2の作製方法としては、昇華法もしくはHVPE法等の気相成長法および液相成長法等の一般的な基板成長法が適用できる。また、基板2の厚さは一例として100μm以上かつ600μm以下であってよい。また、面方位はc面(0001)、a面{11-20}、m面{10-10}などが挙げられるが、より好ましくはc面基板である。
(第1導電型窒化物半導体層)
第1導電型窒化物半導体層3は、導電性を有し、AlおよびGaを含む窒化物半導体の層である。第1導電型窒化物半導体層3は基板2上に形成される。ここで、例えば「第1導電型窒化物半導体層3は基板2上に形成される」という表現における「上に」という文言は、基板2の上に第1導電型窒化物半導体層3が形成されることを意味するが、基板2と第1導電型窒化物半導体層3との間に別の層がさらに存在する場合もこの表現に含まれる。その他の層同士の関係においても、「上の」という文言は、同様の意味を有する。例えば、発光層4上に電子バリア層を介して第2導電型窒化物半導体層5が形成される場合も、「第2導電型窒化物半導体層5は発光層4上に形成される」という表現に含まれる。
第1導電型窒化物半導体層3が含む窒化物半導体は、例えばAlGa(1-x)N(0<x<1)である。深紫外領域のバンドギャップエネルギーに対応する材料を発光層4として形成する場合に、その結晶性を高め、発光効率を向上させることが可能となる。高い発光効率を実現する観点から、第1導電型窒化物半導体層3が含む窒化物半導体は、AlNおよびGaNの混晶であることが好ましい。第1導電型窒化物半導体層3の窒化物半導体には、Nの他に、P、As、Sb等のN以外のV族元素、C、H、F、O、Mg、Si等の不純物が混入していてよいが、不純物元素の種類としてはこの限りではない。
また、第1導電型窒化物半導体層3と第2導電型窒化物半導体層5とは、互いに異なる導電性を有する窒化物半導体の層である。一般に、n型半導体の方がp型半導体より結晶性に優れており、発光層4への影響が低い。そのため、第1導電型窒化物半導体層3がn型で、第2導電型窒化物半導体層5がp型である事が好ましい。
(発光層)
発光層4は、AlおよびGaを含む窒化物半導体の層である。発光層4は、第1導電型窒化物半導体層3上に形成される。発光層4が含む窒化物半導体は、高い発光効率を実現する観点から例えばAlN、GaNの混晶であることが好ましい。発光層4には、Nの他に、P、As、Sb等のN以外のV族元素、C、H、F、O、Mg、Si等の不純物が混入していてよいが、不純物元素の種類としてはこの限りではない。また、発光層4は、量子井戸構造も単層構造も取り得る。高い発光効率を実現する観点から、発光層4は少なくとも1つの井戸構造を有することが好ましい。
また、発光素子20の発光波長を深紫外領域の波長(280nm以下)としたい場合には、発光層4が含む窒化物半導体はAl、GaおよびNを含むことが好ましい。また、発光効率を高める観点から、発光層4は、Al、GaおよびNを含む量子井戸層と、AlNを含む電子バリア層とを有する多重量子井戸構造(MQW)であることが好ましい。
(第2導電型窒化物半導体層)
第2導電型窒化物半導体層5は、第1導電型窒化物半導体層3と異なる導電性を有する窒化物半導体の層である。第2導電型窒化物半導体層5は、発光層4上に形成される。第2導電型窒化物半導体層5が含む窒化物半導体は例えばGaN、AlNまたはInNおよび、それらを含む混晶などである。第2導電型窒化物半導体層5の窒化物半導体には、Nの他に、P、As、Sb等のN以外のV族元素、C、H、F、O、Mg、Si、Be等の不純物が混入していてよい。ただし、上記のように、第1導電型窒化物半導体層3の導電性がn型で、第2導電型窒化物半導体層5の導電性がp型である事が好ましい。
(電極)
紫外線発光素子1は、さらに電極を備えてよい。電極は、n型電極およびp型電極の少なくとも1つであり得る。
n型電極は、Al、Ti、Zr、Hf、V、Nb、Ta、Cr、Mo、W、Co、Rh、Ir、Ni、Pd、Pt、Cu、Ag、Au、Zr等の金属、これらの混晶、または、ITOもしくはGa等の導電性酸化物等を用いることができる。また、n型電極は、第1導電型窒化物半導体層3および第2導電型窒化物半導体層5のうち、導電性がn型である層とコンタクトするように形成される事が好ましい。
p型電極は、Ni、Au、Pt、Ag、Rh、Pd、Pt、Cu、Al、Ti、Zr、Hf、V、Nb、Ta、Cr、Mo、W、Co、Ir、Zr等の金属、これらの混晶、または、ITOもしくはGa等の導電性酸化物等を用いることができる。また、p型電極は、第1導電型窒化物半導体層3および第2導電型窒化物半導体層5のうち、導電性がp型である層とコンタクトするように形成される事が好ましい。
電極の形成方法として、抵抗加熱蒸着、電子銃蒸着またはスパッタ等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。電極は単層であり得る。また、電極は積層であり得る。また、電極は、層の形成後に酸素、窒素または空気雰囲気等で熱処理が行われてもよい。
(紫外線発光素子)
紫外線発光素子1は、例えば、医療・ライフサイエンス分野、環境分野、産業・工業分野、生活・家電分野、農業分野、その他分野の装置に適用可能である。紫外線発光素子1は、薬品または化学物質の合成・分解装置、液体・気体・固体(容器、食品、医療機器等)殺菌装置、半導体等の洗浄装置、フィルム・ガラス・金属等の表面改質装置、半導体・FPD・PCB・その他電子品製造用の露光装置、印刷・コーティング装置、接着・シール装置、フィルム・パターン・モックアップ等の転写・成形装置、紙幣・傷・血液・化学物質等の測定・検査装置に適用可能である。
液体殺菌装置の例としては、冷蔵庫内の自動製氷装置・製氷皿および貯氷容器・製氷機用の給水タンク、冷凍庫、製氷機、加湿器、除湿器、ウォーターサーバの冷水タンク・温水タンク・流路配管、据置型浄水器、携帯型浄水器、給水器、給湯器、排水処理装置、ディスポーザ、便器の排水トラップ、洗濯機、透析用水殺菌モジュール、腹膜透析のコネクタ殺菌器、災害用貯水システム等が挙げられるが、この限りではない。
気体殺菌装置の例としては、空気清浄器、エアコン、天井扇、床面用または寝具用の掃除機、布団乾燥機、靴乾燥機、洗濯機、衣類乾燥機、室内殺菌灯、保管庫の換気システム、靴箱、タンス等が挙げられるが、この限りではない。
固体殺菌装置(表面殺菌装置を含む)の例としては、真空パック器、ベルトコンベヤ、医科用・歯科用・床屋用・美容院用のハンドツール殺菌装置、歯ブラシ、歯ブラシ入れ、箸箱、化粧ポーチ、排水溝のふた、便器の局部洗浄器、便器フタ等が挙げられるが、この限りではない。
<製造方法>
紫外線発光素子1は、基板2上に各層を形成する工程を経て製造される。この工程は、例えば、分子線エピタキシー(MBE;Molecular Beam Epitaxy)法、ハイドライド気相成長法(HVPE:Hydride Vapor Phase Epitaxy)または有機金属気相成長(MOCVD;Metal Organic Chemical Vapor Deposition)法等で行うことができる。
ここで、基板2上に形成された各層のうち窒化物半導体の層は、例えばトリメチルアルミニウム(TMAl)を含むAl原料、例えばトリメチルガリウム(TMGa)またはトリエチルガリウム(TEGa)等を含むGa原料、例えばアンモニア(NH)を含むN原料を用いて形成することができる。
紫外線発光素子1は、基板2上に形成された各層に対して、不要部分をエッチングによって除去する工程を経て製造される。この工程は、例えば誘導結合型プラズマ(ICP)エッチング等で行うことができる。
また、紫外線発光素子1は、電極を形成する工程を経て製造され得る。この工程は、例えば電子線蒸着(EB)法によって金属を蒸着させる等の種々の方法で行うことができる。
ここで、紫外線発光素子1は、上記の工程を経て各層が形成された基板2をダイシングにより個片へと分割して製造される。紫外線発光素子1のように、製造過程に確率要素を含み得る製品については、一般に、中間物の評価(評価工程)が製造工程に含まれる。すなわち、評価工程における中間物の評価結果に基づいて最終製品の特性を予測し、中間物の選別、工程の選択または追加等が実施され得る。
紫外線発光素子1の製造における中間物は、例えば電極を形成する前の基板2および窒化物半導体積層体11である。また、製造工程に含まれる評価工程の例としては、基板2と窒化物半導体積層体11の界面における転位密度の測定がある。転位密度は、例えば断面TEM(Transmission Electron Microscope、透過型電子顕微鏡)を用いて観察できる。また、製造工程に含まれる評価工程の別の例としては、基板2および窒化物半導体積層体11の緩和率の測定がある。緩和率は、例えばXRD(X‐ray diffraction、X線回折)を用いて(20-24)面における逆格子マッピングを行うことによって測定できる。より詳細にはパナリティカル社製のX‘pert/MRDを用いて、管球を45kV/40mAの状態で、二結晶Ge(220)を用いて平行化した線源を使用し、入射ソーラースリットを0.04°、検出器スリットを1/16mmにし、AlN基板の(20-24)面ピークに対して軸立を行う。その後に、2θ/ωスキャンを34°~37°までの範囲において、測定間隔0.02°、積算時間を0.3秒として測定を行い、ωを±1.5°の範囲で0.05°間隔で変更しながら、2θ/ωスキャンを繰り返す。前記の測定からQxおよびQyを算出し、基板に対する緩和率を算出する。
また、製造工程に含まれる評価工程のさらに別の例としては、基板2および窒化物半導体積層体11のそれぞれの回折線の半値幅の測定がある。半値幅の値によって結晶性を確認することができる。ここでいう半値幅は、XRDを用いて(0002)面におけるωスキャンロッキングカーブの測定によって得られるものを意味する。より詳細にはパナリティカル社製のX‘pert/MRDを用いて、管球を45kV/40mAの状態で、二結晶Ge(220)を用いて平行化した線源を使用し、入射ソーラースリットを0.04°、検出器スリットを1/16mmにし、AlN基板の(0002)面ピークに対して軸立を行う。その後に、検出器スリットを外し、オープン状態にてωスキャンを±1.5°の範囲で測定間隔0.02°、積算時間を0.3秒として測定を行い、半値幅を算出する。AlGaNに対しても同様であり、AlGaNのピークに対して軸立を行った後に同様の条件でロッキングカーブの測定を行う。
<好ましい形態>
上記の紫外線発光素子1の製造の工程を踏まえて検討したところ、発明者は、基板と第1導電型窒化物半導体層とに関する値が所定の関係を満足することによって発光強度を高めることができることを見出すに至った。
上記の階層構造を有する紫外線発光素子1は、第1導電型窒化物半導体層3の半値幅Hbが基板2の半値幅Haより大きく、1<Hb/Ha≦2.5を満たすことが好ましい。基板2の半値幅Haと第1導電型窒化物半導体層3の半値幅Hbとが上記の関係にある場合、結晶性の観点から、基板2と第1導電型窒化物半導体層3とが高い結晶性をもつ。それにより第1導電型窒化物半導体層3においてキャリアを失活させる転位が減少し、電気伝導性を高めることができる。また、紫外線発光素子1は、基板2と第1導電型窒化物半導体層3との界面における転位密度が1×10cm-2以下であることが好ましい。界面における転位密度が1×10cm-2以下であることは、発光層における転位を抑制することが可能であり、非発光再結合が抑制されることで発光強度を高めることができる。
また、紫外線発光素子1は、第1導電型窒化物半導体層3が0%以上かつ5%未満の緩和率を有することが好ましい。格子が緩和することで基板2と第1導電型窒化物半導体層3との界面においてミスフィット転位等の格子欠陥が発生することが防止される。つまり、緩和率が5%未満であれば、上記のように転位による影響を受けることなく高い発光強度を得ることができる。
また、紫外線発光素子1は、第1導電型窒化物半導体層3が300nm以上かつ750nm以下の膜厚を有することが好ましい。第1導電型窒化物半導体層3の膜厚は緩和に影響する。膜厚を調整することによって、間接的に緩和の制御が可能になる。第1導電型窒化物半導体層3の膜厚が概ね750nmを超えると、緩和率が5%以上であると測定される場合がある。また、第1導電型窒化物半導体層3の膜厚は、駆動電圧を抑制するために、300nm以上であることが好ましい。第1導電型窒化物半導体層3の膜厚を上記の範囲とすることによって、緩和率の増加を抑制しつつ、発光強度を高めた紫外線発光素子1を得ることが可能である。
ここで、第1導電型窒化物半導体層3の成膜条件における温度は結晶性に影響する。つまり、第1導電型窒化物半導体層3を成膜する際の温度は、第1導電型窒化物半導体層3の半値幅Hbと基板2の半値幅Haとの関係性に影響する。温度を調整することによって、間接的に結晶性の制御が可能になる。一例として、温度が1050℃未満の条件で第1導電型窒化物半導体層3を成膜する場合に、第1導電型窒化物半導体層3の半値幅Hbが基板2の半値幅Haより大きくならないことがある。結晶性の観点からは1050℃未満の条件で第1導電型窒化物半導体層3を成膜することが最も望ましいが、発光層4成膜時における成膜温度は1050℃よりも高い方が、発光強度が高くなるため、第1導電型窒化物半導体層3と発光層4は異なる温度で成膜することが望まれる。成膜中に成膜温度を変えるためには成長中断を導入する必要があるが、成長中断によって界面(成長表面)からのGaやAlの脱離(空孔の形成)によって界面の荒れや非発光再結合中心などが形成されることにより発光層の発光強度が低下する問題が起きる。そのため、紫外線発光素子1における全体の最適化という観点から、1<Hb/Ha≦2.5を満たす第1導電型窒化物半導体層3の成膜条件が好ましい。第1導電型窒化物半導体層3の成膜条件における温度を1050℃以上とすることによって、第1導電型窒化物半導体層3の半値幅Hbは基板2の半値幅Haより大きく、1<Hb/Ha≦2.5であるとの関係を満たして、発光強度を高めた紫外線発光素子1を得ることが可能である。
また、第1導電型窒化物半導体層3の成膜条件におけるV/III比は転位に影響する。つまり、第1導電型窒化物半導体層3を成膜する際のV/III比は、基板2と第1導電型窒化物半導体層3との界面における転位密度に影響する。V/III比を調整することによって、間接的に転位の制御が可能になる。一例として、V/III比が12000以上の条件で第1導電型窒化物半導体層3を成膜する場合に、転位密度が1×10cm-2より大きくなることがある。V/III比を12000未満とすることによって、転位が生じないようにして、発光強度を高めた紫外線発光素子1を得ることが可能である。基板2および第1導電型窒化物半導体層3における転位密度の測定方法として、薄膜を薄片化して、断面をTEM(透過電子顕微鏡法)観察することにより観察される欠陥を数える方法が挙げられる。より詳細には<11-20>面に対して、200nmまで剥片化された試料を用意する。日立のHD-2300を用い、200kVの印加電圧で測定を行う。断面画像の観察範囲は1μmの観察幅を有することとし、素子内の5箇所でそれぞれ観察を行い、5箇所の総転位密度の平均を第1導電型窒化物半導体層3における転位密度とする。
また、紫外線発光素子1は、第1導電型窒化物半導体層3が0.50以上かつ0.85以下のAl組成比を有することが好ましい。より好ましくは0.6以上かつ0.8以下である。第1導電型窒化物半導体層3におけるAl組成比が上記の範囲にあることで発光層から生じた紫外光を第1導電型窒化物半導体層3で吸収されることなく外部に取り出すことが可能となる。
また、紫外線発光素子1は、基板2および第1導電型窒化物半導体層3が、それぞれ10cm-2以下の転位密度を有することが好ましい。これにより第1導電型窒化物半導体層3の電気伝導性を高めるとともに、発光層の発光強度を高めることが可能となる。
また、紫外線発光素子1は、発光層4に含まれる炭素および酸素の濃度が、1015cm-2以上かつ1018cm-2以下であることが好ましい。これにより高結晶性を得ることができ、電気伝導性を高めることが可能となる。また、炭素及び酸素が拡散することにより、発光層における非発光再結合を低減し、発光強度を高めることもできる。発光層4に含まれる炭素及び酸素などの不純物濃度は二次イオン質量測定(SIMS)を用いて測定することが可能である。
また、上記のように、一般に、n型半導体の方がp型半導体より結晶性に優れており、発光層4への影響が低い。そのため、第1導電型窒化物半導体層3がn型で、第2導電型窒化物半導体層5がp型である事が好ましい。
上記の実施形態の紫外線発光素子1と同じ層構成を有する、実施例1-7および比較例1-4の紫外線発光素子を作製した。つまり、実施例1-7および比較例1-4の紫外線発光素子は、基板、第1導電型窒化物半導体層、発光層、第2導電型窒化物半導体層を備える。また、実施例1-7および比較例1-4の紫外線発光素子は、n型電極およびp型電極を備える。
[実施例1]
厚さが550μmのc面AlN基板に対して、有機金属気相成長(MOCVD)装置を用いて、アニール処理が行われた。アニール処理は、1300℃において、NH雰囲気中での5分間およびH雰囲気中での5分間を1セットとして、2セットが実行された。次に、ホモエピタキシャル層であるAlN層が、1200℃において、500nmの厚さで形成された。このとき、V/III比は50であった。また、真空度は50mbarであった。また、成長レートは0.5um/hrであった。また、Al原料としてトリメチルアルミニウム(TMAl)が用いられた。また、N原料としてアンモニア(NH)が用いられた。
上記のように形成されたAlN層上に第1導電型窒化物半導体層が形成された。第1導電型窒化物半導体層は、Siをドーパント不純物として用いたn型AlGaN層(Al:70%)である。n型AlGaN層は、1080℃の温度で、真空度を50mbarに設定し、V/III比を8000とした条件で500nmの厚さで成膜された。このときの成長レートは0.5μm/hrであった。また、Al原料としてトリメチルアルミニウム(TMAl)が用いられた。また、Ga原料としてトリエチルガリウム(TEGa)が用いられた。また、N原料としてアンモニア(NH)が用いられた。また、Si原料としてモノシラン(SiH)が用いられた。
上記のように形成されたn型AlGaN層上に発光層が形成された。発光層は、量子井戸層と電子バリア層とを3周期積層させた多重量子井戸構造を有するように成膜された。ここで、量子井戸層は、1.5nmの厚さを有するAlGaN(Al:52%)、すなわちAl0.52Ga0.48Nである。また、6.0nmの厚さを有する電子バリア層は、AlGaN(Al:75%)、すなわちAl0.75Ga0.25Nである。発光層は、真空度を50mbarに設定し、V/III比を8000とした条件で製膜された。このときの量子井戸層の成長レートは0.18μm/hrであった。また、電子バリア層の成長レートは0.15μm/hrであった。
上記のように形成された発光層上に電子バリア層が成膜された。そして、電子バリア層上に第2導電型窒化物半導体層が成膜された。電子バリア層は、AlGaN(Al:85%)である。また、第2導電型窒化物半導体層は、p型GaN層である。このように、AlN基板上に、窒化物半導体積層体が形成された。
上記のように形成された窒化物半導体積層体を、断面TEMを用いて観察したところ、AlN層(基板)とn型AlGaN層(第1導電型窒化物半導体層)との界面に新規の転位が確認されなかった。ここで、新規の転位とは、AlN層(基板)に存在する転位と、そのAlN層からn型AlGaN層へ延伸する転位以外の、n型AlGaN層/AlN層界面から新たに発生する転位のことをいう。より詳細には、断面TEM測定による解析の結果、AlN層とn型AlGaN層の界面において、新しく生じた転位は観察されず、各層の転位密度はどちらも1×10cm-2以下であり、すべて連続した転位であった。
また、XRDを用いて(20-24)面における逆格子マッピングを行って、緩和率を測定したところ、AlN層とn型AlGaN層の緩和率は0.3%であった。以下において、緩和率が5%以上であると測定された場合を「緩和あり」とし、上記の緩和率が5%未満であると測定された場合を「緩和なし」とする。この基準に従うと、本実施例は「緩和なし(緩和率が5%未満)」であった。さらに、XRDを用いて(0002)面におけるωスキャンロッキングカーブの測定を行ったところ、AlN層が60arcsecで、n型AlGaN層が90arcsecであった。
また、得られた窒化物半導体積層体をドライエッチングすることによって、n型AlGaN層の一部が露出した。露出したn型AlGaN層上に、Ti、Al、NiおよびAuを含む合金電極(n型電極に相当)が形成された。また、p型GaN層(第2導電型窒化物半導体層)上に、NiおよびAuを含む合金電極(p型電極に相当)が形成された。AlN基板を、厚さが100μmになるように研削した後に、ダイシングにより紫外線発光素子の個片へと分割した。得られた紫外線発光素子を、電流100mAで駆動させたところ、駆動電圧は6.4V、ピーク波長265nmにおける発光強度が9.5mWであった。
[実施例2]
n型AlGaN層(第1導電型窒化物半導体層)の成膜条件において、温度が1100℃に設定された。それ以外については実施例1と同じ条件を用いて、実施例1と同じ方法によって紫外線発光素子が得られた。
上記のように形成された窒化物半導体積層体を、断面TEMを用いて観察したところ、AlN層とn型AlGaN層との界面に新規の転位が確認されなかった。
また、XRDを用いて(20-24)面における逆格子マッピングを行って、緩和率を測定したところ、緩和率が0.5%であり、「緩和なし(緩和率が5%未満)」であった。さらに、XRDを用いて(0002)面におけるωスキャンロッキングカーブの測定を行ったところ、AlN層が65arcsecで、n型AlGaN層が125arcsecであった。
また、得られた紫外線発光素子を、電流100mAで駆動させたところ、駆動電圧は6.6V、ピーク波長265nmにおける発光強度が10mWであった。
[実施例3]
n型AlGaN層の成膜条件において、温度が1050℃に設定された。それ以外については実施例1と同じ条件を用いて、実施例1と同じ方法によって紫外線発光素子が得られた。
上記のように形成された窒化物半導体積層体を、断面TEMを用いて観察したところ、AlN層とn型AlGaN層との界面に新規の転位が確認されなかった。
また、XRDを用いて(20-24)面における逆格子マッピングを行って、緩和率を測定したところ、緩和率が0.3%であり、「緩和なし(緩和率が5%未満)」であった。さらに、XRDを用いて(0002)面におけるωスキャンロッキングカーブの測定を行ったところ、AlN層が30arcsecで、n型AlGaN層が55arcsecであった。
また、得られた紫外線発光素子を、電流100mAで駆動させたところ、駆動電圧は6.5V、ピーク波長265nmにおける発光強度が9mWであった。
[実施例4]
n型AlGaN層の成膜条件において、V/III比が10000に設定された。それ以外については実施例1と同じ条件を用いて、実施例1と同じ方法によって紫外線発光素子が得られた。
上記のように形成された窒化物半導体積層体を、断面TEMを用いて観察したところ、AlN層とn型AlGaN層との界面に新規の転位が確認されなかった。
また、XRDを用いて(20-24)面における逆格子マッピングを行って、緩和率を測定したところ、緩和率が0.1%であり、「緩和なし(緩和率が5%未満)」であった。さらに、XRDを用いて(0002)面におけるωスキャンロッキングカーブの測定を行ったところ、AlN層が50arcsecで、n型AlGaN層が110arcsecであった。
また、得られた紫外線発光素子を、電流100mAで駆動させたところ、駆動電圧は6.6V、ピーク波長265nmにおける発光強度が10mWであった。
[実施例5]
n型AlGaN層の成膜条件において、V/III比が4000に設定された。それ以外については実施例1と同じ条件を用いて、実施例1と同じ方法によって紫外線発光素子が得られた。
上記のように形成された窒化物半導体積層体を、断面TEMを用いて観察したところ、AlN層とn型AlGaN層との界面に新規の転位が確認されなかった。
また、XRDを用いて(20-24)面における逆格子マッピングを行って、緩和率を測定したところ、緩和率が0.3%であり、「緩和なし(緩和率が5%未満)」であった。さらに、XRDを用いて(0002)面におけるωスキャンロッキングカーブの測定を行ったところ、AlN層が45arcsecで、n型AlGaN層が105arcsecであった。
また、得られた紫外線発光素子を、電流100mAで駆動させたところ、駆動電圧は6.4V、ピーク波長265nmにおける発光強度が9mWであった。
[実施例6]
n型AlGaN層の成膜条件において、温度が1050℃に設定された。また、n型AlGaN層は、厚さが300nmであるように成膜された。それ以外については実施例1と同じ条件を用いて、実施例1と同じ方法によって紫外線発光素子が得られた。
上記のように形成された窒化物半導体積層体を、断面TEMを用いて観察したところ、AlN層とn型AlGaN層との界面に新規の転位が確認されなかった。
また、XRDを用いて(20-24)面における逆格子マッピングを行って、緩和率を測定したところ、緩和率が0.3%であり、「緩和なし(緩和率が5%未満)」であった。さらに、XRDを用いて(0002)面におけるωスキャンロッキングカーブの測定を行ったところ、AlN層が55arcsecで、n型AlGaN層が105arcsecであった。
また、得られた紫外線発光素子を、電流100mAで駆動させたところ、駆動電圧は7.2V、ピーク波長265nmにおける発光強度が8mWであった。
[実施例7]
n型AlGaN層の成膜条件において、温度が1050℃に設定された。また、n型AlGaN層は、厚さが750nmであるように成膜された。それ以外については実施例1と同じ条件を用いて、実施例1と同じ方法によって紫外線発光素子が得られた。
上記のように形成された窒化物半導体積層体を、断面TEMを用いて観察したところ、AlN層とn型AlGaN層との界面に新規の転位が確認されなかった。
また、XRDを用いて(20-24)面における逆格子マッピングを行って、緩和率を測定したところ、緩和率が1.2%であり、「緩和なし(緩和率が5%未満)」であった。さらに、XRDを用いて(0002)面におけるωスキャンロッキングカーブの測定を行ったところ、AlN層が45arcsecで、n型AlGaN層が60arcsecであった。
また、得られた紫外線発光素子を、電流100mAで駆動させたところ、駆動電圧は5.8V、ピーク波長265nmにおける発光強度が7mWであった。
[比較例1]
n型AlGaN層の成膜条件において、V/III比が12000に設定された。それ以外については実施例1と同じ条件を用いて、実施例1と同じ方法によって紫外線発光素子が得られた。
上記のように形成された窒化物半導体積層体を、断面TEMを用いて観察したところ、AlN層とn型AlGaN層との界面に新規の転位が確認された。
また、XRDを用いて(20-24)面における逆格子マッピングを行って、緩和率を測定したところ、緩和率が0.3%であり、「緩和なし(緩和率が5%未満)」であった。さらに、XRDを用いて(0002)面におけるωスキャンロッキングカーブの測定を行ったところ、AlN層が55arcsecで、n型AlGaN層が140arcsecであった。
また、得られた紫外線発光素子を、電流100mAで駆動させたところ、駆動電圧は7.5V、ピーク波長265nmにおける発光強度が4.5mWであった。
[比較例2]
n型AlGaN層(第1導電型窒化物半導体層)の成膜条件において、温度が1030℃に設定された。それ以外については実施例1と同じ条件を用いて、実施例1と同じ方法によって紫外線発光素子が得られた。
上記のように形成された窒化物半導体積層体を、断面TEMを用いて観察したところ、AlN層とn型AlGaN層との界面に新規の転位が確認されなかった。
また、XRDを用いて(20-24)面における逆格子マッピングを行って、緩和率を測定したところ、緩和率が0.2%であり、「緩和なし(緩和率が5%未満)」であった。さらに、XRDを用いて(0002)面におけるωスキャンロッキングカーブの測定を行ったところ、AlN層が50arcsecで、n型AlGaN層が50arcsecであった。
また、得られた紫外線発光素子を、電流100mAで駆動させたところ、駆動電圧は6.8V、ピーク波長265nmにおける発光強度が3.5mWであった。
また、得られた紫外線発光素子の第1導電型窒化物半導体層における不純物濃度は、実施例1-7およびその他の比較例(比較例1、3および4)の5倍以上であった。ここで、第1導電型窒化物半導体層における不純物は炭素である。炭素不純物が多いと、紫外線発光素子の発光強度が低下する。
[比較例3]
n型AlGaN層は、厚さが1000nmであるように成膜された。それ以外については実施例1と同じ条件を用いて、実施例1と同じ方法によって紫外線発光素子が得られた。
上記のように形成された窒化物半導体積層体を、断面TEMを用いて観察したところ、AlN層とn型AlGaN層との界面に新規の転位が確認されなかった。
また、XRDを用いて(20-24)面における逆格子マッピングを行って、緩和率を測定したところ、緩和率が8%であり、「緩和あり(緩和率が5%以上)」であった。さらに、XRDを用いて(0002)面におけるωスキャンロッキングカーブの測定を行ったところ、AlN層が45arcsecで、n型AlGaN層が135arcsecであった。
また、得られた紫外線発光素子を、電流100mAで駆動させたところ、駆動電圧は7.2V、ピーク波長265nmにおける発光強度が4mWであった。
[比較例4]
AlN基板に対して、H雰囲気中での5分間のアニール処理が1回だけ実行された。つまり、実施例1-7およびその他の比較例(比較例1-3)と比べて、H雰囲気中でのアニール処理が1回少ない。また、NH雰囲気中でのアニール処理は1回も実行されていない。それ以外については実施例1と同じ条件を用いて、実施例1と同じ方法によって紫外線発光素子が得られた。
上記のように形成された窒化物半導体積層体を、断面TEMを用いて観察したところ、AlN層とn型AlGaN層との界面に新規の転位が確認された。より詳細にはAlN層とn型AlGaN層に連続して存在する転位密度は10cm-2であったが、n型AlGaN層から新規に発生した転位密度は10cm-2であった。
また、XRDを用いて(20-24)面における逆格子マッピングを行って、緩和率を測定したところ、緩和率が15%であり、「緩和あり(緩和率が5%以上)」であった。さらに、XRDを用いて(0002)面におけるωスキャンロッキングカーブの測定を行ったところ、AlN層が60arcsecで、n型AlGaN層が165arcsecであった。
また、得られた紫外線発光素子を、電流100mAで駆動させたところ、駆動電圧は7.8V、ピーク波長265nmにおける発光強度が2mWであった。
実施例1-7および比較例1-4の紫外線発光素子について、上記の製造条件および評価の結果を下記の表1にまとめて示す。
Figure 0007195815000001
表1においてアニールは、基板のアニールの条件を示す。標準は、1300℃において、NH雰囲気中での5分間およびH雰囲気中での5分間を1セットとして、2セットが実行されたことを意味する。「Hを1回」は、1300℃において、H雰囲気中で5分間のアニール処理が1回実行されたことを意味する。表1において温度は、第1導電型窒化物半導体層であるn型AlGaN層の成長温度を示す。表1においてV/III比は、第1導電型窒化物半導体層の成膜の条件として設定されたV/III比を示す。表1において膜厚は、成膜の条件として設定された第1導電型窒化物半導体層の厚さを示す。表1において半値幅は、XRDを用いて(0002)面におけるωスキャンロッキングカーブの測定によって得られた半値幅(XRD-ωロッキングカーブ半値幅)である。表1では、AlGaNすなわち第1導電型窒化物半導体層の測定された半値幅は、区切り文字である「/」の左側に記載される。また、AlNすなわち基板の測定された半値幅は、区切り文字である「/」の右側に記載される。表1において緩和は、基板および第1導電型窒化物半導体層の緩和率が5%以上(「あり」)であるか、5%未満(「なし」)であるか、を示す。表1において転位は、基板と第1導電型窒化物半導体層との界面に新規の転位が確認された(「あり」)か、確認されなかった(「なし」)か、を示す。表1において発光強度は、電極を形成した紫外線発光素子を電流100mAで駆動させた場合のピーク波長265nmにおける発光強度を示す。表1において転位密度は、基板および第1導電型窒化物半導体層について測定された転位密度を示す。表1において駆動電圧は、電極を形成した紫外線発光素子を電流100mAで駆動させた場合の駆動電圧を示す。
(比較)
実施例1-7の紫外線発光素子は、第1導電型窒化物半導体層の半値幅Hbが基板の半値幅Haより大きく、1<Hb/Ha≦2.5を満たす。そして、発光強度の測定値は6.5~10mWである。つまり、実施例1-7の紫外線発光素子は、比較例1-4よりも発光強度を高めている。ここで、第1導電型窒化物半導体層の半値幅Hbは、表1においてAlGaN側の半値幅、すなわち「/」の左側に記載された半値幅である。また、基板の半値幅Haは、表1においてAlN側の半値幅、すなわち「/」の右側に記載された半値幅である。また、実施例1-7の紫外線発光素子は、基板と第1導電型窒化物半導体層との界面において新しく生じている転位はなく、AlNからAlGaN層に連続している転位密度が1×10cm-2以下である。
比較例1および比較例4の紫外線発光素子は、Hb/Ha≦2.5を満たさない。また、比較例3の紫外線発光素子は、Hb/Ha≦2.5を満たさない。比較例1、比較例3および比較例4の紫外線発光素子の発光強度の測定値はそれぞれ4.5mW、4mW、2mWであって、実施例1-7の紫外線発光素子に及ばない。また、比較例1および比較例4の紫外線発光素子は、転位密度が1×10cm-2以下でない。
比較例2の紫外線発光素子は、転位も緩和もないが、第1導電型窒化物半導体層の半値幅Hbが基板の半値幅Haより大きいとの条件を満たさない。上記のように、比較例2の紫外線発光素子は、第1導電型窒化物半導体層における不純物濃度が高く、発光強度の測定値が3.5mWである。
ここで、比較例4の紫外線発光素子は、第1導電型窒化物半導体層の成膜条件の温度、V/III比および膜厚が実施例1と同じである。しかし、比較例4の紫外線発光素子は、転位が生じており、また、緩和率も高くなっている。その結果、比較例4の紫外線発光素子の発光強度の測定値は最も低い。これは、基板のアニール処理が十分でないことが大きな要因と考えられる。
(その他)
本開示は、以上に記載した実施形態および変形例に限定されうるものではない。当業者の知識に基づいて各実施形態に設計の変更等を加えることが可能であり、そのような変更等を加えた態様は本開示の範囲に含まれる。
1 紫外線発光素子
2 基板
3 第1導電型窒化物半導体層
4 発光層
5 第2導電型窒化物半導体層
11 窒化物半導体積層体

Claims (7)

  1. Alを含む窒化物半導体を含む基板と、
    前記基板上に形成され、導電性を有し、AlおよびGaを含む第1導電型窒化物半導体層と、
    前記第1導電型窒化物半導体層上に形成され、AlおよびGaを含む窒化物半導体を含む発光層と、
    前記発光層上に形成され、前記第1導電型窒化物半導体層と異なる導電性を有する第2導電型窒化物半導体層と、を備え、
    前記第1導電型窒化物半導体層のXRDによる(0002)面におけるωスキャンロッキングカーブの半値幅Hbは、前記基板のXRDによる(0002)面におけるωスキャンロッキングカーブの半値幅Haより大きく、1.33≦Hb/Ha≦2.33を満たし、
    前記基板は、10 cm -2 以下の転位密度を有し、
    前記第1導電型窒化物半導体層は、10 cm -2 以下の転位密度を有する、紫外線発光素子。
  2. 前記基板と前記第1導電型窒化物半導体層との界面における転位密度は1×10cm-2以下である、請求項1に記載の紫外線発光素子。
  3. 前記第1導電型窒化物半導体層は、0%以上かつ5%未満の緩和率を有する、請求項1または2に記載の紫外線発光素子。
  4. 前記第1導電型窒化物半導体層は、300nm以上かつ750nm以下の膜厚を有する、請求項1から3のいずれか一項に記載の紫外線発光素子。
  5. 前記第1導電型窒化物半導体層は、0.50以上かつ0.85以下のAl組成比を有する、請求項1から4のいずれか一項に記載の紫外線発光素子。
  6. 前記第1導電型窒化物半導体層に含まれる炭素および酸素の濃度は、1018cm-2以下である、請求項1からのいずれか一項に記載の紫外線発光素子。
  7. 前記第1導電型窒化物半導体層はn型の導電性を有し、
    前記第2導電型窒化物半導体層はp型の導電性を有する、請求項1からのいずれか一項に記載の紫外線発光素子。
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