JP7200260B2 - ワーク加工用シートおよび加工済みワークの製造方法 - Google Patents
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Description
〔ワーク加工用シート〕
本実施形態に係るワーク加工用シートは、基材と、基材における片面側に積層された粘着剤層とを備える。
本実施形態に係るワーク加工用シートでは、粘着剤層における基材とは反対側の面(粘着面)の水接触角が、80°超である。この水接触角が上記範囲であることで、粘着面が適度な疎水性を有するものとなり、ワーク加工用シートの加工後のワークに対する粘着力が過度に高くなることが抑止される。これにより、ワーク加工用シートから加工後のワークを良好に分離することが可能となる。特に、ワークとしてシリコンウエハを使用する場合、シリコンウエハの表面には比較的親水性の基が多く存在しており、この面に対して、適度な疎水性を有する粘着面が接するものとなることにより、加工後のワークを容易に分離し易いものなる。なお、上述した水接触角の測定方法の詳細は、後述する試験例に記載する通りである。
(1)基材
本実施形態に係るワーク加工用シートにおいて、基材は、ワーク加工用シートの使用工程における所望の機能を発揮し、好ましくは、粘着剤層の硬化のために照射される活性エネルギー線に対して良好な透過性を発揮するものである限り、特に限定されない。
本実施形態に係るワーク加工用シートにおいて、粘着剤層は、活性エネルギー線硬化性粘着剤から構成されるとともに、前述した粘着力を達成することができ、さらに、前述した拭き取りの前および後における水接触角を達成できるものであれば、特に限定されない。
本実施形態に係るワーク加工用シートでは、粘着剤層における粘着面をワークに貼付するまでの間、当該面を保護する目的で、当該面に剥離シートが積層されていてもよい。剥離シートの構成は任意であり、プラスチックフィルムを剥離剤等により剥離処理したものが例示される。プラスチックフィルムの具体例としては、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等のポリエステルフィルム、およびポリプロピレンやポリエチレン等のポリオレフィンフィルムが挙げられる。剥離剤としては、シリコーン系、フッ素系、長鎖アルキル系等を用いることができ、これらの中で、安価で安定した性能が得られるシリコーン系が好ましい。剥離シートの厚さについては特に制限はないが、通常20μm以上、250μm以下である。
本実施形態に係るワーク加工用シートでは、粘着剤層における粘着面に接着剤層が積層されていてもよい。この場合、本実施形態に係るワーク加工用シートは、上述のように接着剤層を備えることで、ダイシング・ダイボンディングシートとして使用することができる。このようなワーク加工用シートでは、接着剤層における粘着剤層とは反対側の面にワークを貼付し、当該ワークとともに接着剤層をダイシングすることで、個片化された接着剤層が積層されたチップを得ることができる。当該チップは、この個片化された接着剤層によって、当該チップが搭載される対象に対して容易に固定することが可能となる。上述した接着剤層を構成する材料としては、熱可塑性樹脂と低分子量の熱硬化性接着成分とを含有するものや、Bステージ(半硬化状)の熱硬化型接着成分を含有するもの等を用いることが好ましい。
本実施形態に係るワーク加工用シートの製造方法は特に限定されず、好ましくは、本実施形態に係るワーク加工用シートは、基材の片面側に粘着剤層を積層することにより製造される。
本実施形態に係るワーク加工用シートは、ワークの加工のために使用することができる。すなわち、本実施形態に係るワーク加工用シートの粘着面をワークに貼付した後、ワーク加工用シート上にてワークの加工を行うことができる。当該加工に応じて、本実施形態に係るワーク加工用シートは、バックグラインドシート、ダイシングシート、エキスパンドシート、ピックアップシート等として使用することができる。ここで、ワークの例としては、半導体ウエハ、半導体パッケージ等の半導体部材、ガラス板等のガラス部材が挙げられる。
本発明の一実施形態に係る加工済みワークの製造方法は、前述したワーク加工用シートの粘着剤層における基材とは反対側の面と、ワークとを貼合する貼合工程と、ワーク加工用シート上にてワークを加工することで、ワーク加工用シート上に積層された加工済みワークを得る加工工程と、粘着剤層に対して活性エネルギー線を照射して、粘着剤層を硬化させ、加工済みワークに対するワーク加工用シートの粘着力を低下させる照射工程と、活性エネルギー線照射後のワーク加工用シートから、加工済みワークを分離する分離工程とを備える。
貼合工程におけるワークとワーク加工用シートとの貼合は、従来公知の手法により行うことができる。なお、続く加工工程においてワークのダイシングを行う場合には、ワーク加工用シートの粘着剤層側の面における、ワークを貼合する領域の外周側の領域に、リングフレームを貼合することが好ましい。また、使用するワークは、製造しようとする加工済みワークに応じた所望のものであってよく、具体例としては、前述したものを使用することができる。
加工工程においては、ワークに対して所望の加工を行うことができ、例えばバックグラインド、ダイシング等を行うことができる。これらの加工は、従来公知の手法により行うことができる。
照射工程では、加工済みワークに対するワーク加工用シートの粘着力を所望の程度低下させることができる限り、活性エネルギー線の照射の条件は限定されず、従来公知の手法に基づいて行うことができる。使用する活性エネルギー線の種類としては、例えば、電離放射線、すなわち、X線、紫外線、電子線などが挙げられ、中でも、比較的照射設備の導入の容易な紫外線が好ましい。
分離工程では、加工の種類や得られた加工済みワークに応じた方法により、分離を行う。例えば、加工としてダイシングを行い、当該ダイシングによって、ワークが個片化されてなるチップが得られた場合には、従来公知のピックアップ装置を用いて、得られたチップを個々にワーク加工用シートからピックアップする。また、当該ピックアップを容易にするために、ワーク加工用シートをエキスパンドして、加工済みワーク同士を離間させてもよい。
本実施形態の加工済みワークの製造方法では、上述した工程以外の工程を設けてもよい。例えば、貼合工程の後に、得られたワークとワーク加工用シートとの積層体を所定の位置に搬送する搬送工程や、当該積層体を所定の期間保管する保管工程等を設けてもよい。また、分離工程の後に、得られた加工済みワークを、所定の基盤等にマウントするマウント工程等を設けてもよい。
(1)粘着剤組成物の調製
アクリル酸メチル40質量部と、アクリル酸2-メトキシエチル40質量部と、アクリル酸2-ヒドロキシエチル20質量部とを共重合させて得られたアクリル系共重合体と、当該アクリル系共重合体100gに対して21.4g(アクリル酸2-ヒドロキシエチルのモル数に対して80モル%に相当する。)のメタクリロイルオキシエチルイソシアネート(MOI)とを反応させて、活性エネルギー線硬化性重合体を得た。この活性エネルギー線硬化性重合体の重量平均分子量(Mw)を後述する方法で測定したところ、60万であった。
厚さ38μmのポリエチレンテレフタレートフィルムの片面にシリコーン系の剥離剤層が形成されてなる剥離シート(リンテック社製,製品名「SP-PET381031」)の剥離面に対して、上記粘着剤組成物を塗布し、加熱により乾燥させた後、23℃、50%RHの条件下で7日間養生することにより、剥離シート上に厚さ5μmの粘着剤層を形成した。
上記工程(2)で形成した粘着剤層の剥離シートとは反対側の面と、基材としての厚さ80μmのエチレン-メタクリル酸共重合体(EMAA)フィルムの片面とを貼り合わせることで、ワーク加工用シートを得た。
アクリル系共重合体の組成、架橋剤の含有量および添加剤の含有量を表1に示すように変更する以外、実施例1と同様にしてワーク加工用シートを製造した。
実施例および比較例で製造したワーク加工用シートから剥離シートを剥離し、露出した粘着剤層の露出面における水接触角(°)を、全自動式接触角測定計(協和界面科学社製,製品名「DM-701」)を使用して以下の条件で測定した。その結果を、拭き取り前の水接触角として表1に示す。
・精製水の液滴量:2μl
・測定時間:滴下3秒後
・画像解析法:θ/2法
実施例および比較例で製造したワーク加工用シートから剥離シートを剥離し、露出した粘着剤層の露出面を鏡面加工した6インチシリコンウエハの鏡面に重ね合わせ、2kgのローラーを1往復させることにより荷重をかけて貼合し、20分放置することで、粘着力測定用サンプルを得た。
実施例および比較例で製造したワーク加工用シートから剥離シートを剥離し、露出した粘着剤層の露出面に、テープマウンター(リンテック社製,製品名「Adwill RAD2500m/12」)を用いて、#2000研磨した6インチシリコンウエハ(厚さ:150μm)の研磨面を貼付した。続いて、ダイシング装置(ディスコ社製,製品名「DFD-6361」)を用いて、以下のダイシング条件で切断部に流水を供給しながら6インチシリコンウエハ側から切断するダイシングを行った。
・ダイシング装置:ディスコ社製 DFD-6361
・ブレード :ディスコ社製 NBC-2H 2050 27HECC
・ブレード幅 :0.025~0.030mm
・刃先出し量 :0.640~0.760mm
・ブレード回転数:50000rpm
・切削速度 :20mm/sec
・切り込み深さ :ワーク加工用シートにおける粘着剤層側の面から15μm
・流水供給量 :1.0L/min
・流水温度 :室温
・カットサイズ :10mm×10mm
〇:粘着剤が付着しているチップが0個であった。
×:粘着剤が付着しているチップが1個以上であった。
実施例および比較例で製造したワーク加工用シートを用いて、試験例3と同様にダイシングを行った。ダイシングの完了後、ワーク加工用シート側の面に、紫外線照射装置(リンテック社製,製品名「RAD-2000」)を用いて紫外線(UV)を照射し(照度:230mW/cm2,光量:190mJ/cm2)、粘着剤層を硬化させた。その後、得られた全てのチップをワーク加工用シートからピックアップした。このとき、ワーク加工用シートにおけるガラスチップが貼付された面とは反対側の面から、ニードルによる突き上げを行った(ニードル数:4本,突き上げ速度:50mm/秒,突き上げ高さ:0.5mm)。このときのピックアップの状況に基づいて、以下の基準より、チップをワーク加工用シートから分離する際の分離性を評価した。結果を表1に示す。
〇:何の問題もなくピックアップできた。
×:チップの分離ができないか、チップの破損が生じたことにより、良好にピックアップできなかった。
BA:アクリル酸ブチル
MMA:メタクリル酸メチル
MA:アクリル酸メチル
2MEA:アクリル酸2-メトキシエチル
AA:アクリル酸
HEA:アクリル酸2-ヒドロキシエチル
Claims (5)
- 基材と、前記基材における片面側に積層された粘着剤層とを備えるワーク加工用シートであって、
前記粘着剤層が、活性エネルギー線硬化性粘着剤から構成されており、
前記粘着剤層における前記基材とは反対側の面の水接触角が、80°超であり、
前記ワーク加工用シートのシリコンウエハに対する粘着力が、5000mN/25mm以下であり、
前記粘着剤層における前記基材とは反対側の面上に、メチルエチルケトンを含ませた不織布を積層し、23℃、相対湿度50%の環境下で15分間静置した後、前記不織布にて前記面を拭き取り、23℃、相対湿度50%の環境下で1時間静置することで乾燥させた前記面にて測定される水接触角が、50°以上、80°以下である
ことを特徴とするワーク加工用シート。 - 前記活性エネルギー線硬化性粘着剤は、活性エネルギー線重合性分岐重合体を含有する粘着剤組成物から形成された粘着剤であることを特徴とする請求項1に記載のワーク加工用シート。
- 前記粘着剤組成物は、官能基含有モノマー単位を有するアクリル系共重合体と、前記アクリル系共重合体の前記官能基含有モノマー単位における官能基に結合する官能基を有する不飽和基含有化合物とを反応させて得られる活性エネルギー線硬化性重合体を含有するものであり、
前記アクリル系共重合体は、重合体を構成するモノマー単位として、アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸2-メトキシエチル、(メタ)アクリル酸エチルカルビトールおよび(メタ)アクリル酸メトキシエチレングリコールから選択される少なくとも1種を含む
ことを特徴とする請求項2に記載のワーク加工用シート。 - ダイシングシートであることを特徴とする請求項1~3のいずれか一項に記載のワーク加工用シート。
- 請求項1~4のいずれか一項に記載のワーク加工用シートの前記粘着剤層における前記基材とは反対側の面と、ワークとを貼合する貼合工程と、
前記ワーク加工用シート上にて前記ワークを加工することで、前記ワーク加工用シート上に積層された加工済みワークを得る加工工程と、
前記粘着剤層に対して活性エネルギー線を照射して、前記粘着剤層を硬化させ、前記加工済みワークに対する前記ワーク加工用シートの粘着力を低下させる照射工程と、
活性エネルギー線照射後の前記ワーク加工用シートから、前記加工済みワークを分離する分離工程と
を備えることを特徴とする加工済みワークの製造方法。
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