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JP7201220B2 - 流動性食品材料の通電加熱装置およびその制御方法 - Google Patents
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流動性食品材料の通電加熱装置およびその制御方法 Download PDF

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Description

本発明は、流動性食品材料の通電加熱装置およびその制御方法に関する。
流動性を有する食品材料などを殺菌や調理等のために加熱する方法の一つとして、その食品材料をパイプ内で連続的に流動移送させながら、食品材料の有する電気抵抗を利用して、食品材料に直接通電することにより食品材料自体を発熱させる加熱技術(通電加熱、ジュール加熱)が実用化されている(例えば、特許文献1)。この装置では、食料品輸送管路の上流側から下流側へ向けて所定間隔を置いて少なくとも2以上の部分に、管路の中心軸線に対して同心状となるように、この管路の内面に導電材料からなる環状の電極体を設け、管路の上流側に設置した電極体と下流側に設置した電極体との間で電圧を印加して、その間を移動する流動性食品材料中に電流を流し、ジュール熱を発生させることにより連続的に加熱する。
従来の通電加熱装置では、不均一加熱により生じる温度ムラにより、流路内壁での過加熱によるスケーリングが問題となっていた。
そこで、出願人は、複数の電極体に冷却媒体流路を設け、被加熱流路の出口端近傍に、被加熱流路の内壁温度を検出する温度センサを設け、該温度センサの測定値に基づき液体冷却媒体による冷却条件を制御する連続式通電加熱装置を提案した(特許文献2)。
特公平5-33024号公報 特許第4995164号公報
流動性食品材料を連続移送する製造ラインでは、故障や備品の交換などにより連続移送を一時停止した後に運転を再開する場合、通電加熱装置の加熱流路内の温度が下がっているため、目標温度まで温める必要があるが、このような場合に、自動通電制御を実行すると、許容温度を超えるオーバーシュートやハンチングが生じてしまうという問題があった。特に、すりおろした山芋や卵など温度により変性する流動性食品材料では、許容温度を超えて加熱されるとパイプ内の流動性食品材料が変性してしまい、破棄しなくてはならないという問題がある。また、温度により粘性が変化する流動性食品材料では、通電加熱装置の温度の低下によりパイプ内の食品材料の粘度が高くなり、運転再開後に製造される製品に不良が生じるという問題もあった。
そこで、本発明は、オーバーシュートやハンチングを生じることなく、従来よりも短い時間で目標温度に安定に到達することが可能な、通電加熱装置の制御方法を提供することを目的とする。
本発明の通電加熱装置は、複数の電極体および複数のスペーサ管体を有し、それらの内壁が食品材料を流動移送させながら通電加熱するための加熱流路と、加熱流路またはその出入口付近に設けられた温度センサと、前記温度センサからの信号に基づいて前記電極体に印加する電圧を自動制御する自動通電制御を実行する制御装置と、を備える通電加熱装置であって、前記制御装置、前記通電加熱装置の運転が開始された際に、前記電極体に一定の電圧を印加する固定通電制御を一定時間実行する立ち上げ工程を実行した後に、前記自動通電制御を実行し、前記通電加熱装置の運転を停止した後、運転を再開する際は、前記立ち上げ工程を実行後、前記自動通電制御を実行するとともに、前記自動通電制御中に通電加熱装置の運転を停止した際に、運転停止時の電圧出力値を記憶しておき、前記立ち上げ工程実行時に、記憶した電圧出力値で前記固定通電制御を実行することを特徴とする。
上記通電加熱装置において、前記立ち上げ工程実行時に、前記温度センサが、目標温度よりも低い所定温度を検出した際に、前記制御装置が、前記固定通電制御から前記自動通電制御に切り替えることを特徴としてもよい。
上記通電加熱装置において、前記立ち上げ工程の実行開始から所定時間が経過した場合に、前記制御装置が、前記固定通電制御から前記自動通電制御に切り替えることを特徴としてもよい。
本発明の通電加熱装置の制御方法は、複数の電極体および複数のスペーサ管体を有し、それらの内壁が食品材料を流動移送させながら通電加熱するための加熱流路と、加熱流路またはその出入口付近に設けられた温度センサと、前記温度センサからの信号に基づいて前記電極体に印加する電圧を自動制御する自動通電制御を実行する制御装置と、を備える通電加熱装置の制御方法であって、前記通電加熱装置の運転が開始された際に、前記電極体に一定の電圧を印加する固定通電制御を一定時間実行する立ち上げ工程を実行した後に、前記自動通電制御を実行し、前記通電加熱装置の運転を停止した後、運転を再開する際は、前記立ち上げ工程を実行後、前記自動通電制御を実行するとともに、前記自動通電制御中に通電加熱装置の運転を停止した際に、運転停止時の電圧出力値を記憶しておき、前記立ち上げ工程実行時に、記憶した電圧出力値で前記固定通電制御を実行することを特徴とする。
上記通電加熱装置の制御方法において、前記固定通電制御を前記食品材料を移送しない静止状態で実行し、前記自動通電制御を前記食品材料を移送しながら実行することを特徴としてもよい。
上記通電加熱装置の制御方法において、前記固定通電制御および前記自動通電制御を前記食品材料を移送しながら実行することを特徴としてもよい。
上記通電加熱装置の制御方法において、前記食品材料が、一定温度を超えると不可逆な熱変性を生じる食品材料であることを特徴としてもよい。
上記通電加熱装置の制御方法において、前記食品材料がすりおろした山芋を含む野菜類、すりおろしたリンゴを含む果物類、ジャム、ドレッシング、または卵であることを特徴としてもよい。
本発明によれば、流動性食品材料を連続移送する製造ラインにおいて、連続移送を一時停止した後に運転再開させた場合も、オーバーシュートやハンチングを生じることなく、従来よりも短い時間で目標温度に安定に到達することができる。
実施形態例に係る温度補填機能付き充填成型装置の構成図である。 実施形態例に係る通電加熱装置の拡大断面図である。 実施形態例に係る電極体の流路の断面図である。 実施形態例に係る運転再開時の温度制御を説明するフローチャートである。 実施形態例に係る通電加熱装置の温度制御による温度変化の一例を示すグラフである。 従来の実施形態例に係る通電加熱装置の温度制御による温度変化の一例を示すグラフである。 従来の実施形態例に係る通電加熱装置の温度制御による温度変化の一例を示すグラフである。
本発明を実施するための形態例を、図面を参照しながら説明する。
図1は、実施形態例に係る温度補填機能付き充填成型装置1の構成図である。この充填成型装置1は、流動性食品材料を成型して袋に充填するための装置群であり、ニーダー10と、通電加熱装置20と、コントロールユニット30と、電源ユニット40と、充填成型機50とを備えている。なお、本実施形態に係る通電加熱装置20は、オーバーシュートやハンチングを生じることなく、従来の通電加熱装置よりも短い時間で目標温度に安定に到達することができるため、流動性食品材料の中でも、熱により変性してしまう、すりおろした山芋やリンゴなどの野菜・果物類、フルーツジャム、ドレッシング、卵などの食品材料、また、熱により粘性が変化するチーズ(溶融チーズ)などの食品材料の成型充填に適している。
ニーダー10は、75~80℃程度まで加熱された流動性食品材料を撹拌するタンクを有しており、ニーダー10内の流動性食品材料はポンプ14によりパイプ11~13を介して下流側に定速移送される。パイプ11および12の間には第1開閉バルブ15が設置されており、パイプ12の途中には第2開閉バルブ16が設置された分岐流路が設けられている。パイプ12の出口付近(通電加熱装置20の入口付近)には流路の中心軸線部分の温度を計測する入口温度センサ31が設けられており、パイプ13の入口付近(通電加熱装置20の出口付近)には流路の中心軸線部分の温度を計測する出口温度センサ33が設けられている。なお、パイプ11および12を二重管などにより保温するようにしてもよい。
パイプ12および13の途中には通電加熱装置20が配置されており、パイプ12内の移動時に低下した流動性食品材料の温度を、充填機50に移送する前に加熱する。充填直前に流動性食品材料が一定の温度以下(例えば50℃~60℃以下)になると、溶融チーズなどの流動性食品材料では粘度が大幅に上昇し充填量のバラツキや成型不良の原因となるという問題や、それ以外の流動性食品材料でも一定の温度以下(例えば60℃以下)では殺菌不良が生じるという問題があるからである。通電加熱装置20は、パイプ13通過時の温度低下を考慮し、例えば60~85℃の範囲となるように流動性食品材料を通電加熱する。
充填機50は、袋内に流動性食品材料を充填するノズルと、袋内に充填された流動性食品材料を成型する成型機を備えている。また、充填機50はホッパーを備えており、通電加熱装置20から移送された流動性食品材料はホッパーで一時的に貯留される。また、後述するように、充填成型装置1が故障した場合、ニーダー10での調合に時間がかかる場合、流動性食品材料を充填する袋や包装紙(フィルムロール)などの備品が足りなくなり交換する場合、あるいは、ホッパーが流動性食品材料で一杯になった場合などに、通電加熱装置20を一時的に停止させる場合がある。このように通電加熱装置20を一時的に停止した場合、運転再開した直後は流動性食品材料を適正な温度で加熱できない場合があり、例えば溶融チーズなど温度により粘性が変化する流動性食品材料では充填不良が生じる場合がある。そのため、このような流動性食品を廃棄するために、充填成型装置1は分岐バルブ17を有しており、分岐バルブ17を制御することで、通電加熱装置20が目標温度に安定して到達するまでに通電加熱装置20内を移送した流動性食品材料を廃棄することができる。
図2は、実施形態例に係る通電加熱装置20の拡大断面図である。通電加熱装置20は、交互に配置された複数の電極体23と、複数のスペーサ管体24とを備えており、これらはフランジ22a~22bにより挟着固定されている。電極体23の内径とスペーサ管体24の内径は同径となっており、交互に連結し連通させることにより被加熱食品材料を通電加熱処理するための加熱流路21が形成されている。
電極体23は、リング状であることが望ましいが、多角形、楕円などその形状には特に制限はない。リング状の電極体23はスペーサ管体24に一致した内面形状を有し、スペーサ管体24を交互に配置することにより各電極間を流動性食品材料が通過する際に電気的回路が構成され通電加熱される。電極体23は、良導電性の材料で構成され、例えば、アルミニウム、アルミニウム合金、チタン、チタン合金、白金、純鉄、ステンレス等の金属を用いることができる。加熱流路21の両端付近に設けられる2つの電極体は漏洩電流阻止のためのアース電極25であり、アース電極25,25に挟まれる残りの電極体23は全て通電加熱用である。
スペーサ管体24は絶縁材料からなり、電極体23と交互に設置されることにより被加熱材料流路となる管路を構成する。スペーサ管体24は、非導電性のプラスチック、例えば、ポリテトラフルオロエチレン、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエーテルイミド、ポリサルフォンなどの樹脂によって作製される。スペーサ管体24の形状は、角形の筒体としてもよく、内周面が円形で外周面が矩形となった筒体を用いてもよくその形状に制限はないが、電極体23の断面形状とスペーサ管体24の断面形状を対応させた形状にすることが必要である。スペーサ管体24と電極体23との接続面間にはシール材を組み込んで被加熱材料流路41の外部に被加熱物が漏出することを防止している。スペーサ管体24の長さが電極間の距離となるが、電極間の距離Lは、電極体23の内径R(被加熱材料流路41の直径)に対する比(L/R)が2倍以上であることが好ましく、さらに好ましくは、4倍以上12倍以下であることにより均一な加熱が促進される。
加熱流路21の両端部には流入側と流出側のジョイント部26,26が設けられている。それぞれの電極体23は、被加熱材料の流れる方向に隣り合った電極体23,23間が相互に逆極性となるように電源ユニット40に接続される。なお、通電加熱装置20に設けられる電極体23の数は加熱温度等に応じて任意に設定することができる。
図3は、電極体23の流路の断面図である。電極体23には加熱流路21の内面に沿って冷媒流路231が同心状に設けられている。冷却媒体は電極体に設けられた冷却媒体供給口232の一方から供給され、反対側に設けられた冷却媒体排出口232から排出される。電極体23には、さらに、給電用のネジ穴233が設けられている。冷媒流路231を設け、冷却媒体を流通させることにより、電極体23の温度上昇を抑え、電極内壁表面の食品が過熱されることを防止している。冷却媒体は、冷却性能が高い液体冷却媒体(例えば、水)を用い、ポンプ等の公知の冷却媒体送給手段(図示せず)により冷却媒体流路を流通させる。なお、冷媒流路231を有しない電極体からなる通電加熱装置にも本発明の技術思想は適用可能である。
実施形態例の通電加熱装置20では、最上流側に位置するアース電極25にのみ電極温度センサ32が設けられている。このように加熱流路21の最上流部分に温度センサを設けたのは、加熱流路21中、最上流部分の温度が最も低く、流動性食品材料の粘性が高いと考えられる箇所の温度を取得するためである。なお、電極温度センサ32は、最上流側に位置するアース電極25に設けることが好ましいが、他の電極体23(例えば最上流側に位置する電極体23)に設ける構成としてもよい。
温度センサ31~33で計測された温度は、コントロールユニット30に送信される。コントロールユニット30は、処理装置、制御プログラムが格納された記憶装置および操作パネルを備えており、温度センサ31~33の計測値に基づき通電加熱装置20の出力を制御する。温度センサ31~33は、いずれも熱電対等の公知の温度センサを用いることができる。実施形態例では、入口温度センサ31の温度が55℃である場合に、出口温度センサ33の温度が75℃となるような加熱を行った。
通常運転時は、温度センサ33の計測値に基づき電極体23に供給される電力をPID制御により自動制御する。PID制御における比例動作(P動作)や積分動作(I動作)の値は、オーバーシュートやハンチングを起こさないように、加熱流路21の全長や食品材料の流速等に応じて適宜最適に設定する。
ここで、流動性食品材料の充填・成型工程中に、充填成型装置1が故障した場合、ニーダー10での調合に時間がかかる場合、流動性食品材料を充填する袋や包装紙(フィルムロール)が足りなくなり交換する場合、あるいは、ホッパーが流動性食品材料で一杯になった場合などに、充填成型装置1の運転を一時停止することが必要となる場合があるが、停止時間が長引けば長引く程、流路内の流動性食品材料の温度は低下する。例えば、約10分間停止した場合、75℃であった流動性食品材料が55℃まで低下することが確認された。溶融チーズなどの流動性食品材料では品温が40℃以下になった場合はポンプ14による移送が困難となるため、流路内の全ての流動性食品材料を廃棄することが必要となる。
一時停止時間が短い場合でも、温度が低下した流動性食品材料の温度を適正なものとするための制御は、通常運転時とは異なるものとなる。温度が低下した状態で通常運転時と同じ自動制御を行うと、電圧出力値を安定稼働時よりも高くして目標温度まで温めようとするため、許容温度を超過するオーバーシュートやハンチングが生じる場合があり、しかも安定稼働が得られるまでに例えば数分の時間がかかる。また、オーバーシュートやハンチングにより加熱温度が許容温度を超えてしまうと、卵やすりおろした山芋などの流動性食品材料は変性してしまいう場合があり、このような場合も、流路内の全ての流動性食品材料を廃棄することが必要となる。
さらに、通常運転時に行われる出口温度センサ33による出力自動制御は、出口温度センサ33に温度が低下した流動性食品材料が到達するまでフィードバックがかからないので、その分遅れが生じるという問題もある。安定稼働が得られるまでの間に移送した流動性食品材料は、品質不良や充填不良の問題があることから、全て廃棄する必要があった(例えば、流量60kg/分の場合、数百kgの流動性食品材料を廃棄することが必要となる。)。
以下では、実施形態例に係る運転再開時の温度制御を、図4を参照しながら説明する。以下の説明では、流路内の最も温度が低い部分の温度が40℃以上であることを前提とする。
図4は、実施形態例に係る運転再開時の温度制御を説明するフローチャートである。
STEP101:運転再開操作がされると、コントロールユニット30は、通電加熱装置20による第1加熱を開始する。これにより通電加熱装置20の加熱流路21内の流動性食品材料が通電加熱される。第1加熱は、自動制御を行わず電圧出力を一定とする静止加熱である。静止加熱時に印加する電圧は、予め設定した値としてもよいし、運転停止時に印加していた電圧値を記憶し、自動設定するようにしてもよい。
STEP102~103:加熱流路21の電極温度センサ32での温度監視を開始する。電極温度センサ32の温度が第1目標温度(例えば50℃)になるまで、第1加熱を継続する。電極温度センサ32で温度監視をするのは、加熱流路21の内周面付近のチーズが充分に溶融していないと、いわゆる中抜け(層流)が生じ、加熱流路21の内周面付近のチーズが焦げるおそれがあるからである。なお、電極温度センサ32による第1目標温度の到達監視を行わず、予め定めた一定時間または一時停止時間に応じた一定時間の間、第1加熱を行うようにしてもよい。
STEP104~105:電極温度センサ32の温度が第1目標温度に到達すると、コントロールユニット30は、ポンプ14を起動して流動性食品材料の移送を再開する。また、監視対象センサを電極温度センサ32から入口温度センサ31に切り換え、第2加熱を開始する。第2加熱もまた、自動制御を行わず電圧出力を一定とする静止加熱である。第1加熱と第2加熱は同一条件の場合もあれば、異なる条件の場合もある。
STEP107:入口温度センサ31の温度が第2目標温度(例えば75℃)になるまで、第2加熱を継続する。ここで、第2目標温度は、正常運転時に入口温度センサ31が計測する温度である。なお、入口温度センサ31による第2目標温度の到達監視を行わず、予め定めた一定時間または一時停止時間に応じた一定時間の間、第2加熱を行うようにしてもよい。
STEP108:入口温度センサ31の温度が第2目標温度(例えば75℃)に到達すると、コントロールユニット30は、第2加熱をやめ、出口温度センサ33の計測値に基づき通電加熱装置20の出力自動制御を開始する。出口温度センサ33の計測値に基づく出力自動制御は、通常運転時に行われる制御である。
なお、図4の例では、第1加熱の後に第2加熱を行っているが、第1加熱の後に第2加熱を行わずに、通電加熱装置20の出力自動制御を開始するようにしてもよい。この場合、第1加熱を電極温度センサ32からの信号でなく、入口温度センサ31からの信号に基づき行うようにしてもよい。また、第1加熱を行わなずに、ポンプ14を起動して流動性食品材料の移送を行いながら、第2加熱を行ってもよい。すなわち、運転再開とともに流動性食品材料を移送しながら固定通電制御を行ってもよい。この場合、分岐バルブ17を制御して、流路内の食品材料は廃棄することが好ましい。
また、第1加熱で行う静止加熱は、電極温度センサ32または入口温度センサ31により検出した温度値により異なる出力で行うようにしてもよい。ある温度から目標温度に到達するための時間および電圧値の関係は、予めの実験により算出し、制御プログラムに記載しておくようにする。
次いで、実施形態例に係る通電加熱装置20の温度制御の効果について説明する。図5は、実施形態例に係る通電加熱装置20の温度制御による温度変化の一例を示すグラフであり、図6および図7は、従来の実施形態例に係る通電加熱装置の温度制御による温度変化の一例を示すグラフである。なお、図5~図7においては、食塩水を用い、出口温度センサ33の目標温度を60℃として、27℃から加熱を開始した。また目標温度60℃が維持されている場合の電圧出力値は280Vであった。さらに、食塩水の処理量は1時間当たり180Lとし、加熱時間は20秒とした。そして、図5~図7に示す例において、電圧印加開始から、出口温度センサ33の測定温度が目標温度60℃±1℃で安定化するまでの時間をそれぞれ測定した。なお、「目標温度60℃±1℃で安定化するまでの時間」は、59℃~61℃となる時間が数秒(例えば5秒)続いた場合の、最初の59℃となるまでの時間を測定した。また、印加電圧が280Vで安定化するまでの時間も測定した。
図5に示すグラフは、実施形態例に係る通電加熱装置20により温度制御を行った場合であり、具体的には、出口温度センサ33の測定温度が目標温度60℃よりも低い所定の温度50℃となるまで固定通電制御を行い、出口温度センサ33の測定温度が50℃を到達してから自動通電制御を行った。この場合、図5に示すように、食塩水の出口側において、電圧印加開始から目標温度60℃±1℃で安定化するまでに38秒かかった。また、電圧印加開始から、印加電圧が280Vで安定化するまでに5秒かかった。図5に示すうに、実施形態例に係る通電加熱装置20では、目標温度60℃よりも低い所定の温度50℃となるまで固定通電制御を行い、出口温度センサ33の測定温度が50℃に到達してから自動通電制御を行うことで、オーバーシュートやハンチングを防止することができた。これにより、例えば卵やすりおろした山芋などの流動性食品材料を取り扱う場合には、熱によりこれら流動性食品材料が変性してしまうことを有効に防止することができることがわかった。
一方、図6に示すグラフは、従来の実施形態例に係る通電加熱装置の温度制御(運転再開当初から自動通電制御(PID制御))を実行した場合の温度変化の一例を示している。この場合、電圧印加開始から、出口温度センサ33の測定温度が目標温度60℃±1℃で安定化するまでに106秒かかった。また、電圧印加開始から、印加電圧が280Vで安定化するまでに90秒かかった。これは、図6に示す例では、自動通電制御において、オーバーシュートやハンチングが生じないように、電圧出力値を図5に示す例と比べて早いタイミングで抑制したため、出口側の温度の上昇が遅れたためと考えられる。
また、図7に示すグラフでは、図6に示すように、従来の実施形態例に係る通電加熱装置の温度制御(運転再開当初から自動通電制御(PID制御))を実行した例であるが、図7に示す例では、図6に示す例において出力電圧値の上昇に時間がかかっていため、出力電圧値を短時間で上昇するようにPID制御の比例ゲインを設定した。この場合、図7に示すように、電圧印加開始から、出口温度センサ33の測定温度が目標温度60℃±1℃で安定化するまでに222秒かかった。また、電圧印加開始から、印加電圧が280Vで安定化するまでに320秒かかった。さらに、図7に示す例では、出力電圧値を短時間で上昇させたため、オーバーシュートやハンチングが生じて目標温度で安定するまでに余計に時間がかった。
このように、図5に示す実施形態例の通電加熱装置20では、目標温度60℃よりも低い所定の温度50℃となるまで固定通電制御を行い、その後、自動通電制御に切り替えることで、従来の図6および図7に示す運転再開当初から自動通電制御(PID制御)を実行する場合と比べて、出力電圧値を短時間で上昇することができるとともに、オーバーシュートや振動現象(ハンチング)を予防することができることが分かった。
なお、上述した図5に示す例においては、出口温度センサ33の測定温度が目標温度から10℃低い温度となったことを条件として、固定通電制御から自動通電制御への切り替える構成を例示したが、この構成に限定されず、例えば、出口温度センサ33の測定温度が目標温度から5~15℃低い温度となったことを条件として、固定通電制御から自動通電制御への切り替える構成とすることができる。また、当該温度は、流動性食品材料の種類や性質に応じて適宜変更することもできる。また、固定通電制御から自動通電制御への切り替える条件として、電圧印加開示から所定時間が経過することとすることもできる。この場合も、流動性食品材料の種類や性質に応じて当該所定時間を適宜設定することができ、例えば20~30秒とすることができる。
以上に説明した実施形態例に係る温度補填機能付き充填成型装置1によれば、通電加熱装置20により短時間で流動性食品材料の温度を上昇させることができるため、パイプ12,13間に熱交換器を設置する構成と比べ、パイプ12,13の長さを短く構成することが可能である。また、パイプ12,13を二重管などに保温する構成の場合、一時停止時にもパイプ内の食品材料は加熱され続け製品劣化が生じるが、本発明によれば一時停止時には通電加熱装置20による加熱も停止されるので、製品劣化の問題は生じない。
通電加熱装置20は、複数台を直列に接続してもよく、この場合、入口温度センサ31は最上流に位置する通電加熱装置20の入口付近に設置し、電極温度センサ32は最上流に位置する通電加熱装置20の最上流に位置するアース電極25に設置し、出口温度センサ33は最下流に位置する通電加熱装置20の出口付近に設置する。
実施形態例に係る温度補填機能付き充填成型装置1は、流動性食品材料への適用に限定されるものではなく、温度低下により粘度が高くなるあらゆる流動性食品(例えばカスタードクリーム、クレーム、ソース、ジャム、フルーツソース)に適用することが可能である。温度低下により粘度が変化する流動性食品としては、増粘剤を入れた調味液も対象となる。流動性食品の充填直前の温度低下は、充填量の減少を生じさせるのみならず、袋製品の熱量不足によるシール不良の問題も生じさせることがあるが、本発明はこのような問題も解決することが可能である。また、卵やすりおろした山芋などの熱により変性する流動性食品材料についても、オーバーシュートや振動現象(ハンチング)を予防することができるため、有用に適用することができる。
1 温度補填機能付き充填成型装置
10 ニーダー
11~13 パイプ
14 ポンプ
15 第1開閉バルブ
16 第2開閉バルブ
17 分岐バルブ
20 通電加熱装置(ジュール加熱装置)
21 加熱流路
22 フランジ
23 電極体(リング状電極)
24 スペーサ
25 アース電極(リング状電極)
26 ジョイント部
30 コントロールユニット(制御装置)
31 入口温度センサ
32 電極温度センサ
33 出口温度センサ
40 電源ユニット

Claims (8)

  1. 複数の電極体および複数のスペーサ管体を有し、
    それらの内壁が食品材料を流動移送させながら通電加熱するための加熱流路と、
    加熱流路またはその出入口付近に設けられた温度センサと、
    前記温度センサからの信号に基づいて前記電極体に印加する電圧を自動制御する自動通電制御を実行する制御装置と、を備える通電加熱装置であって、
    前記制御装置は、
    前記通電加熱装置の運転が開始された際に、前記電極体に一定の電圧を印加する固定通電制御を一定時間実行する立ち上げ工程を実行した後に、前記自動通電制御を実行し、
    前記通電加熱装置の運転を停止した後、運転を再開する際は、前記立ち上げ工程を実行後、前記自動通電制御を実行するとともに、前記自動通電制御中に通電加熱装置の運転を停止した際に、運転停止時の電圧出力値を記憶しておき、前記立ち上げ工程実行時に、記憶した電圧出力値で前記固定通電制御を実行することを特徴とする通電加熱装置。
  2. 前記立ち上げ工程実行時に、前記温度センサが、目標温度よりも低い所定温度を検出した際に、前記制御装置が、前記固定通電制御から前記自動通電制御に切り替えることを特徴とする請求項に記載の通電加熱装置。
  3. 前記立ち上げ工程の実行開始から所定時間が経過した場合に、前記制御装置が、前記固定通電制御から前記自動通電制御に切り替えることを特徴とする請求項に記載の通電加熱装置。
  4. 複数の電極体および複数のスペーサ管体を有し、
    それらの内壁が食品材料を流動移送させながら通電加熱するための加熱流路と、
    加熱流路またはその出入口付近に設けられた温度センサと、
    前記温度センサからの信号に基づいて前記電極体に印加する電圧を自動制御する自動通電制御を実行する制御装置と、を備える通電加熱装置の制御方法であって、
    前記通電加熱装置の運転が開始された際に、前記電極体に一定の電圧を印加する固定通電制御を一定時間実行する立ち上げ工程を実行した後に、前記自動通電制御を実行し、
    前記通電加熱装置の運転を停止した後、運転を再開する際は、前記立ち上げ工程を実行後、前記自動通電制御を実行するとともに、前記自動通電制御中に通電加熱装置の運転を停止した際に、運転停止時の電圧出力値を記憶しておき、前記立ち上げ工程実行時に、記憶した電圧出力値で前記固定通電制御を実行することを特徴とする通電加熱装置の制御方法。
  5. 前記固定通電制御を前記食品材料を移送しない静止状態で実行し、
    前記自動通電制御を前記食品材料を移送しながら実行することを特徴とする請求項に記載の通電加熱装置の制御方法。
  6. 前記固定通電制御および前記自動通電制御を前記食品材料を移送しながら実行することを特徴とする請求項に記載の通電加熱装置の制御方法。
  7. 前記食品材料が、一定温度を超えると不可逆な熱変性を生じる食品材料であることを特徴とする請求項ないしのいずれかに記載の通電加熱装置の制御方法。
  8. 前記食品材料がすりおろした山芋を含む野菜類、すりおろしたリンゴを含む果物類、ジャム、ドレッシング、または卵であることを特徴とする請求項に記載の通電加熱装置の制御方法。
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