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JP7201650B2 - 樹脂構造体 - Google Patents
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Description

本発明は、互いに組み付けられる複数の樹脂体を備える樹脂構造体に関する。
従来から、車両に搭載される電気接続箱(例えば、リレーボックス)等のように、複数の樹脂体を互いに組み付けて構成される樹脂構造体が提案されている。例えば、従来の電気接続箱の一つは、電子部品などを保持する樹脂製の本体ケースと、本体ケースの上部に組み付けられる樹脂製のアッパカバーと、本体ケースの下部に組み付けられる樹脂製のロアカバーと、を有している。この電気接続箱では、アッパカバー及びロアカバーの各々から本体ケースに向けて延びるロック片を本体部の係止孔に挿入して係止させることで、本体ケースにアッパカバー及びロアカバーが固定されるようになっている(例えば、特許文献1を参照。)。
特開2013-034320号公報
ところで、上述した従来の樹脂構造体のように複数の樹脂体を互いに組み付けるとき、ロック片と係止孔とが適正に係合しているか否かを、樹脂構造体とは別の検査具(いわゆる検査用治具)を用いて検査する場合がある。この種の検査具の一例として、棒状の本体部と、本体部の先端に設けられる接触センサと、を有する検査用ピンが挙げられる。この検査用ピンは、典型的には、ロック片と係止孔とが適正に係合しているときのロック片の想定位置に向けて検査用ピンを近づけたときに、その想定位置において接触センサがロック片との接触信号を出力するか否かで係合状態を検査する、ようになっている。
しかし、そのような検査用ピンを実際に用いる際、ロック片が小さく薄い場合や係合後にロック片が外部にわずかしか露出しない場合等において、接触センサをロック片に設計通りに接触させることが難しい場合がある。この場合、係合状態を正確に検査できず、実際には適正な係合状態であるにもかかわらず検査結果が係合不備である等の誤検出が生じる可能性がある。樹脂構造体の生産性を向上させる等の観点から、上述した検査を高い精度で実行できるように樹脂構造体そのものが構成されていることが望ましい。
本発明の目的の一つは、複数の樹脂体の組付状態を高い精度で検査可能な構造を有する樹脂構造体の提供である。
前述した目的を達成するために、本発明に係る樹脂構造体は、下記[1]~[3]を特徴としている。
[1]
第1樹脂体と、前記第1樹脂体に組み付けられる第2樹脂体と、前記第1樹脂体に組み付けられる第3樹脂体とを備える、樹脂構造体であって、
前記第1樹脂体は、
当該第1樹脂体と前記第2樹脂体との境界近傍において当該第1樹脂体の壁部に設けられる第1係合部と、前記第1係合部から当該第1樹脂体と前記第3樹脂体との境界に向けて延びるように前記壁部に設けられる凹状溝と、を有し、
前記第2樹脂体は、
前記第1係合部と係合する第2係合部を有し、
前記凹状溝は、
前記第1樹脂体に前記第2樹脂体が組み付けられ且つ前記第1樹脂体に前記第3樹脂体が組み付けられていない状態にて、前記第1係合部と前記第2係合部との係合状態を検査するための検査具を、当該凹状溝に沿って前記第1係合部に向けて案内させる、ように用いられ、
前記壁部は、
前記凹状溝の溝底面と、前記第1係合部に係合した状態の前記第2係合部と、が当該壁部の厚さ方向に離れて配置されるように、前記第2係合部に向けて前記厚さ方向に突出する突出部を、前記第1係合部が設けられている箇所に有する、
樹脂構造体であること。
[2]
上記[1]に記載の樹脂構造体において、
前記第1樹脂体の前記壁部は、
前記第2樹脂体に向けて開口する空洞を一対の壁体で挟んだ二重壁構造を、前記突出部が設けられている箇所に有し、
前記第2樹脂体の前記第2係合部は、
前記第1係合部と係合したとき、前記一対の前記壁体の少なくとも一方に向かい合い且つ前記空洞を塞ぐように構成された係合壁を有する、
樹脂構造体であること。
[3]
上記[1]又は上記[2]に記載の樹脂構造体において、
前記第2樹脂体は、
互いに構造が異なる複数種類の前記第2係合部と、前記第2係合部の種類に対応して異なる外観を有する複数種類の標識部と、を更に有し、
前記複数種類の前記標識部の各々は、
対応する前記第2係合部の近傍に配置される、
樹脂構造体であること。
上記[1]の構成の樹脂構造体によれば、第1樹脂体の壁部に設けられる凹状溝が、第1樹脂体の第1係合部(即ち、想定される係合位置)から、第1樹脂体と第3樹脂体との境界に向けて延びている。そのため、例えば、第1樹脂体に第2樹脂体を組み付けた後、更に第3樹脂体を第1樹脂体に組み付ける前に、検査具を、凹状溝の溝内を通過させながら第1係合部に向けて近付けることができる。更に、壁部に設けられている突出部により、凹状溝の溝底面と、第1係合部に係合した状態の第2係合部と、が壁部の厚さ方向に離れた位置に配置される。そのため、それら係合部が小さく薄い場合等であっても、それら係合部の凹状溝に対する露出量を大きくし易いため、検査具をそれら係合部の係合箇所に容易に近付けることができ、更に、検査具の当て面を広くすることもできる。よって、検査具を用いた組付検査における誤検出の発生率が低減し、検査精度が向上する。なお、壁部の突出部は、後述するように防水性能の向上にも貢献する。このように、本構成の樹脂構造体は、複数の樹脂体の組付状態を高い精度で検査可能な構造を有する。
上記[2]の構成の樹脂構造体によれば、第1樹脂体の壁部が上述した突出部(即ち、それら係合部の係合箇所)において二重壁構造を有し、更に、第2係合部がその二重壁構造を構成する壁体に向かい合い、且つ、壁体の間の空洞を塞いでいる。これにより、第1係合部と第2係合部との係合箇所の沿面距離が長くなるとともに、いわゆるラビリンス状の止水構造が得られることになる。そのため、係合箇所が被水した場合であっても、第1樹脂体と第2樹脂体との間の隙間を通じて水が樹脂構造体の内部に侵入することが、抑制される。更に、上述した突出部を利用することで、突出部が無い場合に比べて壁部の厚さ方向に設計上の余裕があるため、厚さや空洞の広さ等に優れた二重壁構造を容易に設けることができる。したがって、本構成の樹脂構造体は、第1係合部と第2係合部との係合箇所における防水性能を向上できる。
上記[3]の構成の樹脂構造体によれば、第2係合部の種類に対応した外観を有する標識部が、対応する第2係合部の近傍に配置される。よって、例えば、第2係合部の種類ごとに上述した検査の実行方法が異なる場合(例えば、ある種類の第2係合部については検査用ピンを用いた検査を行い、他の種類の第2係合部については目視のみでの検査を行う場合等)、標識部の外観を確認するだけで、どのような検査を実行すべきか容易に判断できる。その結果、樹脂構造体の生産性を更に向上できる。
このように、本発明によれば、複数の樹脂体の組付状態を高い精度で検査可能な構造を有する樹脂構造体を提供できる。
以上、本発明について簡潔に説明した。更に、以下に説明される発明を実施するための形態を添付の図面を参照して通読することにより、本発明の詳細は更に明確化されるであろう。
図1は、本発明の実施形態に係る樹脂構造体の斜視図である。 図2は、アッパカバーと本体ケースとロアカバーとが分離した状態にある図1に示す樹脂構造体の斜視図である。 図3は、本体ケースの第1係合部とロアカバーの第2係合部とを示す斜視図であり、図3(a)は、第1係合部と第2係合部とが分離した状態を示し、図3(b)は、第1係合部と第2係合部とが係合した状態を示す。 図4は、図3(b)のA-A断面を示す斜視図である。 図5は、図3(b)のB-B断面を示す斜視図である。 図6は、第1係合部と第2係合部との係合状態を検査具を用いて検査する方法を説明するための図3(b)のA-A断面に対応する図である。 図7(a)は、図1に示す樹脂構造体の下面図であり、図7(b)は、図7(a)のC部の拡大図であり、図7(c)は、図7(a)のD部の拡大図である。
<実施形態>
以下、図面を参照しながら、図1に示す本発明の実施形態に係る樹脂構造体1について説明する。樹脂構造体1は、典型的には、車両に搭載され、リレー等の電子部品を収容するリレーボックス(電気接続箱)である。
図1及び図2に示すように、樹脂構造体1は、リレー等の電子部品(及び、その他の部品、図示省略)が収容されることになる本体ケース2と、本体ケース2の下端開口部を塞ぐように本体ケース2の下端部に組み付けられるロアカバー3と、本体ケース2の上端開口部を塞ぐように本体ケース2の上端部に組み付けられるアッパカバー4と、を含んで構成される。本体ケース2、ロアカバー3及びアッパカバー4の各々は、樹脂成形体である。本体ケース2は、本発明の「第1樹脂体」に対応し、ロアカバー3は、本発明の「第2樹脂体」に対応し、アッパカバー4は、本発明の「第3樹脂体」に対応している。
以下、説明の便宜上、図1~図6に示すように、「上下方向」、「周方向」、「内外方向」、「上」、「下」、「内」及び「外」を定義する。「上下方向」、「周方向」及び「内外方向」は、互いに直交している。樹脂構造体1の車両搭載時において、「上下方向」は、車両の上下方向に対応している。「周方向」は、本体ケース2の後述する周壁11、ロアカバー3の後述する周壁31、及び、アッパカバー4の後述する周壁41における周方向に対応し、「内外方向」は、周壁11、周壁31及び周壁41における厚み方向に対応している。以下、樹脂構造体1を構成する各部材について順に説明する。
まず、本体ケース2について説明する。本体ケース2は、図2に示すように、上下方向に延びる略矩形筒状の周壁11を有する。周壁11の略矩形枠状の下端縁部の近傍の外面には、周方向の複数箇所(本例では、7箇所)にて、第1係合部12がそれぞれ設けられている。本体ケース2とロアカバー3との組付完了状態(図1参照)にて、複数の第1係合部12は、ロアカバー3に設けられた後述する複数の第2係合部33とそれぞれ係合することになる(図3(b)も参照)。
本例では、第1係合部12として、第1係合部12A(5箇所)及び第1係合部12B(2箇所)という2種類の第1係合部12が設けられている(図2参照)。これに対応して、第2係合部33として、第1係合部12Aと係合する第2係合部33A(5箇所)及び第1係合部12Bと係合する第2係合部33B(2箇所)という2種類の第2係合部33が設けられている(図2参照)。
第1係合部12A及び第1係合部12Bは、詳細な形状が互いに僅かに異なる一方で、大略的な構造は同じである。同様に、第2係合部33A及び第2係合部33Bは、詳細な形状が互いに僅かに異なる一方で、大略的な構造は同じである。図3~図6は、第1係合部12A及び第1係合部12Bの係合箇所を示している。
以下、第1係合部12A及び第1係合部12Bを区別する必要がない場合、第1係合部12A及び第1係合部12Bの各々を単に第1係合部12と称呼する。同様に、第2係合部33A及び第2係合部33Bを区別する必要がない場合、第2係合部33A及び第2係合部33Bの各々を単に第2係合部33と称呼する。
各第1係合部12は、具体的には、図3(a)に示すように、周方向に所定距離だけ離れて周壁11の下端縁部の近傍の外面から外側に突出し且つ上下方向に平行に延びる一対の矩形平板状の側壁部13と、一対の側壁部13の外側端縁同士を周方向に連結して周方向に延びる略矩形平板状の外壁部14と、で構成されている。この結果、第1係合部12には、周壁11と一対の側壁部13と外壁部14とによって、係止孔15が画成されている(図4も参照)。係止孔15は、上下方向に貫通し、且つ、上下方向からみて周方向に長い略矩形状の形状を有している。
外壁部14には、周方向に所定距離だけ離れて上下方向に平行に延びる一対のスリット16が、外壁部14の上端縁から上下方向の中央部近傍までに亘って形成されている。この結果、外壁部14における一対のスリット16の間に位置する部分は、片持ち梁状に上方に延びるロックアーム17を構成している。ロックアーム17は、内外方向の所定範囲に亘って弾性変形可能である。ロックアーム17の内面(即ち、係止孔15の外側端を画成する面)には、図4に示すように、内側に突出し且つ周方向に延びる係止突起18が形成されている。
各第1係合部12Aに対応する周壁11の周方向位置の外面には、図1~図6に示すように、第1係合部12Aの上端部に対応する位置から周壁11の上端縁部に対応する位置まで上下方向に延びる凹状溝19が設けられている。凹状溝19は、後述する検査具50(図6参照)を凹状溝19の溝内を通過させながら上下方向に案内するために設けられている。一方、各第1係合部12Bに対応する周壁11の周方向位置の外面には、凹状溝19のような、周壁11の上端縁部に対応する位置まで上下方向に延びる凹状溝が形成されていない。
周壁11における各第1係合部12に対応する部分(即ち、係止孔15の内側端を画成する部分)は、図4及び図6に示すように、下方に向けて開口する空洞21を内側壁22と外側壁23とで挟んだ二重壁構造となっている。二重壁構造は、凹状溝19の下端縁の下側に隣接している。外側壁23の外面は、凹状溝19の溝底面19aより外側に位置している。即ち、外側壁23は、第2係合部33に向けて突出する突出部を構成している。これにより、凹状溝19の深さ分だけ周壁11の厚さ方向に設計上の余裕があるため、周壁11に二重壁構造を設けることが容易となっている。更に、この外側壁23(即ち、突出部)により、第2係合部33(特に、延出部35)が周壁11の厚さ方向において凹状溝19の溝底面19aから離れて配置されることになるため、後述するように、組付検査の精度が向上する。なお、このような二重壁構造は、第1係合部12Aにのみ設けられ、第1係合部12Bには設けられなくてもよい。
周壁11の略矩形枠状の上端縁部の近傍の外面には、図2に示すように、周方向の複数箇所にて、第3係合部24がそれぞれ設けられている。第3係合部24の詳細な構造についての説明は省略する。本体ケース2とアッパカバー4との組付完了状態(図1参照)にて、複数の第3係合部24は、アッパカバー4に設けられた後述する複数の第4係合部43とそれぞれ係合することになる(図1も参照)。
次いで、ロアカバー3について説明する。ロアカバー3は、図2に示すように、上下方向に延びる略矩形筒状の周壁31と、周壁31の下端開口部を塞ぐ底壁部32と、を一体に有する。
周壁31の略矩形枠状の上端縁部の近傍の外面には、本体ケース2の複数の第1係合部12に対応して、周方向の複数箇所(本例では、7箇所)にて、第2係合部33がそれぞれ設けられている。
各第2係合部33は、具体的には、図3(a)に示すように、周壁31の上端縁部の近傍の外面から外側に突出し且つ周方向に延びる略矩形平板状の基端部34と、基端部34の外側端縁部から上方に延びる略矩形平板状の延出部35と、を有している。この結果、周壁31と延出部35との間には、基端部34によって下端が画成され且つ上方に開口する壁間スペースSが形成されている(図4も参照)。延出部35の上端は、周壁31の上端縁よりも上方に位置している。
延出部35の外面には、内側に窪み且つ外側及び下側に開口する略矩形状の凹部36が形成されている。凹部36の周方向に延びる上端縁部は、段差部37を構成している。段差部37は、本体ケース2とロアカバー3との組付完了状態(図1参照)にて、第1係合部12の係止突起18と係合することになる(図4参照)。
次いで、アッパカバー4について説明する。アッパカバー4は、図2に示すように、上下方向に延びる略矩形筒状の周壁41と、周壁41の上端開口部を塞ぐ略矩形平板状の底壁部42と、を一体に有する。
周壁41の略矩形枠状の下端縁部の近傍の外面には、本体ケース2の複数の第3係合部24に対応して、周方向の複数箇所にて、第4係合部43がそれぞれ設けられている。第4係合部43の詳細な構造についての説明は省略する。以上、樹脂構造体1を構成する各部材について説明した。
次いで、本体ケース2、ロアカバー3及びアッパカバー4からなる樹脂構造体1の組み付けについて説明する。樹脂構造体1を組み付ける際、まず、本体ケース2とロアカバー3とが組み付けられ、次いで、本体ケース2とアッパカバー4とが組み付けられる。
まず、本体ケース2とロアカバー3との組み付けについて説明する。本体ケース2とロアカバー3とを組み付けるためには、図2に示すように、本体ケース2がロアカバー3の上方に位置するように、本体ケース2及びロアカバー3を配置する。
次いで、本体ケース2及びロアカバー3を上下方向に近づけて、本体ケース2の周壁11の下端縁部と、ロアカバー3の周壁31の上端縁部との嵌合を開始させる。この嵌合は、周壁11の下端縁部が周壁31の上端縁部の外側に位置するように、複数の第1係合部12の係止孔15に複数の第2係合部33の延出部35がそれぞれ挿入されるように、且つ、周壁11における複数の第1係合部12に対応する部分(即ち、上記二重壁構造の部分)が複数の第2係合部33の壁間スペースSにそれぞれ挿入されるように、進行していく。
この嵌合は、壁間スペースS内に位置する二重壁構造の下端面(即ち、内側壁22及び外側壁23の下端面)と、壁間スペースSの下端を画成する第2係合部33の基端部34の上面と、が上下方向に互いに突き合わされるまで継続される。
内側壁22及び外側壁23の下端面と基端部34の上面とが互いに突き合わされる直前にて、各第1係合部12にて、係止孔15内に挿入された延出部35からの押圧によるロックアーム17の一時的な外側への弾性変形を経て、段差部37と係止突起18とが互いに相手の頂部を乗り越える。
そして、図4に示すように、内側壁22及び外側壁23の下端面と基端部34の上面とが互いに突き合わされると、段差部37が係止突起18の上側に隣接して段差部37及び係止突起18が互いに係合すると共に、本体ケース2とロアカバー3との組み付けが完了する。
本体ケース2とロアカバー3との組付完了状態(図1参照)では、複数の段差部37と複数の係止突起18とが互いに係合していることで、本体ケース2とロアカバー3との上下方向への分離が防止される。第2係合部33の延出部35の上端は、第1係合部12(外壁部14)の上端縁よりも上方に位置している。本体ケース2の周壁11の下端縁部及びロアカバー3の周壁31の上端縁部は、周壁11の下端縁部が周壁31の上端縁部の外側に位置するように、嵌合している。このため、本体ケース2の周壁11の下端縁部及びロアカバー3の周壁31の上端縁部の嵌合箇所が樹脂構造体1の外側から被水しても、水に対して下向きに働く重力の作用によって、上記嵌合箇所を通じて樹脂構造体1の内部に水が侵入することが抑制される。更に、第1係合部12及び第2係合部33の係合箇所にて、延出部35の内側面と外側壁23の外側面とが当接し、且つ、内側壁22及び外側壁23の下端面と基端部34の上面とが当接して空洞21が塞がれている。これにより、二重壁構造が無い場合に比べ、延出部35、内側壁22及び外側壁23が構成する沿面距離が長くなる。更に、内側壁22と外側壁23との間の空洞21による、一時的な貯水(堰き止め)効果も発揮される。これらにより、第1係合部12及び第2係合部33の係合箇所が樹脂構造体1の外側から被水しても、上記係合箇所(特に、延出部35の内面と外側壁23の外面との間の微小隙間)を通じて樹脂構造体1の内部に水が侵入することが抑制される。なお、空洞21に入り込んだ水は、内側壁22及び外側壁23の下端面と基端部34との間の隙間等から、ロアカバー3の周方向に徐々に排出されることになる。
次いで、(ロアカバー3が組み付けられた)本体ケース2とアッパカバー4との組み付けについて説明する。(ロアカバー3が組み付けられた)本体ケース2とアッパカバー4とを組み付けるためには、図2に示すように、(ロアカバー3が組み付けられた)本体ケース2がアッパカバー4の下方に位置するように、本体ケース2及びアッパカバー4を配置する。
次いで、本体ケース2及びアッパカバー4を上下方向に近づけて、本体ケース2の周壁11の上端縁部と、アッパカバー4の周壁41の下端縁部とを嵌合させ、且つ、複数の第3係合部24と複数の第4係合部43とをそれぞれ係合させる。周壁11の上端縁部と周壁41の下端縁部とは、周壁11の上端縁部が周壁41の下端縁部の内側に位置するように嵌合される。
本体ケース2とアッパカバー4との組付完了状態(図1参照)では、複数の第3係合部24と複数の第4係合部43とがそれぞれ係合していることで、本体ケース2とアッパカバー4との上下方向への分離が防止される。本体ケース2の周壁11の上端縁部及びアッパカバー4の周壁41の下端縁部は、周壁11の上端縁部が周壁41の下端縁部の内側に位置するように、嵌合している。このため、本体ケース2の周壁11の上端縁部及びアッパカバー4の周壁41の下端縁部の嵌合箇所が樹脂構造体1の外側から被水しても、水に対して下向きに働く重力の作用によって、上記嵌合箇所を通じて樹脂構造体1の内部に水が侵入することが抑制される。
以上説明したように、本体ケース2とロアカバー3とが組み付けられた後に本体ケース2とアッパカバー4とが組み付けられることで、図1に示す樹脂構造体1が得られる。以上、樹脂構造体1の組み付けについて説明した。
次いで、本体ケース2の第1係合部12とロアカバー3の第2係合部33との係合状態の検査について、図6及び図7を参照しながら説明する。第1係合部12及び第2係合部33の係合状態の検査は、本体ケース2とロアカバー3との組み付け後、且つ、本体ケース2とアッパカバー4との組み付け前に行われる。第1係合部12A及び第2係合部33Aの係合状態の検査方法と、第1係合部12B及び第2係合部33Bの係合状態の検査方法とは異なる。
まず、第1係合部12A及び第2係合部33Aの係合状態の検査方法について説明する。第1係合部12A及び第2係合部33Aの係合状態の検査には、図6に示すように、2種類の検査具50及び検査具60が使用される。棒状の検査具50の先端部51には、接触センサ(図示省略)が設けられている。検査具60の端面部61にも、同様の接触センサ(図示省略)が設けられてもよい。
第1係合部12A及び第2係合部33Aの係合箇所の上方の周壁11の外面には、上述したように、第1係合部12Aの上端部に対応する位置から周壁11の上端縁部に対応する位置まで上下方向に延びる凹状溝19が設けられている。棒状の検査具50は、先端部51が下方を向いた向きで、凹状溝19の溝内を上下方向に移動可能な形状を有している。換言すると、凹状溝19を用いて検査具50を上下方向に案内させることができる。
検査具50は、図6に矢印で示すように、先端部51が下方を向いた向きで、上方から下方に向けて凹状溝19の溝内を通過させられながら、第1係合部12A及び第2係合部33Aの係合箇所に向けて近付けられる。検査具50は、凹状溝19の溝底面19aから僅かに離れた状態で、溝底面19aに接触することなく、凹状溝19の溝内を通過するようになっている。そして、検査具50の接触センサが、第1係合部12(外壁部14)の上端縁より上方に位置している第2係合部33の延出部35の上端面に接触した時点で、当該接触センサが接触信号を出力する。この接触信号に基づいて、第2係合部33の延出部35の上端面の上下方向位置が適正範囲内にあるか否かが検査される。例えば、第1係合部12A及び第2係合部33Aの係合が不完全な場合、第2係合部33の延出部35の上端面の上下方向位置が、上記適正範囲から下側に外れることになる。
ここで、図6から理解できるように、第2係合部33の延出部35の上端部と凹状溝19の溝底面19aとの間には内外方向の十分な隙間が確保されている。このため、検査具50の先端部51(接触センサ)の端面を内外方向に十分に広く確保できる。この結果、第2係合部33の延出部35の上端面と検査具50の先端部51(接触センサ)の端面とを適正に接触させ易くなり、検査具50による検査精度が向上する。
検査具60は、図6に示すように、端面部61が内方を向いた向きで、外方から内方に向けて延びている。図6に示すように配置されている検査具60に向けて第1係合部12Aの外壁部14が近づくように樹脂構造体1を動かしてもよいし、検査具50と同様に第1係合部12Aの外壁部14(ロックアーム17)に向けて検査具60が近付けられてもよい。例えば、検査具50と同様の接触センサが検査具60に設けられる場合、検査具60の接触センサが外壁部14(ロックアーム17)の外面に接触した時点で、当該接触センサが接触信号を出力する。この接触信号に基づいて、第1係合部12の外壁部14(ロックアーム17)の外面の内外方向位置が適正範囲内にあるか否かが検査される。例えば、第1係合部12A及び第2係合部33Aの係合が不完全な場合、段差部37と係止突起18とが互いに相手の頂部を乗り越えていないことに起因して、外壁部14(ロックアーム17)が外側に弾性変形している。このため、外壁部14(ロックアーム17)の外面の内外方向位置が、上記適正範囲から外側に外れることになる。
第1係合部12A及び第2係合部33Aの係合状態の検査では、検査具50によって検出された第2係合部33の延出部35の上端の上下方向位置が適正範囲内にあり、且つ、検査具60によって検出された外壁部14(ロックアーム17)の外面の内外方向位置が適正範囲内にある場合にのみ、「正常」と判定される。このように、検査具50による検査に加えて検査具60による検査を行うことで、第1係合部12A及び第2係合部33Aの係合状態の検査精度が向上される。
次いで、第1係合部12B及び第2係合部33Bの係合状態の検査方法について説明する。第1係合部12B及び第2係合部33Bの係合箇所の上方の周壁11の外面には、上述したように、凹状溝19のような周壁11の上端縁部に対応する位置まで延びる凹状溝が形成されていない。このため、上述した検査具50を用いた検査が実行できない。このため、第1係合部12B及び第2係合部33Bの係合状態の検査では、検査具60のみが使用されて、上記と同じ手順によって、外壁部14(ロックアーム17)の外面の内外方向位置が適正範囲内にあるか否かが検査される。第2係合部33の延出部35の上端の上下方向位置が適正範囲内にあるか否かの検査は、作業者の目視によって行われる。
第1係合部12B及び第2係合部33Bの係合状態の検査では、作業者の目視によって検出された第2係合部33の延出部35の上端の上下方向位置が適正範囲内にあり、且つ、検査具60によって検出された外壁部14(ロックアーム17)の外面の内外方向位置が適正範囲内にある場合にのみ、「正常」と判定される。
以上説明したように、第1係合部12A及び第2係合部33Aの係合状態の検査方法と、第1係合部12B及び第2係合部33Bの係合状態の検査方法とは異なる。そこで、本例では、図7に示すように、各第2係合部33Aの近傍のロアカバー3の下面(底壁部32)には、検査具50及び検査具60による検査を行うことを意味する第1の標識(マーク)38Aが付され、各第2係合部33Bの近傍のロアカバー3の下面(底壁部32)には、目視及び検査具60による検査を行うことを意味する第2の標識(マーク)38Bが付されている。第1の標識38Aと第2の標識38Bとは外観が異なる。これにより、作業者は、各第2係合部33について、その近傍に位置する標識(第1、第2の標識部38A,38Bの何れか)を見るだけで、どのような検査を実行すべきか容易に判断できる。
<作用・効果>
以上より、本実施形態に係る樹脂構造体1によれば、本体ケース2の周壁11に設けられる凹状溝19が、本体ケース2の第1係合部12(即ち、第1係合部12とロアカバー3の第2係合部33との想定係合位置)から、本体ケース2とアッパカバー4との境界まで延びている。そのため、例えば、本体ケース2とロアカバー3とを組み付けた後、更にアッパカバー4を本体ケース2に組み付ける前に、凹状溝19の溝内を通過させるように検査具50を第1係合部12に向けて近付けることができる。換言すると、凹状溝19を用いて検査具50を第1係合部12に向けて案内させることができる。更に、周壁11に設けられている突出部(外側壁23)により、凹状溝19の溝底面19aと、第1係合部12に係合した状態の第2係合部33(特に、延出部35)と、が周壁11の厚さ方向に離れた位置に配置される。そのため、第2係合部33が小さく薄い場合等であっても、第2係合部33の凹状溝19に対する露出量を大きくし易いため、検査具50を第2係合部33に容易に近付けることができ、更に、検査具50の当て面を広くすることもできる。よって、検査具50を用いた組付検査における誤検出の発生率が低減し、検査精度が向上する。したがって、本実施形態に係る樹脂構造体1は、複数の樹脂体(本体ケース2とロアカバー3)の組付状態を高い精度で検査可能な構造を有する。
更に、本実施形態に係る樹脂構造体1によれば、本体ケース2の第1係合部12と、ロアカバー3の第2係合部33と、の係合箇所が被水した場合であっても、本体ケース2の周壁11が係合箇所において二重壁構造を有し、更に、第2係合部33がその二重壁構造を構成する壁体(内側壁22及び外側壁23)の下面に向かい合い且つ空洞21を塞いでいることで、本体ケース2とロアカバー3との境界を通じて水が樹脂構造体1の内部に侵入することが、抑制される。更に、本体ケース2の周壁11が凹状溝19を有さない場合に比べ、凹状溝19の深さ分だけ周壁11の厚さ方向に設計上の余裕があるため、周壁11に二重壁構造を設けることが容易である。したがって、本実施形態に係る樹脂構造体1は、第1係合部12と第2係合部33との係合箇所における防水性能を向上できる。
更に、本実施形態に係る樹脂構造体1によれば、第2係合部33の種類(33A,33B)に対応した外観を有する標識部38A,38Bが、対応する第2係合部33の近傍に配置される。よって、第2係合部33の種類(33A,33B)ごとに検査の実行方法が異なるところ、標識部38A,38Bを見るだけで、どのような検査を実行すべきか容易に判断できる。その結果、樹脂構造体1の生産性を向上できる。
<他の形態>
なお、本発明は上記各実施形態に限定されることはなく、本発明の範囲内において種々の変形例を採用することができる。例えば、本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、適宜、変形、改良、等が可能である。その他、上述した実施形態における各構成要素の材質、形状、寸法、数、配置箇所、等は本発明を発揮できるものであれば任意であり、限定されない。
上記実施形態では、本体ケース2の周壁11における第1係合部12に対応する部分(即ち、係止孔15の内側端を画成する部分)は、図4及び図6に示すように、下方に向けて開口する空洞21を内側壁22と外側壁23とで挟んだ二重壁構造となっている。これに対し、このような二重壁構造が設けられていなくてもよい。
更に、上記実施形態では、図6に示すように、検査具50は、凹状溝19の溝底面19aから僅かに離れた状態で、凹状溝19の溝内を通過する。即ち、上述した検査の過程で、検査具50は凹状溝19の溝底面19aに接触しないようになっている。しかし、検査具50は、溝底面19aに接触しながら(例えば、溝底面19aに沿って滑るように)凹状溝19の溝内を移動してもよいし、凹状溝19の一部において溝底面19aに接触し且つ凹状溝19の他部において溝底面19aに接触しないように、凹状溝19の溝内を移動してもよい。
更には、上記実施形態では、図7に示すように、各第2係合部33Aの近傍のロアカバー3の下面には、第1の標識(マーク)38Aが付され、各第2係合部33Bの近傍のロアカバー3の下面には、第2の標識(マーク)38Bが付されている。これに対し、第2係合部33A及び第2係合部33Bの区別なく、全ての第2係合部33の各々の近傍のロアカバー3の下面に、単一種類の標識(マーク)が付されていてもよい。
ここで、上述した本発明に係る樹脂構造体1の実施形態の特徴をそれぞれ以下[1]~[3]に簡潔に纏めて列記する。
[1]
第1樹脂体(2)と、前記第1樹脂体(2)に組み付けられる第2樹脂体(3)と、前記第1樹脂体(2)に組み付けられる第3樹脂体(4)とを備える、樹脂構造体(1)であって、
前記第1樹脂体(2)は、
当該第1樹脂体(2)と前記第2樹脂体(3)との境界近傍において当該第1樹脂体(2)の壁部(11)に設けられる第1係合部(12)と、前記第1係合部(12)から当該第1樹脂体(2)と前記第3樹脂体(4)との境界に向けて延びるように前記壁部(11)に設けられる凹状溝(19)と、を有し、
前記第2樹脂体(3)は、
前記第1係合部(12)と係合する第2係合部(33)を有し、
前記凹状溝(19)は、
前記第1樹脂体(2)に前記第2樹脂体(3)が組み付けられ且つ前記第1樹脂体(2)に前記第3樹脂体(4)が組み付けられていない状態にて、前記第1係合部(12)と前記第2係合部(33)との係合状態を検査するための検査具(50)を、当該凹状溝(19)に沿って前記第1係合部(12)に向けて案内させる、ように用いられ、
前記壁部(11)は、
前記凹状溝(19)の溝底面(19a)と、前記第1係合部(12)に係合した状態の前記第2係合部(33)と、が当該壁部(11)の厚さ方向に離れて配置されるように、前記第2係合部(33)に向けて前記厚さ方向に突出する突出部(23)を、前記第1係合部(12)が設けられている箇所に有する、
樹脂構造体(1)。
[2]
上記[1]に記載の樹脂構造体(1)において、
前記第1樹脂体(2)の前記壁部(11)は、
前記第2樹脂体(3)に向けて開口する空洞(21)を一対の壁体(22,23)で挟んだ二重壁構造を、前記突出部(23)が設けられている箇所に有し、
前記第2樹脂体(3)の前記第2係合部(33)は、
前記第1係合部(12)と係合したとき、前記一対の前記壁体(22,23)の少なくとも一方に向かい合い且つ前記空洞(21)を塞ぐように構成された係合壁(34)を有する、
樹脂構造体(1)。
[3]
上記[1]又は上記[2]に記載の樹脂構造体(1)において、
前記第2樹脂体(3)は、
互いに構造が異なる複数種類の前記第2係合部(33A,33B)と、前記第2係合部(33A,33B)の種類に対応して異なる外観を有する複数種類の標識部(38A,38B)と、を更に有し、
前記複数種類の前記標識部(38A,38B)の各々は、
対応する前記第2係合部(33A,33B)の近傍に配置される、
樹脂構造体(1)。
1 樹脂構造体
2 本体ケース(第1樹脂体)
3 ロアカバー(第2樹脂体)
4 アッパカバー(第3樹脂体)
11 周壁(壁部)
12 第1係合部
12A 第1係合部
12B 第1係合部
19 凹状溝
21 空洞
22 内側壁(壁体)
23 外側壁(壁体、突出部)
33 第2係合部
33A 第2係合部
33B 第2係合部
34 基端部(係合壁)
38A 第1の標識(標識部)
38B 第2の標識(標識部)
50 検査具

Claims (3)

  1. 第1樹脂体と、前記第1樹脂体に組み付けられる第2樹脂体と、前記第1樹脂体に組み付けられる第3樹脂体とを備える、樹脂構造体であって、
    前記第1樹脂体は、
    当該第1樹脂体と前記第2樹脂体との境界近傍において当該第1樹脂体の壁部に設けられる第1係合部と、前記第1係合部から当該第1樹脂体と前記第3樹脂体との境界に向けて延びるように前記壁部に設けられる凹状溝と、を有し、
    前記第2樹脂体は、
    前記第1係合部と係合する第2係合部を有し、
    前記凹状溝は、
    前記第1樹脂体に前記第2樹脂体が組み付けられ且つ前記第1樹脂体に前記第3樹脂体が組み付けられていない状態にて、前記第1係合部と前記第2係合部との係合状態を検査するための検査具を、当該凹状溝に沿って前記第1係合部に向けて案内させる、ように用いられ、
    前記壁部は、
    前記凹状溝の溝底面と、前記第1係合部に係合した状態の前記第2係合部と、が当該壁部の厚さ方向に離れて配置されるように、前記第2係合部に向けて前記厚さ方向に突出する突出部を、前記第1係合部が設けられている箇所に有する、
    樹脂構造体。
  2. 請求項1に記載の樹脂構造体において、
    前記第1樹脂体の前記壁部は、
    前記第2樹脂体に向けて開口する空洞を一対の壁体で挟んだ二重壁構造を、前記突出部が設けられている箇所に有し、
    前記第2樹脂体の前記第2係合部は、
    前記第1係合部と係合したとき、前記一対の前記壁体の少なくとも一方に向かい合い且つ前記空洞を塞ぐように構成された係合壁を有する、
    樹脂構造体。
  3. 請求項1又は請求項2に記載の樹脂構造体において、
    前記第2樹脂体は、
    互いに構造が異なる複数種類の前記第2係合部と、前記第2係合部の種類に対応して異なる外観を有する複数種類の標識部と、を更に有し、
    前記複数種類の前記標識部の各々は、
    対応する前記第2係合部の近傍に配置される、
    樹脂構造体。
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