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JP7204887B2 - 固定子、電動機、圧縮機、空気調和機、及び固定子の製造方法 - Google Patents
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JP7204887B2 - 固定子、電動機、圧縮機、空気調和機、及び固定子の製造方法 - Google Patents

固定子、電動機、圧縮機、空気調和機、及び固定子の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、電動機の固定子に関する。
一般に、ステータコアに取り付けられた3相コイルを利用して、回転子の永久磁石を着磁する着磁方法が知られている。この着磁方法では、3相コイルに着磁用の電流が流れたときに電磁力が生じ、この電磁力が3相コイルの変形を引き起こすことがある。そのため、特許文献1に記載の固定子では、3相コイルの変形を防ぐため、3相コイルに紐が巻きつけられている。
特開平03-118749号公報
しかしながら、従来の技術では、回転子を固定子の内側に配置した状態で回転子の永久磁石を着磁するときに、3相コイルの結線状態によっては、固定子の3相コイルの著しい変形を防ぐことができない。
本発明の目的は、回転子を固定子の内側に配置した状態で回転子の永久磁石を着磁するときに、3相コイルの結線状態に関わらず、固定子の3相コイルの著しい変形を防ぐことである。
本発明の一態様に係る固定子は、
ステータコアと、
前記ステータコアに分布巻きで取り付けられており、第1相のコイル、第2相のコイル、及び第3相のコイルを有する3相コイルと、
前記3相コイルに巻かれた第1のレーシング材と、
前記3相コイルに巻かれた第2のレーシング材と、
前記3相コイルに巻かれた第3のレーシング材と
を備え、
前記3相コイルのコイルエンドにおいて、前記第1相のコイル、前記第2相のコイル、及び前記第3相のコイルは、前記ステータコアの周方向においてこの順に配列されており、
前記コイルエンドにおいて、前記第3相のコイルは、前記第1相のコイルに比べて前記ステータコアの中心の近くに位置しており、
前記第1のレーシング材は、前記第1相のコイル及び前記第2相のコイルを保持しており、
前記第2のレーシング材は、前記第2相のコイル及び前記第3相のコイルを保持しており、
前記第3のレーシング材は、前記第3相のコイル及び前記第1相のコイルを保持しており、
前記第2のレーシング材は、前記第1のレーシング材及び前記第3のレーシング材のうちの少なくとも一方よりも多く前記3相コイルに巻かれており、
毎極毎相スロット数は1であり、
前記3相コイルは、デルタ結線で接続されている
本発明の他の態様に係る電動機は、
前記固定子と、
前記固定子の内側に配置された回転子と
を備える。
本発明の他の態様に係る圧縮機は、
密閉容器と、
前記密閉容器内に配置された圧縮装置と、
前記圧縮装置を駆動する前記電動機と
を備える。
本発明の他の態様に係る空気調和機は、
前記圧縮機と、
熱交換器と
を備える。
本発明の他の態様に係る固定子の製造方法は、
ステータコアと、前記ステータコアに分布巻きで取り付けられており、第1相のコイル、第2相のコイル、及び第3相のコイルを有する3相コイルとを有する固定子の製造方法であって、
前記3相コイルのコイルエンドにおいて、前記第1相のコイル、前記第2相のコイル、及び前記第3相のコイルが前記ステータコアの周方向においてこの順に配列されるように、且つ前記コイルエンドにおいて、前記第3相のコイルが前記第1相のコイルに比べて前記ステータコアの中心の近くに位置するように、前記3相コイルを前記ステータコアに取り付けることと、
前記第1相のコイル、前記第2相のコイル、及び前記第3相のコイルを、デルタ結線で接続することと、
第1のレーシング材、第2のレーシング材、及び第3のレーシング材を前記3相コイルに巻きつけることと
を備え、
前記第2のレーシング材及び前記第3のレーシング材のうちの少なくとも一方は、前記第1のレーシング材よりも多く前記3相コイルに巻きつけられており、
毎極毎相スロット数は1である。
本発明によれば、回転子を固定子の内側に配置した状態で回転子の永久磁石を着磁するときに、固定子の3相コイルの著しい変形を防ぐことができる。
本発明の実施の形態1に係る固定子の構造を概略的に示す平面図である。 3相コイルの構造を概略的に示す図である。 3相コイルの構造の他の例を示す図である。 3相コイルにおける結線方法の一例を示す模式図である。 3相コイルにおける結線方法の他の例を示す模式図である。 固定子の製造工程の一例を示すフローチャートである。 固定子の製造工程における第1相のコイルの挿入工程を示す図である。 固定子の製造工程における第2相のコイルの挿入工程を示す図である。 固定子の製造工程における第3相のコイルの挿入工程を示す図である。 変形例に係る固定子の構造の例を概略的に示す平面図である。 回転子の永久磁石の着磁工程の一例を示すフローチャートである。 図1に示される固定子3において、Y結線で接続された3相コイルと着磁用の電源との接続状態の一例を示す図である。 図1に示される固定子3において、デルタ結線で接続された3相コイルと着磁用の電源との接続状態の一例を示す図である。 図10に示される固定子3において、Y結線で接続された3相コイルと着磁用の電源との接続状態の一例を示す図である。 図10に示される固定子3において、デルタ結線で接続された3相コイルと着磁用の電源との接続状態の一例を示す図である。 永久磁石の着磁工程において、図14及び図15に示される3相コイルに通電したとき、3相コイルのコイルエンドに生じる径方向における電磁力の例を示す図である。 永久磁石の着磁工程において、図14及び図15に示される3相コイルに通電したとき、3相コイルのコイルエンドに生じる軸方向における電磁力の例を示す図である。 電動機内の回転子の永久磁石を着磁するときの、3相コイルにおける結線パターンごとの径方向における電磁力の大きさの違いを示すグラフである。 電動機内の回転子の永久磁石を着磁するときの、3相コイルにおける結線パターンごとの軸方向における電磁力の大きさの違いを示すグラフである。 本発明の実施の形態2に係る電動機の構造を概略的に示す部分断面図である。 本発明の実施の形態3に係る圧縮機の構造を概略的に示す断面図である。 本発明の実施の形態4に係る冷凍空調装置の構成を概略的に示す図である。
実施の形態1.
各図に示されるxyz直交座標系において、z軸方向(z軸)は、後述する電動機1の軸線Axと平行な方向を示し、x軸方向(x軸)は、z軸方向(z軸)に直交する方向を示し、y軸方向(y軸)は、z軸方向及びx軸方向の両方に直交する方向を示す。軸線Axは、固定子3の中心であり、後述する回転子2の回転中心でもある。軸線Axと平行な方向は、「回転子2の軸方向」又は単に「軸方向」ともいう。径方向は、回転子2又は固定子3の半径方向であり、軸線Axと直交する方向である。xy平面は、軸方向と直交する平面である。矢印D1は、軸線Axを中心とする周方向を示す。回転子2又は固定子3の周方向を、単に「周方向」ともいう。
〈固定子3の構造〉
図1は、本発明の実施の形態1に係る固定子3の構造を概略的に示す平面図である。
固定子3は、電動機(例えば、後述する電動機1)に用いられる。
固定子3は、ステータコア31と、3相コイル32と、少なくとも1つの第1のレーシング材331と、少なくとも1つの第2のレーシング材332と、少なくとも1つの第3のレーシング材333と、ワニス34とを有する。本実施の形態では、3相コイル32は、6極を持つ。
ステータコア31は、3相コイル32が配置される複数のスロット311を有する。図1に示される例では、ステータコア31は、18個のスロット311を有する。したがって、毎極毎相スロット数は、1である。
図2は、3相コイル32の構造を概略的に示す図である。
3相コイル32は、ステータコア31に分布巻きで取り付けられている。図2に示されるように、3相コイル32は、スロット311内に配置されたコイルサイド32bと、スロット311内に配置されていないコイルエンド32aとを持つ。各コイルエンド32aは、3相コイル32の軸方向における端部である。
本実施の形態では、3相コイル32は、3個の第1相のコイル321と、3個の第2相のコイル322と、3個の第3相のコイル323とを有する。ただし、第1相のコイル321の数、第2相のコイル322の数、及び第3相のコイル323の数は、本実施の形態に限定されない。本実施の形態では、固定子3は、2つのコイルエンド32aにおいて、図1に示される構造を持っている。ただし、固定子3は、2つのコイルエンド32aの一方において、図1に示される構造を持っていればよい。
図3は、3相コイル32の構造の他の例を示す図である。
図3に示される3相コイル32は、1個の第1相のコイル321と、1個の第2相のコイル322と、1個の第3相のコイル323とを有する。この場合、3相コイル32は、ステータコア31に波巻きで取り付けられている。
3相コイル32は、第1相、第2相、及び第3相を持つ。例えば、第1相はU相であり、第2相はV相であり、第3相はW相である。本実施の形態では、3相コイル32に電流が流れたとき、3相コイル32は、6極を形成する。
図4は、3相コイル32における結線方法の一例を示す模式図である。
3相コイル32における結線方法は、例えば、Y結線である。言い換えると、3相コイル32は、例えば、Y結線で接続されている。この場合、第1相のコイル321、第2相のコイル322、及び第3相のコイル323は、Y結線で接続されている。
図5は、3相コイル32における結線方法の他の例を示す模式図である。
3相コイル32における結線方法は、図5に示されるように、デルタ結線でもよい。言い換えると、3相コイル32は、例えば、デルタ結線で接続されていてもよい。この場合、第1相のコイル321、第2相のコイル322、及び第3相のコイル323は、デルタ結線で接続されている。
図1に示されるように、3相コイル32は、第1相に対応する複数の部分321a、第2相に対応する複数の部分322a、及び第3相に対応する複数の部分323aを有する。
図1に示される例では、3相コイル32の各コイルエンド32aにおいて(すなわち、xy平面において)、3相コイル32のうちの、第1相に対応する部分321a、第2相に対応する部分322a、及び第3相に対応する部分323aは、ステータコア31の周方向においてこの順に配列されている。すなわち、3相コイル32の各コイルエンド32aにおいて、第1相のコイル321、第2相のコイル322、及び第3相のコイル323は、ステータコア31の周方向においてこの順に配列されている。
各コイルエンド32aにおいて、3相コイル32のうちの第1相に対応する部分321aを、「第1相部分321a」と称する。各コイルエンド32aにおいて、3相コイル32のうちの第2相に対応する部分322aを、「第2相部分322a」と称する。各コイルエンド32aにおいて、3相コイル32のうちの第3相に対応する部分323aを、「第3相部分323a」と称する。
すなわち、第1相のコイル321は、複数の第1相部分321aを持ち、第2相のコイル322は、複数の第2相部分322aを持ち、第3相のコイル323は、複数の第3相部分333aを持つ。
言い換えると、各第1相部分321aは、3相コイル32におけるコイルエンド32aにおける第1相のコイル321の一部であり、各第2相部分322aは、3相コイル32におけるコイルエンド32aにおける第2相のコイル322の一部であり、各第3相部分323aは、3相コイル32におけるコイルエンド32aにおける第3相のコイル323の一部である。
すなわち、各コイルエンド32aにおいて、3相コイル32のうちの、第1相部分321a、第2相部分322a、及び第3相部分323aは、ステータコア31の周方向においてこの順に配列されている。
図1に示されるように、3相コイル32の各コイルエンド32aにおいて(すなわち、xy平面において)、第3相のコイル323は、第1相のコイル321に比べてステータコア31の中心の近くに位置している。具体的には、3相コイル32の各コイルエンド32aにおいて、3相コイル32のうちの第3相に対応する部分、すなわち、第3相部分323aは、3相コイル32のうちの第1相に対応する部分、すなわち、第1相部分321aに比べてステータコア31の中心の近くに位置している。言い換えると、3相コイル32の各コイルエンド32aにおいて、第3相のコイル323は、第1相のコイル321に比べて軸線Axの近くに位置している。
少なくとも1つの第1のレーシング材331、少なくとも1つの第2のレーシング材332、及び少なくとも1つの第3のレーシング材333は、3相コイル32に巻かれている。
第1のレーシング材331、第2のレーシング材332、及び第3のレーシング材333は、例えば、紐である。
第1のレーシング材331は、3相コイル32の第1相部分321a及び3相コイル32の第2相部分322aを保持している。すなわち、第1のレーシング材331は、第1相のコイル321及び第2相のコイル322を保持している。言い換えると、第1のレーシング材331は、第1相のコイル321及び第2相のコイル322に巻かれている。これにより、第1相のコイル321及び第2相のコイル322は、第1のレーシング材331で留められている。
第2のレーシング材332は、3相コイル32の第2相部分322a及び3相コイル32の第3相部分323aを保持している。すなわち、第2のレーシング材332は、第2相のコイル322及び第3相のコイル323を保持している。言い換えると、第2のレーシング材332は、第2相のコイル322及び第3相のコイル323に巻かれている。これにより、第2相のコイル322及び第3相のコイル323は、第2のレーシング材332で留められている。
第3のレーシング材333は、3相コイル32の第3相部分323a及び3相コイル32の第1相部分321aを保持している。すなわち、第3のレーシング材333は、第3相のコイル323及び第1相のコイル321を保持している。言い換えると、第3のレーシング材333は、第3相のコイル323及び第1相のコイル321に巻かれている。これにより、第3相のコイル323及び第1相のコイル321は、第3のレーシング材333で留められている。
第1のレーシング材331には、ワニス34が付着している。これにより、第1のレーシング材331が3相コイル32に固定されている。同様に、第2のレーシング材332には、ワニス34が付着している。これにより、第2のレーシング材332が3相コイル32に固定されている。同様に、第3のレーシング材333には、ワニス34が付着している。これにより、第3のレーシング材333が3相コイル32に固定されている。
第2のレーシング材332及び第3のレーシング材333のうちの少なくとも一方は、第1のレーシング材331よりも多く3相コイル32に巻かれている。言い換えると、第2のレーシング材332の巻回数及び第3のレーシング材333の巻回数のうちの少なくとも一方は、第1のレーシング材331の巻回数よりも多い。
図1に示される例では、第2のレーシング材332は、第1のレーシング材331及び第3のレーシング材333のうちの少なくとも一方よりも多く3相コイル32に巻かれている。言い換えると、第2のレーシング材332の巻回数は、第1のレーシング材331の巻回数及び第3のレーシング材333の巻回数のうちの少なくとも一方よりも多い。図1に示される例では、第2のレーシング材332は、第3のレーシング材333よりも多く3相コイル32に巻かれている。具体的には、第2のレーシング材332の巻回数は、第3のレーシング材333の巻回数よりも多く、第1のレーシング材331の巻回数と同じである。
ただし、第2のレーシング材332は、第1のレーシング材331及び第3のレーシング材333の両方よりも多く3相コイル32に巻かれていてもよい。すなわち、第2のレーシング材332の巻回数は、第1のレーシング材331の巻回数及び第3のレーシング材333の巻回数の両方よりも多くてもよい。
第2のレーシング材332に付着しているワニス34の量は、第1のレーシング材331に付着しているワニス34の量及び第3のレーシング材333に付着しているワニス34の量のうちの少なくとも一方よりも多い。図1に示される例では、第2のレーシング材332に付着しているワニス34の量は、第3のレーシング材333に付着しているワニス34の量よりも多く、第1のレーシング材331に付着しているワニス34の量と同じである。第2のレーシング材332に付着しているワニス34の量は、第1のレーシング材331に付着しているワニス34の量及び第3のレーシング材333に付着しているワニス34の量の両方よりも多くてもよい。
〈固定子3の製造方法〉
固定子3の製造方法の一例について説明する。
図6は、固定子3の製造工程の一例を示すフローチャートである。
図7は、ステップS11における第1相のコイル321の挿入工程を示す図である。
ステップS11では、図7に示されるように、予め作製されたステータコア31に、第1相のコイル321を分布巻きで取り付ける。具体的には、ステータコア31のスロット311内に、第1相のコイル321を挿入器具で挿入する。
図8は、ステップS12における第2相のコイル322の挿入工程を示す図である。
ステップS12では、図8に示されるように、第2相のコイル322を分布巻きで取り付ける。具体的には、ステータコア31のスロット311内に、第2相のコイル322を挿入器具で挿入する。
図9は、ステップS13における第3相のコイル323の挿入工程を示す図である。
ステップS13では、図9に示されるように、第3相のコイル323を分布巻きで取り付ける。具体的には、ステータコア31のスロット311内に、第3相のコイル323を挿入器具で挿入する。
ステップS11からステップS13では、3相コイル32の各コイルエンド32aにおいて、3相コイル32のうちの、第1相に対応する部分321a、第2相に対応する部分322a、及び第3相に対応する部分323aがステータコア31の周方向においてこの順に配列されるように、3相コイル32がステータコア31に取り付けられる。すなわち、ステップS11からステップS13では、3相コイル32の各コイルエンド32aにおいて、第1相のコイル321、第2相のコイル322、及び第3相のコイル323がステータコア31の周方向においてこの順に配列されるように、3相コイル32がステータコア31に取り付けられる。
さらに、ステップS11からステップS13では、3相コイル32の各コイルエンド32aにおいて、3相コイル32のうちの第3相に対応する部分、すなわち、第3相部分323aが、3相コイル32のうちの第1相に対応する部分、すなわち、第1相部分321aに比べてステータコア31の中心の近くに位置するように、3相コイル32がステータコア31に取り付けられる。すなわち、ステップS11からステップS13では、3相コイル32の各コイルエンド32aにおいて、第3相のコイル323が第1相のコイル321に比べてステータコア31の中心の近くに位置するように、3相コイル32がステータコア31に取り付けられる。
ステップS14では、第1相のコイル321、第2相のコイル322、及び第3相のコイル323を接続する。例えば、第1相のコイル321、第2相のコイル322、及び第3相のコイル323は、Y結線又はデルタ結線で接続される。
ステップS15では、第1のレーシング材331、第2のレーシング材332、及び第3のレーシング材333を3相コイル32に取り付ける。
具体的には、第1のレーシング材331を、第1相のコイル321及び第2相のコイル322に巻きつける。より具体的には、第1のレーシング材331を、第1相部分321a及び第2相部分322aに巻きつける。これにより、第1相のコイル321及び第2相のコイル322は、第1のレーシング材331で留められる。
同様に、第2のレーシング材332を、第2相のコイル322及び第3相のコイル323に巻きつける。より具体的には、第2のレーシング材332を、第2相部分322a及び第3相部分323aに巻きつける。これにより、第2相のコイル322及び第3相のコイル323は、第2のレーシング材332で留められる。
同様に、第3のレーシング材333を、第3相のコイル323及び第1相のコイル321に巻きつける。より具体的には、第3のレーシング材333を、第3相部分323a及び第1相部分321aに巻きつける。これにより、第3相のコイル323及び第1相のコイル321は、第3のレーシング材333で留められる。
ステップS15において、第2のレーシング材332及び第3のレーシング材333のうちの少なくとも一方が、第1のレーシング材331よりも多く3相コイル32に巻きつけられる。本実施の形態では、第2のレーシング材332が、第1のレーシング材331及び第3のレーシング材333のうちの少なくとも一方よりも多く3相コイル32に巻きつけられる。言い換えると、第2のレーシング材332の巻回数が第1のレーシング材331の巻回数及び第3のレーシング材333の巻回数のうちの少なくとも一方よりも多くなるように、第2のレーシング材332が、3相コイル32(具体的には、第2相部分322a及び第3相部分323a)に巻きつけられる。例えば、第2のレーシング材332が、第3のレーシング材333よりも多く3相コイル32に巻きつけられる。第2のレーシング材332が、第1のレーシング材331及び第3のレーシング材333の両方よりも多く3相コイル32に巻かれてもよい。
ステップS16では、ワニス34を、第1のレーシング材331、第2のレーシング材332、及び第3のレーシング材333に付着させる。例えば、第1のレーシング材331、第2のレーシング材332、及び第3のレーシング材333をワニス34に含侵させる。
第2のレーシング材332は、第1のレーシング材331及び第3のレーシング材333のうちの少なくとも一方よりも多く3相コイル32に巻かれているので、第2のレーシング材332に付着しているワニス34の量は、第1のレーシング材331に付着しているワニス34の量及び第3のレーシング材333に付着しているワニス34の量のうちの少なくとも一方よりも多い。これにより、第2のレーシング材332の保持力が強化される。その結果、第2相のコイル322及び第3相のコイル323をしっかり固定することができ、固定子3におけるワニス34の量を低減することができる。
ステップS17では、第1のレーシング材331、第2のレーシング材332、及び第3のレーシング材333に付着されたワニス34を硬化させる。例えば、第1のレーシング材331、第2のレーシング材332、及び第3のレーシング材333に付着されたワニス34を加熱器で加熱すると、ワニス34が硬化する。これにより、3相コイル32は、第1のレーシング材331、第2のレーシング材332、及び第3のレーシング材333で固定され、図1に示される固定子3が得られる。
変形例.
図10は、変形例に係る固定子3の構造の例を概略的に示す平面図である。
変形例に係る固定子3は、2つのコイルエンド32aにおいて、図10に示される構造を持つ。ただし、変形例に係る固定子3は、2つのコイルエンド32aの一方において、図10に示される構造を持っていればよい。
以下、変形例に係る固定子3に関し、実施の形態1に係る固定子3と異なる点を主に説明する。
変形例に係る固定子3では、第3のレーシング材333は、第1のレーシング材331及び第2のレーシング材332のうちの少なくとも一方よりも多く3相コイル32に巻かれている。図10に示される例では、第3のレーシング材333は、第1のレーシング材331よりも多く3相コイル32に巻かれている。より具体的には、図10に示される例では、第2のレーシング材332及び第3のレーシング材333の各々が、第1のレーシング材331よりも多く3相コイル32に巻かれている。第3のレーシング材333は、第1のレーシング材331及び第2のレーシング材332の両方よりも多く3相コイル32に巻かれていてもよい。
言い換えると、第3のレーシング材333の巻回数は、第1のレーシング材331の巻回数及び第2のレーシング材332の巻回数のうちの少なくとも一方よりも多い。図10に示される例では、第2のレーシング材332の巻回数及び第3のレーシング材333の巻回数の各々は、第1のレーシング材331の巻回数よりも多い。より具体的には、図10に示される例では、第3のレーシング材333の巻回数は、第1のレーシング材331の巻回数よりも多く、第2のレーシング材332の巻回数と同じである。第3のレーシング材333の巻回数は、第1のレーシング材331の巻回数及び第2のレーシング材332の巻回数の両方よりも多くてもよい。
第3のレーシング材333に付着しているワニス34の量は、第1のレーシング材331に付着しているワニス34の量及び第2のレーシング材332に付着しているワニス34の量のうちの少なくとも一方よりも多い。図10に示される例では、第2のレーシング材332に付着しているワニス34の量及び第3のレーシング材333に付着しているワニス34の量の各々は、第1のレーシング材331に付着しているワニス34の量よりも多い。より具体的には、図10に示される例では、第3のレーシング材333に付着しているワニス34の量は、第1のレーシング材331に付着しているワニス34の量よりも多く、第2のレーシング材332に付着しているワニス34の量と同じである。第3のレーシング材333に付着しているワニス34の量は、第1のレーシング材331に付着しているワニス34の量及び第2のレーシング材332に付着しているワニス34の量の両方よりも多くてもよい。
変形例に係る固定子3は、実施の形態1に係る固定子3の製造方法と同じ方法で製造できる。すなわち、図10に示される固定子3は、図6に示されるステップS11からステップS17までの製造工程と同じ工程に従って製造できる。
ただし、変形例において、ステップS15における処理は、実施の形態1に係る固定子3の製造方法の、ステップS15における処理と異なる。
具体的には、ステップS15において、第3のレーシング材333を、第1のレーシング材331及び第2のレーシング材332のうちの少なくとも一方よりも多く3相コイル32に巻きつける。言い換えると、第3のレーシング材333の巻回数が第1のレーシング材331の巻回数及び第2のレーシング材332の巻回数のうちの少なくとも一方よりも多くなるように、第3のレーシング材333を、3相コイル32(具体的には、第3相部分323a及び第1相部分321a)に巻きつける。例えば、第3のレーシング材333を、第1のレーシング材331よりも多く3相コイル32に巻きつける。第3のレーシング材333を、第1のレーシング材331及び第2のレーシング材332の両方よりも多く3相コイル32に巻いてもよい。
〈固定子3を利用した、回転子の永久磁石の着磁方法〉
固定子3を利用した、回転子の永久磁石の着磁方法について説明する。
図11は、回転子の永久磁石の着磁工程の一例を示すフローチャートである。
ステップS21では、固定子3を固定する。例えば、固定子3を圧縮機又は電動機内に、圧入又は焼き嵌めなどの固定方法で固定する。
ステップS22では、固定子3の内側に回転子を配置する。この回転子には、少なくとも1つの永久磁石が取り付けられている。
ステップS23では、着磁用の電源(単に電源ともいう)に3相コイル32を接続する。
図12は、実施の形態1に係る固定子3、すなわち、図1に示される固定子3において、Y結線で接続された3相コイル32と着磁用の電源との接続状態の一例を示す図である。
図13は、実施の形態1に係る固定子3、すなわち、図1に示される固定子3において、デルタ結線で接続された3相コイル32と着磁用の電源との接続状態の一例を示す図である。
図12に示される例では、電源のプラス側が第2相のコイル322に接続されており、電源のマイナス側が第1相のコイル321及び第3相のコイル323に接続されている。図13に示される例では、電源のプラス側が第1相のコイル321及び第2相のコイル322に接続されており、電源のマイナス側が第2相のコイル322及び第3相のコイル323に接続されている。
図14は、変形例に係る固定子3、すなわち、図10に示される固定子3において、Y結線で接続された3相コイル32と着磁用の電源との接続状態の一例を示す図である。
図15は、変形例に係る固定子3、すなわち、図10に示される固定子3において、デルタ結線で接続された3相コイル32と着磁用の電源との接続状態の一例を示す図である。
図14に示される例では、電源のプラス側が第3相のコイル323に接続されており、電源のマイナス側が第1相のコイル321及び第2相のコイル322に接続されている。図15に示される例では、電源のプラス側が第2相のコイル322及び第3相のコイル323に接続されており、電源のマイナス側が第1相のコイル321及び第3相のコイル323に接続されている。
ステップS24では、少なくとも1つの永久磁石を有する回転子の位置(具体的には、回転子の位相)を治具で固定する。
ステップS25では、永久磁石を着磁させる。具体的には、電源から3相コイル32に大きな電流を供給する。
図12に示される例では、電源から大きな電流が第2相のコイル322に流れ、第2相のコイル322からの電流が第1相のコイル321及び第3相のコイル323に分岐する。第2相のコイル322に流れる電流は、第1相のコイル321に流れる電流及び第3相のコイル323に流れる電流の各々よりも大きい。
図13に示される例では、電源から大きな電流が第2相のコイル322に流れる。言い換えると、第2相のコイル322に流れる電流は、第1相のコイル321に流れる電流及び第3相のコイル323に流れる電流の各々よりも大きい。
図14に示される例では、電源から大きな電流が第3相のコイル323に流れ、第3相のコイル323からの電流が第1相のコイル321及び第2相のコイル322に分岐する。第3相のコイル323に流れる電流は、第1相のコイル321に流れる電流及び第2相のコイル322に流れる電流の各々よりも大きい。
図15に示される例では、電源から大きな電流が第3相のコイル323に流れる。言い換えると、第3相のコイル323に流れる電流は、第1相のコイル321に流れる電流及び第2相のコイル322に流れる電流の各々よりも大きい。
図12から図15に示されるように、電源から3相コイル32に流れる電流によって磁場が生じ、回転子の永久磁石が着磁される。
ステップS26では、ステップS24で用いた治具を回転子から取り外す。
〈固定子3の利点〉
実施の形態1に係る固定子3(変形例を含む)の利点を説明する。
上述のように、実施の形態1に係る固定子3は、例えば、永久磁石を持つ回転子を有する電動機に適用される。例えば、電動機の製造工程、具体的には、永久磁石の着磁工程において、固定子3の内側にその回転子を配置した状態で、固定子3の3相コイル32に大きな電流を流し、回転子の永久磁石を着磁する。
図16は、電動機の製造工程、具体的には、永久磁石の着磁工程において、図14及び図15に示される3相コイル32に通電したとき、3相コイル32のコイルエンド32aに生じる径方向における電磁力F1の例を示す図である。
図14及び図15に示される例では、着磁用の電源から電流が3相コイル32に流れると、図16に示されるように、第2相のコイル322と第3相のコイル323との間で、互いに反発する径方向における電磁力F1が生じ、第1相のコイル321と第3相のコイル323との間で、互いに反発する径方向における電磁力F1が生じる。この電磁力F1は、ローレンツ力ともいう。
図17は、電動機の製造工程、具体的には、永久磁石の着磁工程において、図14及び図15に示される3相コイル32に通電したとき、3相コイル32のコイルエンド32aに生じる軸方向における電磁力F2の例を示す図である。
一般に、コイルエンドのような湾曲した経路に電流が流れる場合、湾曲した部分における内側と外側との間で電流によって生じる磁束密度に差が生じ、これらの磁束密度が均等になるようにコイルに力が生じる。これにより、コイルエンドにおいて、コイルエンドが直線状に変形しようとする力が生じる。コイルエンドの両端は、ステータコアに固定されているため、コイルエンドにおいて軸方向に力が働く。したがって、着磁用の電源から3相コイル32に電流が流れると、図17に示されるように、軸方向における電磁力F2が3相コイル32に生じる。
図18は、電動機内の回転子の永久磁石を着磁するときの、3相コイル32における結線パターンごとの径方向における電磁力F1の大きさの違いを示すグラフである。図18に示されるデータは、電磁界解析で解析した結果である。
結線パターンC1では、着磁用の電源から大きな電流が第1相のコイル321に流れ、第1相のコイル321に流れる電流は、第2相のコイル322に流れる電流及び第3相のコイル323に流れる電流の各々よりも大きい。
結線パターンC2では、着磁用の電源から大きな電流が第2相のコイル322に流れ、第2相のコイル322に流れる電流は、第1相のコイル321に流れる電流及び第3相のコイル323に流れる電流の各々よりも大きい。結線パターンC2は、例えば、図12及び図13に示される結線状態に対応する。
結線パターンC3では、着磁用の電源から大きな電流が第3相のコイル323に流れ、第3相のコイル323に流れる電流は、第1相のコイル321に流れる電流及び第2相のコイル322に流れる電流の各々よりも大きい。結線パターンC3は、例えば、図14及び図15に示される結線状態に対応する。
3相コイル32の各コイルエンド32aにおいて、第3相のコイル323は、第1相のコイル321に比べて軸線Axの近くに位置している。そのため、電動機内の回転子の永久磁石を着磁するとき、第3相のコイル323がステータコア31から外れる可能性がある。図18に示されるように、特に、結線パターンC1では、電動機内の回転子の永久磁石を着磁するとき、第1相のコイル321に生じる径方向における電磁力F1が非常に大きい。すなわち、第3相のコイル323は、第1相のコイル321と第3相のコイル323との間で生じる反発力を受けやすいため、この反発力により第3相のコイル323がステータコア31から外れる可能性がある。
そこで、本実施の形態では、第2のレーシング材332及び第3のレーシング材333のうちの少なくとも一方は、第1のレーシング材331よりも多く3相コイル32に巻かれている。すなわち、第3相のコイル323は、第2のレーシング材332及び第3のレーシング材333のうちの少なくとも一方でしっかり保持されている。これにより、3相コイル32における結線パターンに関わらず、第2のレーシング材332及び第3のレーシング材333のうちの少なくとも一方で3相コイル32、特に第3相のコイル323をしっかり固定することができ、回転子を固定子3の内側に配置した状態で回転子の永久磁石を着磁するときに、3相コイルの結線状態に関わらず、固定子3の3相コイル32の著しい変形を防ぐことができる。その結果、固定子3の品質を改善することができる。
さらに、第2のレーシング材332及び第3のレーシング材333のうちの少なくとも一方が、第1のレーシング材331よりも多く3相コイル32に巻かれていればよいので、レーシング材の数を低減することができ、固定子3のコストを低減することができる。これにより、3相コイル32の著しい変形を効率的に防ぐことができる。
さらに、第2のレーシング材332に付着しているワニス34の量は、第1のレーシング材331に付着しているワニス34の量及び第3のレーシング材333に付着しているワニス34の量のうちの少なくとも一方よりも多い。これにより、第2のレーシング材332の保持力が強化され、第2相のコイル322及び第3相のコイル323、特に第3相のコイル323をしっかり固定することができる。その結果、3相コイル32の著しい変形を防ぐことができる。
第2のレーシング材332に付着しているワニス34の量は、第3のレーシング材333に付着しているワニス34の量よりも多くてもよい。この場合、固定子3におけるワニス34の量を低減することができ、固定子3のコストを低減することができる。これにより、3相コイル32の著しい変形を効率的に防ぐことができる。
第2のレーシング材332及び第3のレーシング材333の各々が、第1のレーシング材331よりも多く3相コイル32に巻かれている場合、第3相のコイル323をさらにしっかり固定することができる。その結果、3相コイル32の著しい変形を防ぐことができる。
さらに、第2のレーシング材332に付着しているワニス34の量及び第3のレーシング材333に付着しているワニス34の量の各々が、第1のレーシング材331に付着しているワニス34の量よりも多い場合、第3相のコイル323をさらにしっかり固定することができる。その結果、3相コイル32の著しい変形を防ぐことができる。
図19は、電動機内の回転子の永久磁石を着磁するときの、3相コイル32における結線パターンごとの軸方向における電磁力F2の大きさの違いを示すグラフである。図19に示されるデータは、電磁界解析で解析した結果である。図19において、結線パターンC1,C2,C3は、図18における結線パターンC1,C2,C3にそれぞれ対応する。
図19に示されるように、軸方向における電磁力F2に関して、結線パターンに関わらず、3相コイル32のうちの1つのコイルに大きな軸方向における電磁力F2が生じる。具体的には、結線パターンC1では、第1相のコイル321に電源から大きな電流が流れ、第1相のコイル321に軸方向における大きな電磁力F2が生じる。結線パターンC2では、第2相のコイル322に電源から大きな電流が流れ、第2相のコイル322に軸方向における大きな電磁力F2が生じる。結線パターンC3では、第3相のコイル323に電源から大きな電流が流れ、第3相のコイル323に軸方向における大きな電磁力F2が生じる。
したがって、固定子3の望ましい例では、電源から3相コイル32に電流を流して永久磁石を着磁するとき、電源から供給される電流が第2相のコイル322を流れ、第2相のコイル322からの電流が第1相のコイル321及び第3相のコイル323に分岐するように、第1相のコイル321、第2相のコイル322、及び第3相のコイル323がY結線で接続されている(結線パターンC2)。この場合、第2のレーシング材332は、第1のレーシング材331よりも多く3相コイル32に巻かれていることが望ましい。これにより、上述のように、第1相のコイル321に生じる径方向における電磁力F1に対して第3相のコイル323を保持する保持力を高めることができる。さらに、第2相のコイル322に生じる軸方向における電磁力F2に対して第2相のコイル322を保持する保持力を高めることができる。その結果、レーシング材の数を低減することができ、3相コイル32の著しい変形を効率的に防ぐことができる。
固定子3の望ましい他の例では、電源から3相コイル32に電流を流して永久磁石を着磁するとき、電源から供給される電流が第3相のコイル323を流れ、第3相のコイル323からの電流が第1相のコイル321及び第2相のコイル322に分岐するように、第1相のコイル321、第2相のコイル322、及び第3相のコイル323がY結線で接続されている(結線パターンC3)。この場合、第3のレーシング材333は、第1のレーシング材331よりも多く3相コイル32に巻かれていることが望ましい。これにより、上述のように、第1相のコイル321に生じる径方向における電磁力F1に対して第3相のコイル323を保持する保持力を高めることができる。さらに、第3相のコイル323に生じる軸方向における電磁力F2に対して第3相のコイル323を保持する保持力を高めることができる。その結果、レーシング材の数を低減することができ、3相コイル32の著しい変形を効率的に防ぐことができる。
固定子3の望ましいさらに他の例では、電源から3相コイル32に電流を流して永久磁石を着磁するとき、電源から第2相のコイル322に流れる電流が、第1相のコイル321に流れる電流及び第3相のコイル323に流れる電流の各々よりも大きくなるように、第1相のコイル321、第2相のコイル322、及び第3相のコイル323がデルタ結線で接続されている。この場合、第2のレーシング材332は、第1のレーシング材331よりも多く3相コイル32に巻かれていることが望ましい。これにより、上述のように、第1相のコイル321に生じる径方向における電磁力F1に対して第3相のコイル323を保持する保持力を高めることができる。さらに、第2相のコイル322に生じる軸方向における電磁力F2に対して第2相のコイル322を保持する保持力を高めることができる。その結果、レーシング材の数を低減することができ、3相コイル32の著しい変形を効率的に防ぐことができる。
固定子3の望ましいさらに他の例では、電源から3相コイル32に電流を流して永久磁石を着磁するとき、電源から第3相のコイル32に流れる電流が、第1相のコイル321に流れる電流及び第2相のコイル322に流れる電流の各々よりも大きくなるように、第1相のコイル321、第2相のコイル322、及び第3相のコイル323がデルタ結線で接続されている。この場合、第3のレーシング材333は、第1のレーシング材331よりも多く3相コイル32に巻かれていることが望ましい。これにより、上述のように、第1相のコイル321に生じる径方向における電磁力F1に対して第3相のコイル323を保持する保持力を高めることができる。さらに、第3相のコイル323に生じる軸方向における電磁力F2に対して第3相のコイル323を保持する保持力を高めることができる。その結果、レーシング材の数を低減することができ、3相コイル32の著しい変形を効率的に防ぐことができる。
実施の形態2.
図20は、本発明の実施の形態2に係る電動機1の構造を概略的に示す部分断面図である。
電動機1は、回転子2と、実施の形態1に係る固定子3(変形例を含む)と、ベアリング14a及び14bと、回転子2に固定されたシャフト16とを有する。図20に示されるように、電動機1は、さらにブラケット13(フレームとも称する)を有してもよい。電動機1は、例えば、永久磁石同期電動機である。
回転子2は、固定子3の内側に回転可能に配置されている。回転子2は、少なくとも1つの永久磁石21を有する。回転子2と固定子3との間には、エアギャップが存在する。回転子2は、軸線Axを中心として回転する。
実施の形態2に係る電動機1は、実施の形態1に係る固定子3を有するので、実施の形態1で説明した利点を持つ。
例えば、電動機1の望ましい例では、電源から3相コイル32に電流を流して永久磁石21を着磁するとき、電源から供給される電流が第2相のコイル322を流れ、第2相のコイル322からの電流が第1相のコイル321及び第3相のコイル323に分岐するように、第1相のコイル321、第2相のコイル322、及び第3相のコイル323がY結線で接続されている(結線パターンC2)。この場合、第2のレーシング材332は、第1のレーシング材331よりも多く3相コイル32に巻かれていることが望ましい。これにより、上述のように、第1相のコイル321に生じる径方向における電磁力F1に対して第3相のコイル323を保持する保持力を高めることができる。さらに、第2相のコイル322に生じる軸方向における電磁力F2に対して第2相のコイル322を保持する保持力を高めることができる。その結果、レーシング材の数を低減することができ、3相コイル32の著しい変形を効率的に防ぐことができる。
電動機1の望ましい他の例では、電源から3相コイル32に電流を流して永久磁石21を着磁するとき、電源から供給される電流が第3相のコイル323を流れ、第3相のコイル323からの電流が第1相のコイル321及び第2相のコイル322に分岐するように、第1相のコイル321、第2相のコイル322、及び第3相のコイル323がY結線で接続されている(結線パターンC3)。この場合、第3のレーシング材333は、第1のレーシング材331よりも多く3相コイル32に巻かれていることが望ましい。これにより、上述のように、第1相のコイル321に生じる径方向における電磁力F1に対して第3相のコイル323を保持する保持力を高めることができる。さらに、第3相のコイル323に生じる軸方向における電磁力F2に対して第3相のコイル323を保持する保持力を高めることができる。その結果、レーシング材の数を低減することができ、3相コイル32の著しい変形を効率的に防ぐことができる。
電動機1の望ましいさらに他の例では、電源から3相コイル32に電流を流して永久磁石21を着磁するとき、電源から第2相のコイル322に流れる電流が、第1相のコイル321に流れる電流及び第3相のコイル323に流れる電流の各々よりも大きくなるように、第1相のコイル321、第2相のコイル322、及び第3相のコイル323がデルタ結線で接続されている。この場合、第2のレーシング材332は、第1のレーシング材331よりも多く3相コイル32に巻かれていることが望ましい。これにより、上述のように、第1相のコイル321に生じる径方向における電磁力F1に対して第3相のコイル323を保持する保持力を高めることができる。さらに、第2相のコイル322に生じる軸方向における電磁力F2に対して第2相のコイル322を保持する保持力を高めることができる。その結果、レーシング材の数を低減することができ、3相コイル32の著しい変形を効率的に防ぐことができる。
電動機1の望ましいさらに他の例では、電源から3相コイル32に電流を流して永久磁石21を着磁するとき、電源から第3相のコイル32に流れる電流が、第1相のコイル321に流れる電流及び第2相のコイル322に流れる電流の各々よりも大きくなるように、第1相のコイル321、第2相のコイル322、及び第3相のコイル323がデルタ結線で接続されている。この場合、第3のレーシング材333は、第1のレーシング材331よりも多く3相コイル32に巻かれていることが望ましい。これにより、上述のように、第1相のコイル321に生じる径方向における電磁力F1に対して第3相のコイル323を保持する保持力を高めることができる。さらに、第3相のコイル323に生じる軸方向における電磁力F2に対して第3相のコイル323を保持する保持力を高めることができる。その結果、レーシング材の数を低減することができ、3相コイル32の著しい変形を効率的に防ぐことができる。
実施の形態2に係る電動機1は、実施の形態1に係る固定子3を有するので、電動機1のコストを低減することができ、電動機1の品質を改善することができる。
さらに、実施の形態2に係る電動機1は、実施の形態1で説明した着磁工程を用いて製造することができる。これにより、電動機1内で回転子2の永久磁石21を着磁することができるので、電動機1の外で着磁を行う方法に比べて、電動機1を容易に組み立てることができる。
実施の形態3.
本発明の実施の形態3に係る圧縮機6について説明する。
図21は、実施の形態3に係る圧縮機6の構造を概略的に示す断面図である。
圧縮機6は、電動要素としての電動機1と、ハウジングとしての密閉容器61と、圧縮要素(圧縮装置ともいう)としての圧縮機構62とを有する。本実施の形態では、圧縮機6は、ロータリー圧縮機である。ただし、圧縮機6は、ロータリー圧縮機に限定されない。
圧縮機6内の電動機1は、実施の形態2で説明した電動機1である。電動機1は、圧縮機構62を駆動する。
密閉容器61は、電動機1及び圧縮機構62を覆う。密閉容器61は、円筒状の容器である。密閉容器61の底部には、圧縮機構62の摺動部分を潤滑する冷凍機油が貯留されている。
圧縮機6は、さらに、密閉容器61に固定されたガラス端子63と、アキュムレータ64と、吸入パイプ65と、吐出パイプ66とを有する。
圧縮機構62は、シリンダ62aと、ピストン62bと、上部フレーム62c(第1のフレームとも称する)と、下部フレーム62d(第2のフレームとも称する)と、上部フレーム62c及び下部フレーム62dに取り付けられた複数のマフラ62eとを有する。圧縮機構62は、さらに、シリンダ62a内を吸入側と圧縮側とに分けるベーンを有する。圧縮機構62は、密閉容器61内に配置されている。圧縮機構62は、電動機1によって駆動される。
電動機1は、圧入又は焼き嵌めで密閉容器61内に固定されている。圧入及び焼き嵌めの代わりに溶接で電動機1を密閉容器61に直接取り付けてもよい。
電動機1のコイル(例えば、実施の形態1で説明した3相コイル32)には、ガラス端子63を通して電力が供給される。
電動機1の回転子2(具体的には、シャフト16の片側)は、上部フレーム62c及び下部フレーム62dの各々に備えられた軸受けによって回転自在に支持されている。
ピストン62bには、シャフト16が挿通されている。上部フレーム62c及び下部フレーム62dには、シャフト16が回転自在に挿通されている。上部フレーム62c及び下部フレーム62dは、シリンダ62aの端面を閉塞する。アキュムレータ64は、吸入パイプ65を通して冷媒(例えば、冷媒ガス)をシリンダ62aに供給する。
次に、圧縮機6の動作について説明する。アキュムレータ64から供給された冷媒は、密閉容器61に固定された吸入パイプ65からシリンダ62a内へ吸入される。電動機1が回転することにより、シャフト16に嵌合されたピストン62bがシリンダ62a内で回転する。これにより、シリンダ62a内で冷媒が圧縮される。
圧縮された冷媒は、マフラ62eを通り、密閉容器61内を上昇する。このようにして、圧縮された冷媒が、吐出パイプ66を通って冷凍サイクルの高圧側へ供給される。
圧縮機6の冷媒として、R410A、R407C、又はR22等を用いることができる。ただし、圧縮機6の冷媒は、これらの種類に限られない。圧縮機6の冷媒として、GWP(地球温暖化係数)が小さい冷媒、例えば、下記の冷媒を用いることができる。
(1)組成中に炭素の二重結合を有するハロゲン化炭化水素、例えばHFO(Hydro-Fluoro-Orefin)-1234yf(CF3CF=CH2)を用いることができる。HFO-1234yfのGWPは4である。
(2)組成中に炭素の二重結合を有する炭化水素、例えばR1270(プロピレン)を用いてもよい。R1270のGWPは3であり、HFO-1234yfより低いが、可燃性はHFO-1234yfより高い。
(3)組成中に炭素の二重結合を有するハロゲン化炭化水素又は組成中に炭素の二重結合を有する炭化水素の少なくとも何れかを含む混合物、例えばHFO-1234yfとR32との混合物を用いてもよい。上述したHFO-1234yfは低圧冷媒のため圧損が大きくなる傾向があり、冷凍サイクル(特に蒸発器)の性能低下を招く可能性がある。そのため、HFO-1234yfよりも高圧冷媒であるR32又はR41との混合物を用いることが実用上は望ましい。
実施の形態3に係る圧縮機6は、実施の形態1及び2で説明した利点を持つ。
さらに、実施の形態3に係る圧縮機6は、実施の形態2に係る電動機1を有するので、圧縮機のコストを低減することができ、圧縮機6の品質を改善することができる。
さらに、実施の形態3に係る圧縮機6は、実施の形態1で説明した着磁工程を用いて製造することができる。これにより、圧縮機6内で回転子2の永久磁石21を着磁することができるので、圧縮機6の外で着磁を行う方法に比べて、圧縮機6を容易に組み立てることができる。
実施の形態4.
実施の形態3に係る圧縮機6を有する、空気調和機としての冷凍空調装置7について説明する。
図22は、本発明の実施の形態4に係る冷凍空調装置7の構成を概略的に示す図である。
冷凍空調装置7は、例えば、冷暖房運転が可能である。図22に示される冷媒回路図は、冷房運転が可能な空気調和機の冷媒回路図の一例である。
実施の形態4に係る冷凍空調装置7は、室外機71と、室内機72と、室外機71及び室内機72を接続する冷媒配管73とを有する。
室外機71は、圧縮機6と、熱交換器としての凝縮器74と、絞り装置75と、室外送風機76(第1の送風機)とを有する。凝縮器74は、圧縮機6によって圧縮された冷媒を凝縮する。絞り装置75は、凝縮器74によって凝縮された冷媒を減圧し、冷媒の流量を調節する。絞り装置75は、減圧装置とも言う。
室内機72は、熱交換器としての蒸発器77と、室内送風機78(第2の送風機)とを有する。蒸発器77は、絞り装置75によって減圧された冷媒を蒸発させ、室内空気を冷却する。
冷凍空調装置7における冷房運転の基本的な動作について以下に説明する。冷房運転では、冷媒は、圧縮機6によって圧縮され、凝縮器74に流入する。凝縮器74によって冷媒が凝縮され、凝縮された冷媒が絞り装置75に流入する。絞り装置75によって冷媒が減圧され、減圧された冷媒が蒸発器77に流入する。蒸発器77において冷媒は蒸発し、冷媒(具体的には、冷媒ガス)が再び室外機71の圧縮機6へ流入する。室外送風機76によって空気が凝縮器74に送られると冷媒と空気との間で熱が移動し、同様に、室内送風機78によって空気が蒸発器77に送られると冷媒と空気との間で熱が移動する。
以上に説明した冷凍空調装置7の構成及び動作は、一例であり、上述した例に限定されない。
実施の形態4に係る冷凍空調装置7によれば、実施の形態1から3で説明した利点を持つ。
さらに、実施の形態4に係る冷凍空調装置7は、実施の形態3に係る圧縮機6を有するので、冷凍空調装置7のコストを低減することができ、冷凍空調装置7の品質を改善することができる。
以上に説明したように、好ましい実施の形態を具体的に説明したが、本発明の基本的技術思想及び教示に基づいて、当業者であれば、種々の改変態様を採り得ることは自明である。
以上に説明した各実施の形態における特徴は、互いに適宜組み合わせることができる。
1 電動機、 2 回転子、 3 固定子、 6 圧縮機、 7 冷凍空調装置、 31 ステータコア、 32 3相コイル、 32a コイルエンド、 34 ワニス、 61 密閉容器、 62 圧縮機構、 74 凝縮器、 77 蒸発器、 321 第1相のコイル、 322 第2相のコイル、 323 第3相のコイル、 331 第1のレーシング材、 332 第2のレーシング材、 333 第3のレーシング材。

Claims (12)

  1. ステータコアと、
    前記ステータコアに分布巻きで取り付けられており、第1相のコイル、第2相のコイル、及び第3相のコイルを有する3相コイルと、
    前記3相コイルに巻かれた第1のレーシング材と、
    前記3相コイルに巻かれた第2のレーシング材と、
    前記3相コイルに巻かれた第3のレーシング材と
    を備え、
    前記3相コイルのコイルエンドにおいて、前記第1相のコイル、前記第2相のコイル、及び前記第3相のコイルは、前記ステータコアの周方向においてこの順に配列されており、
    前記コイルエンドにおいて、前記第3相のコイルは、前記第1相のコイルに比べて前記ステータコアの中心の近くに位置しており、
    前記第1のレーシング材は、前記第1相のコイル及び前記第2相のコイルを保持しており、
    前記第2のレーシング材は、前記第2相のコイル及び前記第3相のコイルを保持しており、
    前記第3のレーシング材は、前記第3相のコイル及び前記第1相のコイルを保持しており、
    前記第2のレーシング材は、前記第1のレーシング材及び前記第3のレーシング材のうちの少なくとも一方よりも多く前記3相コイルに巻かれており、
    毎極毎相スロット数は1であり、
    前記3相コイルは、デルタ結線で接続されている
    固定子。
  2. 前記第2のレーシング材は、前記第3のレーシング材よりも多く前記3相コイルに巻かれている請求項1に記載の固定子。
  3. 前記第2のレーシング材及び前記第3のレーシング材の各々が、前記第1のレーシング材よりも多く前記3相コイルに巻かれている請求項1又は2に記載の固定子。
  4. 前記第1のレーシング材、前記第2のレーシング材、及び前記第3のレーシング材に付着しているワニスをさらに備え、
    前記第2のレーシング材に付着している前記ワニスの量は、前記第1のレーシング材に付着している前記ワニスの量及び前記第3のレーシング材に付着している前記ワニスの量のうちの少なくとも一方よりも多い
    請求項1から3のいずれか1項に記載の固定子。
  5. 前記第2のレーシング材に付着している前記ワニスの量は、前記第3のレーシング材に付着している前記ワニスの量よりも多い請求項4に記載の固定子。
  6. 前記第2のレーシング材に付着している前記ワニスの量及び前記第3のレーシング材に付着している前記ワニスの量の各々は、前記第1のレーシング材に付着している前記ワニスの量よりも多い請求項4又は5に記載の固定子。
  7. 請求項1から6のいずれか1項に記載の固定子と、
    前記固定子の内側に配置されており、永久磁石を有する回転子と
    を備える電動機。
  8. 電源から前記3相コイルに電流を流して前記永久磁石を着磁するとき、前記電源から前記第2相のコイルに流れる電流が、前記第1相のコイルに流れる電流及び前記第3相のコイルに流れる電流の各々よりも大きくなるように、前記第1相のコイル、前記第2相のコイル、及び前記第3相のコイルがデルタ結線で接続されている
    請求項に記載の電動機。
  9. 電源から前記3相コイルに電流を流して前記永久磁石を着磁するとき、前記電源から前記第3相のコイルに流れる電流が、前記第1相のコイルに流れる電流及び前記第2相のコイルに流れる電流の各々よりも大きくなるように、前記第1相のコイル、前記第2相のコイル、及び前記第3相のコイルがデルタ結線で接続されている
    請求項に記載の電動機。
  10. 密閉容器と、
    前記密閉容器内に配置された圧縮装置と、
    前記圧縮装置を駆動する、請求項からのいずれか1項に記載の電動機と
    を備える圧縮機。
  11. 請求項10に記載の圧縮機と、
    熱交換器と
    を備える空気調和機。
  12. ステータコアと、前記ステータコアに分布巻きで取り付けられており、第1相のコイル、第2相のコイル、及び第3相のコイルを有する3相コイルとを有する固定子の製造方法であって、
    前記3相コイルのコイルエンドにおいて、前記第1相のコイル、前記第2相のコイル、及び前記第3相のコイルが前記ステータコアの周方向においてこの順に配列されるように、且つ前記コイルエンドにおいて、前記第3相のコイルが前記第1相のコイルに比べて前記ステータコアの中心の近くに位置するように、前記3相コイルを前記ステータコアに取り付けることと、
    前記第1相のコイル、前記第2相のコイル、及び前記第3相のコイルを、デルタ結線で接続することと、
    第1のレーシング材、第2のレーシング材、及び第3のレーシング材を前記3相コイルに巻きつけることと
    を備え、
    前記第2のレーシング材及び前記第3のレーシング材のうちの少なくとも一方は、前記第1のレーシング材よりも多く前記3相コイルに巻きつけられており、
    毎極毎相スロット数は1である
    固定子の製造方法。
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