JP7205322B2 - 血液抗凝固剤の一斉分析方法 - Google Patents
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Description
生体由来試料に対しタンパク質を除去する処理を行う前処理工程と、
前記前処理工程でタンパク質が除去されたあとの試料溶液を液体クロマトグラフ-タンデム型質量分析装置に導入し、液体クロマトグラフで試料溶液中の前記複数種類の血液抗凝固剤を分離しつつ該液体クロマトグラフからの溶出液に対し質量分析装置で順に質量分析を行う分析実行工程と、
前記分析実行工程で得られた分析結果に基づいて、前記複数種類の血液抗凝固剤を定性する信号処理を行う定性処理工程と、
を含み、前記分析実行工程では、前記複数種類の血液抗凝固剤がそれぞれ液体クロマトグラフから溶出すると推定されるタイミングで各血液抗凝固剤に対応付けられたMRMトランジションについてのMRM測定を実行し、且つ、前記質量分析装置において検出感度に影響を与える分析パラメータを、ビタミンKアンタゴニストについてのMRM測定を実行する際の検出感度が最良な状態よりも低い状態になるように定めるようにしたものである。
生体由来試料に対しタンパク質を除去する処理を行う前処理工程と、
前記前処理工程でタンパク質が除去されたあとの試料溶液を液体クロマトグラフ-タンデム型質量分析装置に導入し、液体クロマトグラフで試料溶液中の前記複数種類の血液抗凝固剤を分離しつつ該液体クロマトグラフからの溶出液に対し質量分析装置で順に質量分析を行う分析実行工程と、
前記分析実行工程で得られた分析結果に基づいて、前記複数種類の血液抗凝固剤を定性する信号処理を行う定性処理工程と、
を含み、前記分析実行工程では、前記複数種類の血液抗凝固剤がそれぞれ液体クロマトグラフから溶出すると推定されるタイミングで各血液抗凝固剤に対応付けられたMRMトランジションについてのMRM測定を実行し、且つ、前記質量分析装置において検出感度に影響を与える分析パラメータを、ビタミンKアンタゴニストについてのMRM測定を実行する際の検出感度がトロンビン阻害薬及び第Xa因子阻害薬についてのMRM測定を実行する際の検出感度よりも低くなるように定めるようにしたものである。
図1は、本実施形態による血液抗凝固剤の一斉分析方法を実施するための液体クロマトグラフ-タンデム型質量分析装置(LC-MS/MS)の一実施例の概略構成図である。
液体クロマトグラフ部1は、移動相貯留容器10と、送液ポンプ11と、インジェクタ12と、カラム13と、カラムオーブン14と、を含む。
図1に示したLC-MS/MSにおける典型的な分析動作を概略的に説明する。
液体クロマトグラフ部1において送液ポンプ11は、移動相貯留容器10から移動相を吸引して、一定の流速でカラム13へ送る。インジェクタ12は制御部5からの指示に応じて、予め用意された試料を所定のタイミングで移動相中に注入する。注入された試料は移動相の流れに乗ってカラム13に導入され、カラム13中を通過する間に、該試料に含まれる各種成分は時間方向に分離されてカラム13出口から溶出する。カラムオーブン14は分析中にカラム13を一定温度に保つ。
次に、上記LC-MS/MSを用いた血液抗凝固剤の一斉分析方法を、図2を参照して説明する。図2は、血液抗凝固剤の一斉分析方法における作業及び処理の手順を示すフローチャートである。
本実施形態の一斉分析方法による測定対象のサンプルは、被検者から採取した血液から取り出しした血漿である。但し、血漿ではなく血清を用いてもよい。また、分析対象の成分である血液抗凝固剤は次の9種類である。
○ビタミンKアンタゴニスト: ワルファリン(Warfarin)、アセノクマロール(Acenocoumarol)、フルインジオン(Fluindione)、の3種類。
○トロンビン阻害薬: ダビガトラン(Dabigatran)、アルガトロバン(Argatroban)、の2種類。
○第Xa因子阻害薬: エドキサバン(Edoxaban)、アピキサバン(Apixaban)、リバーロキサバン(Rivaroxaban)、ベトリキサバン(Betrixaban)、の4種類。
ここでは、分析対象の成分が予め決まっているので、各成分に対応するMRMトランジション(プリカーサイオンのm/zとプロダクトイオンのm/zとの組合せ)は既知である。また、各成分に対応する保持時間、つまり液体クロマトグラフ部1のカラム13から溶出して質量分析部2に導入されるタイミングは、LC分離条件に応じて概ね決めることができる。本実施形態の分析方法では、実験の結果に基づき、液体クロマトグラフ部1におけるLC分離条件を次のように定めた。
移動相A: 水+5mM 蟻酸アンモニウム+蟻酸(0.1%)
移動相B: 水:メタノール=1:9+5mM 蟻酸アンモニウム+蟻酸(0.1%)
○グラジエント条件(移動相Bの濃度%): 0min~0.5min:2%→0.5min~2.5min:2%~50%→2.5min~3min:50%~98%→3min~5min:98%→5.01min~7min:2%
○オートサンプラ(インジェクタ)のリンス液: 水:メタノール=1:1+蟻酸(0.1%)
○カラムの種類: ODSカラム
オートサンプラのリンス液として酸性のものを用いることで、ステンレス製であるニードル部に吸着するサンプルを洗い流し、キャリーオーバーを低減することができる。また、同様の理由で、カラムはステンレスフリーであることが望ましい。
なお、パラメータ自動調整部51は、コリジョンエネルギの最適値を探索したあとに、その最適値から所定値を減少又は増加させることで検出感度を下げたコリジョンエネルギの値を求めるのではなく、コリジョンエネルギが最適値であるときのイオン強度からイオン強度が所定割合だけ下がるようなコリジョンエネルギを標準試料に対する測定により探索するようにしてもよい。
以下、図2に従って、一斉分析における作業及び処理を説明する。
未知サンプルを測定する際にはまず、血液サンプル(血漿)に対し前処理として除タンパク処理を実施し、測定に供する試料溶液を調製する(ステップS1)。具体的には、サンプルに、アセトニトリル40%、メタノール40%、水20%の組成である抽出液を添加し、撹拌したあとに所定時間静置する。これを遠心分離機で遠心分離し、析出したタンパク質を沈殿させて上清を採取してサンプルとする。もちろん、除タンパク処理の手法はこれに限らず、一般的に利用されている様々な手法を用いることができる。
続いて上記のように調製されたサンプルをLC-MS/MSにセットし、測定を開始する(ステップS2)。このとき、分析制御部52は上述したように予め制御シーケンス記憶部50に格納されている制御シーケンスに従って各部を制御する。これにより、調製されたサンプルがインジェクタ12において移動相中に注入され、カラム13に導入される。そして、カラム13をサンプルが通過する間に、サンプル中の各種血液抗凝固剤が時間方向に分離される。
本発明の第1の態様に係る血液抗凝固剤の一斉分析方法は、生体由来試料中の、ビタミンKアンタゴニスト、並びに、トロンビン阻害薬及び/又は第Xa因子阻害薬を含む複数種類の血液抗凝固剤、を分析する方法であって、
生体由来試料に対しタンパク質を除去する処理を行う前処理工程と、
前記前処理工程でタンパク質が除去されたあとの試料溶液を液体クロマトグラフ-タンデム型質量分析装置に導入し、液体クロマトグラフで試料溶液中の前記複数種類の血液抗凝固剤を分離しつつ該液体クロマトグラフからの溶出液に対し質量分析装置で順に質量分析を行う分析実行工程と、
前記分析実行工程で得られた分析結果に基づいて、前記複数種類の血液抗凝固剤を定性する信号処理を行う定性処理工程と、
を含み、前記分析実行工程では、前記複数種類の血液抗凝固剤がそれぞれ液体クロマトグラフから溶出すると推定されるタイミングで各血液抗凝固剤に対応付けられたMRMトランジションについてのMRM測定を実行し、且つ、前記質量分析装置において検出感度に影響を与える分析パラメータを、ビタミンKアンタゴニストについてのMRM測定を実行する際の検出感度が最良な状態よりも低い状態になるように定めるようにしている。
生体由来試料に対しタンパク質を除去する処理を行う前処理工程と、
前記前処理工程でタンパク質が除去されたあとの試料溶液を液体クロマトグラフ-タンデム型質量分析装置に導入し、液体クロマトグラフで試料溶液中の前記複数種類の血液抗凝固剤を分離しつつ該液体クロマトグラフからの溶出液に対し質量分析装置で順に質量分析を行う分析実行工程と、
前記分析実行工程で得られた分析結果に基づいて、前記複数種類の血液抗凝固剤を定性する信号処理を行う定性処理工程と、
を含み、前記分析実行工程では、前記複数種類の血液抗凝固剤がそれぞれ液体クロマトグラフから溶出すると推定されるタイミングで各血液抗凝固剤に対応付けられたMRMトランジションについてのMRM測定を実行し、且つ、前記質量分析装置において検出感度に影響を与える分析パラメータを、ビタミンKアンタゴニストについてのMRM測定を実行する際の検出感度がトロンビン阻害薬及び第Xa因子阻害薬についてのMRM測定を実行する際の検出感度よりも低くなるように定めるようにしている。
10…移動相貯留容器
11…送液ポンプ
12…インジェクタ
13…カラム
14…カラムオーブン
2…質量分析部
20…チャンバ
21…イオン化室
22…第1中間真空室
23…第2中間真空室
24…高真空室
25…ESIプローブ
26…脱溶媒管
27…イオンガイド
28…スキマー
29…多重極型イオンガイド
30…前段四重極マスフィルタ
31…コリジョンセル
32…イオンガイド
33…後段四重極マスフィルタ
34…検出器
3…電圧生成部
4…データ処理部
40…クロマトグラム作成部
41…定性分析部
42…定量分析部
5…制御部
50…制御シーケンス記憶部
51…パラメータ自動調整部
52…分析制御部
6…入力部
7…表示部
Claims (6)
- 生体由来試料中の、ビタミンKアンタゴニスト、並びに、トロンビン阻害薬及び/又は第Xa因子阻害薬を含む複数種類の血液抗凝固剤、を分析する方法であって、
生体由来試料に対しタンパク質を除去する処理を行う前処理工程と、
前記前処理工程でタンパク質が除去されたあとの試料溶液を液体クロマトグラフ-タンデム型質量分析装置に導入し、液体クロマトグラフで試料溶液中の前記複数種類の血液抗凝固剤を分離しつつ該液体クロマトグラフからの溶出液に対し質量分析装置で順に質量分析を行う分析実行工程と、
前記分析実行工程で得られた分析結果に基づいて、前記複数種類の血液抗凝固剤を定性する信号処理を行う定性処理工程と、
を含み、前記分析実行工程では、前記複数種類の血液抗凝固剤がそれぞれ液体クロマトグラフから溶出すると推定されるタイミングで各血液抗凝固剤に対応付けられたMRMトランジションについてのMRM測定を実行し、且つ、前記質量分析装置において検出感度に影響を与える分析パラメータを、ビタミンKアンタゴニストについてのMRM測定を実行する際の検出感度が最良な状態よりも低い状態になるように定めるようにした、血液抗凝固剤の一斉分析方法。 - 生体由来試料中の、ビタミンKアンタゴニスト、並びに、トロンビン阻害薬及び/又は第Xa因子阻害薬を含む複数種類の血液抗凝固剤、を分析する方法であって、
生体由来試料に対しタンパク質を除去する処理を行う前処理工程と、
前記前処理工程でタンパク質が除去されたあとの試料溶液を液体クロマトグラフ-タンデム型質量分析装置に導入し、液体クロマトグラフで試料溶液中の前記複数種類の血液抗凝固剤を分離しつつ該液体クロマトグラフからの溶出液に対し質量分析装置で順に質量分析を行う分析実行工程と、
前記分析実行工程で得られた分析結果に基づいて、前記複数種類の血液抗凝固剤を定性する信号処理を行う定性処理工程と、
を含み、前記分析実行工程では、前記複数種類の血液抗凝固剤がそれぞれ液体クロマトグラフから溶出すると推定されるタイミングで各血液抗凝固剤に対応付けられたMRMトランジションについてのMRM測定を実行し、且つ、前記質量分析装置において検出感度に影響を与える分析パラメータを、ビタミンKアンタゴニストについてのMRM測定を実行する際の検出感度がトロンビン阻害薬及び第Xa因子阻害薬についてのMRM測定を実行する際の検出感度よりも低くなるように定めるようにした、血液抗凝固剤の一斉分析方法。 - 前記生体由来試料は血漿又は血清である、請求項1又は2に記載の血液抗凝固剤の一斉分析方法。
- 前記分析パラメータはイオンを解離させるためのコリジョンエネルギである、請求項1~3のいずれか1項に記載の血液抗凝固剤の一斉分析方法。
- 前記複数種類の血液抗凝固剤は少なくとも、ビタミンKアンタゴニストであるワルファリン、アセノクマロール、及びフルインジオンと、トロンビン阻害薬であるダビガトラン及びアルガトロバンと、第Xa因子阻害薬であるエドキサバン、アピキサバン、リバーロキサバン、及びベトリキサバンと、の9種類である、請求項1~4のいずれか1項に記載の血液抗凝固剤の一斉分析方法。
- 前記定性処理工程による定性処理に引き続いて、分析結果に基づいて、存在が確認された血液抗凝固剤についての定量処理を行って濃度を算出する定量処理工程をさらに含む、請求項1~5のいずれか1項に記載の血液抗凝固剤の一斉分析方法。
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