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JP7207130B2 - フロー電池 - Google Patents
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Description

本開示は、フロー電池に関する。
電解液を循環させて充放電を行うフロー電池が知られている。フロー電池は、低コスト、安全、長寿命といった多くのメリットがある。例えば特許文献1、2には、メディエータとして、ポリオキソメタレートを用いたフロー電池が開示されている。
特開2016-085955号公報 特開2017-147045号公報
例えば、正極側のメディエータとしてポリオキソメタレートを用いた場合、正極固体活物質の酸化還元電位が高いと、充放電できない場合がある。本開示は、上記実情に鑑みてなされたものであり、正極固体活物質の酸化還元電位が高い場合であっても、充放電可能なフロー電池を提供することを主目的とする。
上記課題を解決するために、本開示においては、正極と、負極と、セパレータと、を有するフロー電池であって、上記正極が、Na元素を含有する正極固体活物質と、正極メディエータを含有する電解液と、を有し、上記正極固体活物質の酸化還元電位が、0.35V(vs. Ag/AgCl)以上であり、上記電解液が、上記正極メディエータとして、上記正極固体活物質の酸化還元電位よりも高い酸化還元電位を有する第一のメディエータと、上記正極固体活物質の酸化還元電位よりも低い酸化還元電位を有する第二のメディエータと、を含有する、フロー電池を提供する。
本開示によれば、正極メディエータとして、第一のメディエータおよび第二のメディエータを組み合わせて用いることにより、正極固体活物質の酸化還元電位が高い場合であっても、充放電可能なフロー電池とすることができる。
本開示においては、正極固体活物質の酸化還元電位が高い場合であっても、充放電可能なフロー電池とすることができるという効果を奏する。
本開示におけるフロー電池を例示する模式図である。 実施例1における正極固体活物質および正極メディエータに対する酸化還元電位測定の結果である。 実施例1で得られたフロー電池に対する充放電試験の結果である。 実施例1~3で得られたフロー電池の放電曲線である。 比較例1で得られたフロー電池に対する充放電試験の結果である。
以下、本開示におけるフロー電池について、詳細に説明する。
図1は、本開示におけるフロー電池を例示する模式図である。図1に示されるフロー電池100は、ケース40と、ケース40の内部を正極室11と負極室21とに分離するセパレータ30と、を有する。正極室11には、正極集電体12および正極拡散層13が配置されている。また、負極室21には、負極集電体22および負極拡散層23が配置されている。
また、正極室11と正極リザーバ容器14との間には循環経路18が備えられ、この循環経路18の途中に循環ポンプ19が取り付けられている。一方、負極室21と負極リザーバ容器24との間には循環経路28が備えられ、この循環経路28の途中に循環ポンプ29が取り付けられている。
また、正極リザーバ容器14の内部に、Na元素を含有する正極固体活物質15と、正極メディエータを含有する電解液16とが貯留しており、フィルタ17によって正極固体活物質15の流出を防止している。一方、負極リザーバ容器24の内部に、負極固体活物質25と、負極メディエータを含有する電解液26とが貯留しており、フィルタ27によって負極固体活物質25の流出を防止している。
本開示においては、正極固体活物質15の酸化還元電位が高いことを特徴とする。また、電解液16が、正極メディエータとして、正極固体活物質15の酸化還元電位よりも高い酸化還元電位を有する第一のメディエータと、正極固体活物質15の酸化還元電位よりも低い酸化還元電位を有する第二のメディエータと、を含有することを特徴とする。
本開示によれば、正極メディエータとして、第一のメディエータおよび第二のメディエータを組み合わせて用いることにより、正極固体活物質の酸化還元電位が高い場合であっても、充放電可能なフロー電池とすることができる。
従来、フロー電池(レドックスフロー電池)の正極固体活物質として、リン酸鉄リチウム等の比較的低電位な材料(例えば、0.30V vs. Ag/AgCl以下の材料)が用いられてきた。これに対して、エネルギー密度向上の観点では、リン酸バナジウム酸ナトリウム、プルシアンブルー類似体等の比較的高電位な材料(例えば、0.35V vs. Ag/AgCl以上)の材料が好ましい。ここで、特許文献1には、正極メディエータとして、ポリオキソメタレートが開示されている。しかしながら、ポリオキソメタレートと、比較的高電位な材料とを組み合せて用いると、充電時にポリオキソメタレートの電位を、正極固体活物質の電位よりも高くすることができないため、充電が困難になる。
より具体的には、充電時において、正極メディエータの電位が正極固体活物質の電位よりも高いと、正極メディエータから正極固体活物質へ電子が流れ始める。逆に、放電時において、正極メディエータの電位が正極固体活物質の電位よりも低いと、正極固体活物質から正極メディエータへ電子が流れ始める。特許文献1に記載されたポリオキソメタレート(例えば、ケイバナドモリブデン酸、リンバナドモリブデン酸、ケイタングステン酸等)は、0.35V以上に酸化還元電位を有しないため、酸化還元電位が0.35V以上である正極固体活物質と組み合せて用いると、充電が困難になる。これに対して、本開示においては、正極固体活物質の酸化還元電位よりも高い酸化還元電位を有する第一のメディエータを用いることにより、正極固体活物質の酸化還元電位が高い場合であっても、充電が可能となる。さらに、正極固体活物質の酸化還元電位よりも低い酸化還元電位を有する第二のメディエータを用いることにより、放電が可能となる。
1.正極
本開示における正極は、Na元素を含有する正極固体活物質と、正極メディエータを含有する電解液と、を有する。また、正極は、通常、正極集電体を有する。正極の構造は、電解液が循環可能であり、かつ、セパレータを介して負極とイオンの受授が可能な構造であれば特に限定されない。
(1)正極固体活物質
本開示における正極固体活物質は、Na元素を含有する。Naイオンは、セパレータを介して正極および負極の間を移動する。
正極固体活物質の酸化還元電位は、通常、0.35V(vs. Ag/AgCl)以上であり、0.37V(vs. Ag/AgCl)以上であってもよく、0.39V(vs. Ag/AgCl)以上であってもよく、0.41V(vs. Ag/AgCl)以上であってもよい。正極固体活物質の酸化還元電位は、例えば、サイクリックボルタンメトリ(CV)法による測定で求めることができる。
正極固体活物質の一例としては、リン酸バナジウム酸ナトリウム(Na(PO)が挙げられる。また、正極固体活物質の他の例としては、一般式Na[M(CN)]で表されるプルシアンブルー類似体が挙げられる。Mは、Fe、Ni、Cu、Co、Mnの少なくとも一種の元素であることが好ましい。中でも、Mは、少なくともFeを含有することが好ましい。また、Mは、価数の異なる同一元素(例えばFe)を含有していてもよい。
正極固体活物質の形状としては、例えば、粒子状、繊維状、シート状、多孔質状が挙げられる。正極固体活物質の形状が粒子状である場合、その平均粒径(D50)は、例えば100μm以上10mm以下である。また、正極固体活物質の表面は、カーボン被覆されていてもよい。カーボン被覆によって、正極固体活物質の成分が電解液に溶解することを防止できる。カーボン被覆の形成方法としては、例えば、正極固体活物質の表面を炭素源となる物質で被覆し、その後、不活性雰囲気下で焼成する方法が挙げられる。
正極は、正極固体活物質と接触する導電材を有していてもよい。導電材としては、例えば、天然黒鉛(鱗状黒鉛、鱗片状黒鉛)、人造黒鉛等の黒鉛、アセチレンブラック、カーボンブラック、ケッチェンブラック、カーボンウィスカ、ニードルコークス、炭素繊維、金属(例えば銅、ニッケル、アルミニウム、銀、金)が挙げられる。
正極固体活物質および導電材は常に接触していてもよく、常に接触していなくてもよい。前者の場合、正極固体活物質および導電材は、バインダーにより結着していることが好ましい。バインダーとしては、例えば、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、フッ素ゴム等の含フッ素樹脂、ポリプロピレン、ポリエチレン等の熱可塑性樹脂、エチレン-プロピレン-ジエンゴム(EPDM)、スルホン化EPDM、天然ブチルゴム(NBR)、スチレンブタジエンゴム(SBR)、ポリアクリロニトリル(PAN)が挙げられる。一方、後者の場合、電解液が循環するときに、正極固体活物質および導電材が接触してもよい。また、正極は導電材を有していなくてもよい。
(2)電解液
正極における電解液は、正極メディエータを含有する。また、電解液は、通常、溶媒を含有し、さらに支持塩を含有していてもよい。
電解液は、正極メディエータとして、正極固体活物質の酸化還元電位よりも高い酸化還元電位を有する第一のメディエータを有する。第一のメディエータの酸化還元電位と、正極固体活物質の酸化還元電位との差は、例えば0.05V(vs. Ag/AgCl)以上であり、0.1V(vs. Ag/AgCl)以上であってもよく、0.3V(vs. Ag/AgCl)以上であってもよい。
第一のメディエータとしては、例えば、ヒドロキノンスルホン酸塩が挙げられる。ヒドロキノンスルホン酸塩としては、例えば、ヒドロキノンスルホン酸ナトリウム、ヒドロキノンスルホン酸カリウム、ヒドロキノンスルホン酸リチウムが挙げられ、中でも、ヒドロキノンスルホン酸ナトリウムが好ましい。
電解液における第一のメディエータの濃度は、例えば0.1重量%以上であり、1重量%以上であってもよく、3重量%以上であってもよい。一方、電解液における第一のメディエータの濃度は、例えば15重量%以下であり、10重量%以下であってもよく、7重量%以下であってもよい。
電解液は、正極メディエータとして、正極固体活物質の酸化還元電位よりも低い酸化還元電位を有する第二のメディエータを有する。正極固体活物質の酸化還元電位と、第二のメディエータの酸化還元電位との差は、例えば0.05V(vs. Ag/AgCl)以上であり、0.1V(vs. Ag/AgCl)以上であってもよく、0.3V(vs. Ag/AgCl)以上であってもよい。
第二のメディエータは、分子量が大きいことが好ましい。第二のメディエータの分子量は、例えば1000以上である。また、第二のメディエータは、ポリオキソメタレート(ポリ酸)であることが好ましい。ポリオキソメタレートは、イソポリ酸であってもよく、ヘテロポリ酸であってもよいが、後者が好ましい。ヘテロポリ酸としては、例えば、ケイバナドモリブデン酸(H4+x[SiVMo12-x40](0≦x≦4))、リンバナドモリブデン酸(H3+x[PVMo12-x40](0≦x≦4))、ケイタングステン酸(H[SiW1240])が挙げられる。ケイバナドモリブデン酸およびリンバナドモリブデン酸における上記xは、1.5以上3.5以下であることが好ましい。
電解液における第二のメディエータの濃度は、例えば0.1重量%以上であり、1重量%以上であってもよく、3重量%以上であってもよい。一方、電解液における第二のメディエータの濃度は、例えば15重量%以下であり、10重量%以下であってもよく、7重量%以下であってもよい。
電解液に含まれる溶媒は、水であってもよく、非水溶媒であってもよい。また、支持塩は、通常、Na塩である。Na塩は、有機塩であってもよく、無機塩であってもよい。Na塩の具体例としては、硫酸ナトリウムが挙げられる。
(3)正極集電体
正極集電体としては、例えば、カーボンペーパー、アルミニウム、銅、チタン、ステンレス鋼、ニッケル、鉄、白金、焼成炭素、導電性高分子、導電性ガラスが挙げられる。正極集電体の形状として、例えば、箔状、フィルム状、シート状、ネット状、パンチまたはエキスパンドされた形状、ラス体、多孔質体、発泡体、繊維群の形成体が挙げられる。正極集電体の形状は、例えば500μm以上1cm以下である。なお、フロー電池の分野において、集電体は電極と称されることがある。
また、正極集電体およびセパレータの間に、正極拡散層が配置されていてもよい。正極拡散層を設けることで、電池反応がスムーズに進行する。正極拡散層としては、例えばカーボンフェルトが挙げられる。
(4)正極
正極においては、正極メディエータを含有する電解液を循環させる。例えば図1に示すように、正極固体活物質を循環させずに電解液を循環させることで、反応場と、エネルギー貯蔵場とを分離することができる。これにより、発電要素の小型化と、高容量化とを両立することができる。一方、図示しないが、電解液とともに、正極固体活物質を循環させてもよい。
2.負極
本開示における負極は、特に限定されないが、負極固体活物質と、負極メディエータを含有する電解液と、を有することが好ましい。また、負極は、通常、負極集電体を有する。負極の構造は、電解液が循環可能であり、かつ、セパレータを介して正極とイオンの受授が可能な構造であれば特に限定されない。
負極固体活物質は、正極固体活物質よりも酸化還元電位が低い材料である。負極固体活物質は、Na元素を含有していてもよく、含有していなくてもよい。負極固体活物質としては、例えば、リン酸チタンナトリウム(NaTi(PO)、ピロリン酸チタン(TiP)が挙げられる。また、負極固体活物質および導電材は常に接触していてもよく、常に接触していなくてもよい。前者の場合、負極固体活物質および導電材は、バインダーにより結着していることが好ましい。
負極における電解液は、負極メディエータを含有する。また、電解液は、通常、溶媒を含有し、さらに支持塩を含有していてもよい。負極メディエータとしては、公知のメディエータを用いることができる。負極メディエータとして、上述した第二のメディエータを用いてもよい。また、溶媒および支持塩については、上述した負極における溶媒および支持塩と同様である。また、負極集電体および負極拡散層についても、上述した正極集電体および正極拡散層と同様であるので、ここでの説明は省略する。
負極においては、電解液を循環させる。例えば図1に示すように、負極固体活物質を循環させずに電解液を循環させることで、反応場と、エネルギー貯蔵場とを分離することができる。これにより、発電要素の小型化と、高容量化とを両立することができる。一方、図示しないが、電解液とともに、負極固体活物質を循環させてもよい。
3.セパレータ
本開示におけるセパレータは、イオン透過能を有し、かつ、正極成分および負極成分が混じり合うことを防止する機能を有する。セパレータとしては、例えば、イオンを伝導可能なイオン伝導性高分子膜(イオン交換膜)、イオン伝導性固体電解質膜、ゲル膜、微多孔膜が挙げられる。イオン伝導性高分子膜としては、例えば、疎水性テトラフルオロエチレン骨格とスルホン酸基とを有するパーフルオロ側鎖から構成されるパーフルオロカーボン材料(テトラフルオロエチレン-パーフルオロビニル共重合体)が挙げられる。また、イオン伝導性固体電解質膜としては、例えば、カチオン伝導性ガラス(酸化物系ガラス)が挙げられる。
4.フロー電池
本開示におけるフロー電池は、上述した正極、負極およびセパレータを有する。フロー電池は、さらに、電流測定部、電圧測定部、抵抗測定部、温度測定部、放電制御部、充電制御部等の機能部をさらに有していてもよい。また、フロー電池の用途は、特に限定されないが、例えば、蓄電池の充電用途が挙げられる。フロー電池に蓄電池を接続することで、容易に蓄電池を充電することができる。また、蓄電池としては、例えば、車載用蓄電池が挙げられる。
本開示は、上記実施形態に限定されるものではない。上記実施形態は、例示であり、本開示における特許請求の範囲に記載された技術的思想と実質的に同一な構成を有し、同様な作用効果を奏するものは、いかなるものであっても本開示における技術的範囲に包含される。
[実施例1]
(正極材料の作製)
硫酸ナトリウム(NaSO、WAKO製)を水に溶解させ、濃度0.5Mの水溶液を得た。次に、正極メディエータとして、ヒドロキノンスルホン酸ナトリウム(WAKO製)、および、ケイバナドモリブデン酸(HSiVMo1040、日本無機化学製)を準備し、これらを、それぞれ4重量%および6重量%の割合で上記水溶液に溶解させた。これにより、正極メディエータを含有する電解液を得た。
また、正極固体活物質としてプルシアンブルー類似体(Na[(Ni、Fe)(CN)])、導電材としてケッチェンブラック(ECP600JD、ライオンスペシャリティケミカル製)、バインダーとしてPTFE(ポリフロンPTFE-F、F-104、ダイキン工業製)を準備した。正極固体活物質:導電材:バインダー=85:10:5の重量比で秤量し、乳鉢で混合し、成形することで、正極合材を得た。
(負極材料の作製)
硫酸ナトリウム(NaSO、WAKO製)を水に溶解させ、濃度0.5Mの水溶液を得た。次に、負極メディエータとして、1,3-ジアミノ-2-ヒドロキシプロパン-N,N,N’,N’四酢酸(アルドリッチ製)、および、カテコール-3,5-ジスルホン酸二ナトリウム(タイロン、東京化成製)を準備し、これらを、それぞれ1Mおよび1Mの割合で上記水溶液に溶解させた。これにより、負極メディエータを含有する電解液を得た。
また、負極固体活物質としてNaTi(PO、導電材としてケッチェンブラック(ECP600JD、ライオンスペシャリティケミカル製)、バインダーとしてPTFE(ポリフロンPTFE-F、F-104、ダイキン工業製)を準備した。負極固体活物質:導電材:バインダー=85:10:5の重量比で秤量し、乳鉢で混合し、成形することで、負極合材を得た。
(フロー電池の作製)
図1に示すフロー電池を作製した。セパレータには、Nafion324(アルドリッチ製)を用いた。また、正極拡散層および負極拡散層として、カーボンフェルト(日本カーボン製)を用いた。また、正極集電体および負極集電体として、Ti金属(ニイガタ製)を用いた。また、正極固体活物質および負極固体活物質を貯蔵するリザーバ容器として、ルアーチップシリンジ(大阪ケミカル製)を用いた。また、固体活物質を補足するフィルタとして、Quartz Wool(東ソー製)を用いた。また、循環経路には、シリコンチューブを用い、送液ポンプには、マスターフレックス(ヤマト科学製)を用いた。これらを用いて、フロー電池を作製した。
[実施例2]
正極メディエータとして、ヒドロキノンスルホン酸ナトリウムの代わりに、ヒドロキノンスルホン酸カリウムを用いたこと以外は、実施例1と同様にしてフロー電池を作製した。
[実施例3]
正極メディエータとして、ヒドロキノンスルホン酸ナトリウムの代わりに、ヒドロキノンスルホン酸リチウムを用いたこと以外は、実施例1と同様にしてフロー電池を作製した。
[比較例1]
正極メディエータとしてヒドロキノンスルホン酸ナトリウムを用いず、ケイバナドモリブデン酸(HSiVMo1040、日本無機化学製)の割合を10重量%に変更したこと以外は、実施例1と同様にしてフロー電池を作製した。
[評価]
(酸化還元電位測定)
実施例1における正極固体活物質および正極メディエータに対して酸化還元電位測定を行った。測定は、サイクリックボルタンメトリ(CV)により行った。正極固体活物質の測定では、Ti電極の先端に正極固体活物質を0.1g押し固めて付けて作用極とし、Ti電極の先端に負極固体活物質を0.1g押し固めて付けて対極とし、飽和KClのAg/AgCl電極を参照極とし、NaSO水溶液中、窒素雰囲気下、掃引速度5mV/secの条件で測定を行った。一方、正極メディエータの測定では、正極メディエータをNaSO水溶液中に溶解させ、グラッシーカーボン電極を作用極とし、白金ワイヤを対極とし、飽和KClのAg/AgCl電極を参照極とし、窒素雰囲気下、掃引速度20mV/secの条件で測定を行った。酸化還元電位は、酸化側ピークカーブから還元側ピークカーブに変わる、傾きがゼロになった点とした。
その結果を図2に示す。図2に示すように、正極固体活物質(Na[(Ni、Fe)(CN)])の酸化還元電位は、0.48V(vs.Ag/AgCl)であった。さらに、ヒドロキノンスルホン酸ナトリウムの酸化還元電位は、正極固体活物質の酸化還元電位よりも高く、ケイバナドモリブデン酸の酸化還元電位は、正極固体活物質の酸化還元電位よりも低かった。
(充放電試験)
実施例1~3および比較例1で得られたフロー電池に対して充放電試験を行った。充放電試験には、マルチ電気化学計測システム(HZ-Pro、北斗電工製)を用いた。充電時には+20mA/cmの定電流モードで+1.6Vまで充電し、放電時には-20mA/cmの定電流モードで+1.3Vまで放電した。また、フロー電池の流速は10mL/sとした。
図3に示すように、実施例1で得られたフロー電池は、充放電可能であることが確認された。また、図4に示すように、実施例1~3では、所定の放電容量を有することが確認された。特に、実施例1(ヒドロキノンスルホン酸ナトリウム)は、実施例2(ヒドロキノンスルホン酸カリウム)および実施例3(ヒドロキノンスルホン酸リチウム)よりも高い容量が得られた。この結果から、セパレータを通過する陽イオンの種類が多すぎると、放電容量が低下することが示唆された。一方、図5に示すように、比較例1では、充放電ができかなった。その理由は、正極固体活物質の酸化還元電位が高すぎて、正常な充電ができなかったためであると推測される。
11 … 正極室
12 … 正極集電体
13 … 正極拡散層
14 … 正極リザーバ容器
15 … 正極固体活物質
16 … 電解液
21 … 負極室
22 … 負極集電体
23 … 負極拡散層
24 … 負極リザーバ容器
25 … 負極固体活物質
26 … 電解液
30 … セパレータ
100 … フロー電池

Claims (1)

  1. 正極と、負極と、セパレータと、を有するフロー電池であって、
    前記正極が、Na元素を含有する正極固体活物質と、正極メディエータを含有する電解液と、を有し、
    前記正極固体活物質の酸化還元電位が、0.35V(vs. Ag/AgCl)以上であり、かつ一般式Na [M(CN) ]で表され、Mは少なくともFeを含有する、プルシアンブルー類似体であり、
    前記電解液が、前記正極メディエータとして、前記正極固体活物質の酸化還元電位よりも高い酸化還元電位を有するヒドロキノンスルホン酸塩である第一のメディエータと、前記正極固体活物質の酸化還元電位よりも低い酸化還元電位を有するヘテロポリ酸である第二のメディエータと、を含有し、
    前記電解液における前記第一のメディエータ及び前記第二のメディエータの濃度が、それぞれ1重量%以上10重量%以下である、フロー電池。
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