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JP7207982B2 - 鉄骨梁および鉄骨梁の設計方法 - Google Patents
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Description

本発明は、鉄骨梁および鉄骨梁の設計方法に関する。
従来、鉄骨造建物における鉄骨梁の鋼材量削減を目的として、鉄骨梁端ウェブ補強工法が各種提案されている。鉄骨梁端ウェブ補強工法では、鉄骨梁における設計上の発生応力が低いスパン中央部に合せて梁断面サイズを設定し、梁端部のヒンジ形成位置近傍のウェブにスチフナなどの補剛材を溶接して補強している。
このように、鉄骨梁における必要箇所のみ補強することで、鉄骨梁全体の必要塑性変形能力を確保しながら、架構全体の鋼材量を削減することができる(例えば、特許文献1および2参照)。
一方、鉄骨梁のウェブには、設備配管等を挿通させるために貫通孔を設けることが多い。このような場合、貫通孔を設けることによる鉄骨梁の耐力低下を防止するため、貫通孔まわりを補強する工法(梁貫通孔補強工法)がある。梁貫通孔補強工法では、例えば、鉄骨梁のウェブの貫通孔まわりに、補強板やスリーブ管などの貫通孔補強部材を設けて補強している(例えば、特許文献3参照)。
特許第6105878号公報 特開2014-43751号公報 特開平9-32197号公報
上記の梁端ウェブ補強工法と梁貫通孔補強工法とは、それぞれ独立して設計される。しかしながら、梁端ウェブ補強工法によって補剛材を設置する箇所と、梁貫通孔補強工法によって貫通孔および貫通孔補強部材を設ける位置とが干渉すると、梁端ウェブ補強工法による補剛材と、梁貫通孔補強工法による貫通孔補強部材と、をいずれか一方が他方を跨ぐように設置する必要が生じることがあり、溶接などの鉄骨梁の加工が難しくなるという問題がある。また、梁端ウェブ補強工法による補剛材と、梁貫通孔補強工法による貫通孔補強部材とが干渉しないように設計しようとすると、貫通孔のサイズが限定されてしまい、設計自由度が低くなるという問題がある。
本発明は、上述する問題点に鑑みてなされたもので、ウェブに所望のサイズの貫通孔を設けても、第1補強部材(梁端ウェブ補強工法による補剛材)と第2補強部材(梁貫通孔補強工法による貫通孔補強部材)とを干渉しないように設けることができて、ウェブの座屈を防止できるとともに、貫通孔によるウェブの耐力低下を防止することができる鉄骨梁および鉄骨梁の設計方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明に係る鉄骨梁は、ウェブの長さ方向の端部近傍に、前記ウェブを厚さ方向に貫通する貫通孔が形成された鉄骨梁において、前記ウェブの長さ方向の端部近傍において前記ウェブに接合され、前記ウェブの座屈を防止する第1補強部材と、前記貫通孔の周囲に設けられ、前記貫通孔による前記ウェブの耐力低下を防止する第2補強部材と、を有し、前記第1補強部材は、前記ウェブの前記長さ方向における少なくとも前記第2補強部材が設けられている第2補強部材設置範囲には設けられておらず、前記ウェブの長さ方向の端部近傍における前記第1補強部材が設けられていない第1補強部材省略範囲の座屈耐力は、前記第1補強部材省略範囲において前記貫通孔が形成されておらず、前記第1補強部材が設けられていると仮定した場合の座屈耐力よりも大きく設定されていることを特徴とする。
また、本発明に係る鉄骨梁の設計方法は、ウェブの長さ方向の端部近傍に設けられ、前記ウェブを厚さ方向に貫通する貫通孔と、前記ウェブの長さ方向の端部近傍において前記ウェブに接合され、前記ウェブの座屈を防止する第1補強部材と、前記貫通孔の周囲に設けられ、前記貫通孔による前記ウェブの耐力低下を防止する第2補強部材と、を有する鉄骨梁の設計方法において、前記第1補強部材は、前記ウェブの前記長さ方向における少なくとも前記第2補強部材が設けられている第2補強部材設置範囲には設けず、前記ウェブの長さ方向の端部近傍における前記第1補強部材が設けられていない第1補強部材省略範囲の座屈耐力を、前記第1補強部材省略範囲において前記貫通孔が形成されておらず、前記第1補強部材が設けられていると仮定した場合の座屈耐力よりも大きくなるように設計することを特徴とする。
本発明では、ウェブの長さ方向の端部近傍における第1補強部材が設けられていない第1補強部材省略範囲の座屈耐力は、第1補強部材省略範囲において貫通孔が形成されておらず、第1補強部材が設けられていると仮定した場合の座屈耐力よりも大きく設定されている。これにより、ウェブにおける第1補強部材省略範囲は、第1補強部材が省略されていても、座屈が防止される。
そして、貫通孔および第2補強部材が設置される第2補強部材設置範囲は、第1補強部材省略範囲に含まれおり、第1補強部材が設けられていない。このため、ウェブに所望のサイズの貫通孔を設けても、第1補強部材と第2補強部材とを干渉しないように設けることができ、ウェブの座屈を防止できるとともに、貫通孔によるウェブの耐力低下を防止することができる。
本発明によれば、ウェブに所望のサイズの貫通孔を設けても、第1補強部材と第2補強部材とを干渉しないように設けることができて、ウェブの座屈を防止できるとともに、貫通孔によるウェブの耐力低下を防止することができる。
本発明の実施形態による鉄骨梁の一例を示す斜視図である。 (a)は鉄骨梁にスチフナを設置する範囲(スチフナ補剛範囲)を示す図、(b)は設計上のレベル2地震時のウェブのモーメント図、(c)は貫通孔および貫通孔補強部材を設けることができる範囲(貫通孔設置可能範囲)を示す図である。 貫通孔が形成されておらずスチフナのみが設けられた鉄骨梁(No.1)を示す図である。 貫通孔が形成されて貫通孔補強部材が設けられるとともに、スチフナが貫通孔補強部材設置範囲に及ぶように設けられた鉄骨梁(No.2)を示す図である。 FEM解析の結果の一覧を示す表である。 (a)は、No.1の鉄骨梁の荷重変形関係を示すグラフ、(b)は、No.2の鉄骨梁の荷重変形関係を示すグラフ、(c)は、No.3の鉄骨梁の荷重変形関係を示すグラフである。 (a)はNo.1の鉄骨梁の終局状態の変形および応力コンターを示す図、(b)は、No.2の鉄骨梁の終局状態の変形および応力コンターを示す図、(c)は、No.3の鉄骨梁の終局状態の変形および応力コンターを示す図である。 鉄骨梁の設計フローである。 鉄骨梁の設計フローにおける座屈検定を説明する図である。 (a)は、スチフナ補剛範囲およびスチフナを省略する範囲の他の形態を説明する側面図、(b)は(a)のA-A線断面図である。
以下、本発明の実施形態による鉄骨梁および鉄骨梁の設計方法について、図1乃至図9に基づいて説明する。
図1に示すように、本実施形態による鉄骨梁1は、H型鋼で、上フランジ2、下フランジ3およびウェブ4を有している。図1では、鉄骨梁1の長さ方向の一方の端部近傍11(鉄骨梁1における長さ方向の一方の端部1aから中央に向かった所定の範囲)を示している。
ウェブ4の長さ方向の端部近傍41(ウェブ4における鉄骨梁1の長さ方向の端部近傍11に対応する部分、長さ方向の一方の端部4aから中央に向かった所定の範囲)には、ウェブ4の座屈を防止するためのスチフナ5(第1補強部材)が設けられている。本実施形態では、ウェブ4の両側に上下方向に間隔をあけて2つずつスチフナ5が設けられている。上側のスチフナ5は、上フランジ2の下側に間隔をあけて設けられ、下側のスチフナ5は下フランジ3の上側に間隔をあけて設けられている。スチフナ5は、上フランジ2および下フランジ3と平行に設けられている。
ウェブ4の長さ方向の端部近傍41におけるスチフナ5が設けられていない範囲を、スチフナ省略範囲42(第1補強部材省略範囲)とする。
ウェブ4の長さ方向の端部近傍41には、例えば、設備配管を通すための貫通孔43が形成されている。貫通孔43は、ウェブ4を厚さ方向に貫通し、ウェブ4の長さ方向の端部4aよりも中央に向かった位置で、スチフナ5の長さ方向の他方側に設けられている。貫通孔43は、スチフナ省略範囲42に設けられている。
貫通孔43は、円形状に形成されている。
ウェブ4には、貫通孔43の周囲に貫通孔補強部材6(第2補強部材)が設けられている。貫通孔補強部材6は、貫通孔43を設けることによる鉄骨梁1の耐力低下を防止するために設けられている。
貫通孔補強部材6は、平板状に形成されウェブ4に接合される平板部61と、平板部61に突設された筒状部62とを有している。
平板部61は、板面が貫通孔43よりも大きい鋼板で、中央に貫通孔43と同じ径の円形の孔部63が形成されている。
筒状部62は、孔部63と同じ径の円筒状の鋼管で、一方の端部62aが平板部61の孔部63の縁部63aと接続され、他方の端部62bが平板部61から突出した位置に配置されている。
貫通孔補強部材6は、筒状部62が突出していない側の面がウェブ4と面接触し、孔部63および筒状部62が貫通孔43と重なるようにウェブ4と接合されている。貫通孔補強部材6は、ウェブ4の両側それぞれに設けられている。
貫通孔補強部材6は、スチフナ省略範囲42に設けられていて、スチフナ5と干渉していない。
ウェブ4の長さ方向における貫通孔補強部材6が設けられている範囲を、貫通孔補強部材設置範囲44(第2補強部材設置範囲)とする。貫通孔補強部材設置範囲44は、スチフナ省略範囲42よりも小さく、スチフナ省略範囲42の内部に設けられている。
本実施形態による鉄骨梁1は、ウェブ4の長さ方向の端部近傍41におけるスチフナ省略範囲42の座屈耐力は、スチフナ省略範囲42において貫通孔43が形成されておらず、スチフナ5が設けられていると仮定した場合の座屈耐力よりも大きく設定されている。本実施形態による鉄骨梁の設計方法では、ウェブ4の長さ方向の端部近傍41におけるスチフナ省略範囲42の座屈耐力を、スチフナ省略範囲42において貫通孔43が形成されておらず、スチフナ5が設けられていると仮定した場合の座屈耐力よりも大きく設定する。
図2(a)および(b)に示すように、本実施形態では、鉄骨梁1にスチフナ5を設置する範囲(スチフナ補剛範囲45とする)は、設計上のレベル2地震時(上下動による応力も加算)の応力状態において、鉄骨梁1のウェブ4の局部座屈限界耐力MDを超える範囲とする。図2(b)は、設計上のレベル2地震時のモーメント図である。
なお、図2(a)では、スチフナ補剛範囲45全体にわたってスチフナ5が設けられているが、スチフナ補剛範囲45にスチフナ省略範囲42(図1参照)が含まれている。
図2(c)に示すように、本実施形態では、貫通孔43および貫通孔補強部材6を設けることができる範囲(貫通孔設置可能範囲46)は、鉄骨梁1の端部1aの塑性化領域48(梁成の0.5倍)以外の範囲とする。したがって、貫通孔43および貫通孔補強部材6を設けることによりスチフナ5を省略可能となる範囲47は、スチフナ補剛範囲45と貫通孔設置可能範囲46とが重なる範囲となる。
なお、貫通孔補強部材6の形態が上記以外の場合は、それぞれの指針に従って貫通孔設置可能範囲46を設定する。
本実施形態による鉄骨梁1のFEM解析を実施した。
解析ケースは、以下に示すNo.1-No.3の3ケースとする。
No.1:貫通孔が形成されておらずスチフナ5のみが設けられた鉄骨梁1A(図3参照)
No.2:貫通孔43が形成されて貫通孔補強部材6が設けられるとともに、スチフナ5が貫通孔補強部材設置範囲44に及ぶように設けられた鉄骨梁1B(図4参照)
No.3:本実施形態の鉄骨梁1C(図1参照)
FEM解析は、MD.Nastran(SOL106)を用い、材料非線形および幾何学非線形を考慮した非線形静的増分解析を行った。境界条件として、鉄骨梁1A~1Cの端部1a(図中左側)を完全固定とし、他端に強制変形を与えた片持梁形式の加力とした。
FEM解析の結果の一覧を図5の表に示し、得られた荷重変形関係を図6(a)-(c)のグラフに示す。図6(a)は、No.1の鉄骨梁1Aの荷重変形関係を示し、図6(b)は、No.2の鉄骨梁1Bの荷重変形関係を示し、図6(c)は、No.3の鉄骨梁1Cの荷重変形関係を示している。
ここで、図中の荷重および変形は、梁断面の全塑性耐力およびその時の変形の計算値で無次元化して示した。また、終局状態の変形および応力コンター(von MisesStress)を図7に示す。図7(a)は、No.1の鉄骨梁1Aの終局状態の変形および応力コンターを示し、図7(b)は、No.2の鉄骨梁1Bの終局状態の変形および応力コンターを示し、図7(c)は、No.3の鉄骨梁1Cの終局状態の変形および応力コンターを示している。
図6に示すように、荷重変形関係は、No.1の鉄骨梁とNo.2の鉄骨梁とは、同等の耐力および塑性変形能力を有していることが分かる。また、図7から分かるように、No.3の鉄骨梁では、スチフナ省略範囲42においても、貫通孔補強部材6が十分にウェブ4の座屈を拘束していることが分かる。
以上より、本実施形態による鉄骨梁1(No.3)の有効性を確認できた。
続いて、本実施形態による鉄骨梁の設計フローについて説明する。
本実施形態による鉄骨梁の設計フローでは、上記の鉄骨梁1のFEM解析(座屈固有値解析)による確認に加え、以下の条件を満足することを確認する。図8に鉄骨梁1の設計フローを示す。
まず、鉄骨梁1の設計用のモーメント(M)およびせん断力(Q)を算定する(ステップ1(S-1))。
ステップ1(S-1)で算定された設計用のモーメント(M)およびせん断力(Q)から鉄骨梁1の断面を設定する(ステップ2(S-2))。
続いて、スチフナ補剛の設計(スチフナ5を設置する補剛区間、スチフナ5の間隔、およびスチフナ5の寸法の設定)を行う(ステップ3(S-3))。スチフナ補剛の設計に不具合が生じる場合は、ステップ2(S-2)に戻り、鉄骨梁1の断面を再度設定する。
ステップ3(S-3)のスチフナ補剛の設計と前後して、または同時に、配管等の計画(ステップ4(S-4))に従って、貫通孔43の設計(孔径および位置の設定)を行う(ステップ5(S-5))。
ステップ5(S-5)で設計された貫通孔43の形状に基づいて、貫通孔補強部材6の設計を行う(ステップ6(S-6))。
ステップ3(S-3)で設計されたスチフナ5と、ステップ6(S-6)で設計された貫通孔補強部材6とが干渉するかどうかを判断する(ステップ7(S-7))。
ステップ7(S-7)でスチフナ5と、貫通孔補強部材6とが干渉しないと判断された場合は、従来の工法に基づいたスチフナおよび貫通孔補強部材を有する鉄骨梁となる(本実施形態による鉄骨梁を適用しない)。
ステップ7(S-7)でスチフナ5と貫通孔補強部材6とが干渉すると判断された場合は、スチフナ5を省略可能な範囲(スチフナ省略範囲42)を設定する(ステップ8(S-8))。
ステップ8(S-8)で設定されたスチフナ省略範囲42における、図9に示す貫通孔補強部材6よりも上側の領域Aと、下側の領域A‘について梁ウェブプレートとしての座屈検定を行う(ステップ9(S-9))。なお、図9の鉄骨梁1では、貫通孔43および貫通孔補強部材6がウェブ高さ方向の中央よりも上側に位置し、貫通孔補強部材6の両側にスチフナ5が設けられている。
座屈検定は、日本建築学会:鋼構造設計規準に示された検定方法による。なお、貫通孔補強部材6が設けられている部分drについては、従来の鉄骨梁の貫通孔補強としての設計を満足していれば、梁ウェブプレートとしての座屈検定は必要ない。
ステップ9(S-9)の座屈検定により基準を満たしている場合は、上記のFEM解析(座屈固有値解析)による確認を行う(ステップ10(S-10))。
ステップ10(S-10)により、鉄骨梁の有効性を確認できれば、スチフナ5を省略可能となり(ステップ11(S-11))、スチフナ5および貫通孔補強部材6の設計が完了する。
ステップ9(S-9)において、座屈検定による基準を満たしていない場合は、ステップ8(S-8)に戻る。また、ステップ10(S-10)において、鉄骨梁の有効性を確認できない場合も、ステップ8(S-8)に戻る。
ステップ8(S-8)でスチフナ省略範囲42を再度設定し、ステップ9(S-9)で、座屈検定による基準を満たし、ステップ10(S-10)で、鉄骨梁の有効性を確認できればスチフナ5を省略可能となり(ステップ11(S-11))、スチフナ5および貫通孔補強部材6の設計が完了する。
ステップ9(S-9)で、座屈検定による基準を満たせない場合、または、ステップ10(S-10)で、鉄骨梁の有効性を確認できない場合は、スチフナ5の省略が不可となる。
次に、上述した本実施形態による鉄骨梁1および鉄骨梁の設計方法の作用・効果について図面を用いて説明する。
上述した本実施形態による鉄骨梁1および鉄骨梁の設計方法では、ウェブ4のスチフナ省略範囲42の座屈耐力は、スチフナ省略範囲42において貫通孔43が形成されておらず、スチフナ5が設けられていると仮定した場合の座屈耐力よりも大きく設定されている。これにより、ウェブ4におけるスチフナ省略範囲42は、スチフナ5が省略されていても、座屈が防止される。
そして、貫通孔43および貫通孔補強部材6が設置される貫通孔補強部材設置範囲44は、スチフナ省略範囲42に含まれおり、スチフナ5が設けられていない。このため、ウェブ4に所望のサイズの貫通孔43を設けても、スチフナ5と貫通孔補強部材6とを干渉しないように設けることができ、ウェブ4の座屈を防止できるとともに、貫通孔43によるウェブ4の耐力低下を防止することができる。
以上、本発明による鉄骨梁1および鉄骨梁の設計方法の実施形態について説明したが、本発明は上記の実施形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。
例えば、上記の実施形態では、貫通孔補強部材6の長さ方向の一方側のみにスチフナ5が設けられているが、長さ方向の両側にスチフナ5が設けられていてもよい。スチフナ省略範囲42は、貫通孔補強部材設置範囲44と同じ範囲でもよいし、貫通孔補強部材設置範囲44よりも大きい範囲であってもよい。
また、上記の実施形態では、ウェブ4の長さ方向の端部近傍41には、ウェブ4の座屈を防止するための第1補強部材としてスチフナ5が設けられているが、第1補強部材としてスチフナ5以外の部材が設けられていてもよい。また、スチフナ5が設けられる位置や向き、スチフナ5の数は適宜設定されてよい。
また、上記の実施形態では、鉄骨梁1にスチフナ5を設置する範囲(スチフナ補剛範囲45とする)は、設計上のレベル2地震時(上下動による応力も加算)の応力状態において、鉄骨梁1のウェブ4の局部座屈限界耐力MDを超える範囲としている。
これに対し、図10に示すように、スチフナ補剛範囲45は、鉄骨梁1の塑性ヒンジ形成位置(拡幅ハンチの端部1b)から鉄骨梁1の長さ方向の中央に、梁せい寸法の1.0倍の寸法分、向かった位置までの範囲としてもよい。例えば、梁せい寸法が1200mmの場合、スチフナ補剛範囲45は、拡幅ハンチの端部1bから鉄骨梁1の長さ方向の中央に1200mm向かった位置までの範囲となる。
そして、スチフナ補剛範囲45に貫通孔43を形成して貫通孔補強部材6を設ける場合には、スチフナ省略範囲42は、貫通孔補強部材6が設けられている範囲(貫通孔補強部材設置範囲44)となる。例えば、上記のスチフナ補剛範囲45に400φの貫通孔43を形成して600mm角の平板部61と400φの筒状部62とを有する貫通孔補強部材6を設ける場合には、スチフナ省略範囲42は、貫通孔補強部材6が設けられている600mmの範囲(貫通孔補強部材設置範囲44)となる。
また、上記の実施形態では、貫通孔43を設けることによる鉄骨梁1の耐力低下を防止するための第2補強部材として平板部61と、筒状部62とを有する貫通孔補強部材6が設けられているが、第2補強部材として、リング状の部材などが設けられていてもよい。
1 鉄骨梁
4 ウェブ
5 スチフナ(第1補強部材)
6 貫通孔補強部材(第2補強部材)
41 端部近傍
42 スチフナ省略範囲(第1補強部材省略範囲)
43 貫通孔
44 貫通孔補強部材設置範囲(第2補強部材設置範囲)

Claims (2)

  1. ウェブの長さ方向の端部近傍に、前記ウェブを厚さ方向に貫通する貫通孔が形成された鉄骨梁において、
    前記ウェブの長さ方向の端部近傍において前記ウェブに接合され、前記ウェブの座屈を防止する第1補強部材と、
    前記貫通孔の周囲に設けられ、前記貫通孔による前記ウェブの耐力低下を防止する第2補強部材と、を有し、
    前記第1補強部材は、前記ウェブの前記長さ方向における少なくとも前記第2補強部材が設けられている第2補強部材設置範囲には設けられておらず、
    前記ウェブの長さ方向の端部近傍における前記第1補強部材が設けられていない第1補強部材省略範囲の座屈耐力は、前記第1補強部材省略範囲において前記貫通孔が形成されておらず、前記第1補強部材が設けられていると仮定した場合の座屈耐力よりも大きく設定されていることを特徴とする鉄骨梁。
  2. ウェブの長さ方向の端部近傍に設けられ、前記ウェブを厚さ方向に貫通する貫通孔と、
    前記ウェブの長さ方向の端部近傍において前記ウェブに接合され、前記ウェブの座屈を防止する第1補強部材と、
    前記貫通孔の周囲に設けられ、前記貫通孔による前記ウェブの耐力低下を防止する第2補強部材と、を有する鉄骨梁の設計方法において、
    前記第1補強部材は、前記ウェブの前記長さ方向における少なくとも前記第2補強部材が設けられている第2補強部材設置範囲には設けず、
    前記ウェブの長さ方向の端部近傍における前記第1補強部材が設けられていない第1補強部材省略範囲の座屈耐力を、前記第1補強部材省略範囲において前記貫通孔が形成されておらず、前記第1補強部材が設けられていると仮定した場合の座屈耐力よりも大きくなるように設計することを特徴とする鉄骨梁の設計方法。
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