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JP7208575B2 - アッセンブリおよびフレグランス製品 - Google Patents
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JP7208575B2 - アッセンブリおよびフレグランス製品 - Google Patents

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Description

本開示は、成形体にチューブが固定されたアッセンブリに関し、このアッセンブリは、たとえば、容器の開口部に取り付けて、容器内の液体を噴射するアッセンブリとして用いることができる。また、本開示は、液体フレグランスを噴射するために用いることができるフレグランス製品に関する。
液体フレグランスを噴射するために、スプレーポンプやディスペンサーポンプが用いられている。たとえば、特許文献1には、容器およびディスペンサアセンブリを備えるフレグランス製品が開示されている。特許文献1に記載のフレグランス製品において、ディスペンサアセンブリは、液体フレグランスを容器の内部から外部へと、個人へ適用するために輸送するポンプを含む輸送アセンブリ、および、輸送アセンブリに接続され且つ液体フレグランス中に伸びるチューブを備えている。
特開2014-12185号公報
本開示では、成形体にチューブを容易に固定することができるアッセンブリを提供することを目的とする。
本開示によれば、屈折率が1.35~1.41である液体を流通させるチューブと、前記チューブの一方端を嵌着する嵌着部が設けられた成形体と、備えるアッセンブリであって、前記成形体が、非フルオロポリマーにより形成され、前記チューブが、引張弾性率が300MPa以上のフルオロポリマーにより形成されており、前記非フルオロポリマーが、前記フルオロポリマーの引張弾性率に対して、1.2倍以上の引張弾性率を有しているアッセンブリが提供される。
本開示のアッセンブリは、屈折率が1.35~1.41である液体を噴射する噴射装置をさらに備えており、前記噴射装置が、前記成形体を、前記チューブの一方端を嵌着する嵌着部が設けられた保持部材として備えていることが好ましい。
前記フルオロポリマーの屈折率が、1.35~1.41であることが好ましい。
前記フルオロポリマーのヘイズ値が、30%以下であることが好ましい。
フルオロポリマーの波長400nmの光の透過率が、50%以上であることが好ましい。
前記チューブが、エチレン単位およびテトラフルオロエチレン単位を含有する共重合体、および、ビニリデンフルオライド単位を含有する重合体からなる群より選択される少なくとも1種のフルオロポリマーにより形成されていることが好ましい。
前記チューブが、単量体組成が異なる2種以上のフルオロポリマーにより形成されていることが好ましい。
前記チューブが、アセトンに対して非溶解性であることが好ましい。
前記成形体が、ポリオレフィンおよびポリエステルからなる群より選択される少なくとも1種の非フルオロポリマーにより形成されていることが好ましい。
前記成形体の前記嵌着部の内周面に凹凸が設けられていることが好ましい。
前記成形体の前記嵌着部の内径が、前記チューブの外径よりも、0.5%以上小さいことが好ましい。
前記チューブの少なくとも前記一方端に切り欠きが設けられていることが好ましい。
また、本開示によれば、上記に記載のアッセンブリと、容器本体とを備えるフレグランス製品が提供される。
本開示によれば、成形体にチューブを容易に固定することができるアッセンブリを提供することができる。
図1は、アッセンブリを備えるスプレー容器の一実施形態を示す模式図である。 図2は、噴射装置の保持部材(成形体)とチューブの接続構造の一実施形態を示す模式断面図である。 図3は、チューブの一実施形態を示す模式図である。
以下、本開示の具体的な実施形態について詳細に説明するが、本開示は、以下の実施形態に限定されるものではない。
図1は、手動で液体を所定量ずつ噴射可能なスプレー容器の一実施形態を示している。図1に示すスプレー容器10は、容器本体11と、噴射装置20およびチューブ30を備えるアッセンブリと、容器本体11に収容された液体12とを備えている。噴射装置20は、容器本体11を密閉するように取り付けられている。噴射装置20には、噴射ポンプが設けられており、噴射ボタン21を押し下げることによって、チューブ30を通って吸い上げられた液体12が噴射口22から噴射される。
図2は、スプレー容器における噴射装置とチューブの接続構造の一実施形態を示す模式断面図である。図2に示すように、噴射装置20は、噴射ポンプに直接的または間接的に連結する保持部材23を備えており、保持部材23は、非フルオロポリマーにより形成される成形体より構成されている。また、保持部材23にはチューブ30の一方端を嵌着する嵌着部24が設けられている。
特許文献1には、輸送アセンブリに接続され且つ液体フレグランス中に伸びるチューブを備えているディスペンサアセンブリが開示されている。しかしながら、このような従来の構成では、輸送アセンブリに液体フレグランスを供給するためのチューブを、輸送アセンブリに装着することが難しいという問題がある。したがって、噴射装置にチューブを容易に固定することができるアッセンブリが望まれる。
図2に示す接続構造においては、チューブの一方端が保持部材23の嵌着部24に嵌着されている。保持部材23を構成する成形体の非フルオロポリマーは、チューブ30のフルオロポリマーの引張弾性率に対して、1.2倍以上の引張弾性率を有しており、しかも、フルオロポリマーの引張弾性率は300MPa以上であることから、保持部材23の嵌着部24にチューブ30の一方端を挿嵌する際に、チューブ30が折れ曲がることがない。しかも、保持部材23の嵌着部24にチューブ30の一方端が挿嵌される際にチューブ30の一方端が弾性変形することによって、チューブ30の外周面31が保持部材23の嵌着部24の内周面25に対して圧接される。本開示のアッセンブリによれば、以上のようにして、噴射装置20にチューブ30を容易に固定することができる。
噴射装置20の保持部材23は、非フルオロポリマーにより形成される成形体より構成されている。非フルオロポリマーとしては、チューブ30のフルオロポリマーの引張弾性率に対して、上述した範囲内の倍率の引張弾性率を示すものであれば限定されないが、ポリオレフィンおよびポリエステルからなる群より選択される少なくとも1種が好ましく、ポリプロピレン、ポリエチレンおよびポリエチレンテレフタレートからなる群より選択される少なくとも1種がより好ましく、ポリプロピレンがさらに好ましい。
噴射装置20の保持部材23を形成する非フルオロポリマーの引張弾性率は、チューブ30のフルオロポリマーの引張弾性率に対して、1.2倍以上であり、嵌着部24へのチューブ30の挿嵌がより一層容易になることから、好ましくは1.3倍以上であり、より好ましくは1.5倍以上であり、更に好ましくは1.7倍以上であり、最も好ましくは2.0倍以上である。
噴射装置20の保持部材23を形成する非フルオロポリマーの引張弾性率は、噴射装置20の保持部材23を十分な強度を有するものとする観点から、チューブ30のフルオロポリマーの引張弾性率に対して、上述した範囲内の倍率であって、なおかつ、好ましくは360MPa以上であり、より好ましくは600MPa以上であり、さらに好ましくは800MPa以上であり、特に好ましくは1000MPa以上であり、好ましくは2000MPa以下であり、より好ましくは1500MPa以下である。
チューブ30は、フルオロポリマーにより形成されている。チューブ30を形成するフルオロポリマーの引張弾性率を300MPa以上とすることにより、上記した非フルオロポリマーにより形成される保持部材23の嵌着部24に、チューブ30を容易に挿嵌できるようになる。チューブ30を形成するフルオロポリマーの引張弾性率は、チューブ30の挿嵌がより一層容易になることから、好ましくは350MPa以上であり、より好ましくは400MPa以上であり、更に好ましくは450MPa以上であり、特に好ましくは500MPa以上であり、最も好ましくは550MPa以上であり、好ましくは1000MPa以下であり、より好ましくは800MPa以下であり、更に好ましくは750MPa以下である。
非フルオロポリマーおよびフルオロポリマーの引張弾性率は、これらのポリマーのペレットを、金型に入れ、200~300℃に加熱したプレス機にセットし、3MPaの圧力で溶融プレスして、厚さ2mmの非フルオロポリマーおよびフルオロポリマーのシートをそれぞれ得る。そして、得られた各シートを使用して、ASTM D638に準じて、25℃、50mm/分の条件下で、引張弾性率の測定を行うことにより、特定することができる。
保持部材23の嵌着部24の内周面25には、凹凸が設けられており、これによって、チューブ30の外周面31と、保持部材23の嵌着部24の内周面との圧接力が一層高くなり、噴射装置20にチューブ30を一層強固に固定することができる。図2においては、保持部材23の嵌着部24の内周面25に複数の環状凸部が設けられているが、凹凸の形状はこれに限定されない。凹凸の形状における凹部の底点から凸部の頂点までの高さは、好ましくは0.005mm以上であり、より好ましくは0.01mm以上であり、さらに好ましくは0.02mm以上である。また、凹凸の形状における凹部の底点から凸部の頂点までの高さは、チューブ30の厚みの半分以下であることが好ましい。凸部の高さが小さすぎると圧接力の上昇が不十分となるおそれがあり、大きすぎると挿嵌時のチューブ30の折れ曲がりが起こるおそれがある。
チューブ30の一方端の外周面31には、凹凸が設けられており、これによって、チューブ30の外周面31と、保持部材23の嵌着部24の内周面25との圧接力が一層高くなり、噴射装置20にチューブ30を一層強固に固定することができる。図2においては、チューブ30の一方端の外周面31に複数の環状凸部が設けられているが、凹凸の形状はこれに限定されない。
接続構造の一実施形態においては、保持部材23の嵌着部24の内周面25、および、チューブ30の一方端の外周面31のいずれか一方にのみに凹凸を設けることができ、これによって、チューブ30の外周面31と、保持部材23の嵌着部24の内周面25との圧接力が一層高くなる。また、チューブ30の外周面31と、保持部材23の嵌着部24の内周面25との両方に凹凸を設けることもできる。凹凸は、引張弾性率が高い保持部材23側のみに設けることが好ましい。これによってチューブの挿嵌性が向上すると共に、チューブと保持部材の圧接力が高まるため、噴射装置20にチューブ30を一層強固に固定することができる。接続構造の一実施形態においては、図2に示すように、保持部材23の嵌着部24の内周面25に凹凸を設けることができ、圧接力および、挿嵌後に形成される両者の凹凸の噛みあいによって、チューブ30が噴射装置20に固定されることができる。
保持部材23の嵌着部24の内径は、チューブ30の外径よりも0.5%以上小さくなるように、構成することが好ましい。保持部材23の嵌着部24の内径をチューブ30の外径よりも十分に小さくすることによって、チューブ30の外周面31と、保持部材23の嵌着部24の内周面25との圧接力が一層高くなり、噴射装置20にチューブ30を一層強固に固定することができる。
チューブ30は、保持部材23への挿嵌後においては、保持部材23によって3N以上の力で保持されていることが好ましく、5N以上の力で保持されていることがより好ましく、8N以上の力で保持されていることが更に好ましく、11N以上の力で保持されていることが最も好ましく、25N以下の力で保持されていることが好ましい。保持されている力が小さすぎると使用時に抜け落ちる可能性があり、大きすぎると挿嵌時にチューブが座屈する恐れがある。
チューブの保持力は、保持部材に保持されたチューブを、日本電産シンポ社製のデジタルフォースゲージ FGPシリーズ(FGP-5)および、チューブを挟む治具を用いて、保持部材から取り外す際の保持力の最大値を室温で測定することにより、特定することができる。
チューブ30の外径は、特に限定されないが、好ましくは0.5~5.0mmであり、より好ましくは1.0~3.0mmであり、更に好ましくは1.2~2.0mmであり、最も好ましくは1.4~1.8mmである。また、チューブ30の厚みは、特に限定されないが、好ましくは0.05~0.8mmであり、より好ましくは0.1~0.6mmであり、さらに好ましくは0.3~0.5mmである。
チューブ30には、図3に示すように、一方端に切り欠き32を設けることができ、この切り欠き32によって、保持部材23の嵌着部24にチューブ30の一方端が挿嵌される際にチューブ30が一層容易に弾性変形するようになり、保持部材23の嵌着部24へのチューブ30の挿嵌がより一層容易になるとともに、挿嵌時のチューブ30の折れ曲がりを一層抑制することができる。切り欠きの数および位置は特に限定されない。たとえば、図3に示すように、お互いに直行するように2対の切り欠きを設けてもよい。また、お互いに対面するように1対の切り欠きを設けてもよい。切り欠きの深さは0.1mm以上が好ましく、0.2mm以上がより好ましく、3mm以下が好ましい。浅すぎると折れ曲がりの抑制効果が小さくなるおそれがあり、深すぎると保持力が低下するおそれがある。
チューブ30の一方端にのみ切り欠きを設け、切り欠きを設けた一方端を保持部材23の嵌着部24に挿嵌してもよいが、挿嵌方向を確認する工程を省略して、チューブを製造できることから、チューブ30には、一方端だけでなく、他方端にも切り欠きを設けてもよい。
容器本体11は、内部に収容される液体12が視認できる程度に十分に透明であることが好ましい。透明容器に収容される液体12は、屈折率が1.35~1.41である。このような液体としては、たとえば、液体フレグランスが挙げられる。液体フレグランスは、芳香を拡散させる成分を含む液体であり、通常、香料成分を含有する。液体フレグランスは、たとえば、ベースノートを構成する香料成分、ミドルノートを構成する香料成分またはトップノートを構成する香料成分を適宜配合することにより構成される。液体フレグランスは、香料成分の含有割合によって、たとえば、パフュームエクストラクト、パフューム、オードトワレ、オーデコロンあるいはアフターシェイブなどに分類される。なお、上記屈折率は、ナトリウムD線を光源として25℃において、アッベ屈折率計を用いて測定することができる。
次に、チューブ30について、より詳細に説明する。本開示は、チューブにも関しており、本開示のチューブは、非フルオロポリマーにより形成される成形体の嵌着部に容易に固定できるものである。
上記のとおり、図1に示すスプレー容器10の容器本体11には、屈折率が1.35~1.41の液体12が収容されており、噴射装置20の保持部材23から延びるチューブ30の一部が液体12に浸漬している。容器本体11中の液体12は、チューブ30を通って噴射装置20まで吸い上げられ、噴射装置20の噴射口22から噴射される。
チューブ30は、引張弾性率が300MPa以上のフルオロポリマーにより形成されており、これによって、チューブ30が保持部材23の嵌着部24に容易に挿嵌できるようになるとともに、液体12に対する耐久性、および、ある程度の透明性がチューブ30に付与される。
ここで、屈折率が1.35~1.41である液体の一例としての液体フレグランスは、スプレーポンプやディスペンサーポンプを備えた透明容器に収容された形態にて、フレグランス製品として一般消費者に販売されることが多い。そして、スプレーポンプやディスペンサーポンプには、スプレーポンプやディスペンサーポンプに液体フレグランスを供給するためのチューブ(液体フレグランスを流通させるためのチューブ)が備えられ、このようなチューブは、液体フレグランス中に浸漬された状態で、液体フレグランスとともに透明容器中に収容される。液体フレグランスを含むフレグランス製品は、その製品の性質上、外観の審美性に優れていることが好適とされるものであり、そのため、これに用いられるチューブについては、液体フレグランスに浸漬された状態において、可視性が低いこと、すなわち、見え難い状態であること、とりわけ、実質的に見えない状態であること(一見して、チューブレスに見え、注意して見ない限り見えない状態であること)が望まれる。
本開示は、屈折率が1.35~1.41の液体を流通させるためのチューブにも関しており、フルオロポリマーの構成を適切に選択することにより、液体に浸漬されたチューブを実質的に見えないものとすることができ、チューブが液体に浸漬された状態での製品の審美性を優れたものとすることができる。
フルオロポリマーの屈折率は、特に限定されないが、好ましくは1.35~1.41であり、より好ましくは1.355以上であり、さらに好ましくは1.36以上であり、より好ましくは1.40以下であり、さらに好ましくは1.39以下であり、特に好ましくは1.38以下である。フルオロポリマーの屈折率がこの範囲にあることにより、屈折率が1.35~1.41である液体に浸漬された場合に、チューブをほとんど見えないか、全く見えないものとすることができ、本開示のアッセンブリが取り付けられた製品全体の審美性を高めることができる。フルオロポリマーの屈折率は、ナトリウムD線を光源として25℃において、アッベ屈折率計を用いて測定することができ、下記方法により作製したフルオロポリマーのシートを用いて測定できる。
(フルオロポリマーのシートの作製方法)
フルオロポリマーのペレットを、それぞれ、直径120mmの金型に入れ、240~300℃に加熱したプレス機にセットし、約2.9MPaの圧力で溶融プレスして、厚さ1.5mmのフルオロポリマーのシートを得る。
フルオロポリマーのヘイズ値は、特に限定されないが、好ましくは30%以下であり、より好ましくは25%以下であり、さらに好ましくは22%以下であり、尚さらに好ましくは19%以下であり、特に好ましくは16%以下であり、最も好ましくは12%以下であり、好ましくは0.01%以上であり、より好ましくは0.05%以上であり、さらに好ましくは0.1%以上である。フルオロポリマーのヘイズ値がこの範囲にあることにより、得られるチューブは、透明性が高く、可視性の低いものとなる。さらに、屈折率が1.35~1.41である液体に浸漬された場合に、チューブをほとんど見えないか、全く見えないものとすることができ、本開示のアッセンブリが取り付けられた製品全体の審美性を高めることができる。フルオロポリマーのヘイズ値は、前記方法により作製したフルオロポリマーのシートについて、ヘイズメーターを用いて、ASTM D1003に従い、測定することができる。
フルオロポリマーの波長400nmの光の透過率は、好ましくは50%以上であり、より好ましくは65%以上であり、さらに好ましくは73%以上であり、特に好ましくは78%以上であり、最も好ましくは80%以上であり、好ましくは98%以下である。フルオロポリマーの光の透過率がこの範囲にあることにより、得られるチューブは、透明性が高く、可視性の低いものとなる。さらに、屈折率が1.35~1.41である液体に浸漬された場合に、チューブをほとんど見えないか、全く見えないものとすることができ、本開示のアッセンブリが取り付けられた製品全体の審美性を高めることができる。フルオロポリマーの、波長400nmの光の透過率は、前記方法により作製したフルオロポリマーのシートについて、分光光度計を用い、波長400nmにて測定することができる。
チューブは、アセトンに対して非溶解性であることが好ましい。チューブがアセトンに対して非溶解性であることによって、チューブおよびアッセンブリを、液体フレグランスなどの液体に長期間浸漬させた場合でも、チューブおよびアッセンブリが劣化しにくい。したがって、たとえば、透明性に優れたチューブを用いた場合でも、チューブの透明性を長期間維持することができ、液体フレグランスを容器に繰り返し補充してフレグランス製品を用いる場合でも、フレグランス製品の外観の優れた審美性が長期間維持される。
アセトンへの溶解性は、後述するアセトンへのチューブの浸漬試験により確認することができる。アセトンへのチューブの浸漬試験により溶解することなく、チューブの元の形状が保たれている場合には、チューブがアセトンに対して非溶解性であるといえる。
本開示において、チューブが2種以上のフルオロポリマーにより形成されている場合、上記したフルオロポリマーの引張強度、屈折率、ヘイズ値および光の透過率は、2種以上のフルオロポリマーの混合物について測定する値である。
フルオロポリマーのメルトフローレート(MFR)は、好ましくは3~150g/10分であり、より好ましくは5g/10分以上であり、さらに好ましくは8g/10分以上であり、特に好ましくは12g/10分以上であり、より好ましくは150g/10分以下であり、さらに好ましくは80g/10分以下であり、尚さらに好ましくは70g/10分以下であり、特に好ましくは60g/10分以下であり、最も好ましくは50g/10分以下である。メルトフローレートがこの範囲にあると、チューブ成形した際におけるメルトフラクチャーの発生を有効に抑制でき、これにより、メルトフラクチャーの発生による凹凸に起因する光の屈折による、可視性の増大あるいは低可視性の劣化を有効に抑制でき、結果として、得られるチューブを、可視性の低いものとすることができる。特に、メルトフローレートが上記範囲にあることにより、チューブ成形を比較的高速で行った場合でも、また直径が細いチューブに成形した場合であっても、メルトフラクチャーの発生を有効に抑制できるものであり、これにより生産性の向上にも資することができる。
フルオロポリマーのメルトフローレートは、ASTM D1238に準拠し、メルトインデクサーを用いて測定することができる。測定温度・荷重等の設定値は、個別のフルオロポリマーの規格(たとえば、ASTM D 2116)を参照して決定すればよい。
チューブ中における、フルオロポリマーの含有割合は、90重量%以上が好ましく、95重量%以上がより好ましく、98重量%以上が更に好ましく、99重量%以上が特に好ましく、100重量%が最も好ましい。すなわち、チューブは、実質的にフルオロポリマーのみから構成されるものであることが最も好ましい。この場合においては、不可避的に含まれる不純物等を極微量に含むものであってもよい。
フルオロポリマーとしては、エチレン/テトラフルオロエチレン〔TFE〕共重合体、エチレン/テトラフルオロエチレン〔TFE〕/ヘキサフルオロプロピレン〔HFP〕共重合体、ポリクロロトリフルオロエチレン〔PCTFE〕、クロロトリフルオロエチレン〔CTFE〕系共重合体、ビニリデンフルオライド〔VdF〕/テトラフルオロエチレン〔TFE〕共重合体、テトラフルオロエチレン〔TFE〕/ヘキサフルオロプロピレン〔HFP〕共重合体、テトラフルオロエチレン〔TFE〕/ヘキサフルオロプロピレン〔HFP〕/ビニリデンフルオライド〔VdF〕共重合体などが挙げられる。
フルオロポリマーとしては、得られるチューブの可視性を十分に低いものとすることができ、必要とされる引張弾性率をチューブに付与することができることから、エチレン単位またはHFP単位、およびTFE単位を含有する共重合体、ならびに、VdF単位を含有する重合体からなる群より選択される少なくとも1種のフルオロポリマーが好ましく、エチレン単位およびTFE単位を含有する共重合体、および、VdF単位を含有する重合体からなる群より選択される少なくとも1種のフルオロポリマーがより好ましく、エチレン/テトラフルオロエチレン〔TFE〕共重合体およびVdF/TFE共重合体からなる群より選択される少なくとも1種が更に好ましく、エチレン/TFE/HFP共重合体およびTFE/HFP/VdF共重合体からなる群より選択される少なくとも1種が最も好ましい。
エチレン/TFE/HFP共重合体は、エチレン単位、TFE単位およびHFP単位を含む共重合体である。上記エチレン/TFE/HFP共重合体は、エチレン単位30~70モル%、TFE単位20~55モル%およびHFP単位1~30モル%を含むことが好ましく、エチレン単位33~60モル%、TFE単位25~52モル%およびHFP単位4~25モル%を含むことがより好ましく、エチレン単位35~55モル%、TFE単位30~47モル%およびHFP単位8~20モル%を含むことがさらに好ましい。
また、上記エチレン/TFE/HFP共重合体は、さらに、エチレン性不飽和単量体(但し、エチレン、TFEおよびHFPを除く。)の単量体単位を含むことが好ましい。上記エチレン性不飽和単量体の単量体単位の含有量としては、全単量体単位に対して0.1~10モル%であってよく、0.1~5モル%であってよく、0.2~1モル%であってよく、0.3~0.8モル%であってよい。
上記エチレン性不飽和単量体としては、エチレン、TFEおよびHFPと共重合可能な単量体であれば特に制限されないが、下記の式(1)および(2)で表されるエチレン性不飽和単量体(但し、エチレン、TFEおよびHFPを除く。)からなる群より選択される少なくとも1種であることが好ましい。
式(1): CX=CX(CF
(式中、X、X、XおよびXは、同一または異なって、H、FまたはClを表し、nは0~8の整数を表す。)
式(2): CF=CF-ORf
(式中、Rfは炭素数1~3のアルキル基または炭素数1~3のフルオロアルキル基を表す。)
式(1)で表されるエチレン性不飽和単量体としては、CF=CFCl、下記式(3):
CH=CF-(CF (3)
(式中、Xおよびnは上記と同じ。)、および、下記式(4):
CH=CH-(CF (4)
(式中、Xおよびnは上記と同じ。)
からなる群より選択される少なくとも1種であることが好ましく、CF=CFCl、CH=CFCF、CH=CH-C、CH=CH-C13、およびCH=CF-CHからなる群より選択される少なくとも1種であることがより好ましく、CF=CFCl、CH=CH-C13、CH=CFCF、およびCH=CF-CHから選択される少なくとも1種であることがさらに好ましく、CH=CF-CH(すなわち、2,3,3,4,4,5,5-ヘプタフルオロ-1-ペンテン(CH=CFCFCFCFH)が特に好ましい。
式(2)で表されるエチレン性不飽和単量体としては、CF=CF-OCF、CF=CF-OCFCFおよびCF=CF-OCFCFCFからなる群より選択される少なくとも1種であることが好ましい。
TFE/HFP/VdF共重合体は、TFE単位、HFP単位およびVdF単位を含む共重合体である。TFE/HFP/VdF共重合体は、VdF含有量が多いと柔軟性および透明性が優れることから、TFE/HFP/VdFの共重合割合(モル%比)が、TFE単位25~75モル%、HFP単位1~15モル%、VdF単位24~70モル%を含むことが好ましく、TFE単位30~55モル%、HFP単位3~14モル%、VdF単位34~65モル%を含むことが更に好ましく、TFE単位30~40モル%、HFP単位3~12モル%、VdF単位50~65モル%を含むことが最も好ましい。また、TFE/HFP/VdF共重合体はその他のモノマーの単位を0~20モル%含んでいてもよく、0~10モル%含んでいることがより好ましく、0~5モル%含んでいることが更に好ましい。
その他のモノマーとしては、TFE、HFPおよびVdFと共重合可能な単量体であれば特に制限されないが、下記の式(5)および(6)で表されるエチレン性不飽和単量体(但し、TFE、HFPおよびVdFを除く。)からなる群より選択される少なくとも1種であることが好ましい。
式(5): CX1112=CX13(CF14
(式中、X11、X12、X13およびX14は、同一または異なって、H、F、ClまたはBrを表し、qは0~8の整数を表す。)
式(6): CF=CF-ORf
(式中、Rfは炭素数1~3のアルキル基または炭素数1~3のフルオロアルキル基を表す。)
その他のモノマーとしては、上記の式(5)および(6)で表されるエチレン性不飽和単量体(但し、TFE、HFPおよびVdFを除く。)からなる群より選択される少なくとも1種であることが好ましく、パーフルオロ(メチルビニルエーテル)、パーフルオロ(エチルビニルエーテル)、パーフルオロ(プロピルビニルエーテル)、クロロトリフルオロエチレン、2-クロロペンタフルオロプロペン、過フッ素化されたビニルエーテル(たとえばCFOCFCFCFOCF=CFなどのペルフルオロアルコキシビニルエーテル)などのフッ素含有モノマー、ペルフルオロアルキルビニルエーテル、ペルフルオロ-1,3-ブタジエン、トリフルオロエチレン、ヘキサフルオロイソブテン、フッ化ビニル、エチレン、プロピレン、および、アルキルビニルエーテルからなる群より選択される少なくとも一種のモノマーがより好ましく、パーフルオロ(メチルビニルエーテル)、パーフルオロ(エチルビニルエーテル)、パーフルオロ(プロピルビニルエーテル)であることが最も好ましい。
また、TFE/HFP/VdF共重合体は、VdF単位含有率が少ないと耐薬品性が優れることから、TFE単位、HFP単位およびVdF単位の共重合割合(モル%比)がTFE/HFP/VdF=45~95/0.1~15/0.1~45であることも好ましく、45~85/1~15/5~45(モル比)であることがより好ましく、45~75/2~15/10~45(モル比)であることがさらに好ましく、45~70/5~15/20~45(モル比)であることが最も好ましい。また、TFE/HFP/VdF共重合体はその他のモノマーの単位を0~20モル%含んでいてもよく、0~10モル%含んでいることがより好ましく、0~5モル%含んでいることが更に好ましい。他のモノマーとしては、上記の式(5)および(6)で表されるエチレン性不飽和単量体(但し、TFE、HFPおよびVdFを除く。)からなる群より選択される少なくとも1種であることが好ましく、パーフルオロ(メチルビニルエーテル)、パーフルオロ(エチルビニルエーテル)、パーフルオロ(プロピルビニルエーテル)、クロロトリフルオロエチレン、2-クロロペンタフルオロプロペン、過フッ素化されたビニルエーテル(たとえばCFOCFCFCFOCF=CFなどのペルフルオロアルコキシビニルエーテル)などのフッ素含有モノマー、ペルフルオロアルキルビニルエーテル、ペルフルオロ-1,3-ブタジエン、トリフルオロエチレン、ヘキサフルオロイソブテン、フッ化ビニル、エチレン、プロピレン、CF=CHBr、CH=CH-CFCFBr、CF=CFBr、CH=CH-CFBr、および、アルキルビニルエーテルからなる群より選択される少なくとも一種のモノマーなどが更に好ましく、パーフルオロ(メチルビニルエーテル)、パーフルオロ(エチルビニルエーテル)、パーフルオロ(プロピルビニルエーテル)であることが最も好ましい。
本開示において、フルオロポリマーにおける各単量体単位の含有割合は、フルオロポリマーを構成する単量体単位の種類に応じて、たとえば、NMR、元素分析を適宜組み合わせることで算出することができる。
チューブは、1種のフルオロポリマーにより形成されていてもよいし、2種以上のフルオロポリマーにより形成されていてもよい。2種以上のフルオロポリマーとしては、種類の異なる単量体単位を含有する2種以上のフルオロポリマーであってもよいし、同じ種類の単量体単位を異なる含有割合で含有する2種以上のフルオロポリマーであってもよいし、同じ種類の単量体単位を同じ含有割合で含有する2種以上のフルオロポリマーであってもよい。フルオロポリマーの単量体単位の種類およびその含有量、フルオロポリマーの混合比率などを適切に選択することにより、フルオロポリマーの屈折率、ヘイズ値、光の透過率および引張弾性率を上記した範囲内に調整することができ、フルオロポリマーにアセトンへの非溶解性を付与することができる。
特に、2種以上のフルオロポリマーを用いる場合には、材料とするフルオロポリマーの単量体組成を重合段階から見直すことなく、フルオロポリマーの混合比率などを適切に選択することにより、これらの特性を上記した範囲内に一層容易に調整することができる。上記のチューブが、2種以上のフルオロポリマー、たとえば、エチレン/TFE/HFP共重合体およびTFE/HFP/VdF共重合体により形成されていることも、好適な形態の一つである。
チューブを1種のフルオロポリマーにより形成する場合の好適なフルオロポリマーとしては、フルオロポリマーの引張弾性率を高め、成形体の嵌着部にチューブを一層容易に固定することができるようになることから、エチレン/TFE/HFP共重合体、VdF/TFE共重合体(VdF単位およびTFE単位のみからなる共重合体)、および、TFE/HFP/VdF共重合体であって、VdF単位の含有量が、全単量体単位に対して、35モル%以下である共重合体からなる共重合体が好ましい。
チューブを1種のフルオロポリマーにより形成する場合のより好適なフルオロポリマーとしては、フルオロポリマーの引張弾性率を高めるとともに、チューブにアセトンへの非溶解性を付与できることから、エチレン/TFE/HFP共重合体、および、TFE/HFP/VdF共重合体であって、VdF単位の含有量が、全単量体単位に対して、35モル%以下である共重合体からなる共重合体が好ましい。
チューブを1種のフルオロポリマーにより形成する場合のさらに好適なフルオロポリマーとしては、フルオロポリマーの引張弾性率を高めるとともに、フルオロポリマーの屈折率、ヘイズ値および光の透過率を上記した範囲に容易に調整でき、さらに、チューブにアセトンへの非溶解性を付与できることから、エチレン/TFE/HFP共重合体(エチレン単位、TFE単位およびHFP単位のみからなる共重合体)であって、HFP単位の含有量が、全単量体単位に対して、17モル%以上である共重合体、および、エチレン/TFE/HFP/その他のモノマー共重合体であって、HFP単位およびその他のモノマー単位の合計の含有量が、全単量体単位に対して、12モル%以上である共重合体が好ましい。
チューブを2種以上のフルオロポリマーにより形成する場合の好適なフルオロポリマーの組み合わせとしては、フルオロポリマーの引張弾性率を高め、成形体の嵌着部にチューブを一層容易に固定することができるようになることから、
HFP単位の含有量が12モル%以上のエチレン/TFE/HFP/エチレン性不飽和単量体共重合体とHFP単位の含有量が12モル%未満のエチレン/TFE/HFP/エチレン性不飽和単量体共重合体との組み合わせ、
エチレン/TFE/HFP/エチレン性不飽和単量体共重合体とエチレン/TFE/HFP共重合体(エチレン単位、TFE単位およびHFP単位のみからなる共重合体)との組み合わせ、
エチレン/TFE/HFP/エチレン性不飽和単量体共重合体とTFE/HFP/VdF共重合体との組み合わせ
エチレン/TFE/HFP共重合体(エチレン単位、TFE単位およびHFP単位のみからなる共重合体)とTFE/HFP/VdF共重合体との組み合わせ
が好ましい。
TFE/HFP/VdF共重合体は、TFE単位、HFP単位およびVdF単位のみからなる共重合体であってもよいし、TFE単位、HFP単位およびVdF単位に加えて、上述したその他のモノマー単位を含有する共重合体であってもよい。
エチレン/TFE/HFP共重合体とVdF/TFE共重合体(VdF単位およびTFE単位のみからなる共重合体 )との組み合わせにおける各共重合体の混合比率としては、エチレン/TFE/HFP共重合体:VdF/TFE共重合体の質量比が、好ましくは10:90~90:10であり、より好ましくは30:70~85:15であり、さらに好ましくは45:55~85:15である。
エチレン/TFE/HFP共重合体(エチレン単位、TFE単位およびHFP単位のみからなる共重合体)とエチレン/TFE/HFP/エチレン性不飽和単量体共重合体との組み合わせにおける各共重合体の混合比率としては、エチレン/TFE/HFP共重合体:エチレン/TFE/HFP/エチレン性不飽和単量体共重合体の質量比が、好ましくは10:90~99:1であり、より好ましくは10:90~90:10であり、さらに好ましくは30:70~70:30である。
エチレン/TFE/HFP共重合体とTFE/HFP/VdF共重合体との組み合わせにおける各共重合体の混合比率としては、エチレン/TFE/HFP共重合体:TFE/HFP/VdF共重合体の質量比が、好ましくは10:90~99:1であり、より好ましくは10:90~90:10であり、さらに好ましくは30:70~85:15であり、尚さらに好ましくは45:55~85:15である。
チューブを2種以上のフルオロポリマーにより形成する場合のより好適なフルオロポリマーの組み合わせとしては、フルオロポリマーの引張弾性率を高めるとともに、フルオロポリマーの屈折率、ヘイズ値および光の透過率を上記した範囲に容易に調整でき、さらに、チューブにアセトンへの非溶解性を付与できることから、
エチレン/TFE/HFP/エチレン性不飽和単量体共重合体とエチレン/TFE/HFP共重合体(エチレン単位、TFE単位およびHFP単位のみからなる共重合体)との組み合わせ、
エチレン/TFE/HFP/エチレン性不飽和単量体共重合体と、VdF単位の含有量が35モル%以下であり、HFP単位の含有量が10モル%超であるTFE/HFP/VdF共重合体(TFE単位、HFP単位およびVdF単位のみからなる共重合体)との組み合わせ、
エチレン/TFE/HFP共重合体(エチレン単位、TFE単位およびHFP単位のみからなる共重合体)と、VdF単位の含有量が35モル%以下であり、HFP単位の含有量が10モル%超であるTFE/HFP/VdF共重合体(TFE単位、HFP単位およびVdF単位のみからなる共重合体)との組み合わせ、
エチレン/TFE/HFP/エチレン性不飽和単量体共重合体と、VdF単位の含有量が35モル%以下であり、TFE単位の含有量が55モル%以上であるTFE/HFP/VdF共重合体(TFE単位、HFP単位およびVdF単位のみからなる共重合体)との組み合わせであって、エチレン/TFE/HFP共重合体:TFE/HFP/VdF共重合体の質量比が、45:55~85:15であるもの、
エチレン/TFE/HFP/エチレン性不飽和単量体共重合体とTFE/HFP/VdF/その他のモノマー共重合体との組み合わせ、
が好ましい。
チューブは、特に、エチレン単位、TFE単位およびHFP単位を含有する共重合体であって、HFP単位の含有量が、全単量体単位に対して、17モル%以上、より好ましくは19.0モル%以上の共重合体により形成されていることが、各種の特性のバランスに極めて優れることから好ましい。さらに、このような共重合体を用いることにより、所望の寸法および形状を有するチューブを容易に得ることができるとともに、ヘイズ値およびイエローインデックスが低く、引張弾性率が高いチューブを容易に得ることができる。
したがって、本開示は、屈折率が1.35~1.41である液体を流通させるためのチューブであって、エチレン単位、TFE単位およびHFP単位を含有する共重合体であり、エチレン単位とTFE単位とのモル比(エチレン単位/TFE単位)が、38.0/62.0~70.0/30.0であり、HFP単位の含有量が、共重合体を構成する全単量体単位に対して、1.0~30.0モル%である共重合体を含有するチューブにも関している。
本開示のチューブに含まれる共重合体は、エチレン単位(Et単位)、TFE単位およびHFP単位を含有する。
本開示のチューブに含まれる共重合体において、モル比(Et単位/TFE単位)は、38.0/62.0~70.0/30.0であり、好ましくは43.0/57.0~65.0/35.0であり、より好ましくは47.0/53.0~62.0/38.0であり、さらに好ましくは51.0/49.0~58.0/42.0であり、特に好ましくは52.0/48.0~56.0/44.0である。
本開示のチューブに含まれる共重合体において、HFP単位の含有量は、共重合体を構成する全単量体単位に対して、1.0~30.0モル%であり、好ましくは10.0~27.0モル%であり、より好ましくは15.0~25.0モル%であり、さらに好ましくは17.0~23.0モル%であり、特に好ましくは19.0~21.0モル%である。
本開示のチューブに含まれる共重合体は、さらに、エチレン性不飽和単量体(但し、エチレン、TFEおよびHFPを除く。)の単量体単位を含むことが好ましい。上記エチレン性不飽和単量体の単量体単位の含有量としては、全単量体単位に対して0.1~10モル%であってよく、0.1~5モル%であってよく、0.2~1モル%であってよく、0.3~0.8モル%であってよい。
上記エチレン性不飽和単量体としては、エチレン、TFEおよびHFPと共重合可能な単量体であれば特に制限されないが、下記の式(1)および(2)で表されるエチレン性不飽和単量体(但し、エチレン、TFEおよびHFPを除く。)からなる群より選択される少なくとも1種であることが好ましい。
式(1): CX=CX(CF
(式中、X、X、XおよびXは、同一または異なって、H、FまたはClを表し、nは0~8の整数を表す。)
式(2): CF=CF-ORf
(式中、Rfは炭素数1~3のアルキル基または炭素数1~3のフルオロアルキル基を表す。)
式(1)で表されるエチレン性不飽和単量体としては、CF=CFCl、下記式(3):
CH=CF-(CF (3)
(式中、Xおよびnは上記と同じ。)、および、下記式(4):
CH=CH-(CF (4)
(式中、Xおよびnは上記と同じ。)
からなる群より選択される少なくとも1種であることが好ましく、CF=CFCl、CH=CFCF、CH=CH-C、CH=CH-C13、およびCH=CF-CHからなる群より選択される少なくとも1種であることがより好ましく、CF=CFCl、CH=CH-C13、CH=CFCF、およびCH=CF-CHから選択される少なくとも1種であることがさらに好ましく、CH=CF-CH(すなわち、2,3,3,4,4,5,5-ヘプタフルオロ-1-ペンテン(CH=CFCFCFCFH)が特に好ましい。
式(2)で表されるエチレン性不飽和単量体としては、CF=CF-OCF、CF=CF-OCFCFおよびCF=CF-OCFCFCFからなる群より選択される少なくとも1種であることが好ましい。
チューブは、上記フルオロポリマーを、チューブ形状に成形することにより製造することができる。上記フルオロポリマーを、チューブ形状に成形する方法としては、特に限定されないが、押出成形機を用いて、フルオロポリマーを、溶融押出成形することにより、製造することができる。具体的には、シリンダー、スクリュー、ダイヘッド、ダイを備える押出成形機を用い、上記フルオロポリマーをシリンダー内で溶融状態とし、溶融状態としたフルオロポリマーを、スクリューの回転によって、ダイからチューブ状に押し出し、これによりチューブが製造される。
上述したチューブは、屈折率が1.35~1.41である液体を流通させるために用いることができる。上述したチューブが、引張弾性率が適切に調整されたフルオロポリマーにより形成されている場合には、大きな引張弾性率を有する成形体(噴射装置の保持部材)の嵌着部に容易に固定することができる。さらに、チューブを特定のフルオロポリマーにより形成する場合には、チューブを可視性が低いものとすることができることから、液体フレグランスを流通させるために好適に用いることができる。また、上述したチューブは、液体フレグランスを含む、屈折率が1.35~1.41である液体を収容するための透明容器と、このような液体を吸い上げるためのチューブとを備えるフレグランス製品を構成するためのチューブとして好適に用いることができ、この場合においては、フレグランス製品を、チューブが実質的に見えないものとすることができ、これにより外観の審美性に優れたものとすることができる。さらに、本開示においては、チューブを備える容器を提供することもでき、このような容器としては、たとえば、屈折率が1.35~1.41である液体を収容するための容器が好適に挙げられる。
上述したアッセンブリおよびスプレー容器は、屈折率が1.35~1.41である液体を収容し、収容した液体を噴射するために用いることができる。また、上述したアッセンブリおよびスプレー容器は、液体フレグランスを含む、屈折率が1.35~1.41である液体を収容するための透明容器本体と、このような液体を吸い上げて噴射するためのアッセンブリとを備えるフレグランス製品として好適に用いることができる。さらに、チューブを特定のフルオロポリマーにより形成する場合には、チューブを可視性が低いものとすることができることから、フレグランス製品を、チューブが実質的に見えないものとすることができ、これにより外観の審美性に優れたものとすることができる。
以上、実施形態を説明したが、特許請求の範囲の趣旨および範囲から逸脱することなく、形態や詳細の多様な変更が可能なことが理解されるであろう。
つぎに本開示の実施形態について実施例をあげて説明するが、本開示はかかる実施例のみに限定されるものではない。
実施例の各数値は以下の方法により測定した。
<フルオロポリマーの単量体組成>
核磁気共鳴装置AC300(Bruker-Biospin社製)を用い、測定温度を、(ポリマーの融点+20)℃として19F-NMR測定を行い、各ピークの積分値からフルオロポリマーの単量体組成を求めた。単量体の種類によっては元素分析を適宜組み合わせて、フルオロポリマーの単量体組成を求めてもよい。
<メルトフローレート(MFR)>
実施例で用いたフルオロポリマーのMFRを次の方法により求めた。ASTM D1238に従って、メルトインデクサー(安田精機製作所社製)を用いて、5kg荷重下で、内径2.1mm、長さ8mmのノズルから10分間あたりに流出する共重合体の質量(g/10分)を求めた。なお、メルトフローレートを測定する際の温度は、個別のフルオロポリマーの規格(ASTM D 2116)を参照して、265℃に決定した。
(フルオロポリマーのシートの作製方法)
フルオロポリマーのペレットを、直径120mmの金型に入れ、240~300℃に加熱したプレス機にセットし、約2.9MPaの圧力で溶融プレスして、厚さ1.5mmのフルオロポリマーのシートを得た。
<屈折率>
実施例で用いたフルオロポリマーおよび液体フレグランスの屈折率は、ナトリウムD線を光源として25℃において、アッベ屈折率計(アタゴ光学機器製作所社製)を用いて測定した。フルオロポリマーの屈折率の測定は、上記方法にて作製したフルオロポリマーのシートを用いて行った。
<ヘイズ値>
実施例で用いたフルオロポリマーのヘイズ値は次の方法により求めた。上記した方法に従いフルオロポリマーのペレットを厚み1.5mmのシート状に成形し、得られたシート状の成形体に対し、ヘイズメーター(東洋精機社製ヘイズガードII)を用いて、ASTM D1003に従い、ヘイズ値を測定した。
<波長400nmの光の透過率>
実施例で用いたフルオロポリマーの、波長400nmの光の透過率を次の方法により求めた。上記した方法に従いフルオロポリマーのペレットを厚み1.5mmのシート状に成形し、得られたシート状の成形体に対し、分光光度計U-4000(日立製作所社製)を用い、波長400nmでの光の透過率を測定した。
<引張弾性率>
実施例で用いたフルオロポリマーおよびポリプロピレンの引張弾性率は次の方法により求めた。フルオロポリマーおよびポリプロピレンのペレットを金型にセットし、ヒートプレス機により、200~300℃にて15~30分保持し、ポリマーを溶融させた後、3MPaの負荷を1分間与えることで、圧縮成形し、厚さ2mmのシート状試験片を作製した。次いで、得られたシート状試験片を打ち抜いて、ASTM D638 TypeV型ダンベルを用いて標線間距離3.18mmのダンベル状試験片を得た。得られたダンベル状試験片を用いて、オートグラフ(島津製作所社製:AGS-J 5kN)を使用して、ASTM D638に準じて、50mm/分の条件下で、25℃での引張弾性率を測定した。
(フルオロポリマー)
実施例および比較例では、フルオロポリマーとして、表1に記載の単量体組成およびメルトフローレートを有するフッ素樹脂を用いた。
Figure 0007208575000001
表1中の略号は、それぞれ、以下の単量体を示している。
Et:エチレン
TFE:テトラフルオロエチレン
HFP:ヘキサフルオロプロピレン
H2P:2,3,3,4,4,5,5-ヘプタフルオロ-1-ペンテン(CH=CFCFCFCFH)
VdF:ビニリデンフルオライド
PPVE:パーフルオロ(プロピルビニルエーテル)
実施例1~17および比較例1~3
表1に示すフッ素樹脂のペレットを、表2および表3に示す割合になるように、押出成形機(シリンダー軸径20mm、L/D=24)のホッパーに投入した。押出成形機を用いて、引き取り速度2m/分で押出成形し、外径1.6mm、内径0.8mmのチューブを得た。押出成形機のシリンダー、ダイの温度は、160~300℃に設定した。
作製したチューブを用いて、以下の試験を行った。結果を表2および表3に示す。
<保持部材の嵌着部へのチューブの挿嵌試験(挿嵌性)>
液体フレグランスが収容された市販のスプレー容器(シャネル社製、商品名:N°5)から、チューブが接続されたディスペンサアッセンブリを取り外し、さらに、ディスペンサアッセンブリからチューブを取り外した。回収したディスペンサアッセンブリの保持部材(材質:ポリプロピレン、融点:165℃、引張弾性率:1350MPa)の嵌着部(内径:1.5mm)に、実施例および比較例で作製したチューブを挿嵌し、以下の基準により評価した。
○:チューブを嵌着部に差し込める
△:チューブを嵌着部に差し込めるときもあるし、チューブが座屈して嵌着部に差し込めないこともある
×:チューブが座屈して嵌着部に差し込めない
<液体フレグランスへのチューブの浸漬試験(非視認性)>
実施例および比較例で作製したチューブを、液体フレグランス入り容器(シャネル社製、商品名:N゜5、液体フレグランスの屈折率:1.371)に浸漬させ、背景色をRGB値がR=255、G=0、B=0として、容器の正面50cmの距離からCanon社製、EOS KissX7の風景モードで撮影し、得られた画像に写る容器を観察し、以下の基準により評価した。
◎:チューブの存在がほとんど確認できない
○:チューブの存在が容易には確認できない
×:チューブの存在が容易に確認できる
<アセトンへのチューブの浸漬試験(非溶解性)>
実施例および比較例で作製したチューブを、アセトンに室温で1週間浸漬させ、浸漬後のチューブを観察し、以下の基準により評価した。
○:チューブが溶解しない
△:チューブの一部が溶解する
×:チューブの全部が溶解する
この試験の結果が「○」であるチューブは、アセトンに非溶解性であるといえる。
Figure 0007208575000002
Figure 0007208575000003
10 スプレー容器
11 容器本体
12 液体
20 噴射装置
21 噴射ボタン
22 噴射口
23 保持部材(成形体)
24 嵌着部
25 嵌着部の内周面
30 チューブ
31 チューブの外周面
32 切り欠き

Claims (12)

  1. 屈折率が1.35~1.41である液体を流通させるチューブと、前記チューブの一方端を嵌着する嵌着部が設けられた成形体と、備えるアッセンブリであって、
    前記成形体が、非フルオロポリマーにより形成され、前記チューブが、引張弾性率が300MPa以上のフルオロポリマーにより形成されており、
    前記フルオロポリマーのヘイズ値が、19%以下であり、
    前記非フルオロポリマーが、前記フルオロポリマーの引張弾性率に対して、1.2倍以上の引張弾性率を有しているアッセンブリ。
  2. 屈折率が1.35~1.41である液体を噴射する噴射装置をさらに備えており、前記噴射装置が、前記成形体を、前記チューブの一方端を嵌着する嵌着部が設けられた保持部材として備えている請求項1に記載のアッセンブリ。
  3. 前記フルオロポリマーの屈折率が、1.35~1.41である請求項1または2に記載のアッセンブリ。
  4. 前記フルオロポリマーの波長400nmの光の透過率が、50%以上である請求項1~のいずれかに記載のアッセンブリ。
  5. 前記チューブが、エチレン単位およびテトラフルオロエチレン単位を含有する共重合体、および、ビニリデンフルオライド単位を含有する重合体からなる群より選択される少なくとも1種のフルオロポリマーにより形成されている請求項1~のいずれかに記載のアッセンブリ。
  6. 前記チューブが、単量体組成が異なる2種以上のフルオロポリマーにより形成されている請求項1~のいずれかに記載のアッセンブリ。
  7. 前記チューブが、アセトンに対して非溶解性である請求項1~のいずれかに記載のアッセンブリ。
  8. 前記成形体が、ポリオレフィンおよびポリエステルからなる群より選択される少なくとも1種の非フルオロポリマーにより形成されている請求項1~のいずれかに記載のアッセンブリ。
  9. 前記成形体の前記嵌着部の内周面に凹凸が設けられている請求項1~のいずれかに記載のアッセンブリ。
  10. 前記成形体の前記嵌着部の内径が、前記チューブの外径よりも、0.5%以上小さい請求項1~のいずれかに記載のアッセンブリ。
  11. 前記チューブの少なくとも前記一方端に切り欠きが設けられている請求項1~10のいずれかに記載のアッセンブリ。
  12. 請求項1~11のいずれかに記載のアッセンブリと、容器本体とを備えるフレグランス製品。
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