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JP7208838B2 - ジシクロペンタジエン及びイソプレンの製造方法 - Google Patents
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Description

本発明は、ジシクロペンタジエン及びイソプレンの製造方法に関する。
炭素数5の炭化水素には、従来から様々な利用法が提案されている。例えば、イソプレンは、合成ゴム等の主成分として需要が高く、工業的に多く利用されている。イソプレンは、例えば、ナフサを熱分解してエチレンを生産する際に副生する、炭素数5の炭化水素を主成分とするC5留分から、抽出蒸留によって回収することで得ることができる。また、特許文献1には、当該抽出蒸留の抽出残油から、イソアミレンを回収し、当該イソアミレンを脱水素反応させることでイソプレンを製造することが記載されている。
特開2015-151391号公報
しかし、特許文献1に記載の方法では、イソアミレン回収後に残存した炭素数5の炭化水素がロスとなる。このため、より資源の有効活用が可能な製造プロセスが期待されている。
本発明は、炭素数5の炭化水素から工業的に有用なイソアミレンを製造しつつ、同時に、工業的に有用なジシクロペンタジエンを併産可能な、ジシクロペンタジエン及びイソプレンの製造方法を提供することを目的とする。
本発明の一側面は、炭素数5の炭化水素のノルマル体及びイソ体を含有する原料混合物から、上記ノルマル体を含有する第一の混合物と上記イソ体を含有する第二の混合物とを得る分離工程と、上記第一の混合物と環化脱水素触媒とを接触させて、シクロペンタジエンを含有する第一の生成物を得る第一の脱水素工程と、上記第二の混合物と脱水素触媒とを接触させて、イソプレンを含有する第二の生成物を得る第二の脱水素工程と、上記第一の生成物及び上記第二の生成物を含有する第三の混合物から、シクロペンタジエンの二量化及び抽出蒸留によって、ジシクロペンタジエンとイソプレンとを得る回収工程と、を含む、ジシクロペンタジエン及びイソプレンの製造方法に関する。
一態様において、上記第三の混合物は、炭素数5の炭化水素を主成分とするC5留分を更に含有してよい。このとき、上記回収工程は、ジシクロペンタジエンと、イソプレンと、炭素数5の炭化水素のノルマル体及びイソ体を含有する原料混合物と、を得る工程であってよい。
上記回収工程で得られる上記原料混合物は、上記分離工程の上記原料混合物として用いることができる。
一態様において、上記回収工程は、上記第三の混合物の加熱によりシクロペンタジエンを二量化して、ジシクロペンタジエンと、イソプレンを含有する第四の混合物と、を得るステップ(A-1)と、上記第四の混合物の抽出蒸留によって、イソプレンを得るステップ(A-2)と、を含む工程であってよい。
一態様において、上記回収工程は、上記第三の混合物の抽出蒸留によって、イソプレンと、シクロペンタジエンを含有する第五の混合物と、を得るステップ(B-1)と、上記第五の混合物の加熱によりシクロペンタジエンを二量化して、ジシクロペンタジエンを得るステップ(B-2)と、を含む工程であってよい。
本発明によれば、炭素数5の炭化水素から工業的に有用なイソアミレンを製造しつつ、同時に、工業的に有用なジシクロペンタジエンを併産可能な、ジシクロペンタジエン及びイソプレンの製造方法が提供される。
以下、本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。
本実施形態に係る製造方法は、炭素数5の炭化水素のノルマル体及びイソ体を含有する原料混合物から、上記ノルマル体を含有する第一の混合物と上記イソ体を含有する第二の混合物とを得る分離工程と、上記第一の混合物と環化脱水素触媒とを接触させて、シクロペンタジエンを含有する第一の生成物を得る第一の脱水素工程と、上記第二の混合物と脱水素触媒とを接触させて、イソプレンを含有する第二の生成物を得る第二の脱水素工程と、上記第一の生成物及び上記第二の生成物を含有する第三の混合物から、シクロペンタジエンの二量化及び抽出蒸留によって、ジシクロペンタジエンとイソプレンとを得る回収工程と、を含む。
本実施形態に係る製造方法によれば、炭素数5の炭化水素から、工業的に有用なイソアミレンとジシクロペンタジエンとを併産することができる。
以下、本実施形態に係る製造方法の各工程について詳述する。
<分離工程>
分離工程では、炭素数5の炭化水素のノルマル体及びイソ体を含有する原料混合物から、ノルマル体を含有する第一の混合物と、イソ体を含有する第二の混合物と、を得る。
炭素数5の炭化水素のノルマル体としては、n-ペンタン、1-ペンテン、2-ペンテン、1,3-ペンタジエン、1,4-ペンタジエンが挙げられる。
炭素数5の炭化水素のイソ体としては、イソペンタン、2-メチル-1-ブテン、2-メチル-2-ブテン、3-メチル-1-ブテンが挙げられる。
原料混合物において、ノルマル体に対するイソ体のモル比は、例えば0.1~10であってよく、好ましくは0.2~5、より好ましくは0.5~2である。
分離工程において、原料混合物から第一の混合物と第二の混合物とを分離する方法は特に限定されないが、例えば、蒸留、抽出蒸留、オレフィンのアルコールへの変換を経由する蒸留分離、膜分離等の任意の分離方法を用いて行うことができる。なかでも、生産性、装置規模及びエネルギー原単位の観点から、分離方法としては膜分離が好ましい。
膜分離に用いる分離膜としては、原料混合物を第一の混合物と第二の混合物とに分離が可能であれば特に限定されることなく、高分子膜、無機膜、炭素膜等を用いることができる。なかでも、耐熱性及び耐薬品性の観点からは、無機膜が好ましく、セラミック膜、金属膜、合金膜がより好ましく、セラミック膜が更に好ましく、シリカライト膜等のゼオライト膜が特に好ましい。
また、膜分離は、平板型、管型、積層平板型、多管型等の任意の形態の膜分離モジュールを用いて行うことができる。なかでも分離効率及び装置の小型化の観点からは、平板型又は多管型の膜分離モジュールであることが好ましく、分離膜の交換の容易性の観点からは多管型の分離膜モジュールであることがより好ましい。
第一の混合物は、ノルマル体を主成分(例えば70質量%以上)とする混合物であってよい。第一の混合物に占めるノルマル体の量は、好ましくは80質量%以上、より好ましくは90質量%以上であり、100質量%であってもよい。
第二の混合物は、イソ体を主成分(例えば70質量%以上)とする混合物であってよい。第二の混合物に占めるイソ体の量は、好ましくは80質量%以上、より好ましくは90質量%以上であり、100質量%であってもよい。
<第一の脱水素工程>
第一の脱水素工程は、第一の混合物と環化脱水素触媒とを接触させて、シクロペンタジエンを含有する第一の生成物を得る工程である。第一の脱水素工程では、第一の混合物中のノルマル体の環化脱水素反応により、シクロペンタジエンが生成する。
環化脱水素触媒及び環化脱水素反応の条件は特に限定されず、ノルマル体の少なくとも一部をシクロペンタジエンに変換可能な触媒及び条件であれば特に制限なく用いることができる。
環化脱水素触媒は、例えば担体と当該担体に担持された活性金属とを有していてよい。
担体としては、無機担体が好ましく、無機酸化物担体がより好ましい。また、担体は、Al、Mg、Si、Zr、Ti及びCeからなる群より選択される少なくとも一種の元素を含むことが好ましく、Al、Mg及びSiからなる群より選択される少なくとも一種の元素を含むことがより好ましい。
環化脱水素触媒の好適な一態様について、以下に示す。
本態様の環化脱水素触媒は、Al及び第2族金属元素を含む担体に、第14族金属元素及びPtを含む担持金属を担持させた触媒である。ここで、第2族金属元素とは、IUPAC(国際純正応用化学連合)の規定に基づく長周期型の元素の周期表における周期表第2族に属する金属元素を意味し、第14族金属元素とは、IUPAC(国際純正応用化学連合)の規定に基づく長周期型の元素の周期表における周期表第14族に属する金属元素を意味する。
第2族金属元素は、例えば、ベリリウム(Be)、マグネシウム(Mg)、カルシウム(Ca)、ストロンチウム(Sr)及びバリウム(Ba)からなら群より選択される少なくとも一種であってよい。これらの中でも、第2族金属元素は、Mgであることが好ましい。
第14族金属元素は、例えば、ゲルマニウム(Ge)、スズ(Sn)及び鉛(Pb)からなる群より選択される少なくとも一種であってよい。これらの中でも、第14族金属元素は、Snであることが好ましい。
環化脱水素触媒は、上記以外の環化脱水素触媒であってもよい。例えば、上記以外の環化脱水素触媒の好適な一例として、上記態様における担持金属としてCrを用いた触媒が挙げられる。
環化脱水素反応の条件は特に限定されず、例えば、反応温度は300~800℃であってよく、400~700℃であってもよく、500~650℃であってもよい。反応温度が300℃以上であれば、シクロペンタジエンの生成量が一層多くなる傾向がある。反応温度が800℃以下であれば、コーキング速度が大きくなりすぎないため、環化脱水素触媒の高い活性がより長期にわたって維持される傾向がある。反応圧力、すなわち反応器内の気圧は0.01~1MPaであってよく、0.05~0.8MPaであってもよく、0.1~0.5MPaであってもよい。反応圧力が上記範囲にあれば脱水素反応が進行し易くなり、一層優れた反応効率が得られる傾向がある。
また、環化脱水素反応を、原料ガスを連続的に供給する連続式の反応形式で行う場合、重量空間速度(以下、「WHSV」という。)は、例えば0.1h-1以上であってよく、0.5h-1以上であってもよい。また、WHSVは、20h-1以下であってよく、10h-1以下であってもよい。ここで、WHSVとは、環化脱水素触媒の質量Wに対する原料ガス(第一の混合物)の供給速度(供給量/時間)Fの比(F/W)である。WHSVが0.1h-1以上であると、反応器サイズをより小さくできる。WHSVが20h-1以下であると、シクロペンタジエンの収率をより高くすることができる。なお、原料ガス及び触媒の使用量は、反応条件、触媒の活性等に応じて更に好ましい範囲を適宜選定してよく、WHSVは上記範囲に限定されるものではない。
環化脱水素反応の反応形式は、例えば、固定床式、移動床式又は流動床式であってよい。これらのうち、設備コストの観点からは固定床式が好ましい。
第一の生成物は、環化脱水素反応により生じたシクロペンタジエンを含有する。第一の生成物は、シクロペンタジエン以外の成分を更に含有していてよく、例えば、環化しなかったノルマル体を更に含有していてよい。
<第二の脱水素工程>
第二の脱水素工程は、第二の混合物と脱水素触媒とを接触させて、イソプレンを含有する第二の生成物を得る工程である。第二の脱水素工程では、第二の混合物中のイソ体の脱水素反応により、イソプレンが生成する。
脱水素触媒及び脱水素反応の条件は特に限定されず、イソ体の少なくとも一部をイソプレンに変換可能な触媒及び条件であれば特に制限なく用いることができる。
脱水素触媒としては、例えば、Al及び第2族金属元素を含む担体に、第14族金属元素及びPtを含む担持金属を担持させた触媒(以下、第一の脱水素触媒ともいう。)を用いることができる。ここで、第2族金属元素とは、IUPAC(国際純正応用化学連合)の規定に基づく長周期型の元素の周期表における周期表第2族に属する金属元素を意味する。第14族金属元素とは、IUPAC(国際純正応用化学連合)の規定に基づく長周期型の元素の周期表における周期表第14族に属する金属元素を意味する。
第2属金属元素としては、Mgが特に好適であり、第14属金属元素としては、Snが特に好適である。
また、脱水素触媒としては、例えば、無機酸化物担体に、スズ及び活性金属を担持した触媒(以下、第二の脱水素触媒ともいう。)を用いることもできる。活性金属としては、白金、ルテニウム、イリジウム等を好適に用いることができる。
第二の脱水素工程では、第一の脱水素触媒及び第二の脱水素触媒のうちいずれか一方を用いて脱水素反応を行ってよく、第一の脱水素触媒及び第二の脱水素触媒の両方を用いて脱水素反応を行ってもよい。
第二の脱水素工程における脱水素反応の条件は特に限定されず、例えば、反応温度は300~800℃であってよく、400~700℃であってもよく、500~650℃あってもよい。反応温度が300℃以上であれば、イソプレンの生成量が一層多くなる傾向がある。反応温度が800℃以下であれば、コーキング速度が大きくなりすぎないため、脱水素触媒の高い活性がより長期にわたって維持される傾向がある。反応圧力、すなわち反応器内の気圧は0.01~1MPaであってよく、0.05~0.8MPaであってよく、0.1~0.5MPaであってよい。反応圧力が上記範囲にあれば脱水素反応が進行し易くなり、一層優れた反応効率が得られる傾向がある。
また、第二の脱水素工程における脱水素反応を、原料ガスを連続的に供給する連続式の反応形式で行う場合、重量空間速度(以下、「WHSV」という。)は、例えば0.1h-1以上であってよく、0.5h-1以上であってもよい。また、WHSVは、20h-1以下であってよく、10h-1以下であってもよい。ここで、WHSVとは、脱水素触媒の質量Wに対する原料ガス(第二の混合物)の供給速度(供給量/時間)Fの比(F/W)である。WHSVが0.1h-1以上であると、反応器サイズをより小さくできる。WHSVが20h-1以下であると、イソプレンへの転化率をより高くすることができる。なお、原料ガス及び触媒の使用量は、反応条件、触媒の活性等に応じて更に好ましい範囲を適宜選定してよく、WHSVは上記範囲に限定されるものではない。
第二の脱水素反応の反応形式は、例えば、固定床式、移動床式又は流動床式であってよい。これらのうち、設備コストの観点からは固定床式が好ましい。
第二の生成物は、脱水素反応により生じたイソプレンを含有する。第二の生成物は、イソプレン以外の成分を更に含有していてよく、例えば、イソプレン以外のイソ体を更に含有していてよい。
<回収工程>
回収工程では、第一の生成物及び第二の生成物を含有する第三の混合物から、シクロペンタジエンの二量化及び抽出蒸留によって、ジシクロペンタジエンとイソプレンとを得る工程である。
第三の混合物は、シクロペンタジエン及びイソプレンを含有しており、シクロペンタジエンは二量化反応によってジシクロペンタジエンに変換されて回収され、イソプレンは抽出蒸留により回収される。第三の混合物は、シクロペンタジエン及びイソプレン以外の炭素数5の炭化水素を更に含有していてよく、当該炭素数5の炭化水素は、ジシクロペンタジェン及びイソプレンの回収後、上述の分離工程における原料混合物として、利用することができる。
第三の混合物は、第一の生成物及び第二の生成物以外に、炭素数5の炭化水素を主成分とするC5留分を更に含有していてよい。これにより、C5留分中のシクロペンタジエン及びイソプレンが二量化及び抽出蒸留により回収され、C5留分中のシクロペンタジエン及びイソプレン以外の炭素数5の炭化水素を、上述の分離工程における原料化合物として効率良く利用することができる。すなわち、第三の混合物にC5留分を配合することで、分離工程、第一の脱水素工程、第二の脱水素工程及び回収工程からなる反応サイクルに、原料成分であるノルマル体及びイソ体を効率良く導入することができる。
C5留分は、炭素数5の炭化水素を主成分(例えば70質量%以上)として含む。C5留分に占める炭素数5の炭化水素の量は、好ましくは80質量%以上、より好ましくは90質量%以上である。
C5留分は、例えば、ナフサの熱分解により生成したC5留分であってよく、重質油接触分解装置由来の軽質炭化水素混合物であってもよい。
C5留分は、炭素数5の炭化水素のノルマル体及びイソ体をいずれも含有していることが好ましい。C5留分におけるノルマル体に対するイソ体のモル比は、特に限定されないが、例えば0.2~5であってよく、好ましくは0.5~2である。
C5留分は、シクロペンタジエンを更に含有していてよい。この場合、回収工程における二量化によって、当該シクロペンタジエンから、工業的に有用なジシクロペンタジエンが生成される。
C5留分は、イソプレンを更に含有していてよい。この場合、回収工程における抽出蒸留によって、工業的に有用なイソプレンが回収される。
回収工程において、二量化及び抽出蒸留の順序は限定されない。好適な一態様において、回収工程は、第三の混合物中のシクロペンタジエンを二量化してジシクロペンタジエンを得た後、抽出蒸留でイソプレンを回収する工程であってよい。また、他の好適な一態様において、回収工程は、第三の混合物の抽出蒸留によってイソプレン及びシクロペンタジエンを回収し、回収されたシクロペンタジエンを二量化してジシクロペンタジエンを得る工程であってもよい。以下に、各態様について詳述する。
(第一の態様)
第一の態様において、回収工程は、第三の混合物の加熱によりシクロペンタジエンを二量化して、ジシクロペンタジエンと、イソプレンを含有する第四の混合物と、を得るステップ(A-1)と、第四の混合物の抽出蒸留によって、イソプレンを得るステップ(A-2)と、を含む。
ステップ(A-1)では、第三の混合物中のシクロペンタジエンが二量化され、ジシクロペンタジエンが得られる。また、シクロペンタジエン以外の成分は、第四の混合物として、後段のステップ(A-2)に供される。
ステップ(A-2)では、第四の混合物の抽出蒸留によって、イソプレンが回収される。また、第四の混合物には、イソプレン以外の炭素数5の炭化水素が含まれていてよく、当該炭素数5の炭化水素は、抽出蒸留後、上述の分離工程における原料混合物として再利用される。
ステップ(A-1)における二量化反応の条件は特に限定されず、シクロペンタジエンを二量化してジシクロペンタジエンを生成可能な条件であれば特に制限なく用いることができる。シクロペンタジエンの多量化抑制及び反応効率の観点から、シクロペンタジエンの二量化は、ディールズ・アルダー反応を用いて行うことが好ましく、無触媒の連続反応器を使用した液相でのディールズ・アルダー反応を用いて行うことがより好ましい。なお、連続反応器を用いてディールズ・アルダー反応を実施する際の炭化水素混合物の滞留時間は、0.5時間以上とすることが好ましく、1時間以上とすることがより好ましく、6時間以下とすることが好ましく、4時間以下とすることがより好ましい。このような滞留時間とすることで、二量化反応を十分に進行させることができ、且つ、シクロペンタジエンとイソプレン、ピペリレン等との副反応が抑制され、ジシクロペンタジエンをより効率的に得ることができる。
ステップ(A-1)における二量化反応の反応温度は、50℃以上であることが好ましく、60℃以上であることがより好ましく、250℃以下であることが好ましく、150℃以下であることがより好ましい。このような反応温度とすることで、二量化反応を十分に進行させることができ、且つ、上述の副反応を抑制して、ジシクロペンタジエンをより効率的に得ることができる。
二量化反応によって生成したジシクロペンタジエンは蒸留分離等の方法等で反応後の混合物から回収してよい。また、反応後の混合物中のジシクロペンタジエン以外の成分は、第四の混合物として回収され、ステップ(A-2)に供される。
ステップ(A-2)における抽出蒸留の条件は特に限定されず、イソプレンを分離・回収できる条件であればよい。ステップ(A-2)における抽出蒸留は、例えば、ジメチルホルムアミド等を含む抽出剤を用いた抽出分離等の方法により行うことができる。
第四の混合物のうちイソプレン以外の成分は、回収して分離工程の原料混合物として利用することができる。
(第二の態様)
第二の態様において、上記回収工程は、第三の混合物の抽出蒸留によって、イソプレンと、シクロペンタジエンを含有する第五の混合物と、を得るステップ(B-1)と、第五の混合物の加熱によりシクロペンタジエンを二量化して、ジシクロペンタジエンを得るステップ(B-2)と、を含む。
ステップ(B-1)では、第三の混合物の抽出蒸留によって、イソプレンと、シクロペンタジエンを含有する第五の混合物とがそれぞれ回収される。第三の混合物には、イソプレン及びシクロペンタジエン以外の炭素数5の炭化水素が含まれていてよく、当該炭素数5の炭化水素は、抽出蒸留後、上述の分離工程における原料混合物として再利用される。
ステップ(B-2)では、ステップ(B-1)で回収されたシクロペンタジエンの二量化反応によって、ジシクロペンタジエンが得られる。
ステップ(B-1)における抽出蒸留の条件は特に限定されず、シクロペンタジエン及びイソプレンをそれぞれ分離・回収できる条件であればよい。ステップ(B-1)における抽出蒸留は、例えば、アセトニトリル、n-メチルピロリドン等を含む抽出剤を用いた抽出分離等の方法により行うことができる。
第三の混合物のうちシクロペンタジエン及びイソプレン以外の成分は、回収して分離工程の原料混合物として利用することができる。
ステップ(B-2)における二量化反応の条件は特に限定されず、シクロペンタジエンを二量化してジシクロペンタジエンを生成可能な条件であれば特に制限なく用いることができる。シクロペンタジエンの多量化抑制及び反応効率の観点から、シクロペンタジエンの二量化は、ディールズ・アルダー反応を用いて行うことが好ましく、無触媒の連続反応器を使用した液相でのディールズ・アルダー反応を用いて行うことがより好ましい。なお、連続反応器を用いてディールズ・アルダー反応を実施する際の炭化水素混合物の滞留時間は、0.5時間以上とすることが好ましく、1時間以上とすることがより好ましく、6時間以下とすることが好ましく、4時間以下とすることがより好ましい。このような滞留時間とすることで、二量化反応を十分に進行させることができ、且つ、副反応が抑制され、ジシクロペンタジエンをより効率的に得ることができる。
ステップ(B-2)における二量化反応の反応温度は、50℃以上であることが好ましく、60℃以上であることがより好ましく、250℃以下であることが好ましく、150℃以下であることがより好ましい。このような反応温度とすることで、二量化反応を十分に進行させることができ、且つ、副反応を抑制して、ジシクロペンタジエンをより効率的に得ることができる。
二量化反応によって生成したジシクロペンタジエンは、蒸留分離等の方法等で反応後の混合物から回収してよい。
以上、本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではない。
以下、実施例によって本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
(実施例1)
表1に示した組成のC5留分を用いて、下記の分離工程、第一の脱水素工程、第二の脱水素工程及び回収工程を含む反応サイクルを検討した。
表1に示した組成のC5留分は、後述の第一の脱水素工程で得られる第一の生成物及び後述の第二の脱水素工程で得られる第二の生成物と混合されて、回収工程に供される。回収工程では、シクロペンタジエンの二量化及び抽出蒸留によってジシクロペンタジエンとイソプレンとが回収されるとともに、その他のC5留分は後述の分離工程に供給される。
分離工程では、回収工程を経たC5留分を、ノルマル体を含有する第一の混合物とイソ体を含有する第二の混合物とに分離する。第一の混合物は後述の第一の脱水素工程に供され、第二の混合物は後述の第二の脱水素工程に供される。
第一の脱水素工程では、第一の混合物と環化脱水素触媒とを接触させて、シクロペンタジエンを含有する第一の生成物を得る。第二の脱水素工程では、第二の混合物と脱水素触媒とを接触させて、イソプレンを含有する第二の生成物を得る。第一の生成物及び第二の生成物は上述のとおり回収工程に供給され、これにより、C5留分中のノルマル体はジシクロペンタジエンに、イソ体はイソプレンになるまで系内を循環する。
上記反応サイクルにおいて、回収工程を経て回収されるジシクロペンタジエン及びイソプレンの収率(原料のC5留分の使用量に対する収率(質量%))を求めた。結果を表2に示す。
Figure 0007208838000001
(比較例1)
回収工程のみを実施する反応系について検討した。
すなわち、比較例1の反応系では、表1に示した組成のC5留分について、シクロペンタジエンの二量化及び抽出蒸留を行い、ジシクロペンタジエン及びイソプレンを回収する。ジシクロペンタジエン及びイソプレンを回収後の残部は、系外にパージされる。
このような反応系において回収されるジシクロペンタジエン及びイソプレンの収率(原料のC5留分の使用量に対する収率(質量%))を求めた。結果を表2に示す。
(比較例2)
第一の脱水素工程を実施しない反応サイクルについて検討した。
すなわち、比較例2において、表1に示した組成のC5留分は、後述の第二の脱水素工程で得られる第二の生成物と混合されて、回収工程に供される。回収工程では、シクロペンタジエンの二量化及び抽出蒸留によってジシクロペンタジエンとイソプレンとが回収されるとともに、その他のC5留分は後述の分離工程に供給される。
分離工程では、回収工程を経たC5留分を、ノルマル体を含有する第一の混合物とイソ体を含有する第二の混合物とに分離する。第一の混合物は、系外にパージされる。第二の混合物は後述の第二の脱水素工程に供される。
v第二の脱水素工程では、第二の混合物と脱水素触媒とを接触させて、イソプレンを含有する第二の生成物を得る。第二の生成物は上述のとおり回収工程に供給され、これにより、C5留分中のイソ体はイソプレンになるまで系内を循環する。
このような反応サイクルにおいて回収されるジシクロペンタジエン及びイソプレンの収率(原料のC5留分の使用量に対する収率(質量%))を求めた。結果を表2に示す。
Figure 0007208838000002

Claims (5)

  1. 炭素数5の炭化水素のノルマル体及びイソ体を含有する原料混合物から、前記ノルマル体を含有する第一の混合物と前記イソ体を含有する第二の混合物とを得る分離工程と、
    前記第一の混合物と環化脱水素触媒とを接触させて、シクロペンタジエンを含有する第一の生成物を得る第一の脱水素工程と、
    前記第二の混合物と脱水素触媒とを接触させて、イソプレンを含有する第二の生成物を得る第二の脱水素工程と、
    前記第一の生成物及び前記第二の生成物を含有する第三の混合物から、シクロペンタジエンの二量化及び抽出蒸留によって、ジシクロペンタジエンとイソプレンとを得る回収工程と、
    を含む、ジシクロペンタジエン及びイソプレンの製造方法。
  2. 前記第三の混合物が、炭素数5の炭化水素を主成分とするC5留分を更に含有し、
    前記回収工程が、ジシクロペンタジエンと、イソプレンと、炭素数5の炭化水素のノルマル体及びイソ体を含有する原料混合物と、を得る工程である、請求項1に記載の製造方法。
  3. 前記回収工程で得た前記原料混合物を、前記分離工程の前記原料混合物として用いる、請求項2に記載の製造方法。
  4. 前記回収工程が、
    前記第三の混合物の加熱によりシクロペンタジエンを二量化して、ジシクロペンタジエンと、イソプレンを含有する第四の混合物と、を得るステップ(A-1)と、
    前記第四の混合物の抽出蒸留によって、イソプレンを得るステップ(A-2)と、
    を含む、請求項1~3のいずれか一項に記載の製造方法。
  5. 前記回収工程が、
    前記第三の混合物の抽出蒸留によって、イソプレンと、シクロペンタジエンを含有する第五の混合物と、を得るステップ(B-1)と、
    前記第五の混合物の加熱によりシクロペンタジエンを二量化して、ジシクロペンタジエンを得るステップ(B-2)と、
    を含む、請求項1~3のいずれか一項に記載の製造方法。
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