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JP7209449B2 - Lpo付き活物質粉体の製造方法 - Google Patents
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JP7209449B2 - Lpo付き活物質粉体の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、リチウムイオンを吸蔵及び放出可能な正極活物質粒子(処理前正極活物質粒子)が集合した活物質粉体(処理前活物質粉体)から、非晶質LPO部を有するLPO付き正極活物質粒子が集合したLPO付き活物質粉体を製造する、LPO付き活物質粉体の製造方法に関する。
リチウムイオン二次電池(以下、単に「電池」ともいう)の正極板に用いられる活物質粉体として、正極活物質からなる粒子本体の粒子表面に、Li(リチウム)、P(リン)及びO(酸素)を含む非晶質の非晶質LPO部を形成したLPO付き正極活物質粒子が集合したLPO付き活物質粉体が知られている。このようなLPO付き活物質粉体を用いて製造した電池では、非晶質LPO部の無い正極活物質粒子が集合した活物質粉体を用いた電池に比べて、電池抵抗を低くできる。
このLPO付き活物質粉体は、例えば以下の手法により製造する。即ち、正極活物質からなる処理前粒子本体の粒子表面に、Liを含む表面Li化合物部を有する処理前正極活物質粒子が集合した処理前活物質粉体を用意する。また別途、例えばH3PO4(オルトリン酸)等のリン化合物を水に溶解した、Pを含むP処理液を作製しておく。そして、これら処理前活物質粉体とP処理液とを混合して、表面Li化合物部から非晶質LPO部を形成し、粒子表面に非晶質LPO部を有するLPO付き正極活物質粒子が集合したLPO付き活物質粉体を得る。なお、この手法に関連する従来技術として、特許文献1が挙げられる。
特開2019-153462号公報
しかしながら、電池抵抗を更に低くできるLPO付き活物質粉体が望まれていた。
本発明は、かかる現状に鑑みてなされたものであって、電池抵抗を低くするLPO付き活物質粉体を製造できるLPO付き活物質粉体の製造方法を提供するものである。
上記課題を解決するための本発明の一態様は、リチウムイオンを吸蔵及び放出可能な正極活物質からなる処理前粒子本体と、この処理前粒子本体の粒子表面に存在し、Liを含む表面Li化合物部とを備える処理前正極活物質粒子が集合した処理前活物質粉体から、上記正極活物質からなる粒子本体と、この粒子本体の粒子表面に形成され、Li、P及びOを含む非晶質の非晶質LPO部とを備えるLPO付き正極活物質粒子が集合したLPO付き活物質粉体を製造するLPO付き活物質粉体の製造方法であって、上記処理前活物質粉体に水またはLiOH水溶液を混合し、乾燥させて、上記処理前正極活物質粒子よりも、多くの量のLiを含む表面Li化合物部を備えるLi増加正極活物質粒子が集合したLi増加活物質粉体を得るLi増加工程と、上記Li増加活物質粉体に、Pを含むP処理液を混合して、上記表面Li化合物部から上記非晶質LPO部を形成し、上記LPO付き活物質粉体を得るLPO形成工程と、を備えるLPO付き活物質粉体の製造方法である。
上述のLPO付き活物質粉体の製造方法では、Li増加工程において、処理前活物質粉体よりも、多くの量のLiを含む表面Li化合物部を有するLi増加活物質粉体を得ることができる。そして、このLi増加活物質粉体を用いてLPO形成工程を行うことで、Li増加工程を行わずにLPO形成工程を行った場合に比して、より多くの非晶質LPO部を含むLPO付き活物質粉体を作製できる。従って、このLPO付き活物質粉体を用いて電池を製造すれば、Li増加工程を行わずに得たLPO付き活物質粉体を用いた電池に比して、より一層電池抵抗を低くできる。
「正極活物質」としては、例えばリチウム遷移金属酸化物が挙げられる。このリチウム遷移金属酸化物としては、リチウムニッケル複合酸化物(例えばLiNiO2)、リチウムコバルト複合酸化物(例えばLiCoO2)、リチウムマンガン複合酸化物(例えばLiMn24)、リチウムニッケルコバルトマンガン複合酸化物(例えばLiNi1/3Co1/3Mn1/32)のような三元系のリチウム遷移金属酸化物が挙げられる。更に、リチウム遷移金属酸化物として、リン酸マンガンリチウム(例えばLiMnPO4)、リン酸鉄リチウム(例えばLiFePO4)等の、リチウム及び遷移金属元素を含むリン酸塩なども挙げられる。
なお、「非晶質LPO部」としては、例えば、リン酸リチウム(Li3PO4)、リン酸水素二リチウム(Li2HPO4)、リン酸二水素リチウム(LiH2PO4)などの組成で示されるLi、P及びOを含む非晶質の被膜などが挙げられる。
「P処理液」としては、例えば、五酸化二リン(P25)(十酸化四リン (P410))、オルトリン酸(H3PO4)、ピロリン酸(H427)、三リン酸(H5310)、ポリリン酸(HO(HPO3nH)、リン酸リチウム(Li3PO4)、リン酸水素リチウム(Li2HPO4)等のリン化合物を、2-プロパノール(イソプロピルアルコール,IPA)等のアルコール、N-メチルピロリドン(NMP)、水等の溶媒に溶解または分散した処理液が挙げられる。
更に、上記LPO付き活物質粉体の製造方法であって、前記Li増加工程は、前記処理前活物質粉体に前記LiOH水溶液を混合して、前記Li増加活物質粉体を得るLPO付き活物質粉体の製造方法とすると良い。
LiOH水溶液はLiOHを含むため、Li増加工程において、より多くの量のLiを含む表面Li化合物部を有するLi増加活物質粉体を得ることができる。このため、その後のLPO形成工程において、より多くの非晶質LPO部を含むLPO付き活物質粉体を作製できる。従って、このLPO付き活物質粉体を用いて電池を製造すれば、更に電池抵抗を低くできる。
実施形態に係り、LPO付き活物質粉体をなすLPO付き正極活物質粒子の模式的な断面図である。 実施形態に係り、処理前活物質粉体をなす処理前正極活物質粒子の模式的な断面図である。 実施形態に係り、Li増加活物質粉体をなすLi増加正極活物質粒子の模式的な断面図である。 実施形態に係り、LPO付き活物質粉体の製造方法のフローチャートである。 実施形態に係り、Li増加工程において処理前活物質粉体にLiOH水溶液(または水)を混合した様子を模式的に示す説明図である。 実施形態に係り、LPO形成工程においてLi増加活物質粉体にP処理液を混合した様子を模式的に示す説明図である。 Li増加工程前の処理前活物質粉体、及び、Li増加工程後のLi増加活物質粉体において、表面Li化合物部に含まれるLi量WLを示すグラフである。 実施例及び比較例に係るLPO付き活物質粉体において、粒子表面近傍に存在するP量の量比を示すグラフである。 実施例及び比較例に係る電池の電池抵抗比を示すグラフである。
(実施形態)
以下、本発明の実施形態を、図面を参照しつつ説明する。図1に本実施形態に係るLPO付き正極活物質粒子40の断面図を模式的に示す。LPO付き正極活物質粒子40が集合したLPO付き活物質粉体30は、リチウムイオン二次電池を構成する正極板の正極活物質層に用いられる。LPO付き正極活物質粒子40は、リチウムイオンを吸蔵及び放出可能な正極活物質からなる粒子本体41と、この粒子本体41の粒子表面41mに形成された非晶質LPO部43とを備える。
本実施形態では、LPO付き正極活物質粒子40のメディアン径D50は、5μm程度である。粒子本体41をなす正極活物質は、リチウム遷移金属酸化物、具体的には、リチウムニッケルコバルトマンガン複合酸化物(詳細にはLiNi0.2Co0.5Mn0.32)である。一方、非晶質LPO部43は、Li、P及びOを含む非晶質のLPO部、具体的には、主としてLi3PO4の組成で示される非晶質の被膜であると考えられる。この非晶質LPO部43は、粒子本体41の粒子表面41mの全面に(エッジ面41maにもベーサル面41mbにも)、海島状に複数形成されていると考えられる。各非晶質LPO部43の厚みは、0.2nm程度である。各非晶質LPO部43は、それぞれ後述するLi増加正極活物質粒子20Zの表面Li化合物部23Z(図3参照)から生成されている。非晶質LPO部43は、リチウムイオン伝導性が高く、後述するように、LPO付き活物質粉体30を用いた電池の電池抵抗Rを低くできる。
次いで、上記LPO付き活物質粉体30の製造方法について説明する(図2~図6参照)。まず処理前正極活物質粒子20が集合した処理前活物質粉体10を用意する(図2参照)。この処理前正極活物質粒子20は、メディアン径D50が5μm程度の粒子であり、前述した正極活物質(本実施形態ではLiNi0.2Co0.5Mn0.32)からなる処理前粒子本体21と、この処理前粒子本体21の粒子表面21mに存在する表面Li化合物部23とを備える。この表面Li化合物部23は、処理前粒子本体21をなす正極活物質に含まれていた余剰のLiを起源としており、主としてLiOHからなると考えられる。表面Li化合物部23は、粒子表面21mのうちエッジ面21maに、海島状に複数存在していると考えられる。
次に、「Li増加工程S1」(図4参照)において、上述の処理前活物質粉体10にLiOH水溶液110を混合し、乾燥させて、処理前活物質粉体10よりも、多くの量WLのLiを含む表面Li化合物部23Zを備えるLi増加正極活物質粒子20Zが集合したLi増加活物質粉体10Zを得る(図5参照)。なお、LiOH水溶液110に代えて、水100を用いてもよい。
本実施形態では、ビーカに45.0gの10wt%LiOH水溶液110を入れ、これに30.0gの処理前活物質粉体10を加えて、マグネチックスターラを用いて300rpmで5分間にわたり攪拌混合する。続いて、この混合液を吸引ろ過して、処理前活物質粉体10を回収する。続いて、回収した処理前活物質粉体10を真空乾燥炉(不図示)に入れて、100℃で3時間にわたり乾燥させる。これにより、表面Li化合物部23Zを備えるLi増加活物質粉体10Z(図3参照)が得られる。
Li増加工程S1において、処理前正極活物質粒子20の粒子表面21m(具体的にはエッジ面21ma)に元々存在していた表面Li化合物部23は、LiOH水溶液110に溶解する。しかし、その後の乾燥段階では、Li増加正極活物質粒子20Zの粒子本体21Z内からLiが染み出して、粒子表面21Zmのうちエッジ面21Zmaに、新たにLiOHからなる表面Li化合物部23Zが生じる。また、混合及びろ過段階において、LiOH水溶液110に含まれているLiOH及びLiOH水溶液110に溶解したLiが、粒子表面21Zm全体、即ちエッジ面21Zmaのみならずベーサル面21Zmbにも付着するので、その後乾燥することで、新たにLiOHからなる表面Li化合物部23Zが生じる。これらにより、表面Li化合物部23Zに含まれるLiの量WLが多くなると考えられる。
ここで、Li増加工程S1の前後における、表面Li化合物部23,23Zに含まれるLi量WL(wt%)について調査した結果を説明する(図7参照)。ビーカに100mlの水に加え、これに10.0gのLi増加工程S1を行う前の処理前活物質粉体10、または、Li増加工程S1を行った後のLi増加活物質粉体10Zを加えて、マグネチックスターラを用いて1分間にわたり攪拌混合し、処理前活物質粉体10またはLi増加活物質粉体10Zに含まれる表面Li化合物部23,23Z(主にLiOH)を水にそれぞれ溶解した。
その後、これらの混合液をそれぞれろ過し、得られたろ液について、HCl(塩酸)を用いた中和滴定をそれぞれ行った。具体的には、ビーカに入れたろ液をマグネチックスターラで攪拌する共に、pHメータによりろ液のpHを測定しながら、1.0MのHClを25μlずつ30秒間隔で加えた。この中和滴定では、以下の反応が生じると考えられる。
LiOH+HCl→LiCl+H2
その結果、中和が完了するまでに、Li増加工程S1を行う前の処理前活物質粉体10では、滴下量Tc=0.114mlの1.0MHClを要した。また、Li増加工程S1を行った後のLi増加活物質粉体10Zでは、滴下量Tc=0.342mlの1.0MHClを要した。
処理前活物質粉体10及びLi増加活物質粉体10Zの表面Li化合物部23,23Zに含まれるLi量WL(wt%)は、以下の算出式(1)を用いて算出する。
WL(wt%)=Tc×(Mc/1000)×Fc×Mrl×(1/m)×100 ・・・(1)
Tc(ml):中和が完了するまでに要したHClの滴下量、
Mc(M,mol/L):HClの濃度(本実施形態ではMc=1.0M)、
Fc:濃度ファクタ(本実施形態ではFc=1.01)、
Mrl(g/mol):Liの原子量(Mrl=6.94g/mol)。
m(g):用いた処理前活物質粉体10またはLi増加活物質粉体10Zの量(本実施形態ではm=10.0g)。
Li増加工程S1前の処理前活物質粉体10では、滴下量Tc=0.114mlであったため、Li量WL=0.114×(1.0/1000)×1.01×6.94×(1/10.0)×100=0.0080wt%である。
一方、Li増加工程S1後のLi増加活物質粉体10Zでは、滴下量Tc=0.342mlであったため、Li量WL=0.342×(1.0/1000)×1.01×6.94×(1/10.0)×100=0.024wt%である。
従って、本実施形態では、Li増加工程S1を行うことにより、表面Li化合物部23Zに含まれるLi量WLが0.024/0.0080=3.0倍に増えたと考えられる。
次に、「LPO形成工程S2」(図4参照)において、Li増加工程S1で得たLi増加活物質粉体10Zと、Pを含むP処理液150とを混合して、表面Li化合物部23Zから非晶質LPO部43を形成し、LPO付き正極活物質粒子40が集合したLPO付き活物質粉体30を得る(図6参照)。本実施形態では、まずLPO形成工程S2で処理するLi増加活物質粉体10Zにおける、表面Li化合物部23Zの全量を非晶質LPO部43に変えるのに要する最低量(過不足ない量)のPを求める。
前述のように、Li増加活物質粉体10Zにおける、表面Li化合物部23Zに含まれるLi量WLは、WL=0.024wt%である。一方、非晶質LPO部43は主としてLi3PO4の組成で示される被膜であるため、必要となる最低のP量WP(wt%)を、以下の算出式(2)を用いて算出する。
WP(wt%)=(WL/3)×(Mrp/Mrl) ・・・(2)
Mrp(g/mol):Pの原子量(Mrp=30.97g/mol)。
本例では、P量WP=(0.024/3)×(30.97/6.94)=0.036wt%である。
そこで、本実施形態では、P換算で0.036wt%となるように、IPAにP25を溶解して、P処理液150を得る。そして、例えば100gの処理前活物質粉体10に対して、これと同量の100gのP処理液150を加え、この混合物をプラネタリーミキサで3分間にわたり混合し、表面Li化合物部23ZとP処理液150中のリン酸イオンとを反応させて、表面Li化合物部23Zから非晶質LPO部43を形成する。その後、この混合物を80℃に加熱し乾燥させて、LPO付き正極活物質粒子40が集合したLPO付き活物質粉体30を得る。このようにすることで、理論上、表面Li化合物部23Zの全量が非晶質LPO部43となり、かつ、余剰のPがLPO付き活物質粉体30に含まれることもない。
(試験結果)
次いで、本発明の効果を検証するために行った試験結果について説明する(図8及び図9参照)。実施例として、実施形態に係る製造方法により製造したLPO付き活物質粉体30を用意した。一方、比較例として、Li増加工程S1を行わずに、処理前活物質粉体10についてLPO形成工程S2のみを行って製造したLPO付き活物質粉体30をも用意した。次に、実施例及び比較例の各LPO付き活物質粉体30に含まれる非晶質LPO部43の量Caをそれぞれ調査した。
具体的には、まずLPO付き活物質粉体30について、XRF(X-ray Fluorescence)により、粒子表面41m近傍に存在するNi、Co、Mn、Pの各元素量を測定し、粒子表面41m近傍に存在するP量Cp(%)を、Cp=P量/(Ni量+Co量+Mn量+P量)×100(%)により求めた。更に、比較例のLPO付き活物質粉体30におけるP量Cpを基準(=1.0)として、実施例のLPO付き活物質粉体30におけるP量Cpの「量比」を算出した。その結果を図8に示す。
図8のグラフから明らかなように、比較例のLPO付き活物質粉体30に比して、実施例のLPO付き活物質粉体30では、粒子表面41m近傍に存在するP量Cpが3.0倍になっている。つまり、比較例に比して、実施例では、LPO付き活物質粉体30に含まれる非晶質LPO部43の量Caが3.0倍になっていると考えられる。前述の図7の試験結果から判るように、比較例のLPO形成工程S2前の処理前活物質粉体10に比して、実施例のLPO形成工程S2前のLi増加活物質粉体10Zでは、表面Li化合物部23ZにおけるLiの量WLが3.0倍にされている。非晶質LPO部43は、この表面Li化合物部23Zから形成されるため、比較例のLPO付き活物質粉体30に比して、実施例のLPO付き活物質粉体30では、非晶質LPO部43の量Caが3.0倍になったと考えられる。このように非晶質LPO部43の量Caが増えると、後述するように、このLPO付き活物質粉体30を用いて製造した電池において、電池抵抗Rを低くできる。
次に、実施例及び比較例のLPO付き活物質粉体30を用いて、それぞれラミネートセル型のリチウムイオン電池(不図示)を作製した。即ち、LPO付き活物質粉体30を用いて、それぞれ正極板を作製する。具体的には、LPO付き活物質粉体30と、導電粒子(アセチレンブラック粒子)と、結着剤(ポリフッ化ビニリデン)と、分散媒(NMP)とを混合して、正極活物質ペーストを作製する。そして、この正極活物質ペーストをアルミニウム箔からなる正極集電箔上に塗布し、加熱乾燥させて、正極集電箔上に正極活物質層を形成する。その後、これをプレスして正極活物質層の密度を高めて、正極板を形成した。
また別途、負極板を作製する。具体的には、負極活物質粒子(黒鉛粒子)と、結着剤(スチレンブタジエンゴム)と、増粘剤(カルボキシメチルセルロース)と、分散媒(水)とを混合して、負極活物質ペーストを作製する。そして、この負極活物質ペーストを銅箔からなる負極集電箔上に塗布し、加熱乾燥させて、負極集電箔上に負極活物質層を形成する。その後、これをプレスして負極活物質層の密度を高めて、負極板を形成した。
次に、各正極板と負極板とをセパレータを介して対向させて、電解液と共にラミネートフィルムからなる外装体内に収容し、電池をそれぞれ作製した。
次に、各電池について、それぞれ電池抵抗Rを測定した。具体的には、電池を環境温度-10℃下において、SOCを56%(電池電圧3.70V)に調整する。その後、1Cの定電流Iで2秒間放電を行い、放電前後の電池電圧Vを測定し、電池電圧Vの変化量ΔVを求める。また、R=ΔV/Iにより各電池の電池抵抗(IV抵抗)Rをそれぞれ求める。そして、比較例に係る電池の電池抵抗Rの基準(=1.00)として、実施例に係る電池の電池抵抗Rの「電池抵抗比」を算出した。その結果を図9に示す。
図9のグラフから明らかなように、比較例の電池に比して、実施例の電池では、電池抵抗比(電池抵抗R)が小さくなることが判る。非晶質LPO部43はリチウムイオン伝導性が高いため、非晶質LPO部43が粒子表面41mに多く存在するほど、放電の際に電解液中のリチウムイオンが非晶質LPO部43を通じて粒子表面41mに移動し易くなる。前述のように、比較例に比して実施例では、LPO付き活物質粉体30に含まれる非晶質LPO部43の量Caが3.0倍に増えているため、比較例の電池に比して実施例の電池では、電池抵抗比(電池抵抗R)が小さくなったと考えられる。なお、充電の場合は、リチウムイオンが粒子表面41mから電解液中への移動し易くなる。
以上で説明したように、LPO付き活物質粉体30の製造方法では、Li増加工程S1において、処理前活物質粉体10よりも、多くの量WLのLiを含む表面Li化合物部23Zを有するLi増加活物質粉体10Zを得ることができる。そして、このLi増加活物質粉体10Zを用いてLPO形成工程S2を行うことで、Li増加工程S1を行わずにLPO形成工程S2を行った場合に比して、より多くの非晶質LPO部43を含むLPO付き活物質粉体30を作製できる。従って、このLPO付き活物質粉体30を用いて電池を製造すれば、Li増加工程S1を行わずに得たLPO付き活物質粉体を用いた電池に比して、より一層電池抵抗Rを低くできる。
更に実施形態では、Li増加工程S1でLiOH水溶液110を用いているため、Li増加工程S1において、より多くの量WLのLiを含む表面Li化合物部23Zを有するLi増加活物質粉体10Zを得ることができる。このため、その後のLPO形成工程S2において、より多くの非晶質LPO部43を含むLPO付き活物質粉体30を作製できる。従って、このLPO付き活物質粉体30を用いて電池を製造すれば、更に電池抵抗Rを低くできる。
以上において、本発明を実施形態に即して説明したが、本発明は実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で、適宜変更して適用できることは言うまでもない。
10 処理前活物質粉体
20 処理前正極活物質粒子
21 処理前粒子本体
21m 粒子表面
23 (Li増加工程前の)表面Li化合物部
10Z Li増加活物質粉体
20Z Li増加正極活物質粒子
21Z 粒子本体
21Zm 粒子表面
23Z (Li増加工程後の)表面Li化合物部
WL (表面Li化合物部に含まれる)Li量
30 LPO付き活物質粉体
40 LPO付き正極活物質粒子
41 粒子本体
41m 粒子表面
43 非晶質LPO部
100 水
110 LiOH水溶液
150 P処理液
S1 Li増加工程
S2 LPO形成工程

Claims (2)

  1. リチウムイオンを吸蔵及び放出可能な正極活物質からなる処理前粒子本体と、この処理前粒子本体の粒子表面に存在し、Liを含む表面Li化合物部とを備える処理前正極活物質粒子が集合した処理前活物質粉体から、
    上記正極活物質からなる粒子本体と、この粒子本体の粒子表面に形成され、Li、P及びOを含む非晶質の非晶質LPO部とを備えるLPO付き正極活物質粒子が集合したLPO付き活物質粉体を製造する
    LPO付き活物質粉体の製造方法であって、
    上記処理前活物質粉体に水またはLiOH水溶液を混合し、乾燥させて、上記処理前正極活物質粒子よりも、多くの量のLiを含む表面Li化合物部を備えるLi増加正極活物質粒子が集合したLi増加活物質粉体を得るLi増加工程と、
    上記Li増加活物質粉体に、Pを含むP処理液を混合して、上記表面Li化合物部から上記非晶質LPO部を形成し、上記LPO付き活物質粉体を得るLPO形成工程と、を備える
    LPO付き活物質粉体の製造方法。
  2. 請求項1に記載のLPO付き活物質粉体の製造方法であって、
    前記Li増加工程は、
    前記処理前活物質粉体に前記LiOH水溶液を混合して、前記Li増加活物質粉体を得る
    LPO付き活物質粉体の製造方法。
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