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JP7209751B2 - 化合物創出方法 - Google Patents
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Description

本発明は化合物の立体構造の創出を行う方法に関し、特に医薬候補化合物を探索する技術に関する。
従来、コンピュータを用いた創薬研究では、既存の化合物を数万から十万程度集めたライブラリを用意し化合物の構造式を与えて1つの標的タンパク質に対する結合力を調べることで、医薬候補化合物(以下、「ヒット」という)を探索してきた。例えば、下記特許文献1では、化合物の構造式を与えて結合力を予測している。また特許文献2においても、構造式の発生と結合力の予測とを繰り返して、望ましい結合力を有する化合物を少しずつ探索する(試行錯誤する)ことが記載されている。
また、特許文献3には「化合物指紋(フィンガープリント)」と呼ばれる記述子を用いて探索を行うことが記載されている。「記述子」とは化合物の構造式から得られる情報であり、「化合物指紋」は様々な官能基の有無などの情報を示す。このような記述子は「化合物の記述子が類似ならば、化合物の骨格が類似する」のが特徴である。
米国特許第9373059号公報 特許第5946045号公報 特許第4564097号公報
最近はニーズの高い標的タンパク質が複雑で高難度になり、単なるライブラリのスクリーニングではヒットを見つけづらい。他方、化合物の理論上の数は分子量500以下の低分子に限っても(10の60乗)個はあり、分子量1,000前後の中分子まで拡大するとその数はさらに増え、有史以来合成された化合物が(10の9乗)個程度であることを考えると、まだまだヒット発見の可能性がある。しかしながら、このような天文学的な数の化合物すべてに対して結合力を調べることは、実験はもちろん、シミュレーションでもほとんど不可能である。一部の化合物に対して結合力を調べる場合でも、上述した特許文献1,2のような試行錯誤の繰り返しでは効率が低い。また、特許文献3に記載されたFingerprintのような従来の記述子(特徴量)の場合、同じ薬効を示す化合物であっても特徴量が類似しているとは限らず、特徴量が対象構造体の化学的性質を的確に示していなかったため、特徴量を用いた探索の効率が低かった。
このように、従来の技術では特徴量が対象構造体の化学的性質を的確に示しておらず、このため特徴量を用いたスクリーニング、立体構造創出の効率が低かった。
本発明はこのような事情に鑑みてなされたもので、特徴量を用いて医薬候補化合物の立体構造を効率よく創出することができる化合物創出方法を提供することを目的とする。
上述した目的を達成するため、本発明の第1の態様に係る特徴量算出方法は、化学的性質を有する複数の単位構造体から構成される対象構造体を指定する対象構造体指定工程と、対象構造体について複数の単位構造体による立体構造を発生させる立体構造発生工程と、立体構造の周辺における1種類以上のプローブの集積度合いを3次元空間において定量化した特徴量を算出する特徴量算出工程と、を有し、プローブは、実数電荷を持ちファンデルワールス力を発生させる複数の点が離間して配置された構造体である。
対象構造体の化学的性質は対象構造体とその周辺における1種類以上のプローブとの相互作用の結果として表されるので、対象構造体どうしでプローブの集積度合いが類似であることはそれら対象構造体の化学的性質が類似していることを示す。すなわち第1の態様により算出される特徴量が類似な対象構造体は類似の化学的性質を示す。したがって第1の態様により対象構造体の化学的性質を的確に示す特徴量を算出することができる。なお、第1の態様及び以下の各態様において、プローブは「実数電荷を持ちファンデルワールス力を発生させる複数の点が一定距離離れて配置された構造体」でもよい。
第2の態様に係る特徴量算出方法は第1の態様において、対象構造体指定工程では対象構造体として化合物を指定し、立体構造発生工程では複数の原子による化合物の立体構造を発生させ、特徴量算出工程では、立体構造発生工程で発生させた化合物の立体構造の周辺における、プローブとしてのアミノ酸の集積度合いを3次元空間において定量化した特徴量である第1の特徴量を算出する。第2の態様は、第1の態様における「プローブ」、「対象構造体」、「複数の単位構造体」をそれぞれアミノ酸、化合物、複数の原子としたものである。なお、集積度合いを定量化するアミノ酸は1種類に限らず、2種類以上のアミノ酸が結合したペプチドでもよい。
第1の態様と同様に、化合物の薬効(標的タンパク質への結合力)は局所的には化合物と各アミノ酸との相互作用の結果として表されるので、化合物間でアミノ酸の集積度合いが類似であれば、それら化合物はタンパク質との結合力が類似していることを示す。すなわち第2の態様に係る特徴量が類似な化合物は類似の薬効を示す。したがって第2の態様により化合物の化学的性質を的確に示す特徴量を算出することができる。なお第2の態様では、生体リガンド等、立体構造及び標的タンパク質への結合が知られている化合物を対象構造体として指定することができる。
第3の態様に係る特徴量算出方法は第2の態様において、第1の特徴量を化合物の回転及び並進について不変量化して第1の不変量化特徴量を算出する不変量化工程をさらに有する。第3の態様では第1の特徴量を化合物の回転及び並進について不変量化するので、扱いやすくまたデータ容量を小さくすることができる。第1の特徴量の不変量化は、フーリエ変換、相関関数の角度積分等により行うことができる。
第4の態様に係る特徴量算出方法は第3の態様において、特徴量算出工程では2種類の異なるアミノ酸について第1の特徴量を算出し、不変量化工程では2種類の異なるアミノ酸についての第1の特徴量を用いて第1の不変量化特徴量を算出する。第4の態様によれば、第1の不変量化特徴量の算出において2種類の異なるアミノ酸についての第1の特徴量を用いることによりアミノ酸の相互作用の情報を維持しつつ不変量化を行うことができるので、特徴量(第1の不変量化特徴量)に基づく化合物の比較(薬効判定)を正確に行うことができる。
第5の態様に係る特徴量算出方法は第1の態様において、対象構造体指定工程では、標的タンパク質の活性部位であるポケットに結合するポケット構造体を対象構造体として指定し、立体構造発生工程では複数の仮想的球体によるポケット構造体の立体構造を発生させ、特徴量算出工程では、立体構造発生工程で発生させたポケット構造体の立体構造の周辺における、プローブとしてのアミノ酸の集積度合いを3次元空間において定量化した特徴量である第2の特徴量を算出する。第5の態様は、第1の態様における「プローブ」、「対象構造体」、「単位構造体」をそれぞれアミノ酸、ポケット構造体、複数の仮想的球体としたものである。標的タンパク質の「活性部位」とはポケット構造体が結合することにより標的タンパク質の活性が促進または抑制される部位を意味し、「仮想的球体」はファンデルワールス半径、電荷等の化学的性質を有すると考えることができる。
上述した第2の態様では与えられた化合物に対するアミノ酸の集積度合いを算出するのに対し、第5の態様では、与えられた標的タンパク質のポケットに結合するポケット構造体に対するアミノ酸の集積度合いを算出する。第2の態様について上述したのと同様に第4の態様に係る特徴量が類似なポケット構造体は類似の化学的性質を示すので、第5の態様によりポケット構造体の化学的性質を的確に示す特徴量を算出することができる。なお、ポケット構造体は標的タンパク質のポケットと結合する化合物に対応する。また第5の態様において、標的タンパク質の立体構造の実測結果、ポケットの位置情報等に基づくシミュレーションを第2の特徴量の算出に用いることができる。なお、標的タンパク質の立体構造は、アミノ酸の各残基が識別できる分解能の立体構造であれば、測定技術(X線結晶構造、NMR構造(NMR:Nuclear Magnetic Resonance)、クライオTEM構造(TEM:Transmission Electron Microscopy)、など)は限定しない。
第6の態様に係る特徴量算出方法は第5の態様において、第2の特徴量をポケット構造体の回転及び並進について不変量化して第2の不変量化特徴量を算出する不変量化工程をさらに有する。第6の態様によれば、第3の態様と同様に、特徴量を扱いやすくまたデータ容量を小さくすることができる。第2の特徴量の不変量化は、第3の態様と同様にフーリエ変換、相関関数の角度積分等により行うことができる。
第7の態様に係る特徴量算出方法は第6の態様において、特徴量算出工程では2種類の異なるアミノ酸について第2の特徴量を算出し、不変量化工程では2種類の異なるアミノ酸についての第2の特徴量を用いて第2の不変量化特徴量を算出する。第7の態様によれば、第2の不変量化特徴量の算出において2種類の異なるアミノ酸についての第2の特徴量を用いることによりアミノ酸の相互作用の情報を維持しつつ不変量化を行うことができるので、特徴量(第2の不変量化特徴量)に基づく化合物の比較(薬効判定)を正確に行うことができる。
第8の態様に係る特徴量算出方法は第1の態様において、対象構造体指定工程では対象構造体として化合物を指定し、立体構造発生工程では複数の原子による化合物の立体構造を発生させ、特徴量算出工程では、立体構造発生工程で発生させた化合物の立体構造の周辺におけるプローブの集積度合いであって、1種類以上の核酸塩基、1種類以上の脂質分子、1種類以上の単糖分子、水、1種類以上のイオンのうち1つ以上をプローブとした集積度合いを3次元空間において定量化した特徴量である第3の特徴量を算出する。第8の態様は、第1の態様における「プローブ」、「対象構造体」、「複数の単位構造体」をそれぞれ1種類以上の核酸塩基等(任意の種類、数、組合せでよい)、化合物、複数の原子としたものである。
本発明では、医薬のターゲットとしてタンパク質以外の生体高分子(化合物)であるDNA(Deoxyribonucleic Acid)、RNA(Ribonucleic Acid)、細胞膜、多糖を扱うことができる。第8の態様はこれらのターゲット化合物についての特徴量の算出方法を規定するもので、プローブはアミノ酸ではなく別の物質(各ターゲットのビルディングブロック)にする。具体的には、ターゲットがDNA、RNA、細胞膜、多糖の場合、プローブはそれぞれ1種類以上の核酸塩基、1種類以上の脂質分子、1種類以上の単糖分子とする。また、これらをプローブとして集積度合いを定量化する際に、水、1種類以上のイオンを考慮してもよい。第2,第5の態様と同様に、化合物の薬効(DNA等のターゲットへの結合力)は局所的には化合物と核酸塩基等(プローブ)との相互作用の結果として表されるので、化合物間で核酸塩基等の集積度合いが類似であれば、それら化合物はターゲットとの結合力が類似していることを示す。すなわち第8の態様に係る特徴量が類似な化合物は類似の薬効を示す。したがって、第8の態様により化合物の化学的性質を的確に示す特徴量を算出することができる。
第9の態様に係る特徴量算出方法は第8の態様において、第3の特徴量を化合物の回転及び並進について不変量化して第3の不変量化特徴量を算出する不変量化工程をさらに有する。第9の態様によれば、第3,第6の態様と同様に、特徴量を扱いやすくまたデータ容量を小さくすることができる。第3の特徴量の不変量化は、第3,第6の態様と同様にフーリエ変換、相関関数の角度積分等により行うことができる。
第10の態様に係る特徴量算出方法は第9の態様において、特徴量算出工程では、1種類以上の核酸塩基、1種類以上の脂質分子、1種類以上の単糖分子、水、及び1種類以上のイオンのうち1つ以上で構成される第1のプローブと、1種類以上の核酸塩基、1種類以上の脂質分子、1種類以上の単糖分子、水、及び1種類以上のイオンのうち1つ以上で構成される第2のプローブであって第1のプローブとは異なる第2のプローブと、について第3の特徴量を算出し、不変量化工程では第1のプローブについての第3の特徴量と第2のプローブについての第3の特徴量とを用いて第3の不変量化特徴量を算出する。第10の態様によれば、第3の不変量化特徴量の算出において2種類の異なるプローブ(第1,第2のプローブ)についての第3の特徴量を用いることによりプローブの相互作用の情報を維持しつつ不変量化を行うことができるので、特徴量(第3の不変量化特徴量)に基づく化合物の比較(薬効判定)を正確に行うことができる。なお第10の態様において、第1,第2のプローブの構成要素(1種類以上の核酸塩基等)の種類、数、組合せのうち少なくとも1つが異なっていれば「第2のプローブが第1のプローブと異なる」に該当する。
第11の態様に係る特徴量算出方法は第1の態様において、対象構造体指定工程では対象構造体として化合物を指定し、立体構造発生工程では複数の原子による化合物の立体構造を発生させ、特徴量算出工程では、立体構造発生工程で発生させた化合物の立体構造の周辺におけるプローブの集積度合いであって、1種類以上のアミノ酸である第1のプローブと、1種類以上の核酸塩基、1種類以上の脂質分子、1種類以上の単糖分子、水、1種類以上のイオンのうち1つ以上である第2のプローブと、をプローブとした集積度合いを3次元空間において定量化した特徴量である第4の特徴量を算出する。第11の態様は、第1の態様における「プローブ」、「対象構造体」、「複数の単位構造体」をそれぞれ1種類以上のアミノ酸(第1のプローブ)と1種類以上の核酸塩基等(第2のプローブ;任意の種類、数、組合せでよい))、化合物、複数の原子としたものである。
第2,第5,第8の態様と同様に、化合物の薬効(タンパク質、DNA等のターゲットへの結合力)は局所的には化合物とアミノ酸、核酸塩基等との相互作用の結果として表されるので、化合物間でアミノ酸、核酸塩基等の集積度合いが類似であれば、それら化合物はターゲットとの結合力が類似していることを示す。すなわち、第11の態様に係る特徴量が類似な化合物は類似の薬効を示す。したがって、タンパク質及びDNA等のビルディングブロックをプローブとすることで、複合構造体をターゲットとする場合でも対象構造体の化学的性質を的確に示す特徴量を算出することができる。
第12の態様に係る特徴量算出方法は第11の態様において、第4の特徴量を化合物の回転及び並進について不変量化して第4の不変量化特徴量を算出する不変量化工程をさらに有する。第12の態様によれば、第3,第6,第9の態様と同様に、特徴量を扱いやすくまたデータ容量を小さくすることができる。第4の特徴量の不変量化は、第3,第6,第9の態様と同様にフーリエ変換、相関関数の角度積分等により行うことができる。
第13の態様に係る特徴量算出方法は第12の態様において、特徴量算出工程では、第1のプローブと第2のプローブとのうち少なくとも一方が異なる2種類のプローブについて第4の特徴量を算出し、不変量化工程では2種類のプローブについての第4の特徴量を用いて第4の不変量化特徴量を算出する。第13の態様によれば、第4の不変量化特徴量の算出において2種類のプローブについての第4の特徴量を用いることによりプローブの相互作用の情報を維持しつつ不変量化を行うことができるので、特徴量(第4の不変量化特徴量)に基づく化合物の比較(薬効判定)を正確に行うことができる。
なお第13の態様において「第1のプローブと第2のプローブとのうち少なくとも一方が異なる2種類のプローブ」とは、第1のプローブと第2のプロ―ブからなるプローブであって、第1のプローブと第2のプローブの組み合わせが異なる2種類のプローブのうち、一方のプローブがリジン(アミノ酸の1種;第1のプローブの一例)及び核酸塩基(第2のプローブの一例)で構成され、他方のプローブがリジン(第1のプローブの一例)及び脂質分子(第2のプローブの他の例)で構成される場合のように「第1のプローブが同一で第2のプローブが異なる」場合と、一方のプローブがリジン(第1のプローブの一例)及び核酸塩基(第2のプローブの一例)で構成され、他方のプローブがアルギニン(アミノ酸の1種;第1のプローブの他の例)及び核酸塩基(第2のプローブの一例)で構成される場合のように「第1のプローブが異なり第2のプローブが同一である」場合と、一方のプローブがリジン(第1のプローブの一例)及び核酸塩基(第2のプローブの一例)で構成され、他方のプローブがアルギニン(第1のプローブの他の例)及び脂質分子(第2のプローブの他の例)で構成される場合のように「第1,第2のプローブの双方が異なる」場合とを含む。ここで、プローブの構成要素の種類、数、組合せのうち少なくとも1つが異なっていれば「一のプローブが他のプローブと異なる」に該当する。
第14の態様に係る特徴量算出方法は第1の態様において、対象構造体指定工程では対象構造体として化合物を指定し、立体構造発生工程では複数の原子による化合物の立体構造を発生させ、特徴量算出工程では、立体構造発生工程で発生させた化合物の立体構造の周辺におけるプローブの集積度合いであって、電荷が+1である第1の点電荷、電荷が-1である第2の点電荷、電荷が+0.1である第3の点電荷、電荷が-0.1である第4の点電荷、第1の点電荷と第2の点電荷とが離間して配置されたダイポール、電荷がゼロである第5の点電荷のうち1つ以上(任意の種類、数、組合せでよい)をプローブとした集積度合いを3次元空間において定量化した特徴量である第5の特徴量を算出する。第14の態様はバーチャル(仮想的)なプローブについての特徴量算出方法を規定するものであるが、第2,第5,第8,第11の態様と同様に、第14の態様に係る特徴量が類似な化合物は類似の薬効を示す。したがってバーチャルなプローブを用いる場合でも、対象構造体の化学的性質を的確に示す特徴量を算出することができる。
第15の態様に係る特徴量算出方法は第14の態様において、第5の特徴量を化合物の回転及び並進について不変量化して第5の不変量化特徴量を算出する不変量化工程をさらに有する。第15の態様によれば、第3,第6,第9,第12の態様と同様に、特徴量を扱いやすくまたデータ容量を小さくすることができる。第5の特徴量の不変量化は、第3,第6,第9,第12の態様と同様にフーリエ変換、相関関数の角度積分等により行うことができる。
第16の態様に係る特徴量算出方法は第15の態様において、特徴量算出工程では、第1の点電荷、第2の点電荷、第3の点電荷、第4の点電荷、ダイポール、第5の点電荷のうち1つ以上(任意の種類、数、組合せでよい)で構成される第1のプローブと、第1の点電荷、第2の点電荷、第3の点電荷、第4の点電荷、ダイポール、第5の点電荷のうち1つ以上(任意の種類、数、組合せでよい)で構成される第2のプローブであって第1のプローブとは異なる第2のプローブと、について第5の特徴量を算出し、不変量化工程では第1のプローブについての第5の特徴量と第2のプローブについての第5の特徴量とを用いて第5の不変量化特徴量を算出する。第16の態様によれば、第5の不変量化特徴量の算出において2種類の異なるプローブ(第1,第2のプローブ)についての第5の特徴量を用いることによりプローブの相互作用の情報を維持しつつ不変量化を行うことができるので、特徴量(第5の不変量化特徴量)に基づく化合物の比較(薬効判定)を正確に行うことができる。なお第16の態様において、第1,第2のプローブの構成要素(第1の点電荷等)の種類、数、組合せのうち少なくとも1つが異なっていれば「第2のプローブが第1のプローブと異なる」に該当する。
第17の態様に係る特徴量算出方法は第1の態様において、対象構造体指定工程では対象構造体として化合物を指定し、立体構造発生工程では複数の原子による化合物の立体構造を発生させ、特徴量算出工程では、立体構造発生工程で発生させた化合物の立体構造の周辺におけるプローブの集積度合いであって、1種類以上のアミノ酸である第1のプローブと、電荷が+1である第1の点電荷、電荷が-1である第2の点電荷、電荷が+0.1である第3の点電荷、電荷が-0.1である第4の点電荷、第1の点電荷と第2の点電荷とが離間して配置されたダイポール、電荷がゼロである第5の点電荷のうち1つ以上(任意の種類、数、組合せでよい)である第2のプローブとをプローブとした集積度合いを3次元空間において定量化した特徴量である第6の特徴量を算出する。第17の態様は第1のプローブ(1種類以上のアミノ酸)と第2のプローブ(点電荷等及びその組合せ)とをプローブとした場合の特徴量算出方法を規定するものであるが、第2,第5,第8,第11,第14の態様と同様に、第17の態様に係る特徴量が類似な化合物は類似の薬効を示す。したがって第1のプローブ及び第2のプローブを用いる場合でも、対象構造体の化学的性質を的確に示す特徴量を算出することができる。
第18の態様に係る特徴量算出方法は第17の態様において、第6の特徴量を化合物の回転及び並進について不変量化して第6の不変量化特徴量を算出する不変量化工程をさらに有する。第18の態様によれば、第3,第6,第9,第12,第15の態様と同様に、特徴量を扱いやすくまたデータ容量を小さくすることができる。第6の特徴量の不変量化は、第3,第6,第9,第12,第15の態様と同様にフーリエ変換、相関関数の角度積分等により行うことができる。
第19の態様に係る特徴量算出方法は第18の態様において、特徴量算出工程では、第1のプローブと第2のプローブとのうち少なくとも一方が異なる2種類のプローブについて第6の特徴量を算出し、不変量化工程では2種類のプローブについての第6の特徴量を用いて第6の不変量化特徴量を算出する。第19の態様によれば、第6の不変量化特徴量の算出において2種類の異なるプローブについての第6の特徴量を用いることによりプローブの相互作用の情報を維持しつつ不変量化を行うことができるので、特徴量(第6の不変量化特徴量)に基づく化合物の比較(薬効判定)を正確に行うことができる。なお第19の態様において「第1のプローブと第2のプローブとのうち少なくとも一方が異なる2種類のプローブ」とは、第1のプローブと第2のプロ―ブからなるプローブであって、第1のプローブと第2のプローブの組み合わせが異なる2種類のプローブのうち、一方のプローブがリジン(アミノ酸の1種;第1のプローブの一例)及び第1の点電荷(第2のプローブの一例)で構成され、他方のプローブがリジン(第1のプローブの一例)及び第2の点電荷(第2のプローブの他の例)で構成される場合のように「第1のプローブが同一で第2のプローブが異なる」場合と、一方のプローブがリジン(第1のプローブの一例)及び第1の点電荷(第2のプローブの一例)で構成され、他方のプローブがアルギニン(アミノ酸の1種;第1のプローブの他の例)及び第1の点電荷(第2のプローブの一例)で構成される場合のように「第1のプローブが異なり第2のプローブが同一である」場合と、一方のプローブがリジン(第1のプローブの一例)及び第1の点電荷(第2のプローブの一例)で構成され、他方のプローブがアルギニン(アミノ酸の1種;第1のプローブの他の例)及び第2の点電荷(第2のプローブの他の例)で構成される場合のように「第1,第2のプローブの双方が異なる」場合とを含む。ここで、プローブの構成要素の種類、数、組合せのうち少なくとも1つが異なっていれば「一のプローブが他のプローブと異なる」に該当する。
第20の態様に係る特徴量算出方法は第1の態様において、対象構造体指定工程では対象構造体として化合物を指定し、立体構造発生工程では複数の原子による化合物の立体構造を発生させ、特徴量算出工程では、立体構造発生工程で発生させた化合物の立体構造の周辺におけるプローブの集積度合いであって、1種類以上の核酸塩基、1種類以上の脂質分子、水、1種類以上の単糖分子、1種類以上のイオンのうち1つ以上(任意の種類、数、組合せでよい)である第1のプローブと、電荷が+1である第1の点電荷、電荷が-1である第2の点電荷、電荷が+0.1である第3の点電荷、電荷が-0.1である第4の点電荷、第1の点電荷と第2の点電荷とが離間して配置されたダイポール、電荷がゼロである第5の点電荷のうち1つ以上(任意の種類、数、組合せでよい)である第2のプローブとをプローブとした集積度合いを3次元空間において定量化した特徴量である第7の特徴量を算出する。第20の態様は第1のプローブ(1種類以上の核酸塩基等及びその組合せ)と第2のプローブ(点電荷等及びその組合せ)とをプローブとした場合の特徴量算出方法を規定するものであるが、第2,第5,第8,第11,第14,第17の態様と同様に、第20の態様に係る特徴量が類似な化合物は類似の薬効を示す。したがって第1のプローブ及び第2のプローブを用いる場合でも、対象構造体の化学的性質を的確に示す特徴量を算出することができる。
第21の態様に係る特徴量算出方法は第20の態様において、第7の特徴量を化合物の回転及び並進について不変量化して第7の不変量化特徴量を算出する不変量化工程をさらに有する。第21の態様によれば、第3,第6,第9,第12,第15,第18の態様と同様に、特徴量を扱いやすくまたデータ容量を小さくすることができる。第7の特徴量の不変量化は、第3,第6,第9,第12,第15,第18の態様と同様にフーリエ変換、相関関数の角度積分等により行うことができる。
第22の態様に係る特徴量算出方法は第21の態様において、特徴量算出工程では、第1のプローブと第2のプローブとのうち少なくとも一方が異なる2種類のプローブについて第7の特徴量を算出し、不変量化工程では2種類のプローブについての第7の特徴量を用いて第7の不変量化特徴量を算出する。第22の態様によれば、第7の不変量化特徴量の算出において2種類の異なるプローブについての第7の特徴量を用いることによりプローブの相互作用の情報を維持しつつ不変量化を行うことができるので、特徴量(第7の不変量化特徴量)に基づく化合物の比較(薬効判定)を正確に行うことができる。なお第22の態様において「第1のプローブと第2のプローブとのうち少なくとも一方が異なる2種類のプローブ」とは、第1のプローブと第2のプロ―ブからなるプローブであって、第1のプローブと第2のプローブの組み合わせが異なる2種類のプローブのうち、一方のプローブが核酸塩基(第1のプローブの一例)及び第1の点電荷(第2のプローブの一例)で構成され、他方のプローブが核酸塩基(第1のプローブの一例)及び第2の点電荷(第2のプローブの他の例)で構成される場合のように「第1のプローブが同一で第2のプローブが異なる」場合と、一方のプローブが核酸塩基(第1のプローブの一例)及び第1の点電荷(第2のプローブの一例)で構成され、他方のプローブが脂質分子(第1のプローブの他の例)及び第1の点電荷(第2のプローブの一例)で構成される場合のように「第1のプローブが異なり第2のプローブが同一である」場合と、一方のプローブが核酸塩基(第1のプローブの一例)及び第1の点電荷(第2のプローブの一例)で構成され、他方のプローブが脂質分子(第1のプローブの他の例)及び第2の点電荷(第2のプローブの他の例)で構成される場合のように「第1,第2のプローブの双方が異なる」場合とを含む。ここで、プローブの構成要素の種類、数、組合せのうち少なくとも1つが異なっていれば「一のプローブが他のプローブと異なる」に該当する。
第23の態様に係る特徴量算出方法は第1の態様において、対象構造体指定工程では対象構造体として化合物を指定し、立体構造発生工程では複数の原子による化合物の立体構造を発生させ、特徴量算出工程では、立体構造発生工程で発生させた化合物の立体構造の周辺におけるプローブの集積度合いであって、1種類以上のアミノ酸である第1のプローブと、1種類以上の核酸塩基、1種類以上の脂質分子、水、1種類以上の単糖分子、1種類以上のイオンのうち1つ以上(任意の種類、数、組合せでよい)である第2のプローブと、電荷が+1である第1の点電荷、電荷が-1である第2の点電荷、電荷が+0.1である第3の点電荷、電荷が-0.1である第4の点電荷、第1の点電荷と第2の点電荷とが離間して配置されたダイポール、電荷がゼロである第5の点電荷のうち1つ以上(任意の種類、数、組合せでよい)である第3のプローブとをプローブとした集積度合いを3次元空間において定量化した特徴量である第8の特徴量を算出する。第23の態様は第1のプローブ(1種類以上のアミノ酸)と、第2のプローブ(1種類以上の核酸塩基等及びその組合せ)と、第3のプローブ(点電荷等及びその組合せ)と、をプローブとした場合の特徴量算出方法を規定するものであるが、第2,第5,第8,第11,第14,第17,第20の態様と同様に、第23の態様に係る特徴量が類似な化合物は類似の薬効を示す。したがって第1のプローブから第3のプローブを用いる場合でも、対象構造体の化学的性質を的確に示す特徴量を算出することができる。
第24の態様に係る特徴量算出方法は第23の態様において、第8の特徴量を化合物の回転及び並進について不変量化して第8の不変量化特徴量を算出する不変量化工程をさらに有する。第24の態様によれば、第3,第6,第9,第12,第15,第18,第21の態様と同様に、特徴量を扱いやすくまたデータ容量を小さくすることができる。第8の特徴量の不変量化は、第3,第6,第9,第12,第15,第18,第21の態様と同様にフーリエ変換、相関関数の角度積分等により行うことができる。
第25の態様に係る特徴量算出方法は第24の態様において、特徴量算出工程では、第1のプローブと、第2のプローブと、第3のプローブとのうち少なくとも1つが異なる2種類のプローブについて第8の特徴量を算出し、不変量化工程では2種類のプローブについての第8の特徴量を用いて第8の不変量化特徴量を算出する。第25の態様によれば、第8の不変量化特徴量の算出において2種類の異なるプローブについての第8の特徴量を用いることによりプローブの相互作用の情報を維持しつつ不変量化を行うことができるので、特徴量(第8の不変量化特徴量)に基づく化合物の比較(薬効判定)を正確に行うことができる。なお第25の態様において「第1のプローブと、第2のプローブと、第3のプローブのうち少なくとも1つが異なる2種類のプローブ」とは、第1,第2,第3のプローブからなるプローブであって、第1,第2,第3のプローブの組み合わせが異なる2種類のプローブのうち一方のプローブと他方のプローブとの間で「第1,第2,第3のプローブのうち1つが異なる」場合と、「第1,第2,第3のプローブのうち2つが異なる」場合と、「第1,第2,第3のプローブの全てが異なる」場合とを含む。ここで、プローブの構成要素の種類、数、組合せのうち少なくとも1つが異なっていれば「一のプローブが他のプローブと異なる」に該当する。
上述した目的を達成するため、本発明の第26の態様に係る特徴量算出プログラムは第1から第25の態様のいずれか1つに係る特徴量算出方法をコンピュータに実行させる。第26の態様における「コンピュータ」は、CPU(Central Processing Unit)等の各種プロセッサを1つ以上用いて実現することができる。なお、第26の態様に係る特徴量算出プログラムのコンピュータ読み取り可能なコードが記録された非一時的記録媒体も、本発明の態様として挙げることができる。
上述した目的を達成するため、本発明の第27の態様に係る特徴量算出装置は化学的性質を有する複数の単位構造体から構成される対象構造体を指定する対象構造体指定部と、対象構造体について複数の単位構造体による立体構造を発生させる立体構造発生部と、立体構造の周辺における1種類以上のプローブの集積度合いを3次元空間において定量化した特徴量を算出する特徴量算出部と、を備え、プローブは、実数電荷を持ちファンデルワールス力を発生させる複数の点が離間して配置された構造体である。第27の態様によれば、第1の態様と同様に対象構造体の化学的性質を的確に示す特徴量を算出することができる。第27の態様では、第1から第26の態様について上述したように、ターゲット化合物をタンパク質、DNA等とし、プローブをアミノ酸、核酸塩基等、仮想電荷等として、第1~第5の特徴量を算出することができる。なお、第27の態様において、プローブは「実数電荷を持ちファンデルワールス力を発生させる複数の点が一定距離離れて配置された構造体」でもよい。
上述した目的を達成するため、本発明の第28の態様に係るスクリーニング方法は複数の化合物から標的タンパク質に結合する標的化合物を抽出するスクリーニング方法であって、複数の化合物のそれぞれについて、複数の原子による化合物の立体構造と、化合物の立体構造について第2の態様に係る特徴量算出方法を用いて算出した第1の特徴量と、を関連付けて記憶する記憶工程と、標的タンパク質との結合が確認されている化合物であるリガンドについて第1の特徴量を算出する特徴量算出工程と、複数の化合物についての第1の特徴量とリガンドについての第1の特徴量との類似度を算出する類似度算出工程と、複数の化合物から類似度に基づいて標的化合物を抽出する化合物抽出工程と、を有する。第2の態様について上述したように、リガンドと対象化合物とで第1の特徴量(3次元で定量化した特徴量)が類似ならば、両者の薬効が類似している。したがって第28の態様によれば、第1の特徴量に基づいてリガンドと薬効が類似した標的化合物を抽出し、医薬候補化合物のスクリーニングを効率よく行うことができる。
上述した目的を達成するため、本発明の第29の態様に係るスクリーニング方法は複数の化合物から標的タンパク質に結合する標的化合物を抽出するスクリーニング方法であって、複数の化合物のそれぞれについて、複数の原子による化合物の立体構造と、化合物の立体構造について第1の不変量化特徴量と、を関連付けて記憶する記憶工程と、標的タンパク質との結合が確認されている化合物であるリガンドについて、第3の態様に係る特徴量算出方法を用いて第1の不変量化特徴量を算出する特徴量算出工程と、複数の化合物についての第1の不変量化特徴量とリガンドについての第1の不変量化特徴量との類似度を算出する類似度算出工程と、複数の化合物から類似度に基づいて標的化合物を抽出する化合物抽出工程と、を有する。第29の態様はリガンドについての特徴量を算出する点で第28の態様と共通しているが、第29の態様では第1の不変量化特徴量の類似度に基づいてリガンドと薬効が類似した標的化合物を抽出し、医薬候補化合物のスクリーニングを効率よく行うことができる。
第30の態様に係るスクリーニング方法は第28または第29の態様において、化合物抽出工程では類似度がしきい値以上である化合物を抽出する。第30の態様は類似度に基づく標的化合物抽出の具体的基準を規定するもので、類似度がしきい値以上の化合物を抽出することで医薬候補化合物のスクリーニングを効率よく行うことができる。しきい値はスクリーニングの目的、精度等の条件に基づいて設定することができ、ユーザが指定した値に基づいて設定してもよい。
第31の態様に係るスクリーニング方法は第28から第30の態様のいずれか1つにおいて、化合物抽出工程では類似度が高い順に化合物を抽出する。第31の態様は類似度に基づく標的化合物抽出の具体的基準を規定するもので、類似度が高い順に化合物を抽出することで医薬候補化合物のスクリーニングを効率よく行うことができる。
上述した目的を達成するため、本発明の第32の態様に係るスクリーニング方法は複数の化合物から標的タンパク質に結合する標的化合物を抽出するスクリーニング方法であって、複数の化合物のそれぞれについて、複数の原子による化合物の立体構造と、第2の態様に係る特徴量算出方法を用いて算出した第1の特徴量と、を関連付けて記憶する記憶工程と、標的タンパク質のポケット構造体について、第5の態様に係る特徴量算出方法を用いて第2の特徴量を算出する特徴量算出工程と、複数の化合物についての第1の特徴量とポケット構造体についての第2の特徴量との類似度を算出する類似度算出工程と、複数の化合物から類似度に基づいて標的化合物を抽出する化合物抽出工程と、を有する。第5の態様について上述したように、ポケット構造体と対象化合物とで第2の特徴量が類似ならば、両者の化学的性質が類似している。したがって第32の態様によれば、ポケット構造体と化学的性質が類似した標的化合物を抽出し、医薬候補化合物のスクリーニングを効率よく行うことができる。なおポケット構造体は標的タンパク質と結合する化合物に対応するので、ポケット構造体についての特徴量(第2の特徴量)と化合物についての特徴量(第1の特徴量)とは比較対照が可能であり類似度を算出しうる。
上述した目的を達成するため、本発明の第33の態様に係るスクリーニング方法は複数の化合物から標的タンパク質に結合する標的化合物を抽出するスクリーニング方法であって、複数の化合物のそれぞれについて、複数の原子による化合物の立体構造と、第3の態様に係る特徴量算出方法を用いて算出した第1の不変量化特徴量と、を関連付けて記憶する記憶工程と、標的タンパク質のポケット構造体について、第6の態様に係る特徴量算出方法を用いて第2の不変量化特徴量を算出する特徴量算出工程と、複数の化合物についての第1の不変量化特徴量とポケット構造体についての第2の不変量化特徴量との類似度を算出する類似度算出工程と、複数の化合物から類似度に基づいて標的化合物を抽出する化合物抽出工程と、を備える。第33の態様では、第1,第2の不変量化特徴量を用いてポケット構造体と化学的性質が類似した標的化合物を抽出し、医薬候補化合物のスクリーニングを効率よく行うことができる。なお第32の態様について上述したのと同様に、ポケット構造体についての特徴量(第2の不変量化特徴量)と化合物についての特徴量(第1の不変量化特徴量)とは比較対照が可能であり類似度を算出しうる。
第34の態様に係るスクリーニング方法は第32または第33の態様において、化合物抽出工程では類似度がしきい値以上である化合物を抽出する。第34の態様は類似度に基づく標的化合物抽出の具体的基準を規定するもので、類似度がしきい値以上の化合物を抽出することで医薬候補化合物のスクリーニングを効率よく行うことができる。しきい値はスクリーニングの目的、精度等の条件に基づいて設定することができ、ユーザが指定した値に基づいて設定してもよい。
第35の態様に係るスクリーニング方法は第32から第34の態様のうちいずれか1つにおいて、化合物抽出工程では類似度が高い順に化合物を抽出する。第35の態様は類似度に基づく標的化合物抽出の具体的基準を規定するもので、類似度が高い順に化合物を抽出することで医薬候補化合物のスクリーニングを効率よく行うことができる。
上述した目的を達成するため、本発明の第36の態様に係るスクリーニング方法は複数の化合物からタンパク質以外の標的生体高分子に結合する標的化合物を抽出するスクリーニング方法であって、複数の化合物のそれぞれについて、複数の原子による化合物の立体構造と、化合物の立体構造について第8の態様に係る特徴量算出方法を用いて算出した第3の特徴量と、を関連付けて記憶する記憶工程と、タンパク質以外の標的生体高分子に結合することが確認されている化合物である結合化合物について第3の特徴量を算出する特徴量算出工程と、複数の化合物についての第3の特徴量と結合化合物についての第3の特徴量との類似度を算出する類似度算出工程と、複数の化合物から類似度に基づいて標的化合物を抽出する化合物抽出工程と、を有する。第8の態様について上述したように、本発明はタンパク質以外の標的生体高分子であるDNA等を扱うことができ、標的生体高分子に結合する結合化合物と対象化合物とで第3の特徴量が類似ならば、両者の薬効が類似している。したがって第36の態様によれば、第3の特徴量に基づいて結合化合物と薬効が類似した標的化合物を抽出し、医薬候補化合物のスクリーニングを効率よく行うことができる。
上述した目的を達成するため、本発明の第37の態様に係るスクリーニング方法は複数の化合物から標的生体高分子に結合する標的化合物を抽出するスクリーニング方法であって、複数の化合物のそれぞれについて、複数の原子による化合物の立体構造と、化合物の立体構造について第11の態様に係る特徴量算出方法を用いて算出した第4の特徴量と、を関連付けて記憶する記憶工程と、標的生体高分子との結合が確認されている化合物である結合化合物について第4の特徴量を算出する特徴量算出工程と、複数の化合物についての第4の特徴量と結合化合物についての第4の特徴量との類似度を算出する類似度算出工程と、複数の化合物から類似度に基づいて標的化合物を抽出する化合物抽出工程と、を有する。第11の態様について上述したように、第4の特徴量が類似な化合物は類似の薬効を示す。したがって第37の態様によれば、複合構造体をターゲットとする場合でも、第4の特徴量に基づいて結合化合物と薬効が類似した標的化合物を抽出し、医薬候補化合物のスクリーニングを効率よく行うことができる。
上述した目的を達成するため、本発明の第38の態様に係るスクリーニング方法は複数の化合物から標的生体高分子に結合する標的化合物を抽出するスクリーニング方法であって、複数の化合物のそれぞれについて、複数の原子による化合物の立体構造と、化合物の立体構造について第14の態様に係る特徴量算出方法を用いて算出した第5の特徴量と、を関連付けて記憶する記憶工程と、標的生体高分子との結合が確認されている化合物である結合化合物について第5の特徴量を算出する特徴量算出工程と、複数の化合物についての第5の特徴量と結合化合物についての第5の特徴量との類似度を算出する類似度算出工程と、複数の化合物から類似度に基づいて標的化合物を抽出する化合物抽出工程と、を有する。第14の態様について上述したように、第5の特徴量が類似な化合物は類似の薬効を示す。したがって第38の態様によれば、バーチャルなプローブを用いる場合でも、第5の特徴量に基づいて結合化合物と薬効が類似した標的化合物を抽出し、医薬候補化合物のスクリーニングを効率よく行うことができる。
上述した目的を達成するため、本発明の第39の態様に係るスクリーニング方法は複数の化合物から標的生体高分子に結合する標的化合物を抽出するスクリーニング方法であって、複数の化合物のそれぞれについて、複数の原子による化合物の立体構造と、化合物の立体構造について第17の態様に係る特徴量算出方法を用いて算出した第6の特徴量と、を関連付けて記憶する記憶工程と、標的生体高分子との結合が確認されている化合物である結合化合物について第6の特徴量を算出する特徴量算出工程と、複数の化合物についての第6の特徴量と結合化合物についての第6の特徴量との類似度を算出する類似度算出工程と、複数の化合物から類似度に基づいて標的化合物を抽出する化合物抽出工程と、を有する。第17の態様について上述したように、第6の特徴量が類似な化合物は類似の薬効を示す。したがって第39の態様によれば、1種類以上のアミノ酸(第1のプローブ)とバーチャルな電荷等(第2のプローブ)とを用いる場合でも、第6の特徴量に基づいて結合化合物と薬効が類似した標的化合物を抽出し、医薬候補化合物のスクリーニングを効率よく行うことができる。
上述した目的を達成するため、本発明の第40の態様に係るスクリーニング方法は複数の化合物から標的生体高分子に結合する標的化合物を抽出するスクリーニング方法であって、複数の化合物のそれぞれについて、複数の原子による化合物の立体構造と、化合物の立体構造について第20の態様に係る特徴量算出方法を用いて算出した第7の特徴量と、を関連付けて記憶する記憶工程と、標的生体高分子との結合が確認されている化合物である結合化合物について第7の特徴量を算出する特徴量算出工程と、複数の化合物についての第7の特徴量と結合化合物についての第7の特徴量との類似度を算出する類似度算出工程と、複数の化合物から類似度に基づいて標的化合物を抽出する化合物抽出工程と、を有する。第20の態様について上述したように、第7の特徴量が類似な化合物は類似の薬効を示す。したがって第40の態様によれば、1種類以上の核酸塩基等(第1のプローブ)とバーチャルな電荷等(第2のプローブ)とを用いる場合でも、第7の特徴量に基づいて結合化合物と薬効が類似した標的化合物を抽出し、医薬候補化合物のスクリーニングを効率よく行うことができる。
上述した目的を達成するため、本発明の第41の態様に係るスクリーニング方法は複数の化合物から標的生体高分子に結合する標的化合物を抽出するスクリーニング方法であって、複数の化合物のそれぞれについて、複数の原子による化合物の立体構造と、化合物の立体構造について第23の態様に係る特徴量算出方法を用いて算出した第8の特徴量と、を関連付けて記憶する記憶工程と、標的生体高分子との結合が確認されている化合物である結合化合物について第8の特徴量を算出する特徴量算出工程と、複数の化合物についての第8の特徴量と結合化合物についての第8の特徴量との類似度を算出する類似度算出工程と、複数の化合物から類似度に基づいて標的化合物を抽出する化合物抽出工程と、を有する。第23の態様について上述したように、第8の特徴量が類似な化合物は類似の薬効を示す。したがって第41の態様によれば、1種類以上のアミノ酸(第1のプローブ)と、1種類以上の核酸塩基等(第2のプローブ)と、バーチャルな電荷等(第3のプローブ)とを用いる場合でも、第8の特徴量に基づいて結合化合物と薬効が類似した標的化合物を抽出し、医薬候補化合物のスクリーニングを効率よく行うことができる。
上述した目的を達成するため、本発明の第42の態様に係るスクリーニングプログラムは第28から第41の態様のいずれか1つに係るスクリーニング方法をコンピュータに実行させる。第42の態様における「コンピュータ」は、CPU(Central Processing Unit)等の各種プロセッサを1つ以上用いて実現することができる。なお、第42の態様に係るスクリーニングプログラムのコンピュータ読み取り可能なコードが記録された非一時的記録媒体も、本発明の態様として挙げることができる。
上述した目的を達成するため、本発明の第43の態様に係るスクリーニング装置は複数の化合物から標的タンパク質に結合する標的化合物を抽出するスクリーニング装置であって、複数の化合物のそれぞれについて、複数の原子による化合物の立体構造と、化合物の立体構造について第2の態様に係る特徴量算出方法を用いて算出した第1の特徴量と、を関連付けて記憶する記憶部と、標的タンパク質との結合が確認されている化合物であるリガンドについて第1の特徴量を算出する特徴量算出部と、複数の化合物についての第1の特徴量とリガンドについての第1の特徴量との類似度を算出する類似度算出部と、複数の化合物から類似度に基づいて標的化合物を抽出する化合物抽出部と、を備える。
第2の態様について上述したように、リガンドと対象化合物とで第1の特徴量(3次元で定量化した特徴量)が類似ならば、両者の薬効が類似している。したがって第43の態様によれば、第1の特徴量に基づいてリガンドと薬効が類似した標的化合物を抽出し、医薬候補化合物のスクリーニングを効率よく行うことができる。
上述した目的を達成するため、本発明の第44の態様に係るスクリーニング装置は複数の化合物から標的タンパク質に結合する標的化合物を抽出するスクリーニング装置であって、複数の化合物のそれぞれについて、複数の原子による化合物の立体構造と、化合物の立体構造について第1の不変量化特徴量と、を関連付けて記憶する記憶部と、標的タンパク質との結合が確認されている化合物であるリガンドについて、第3の態様に係る特徴量算出方法を用いて第1の不変量化特徴量を算出する特徴量算出部と、複数の化合物についての第1の不変量化特徴量とリガンドについての第1の不変量化特徴量との類似度を算出する類似度算出部と、複数の化合物から類似度に基づいて標的化合物を抽出する化合物抽出部と、を備える。
第44の態様はリガンドについての特徴量を算出する点で第43の態様と共通しているが、第44の態様では第1の不変量化特徴量の類似度に基づいてリガンドと薬効が類似した標的化合物を抽出し、医薬候補化合物のスクリーニングを効率よく行うことができる。
第45の態様に係るスクリーニング装置は第43または第44の態様において、化合物抽出部は類似度がしきい値以上である化合物を抽出する。第45の態様は類似度に基づく標的化合物抽出の具体的基準を規定するもので、類似度がしきい値以上の化合物を抽出することで医薬候補化合物のスクリーニングを効率よく行うことができる。しきい値はスクリーニングの目的、精度等の条件に基づいて設定することができ、ユーザが指定した値に基づいて設定してもよい。
第46の態様に係るスクリーニング装置は第43から第45の態様のいずれか1つにおいて、化合物抽出部は類似度が高い順に化合物を抽出する。第46の態様は類似度に基づく標的化合物抽出の具体的基準を規定するもので、類似度が高い順に化合物を抽出することで医薬候補化合物のスクリーニングを効率よく行うことができる。
上述した目的を達成するため、本発明の第47の態様に係るスクリーニング装置は複数の化合物から標的タンパク質に結合する標的化合物を抽出するスクリーニング装置であって、複数の化合物のそれぞれについて、複数の原子による化合物の立体構造と、第2の態様に係る特徴量算出方法を用いて算出した第1の特徴量と、を関連付けて記憶する記憶部と、標的タンパク質のポケット構造体について、第5の態様に係る特徴量算出方法を用いて第2の特徴量を算出する特徴量算出部と、複数の化合物についての第1の特徴量とポケット構造体についての第2の特徴量との類似度を算出する類似度算出部と、複数の化合物から類似度に基づいて標的化合物を抽出する化合物抽出部と、を備える。
第5の態様について上述したように、ポケット構造体と対象化合物とで第2の特徴量が類似ならば、両者の化学的性質が類似している。したがって第47の態様によれば、ポケット構造体と化学的性質が類似した標的化合物を抽出し、医薬候補化合物のスクリーニングを効率よく行うことができる。なおポケット構造体は標的タンパク質と結合する化合物に対応するので、ポケット構造体についての特徴量(第2の特徴量)と化合物についての特徴量(第1の特徴量)とは比較対照が可能であり類似度を算出しうる。
上述した目的を達成するため、本発明の第48の態様に係るスクリーニング装置は複数の化合物から標的タンパク質に結合する標的化合物を抽出するスクリーニング装置であって、複数の化合物のそれぞれについて、複数の原子による化合物の立体構造と、第3の態様に係る特徴量算出方法を用いて算出した第1の不変量化特徴量と、を関連付けて記憶する記憶部と、標的タンパク質のポケット構造体について、第6の態様に係る特徴量算出方法を用いて第2の不変量化特徴量を算出する特徴量算出部と、複数の化合物についての第1の不変量化特徴量とポケット構造体についての第2の不変量化特徴量との類似度を算出する類似度算出部と、複数の化合物から類似度に基づいて標的化合物を抽出する化合物抽出部と、を備える。
第48の態様では、第1,第2の不変量化特徴量を用いてポケット構造体と化学的性質が類似した標的化合物を抽出し、医薬候補化合物のスクリーニングを効率よく行うことができる。なお第47の態様について上述したのと同様に、ポケット構造体についての特徴量(第2の不変量化特徴量)と化合物についての特徴量(第1の不変量化特徴量)とは比較対照が可能であり類似度を算出しうる。
第49の態様に係るスクリーニング装置は第47または第48の態様において、化合物抽出部は類似度がしきい値以上である化合物を抽出する。第49の態様は類似度に基づく標的化合物抽出の具体的基準を規定するもので、類似度がしきい値以上の化合物を抽出することで医薬候補化合物のスクリーニングを効率よく行うことができる。しきい値はスクリーニングの目的、精度等の条件に基づいて設定することができ、ユーザが指定した値に基づいて設定してもよい。
第50の態様に係るスクリーニング装置は第47から第49の態様のうちいずれか1つにおいて、化合物抽出部は類似度が高い順に化合物を抽出する。第50の態様は類似度に基づく標的化合物抽出の具体的基準を規定するもので、類似度が高い順に化合物を抽出することで医薬候補化合物のスクリーニングを効率よく行うことができる。
上述した目的を達成するため、本発明の第51の態様に係るスクリーニング装置は複数の化合物からタンパク質以外の標的生体高分子に結合する標的化合物を抽出するスクリーニング装置であって、複数の化合物のそれぞれについて、複数の原子による化合物の立体構造と、化合物の立体構造について第8の態様に係る特徴量算出方法を用いて算出した第3の特徴量と、を関連付けて記憶する記憶部と、タンパク質以外の標的生体高分子との結合が確認されている化合物である結合化合物について第3の特徴量を算出する特徴量算出部と、複数の化合物についての第3の特徴量と結合化合物についての第3の特徴量との類似度を算出する類似度算出部と、複数の化合物から類似度に基づいて標的化合物を抽出する化合物抽出部と、を有する。
第8の態様について上述したように、タンパク質以外の標的生体高分子と対象化合物とで第3の特徴量が類似ならば、両者の薬効が類似している。したがって第51の態様によれば、第3の特徴量に基づいてタンパク質以外の標的生体高分子と薬効が類似した標的化合物を抽出し、医薬候補化合物のスクリーニングを効率よく行うことができる。
上述した目的を達成するため、本発明の第52の態様に係るスクリーニング装置は複数の化合物から標的生体高分子に結合する標的化合物を抽出するスクリーニング装置であって、複数の化合物のそれぞれについて、複数の原子による化合物の立体構造と、化合物の立体構造について第11の態様に係る特徴量算出方法を用いて算出した第4の特徴量と、を関連付けて記憶する記憶部と、標的生体高分子との結合が確認されている化合物である結合化合物について第4の特徴量を算出する特徴量算出部と、複数の化合物についての第4の特徴量と結合化合物についての第4の特徴量との類似度を算出する類似度算出部と、複数の化合物から類似度に基づいて標的化合物を抽出する化合物抽出部と、を有する。
第11の態様について上述したように、第4の特徴量が類似な化合物は類似の薬効を示す。したがって第52の態様によれば、複合構造体をターゲットとする場合でも、第4の特徴量に基づいて結合化合物と薬効が類似した標的化合物を抽出し、医薬候補化合物のスクリーニングを効率よく行うことができる。
上述した目的を達成するため、本発明の第53の態様に係るスクリーニング装置は複数の化合物から標的生体高分子に結合する標的化合物を抽出するスクリーニング装置であって、複数の化合物のそれぞれについて、複数の原子による化合物の立体構造と、化合物の立体構造について第14の態様に係る特徴量算出方法を用いて算出した第5の特徴量と、を関連付けて記憶する記憶部と、標的生体高分子との結合が確認されている化合物である結合化合物について第5の特徴量を算出する特徴量算出部と、複数の化合物についての第5の特徴量と結合化合物についての第5の特徴量との類似度を算出する類似度算出部と、複数の化合物から類似度に基づいて標的化合物を抽出する化合物抽出部と、を有する。
第14の態様について上述したように、第5の特徴量が類似な化合物は類似の薬効を示す。したがって第53の態様によれば、バーチャルなプローブを用いる場合でも、第5の特徴量に基づいて結合化合物と薬効が類似した標的化合物を抽出し、医薬候補化合物のスクリーニングを効率よく行うことができる。
上述した目的を達成するため、本発明の第54の態様に係るスクリーニング装置は複数の化合物から標的生体高分子に結合する標的化合物を抽出するスクリーニング装置であって、複数の化合物のそれぞれについて、複数の原子による化合物の立体構造と、化合物の立体構造について第17の態様に係る特徴量算出方法を用いて算出した第6の特徴量と、を関連付けて記憶する記憶部と、標的生体高分子との結合が確認されている化合物である結合化合物について第6の特徴量を算出する特徴量算出部と、複数の化合物についての第6の特徴量と結合化合物についての第6の特徴量との類似度を算出する類似度算出部と、複数の化合物から類似度に基づいて標的化合物を抽出する化合物抽出部と、を有する。
第17の態様について上述したように、第6の特徴量が類似な化合物は類似の薬効を示す。したがって第54の態様によれば、1種類以上のアミノ酸である第1のプローブとバーチャルな点電荷等及びその組合せである第2のプローブとを用いる場合でも、第6の特徴量に基づいて結合化合物と薬効が類似した標的化合物を抽出し、医薬候補化合物のスクリーニングを効率よく行うことができる。
上述した目的を達成するため、本発明の第55の態様に係るスクリーニング装置は複数の化合物から標的生体高分子に結合する標的化合物を抽出するスクリーニング装置であって、複数の化合物のそれぞれについて、複数の原子による化合物の立体構造と、化合物の立体構造について第20の態様に係る特徴量算出方法を用いて算出した第7の特徴量と、を関連付けて記憶する記憶部と、標的生体高分子との結合が確認されている化合物である結合化合物について第7の特徴量を算出する特徴量算出部と、複数の化合物についての第7の特徴量と結合化合物についての第7の特徴量との類似度を算出する類似度算出部と、複数の化合物から類似度に基づいて標的化合物を抽出する化合物抽出部と、を有する。
第20の態様について上述したように、第7の特徴量が類似な化合物は類似の薬効を示す。したがって第55の態様によれば、第1のプローブ(1種類以上の核酸塩基等およびその組合せ)とバーチャルな点電荷等である第2のプローブとを用いる場合でも、第7の特徴量に基づいて結合化合物と薬効が類似した標的化合物を抽出し、医薬候補化合物のスクリーニングを効率よく行うことができる。
上述した目的を達成するため、本発明の第56の態様に係るスクリーニング装置は複数の化合物から標的生体高分子に結合する標的化合物を抽出するスクリーニング装置であって、複数の化合物のそれぞれについて、複数の原子による化合物の立体構造と、化合物の立体構造について第23の態様に係る特徴量算出方法を用いて算出した第8の特徴量と、を関連付けて記憶する記憶部と、標的生体高分子との結合が確認されている化合物である結合化合物について第8の特徴量を算出する特徴量算出部と、複数の化合物についての第8の特徴量と結合化合物についての第8の特徴量との類似度を算出する類似度算出部と、複数の化合物から類似度に基づいて標的化合物を抽出する化合物抽出部と、を有する。
第23の態様について上述したように、第8の特徴量が類似な化合物は類似の薬効を示す。したがって第56の態様によれば、第1のプローブ(1種類以上のアミノ酸)と、バーチャルなプローブである第2のプローブ(1種類以上の核酸塩基等及びその組合せ)と、第3のプローブ(バーチャルな点電荷等及びその組合せ)とを用いる場合でも、第8の特徴量に基づいて結合化合物と薬効が類似した標的化合物を抽出し、医薬候補化合物のスクリーニングを効率よく行うことができる。
上述した目的を達成するため、本発明の第57の態様に係る化合物創出方法は複数の化合物から標的タンパク質に結合する標的化合物の立体構造を創出する化合物創出方法であって、複数の化合物のそれぞれについて、複数の原子による化合物の立体構造と、第1の特徴量と、を関連付けて記憶する記憶工程と、標的タンパク質との結合が確認されている化合物であるリガンドについて、第2の態様に係る特徴量算出方法を用いて第1の特徴量を算出する特徴量算出工程と、複数の化合物の立体構造を教師データとし、第1の特徴量を説明変数とした機械学習により生成器を構築する生成器構築工程と、生成器を用いて、リガンドの第1の特徴量から標的化合物の立体構造を生成する化合物立体構造生成工程と、を有する。
上述した第28から第41の態様に係るスクリーニング方法では、構造式が既に決定されている(書き下されている)複数の化合物の中から、リガンドあるいは標的タンパク質に適合する化合物を見出している。このため、化合物の特徴量を算出した上で、別途算出したリガンドあるいは標的タンパク質のポケット構造体の特徴量との類似度に基づいて化合物を抽出する方策、つまり検索の方策を採る。したがって化合物の構造式と特徴量との対応関係を記録しておけば、類似度が高い(あるいはしきい値以上の)構造式を見出すことができる。これに対し第57の態様では、検索をせずに、リガンドの特徴量(第1の特徴量)に特徴量が類似した(したがって薬効が類似した)化合物の構造式を生成する。
特徴量が与えられた場合の構造式の生成は、機械学習により構築した生成器を用いて行うことができる。具体的には、第57の態様では化合物の立体構造を教師データとし、第1の特徴量を説明変数とした機械学習(学習手法は特に限定されない)により生成器を構築し、この生成器を用いて、リガンドの第1の特徴量から標的化合物の立体構造を生成する。第57の態様では検索を行わないので、「スクリーニングによる検索の結果、解なし」となる場合でも化合物の立体構造を生成することができ、したがって医薬候補化合物の立体構造を効率よく創出することができる。
なお、第57の態様において生成される立体構造は教師データとして与える化合物の特徴に影響される。したがって、教師データとして与える化合物の特徴を選択することで、特徴が異なる立体構造を有する化合物を生成できる。例えば、合成が容易な化合物を教師データとして与えることで、合成が容易な立体構造を有する化合物を生成することができる。
上述した目的を達成するため、本発明の第58の態様に係る化合物創出方法は複数の化合物から標的タンパク質に結合する標的化合物の立体構造を創出する化合物創出方法であって、複数の化合物のそれぞれについて、複数の原子による化合物の立体構造と、第3の態様に係る特徴量算出方法を用いて算出した第1の不変量化特徴量と、を関連付けて記憶する記憶工程と、標的タンパク質との結合が確認されている化合物であるリガンドについて第1の不変量化特徴量を算出する特徴量算出工程と、複数の化合物の立体構造を教師データとし、第1の不変量化特徴量を説明変数とした機械学習により生成器を構築する生成器構築工程と、生成器を用いて、リガンドの第1の不変量化特徴量から標的化合物の立体構造を生成する化合物立体構造生成工程と、を有する。第58の態様では、第57の態様と同様に、検索をせずにリガンドの特徴量(第1の不変量化特徴量)に特徴量が類似した(したがって薬効が類似した)化合物の構造式を生成するので、医薬候補化合物の立体構造を効率よく創出することができる。なお第57の態様と同様に、教師データとして与える化合物の特徴を選択することにより、特徴が異なる立体構造を有する化合物を生成できる。
上述した目的を達成するため、本発明の第59の態様に係る化合物創出方法は複数の化合物から標的タンパク質に結合する標的化合物の立体構造を創出する化合物創出方法であって、複数の化合物のそれぞれについて、第2の態様に係る特徴量算出方法を用いて算出した第1の特徴量と、複数の原子による化合物の立体構造と、を関連付けて記憶する記憶工程と、標的タンパク質のポケット構造体について、第5の態様に係る特徴量算出方法を用いて第2の特徴量を算出する特徴量算出工程と、複数の化合物の立体構造を教師データとし、第1の特徴量を説明変数とした機械学習により生成器を構築する生成器構築工程と、生成器を用いて、ポケット構造体の第2の特徴量から標的化合物の立体構造を生成する化合物立体構造生成工程と、を有する。第59の態様によれば、第57,第58の態様と同様に、検索をせずに、ポケット構造体の特徴量(第2の特徴量)に特徴量が類似した(したがって薬効が類似した)化合物の構造式を生成するので、医薬候補化合物の立体構造を効率よく創出することができる。なお第57,第58の態様と同様に、教師データとして与える化合物の特徴を選択することにより、特徴が異なる立体構造を有する化合物を生成できる。
上述した目的を達成するため、本発明の第60の態様に係る化合物創出方法は複数の化合物から標的タンパク質に結合する標的化合物の立体構造を創出する化合物創出方法であって、複数の化合物のそれぞれについて、複数の原子による化合物の立体構造と、第3の態様に係る特徴量算出方法を用いて算出した第1の不変量化特徴量と、を関連付けて記憶する記憶工程と、標的タンパク質のポケット構造体について、第6の態様に係る特徴量算出方法を用いて第2の不変量化特徴量を算出する特徴量算出工程と、複数の化合物の立体構造を教師データとし、第1の不変量化特徴量を説明変数とした機械学習により生成器を構築する生成器構築工程と、生成器を用いて、ポケット構造体の第2の不変量化特徴量から標的化合物の立体構造を生成する化合物立体構造生成工程と、を有する。第60の態様によれば、第57から第59の態様と同様に、検索をせずに、ポケット構造体の特徴量(第2の不変量化特徴量)に特徴量が類似した(したがって薬効が類似した)化合物の構造式を生成するので、医薬候補化合物の立体構造を効率よく創出することができる。なお第57から第59の態様と同様に、教師データとして与える化合物の特徴を選択することにより、特徴が異なる立体構造を有する化合物を生成することができる。
上述した目的を達成するため、本発明の第61の態様に係る化合物創出方法は複数の化合物からタンパク質以外の標的生体高分子に結合する標的化合物の立体構造を創出する化合物創出方法であって、複数の化合物のそれぞれについて、複数の原子による化合物の立体構造と、第3の特徴量と、を関連付けて記憶する記憶工程と、タンパク質以外の標的生体高分子との結合が確認されている化合物である結合化合物について、第8の態様に係る特徴量算出方法を用いて第3の特徴量を算出する特徴量算出工程と、複数の化合物の立体構造を教師データとし、第3の特徴量を説明変数とした機械学習により生成器を構築する生成器構築工程と、生成器を用いて、結合化合物の第3の特徴量から標的化合物の立体構造を生成する化合物立体構造生成工程と、を有する。
第61の態様によれば、第57から第60の態様と同様に、検索をせずに、結合化合物の特徴量(第3の特徴量)に特徴量が類似した(したがって薬効が類似した)化合物の構造式を生成するので、医薬候補化合物の立体構造を効率よく創出することができる。なお第57から第60の態様と同様に、教師データとして与える化合物の特徴を選択することにより、特徴が異なる立体構造を有する化合物を生成することができる。
上述した目的を達成するため、本発明の第62の態様に係る化合物創出方法は複数の化合物から標的生体高分子に結合する標的化合物の立体構造を創出する化合物創出方法であって、複数の化合物のそれぞれについて、複数の原子による化合物の立体構造と、第4の特徴量と、を関連付けて記憶する記憶工程と、標的生体高分子との結合が確認されている化合物である結合化合物について、第11の態様に係る特徴量算出方法を用いて第4の特徴量を算出する特徴量算出工程と、複数の化合物の立体構造を教師データとし、第4の特徴量を説明変数とした機械学習により生成器を構築する生成器構築工程と、生成器を用いて、結合化合物の第4の特徴量から標的化合物の立体構造を生成する化合物立体構造生成工程と、を有する。
第62の態様によれば、第57から第61の態様と同様に、検索をせずに、結合化合物の特徴量(第4の特徴量)に特徴量が類似した(したがって薬効が類似した)化合物の構造式を生成するので、医薬候補化合物の立体構造を効率よく創出することができる。なお第57から第61の態様と同様に、教師データとして与える化合物の特徴を選択することにより、特徴が異なる立体構造を有する化合物を生成することができる。
上述した目的を達成するため、本発明の第63の態様に係る化合物創出方法は複数の化合物から標的生体高分子に結合する標的化合物の立体構造を創出する化合物創出方法であって、複数の化合物のそれぞれについて、複数の原子による化合物の立体構造と、第5の特徴量と、を関連付けて記憶する記憶工程と、標的生体高分子との結合が確認されている化合物である結合化合物について、第14の態様に係る特徴量算出方法を用いて第5の特徴量を算出する特徴量算出工程と、複数の化合物の立体構造を教師データとし、第5の特徴量を説明変数とした機械学習により生成器を構築する生成器構築工程と、生成器を用いて、結合化合物の第5の特徴量から標的化合物の立体構造を生成する化合物立体構造生成工程と、を有する。
第63の態様によれば、第57から第62の態様と同様に、検索をせずに、結合化合物の特徴量(第5の特徴量)に特徴量が類似した(したがって薬効が類似した)化合物の構造式を生成するので、医薬候補化合物の立体構造を効率よく創出することができる。なお第57から第62の態様と同様に、教師データとして与える化合物の特徴を選択することにより、特徴が異なる立体構造を有する化合物を生成することができる。
上述した目的を達成するため、本発明の第64の態様に係る化合物創出方法は複数の化合物から標的生体高分子に結合する標的化合物の立体構造を創出する化合物創出方法であって、複数の化合物のそれぞれについて、複数の原子による化合物の立体構造と、第6の特徴量と、を関連付けて記憶する記憶工程と、標的生体高分子との結合が確認されている化合物である結合化合物について、第17の態様に係る特徴量算出方法を用いて第6の特徴量を算出する特徴量算出工程と、複数の化合物の立体構造を教師データとし、第6の特徴量を説明変数とした機械学習により生成器を構築する生成器構築工程と、生成器を用いて、結合化合物の第6の特徴量から標的化合物の立体構造を生成する化合物立体構造生成工程と、を有する。
第64の態様によれば、第57から第63の態様と同様に、検索をせずに、結合化合物の特徴量(第6の特徴量)に特徴量が類似した(したがって薬効が類似した)化合物の構造式を生成するので、医薬候補化合物の立体構造を効率よく創出することができる。なお第57から第63の態様と同様に、教師データとして与える化合物の特徴を選択することにより、特徴が異なる立体構造を有する化合物を生成することができる。
上述した目的を達成するため、本発明の第65の態様に係る化合物創出方法は複数の化合物から標的生体高分子に結合する標的化合物の立体構造を創出する化合物創出方法であって、複数の化合物のそれぞれについて、複数の原子による化合物の立体構造と、第7の特徴量と、を関連付けて記憶する記憶工程と、標的生体高分子との結合が確認されている化合物である結合化合物について、第20の態様に係る特徴量算出方法を用いて第7の特徴量を算出する特徴量算出工程と、複数の化合物の立体構造を教師データとし、第7の特徴量を説明変数とした機械学習により生成器を構築する生成器構築工程と、生成器を用いて、結合化合物の第7の特徴量から標的化合物の立体構造を生成する化合物立体構造生成工程と、を有する。
第65の態様によれば、第57から第64の態様と同様に、検索をせずに、結合化合物の特徴量(第7の特徴量)に特徴量が類似した(したがって薬効が類似した)化合物の構造式を生成するので、医薬候補化合物の立体構造を効率よく創出することができる。なお第57から第64の態様と同様に、教師データとして与える化合物の特徴を選択することにより、特徴が異なる立体構造を有する化合物を生成することができる。
上述した目的を達成するため、本発明の第66の態様に係る化合物創出方法は複数の化合物から標的生体高分子に結合する標的化合物の立体構造を創出する化合物創出方法であって、複数の化合物のそれぞれについて、複数の原子による化合物の立体構造と、第8の特徴量と、を関連付けて記憶する記憶工程と、標的生体高分子との結合が確認されている化合物である結合化合物について、第23の態様に係る特徴量算出方法を用いて第8の特徴量を算出する特徴量算出工程と、複数の化合物の立体構造を教師データとし、第8の特徴量を説明変数とした機械学習により生成器を構築する生成器構築工程と、生成器を用いて、結合化合物の第8の特徴量から標的化合物の立体構造を生成する化合物立体構造生成工程と、を有する。
第66の態様によれば、第57から第65の態様と同様に、検索をせずに、結合化合物の特徴量(第8の特徴量)に特徴量が類似した(したがって薬効が類似した)化合物の構造式を生成するので、医薬候補化合物の立体構造を効率よく創出することができる。なお第57から第65の態様と同様に、教師データとして与える化合物の特徴を選択することにより、特徴が異なる立体構造を有する化合物を生成することができる。
上述した目的を達成するため、本発明の第67の態様に係る化合物創出プログラムは第57から第66の態様のいずれか1つに係る化合物創出方法をコンピュータに実行させる。第67の態様における「コンピュータ」は、CPU(Central Processing Unit)等の各種プロセッサを1つ以上用いて実現することができる。なお、第67の態様に係る化合物創出プログラムのコンピュータ読み取り可能なコードが記録された非一時的記録媒体も、本発明の態様として挙げることができる。
上述した目的を達成するため、本発明の第68の態様に係る化合物創出装置は複数の化合物から標的タンパク質に結合する標的化合物の立体構造を創出する化合物創出装置であって、複数の化合物のそれぞれについて、複数の原子による化合物の立体構造と、第1の特徴量と、を関連付けて記憶する記憶部と、標的タンパク質との結合が確認されている化合物であるリガンドについて、第2の態様に係る特徴量算出方法を用いて第1の特徴量を算出する特徴量算出部と、複数の化合物の立体構造を教師データとし、第1の特徴量を説明変数とした機械学習により生成器を構築する生成器構築部と、生成器を用いて、リガンドの第1の特徴量から標的化合物の立体構造を生成する化合物立体構造生成部と、を備える。
上述した第43から第56の態様に係るスクリーニング装置では、構造式が既に決定されている(書き下されている)複数の化合物の中から、リガンドあるいは標的タンパク質に適合する化合物を見出している。このため、化合物の特徴量を算出した上で、別途算出したリガンドあるいは標的タンパク質のポケット構造体の特徴量との類似度に基づいて化合物を抽出する方策、つまり検索の方策を採る。したがって化合物の構造式と特徴量との対応関係を記録しておけば、類似度が高い(あるいはしきい値以上の)構造式を見出すことができる。これに対し第68の態様では、検索をせずに、リガンドの特徴量(第1の特徴量)に特徴量が類似した(したがって薬効が類似した)化合物の構造式を生成する。
特徴量が与えられた場合の構造式の生成は、機械学習により構築した生成器を用いて行うことができる。具体的には、第68の態様では化合物の立体構造を教師データとし、第1の特徴量を説明変数とした機械学習(学習手法は特に限定されない)により生成器を構築し、この生成器を用いて、リガンドの第1の特徴量から標的化合物の立体構造を生成する。第68の態様では検索を行わないので、「スクリーニングによる検索の結果、解なし」となる場合でも化合物の立体構造を生成することができ、したがって医薬候補化合物の立体構造を効率よく創出することができる。
なお、第68の態様において生成される立体構造は教師データとして与える化合物の特徴に影響される。したがって、教師データとして与える化合物の特徴を選択することで、特徴が異なる立体構造を有する化合物を生成できる。例えば、合成が容易な化合物を教師データとして与えることで、合成が容易な立体構造を有する化合物を生成することができる。
上述した目的を達成するため、本発明の第69の態様に係る化合物創出装置は複数の化合物から標的タンパク質に結合する標的化合物の立体構造を創出する化合物創出装置であって、複数の化合物のそれぞれについて、複数の原子による化合物の立体構造と、第3の態様に係る特徴量算出方法を用いて算出した第1の不変量化特徴量と、を関連付けて記憶する記憶部と、標的タンパク質との結合が確認されている化合物であるリガンドについて第1の不変量化特徴量を算出する特徴量算出部と、複数の化合物の立体構造を教師データとし、第1の不変量化特徴量を説明変数とした機械学習により生成器を構築する生成器構築部と、生成器を用いて、リガンドの第1の不変量化特徴量から標的化合物の立体構造を生成する化合物立体構造生成部と、を備える。第69の態様では、第68の態様と同様に、検索をせずにリガンドの特徴量(第1の不変量化特徴量)に特徴量が類似した(したがって薬効が類似した)化合物の構造式を生成するので、医薬候補化合物の立体構造を効率よく創出することができる。なお第68の態様と同様に、教師データとして与える化合物の特徴を選択することにより、特徴が異なる立体構造を有する化合物を生成できる。
上述した目的を達成するため、本発明の第70の態様に係る化合物創出装置は複数の化合物から標的タンパク質に結合する標的化合物の立体構造を創出する化合物創出装置であって、複数の化合物のそれぞれについて、第2の態様に係る特徴量算出方法を用いて算出した第1の特徴量と、を関連付けて記憶する記憶部と、標的タンパク質のポケット構造体について、第5の態様に係る特徴量算出方法を用いて第2の特徴量を算出する特徴量算出部と、複数の化合物の立体構造を教師データとし、第1の特徴量を説明変数とした機械学習により生成器を構築する生成器構築部と、生成器を用いて、ポケット構造体の第2の特徴量から標的化合物の立体構造を生成する化合物立体構造生成部と、を備える。第70の態様によれば、第68,第69の態様と同様に、検索をせずに、ポケット構造体の特徴量(第2の特徴量)に特徴量が類似した(したがって薬効が類似した)化合物の構造式を生成するので、医薬候補化合物の立体構造を効率よく創出することができる。なお第68,第69の態様と同様に、教師データとして与える化合物の特徴を選択することにより、特徴が異なる立体構造を有する化合物を生成できる。
上述した目的を達成するため、本発明の第71の態様に係る化合物創出装置は複数の化合物から標的タンパク質に結合する標的化合物の立体構造を創出する化合物創出装置であって、複数の化合物のそれぞれについて、第3の態様に係る特徴量算出方法を用いて算出した第1の不変量化特徴量と、を関連付けて記憶する記憶部と、標的タンパク質のポケット構造体について、第6の態様に係る特徴量算出方法を用いて第2の不変量化特徴量を算出する特徴量算出部と、複数の化合物の立体構造を教師データとし、第1の不変量化特徴量を説明変数とした機械学習により生成器を構築する生成器構築部と、生成器を用いて、ポケット構造体の第2の不変量化特徴量から標的化合物の立体構造を生成する化合物立体構造生成部と、を備える。第71の態様によれば、第68から第70の態様と同様に、検索をせずに、ポケット構造体の特徴量(第2の不変量化特徴量)に特徴量が類似した(したがって薬効が類似した)化合物の構造式を生成するので、医薬候補化合物の立体構造を効率よく創出することができる。なお第68から第70の態様と同様に、教師データとして与える化合物の特徴を選択することにより、特徴が異なる立体構造を有する化合物を生成することができる。
上述した目的を達成するため、本発明の第72の態様に係る化合物創出装置は複数の化合物からタンパク質以外の標的生体高分子に結合する標的化合物の立体構造を創出する化合物創出装置であって、複数の化合物のそれぞれについて、複数の原子による化合物の立体構造と、第3の特徴量と、を関連付けて記憶する記憶部と、タンパク質以外の標的生体高分子との結合が確認されている化合物である結合化合物について、第8の態様に係る特徴量算出方法を用いて第3の特徴量を算出する特徴量算出部と、複数の化合物の立体構造を教師データとし、第3の特徴量を説明変数とした機械学習により生成器を構築する生成器構築部と、生成器を用いて、結合化合物の第3の特徴量から標的化合物の立体構造を生成する化合物立体構造生成部と、を備える。
第72の態様によれば、第68から第71の態様と同様に、検索をせずに、結合化合物の特徴量(第3の特徴量)に特徴量が類似した(したがって薬効が類似した)化合物の構造式を生成するので、医薬候補化合物の立体構造を効率よく創出することができる。なお第68から第71の態様と同様に、教師データとして与える化合物の特徴を選択することにより、特徴が異なる立体構造を有する化合物を生成することができる。
上述した目的を達成するため、本発明の第73の態様に係る化合物創出装置は複数の化合物から標的生体高分子に結合する標的化合物の立体構造を創出する化合物創出装置であって、複数の化合物のそれぞれについて、複数の原子による化合物の立体構造と、第4の特徴量と、を関連付けて記憶する記憶部と、標的生体高分子との結合が確認されている化合物である結合化合物について、第11の態様に係る特徴量算出方法を用いて第4の特徴量を算出する特徴量算出部と、複数の化合物の立体構造を教師データとし、第4の特徴量を説明変数とした機械学習により生成器を構築する生成器構築部と、生成器を用いて、結合化合物の第4の特徴量から標的化合物の立体構造を生成する化合物立体構造生成部と、を備える。
第73の態様によれば、第68から第72の態様と同様に、検索をせずに、結合化合物の特徴量(第4の特徴量)に特徴量が類似した(したがって薬効が類似した)化合物の構造式を生成するので、医薬候補化合物の立体構造を効率よく創出することができる。なお第68から第72の態様と同様に、教師データとして与える化合物の特徴を選択することにより、特徴が異なる立体構造を有する化合物を生成することができる。
上述した目的を達成するため、本発明の第74の態様に係る化合物創出装置は複数の化合物から標的生体高分子に結合する標的化合物の立体構造を創出する化合物創出装置であって、複数の化合物のそれぞれについて、複数の原子による化合物の立体構造と、第5の特徴量と、を関連付けて記憶する記憶部と、標的生体高分子との結合が確認されている化合物である結合化合物について、第14の態様に係る特徴量算出方法を用いて第5の特徴量を算出する特徴量算出部と、複数の化合物の立体構造を教師データとし、第5の特徴量を説明変数とした機械学習により生成器を構築する生成器構築部と、生成器を用いて、結合化合物の第5の特徴量から標的化合物の立体構造を生成する化合物立体構造生成部と、を備える。
第74の態様によれば、第68から第73の態様と同様に、検索をせずに、結合化合物の特徴量(第5の特徴量)に特徴量が類似した(したがって薬効が類似した)化合物の構造式を生成するので、医薬候補化合物の立体構造を効率よく創出することができる。なお第68から第73の態様と同様に、教師データとして与える化合物の特徴を選択することにより、特徴が異なる立体構造を有する化合物を生成することができる。
上述した目的を達成するため、本発明の第75の態様に係る化合物創出装置は複数の化合物から標的生体高分子に結合する標的化合物の立体構造を創出する化合物創出装置であって、複数の化合物のそれぞれについて、複数の原子による化合物の立体構造と、第6の特徴量と、を関連付けて記憶する記憶部と、標的生体高分子との結合が確認されている化合物である結合化合物について、第17の態様に係る特徴量算出方法を用いて第6の特徴量を算出する特徴量算出部と、複数の化合物の立体構造を教師データとし、第6の特徴量を説明変数とした機械学習により生成器を構築する生成器構築部と、生成器を用いて、結合化合物の第6の特徴量から標的化合物の立体構造を生成する化合物立体構造生成部と、を備える。
第75の態様によれば、第68から第74の態様と同様に、検索をせずに、結合化合物の特徴量(第6の特徴量)に特徴量が類似した(したがって薬効が類似した)化合物の構造式を生成するので、医薬候補化合物の立体構造を効率よく創出することができる。なお第68から第74の態様と同様に、教師データとして与える化合物の特徴を選択することにより、特徴が異なる立体構造を有する化合物を生成することができる。
上述した目的を達成するため、本発明の第76の態様に係る化合物創出装置は複数の化合物から標的生体高分子に結合する標的化合物の立体構造を創出する化合物創出装置であって、複数の化合物のそれぞれについて、複数の原子による化合物の立体構造と、第7の特徴量と、を関連付けて記憶する記憶部と、標的生体高分子との結合が確認されている化合物である結合化合物について、第20の態様に係る特徴量算出方法を用いて第7の特徴量を算出する特徴量算出部と、複数の化合物の立体構造を教師データとし、第7の特徴量を説明変数とした機械学習により生成器を構築する生成器構築部と、生成器を用いて、結合化合物の第7の特徴量から標的化合物の立体構造を生成する化合物立体構造生成部と、を備える。
第76の態様によれば、第68から第75の態様と同様に、検索をせずに、結合化合物の特徴量(第7の特徴量)に特徴量が類似した(したがって薬効が類似した)化合物の構造式を生成するので、医薬候補化合物の立体構造を効率よく創出することができる。なお第68から第75の態様と同様に、教師データとして与える化合物の特徴を選択することにより、特徴が異なる立体構造を有する化合物を生成することができる。
上述した目的を達成するため、本発明の第77の態様に係る化合物創出装置は複数の化合物から標的生体高分子に結合する標的化合物の立体構造を創出する化合物創出装置であって、複数の化合物のそれぞれについて、複数の原子による化合物の立体構造と、第8の特徴量と、を関連付けて記憶する記憶部と、標的生体高分子との結合が確認されている化合物である結合化合物について、第23の態様に係る特徴量算出方法を用いて第8の特徴量を算出する特徴量算出部と、複数の化合物の立体構造を教師データとし、第8の特徴量を説明変数とした機械学習により生成器を構築する生成器構築部と、生成器を用いて、結合化合物の第8の特徴量から標的化合物の立体構造を生成する化合物立体構造生成部と、を備える。
第77の態様によれば、第68から第76の態様と同様に、検索をせずに、結合化合物の特徴量(第8の特徴量)に特徴量が類似した(したがって薬効が類似した)化合物の構造式を生成するので、医薬候補化合物の立体構造を効率よく創出することができる。なお第68から第76の態様と同様に、教師データとして与える化合物の特徴を選択することにより、特徴が異なる立体構造を有する化合物を生成することができる。
以上説明したように、本発明の化合物創出方法によれば、医薬候補化合物の立体構造を効率よく創出することができる。
図1は、第1の実施形態に係るスクリーニング装置の構成を示すブロック図である。 図2は、処理部の構成を示すブロック図である。 図3は、記憶部に記憶される情報を示す図である。 図4は、化合物の構造情報と特徴量とを関連付けて記憶する様子を示す図である。 図5は、化合物の3次元AAM特徴量の算出手順を示すフローチャートである。 図6は、構造式の3次元化の例を示す図である。 図7は、3次元AAM特徴量の例を示す図である。 図8は、3次元AAM特徴量の例を示す表である。 図9は、ポケット構造体についての3次元AAM記述子の手順を示すフローチャートである。 図10は、ポケット構造体についての3次元AAM記述子の様子を示す概念図である。 図11は、不変量化AAM記述子の例を示す図である。 図12は、不変量化AAM記述子が類似である化合物の例を示す図である。 図13は、不変量化AAM記述子を用いた場合のヒットの見つけやすさを示す図である。 図14は、不変量化AAM記述子を用いた場合のヒットの探索時間を示す図である。 図15は、不変量化AAM記述子を用いた場合のヒットの探索時間を示す他の図である。 図16は、記述子の類似度に基づく標的化合物の抽出手順を示すフローチャートである。 図17は、記述子の類似度に基づく標的化合物の抽出結果の例を示す表である。 図18は、記述子の類似度に基づく標的化合物の抽出手順を示す他のフローチャートである。 図19は、記述子の類似度に基づく標的化合物の抽出結果の例を示す他の表である。 図20は、第2の実施形態に係る化合物創出装置の構成を示すブロック図である。 図21は、処理部の構成を示す図である。 図22は、記憶部に記憶される情報を示す図である。 図23は、リガンド入力の場合の立体構造生成手順を示すフローチャートである。 図24は、機械学習の結果を用いた立体構造生成の様子を示す図である。 図25は、中間層の数とcos類似度との関係を示す図である。 図26は、立体構造の生成例を示す図である。 図27は、標的タンパク質入力の場合の立体構造生成手順を示すフローチャートである。 図28は、第3の実施形態に係る医薬候補化合物探索装置の構成を示すブロック図である。 図29は、処理部の構成を示す図である。 図30は、記憶部に記憶される情報を示す図である。 図31は、ヒットの見つけやすさの比較結果を示す図である。
以下、添付図面を参照しつつ、本発明の化合物創出方法の実施形態について、詳細に説明する。
<第1の実施形態>
図1は第1の実施形態に係るスクリーニング装置10(特徴量算出装置、スクリーニング装置)の構成を示すブロック図である。スクリーニング装置10は化合物(対象構造体)及び/またはポケット構造体(対象構造体)についての特徴量の算出、及び標的化合物の抽出(スクリーニング)を行う装置であり、コンピュータを用いて実現することができる。図1に示すように、スクリーニング装置10は処理部100、記憶部200、表示部300、及び操作部400を備え、互いに接続されて必要な情報が送受信される。これらの構成要素については各種の設置形態を採用することができ、各構成要素が1箇所(1筐体内、1室内等)に設置されていてもよいし、離れた場所に設置されネットワークを介して接続されていてもよい。また、スクリーニング装置10はインターネット等のネットワークNWを介して外部サーバ500、及びPDB(Protein Data Bank)等の外部データベース510に接続し、必要に応じて化合物の構造式、タンパク質の結晶構造等の情報を取得することができる。
<処理部の構成>
図2は処理部100の構成を示す図である。処理部100は情報入力部110、特徴量算出部120、類似度算出部130、化合物抽出部140、表示制御部150、CPU160(CPU:Central Processing Unit)、ROM170(ROM:Read Only Memory)、及びRAM180(RAM:Random Access Memory)を備える。
情報入力部110は、不図示のDVDドライブ、半導体メモリ用端子等の記録媒体インタフェース及び/またはネットワークNWを介して化合物の構造式、標的タンパク質のX結晶構造及びポケット位置等の情報を入力する。特徴量算出部120(対象構造体指定部、立体構造発生部、特徴量算出部)は、本発明に係る特徴量(第1の特徴量、第1の不変量化特徴量、第2の特徴量、第2の不変量化特徴量)を算出する。類似度算出部130(類似度算出部)は、算出した特徴量どうしの類似度を算出する。化合物抽出部140(化合物抽出部)は、複数の化合物から類似度に基づいて標的化合物を抽出する。表示制御部150は、入力した情報及び処理結果のモニタ310への表示を制御する。処理部100のこれらの機能を用いた特徴量算出及び標的化合物のスクリーニングの処理については、詳細を後述する。なお、これらの機能による処理はCPU160の制御の下で行われる。
上述した処理部100の各部の機能は、各種のプロセッサ(processor)を用いて実現できる。各種のプロセッサには、例えばソフトウェア(プログラム)を実行して各種の機能を実現する汎用的なプロセッサであるCPUが含まれる。また、上述した各種のプロセッサには、画像処理に特化したプロセッサであるGPU(Graphics Processing Unit)、FPGA(Field Programmable Gate Array)などの製造後に回路構成を変更可能なプロセッサであるプログラマブルロジックデバイス(Programmable Logic Device:PLD)も含まれる。さらに、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)などの特定の処理を実行させるために専用に設計された回路構成を有するプロセッサである専用電気回路なども上述した各種のプロセッサに含まれる。
各部の機能は1つのプロセッサにより実現されてもよいし、同種または異種の複数のプロセッサ(例えば、複数のFPGA、あるいはCPUとFPGAの組み合わせ、またはCPUとGPUの組み合わせ)で実現されてもよい。また、複数の機能を1つのプロセッサで実現してもよい。複数の機能を1つのプロセッサで構成する例としては、第1に、クライアント、サーバなどのコンピュータに代表されるように、1つ以上のCPUとソフトウェアの組合せで1つのプロセッサを構成し、このプロセッサが複数の機能として実現する形態がある。第2に、システムオンチップ(System On Chip:SoC)などに代表されるように、システム全体の機能を1つのIC(Integrated Circuit)チップで実現するプロセッサを使用する形態がある。このように、各種の機能は、ハードウェア的な構造として、上述した各種のプロセッサを1つ以上用いて構成される。さらに、これらの各種のプロセッサのハードウェア的な構造は、より具体的には、半導体素子などの回路素子を組み合わせた電気回路(circuitry)である。
上述したプロセッサあるいは電気回路がソフトウェア(プログラム)を実行する際は、実行するソフトウェアのプロセッサ(コンピュータ)読み取り可能なコードをROM170(図2を参照)等の非一時的記録媒体に記憶しておき、プロセッサがそのソフトウェアを参照する。非一時的記録媒体に記憶しておくソフトウェアは、本発明に係る特徴量算出方法及び標的化合物の抽出処理を実行するためのプログラム(特徴量算出プログラム及びスクリーニングプログラム)を含む。ROM170ではなく各種光磁気記録装置、半導体メモリ等の非一時的記録媒体にコードを記録してもよい。ソフトウェアを用いた処理の際には例えばRAM180が一時的記憶領域として用いられ、また例えば不図示のEEPROM(Electronically Erasable and Programmable Read Only Memory)に記憶されたデータを参照することもできる。
<記憶部の構成>
記憶部200はDVD(Digital Versatile Disk)、ハードディスク(Hard Disk)、各種半導体メモリ等の非一時的記録媒体及びその制御部により構成され、図3に示す画像及び情報が記憶される。構造情報210は化合物の構造式、標的タンパク質の立体構造及びポケット位置を含む。立体構造情報220は、構造情報210から発生させた化合物及び/またはポケット構造体の立体構造の情報である。3次元AAM記述子230(第1の特徴量、第2の特徴量)は、化合物またはポケット構造体の立体構造の周辺における1種類以上のアミノ酸の集積度合いを3次元空間において定量化した特徴量であり、後述する特徴量算出方法により算出される。なお、「AAM」は「アミノ酸マッピング(Amino Acid Mapping)」を意味する。不変量化AAM記述子240(第1の不変量化特徴量、第2の不変量化特徴量)は、3次元AAM記述子230を化合物またはポケット構造体の回転及び並進について不変量化した特徴量である。類似度情報250は特徴量どうしの類似度を示す情報であり、化合物抽出結果260は類似度に基づいて抽出した標的化合物を示す情報である。
図4は、N個(Nは2以上の整数)の化合物について、構造情報210、立体構造情報220、3次元AAM記述子230、及び不変量化AAM記述子240が関連付けられて記憶部200に記憶される様子を示す図である。図4において、例えば構造式を構造情報210とし、立体化した構造式(後述)を立体構造情報220とすることができる。また図4では、各化合物に対し、20種類のアミノ酸のそれぞれについて、3次元AAM記述子230(“g(r)”のように記載;aはアミノ酸の種類を表す添字)と、その3次元AAM記述子230に対応する不変量化AAM記述子240(“Fab(s)”のように記載;a,bはアミノ酸の種類を表す添字)を関連付けて記憶している。3次元AAM記述子230及び不変量化AAM記述子240は、20種類のアミノ酸すべてについてではなく、スクリーニングに用いる記述子の数に応じて一部のアミノ酸について記憶してもよい。
記憶部200において、図4に示すような情報のセット(ライブラリ)を複数記憶してもよい。なお、図4では化合物についての情報の記憶の様子を示したが、標的タンパク質についても同様の構成で情報を記憶することができる。また、このような構造情報及び立体構造情報を用いた3次元AAM記述子及び/または不変量化AAM記述子の算出方法は後述する。
<表示部及び操作部の構成>
表示部300はモニタ310(表示装置)を備えており、入力した画像、記憶部200に記憶された画像及び情報、処理部100による処理の結果等を表示することができる。操作部400は入力デバイス及び/またはポインティングデバイスとしてのキーボード410及びマウス420を含んでおり、ユーザはこれらのデバイス及びモニタ310の画面を介して、本発明に係る特徴量算出方法の実行及び標的化合物の抽出に必要な操作を行うことができる(後述)。ユーザが実行できる操作には、例えば処理モード、算出する記述子の種類、スクリーニングに用いる記述子、類似度に対するしきい値の指定等が含まれる。
<スクリーニング装置における処理>
上述した構成のスクリーニング装置10では、操作部400を介したユーザの指示に応じて、特徴量(記述子)の算出及び/または標的化合物の抽出を行うことができる。以下、各処理の詳細を説明する。
<特徴量の算出>
スクリーニング装置10は、操作部400を介したユーザの指示に応じて、3次元AAM記述子及び/または不変量化AAM記述子を算出することができる。
<化合物に対する3次元AAM記述子の算出>
図5は、化合物(対象構造体)についての3次元AAM記述子の算出手順を示すフローチャートである。なおリガンドは標的タンパク質との結合が確認されている化合物であり、図5の手順で3次元AAM記述子を算出することができる。ステップS100で、情報入力部110はユーザの操作に応じて化合物の構造式を入力する。これにより、入力した化学式で表される化合物が対象構造体として指定される(対象構造体指定工程)。
特徴量算出部120は、入力した構造式を3次元化して、複数の原子(化学的性質を有する複数の単位構造体)による化合物の立体構造を発生させる(ステップS102:立体構造発生工程)。構造式の3次元化は種々の手法が知られており、ステップS102で用いる手法は特に限定されない。図6は構造式の立体化の例、(a)部分は入力した構造式、(b)部分は3次元化した構造式を示す。
特徴量算出部120は、でアミノ酸“a”(aはアミノ酸の種類を表す数字;1から20)の各原子“μ”が感じる自由エネルギーの空間分布ΔG(r)を算出する(ステップS104;特徴量算出工程)。ΔG(r)の算出方法としては分子動力学法(MD:Molecular Dynamics)を採用することができるが、これに限定されない。特徴量を算出するアミノ酸はあらかじめ決められた種類でもよいし、ユーザの指示に応じて決定してもよい(1種類以上であればよく、複数種類でもよい)。
特徴量算出部120は、ΔG(r)からアミノ酸“a”の各原子“μ”の分布関数g(r)を算出する(ステップS106:特徴量算出工程)。g(r)は、Tを室温、Kをボルツマン定数とすると、以下の式(1)により表される。
Figure 0007209751000001
特徴量算出部120は、分布関数g(r)からアミノ酸の重心の分布関数ga(r)を算出する(ステップS108:特徴量算出工程)。算出のためには、g(r)を各原子“μ”について相乗平均する。この分布関数ga(r)が、化合物の立体構造の周辺における1種類以上のアミノ酸“a”の集積度合いを3次元空間において定量化した3次元AAM記述子(第1の特徴量)である。特徴量算出部120は、算出した3次元AAM記述子を、3次元AAM記述子230として化合物の構造情報(構造情報210)、立体構造情報(立体構造情報220)と関連付けて記憶部200に記憶する(図4参照)。
図7は、図6に示す化合物についての3次元AAM記述子の例である。(a)部分はアラニンについての3次元AAM記述子を示し、(b)部分はバリンについての3次元AAM記述子を示す。図7において色の濃い領域は、アミノ酸の集積度合い(存在確率)が高い領域である。図8は図6に示す化合物についての3次元AAM記述子の他の例を示す表であり、それぞれ異なる方向1、方向2、方向3(それぞれ表の1段目、2段目、3段目)についての3次元AAM記述子を示す。表の左欄は3次元AAM記述子(しきい値に対する等高面)を示し、右欄は3次元AAM記述子(しきい値に対する等高面)及び化合物の立体構造を示す。
<ポケット構造体に対する3次元AAM記述子の算出>
スクリーニング装置10では、化合物ではなく標的タンパク質に結合するポケット構造体を対象構造体として指定し、このポケット構造体に対する特徴量(3次元AAM記述子;第2の特徴量)を算出することができる。ポケット構造体は標的タンパク質の活性部位であるポケットに結合する対象構造体であり、「活性部位」とはポケット構造体が結合することにより標的タンパク質の活性が促進または抑制される部位を意味する。図9はポケット構造体に対する3次元AAM記述子の算出手順を示すフローチャートである。また、図10はポケット構造体に対する3次元AAM記述子の様子を示す概念図である。
図9のフローチャートでは、情報入力部110が標的タンパク質の立体構造の実測及びポケットの位置情報を入力する(ステップS200:対象構造体指定工程)。図10の(a)部分は、標的タンパク質TPにおけるポケットPOを示す。ステップS200の処理によりポケット構造体が対象構造として指定される。
特徴量算出部120は、標的タンパク質のポケットに複数の仮想的球体(化学的性質を有する複数の単位構造体)を詰める(ステップS202:対象構造体指定工程、立体構造発生工程)。「仮想的球体」はファンデルワールス半径、電荷等の化学的性質を有すると考えることができ、「仮想的球体を詰める」のはシミュレーション(例えば分子動力学法)により行うことができる。ステップS202により、詰められた仮想的球体の集まり(立体構造)をポケット構造体(対象構造体)の立体構造として得ることができる(ステップS204:立体構造発生工程)。図10の(b)部分に、標的タンパク質TPに対するポケット構造体PSの例を示す。
特徴量算出部120は、標的タンパク質の立体構造の実測を用いて、ポケット構造体の周辺への1種類以上のアミノ酸の集積度合いを3次元で定量化する(ステップS206:特徴量算出工程)。実際に、ポケット構造体の周辺にどの種類のアミノ酸が集積しているか読み出すことが可能である。図10の(c)部分は、ポケット構造体PSの周辺に3種類のアミノ酸A1,A2,A3が集積している様子を示す。なお集積度合いを定量化するアミノ酸は1種類以上であればよい(複数種類でもよい)。またあらかじめ決められた種類のアミノ酸について定量化してもよいし、ユーザの操作に応じて設定したアミノ酸について定量化してもよい。特徴量算出部120は、算出した3次元AAM記述子を、3次元AAM記述子230として化合物の構造情報(構造情報210)、立体構造情報(立体構造情報220)と関連付けて記憶部200に記憶する(図3,4参照;記憶工程)。後述する不変量化AAM記述子が算出されている場合は、特徴量算出部120は3次元AAM記述子と不変量化AAM記述子との関連付けを行う。
<3次元AAM記述子の不変量化>
上述した3次元AAM記述子はアミノ酸の3次元的な集積度合いを示しているが、化合物が同じでも重心移動、回転等が起きると値が変化し、また3次元情報であるのでデータ容量が大きい。そこで第1の実施形態に係るスクリーニング装置10では、3次元AAM記述子に加え、またはこれに代えて「3次元AAM記述子を化合物の回転及び並進に対して不変量化した不変量化AAM記述子」(第1の不変量化特徴量、第2の不変量化特徴量)を算出することができる。なお、化合物の場合もポケット構造体の場合も、同じ手順で不変量化を行うことができる。化合物についての3次元AAM記述子(第1の特徴量)を用いた場合は化合物についての不変量化AAM記述子(第1の不変量化特徴量)が得られ、ポケット構造体についての3次元AAM記述子(第2の特徴量)を用いた場合はポケット構造体についての不変量化AAM記述子(第2の不変量化特徴量)が得られる。
特徴量算出部120は、以下の式(2)に示すようにフーリエ変換を用いてf(k)を算出する(不変量化工程)。上述したように、“a”はアミノ酸の種類を示す添字(1~20)である。また、“i”は虚数単位である。
Figure 0007209751000002
特徴量算出部120は、このf(k)を用いて以下の式(3)により不変量化AAM記述子であるFab(s)(第1の不変量化特徴量、第2の不変量化特徴量)を算出することができる(不変量化工程)。式(3)では、2種類の異なるアミノ酸(“a”,“b”で示す)についての3次元AAM記述子(g(r),g(r))を用いて、相関関数の角度積分により不変量化AAM記述子を算出する。なお、20種類のアミノ酸のうちで不変量化AAM記述子の算出に用いる2種類のアミノ酸の組合せは特に限定されない。
Figure 0007209751000003
式(3)では不変量化の際にデルタ関数を用いているが、以下の式(4)に示すように、任意の関数(h(k-s))を用いて不変量化を行うことができる。
Figure 0007209751000004
このようにして算出した不変量化AAM記述子の例を図11に示す。図11の(a)部分は不変量化AAM記述子であるF12(s)(アミノ酸1,2についての不変量化AAM記述子)の実部であり、(b)部分は虚部である。このように2種類の異なるアミノ酸についての3次元AAM記述子を用いて不変量化を行うことで、アミノ酸の相互作用の情報を維持しつつ不変量化を行うことができ、特徴量(第1の不変量化特徴量,第2の不変量化特徴量)に基づく化合物の比較(薬効判定)を正確に行うことができる。
特徴量算出部120は、算出した不変量化AAM記述子を、不変量化AAM記述子240として化合物の構造情報(構造情報210)、立体構造情報(立体構造情報220)、及び元の3次元AAM記述子230と関連付けて記憶部200に記憶する(図3,4参照;記憶工程)。なお、第1の実施形態では2種類の異なるアミノ酸についての3次元AAM記述子を用いて不変量化AAM記述子を算出するので、3次元AAM記述子と不変量化AAM記述子との関連付けも複数ありうる。
<不変量化AAM記述子の有効性評価>
上述の処理により算出した不変量化AAM記述子の有効性を説明する。
<類似の不変量化AAM記述子を有する化合物の活性の例>
図12の(a)部分は、タンパク質ABL1(標的タンパク質の一例)に対するリガンドの構造式を示す。このリガンドの結合力は、IC50(50%阻害濃度)で1μMレベルである。これに対し、図12の(b)部分はリガンドとほぼ同じ不変量化AAM記述子を持つ化合物の構造式である。この化合物の活性を実測すると、リガンドと同じレベルであった。すなわち、図11は不変量化AAM記述子が類似の化合物が類似の薬効を有することを示す例である。このように、第1の実施形態によれば対象構造体の化学的性質を的確に示す特徴量(不変量化AAM記述子)を得ることができる。
<ヒットの見つけやすさ>
以下の手順1~5により、不変量化AAM記述子によるヒットの見つけやすさを評価した。
(手順1)あるタンパク質(標的タンパク質)に対して、ヒット化合物X個とヒットでない化合物Y個とを混ぜる。
(手順2)(X+Y)個の化合物すべてについて、不変量化AAM記述子を計算する。
(手順3)記述子ごとの類似度を算出する。
(手順4)(X+Y)個の化合物を、不変量化AAM記述子の類似度に基づいてチーム分けする。
(手順5)ヒットが集まったチームが機械的に発生するかどうかチェックする。
タンパク質ABL1(キナーゼ)に対し183個のヒットを含む10,933個の化合物(ヒット含有率1.6%)を上述の手順によりチーム分けしたところ、221チームに分かれた。あるチームは16個のヒットとその他の化合物を14個含んでおり、ヒット含有率は53.3%であった。またこのチームは図12の(a)部分に示す化合物及び(b)部分に示す化合物を含んでいたが、従来の記述子であるFingerprintを用いた場合、これら化合物の類似度は25%であり、本来ならばヒットであるにも関わらず別物と認識されていた。このように、上述のチームにおいて本発明の第1の実施形態に係る不変量化AAM記述子を用いた場合、Fingerprintではまとまらなかったヒットでも同一チームに属することが分かる。
上述した221チームについて、チームごとのヒットの見つけやすさ(=期待値;ヒット数×ヒット含有率)を求めた結果を図13に示す。比較のため、ランダムにチーム分けした場合、及びFingerprintを用いてチーム分けした場合の結果を示す。この結果より、上述の化合物群に対し不変量化AAM記述子を用いた場合、ランダムなチーム分けやFingerprintを用いたチーム分けよりも多くのヒットを含むチームが発生することが分かる。なお、図13においてチーム番号はチーム分け方法(ランダム、不変量化AAM記述子、Fingerprint)によって異なるので、チーム分けの優劣は、同一のチーム番号での期待値を比較するのではなく「期待値の高い(より多くのヒットを含む)チームが含まれるかどうか」により判断している。
<ヒット探索時間(その1)>
図14は、上述した化合物群についてのImportance Sampling(重点サンプリング)のシミュレーション結果を示すグラフである。第1の実施形態に係る不変量化AAM記述子を用いた場合、ランダムなチーム分けの場合と比較したヒット探索時間(同じヒット数を発見するための薬効評価の回数)は、50%探索の場合で約2分の1、25%探索の場合約4分の1に短縮された。一方、Fingerprintを用いたチーム分けの場合、ヒット探索時間は短縮しなかった。なお、ここでのImportance Samplingのシミュレーションとは、チームごとに優先度を表す変数を与え、測定ごとに、ヒットが出たチームの優先度を上げ、ヒットが出なかったチームの優先度を下げるように、変数を更新しながら、より少ない測定回数でより多くのヒットを集める方法を意味する。図14では優先度の制御に機械学習手法の一種であるNB法(NB:Naive Bayes)を用いた例を示したが、これに限定する必要はない。
<ヒット探索時間(その2)>
タンパク質AA2ARに対する32,464個の化合物(483個のヒットを含む)について、(その1)と同様にImportance Sampling(重点サンプリング)のシミュレーション結果を図15に示す。タンパク質AA2ARはX線結晶構造を得るのが困難な膜タンパクであるが、そのような膜タンパクの場合でも、ヒット探索時間は50%探索で約2分の1まで短縮された。
上述した不変量化AAM記述子によれば、記述子が類似の化合物は類似した薬効(標的タンパク質への結合)を示すので、対象構造体(化合物、ポケット構造体)の化学的性質を的確に示す。3次元AAM記述子を不変量化した不変量化AAM記述子によれば、2種類の異なるアミノ酸についての3次元AAM記述子を用いて不変量化を行うことで、記述子に基づく化合物の比較(薬効判定)を正確に行いつつ、扱いやすくデータ容量を削減することができる。さらに不変量化AAM記述子によればヒットを見つけやすく、探索を高速化することができる。
<特徴量算出方法及び特徴量算出プログラムの効果>
以上説明したように、第1の実施形態に係るスクリーニング装置10では、本発明に係る特徴量算出方法及び特徴量算出プログラムを用いて、対象構造体の化学的性質を的確に示す特徴量(3次元AAM記述子、不変量化AAM記述子)を算出することができる。
<標的化合物の抽出(スクリーニング)>
上述した3次元AAM記述子、不変量化AAM記述子を用いた、複数の化合物からの標的化合物(医薬候補化合物)の抽出について説明する。標的化合物の抽出はリガンドの記述子(3次元AAM記述子、不変量化AAM記述子)に基づいて行うモード(第1のモード)と標的タンパク質のポケット構造体の記述子(3次元AAM記述子、不変量化AAM記述子)に基づいて行うモード(第2のモード)がある。いずれのモードにより抽出を行うかは、操作部400を介したユーザの操作に応じて選択することができる。
<リガンド入力のスクリーニング>
図16はリガンドの3次元AAM記述子を用いたスクリーニングの手順を示すフローチャートである。処理が開始すると、特徴量算出部120はリガンドの3次元AAM記述子を算出する(ステップS300:特徴量算出工程)。なおリガンドは標的タンパク質との結合が確認されている化合物なので、ステップS300における3次元AAM記述子の算出は図5のフローチャートに示す手順により行うことができる。
図4について上述したように、スクリーニング装置10では、複数の化合物のそれぞれについて、複数の原子による化合物の立体構造と、この立体構造に対応する3次元AAM記述子(第1の特徴量)とが関連付けて記憶部200に記憶されている。類似度算出部130は、化合物についての3次元AAM記述子と、ステップS300で算出したリガンドの3次元AAM記述子との類似度を算出する(ステップS302:類似度算出工程)。類似度を算出したら、化合物抽出部140は類似度に基づいて標的化合物を抽出する(ステップS304:標的化合物抽出工程)。上述のように3次元AAM記述子が類似であれば類似の薬効(標的タンパク質への結合)を示すので、3次元AAM記述子の類似度を用いることにより、リガンドと類似の薬効を有する化合物(すなわち、医薬候補である標的化合物)を抽出することができる。なお類似度に基づく標的化合物の抽出(ステップS304)は、具体的には「類似度がしきい値以上の化合物を抽出する」、「類似度が高い順に化合物を抽出する」等により行うことができる。
図16では3次元AAM記述子を用いたスクリーニングの手順について説明しているが、不変量化AAM記述子を用いたスクリーニングも同様の手順で行うことができる。具体的には、特徴量算出部120が図5の手順及び上述した式(2),(3)によりリガンドの不変量化AAM記述子(第1の不変量化特徴量)を算出し、類似度算出部130が、記憶部200に記憶されている化合物の不変量化AAM記述子との類似度を算出する。類似度を算出したら、化合物抽出部140が類似度に基づいて標的化合物を抽出する。類似度に基づく標的化合物抽出の具体的態様は、3次元AAM記述子と同様に行うことができる。
図17はリガンド入力のスクリーニング結果の例を示す表である。図17の(a)部分は3次元AAM記述子を用い「類似度がしきい値以上の化合物を抽出する」とした場合の結果を示し、(b)部分は不変量化AAM記述子を用い「類似度が高い順に化合物を抽出する」とした場合の結果を示す。なお、図17の(a)部分ではアミノ酸1についての3次元AAM記述子(g(r))に基づいて化合物を抽出しているが、他のアミノ酸(アミノ酸2~20)についての3次元AAM記述子(例えば、g(r))に基づいて化合物を抽出してもよい。また、異なるアミノ酸についての複数の3次元AAM記述子(例えば、g(r)とg(r))の類似度(g(r)どうしの類似度とg(r)どうしの類似度)をそれぞれ算出し、これに基づいて化合物を抽出してもよい。化合物の抽出に用いる3次元AAM記述子は1種類でよいが、複数種類の3次元AAM記述子を用いることにより、類似度に基づく化合物の抽出を正確に行うことができる。なお、複数種類の3次元AAM記述子を用いる場合、それら記述子の間でのアミノ酸の組み合わせは特に限定されない(例えば、g(r)とg(r)でもよいし、g(r)とg(r)でもよい)。
同様に、図17の(b)部分ではアミノ酸1,2についての不変量化AAM記述子(F12(s))に基づいて化合物を抽出しているが、不変量化AAM記述子の算出を行うアミノ酸は他の組合せ(例えば、アミノ酸3,4によるF34(s))であってもよい。また、アミノ酸の組合せが異なる複数の不変量化AAM記述子(例えば、F12(s)とF34(s))に基づいて化合物の抽出を行ってもよい(例えば、F12(s)どうしの類似度とF34(s)どうしの類似度を用いる)。化合物の抽出に用いる不変量化AAM記述子は1種類でよいが、複数種類の不変量化AAM記述子を用いることにより、類似度に基づく化合物の抽出を正確に行うことができる。なお、複数種類の不変量化AAM記述子を用いる場合、それら記述子の間でのアミノ酸の組み合わせは特に限定されない(例えば、F12(s)とF34(s)でもよいし、F12(s)とF13(s)でもよい)。いずれのアミノ酸について記述子及び類似度を算出するかは、操作部400を介したユーザの指示に応じて処理部100(特徴量算出部120、類似度算出部130、化合物抽出部140)が決定してもよいし、ユーザの指示によらず処理部100が決定してもよい。
なお、(a)部分では類似度のしきい値を80%とし(b)部分では抽出個数を100個としているが、これらの値は例示であり、スクリーニングの精度等の条件に応じてしきい値及び抽出個数を設定することができる。設定は、操作部400を介したユーザの入力に応じて行うことができる。また、図17と逆に3次元AAM記述子を用いた場合に「類似度が高い順に化合物を抽出する」とし、不変量化AAM記述子を用いた場合に「類似度がしきい値以上の化合物を抽出する」としてもよい。化合物抽出部140は、図17に示すような抽出結果を、化合物抽出結果260として記憶部200に記憶させる(図3参照)。
<標的タンパク質入力のスクリーニング>
図18は標的タンパク質のポケット構造体についての3次元AAM記述子を用いたスクリーニングの手順を示すフローチャートである。処理が開始すると、特徴量算出部120は標的タンパク質のポケット構造体についての3次元AAM記述子を算出する(ステップS400:特徴量算出工程)。ステップS400における3次元AAM記述子の算出は図9のフローチャートに示す手順により算出することができる。類似度算出部130は、化合物についての3次元AAM記述子と、ステップS400で算出したポケット構造体についての3次元AAM記述子との類似度を算出する(ステップS402:類似度算出工程)。類似度を算出したら、化合物抽出部140は類似度に基づいて標的化合物を抽出する(ステップS404:標的化合物抽出工程)。上述したリガンド入力の場合と同様に、類似度に基づく標的化合物の抽出(ステップS404)は、具体的には「類似度がしきい値以上の化合物を抽出する」、「類似度が高い順に化合物を抽出する」等により行うことができる。
不変量化AAM記述子を用いる場合も、図18のフローチャートと同様の手順で標的化合物を抽出することができる。
図19は標的タンパク質入力のスクリーニング結果の例を示す表である。図19の(a)部分は3次元AAM記述子を用い「類似度がしきい値以上の化合物を抽出する」とした場合の結果を示し、(b)部分は不変量化AAM記述子を用い「類似度が高い順に化合物を抽出する」とした場合の結果を示す。類似度のしきい値及び抽出個数は、スクリーニングの精度等の条件に応じて設定することができる。設定は、操作部400を介したユーザの入力に応じて行うことができる。また、図19と逆に3次元AAM記述子を用いた場合に「類似度が高い順に化合物を抽出する」とし、不変量化AAM記述子を用いた場合に「類似度がしきい値以上の化合物を抽出する」としてもよい。
標的タンパク質入力のスクリーニングの場合も、リガンド入力のスクリーニングの場合(図17及びその説明を参照)と同様にアミノ酸の種類を変えてもよいし、異なるアミノ酸についての複数の記述子(3次元AAM記述子、不変量化AAM記述子)を用いてもよい。化合物の抽出に用いる記述子は1種類でよいが、複数種類の記述子を用いることにより、類似度に基づく化合物の抽出を正確に行うことができる。なお、複数種類の記述子を用いる場合、それら記述子の間でのアミノ酸の組み合わせは特に限定されない。いずれのアミノ酸について記述子及び類似度を算出するかは、操作部400を介したユーザの指示に応じて処理部100(特徴量算出部120、類似度算出部130、化合物抽出部140)が決定してもよいし、ユーザの指示によらず処理部100が決定してもよい。
化合物抽出部140は、図19に示すような抽出結果を、化合物抽出結果260として記憶部200に記憶させる(図3参照)。
<スクリーニング装置の効果>
以上説明したように、第1の実施形態に係るスクリーニング装置10では、本発明に係る特徴量算出方法及び特徴量算出プログラムにより算出した特徴量(3次元AAM記述子、不変量化AAM記述子)を用いて、本発明に係るスクリーニング方法及びスクリーニングプログラムにより医薬候補化合物のスクリーニングを効率よく行うことができる。
<第2の実施形態>
本発明の第2の実施形態に係る化合物創出装置について説明する。図20は化合物創出装置20(特徴量算出装置、化合物創出装置)の構成を示すブロック図である。なお、第1の実施形態と同様の要素には同一の参照符号を付し、詳細な説明を省略する。
化合物創出装置20は処理部101を含む。処理部101は図21のように構成され、情報入力部110、特徴量算出部120(特徴量算出部)、生成器構築部132(生成器構築部)、化合物立体構造生成部142(化合物立体構造生成部)、表示制御部150を含む。情報入力部110、特徴量算出部120、表示制御部150の機能は上述したスクリーニング装置10における情報入力部110、特徴量算出部120、表示制御部150とそれぞれ同様である。これら各部の機能は、スクリーニング装置10について上述したのと同様に、各種のプロセッサ(processor)を用いて実現することができる。
図22は記憶部201に記憶される情報を示す図である。記憶部201には、スクリーニング装置10における化合物抽出結果260に代えて立体構造生成結果270が記憶される。記憶部201に記憶される情報は、図4について上述したのと同様に、互いに関連付けて記憶される。
<標的化合物の立体構造生成>
上述した3次元AAM記述子、不変量化AAM記述子を用いた、標的化合物(医薬候補化合物)の立体構造生成について説明する。化合物創出装置20による標的化合物の立体構造生成では、検索を行わないので「スクリーニングによる検索の結果、解なし」となる場合でも化合物の立体構造を生成することができ、したがって医薬候補化合物の立体構造を効率よく創出することができる。立体構造の生成は、リガンドの記述子(3次元AAM記述子、不変量化AAM記述子)に基づいて行うモードと、標的タンパク質のポケット構造体の記述子(3次元AAM記述子、不変量化AAM記述子)に基づいて行うモードとがある。いずれのモードにより立体構造の生成を行うかは、操作部400を介したユーザの操作に応じて選択することができる。
<リガンドが入力の立体構造生成>
図23はリガンド入力の場合の立体構造生成手順を示すフローチャートである。処理が開始すると、特徴量算出部120はリガンドの記述子(3次元AAM記述子)を算出する(ステップS500:対象構造体指定工程、立体構造発生工程、特徴量算出工程)。ステップS500の処理は、第1の実施形態と同様に本発明に係る特徴量算出方法及び特徴量算出プログラムを用いて行うことができる(図5~8及びそれらの図についての説明を参照)。
ステップS502では、生成器構築部132は機械学習により生成器を構築する(生成器構築工程)。以下、図24を参照してステップS502の処理を説明する。(Step1)特徴量算出部120が複数の化合物について3次元AAM記述子を算出し、構造式(立体化された構造式)と3次元AAM記述子とのペア(3次元データどうし)を作る。(Step2)生成器構築部132が、化合物の立体構造を教師データとし3次元AAM記述子(第1の特徴量)を説明変数とした機械学習(深層学習)により生成器を構築する。深層学習の手法は特定の手法に限定されず、例えば単純な全結合のニューラルネットでもよいし、畳み込みニューラルネット(CNN:Convolutional Neural Network)でもよい。ただし、立体構造の生成精度は用いる学習手法に依存するので、立体構造の生成条件、要求精度等の条件に応じて学習手法を選択することが好ましい。
上述したStep1,2の処理が終わると図23のフローチャートに戻る。化合物立体構造生成部142は、構築した生成器を用いて、リガンドの3次元AAM記述子から標的化合物(ヒット)の立体構造(立体化された構造式)を生成する(ステップS504:化合物立体構造生成工程)。これにより、リガンドと類似の薬効(標的タンパク質との結合)を有する化合物、すなわち医薬候補化合物の立体構造を得ることができる。なお、同一の3次元AAM記述子を与える立体構造は複数存在しうる。化合物立体構造生成部142は、生成した立体構造を、立体構造生成結果270として3次元AAM記述子(3次元AAM記述子230)と関連付けて記憶部201に記憶させる(図22参照)。操作部400を介したユーザの指示に応じて、表示制御部150が、生成した立体構造をモニタ310に表示してもよい。
なお、上述した手順において、機械学習のための3次元AAM記述子を算出するアミノ酸は1種類でもよいし複数種類でもよい。ただし、複数種類のアミノ酸について3次元AAM記述子を算出し学習に供することにより、生成される立体構造の精度を向上させることができる。なお、アミノ酸の種類が異なる複数の3次元AAM記述子を用いる場合、それら記述子の間でのアミノ酸の組み合わせは特に限定されない。いずれのアミノ酸について3次元AAM記述子を算出し学習に供するかは、操作部400を介したユーザの指示に応じて処理部100(特徴量算出部120、類似度算出部130、化合物抽出部140)が決定してもよいし、ユーザの指示によらず処理部100が決定してもよい。
<立体構造の生成例>
機械学習により構築した生成器を用いて生成した立体構造の例について説明する。この例では単純な全結合のニューラルネットを用いてライブラリ化合物のうち1,800個を上述の手法により学習し、残り200個の化合物の立体構造がどの程度再現できるかを調べた。その結果を図25に示す。ニューラルネットの中間層の数を増やすと、平均cos類似度は59%になった。図26はそのような類似度を示す例についての、3次元AAM記述子から生成した立体構造(構造式)と正解構造式(それぞれ図26の(a)部分、(b)部分)を示す図である。
<教師データの特徴と生成される立体構造との関係>
上述した手順により生成される立体構造は、教師データとして与える化合物の特徴に影響される。したがって、教師データとして与える化合物の特徴を選択することで、特徴が異なる立体構造を有する化合物を生成できる。例えば、合成が容易な立体構造を有する化合物の3次元AAM記述子を教師データとして与えることで、リガンドと類似の薬効を有し、かつ合成が容易な立体構造を有する化合物を生成することができる。どのような化合物についての3次元AAM記述子を教師データとして与えるかは、生成したい化合物の特徴に合わせて選択することができる。
<不変量化AAM記述子を用いた立体構造の生成>
図23~26では3次元AAM記述子を用いた立体構造の生成について説明した。これに対し不変量化AAM記述子(第1の不変量化特徴量)を用いた場合も、3次元AAM記述子を用いる場合と同様に、不変量化AAM記述子を教師データとし立体構造(立体化した構造式)を説明変数とした機械学習(深層学習)により標的化合物の立体構造を生成することができる。
<標的タンパク質が入力の立体構造生成>
化合物創出装置20では、上述したリガンド入力による立体構造生成に加えて、標的タンパク質を入力として標的化合物の立体構造を生成することができる。この場合も、リガンド入力の場合と同様に、3次元AAM記述子(第2の特徴量)を用いた立体構造生成と不変量化AAM記述子(第2の不変量化特徴量)を用いた立体構造生成とを行うことができる。
図27は、標的タンパク質が入力の場合(3次元AAM記述子を用いるものとしている)の立体構造生成手順を示すフローチャートである。処理が開始すると、特徴量算出部120は標的タンパク質のポケット構造体の3次元AAM記述子(第2の特徴量)を算出する(ステップS600:対象構造体指定工程、立体構造発生工程、特徴量算出工程)。ステップS600の処理は、第1の実施形態と同様に本発明に係る特徴量算出方法を用いて行うことができる(図9,10及びそれらの図についての説明を参照)。
ステップS602では、生成器構築部132は、リガンド入力の場合と同様に機械学習(深層学習)により生成器を構築する(生成器構築工程)。生成器の構築は上述したStep1,2と同様にして行うことができる。化合物立体構造生成部142は、構築した生成器を用いて、ポケット構造体の3次元AAM記述子から標的化合物(ヒット)の立体構造(立体化された構造式)を生成する(ステップS604:化合物立体構造生成工程)。これにより、ポケット構造体と類似の薬効(標的タンパク質との結合)を有する化合物、すなわち医薬候補化合物の立体構造を得ることができる。なお、同一の3次元AAM記述子を与える立体構造は複数存在しうる。化合物立体構造生成部142は、生成した立体構造を、立体構造生成結果270として3次元AAM記述子(3次元AAM記述子230)と関連付けて記憶部201に記憶させる(図22参照)。操作部400を介したユーザの指示に応じて、表示制御部150が、生成した立体構造をモニタ310に表示してもよい。
<化合物創出装置の効果>
以上説明したように、第2の実施形態に係る化合物創出装置20では、本発明に係る特徴量算出方法及び特徴量算出プログラムにより算出した特徴量(3次元AAM記述子、不変量化AAM記述子)を用いて、本発明に係る化合物創出方法及び化合物創出プログラムにより医薬候補化合物の立体構造を効率よく創出することができる。
<第3の実施形態>
上述した第1の実施形態は特徴量の算出及びこれに基づくスクリーニングを行う態様であり、第2の実施形態は特徴量の算出及びこれに基づく標的化合物の立体構造創出を行う態様であるが、特徴量の算出に加えてスクリーニングと標的化合物の立体構造創出の両方を行ってもよい。そのため第3の実施形態に係る医薬候補化合物探索装置30(特徴量算出装置、スクリーニング装置、化合物創出装置;図28参照)では、図1に示すスクリーニング装置10の処理部100、あるいは図20に示す化合物創出装置20の処理部101に代えて図28に示す処理部102を有する。図29に示すように、処理部102は特徴量算出部120(特徴量算出部)、類似度算出部130(類似度算出部)、生成器構築部132(生成器構築部)、化合物抽出部140(化合物抽出部)、化合物立体構造生成部142(化合物立体構造生成部)を有し、特徴量の算出、スクリーニング、及び化合物の立体構造創出を行うことができる。また、医薬候補化合物探索装置30はこれに合わせた情報を記憶部202に記憶する。具体的には、図30に示すように、記憶部200及び記憶部201に記憶される情報(図3,22参照)が合わせて記憶部202に記憶される。
その他の要素は図1に示すスクリーニング装置10、図20に示す化合物創出装置20と同様であるので同一の参照符号を付し詳細な説明を省略する。
上述した構成により、第3の実施形態に係る医薬候補化合物探索装置30においても、スクリーニング装置10、化合物創出装置20と同様に、対象構造体の化学的性質を的確に示す特徴量を算出し、医薬候補化合物のスクリーニングを効率よく行い、医薬候補化合物の立体構造を効率よく創出することができる。
以上で本発明の実施形態に関して説明してきたが、本発明は上述した態様に限定されず、以下に例示するように本発明の精神を逸脱しない範囲で種々の変形が可能である。
<扱える医薬のターゲット>
本発明では、医薬のターゲットとしてタンパク質以外に、DNA(Deoxyribonucleic Acid)、RNA(Ribonucleic Acid)、細胞膜、多糖を扱うことができる。ただし、第1~第3の実施形態において、アミノ酸を別のものに変更する必要がある。具体的には、DNAの場合はアミノ酸を核酸塩基へ変更し、RNAの場合はアミノ酸を核酸塩基へ変更し、細胞膜の場合はアミノ酸を脂質分子へ変更し、多糖の場合はアミノ酸を単糖分子へ変更する。以下では、この変更で、本発明でDNA、RNA、細胞膜、多糖も扱える理由を説明する。タンパク質、DNA、RNA、細胞膜、多糖は纏めて生体高分子と呼ばれ、固有のビルディングブロックから成り立っている。具体的には、タンパク質のビルディングブロックはアミノ酸、DNAのビルディングブロックは核酸塩基、RNAのビルディングブロックは同様に核酸塩基、細胞膜のビルディングブロックは脂質分子、多糖のビルディングブロックは単糖分子である。タンパク質以外の生体高分子であるDNA、RNA、細胞膜、多糖にも、タンパク質と同様に、活性部位であるポケットがあるため、本発明は、医薬のターゲット(標的生体高分子)がDNA、RNA、細胞膜、多糖の場合にも、タンパク質の場合に示した第1~第3の実施形態において、アミノ酸をターゲットのビルディングブロックへ変更することで、対応できる。なお、化合物あるいはポケット構造体の周辺におけるアミノ酸、核酸塩基、脂質分子、単糖分子の集積度合いの定量時に、水を考慮することもできる。
<扱える活性>
本発明では、「化合物による標的生体分子単独での活性」という通常の活性以外にも、「化合物による、標的生体分子に加えてその他の生体分子からなる複合体である細胞の活性」についても扱うことができる。
<(変形例1)アミノ酸以外の生体高分子についての特徴量及びその利用>
<ターゲット及びプローブ>
医薬のターゲット(標的生体高分子)としてタンパク質以外の生体高分子(化合物)であるDNA、RNA、細胞膜、多糖を扱う場合、特徴量の算出においてプローブはアミノ酸ではなく別の物質(各ターゲットのビルディングブロック)にする。具体的には、ターゲットが「DNA、RNA、細胞膜、多糖」の場合、プローブはそれぞれ「1種類以上の核酸塩基、1種類以上の核酸塩基、1種類以上の脂質分子、1種類以上の単糖分子」とする。また、これらをプローブとして集積度合いを定量化する際に、水、1種類以上のイオンを考慮してもよい。また、ターゲットが「DNA、RNA、細胞膜、多糖」のうち複数種類の生体高分子により構成される場合、プローブもターゲットの構成に応じて「1種類以上の核酸塩基、1種類以上の核酸塩基、1種類以上の脂質分子、1種類以上の単糖分子、水、1種類以上のイオン」のうち1つ以上(ターゲットの構成に応じた種類、数、及びそれらの組合せでよい)とすることができる。なお、いずれものプローブも、ファンデルワールス力を発生させることを前提とする。
<特徴量の算出及びスクリーニング>
特徴量(第3の特徴量)の算出及びスクリーニングを行う装置(特徴量算出装置、スクリーニング装置)の構成は、第1の実施形態と同様である(図1~3を参照)。ただし、図3における3次元AAM記述子230に代えて第3の記述子(第3の特徴量)を算出及び記憶し、不変量化AAM記述子240に代えて第3の不変量化特徴量を算出及び記憶する。特徴量の算出及びスクリーニング手順は第1の実施形態と同様であり、本発明の特徴量算出方法、特徴量算出プログラム、スクリーニング方法、及びスクリーニングプログラムを用いることができる。具体的には、第1の特徴量の算出(図5参照)におけるプローブとしての「アミノ酸」を「1種類以上の核酸塩基、1種類以上の脂質分子、1種類以上の単糖分子、水、1種類以上のイオンのうち1つ以上(任意の種類、数、及び組合せで良い)」として分布関数を算出して(式(1)参照)この分布関数から第3の特徴量を算出し、第3の特徴量をフーリエ変換して第3の不変量化特徴量を算出する(式(2)参照)。また、2種類の異なるプローブ(1種類以上の核酸塩基、1種類以上の脂質分子、1種類以上の単糖分子、水、及び1種類以上のイオンのうち1つ以上で構成される第1のプローブと、1種類以上の核酸塩基、1種類以上の脂質分子、1種類以上の単糖分子、水、及び1種類以上のイオンのうち1つ以上で構成される第2のプローブであって第1のプローブとは異なる第2のプローブ)についての第3の特徴量を用いて、相関関数の角度積分により第3の不変量化特徴量を算出してもよい(式(3)、(4)参照)。
また、第1の実施形態における3次元AAM記述子に代えて第3の特徴量を用いて、複数の化合物についての第3の特徴量と、結合化合物についての第3の特徴量の類似度に基づいて標的化合物を抽出することができる。類似度がしきい値以上の化合物を抽出してもよいし、類似度が高い順に化合物を抽出してもよい。
<特徴量の算出及び化合物の創出>
特徴量(第3の特徴量)の算出及び化合物の創出を行う装置(特徴量算出装置、化合物創出装置)の構成は、第2の実施形態と同様である(図20~22を参照)。ただし、図22における3次元AAM記述子230に代えて第3の記述子(第3の特徴量)を算出及び記憶し、不変量化AAM記述子240に代えて第3の不変量化特徴量を算出及び記憶する。特徴量の算出及び化合物の創出手順は第2の実施形態と同様であり、本発明の特徴量算出方法、特徴量算出プログラム、化合物創出方法、及び化合物創出プログラムを用いることができる。変形例1においては、化合物の立体構造を教師データとし、第3の特徴量を説明変数とした機械学習(深層学習)により生成器を構築し、構築した生成器を用いて、標的生体高分子との結合が確認されている化合物である結合化合物についての第3の特徴量から標的生体高分子の立体構造を生成することができる。なお第1から第3の実施形態と同様に、教師データとして与える化合物の特徴を選択することにより、特徴が異なる立体構造を有する化合物を生成することができる。
第1から第3の実施形態について上述したのと同様に、化合物の薬効(DNA等のターゲットへの結合力)は局所的には化合物と核酸塩基等(プローブ)との相互作用の結果として表されるので、化合物間で核酸塩基等の集積度合いが類似であれば、それら化合物はターゲットとの結合力が類似している。すなわち第3の特徴量が類似な化合物は類似の薬効を示す。したがって変形例1では、第3の特徴量により化合物の化学的性質を的確に示すことができる。また、標的生体高分子に結合する結合化合物と対象化合物とで第3の特徴量が類似ならば、両者の薬効が類似している。したがって変形例1によれば、第3の特徴量に基づいて結合化合物と薬効が類似した標的化合物を抽出し、医薬候補化合物のスクリーニングを効率よく行うことができる。また変形例1によれば、上述した実施形態と同様に、検索をせずに結合化合物の特徴量(第3の特徴量)に特徴量が類似した(したがって薬効が類似した)化合物の構造式を生成するので、医薬候補化合物の立体構造を効率よく創出することができる。
なお、特徴量算出、スクリーニング、及び化合物創出を行う場合(第3の実施形態に対応)は、図28~30と同様の構成により行うことができる。
<(変形例2)アミノ酸及びアミノ酸以外についての特徴量及びその利用>
<ターゲット及びプローブ>
変形例2では、「タンパク質とタンパク質以外の生体高分子(DNA、RNA、細胞膜、多糖)との複合体」をターゲットとする。また、「1種類以上のアミノ酸」(第1のプローブ)と「1種類以上の核酸塩基、1種類以上の核酸塩基、1種類以上の脂質分子、1種類以上の単糖分子、水、1種類以上のイオンのうち1つ以上」(第2のプローブ;任意の種類、数、組合せでよい)とをプローブとする。第1,第2のプローブの構成(種類、数、及びそれらの組合せ)はターゲットの構成に応じて設定することができる。なお、いずれものプローブもファンデルワールス力を発生させることを前提とする。
<特徴量の算出及びスクリーニング>
特徴量(第4の特徴量)の算出及びスクリーニングを行う装置(特徴量算出装置、スクリーニング装置)の構成は、第1の実施形態と同様である(図1~3を参照)。ただし、図3における3次元AAM記述子230に代えて第4の記述子(第4の特徴量)を算出及び記憶し、不変量化AAM記述子240に代えて第4の不変量化特徴量を算出及び記憶する。特徴量の算出及びスクリーニング手順は第1の実施形態と同様であり、本発明の特徴量算出方法、特徴量算出プログラム、スクリーニング方法、及びスクリーニングプログラムを用いることができる。具体的には、第1の特徴量の算出(図5参照)におけるプローブとしての「アミノ酸」を「1種類以上のアミノ酸」(第1のプローブ)と「1種類以上の核酸塩基、1種類以上の脂質分子、水、1種類以上の単糖分子、1種類以上のイオンのうち1つ以上」(第2のプローブ;任意の種類、数、組合せでよい)として分布関数を算出して(式(1)参照)この分布関数から第4の特徴量を算出し、第4の特徴量をフーリエ変換して第4の不変量化特徴量を算出する(式(2)参照)。また、「1種類以上のアミノ酸」(第1のプローブ)と「1種類以上の核酸塩基、1種類以上の脂質分子、1種類以上の単糖分子、水、1種類以上のイオンのうち1つ以上」(第2のプローブ;任意の種類、数、組合せでよい)とのうち少なくとも一方が異なる2種類のプローブについての第4の特徴量を用いて、相関関数の角度積分により第4の不変量化特徴量を算出してもよい(式(3)、(4)参照)。
また、第1の実施形態における3次元AAM記述子に代えて第4の特徴量を用い、複数の化合物についての第4の特徴量と、結合化合物についての第4の特徴量の類似度に基づいて標的化合物を抽出することができる。類似度がしきい値以上の化合物を抽出してもよいし、類似度が高い順に化合物を抽出してもよい。
<特徴量の算出及び化合物の創出>
特徴量(第4の特徴量)の算出及び化合物の創出を行う装置(特徴量算出装置、化合物創出装置)の構成は、第2の実施形態と同様である(図20~22を参照)。ただし、図22における3次元AAM記述子230に代えて第4の記述子(第4の特徴量)を算出及び記憶し、不変量化AAM記述子240に代えて第4の不変量化特徴量を算出及び記憶する。特徴量の算出及び化合物の創出手順は第2の実施形態と同様であり、本発明の特徴量算出方法、特徴量算出プログラム、化合物創出方法、及び化合物創出プログラムを用いることができる。変形例2においては、化合物の立体構造を教師データとし、第4の特徴量を説明変数とした機械学習(深層学習)により生成器を構築し、構築した生成器を用いて、標的生体高分子との結合が確認されている化合物である結合化合物についての第3の特徴量から標的生体高分子の立体構造を生成することができる。なお第1から第3の実施形態及び変形例1と同様に、教師データとして与える化合物の特徴を選択することにより、特徴が異なる立体構造を有する化合物を生成することができる。
第1から第3の実施形態及び変形例1について上述したのと同様に、化合物の薬効(ターゲットへの結合力)は局所的には化合物とプローブとの相互作用の結果として表されるので、化合物間でプローブの集積度合いが類似であれば、それら化合物はターゲットとの結合力が類似している。すなわち第4の特徴量が類似な化合物は類似の薬効を示す。したがって変形例2では、第4の特徴量により化合物の化学的性質を的確に示すことができる。また、標的生体高分子に結合する結合化合物と対象化合物とで第4の特徴量が類似ならば、両者の薬効が類似している。したがって変形例2によれば、第4の特徴量に基づいて結合化合物と薬効が類似した標的化合物を抽出し、医薬候補化合物のスクリーニングを効率よく行うことができる。また変形例2によれば、上述した実施形態及び変形例1と同様に、検索をせずに、結合化合物の特徴量(第4の特徴量)に特徴量が類似した(したがって薬効が類似した)化合物の構造式を生成するので、医薬候補化合物の立体構造を効率よく創出することができる。
なお、特徴量算出、スクリーニング、及び化合物創出を行う場合(第3の実施形態に対応)は、図28~30と同様の構成により行うことができる。
<(変形例3)仮想的な点電荷等についての特徴量及びその利用>
<ターゲット及びプローブ>
変形例3では生体高分子をターゲットとし、「電荷が+1である第1の点電荷、電荷が-1である第2の点電荷、電荷が+0.1である第3の点電荷、電荷が-0.1である第4の点電荷、第1の点電荷と第2の点電荷とが離間して配置されたダイポール、電荷がゼロである第5の点電荷のうち1つ以上(任意の種類、数、及びそれらの組合せでよい)」(実数電荷を持ちファンデルワールス力を発生させる仮想的な点電荷等)をプローブとする。
<特徴量の算出及びスクリーニング>
特徴量(第5の特徴量)の算出及びスクリーニングを行う装置(特徴量算出装置、スクリーニング装置)の構成は、第1の実施形態と同様である(図1~3を参照)。ただし、図3における3次元AAM記述子230に代えて第5の記述子(第5の特徴量)を算出及び記憶し、不変量化AAM記述子240に代えて第5の不変量化特徴量を算出及び記憶する。特徴量の算出及びスクリーニング手順は第1の実施形態と同様であり、本発明の特徴量算出方法、特徴量算出プログラム、スクリーニング方法、及びスクリーニングプログラムを用いることができる。具体的には、第1の特徴量の算出(図5参照)におけるプローブとしての「アミノ酸」を「電荷が+1である第1の点電荷、電荷が-1である第2の点電荷、電荷が+0.1である第3の点電荷、電荷が-0.1である第4の点電荷、第1の点電荷と第2の点電荷とが離間して配置されたダイポール、電荷がゼロである第5の点電荷のうち1つ以上(任意の種類、数、及びそれらの組合せでよい)」として分布関数を算出して(式(1)参照)この分布関数から第5の特徴量を算出し、第5の特徴量をフーリエ変換して第5の不変量化特徴量を算出する(式(2)参照)。また、2種類の異なるプローブ(第1の点電荷、第2の点電荷、第3の点電荷、第4の点電荷、ダイポール、第5の点電荷のうち1つ以上で構成される第1のプローブと、第1の点電荷、第2の点電荷、第3の点電荷、第4の点電荷、ダイポール、第5の点電荷のうち1つ以上で構成される第2のプローブであって第1のプローブとは異なる第2のプローブ)についての第5の特徴量を用いて、相関関数の角度積分により第5の不変量化特徴量を算出してもよい(式(3)、(4)参照)。
また、第1の実施形態における3次元AAM記述子に代えて第5の特徴量を用い、複数の化合物についての第5の特徴量と、結合化合物についての第5の特徴量の類似度に基づいて標的化合物を抽出することができる。類似度がしきい値以上の化合物を抽出してもよいし、類似度が高い順に化合物を抽出してもよい。
<特徴量の算出及び化合物の創出>
特徴量(第5の特徴量)の算出及び化合物の創出を行う装置(特徴量算出装置、化合物創出装置)の構成は、第2の実施形態と同様である(図20~22を参照)。ただし、図22における3次元AAM記述子230に代えて第5の記述子(第5の特徴量)を算出及び記憶し、不変量化AAM記述子240に代えて第5の不変量化特徴量を算出及び記憶する。特徴量の算出及び化合物の創出手順は第2の実施形態と同様であり、本発明の特徴量算出方法、特徴量算出プログラム、化合物創出方法、及び化合物創出プログラムを用いることができる。変形例3においては、化合物の立体構造を教師データとし、第5の特徴量を説明変数とした機械学習(深層学習)により生成器を構築し、構築した生成器を用いて、標的生体高分子との結合が確認されている化合物である結合化合物についての第3の特徴量から標的生体高分子の立体構造を生成することができる。なお第1から第3の実施形態及び変形例1、2と同様に、教師データとして与える化合物の特徴を選択することにより、特徴が異なる立体構造を有する化合物を生成することができる。
第1から第3の実施形態及び変形例1、2について上述したのと同様に、化合物の薬効(ターゲットへの結合力)は局所的には化合物とプローブとの相互作用の結果として表されるので、化合物間でプローブの集積度合いが類似であれば、それら化合物はターゲットとの結合力が類似している。すなわち第5の特徴量が類似な化合物は類似の薬効を示す。したがって変形例3では、第5の特徴量により化合物の化学的性質を的確に示すことができる。また、標的生体高分子に結合する結合化合物と対象化合物とで第5の特徴量が類似ならば、両者の薬効が類似している。したがって変形例3によれば、第5の特徴量に基づいて結合化合物と薬効が類似した標的化合物を抽出し、医薬候補化合物のスクリーニングを効率よく行うことができる。また変形例3によれば、第1から第3の実施形態及び変形例1、2と同様に、検索をせずに、結合化合物の特徴量(第5の特徴量)に特徴量が類似した(したがって薬効が類似した)化合物の構造式を生成するので、医薬候補化合物の立体構造を効率よく創出することができる。
なお、特徴量算出、スクリーニング、及び化合物創出を行う場合(第3の実施形態に対応)は、図28~30と同様の構成により行うことができる。
<(変形例4)アミノ酸及び仮想的な点電荷等についての特徴量及びその利用>
<ターゲット及びプローブ>
変形例4では生体高分子(化合物)をターゲットとし、「1種類以上のアミノ酸である第1のプローブと、電荷が+1である第1の点電荷、電荷が-1である第2の点電荷、電荷が+0.1である第3の点電荷、電荷が-0.1である第4の点電荷、第1の点電荷と第2の点電荷とが離間して配置されたダイポール、電荷がゼロである第5の点電荷のうち1つ以上(任意の種類、数、及び組合せで良い)である第2のプローブ」とをプローブとする。
<特徴量の算出及びスクリーニング>
特徴量(第6の特徴量)の算出及びスクリーニングを行う装置(特徴量算出装置、スクリーニング装置)の構成は、第1の実施形態と同様である(図1~3を参照)。ただし、図3における3次元AAM記述子230に代えて第6の記述子(第6の特徴量)を算出及び記憶し、不変量化AAM記述子240に代えて第6の不変量化特徴量を算出及び記憶する。特徴量の算出及びスクリーニング手順は第1の実施形態と同様であり、本発明の特徴量算出方法、特徴量算出プログラム、スクリーニング方法、及びスクリーニングプログラムを用いることができる。具体的には、第1の特徴量の算出(図5参照)におけるプローブとしての「アミノ酸」を「1種類以上のアミノ酸である第1のプローブと、電荷が+1である第1の点電荷、電荷が-1である第2の点電荷、電荷が+0.1である第3の点電荷、電荷が-0.1である第4の点電荷、第1の点電荷と第2の点電荷とが離間して配置されたダイポール、電荷がゼロである第5の点電荷のうち1つ以上(任意の種類、数、及び組合せで良い)である第2のプローブ」として分布関数を算出して(式(1)参照)この分布関数から第6の特徴量を算出し、第6の特徴量をフーリエ変換して第6の不変量化特徴量を算出する(式(2)参照)。また、第1のプローブと第2のプローブとのうち少なくとも一方が異なる2種類のプローブについての第6の特徴量を用いて、相関関数の角度積分により第6の不変量化特徴量を算出してもよい(式(3)、(4)参照)。
また、第1の実施形態における3次元AAM記述子に代えて第6の特徴量を用いて、複数の化合物についての第6の特徴量と、結合化合物についての第6の特徴量の類似度に基づいて標的化合物を抽出することができる。類似度がしきい値以上の化合物を抽出してもよいし、類似度が高い順に化合物を抽出してもよい。
<特徴量の算出及び化合物の創出>
特徴量(第6の特徴量)の算出及び化合物の創出を行う装置(特徴量算出装置、化合物創出装置)の構成は、第2の実施形態と同様である(図20~22を参照)。ただし、図22における3次元AAM記述子230に代えて第6の記述子(第6の特徴量)を算出及び記憶し、不変量化AAM記述子240に代えて第6の不変量化特徴量を算出及び記憶する。特徴量の算出及び化合物の創出手順は第2の実施形態と同様であり、本発明の特徴量算出方法、特徴量算出プログラム、化合物創出方法、及び化合物創出プログラムを用いることができる。変形例4においては、化合物の立体構造を教師データとし、第6の特徴量を説明変数とした機械学習(深層学習)により生成器を構築し、構築した生成器を用いて、標的生体高分子との結合が確認されている化合物である結合化合物についての第6の特徴量から標的生体高分子の立体構造を生成することができる。なお第1から第3の実施形態と同様に、教師データとして与える化合物の特徴を選択することにより、特徴が異なる立体構造を有する化合物を生成することができる。
第1から第3の実施形態について上述したのと同様に、化合物の薬効(ターゲットへの結合力)は局所的には化合物とプローブとの相互作用の結果として表されるので、化合物間でプローブの集積度合いが類似であれば、それら化合物はターゲットとの結合力が類似している。すなわち第6の特徴量が類似な化合物は類似の薬効を示す。したがって変形例4では、第6の特徴量により化合物の化学的性質を的確に示すことができる。また、標的生体高分子に結合する結合化合物と対象化合物とで第6の特徴量が類似ならば、両者の薬効が類似している。したがって変形例4によれば、第6の特徴量に基づいて結合化合物と薬効が類似した標的化合物を抽出し、医薬候補化合物のスクリーニングを効率よく行うことができる。また変形例4によれば、上述した実施形態と同様に、検索をせずに結合化合物の特徴量(第6の特徴量)に特徴量が類似した(したがって薬効が類似した)化合物の構造式を生成するので、医薬候補化合物の立体構造を効率よく創出することができる。
なお、特徴量算出、スクリーニング、及び化合物創出を行う場合(第3の実施形態に対応)は、図28~30と同様の構成により行うことができる。
<(変形例5)核酸塩基等及び仮想的な点電荷等についての特徴量及びその利用>
<ターゲット及びプローブ>
変形例5では生体高分子(化合物)をターゲットとし、「1種類以上の核酸塩基、1種類以上の脂質分子、水、1種類以上の単糖分子、1種類以上のイオンのうち1つ以上(任意の種類、数、及び組合せでよい)」である第1のプローブと、「電荷が+1である第1の点電荷、電荷が-1である第2の点電荷、電荷が+0.1である第3の点電荷、電荷が-0.1である第4の点電荷、第1の点電荷と第2の点電荷とが離間して配置されたダイポール、電荷がゼロである第5の点電荷のうち1つ以上(任意の種類、数、及び組合せでよい)」である第2のプローブとをプローブとする。
<特徴量の算出及びスクリーニング>
特徴量(第7の特徴量)の算出及びスクリーニングを行う装置(特徴量算出装置、スクリーニング装置)の構成は、第1の実施形態と同様である(図1~3を参照)。ただし、図3における3次元AAM記述子230に代えて第7の記述子(第7の特徴量)を算出及び記憶し、不変量化AAM記述子240に代えて第7の不変量化特徴量を算出及び記憶する。特徴量の算出及びスクリーニング手順は第1の実施形態と同様であり、本発明の特徴量算出方法、特徴量算出プログラム、スクリーニング方法、及びスクリーニングプログラムを用いることができる。具体的には、第1の特徴量の算出(図5参照)におけるプローブとしての「アミノ酸」を「1種類以上の核酸塩基、1種類以上の脂質分子、水、1種類以上の単糖分子、1種類以上のイオンのうち1つ以上(任意の種類、数、及び組合せでよい)」である第1のプローブと、「電荷が+1である第1の点電荷、電荷が-1である第2の点電荷、電荷が+0.1である第3の点電荷、電荷が-0.1である第4の点電荷、第1の点電荷と第2の点電荷とが離間して配置されたダイポール、電荷がゼロである第5の点電荷のうち1つ以上(任意の種類、数、及び組合せでよい)」である第2のプローブとして分布関数を算出して(式(1)参照)この分布関数から第7の特徴量を算出し、第7の特徴量をフーリエ変換して第7の不変量化特徴量を算出する(式(2)参照)。また、第1のプローブと第2のプローブとのうち少なくとも一方が異なる2種類のプローブについての第7の特徴量を用いて、相関関数の角度積分により第7の不変量化特徴量を算出してもよい(式(3)、(4)参照)。
また、第1の実施形態における3次元AAM記述子に代えて第7の特徴量を用いて、複数の化合物についての第7の特徴量と、結合化合物についての第7の特徴量の類似度に基づいて標的化合物を抽出することができる。類似度がしきい値以上の化合物を抽出してもよいし、類似度が高い順に化合物を抽出してもよい。
<特徴量の算出及び化合物の創出>
特徴量(第7の特徴量)の算出及び化合物の創出を行う装置(特徴量算出装置、化合物創出装置)の構成は、第2の実施形態と同様である(図20~22を参照)。ただし、図22における3次元AAM記述子230に代えて第7の記述子(第7の特徴量)を算出及び記憶し、不変量化AAM記述子240に代えて第7の不変量化特徴量を算出及び記憶する。特徴量の算出及び化合物の創出手順は第2の実施形態と同様であり、本発明の特徴量算出方法、特徴量算出プログラム、化合物創出方法、及び化合物創出プログラムを用いることができる。変形例5においては、化合物の立体構造を教師データとし、第7の特徴量を説明変数とした機械学習(深層学習)により生成器を構築し、構築した生成器を用いて、標的生体高分子との結合が確認されている化合物である結合化合物についての第7の特徴量から標的生体高分子の立体構造を生成することができる。なお第1から第3の実施形態と同様に、教師データとして与える化合物の特徴を選択することにより、特徴が異なる立体構造を有する化合物を生成することができる。
第1から第3の実施形態について上述したのと同様に、化合物の薬効(ターゲットへの結合力)は局所的には化合物とプローブとの相互作用の結果として表されるので、化合物間でプローブの集積度合いが類似であれば、それら化合物はターゲットとの結合力が類似している。すなわち第7の特徴量が類似な化合物は類似の薬効を示す。したがって変形例5では、第7の特徴量により化合物の化学的性質を的確に示すことができる。また、標的生体高分子に結合する結合化合物と対象化合物とで第7の特徴量が類似ならば、両者の薬効が類似している。したがって変形例5によれば、第7の特徴量に基づいて結合化合物と薬効が類似した標的化合物を抽出し、医薬候補化合物のスクリーニングを効率よく行うことができる。また変形例5によれば、上述した実施形態と同様に、検索をせずに結合化合物の特徴量(第7の特徴量)に特徴量が類似した(したがって薬効が類似した)化合物の構造式を生成するので、医薬候補化合物の立体構造を効率よく創出することができる。
なお、特徴量算出、スクリーニング、及び化合物創出を行う場合(第3の実施形態に対応)は、図28~30と同様の構成により行うことができる。
<(変形例6)核酸塩基等及び仮想的な点電荷等についての特徴量及びその利用>
<ターゲット及びプローブ>
変形例6では生体高分子(化合物)をターゲットとし、「1種類以上のアミノ酸」である第1のプローブと、「1種類以上の核酸塩基、1種類以上の脂質分子、水、1種類以上の単糖分子、1種類以上のイオンのうち1つ以上(任意の種類、数、及び組合せで良い)」である第2のプローブと、「電荷が+1である第1の点電荷、電荷が-1である第2の点電荷、電荷が+0.1である第3の点電荷、電荷が-0.1である第4の点電荷、第1の点電荷と第2の点電荷とが離間して配置されたダイポール、電荷がゼロである第5の点電荷のうち1つ以上(任意の種類、数、及び組合せで良い)」である第3のプローブと、をプローブとする。
<特徴量の算出及びスクリーニング>
特徴量(第8の特徴量)の算出及びスクリーニングを行う装置(特徴量算出装置、スクリーニング装置)の構成は、第1の実施形態と同様である(図1~3を参照)。ただし、図3における3次元AAM記述子230に代えて第8の記述子(第8の特徴量)を算出及び記憶し、不変量化AAM記述子240に代えて第8の不変量化特徴量を算出及び記憶する。特徴量の算出及びスクリーニング手順は第1の実施形態と同様であり、本発明の特徴量算出方法、特徴量算出プログラム、スクリーニング方法、及びスクリーニングプログラムを用いることができる。具体的には、第1の特徴量の算出(図5参照)におけるプローブとしての「アミノ酸」を「1種類以上のアミノ酸」である第1のプローブと、「1種類以上の核酸塩基、1種類以上の脂質分子、水、1種類以上の単糖分子、1種類以上のイオンのうち1つ以上(任意の種類、数、及び組合せで良い)」である第2のプローブと、「電荷が+1である第1の点電荷、電荷が-1である第2の点電荷、電荷が+0.1である第3の点電荷、電荷が-0.1である第4の点電荷、第1の点電荷と第2の点電荷とが離間して配置されたダイポール、電荷がゼロである第5の点電荷のうち1つ以上(任意の種類、数、及び組合せで良い)」である第3のプローブと、として分布関数を算出して(式(1)参照)この分布関数から第8の特徴量を算出し、第8の特徴量をフーリエ変換して第8の不変量化特徴量を算出する(式(2)参照)。また、第1のプローブと、第2のプローブと、第3のプローブとのうち少なくとも1つが異なる2種類のプローブについての第8の特徴量を用いて、相関関数の角度積分により第8の不変量化特徴量を算出してもよい(式(3)、(4)参照)。
また、第1の実施形態における3次元AAM記述子に代えて第8の特徴量を用いて、複数の化合物についての第8の特徴量と、結合化合物についての第8の特徴量の類似度に基づいて標的化合物を抽出することができる。類似度がしきい値以上の化合物を抽出してもよいし、類似度が高い順に化合物を抽出してもよい。
<特徴量の算出及び化合物の創出>
特徴量(第8の特徴量)の算出及び化合物の創出を行う装置(特徴量算出装置、化合物創出装置)の構成は、第2の実施形態と同様である(図20~22を参照)。ただし、図22における3次元AAM記述子230に代えて第8の記述子(第8の特徴量)を算出及び記憶し、不変量化AAM記述子240に代えて第8の不変量化特徴量を算出及び記憶する。特徴量の算出及び化合物の創出手順は第2の実施形態と同様であり、本発明の特徴量算出方法、特徴量算出プログラム、化合物創出方法、及び化合物創出プログラムを用いることができる。変形例6においては、化合物の立体構造を教師データとし、第8の特徴量を説明変数とした機械学習(深層学習)により生成器を構築し、構築した生成器を用いて、標的生体高分子との結合が確認されている化合物である結合化合物についての第8の特徴量から標的生体高分子の立体構造を生成することができる。なお第1から第3の実施形態と同様に、教師データとして与える化合物の特徴を選択することにより、特徴が異なる立体構造を有する化合物を生成することができる。
第1から第3の実施形態について上述したのと同様に、化合物の薬効(ターゲットへの結合力)は局所的には化合物とプローブとの相互作用の結果として表されるので、化合物間でプローブの集積度合いが類似であれば、それら化合物はターゲットとの結合力が類似している。すなわち第8の特徴量が類似な化合物は類似の薬効を示す。したがって変形例6では、第8の特徴量により化合物の化学的性質を的確に示すことができる。また、標的生体高分子に結合する結合化合物と対象化合物とで第8の特徴量が類似ならば、両者の薬効が類似している。したがって変形例6によれば、第8の特徴量に基づいて結合化合物と薬効が類似した標的化合物を抽出し、医薬候補化合物のスクリーニングを効率よく行うことができる。また変形例6によれば、上述した実施形態と同様に、検索をせずに結合化合物の特徴量(第8の特徴量)に特徴量が類似した(したがって薬効が類似した)化合物の構造式を生成するので、医薬候補化合物の立体構造を効率よく創出することができる。
なお、特徴量算出、スクリーニング、及び化合物創出を行う場合(第3の実施形態に対応)は、図28~30と同様の構成により行うことができる。
<各特徴量によるヒット数の比較>
図31は、上述した図13と同様の系(タンパク質ABL1)について、化合物を対象構造体とする不変量化特徴量(アミノ酸をプローブとする第1の不変量化特徴量、及びアミノ酸以外をプローブとする第3~第8の不変量化特徴量)によるヒットの見つけやすさを比較評価した結果の一例を示す図である。図31によれば、記述子(特徴量)の種類によって効果(ヒット数の期待値)に差があるものの、ランダムの場合(図13参照)と比較して期待値が向上することが分かる。なお、図31は(チーム数=183)でのクラスタリングの結果なので、「AAM」についてのヒット数が図13の場合(チーム数=221でのクラスタリングの結果)と異なっている。このように、第3~第8の不変量化特徴量を用いる場合においても、医薬候補化合物のスクリーニングを効率よく行うことができる。
10 スクリーニング装置
20 化合物創出装置
30 医薬候補化合物探索装置
100 処理部
101 処理部
102 処理部
110 情報入力部
120 特徴量算出部
130 類似度算出部
132 生成器構築部
140 化合物抽出部
142 化合物立体構造生成部
150 表示制御部
160 CPU
170 ROM
180 RAM
200 記憶部
201 記憶部
202 記憶部
210 構造情報
220 立体構造情報
230 3次元AAM記述子
240 不変量化AAM記述子
250 類似度情報
260 化合物抽出結果
270 立体構造生成結果
300 表示部
310 モニタ
400 操作部
410 キーボード
420 マウス
500 外部サーバ
510 外部データベース
A1 アミノ酸
A2 アミノ酸
A3 アミノ酸
AA2AR タンパク質
ABL1 タンパク質
NW ネットワーク
PO ポケット
PS ポケット構造体
S100~S108 特徴量算出方法の各ステップ
S200~S206 特徴量算出方法の各ステップ
S300~S304 標的化合物抽出方法の各ステップ
S400~S404 標的化合物抽出方法の各ステップ
S500~S504 立体構造創出方法の各ステップ
S600~S604 立体構造創出方法の各ステップ
TP 標的タンパク質

Claims (4)

  1. プロセッサを備えるスクリーニング装置が、複数の化合物から標的タンパク質に結合する標的化合物の立体構造を創出する化合物創出方法であって、
    前記プロセッサが、
    前記複数の化合物のそれぞれについて、複数の原子による化合物の立体構造と、第1の特徴量と、を関連付けて記憶装置に記憶させる記憶工程と、
    前記標的タンパク質との結合が確認されている化合物であるリガンドについて、前記第1の特徴量を算出する特徴量算出工程と、
    前記複数の化合物の前記立体構造を教師データとし、前記第1の特徴量を説明変数とした機械学習により生成器を構築する生成器構築工程と、
    前記生成器を用いて、前記リガンドの前記第1の特徴量から前記標的化合物の立体構造を生成する化合物立体構造生成工程と、
    を実行し、
    前記プロセッサは、
    化学的性質を有する複数の単位構造体から構成される対象構造体を指定する対象構造体指定工程と、
    前記対象構造体についての前記複数の単位構造体による立体構造の周辺におけるアミノ酸、核酸塩基、脂質分子、または単糖分子のうち1つ以上の存在確率を3次元空間において定量化した特徴量を算出する特徴量算出工程と、
    を実行し、
    前記対象構造体指定工程では前記対象構造体として化合物を指定し
    前記特徴量算出工程では、複数の原子による前記化合物の前記立体構造の周辺における、前記アミノ酸の前記存在確率を前記3次元空間において定量化した特徴量である前記第1の特徴量を算出する、
    化合物創出方法。
  2. プロセッサを備えるスクリーニング装置が、複数の化合物から標的タンパク質に結合する標的化合物の立体構造を創出する化合物創出方法であって、
    前記プロセッサが、
    前記複数の化合物のそれぞれについて、複数の原子による化合物の立体構造と、第1の不変量化特徴量と、を関連付けて記憶装置に記憶させる記憶工程と、
    前記標的タンパク質との結合が確認されている化合物であるリガンドについて前記第1の不変量化特徴量を算出する特徴量算出工程と、
    前記複数の化合物の前記立体構造を教師データとし、前記第1の不変量化特徴量を説明変数とした機械学習により生成器を構築する生成器構築工程と、
    前記生成器を用いて、前記リガンドの前記第1の不変量化特徴量から前記標的化合物の立体構造を生成する化合物立体構造生成工程と、
    を実行し、
    前記プロセッサは、
    化学的性質を有する複数の単位構造体から構成される対象構造体を指定する対象構造体指定工程と、
    前記対象構造体についての前記複数の単位構造体による立体構造の周辺におけるアミノ酸、核酸塩基、脂質分子、または単糖分子のうち1つ以上の存在確率を3次元空間において定量化した特徴量を算出する特徴量算出工程と、
    を実行し、
    前記対象構造体指定工程では前記対象構造体として化合物を指定し
    前記特徴量算出工程では、複数の原子による前記化合物の前記立体構造の周辺における、前記アミノ酸の前記存在確率を前記3次元空間において定量化した特徴量である第1の特徴量を算出し、
    前記プロセッサは、
    前記第1の特徴量を前記化合物の回転及び並進について不変量化して前記第1の不変量化特徴量を算出する不変量化工程をさらに実行する、
    化合物創出方法。
  3. プロセッサを備えるスクリーニング装置が、複数の化合物から標的タンパク質に結合する標的化合物の立体構造を創出する化合物創出方法であって、
    前記プロセッサが、
    前記複数の化合物のそれぞれについて、複数の原子による化合物の立体構造と、第1の特徴量と、を関連付けて記憶装置に記憶させる記憶工程と、
    前記標的タンパク質のポケット構造体について、第2の特徴量を算出する特徴量算出工程と、
    前記複数の化合物の立体構造を教師データとし、前記第1の特徴量を説明変数とした機学習により生成器を構築する生成器構築工程と、
    前記生成器を用いて、前記ポケット構造体の前記第2の特徴量から前記標的化合物の立体構造を生成する化合物立体構造生成工程と、
    を実行し、
    前記プロセッサは、
    化学的性質を有する複数の単位構造体から構成される対象構造体を指定する対象構造体指定工程と、
    前記対象構造体についての前記複数の単位構造体による立体構造の周辺におけるアミノ酸、核酸塩基、脂質分子、または単糖分子のうち1つ以上の存在確率を3次元空間において定量化した特徴量を算出する特徴量算出工程と、
    を実行し、
    前記対象構造体指定工程では前記対象構造体として化合物を指定し
    前記特徴量算出工程では、複数の原子による前記化合物の前記立体構造の周辺における、前記アミノ酸の前記存在確率を前記3次元空間において定量化した特徴量である前記第1の特徴量を算出し、
    前記プロセッサは、
    前記対象構造体指定工程では、標的タンパク質の活性部位であるポケットに結合するポケット構造体を前記対象構造体として指定し、
    前記特徴量算出工程では、複数の仮想的球体による前記ポケット構造体の前記立体構造の周辺における、前記アミノ酸の前記存在確率を前記3次元空間において定量化した特徴量である前記第2の特徴量を算出する、
    化合物創出方法。
  4. プロセッサを備えるスクリーニング装置が、複数の化合物から標的タンパク質に結合する標的化合物の立体構造を創出する化合物創出方法であって、
    前記プロセッサが、
    前記複数の化合物のそれぞれについて、複数の原子による化合物の立体構造と、第1の不変量化特徴量と、を関連付けて記憶装置に記憶させる記憶工程と、
    前記標的タンパク質のポケット構造体について、第2の不変量化特徴量を算出する特徴量算出工程と、
    前記複数の化合物の立体構造を教師データとし、前記第1の不変量化特徴量を説明変数とした機械学習により生成器を構築する生成器構築工程と、
    前記生成器を用いて、前記ポケット構造体の前記第2の不変量化特徴量から前記標的化合物の立体構造を生成する化合物立体構造生成工程と、
    を実行し、
    前記プロセッサは、
    化学的性質を有する複数の単位構造体から構成される対象構造体を指定する対象構造体指定工程と、
    前記対象構造体についての前記複数の単位構造体による立体構造の周辺におけるアミノ酸、核酸塩基、脂質分子、または単糖分子のうち1つ以上の存在確率を3次元空間において定量化した特徴量を算出する特徴量算出工程と、
    を実行し、
    前記対象構造体指定工程では前記対象構造体として化合物を指定し
    前記特徴量算出工程では、複数の原子による前記化合物の前記立体構造の周辺における、前記アミノ酸の前記存在確率を前記3次元空間において定量化した特徴量である第1の特徴量を算出し、
    前記プロセッサは、
    前記第1の特徴量を前記化合物の回転及び並進について不変量化して前記第1の不変量化特徴量を算出する不変量化工程をさらに実行し、
    前記プロセッサは、
    前記対象構造体指定工程では、標的タンパク質の活性部位であるポケットに結合するポケット構造体を前記対象構造体として指定し、
    前記特徴量算出工程では、複数の仮想的球体による前記ポケット構造体の前記立体構造の周辺における、前記アミノ酸の前記存在確率を前記3次元空間において定量化した特徴量である第2の特徴量を算出し、
    前記プロセッサは、
    前記第2の特徴量を前記ポケット構造体の回転及び並進について不変量化して前記第2の不変量化特徴量を算出する不変量化工程をさらに有する
    化合物創出方法。
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