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JP7209866B2 - 緩衝器 - Google Patents
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Description

本発明は、ピストンロッドの移動に伴って減衰力を発生させる緩衝器に関するものである。
自動車、鉄道車両等のサスペンション装置等に採用される筒型の緩衝器において、例えば、特許文献1に記載の緩衝器が採用されている。当該緩衝器は、次のように構成される。すなわち、ロッドガイドにシリンダ室とリザーバとを連通する通路が設けられている。通路には減衰弁を内包する弁室が設けられている。該弁室は、シリンダの軸方向に沿って延びる排出路を介してリザーバの下部に連通している。該弁室は断面略円形状の空間を有しており、該弁室の内周面であって、そのリザーバ側の内周面に前記排出路と連通する排出口が複数設けられている。要するに、これら排出口は、弁室の、リザーバ側の内周面に偏って形成されている。
特開2015-48873号公報
上述したように、特許文献1に記載の緩衝器では、弁室の内周面に設けた複数の排出口が、弁室のリザーバ側の内周面に偏って形成されているので、ピストンロッドの移動に伴って、作動油がシリンダ室から弁室を経由してリザーバに流れる際に、弁室内であって、リザーバ側の領域と、リザーバ側と減衰弁を介して反対側の領域との間で圧力差が生じる懸念がある。そのために、減衰弁がこの圧力差によって押されて傾く(圧力高から圧力低に押される)現象、すなわち自励振動を引き起こす虞があった。その結果、減衰弁の自励振動により、異音、摩耗、折損及び減衰力波形不良(減衰特性不良)が発生する虞があった。
本発明は、減衰弁の自励振動を効果的に抑制するようにした緩衝器を提供することを目的とする。
本発明の一実施形態は、作動液が封入されるシリンダと、前記シリンダの外周に設けられる外筒と、前記シリンダと前記外筒との間に形成され、作動液及びガスが封入されるリザーバと、前記シリンダ内に軸方向に沿って摺動自在に配置されるピストンと、前記ピストンに連結され、前記シリンダの外部に延出されるピストンロッドと、前記ピストンロッドの移動によって、前記シリンダから前記リザーバに作動液を流通させる通路と、前記通路内に備えられ、前記シリンダからの液圧により開弁して、その作動液の前記リザーバへの流通を許容すると共に、前記リザーバから前記シリンダへの作動液の流通を規制し、逆止弁として機能する減衰弁と、前記通路に設けられ、前記減衰弁を内包する弁室と、前記通路に設けられ、前記弁室と前記リザーバとを常時連通する排出路と、を備え、前記弁室は、前記減衰弁の移動方向に延びる内周面を有し、該内周面には、前記減衰弁との間に前記作動液を流通させる通路を有し、前記排出路に連通する排出口が複数設けられ、該排出口は、前記内周面の中心を点とした点対称となる位置に複数配置されていることを特徴とする。
本発明の一実施形態に係る緩衝器によれば、減衰弁の自励振動を効果的に抑制することで、異音、摩耗、折損及び減衰力波形不良の発生を抑制することができる。
本発明の第1実施形態に係る緩衝器の断面図である。 図1のA部拡大図である。 図2のB-B線に沿う断面図である。 図3のC-C線に沿う断面図である。 本発明の第2実施形態に係る緩衝器の要部を拡大した断面図である。 図5のD―D線に沿う断面図である。 本発明の第3実施形態に係る緩衝器の要部を拡大した断面図である。 図7のE―E線に沿う断面図である。 図7の緩衝器において、他の実施形態に係る緩衝器の要部を拡大した断面図である。 本発明の第4実施形態に係る緩衝器の要部を拡大した断面図である。
以下に、本発明の第1~第4実施形態に係る緩衝器1A~1Dを図1~図10に基づいて詳細に説明する。当該第1~第4実施形態に係る緩衝器1A~1Dは、鉄道車両の横揺れ制振用のダンパであり、略水平方向に設置されて横向きで使用されるものである。以下の説明では、設置した状態において、ピストンロッド23に対して、上となる部分を上部、下となる部分を下部として説明する。
まず、第1実施形態に係る緩衝器1Aを図1~図4に基づいて説明する。
第1実施形態に係る緩衝器1Aは、図1に示すように、シリンダ2の外周に、円筒状の外筒3が略同心状に設けられている。これらシリンダ2と外筒3との間に環状のリザーバ4が形成される。すなわち、第1実施形態に係る緩衝器1Aは、二重筒構造に形成されている。シリンダ2及び外筒3の一端開口は、一端側プレート5及びベース部材6により閉塞されている。すなわち、シリンダ2の一端開口内には、ベース部材6がシール部材8により液密的に嵌合されている。一端側プレート5は、外筒3の一端に溶接されて、外筒3の一端開口が閉塞されている。この一端側プレート5とシリンダ2の一端との間にベース部材6が配置される。シリンダ2及び外筒3の他端開口は、ロッドガイド12により閉塞されている。
シリンダ2内には、ピストン14がシリンダ2の軸方向に沿って摺動自在に配置されている。その結果、シリンダ2内は、ピストン14によってシリンダ室2A、2Bの2室に区画される。シリンダ室2Bが一端側であり、シリンダ室2Aが他端側に位置する。ピストン14の外周面とシリンダ2の内周面との間には、シール部材16及びスリーブ17が配置される。ピストン14には、シリンダ室2A、2B間を連通する通路18が設けられている。ピストン14には、通路18における、シリンダ室2B側からシリンダ室2A側への作動油の流通のみを許容する逆止弁19が設けられている。ピストン14には、ピストンロッド23の一端部がナット24によって連結される。
ピストンロッド23の他端側は、ロッドガイド12に摺動可能かつ液密的に挿通されて外部に延出している。シリンダ2内には、作動液である作動油が満たされている。リザーバ4内には、作動液である作動油及びガスが封入されている。ベース部材6には、シリンダ室2Bとリザーバ4とを連通する通路26、26が周方向に間隔をあけて複数形成されている。ベース部材6の他端面には、通路26、26と連通する弁室28が凹設されている。この弁室28に、通路26、26における、リザーバ4側からシリンダ室2B側への作動油の流通のみを許容する逆止弁29が配置されている。
ロッドガイド12は、シリンダ2の他端から突出するピストンロッド23を摺動自在に支持するためのものである。ロッドガイド12は、外筒3の他端側内部に支持されている。ロッドガイド12は、円筒状のガイド本体部32と、該ガイド本体部32の一端面から略同心状に一端側に向かって突設され、リザーバ4内に嵌合される円環状の嵌合部33と、ガイド本体部32の他端面から略同心状に他端側に向かって突設される円筒状の支持部34と、が一体的に接続されて構成される。ガイド本体部32の内周面には、その一端面から他端側に向かって環状凹部37が形成される。該環状凹部37は、シリンダ室2Aと連通する。嵌合部33の内周面とシリンダ2の他端外周面との間には、シール部材36が配置されている。ロッドガイド12の内周面とピストンロッド23の外周面との間には、ガイド本体部32の内周面に設けた環状凹部37から他端側に、スリーブ39及びシール部材40、41が配置されている。
ガイド本体部32及び嵌合部33には、図1に示すように、図2~図4も適宜参照して、シリンダ室2Aとリザーバ4との間を連通する通路43、43が設けられている。該通路43は、後述する弁室47に対応して、周方向に沿って間隔を置いて複数形成される。本実施形態では、シリンダ室2Aとリザーバ4の上部が通路43を介して連通される。また、シリンダ室2Aとリザーバ4の下部が通路43を介して連通される。図2~図4に示すように、通路43は、流入路46と、弁室47と、複数の排出口48、48と、排出路49、49と、排出パイプ50、50と、から構成されている。流入路46は、ガイド本体部32の環状凹部37に開口して、シリンダ2の径方向に沿って延びている。該流入路46は、弁室47に連通する。なお、流入路46は、後述する減衰弁54の開弁前の段階では、弁体57のオリフィス69を介して弁室47に連通する。弁室47は、ガイド本体部32に設けられる。弁室47は、シリンダ2の径方向に沿って延びる断面略円形状の空間部によって形成される。弁室47には、シリンダ室2Aからの液圧により開弁して、その作動油のシリンダ室2Aからリザーバ4への流通を許容すると共に、リザーバ4からシリンダ室2Aへの作動油の流通を規制して、逆止弁として機能する減衰弁54が配置される。
図2~図4に示すように、減衰弁54は、ポぺット弁タイプが採用されている。減衰弁54は、弁室47内をシリンダ2の径方向に沿う方向に移動自在に配置される弁体57と、該弁体57を流入路46側に付勢するコイルバネ58と、該コイルバネ58の端部を支持するバネ支持体59と、を備えている。弁体57は、円柱状に形成される弁本体部62と、該弁本体部62の軸方向端部から軸方向に沿って突設され、流入路46内に配置される案内部63と、弁本体部62の外周面から径方向外方に突設される環状フランジ部64と、を互いに略同心状に備えている。弁体57は、弁室47の内周面に対して略同心状に配置される。弁体57は、弁室47内にその軸方向に沿って移動自在に配置される。案内部63は、縦方向に延びるスリット66を有する円柱状に形成される。案内部63は、弁本体部62より小径に形成される。案内部63には、径方向略中央に縦方向に延びる幅狭のスリット66が形成される。これにより、案内部63は、スリット66を挟んで配置される、一対の、断面略半円形状の案内片65、65により構成されることになる。
減衰弁54の弁本体部62であって、その案内部63側とは反対側の面に、流通孔68が軸方向に沿って所定深さで形成される。弁本体部62には、流通孔68と案内部63のスリット66とを連通するオリフィス69が軸方向に沿って形成される。環状フランジ部64は、弁本体部62の外周面であって、案内部63と境目付近の位置から径方向外方に向けて突設される。環状ブランジ部64の外径は、弁室47の内径よりも小径である。
弁室47は、外筒3側の開口がバネ支持体59により塞がれて構成される。バネ支持体59は円板状に形成される。バネ支持体59の弁室47に臨む面には、略同心状に円板状の支持部72が弁体57側に向かって突設される。該支持部72は、コイルバネ58を径方向内側から支持するためのものである。支持部72の外径と弁体57の弁本体部62の外径とは略同じであり、コイルバネ58の内径より若干小径である。そして、弁体57の案内部63が流入路46内に配置されて、弁体57の環状フランジ部64と、バネ支持体59の支持部72の周り部位との間にコイルバネ58が配置される。これにより、弁体57が、コイルバネ58により流入路46を閉塞する方向に付勢される。
図2及び図4に示すように、弁室47の内周面には、排出口48、48が周方向に沿って間隔を置いて複数形成される。各排出口48、48は、弁室47の径方向に沿って延びている。各排出口48、48は、断面略円形状に形成される。図4に示すように、各排出口48、48は、弁室47の内周面であって、該内周面の径方向中心を点とした点対称の位置に複数形成される。言い換えれば、各排出口48、48は、弁室47の内周面であって、弁体57の径方向中心を点とした点対称の位置に複数形成される。言い換えれば、各排出口48、48は、弁室47の内周面であって、弁室47(弁体57)の径方向中心を通る径方向に沿う直線上の位置に複数形成される。言い換えれば、各排出口48、48は、弁室47の内周面であって、互いに対向する位置に複数形成される。排出口48、48は、偶数の数量で形成される。各排出口48、48の開口面積は略同じである。
排出口48、48は、本実施形態では、弁室47の内周面に周方向に沿って180°ピッチで2箇所形成される。図3を参照して、各排出口48、48の、弁室47の軸方向に沿う位置は略同じである。各排出口48、48の、弁室47の軸方向に沿う位置は、当然ながら、バネ支持体59が固定される範囲を除く位置であれば、その位置が特定されることはない。図4に示すように、各排出口48、48は、対応する排出路49、49とそれぞれ連通している。排出路49、49は、ロッドガイド12のガイド本体部32から嵌合部33の一端面に至る範囲に、シリンダ2の軸方向に沿って形成される。本実施形態では、排出路49、49は、各排出口48、48に対応して2箇所形成される。各排出パイプ50、50は、その他端側がロッドガイド12内に排出路49、49にそれぞれ連通するように嵌合される。図1を参照して、各排出パイプ50、50は、ロッドガイド12の嵌合部33の一端面からリザーバ4内に軸方向に沿ってそれぞれ突出されている。各排出パイプ50、50の一端は、ベース部材6の手前の位置まで延びている。
なお、本実施形態では、弁室47は、シリンダ2の径方向に沿って延びる断面略円形状の空間部によって形成されており、各排出口48、48は、その内周面に、該内周面の径方向中心を点とした点対称の位置に複数形成されているが、弁室47を、断面多角形状の空間部によって形成してもよく、各排出口48、48を、その内周面に、該内周面の中心を点とした点対称の位置に複数形成してもよい。要するに、弁室47の内周面は、平面視略円形状に限らず、楕円形状、長円形状や多角形状等をも含むものである。
図1に示すように、ロッドガイド12の支持部34の周りには、環状の他端側リング74が配置される。すなわち、当該他端側リング74を、ロッドガイド12の支持部34周りの環状凹部に配置して、外筒3の他端内周面にねじ込むことにより、ロッドガイド12を、外筒3の他端部の内部であって、他端側リング74とシリンダ2の他端との間に支持することができる。
次に、第1実施形態に係る緩衝器1Aの作用を説明する。
ピストンロッド23の伸び行程時には、シリンダ2内のピストン14の移動により、ピストン14の逆止弁19が閉じ、シリンダ室2A内の作動油が加圧されて、ロッドガイド12の各通路43、43を通ってリザーバ4に流れる。またこのとき、ベース部材6の逆止弁29が開いて、ピストンロッド23がシリンダ2内から退出した相当分の作動油がリザーバ4から通路26、26を介してシリンダ室2Bに補給される。一方、ピストンロッド23の縮み行程時には、シリンダ2内のピストン14の移動により、ピストン14の逆止弁19が開き、ベース部材6の逆止弁29が閉じて、ピストンロッド23がシリンダ2内に侵入した相当分の作動油がシリンダ室2Aから各通路43、43を通ってリザーバ4に流れる。
これにより、ピストンロッド23の伸縮行程時共に、作動油がシリンダ室2Aから通路43、43を通ってリザーバ4に流れる際、減衰弁54によって生じる流通抵抗により、ピストンロッド23のストロークに対して減衰力が発生する。なお、減衰弁54の開弁前(ピストン速度低速域)にあっては、作動油が減衰弁54のオリフィス69を流通する際の抵抗により、ピストン速度の2乗にほぼ比例するオリフィス特性の減衰力が発生する。一方、減衰弁54の開弁後(ピストン速度高速域)にあっては、その開度に応じて、ピストン速度にほぼ比例するバルブ特性の減衰力が発生する。
このように、ピストンロッド23の伸縮行程共に、ピストンロッド23の移動に伴ってシリンダ室2Aの作動油が各通路43、43を通ってリザーバ4に流れるが、シリンダ室2Aの液圧により弁室47内の減衰弁54が開いて、作動油が通路43の弁室47内から各排出口48、48を介して各排出路49、49に流れる際には、各排出口48、48は、弁室47の内周面(弁体57)の径方向中心を点とした点対称の位置にそれぞれ形成されているので、弁室47内において、ある領域間での圧力差の発生を抑制でき、その結果、減衰弁54の自励振動を抑制することができる。
以上説明したように、第1実施形態に係る緩衝器1Aでは、弁室47と排出路49、49とを連通する各排出口48、48は、弁室47の内周面であって、その内周面の径方向中心を点とした点対称の位置にそれぞれ形成されている。これにより、弁室47内において、ある領域間での圧力差の発生を抑制でき、その結果、減衰弁54の自励振動を抑制することができる。そして、振動起因による異音の発生を抑制することができる。また、減衰弁54の折損等による機能失陥を抑制することができる。さらに、振動起因による減衰特性の乱れを抑制することができ、減衰特性の安定化が図れる。さらには、振動起因による偏摩耗を抑制することができ、経年劣化の進行を従来よりも遅らせることができる。
また、第1実施形態に係る緩衝器1Aでは、各排出口48、48の開口面積は略同じであるので、弁室47内における、ある領域間での圧力差の発生をさらに抑制することができる。さらに、第1実施形態に係る緩衝器1Aでは、各排出口48、48に対応して、排出路49、49がそれぞれ形成されているので、弁室47内における、ある領域間での圧力差の発生をさらに抑制することができる。なお、上述した、排出路49、49に連通する各排出口48、48の配置等の構造は、ポペット弁を用いた減衰弁機構を設けた緩衝器であれば、例えばピストン14やベース部材6内に設けた弁室にも適用可能である。また、本構造は、弁体57のオリフィス69が無い減衰弁を内包する弁室にも適用可能である。
次に、第2実施形態に係る緩衝器1Bを図5及び図6に基づいて説明する。当該第2実施形態に係る緩衝器1Bを説明する際には、第1実施形態に係る緩衝器1Aとの相違点を主に説明する。
第2実施形態に係る緩衝器1Bでは、弁室47が、外筒3側に位置して、シリンダ2の径方向に沿って延びる断面略円形状の大径空間部80と、該大径空間部80より小径であって、該大径空間部80から連続して流入路46に向かって延びる断面略円形状の小径空間部81と、から構成される。大径空間部80及び小径空間部81は、略同心状に形成される。大径空間部80と小径空間部81との間に環状段差部82が形成される。大径空間部80の外筒3側の端部にバネ支持体59が固定されている。大径空間部80の内周面に排出路49が開口している。本実施形態では、排出路49は1箇所形成される。当該排出路49は、ロッドガイド12のガイド本体部32から嵌合部33の一端面に至る範囲に、シリンダ2の軸方向に沿って形成される。排出路49は、ロッドガイド12に嵌合された排出パイプ50と連通している。
排出リング85が、大径空間部80の内周面及び環状段差部82に当接されるように、大径空間部80の内周面と略同心状に配置される。排出リング85は、断面コ字状に形成される。詳しくは、排出リング85は、その開放側が大径空間部80の内周面と対向する向きで、大径空間部80の内周面及び環状段差部82に当接されるようにして、弁室47の内周面と略同心状に配置される。排出リング85には、複数の排出口48、48が形成される。各排出口48、48は、断面略円形状に形成される。各排出口48、48は、排出リング85の内周面の径方向中心を点とした点対称の位置に複数形成される。言い換えれば、各排出口48、48は、弁室47(大径空間部80及び小径空間部81)の内周面の径方向中心を点とした点対称の位置に複数形成される。各排出口48、48は、本実施形態では、排出リング85の周方向に沿って180°ピッチで2箇所形成されている。
上述したように排出リング85が弁室47内に配置されることで、排出リング85の外周面と、弁室47の大径空間部80の内周面との間に環状通路87が形成される。この環状通路87が排出路49と連通する。また、本実施形態では、排出リング85は、一対の排出口48、48を結ぶ直線が排出路49と略直交するように配置されている。そして、第2実施形態に係る緩衝器1Bでは、シリンダ室2Aとリザーバ4とを連通する通路43は、流入路46と、弁室47と、排出リング85の各排出口48、48と、環状通路87と、排出路49と、排出パイプ50と、から構成される。
そして、第2実施形態に係る緩衝器1Bでは、ピストンロッド23の移動に伴ってシリンダ室2Aの作動油が通路43を通ってリザーバ4に流れる際、シリンダ室2Aの液圧により弁室47内の減衰弁54が開いて、作動油が通路43の弁室47内から排出リング85の各排出口48、48、環状通路87、排出路49、排出パイプ50を経由してリザーバ4に流れる。このとき、排出リング85の各排出口48、48は、排出リング85(弁室47)の内周面の径方向中心を点とした点対称の位置にそれぞれ形成されているので、弁室47内において、ある領域間での圧力差の発生を抑制でき、その結果、減衰弁54の自励振動を抑制することができる。
次に、第3実施形態に係る緩衝器1Cを図7~図9に基づいて説明する。当該第3実施形態に係る緩衝器1Cを説明する際には、第1実施形態に係る緩衝器1Aとの相違点を主に説明する。
図7及び図8に示すように、第3実施形態に係る緩衝器1Cでは、弁室47の内周面に、周方向に延びる断面略矩形状の環状溝部90が形成される。該環状溝部90を塞ぐように、弁室47の内周面と略同心状にC字状の排出リング91が配置される。なお、排出リング91は、その軸方向一端面が弁室47の底面、すなわちバネ支持体59側とは反対側の面に当接するように配置される。C字状の排出リング91は、スリット部92を有し、該スリット部92と対向する位置に排出口48が形成される。言い換えれば、スリット部(排出口)92及び排出口48は、排出リング91の内周面の径方向中心を点とした点対称の位置にそれぞれ形成される。言い換えれば、スリット部(排出口)92及び排出口48は、弁室47の内周面の径方向中心を点とした点対称の位置にそれぞれ形成される。排出口48は、断面略円形状に形成される。なお、スリット部92の開口面積と排出口48の開口面積とは、略同じであることが好ましい。
排出リング91が、弁室47の内周面に設けた環状溝部90を塞ぐようにして、弁室47の内周面と略同心状に配置されると、排出リング91の外周面と弁室47の内周面に設けた環状溝部90との間に環状通路94が形成される。この環状通路94が排出路49と連通する。また、本実施形態では、排出リング91は、スリット部92及び排出口48を結ぶ直線が排出路49と略直交するように配置されている。そして、第3実施形態に係る緩衝器1Cでは、シリンダ室2Aとリザーバ4とを連通する通路43は、流入路46と、弁室47と、排出リング91のスリット部92及び排出口48と、環状通路94と、排出路49と、排出パイプ50と、から構成される。
そして、第3実施形態に係る緩衝器1Cでは、ピストンロッド23の移動に伴って、シリンダ室2Aの作動油が通路43を通ってリザーバ4に流れる際、シリンダ室2Aの液圧により弁室47内の減衰弁54が開いて、作動油が通路43の弁室47内から排出リング91のスリット部92及び排出口48、環状通路94、排出路49、排出パイプ50を経由してリザーバ4に流れる。このとき、排出リング91のスリット部92及び排出口48は、排出リング91(弁室47)の内周面の径方向中心を点とした点対称の位置にそれぞれ形成されているので、弁室47内において、ある領域間での圧力差の発生を抑制でき、その結果、減衰弁54の自励振動を抑制することができる。なお、第3実施形態に係る緩衝器1Cでは、排出口48は、略円形状の孔で構成されているが、排出口48として、排出リング91の軸方向一端面または他端面に溝部を形成する形態を採用してもよい。なお、図9に示すように、弁室47の内周面において、環状溝部90の対向する壁面のうちシリンダ2側の壁面に連続するように、弁室47の内径が相違してなる環状段差部95を設ける。そして、排出リング91の軸方向一端面をその環状段差部95に当接させるようにして配置し、弁室47の内周面に設けた環状溝部90を塞ぐようにしてもよい。
次に、第4実施形態に係る緩衝器1Dを図10に基づいて説明する。当該第4実施形態に係る緩衝器1Dを説明する際には、第1実施形態に係る緩衝器1Aとの相違点を主に説明する。
第4実施形態に係る緩衝器1Dでは、第1実施形態に係る緩衝器1Aのように、弁室47の内周面に設けた、複数の排出口48、48が弁室47の径方向に沿って延びておらず、弁室47と各排出路49、49の端部とを干渉させることで、その各干渉部位を開口させて排出口48、48をそれぞれ形成するようにしている。各排出口48、48の位置及びその作用効果は、第1実施形態に係る緩衝器1Aと同様であるので、ここでの説明を省略する。
上記実施形態は、ピストンロッド23の伸縮行程時共に、作動油が通路43を通してシリンダ室2Aからリザーバ4へ一方向に流通する、いわゆる、ユニフロータイプの緩衝器に本発明を適用した場合について説明しているが、シリンダ2とリザーバ4とを連通する通路43の途中に、減衰弁54を内包する弁室47が配置されるものであれば、本発明を他のタイプの緩衝器にも同様に適用することができる。また、略水平方向に設置されて横向きで使用される緩衝器に限らず、縦向きや傾斜させて使用される緩衝器にも適用することができる。
尚、本発明は上記した実施形態に限定されるものではなく、様々な変形例が含まれる。例えば、上記した実施形態は本発明を分かりやすく説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。また、ある実施形態の構成の一部を他の実施形態の構成に置き換えることが可能であり、また、ある実施形態の構成に他の実施形態の構成を加えることも可能である。また、各実施形態の構成の一部について、他の構成の追加・削除・置換をすることが可能である。
本願は、2019年12月6日付出願の日本国特許出願第2019-221115号に基づく優先権を主張する。2019年12月6日付出願の日本国特許出願第2019-221115号の明細書、特許請求の範囲、図面、及び要約書を含む全開示内容は、参照により本願に全体として組み込まれる。
1A、1B、1C、1D 緩衝器,2 シリンダ,2A、2B シリンダ室,3 外筒,4 リザーバ,14 ピストン,23 ピストンロッド,43 通路,47 弁室,48 排出口,49 排出路,54 減衰弁

Claims (3)

  1. 緩衝器であって、該緩衝器は、
    作動液が封入されるシリンダと、
    前記シリンダの外周に設けられる外筒と、
    前記シリンダと前記外筒との間に形成され、作動液及びガスが封入されるリザーバと、
    前記シリンダ内に軸方向に沿って摺動自在に配置されるピストンと、
    前記ピストンに連結され、前記シリンダの外部に延出されるピストンロッドと、
    前記ピストンロッドの移動によって、前記シリンダから前記リザーバに作動液を流通させる通路と、
    前記通路内に備えられ、前記シリンダからの液圧により開弁して、その作動液の前記リザーバへの流通を許容すると共に、前記リザーバから前記シリンダへの作動液の流通を規制し、逆止弁として機能する減衰弁と、
    前記通路に設けられ、前記減衰弁を内包する弁室と、
    前記通路に設けられ、前記弁室と前記リザーバとを常時連通する排出路と、を備え、
    前記弁室は、前記減衰弁の移動方向に延びる内周面を有し、該内周面には、前記減衰弁との間に前記作動液を流通させる通路を有し、前記排出路に連通する排出口が複数設けられ、該排出口は、前記内周面の中心を点とした点対称となる位置に複数配置されていることを特徴とする緩衝器。
  2. 請求項1に記載の緩衝器において、
    前記各排出口の開口面積は、略同じであることを特徴とする緩衝器。
  3. 請求項1または2に記載の緩衝器において、
    前記排出路は、前記排出口に対応して複数設けられることを特徴とする緩衝器。
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