本明細書及び添付図面の記載により、少なくとも以下の事項が明らかとなる。
第1シート部と第2シート部と第3シート部とが積層され、前記第1シート部と前記第2シート部との間に糸ゴムが配された伸縮性シートの製造方法であって、アンビルロールの外周方向の第1位置にて、前記第1シート部と前記第2シート部とを圧着して互いに接合し、かつ、前記糸ゴムの伸縮方向の位置を規制する複数の第1接合部を形成する第1接合部形成工程と、前記アンビルロールの前記外周方向の第2位置にて、前記第1シート部と前記第2シート部と前記第3シート部とを圧着して互いに接合する複数の第2接合部を形成する第2接合部形成工程と、を有することを特徴とする伸縮性シートの製造方法。
このような伸縮性シートの製造方法によれば、第1~第3シート部の各々が、同一のアンビルロールの外周面上に巻き付いた状態でずれが生じないように搬送されながら、第1接合部形成工程と第2接合部形成工程とが行われる。したがって、搬送方向(アンビルロールの外周方向)において第1接合部及び第2接合部の形成位置を制御しやすく、接合部同士の位置ずれを生じ難くすることができる。
かかる伸縮性シートの製造方法であって、前記第1シート部と前記第2シート部と前記第3シート部とが搬送される搬送方向において、前記第1位置と前記第2位置とが同じ位置である、ことが望ましい。
このような伸縮性シートの製造方法によれば、第1接合部と第2接合部とが、搬送方向(アンビルロールの外周方向,MD方向)において同じ位置に同じタイミングで形成されるため、接合部同士の位置ずれがより生じ難くなる。したがって、伸縮性シートの表面に複数の皺が規則正しく並んで形成されやすくなり、伸縮性シートの肌触りを向上させることができる。
かかる伸縮性シートの製造方法であって、前記第1シート部と前記第2シート部と前記第3シート部とが搬送される搬送方向において、前記第1位置は前記第2位置よりも上流側に位置している、ことが望ましい。
このような伸縮性シートの製造方法によれば、第1シート部と第2シート部とを接合した(第1接合部形成工程)後で、第3シート部が接合される(第2接合部形成工程)。したがって、第3シート部がアンビルロールに供給される位置と、第1シート部及び第2シート部が供給される位置とを異ならせることが可能であり、製造装置の配置や構成の自由度が高くなる。これにより、伸縮性シートを効率的に製造することができる。
かかる伸縮性シートの製造方法であって、前記アンビルロールの外周面には、前記アンビルロールの半径方向の外側に突出した複数の凸部が設けられており、前記凸部は、前記外周方向に沿った溝部を有している、ことが望ましい。
このような伸縮性シートの製造方法によれば、溝部を有する凸部がアンビルロールの外周面に沿って複数設けられていることにより、第1~第3シート部がアンビルロールとローリングホーンとの間を通過する際に、当該凸部及び溝部の形状に応じた第1接合部及び第2接合部を形成することができる。すなわち、凸部の形状を調整することにより、第1接合部及び第2接合部の形状を変更することができる
かかる伸縮性シートの製造方法であって、前記第1接合部形成工程において、前記糸ゴムの少なくとも一部は、前記溝部に配置されている、ことが望ましい。
このような伸縮性シートの製造方法によれば、糸ゴムが溝部に配置されることにより、糸ゴムに対してローリングホーンから超音波振動エネルギーが直接作用することが抑制され、第1接合部形成工程において糸ゴムが切断されてしまったり、溶着不良が生じたりすることを抑制しやすくなる。また、糸ゴムが溝部内へ誘導されることにより、糸ゴムの位置ずれを生じにくくすることができる。
かかる伸縮性シートの製造方法であって、前記第1シート部と前記第2シート部と前記第3シート部とが搬送される搬送方向に沿ったMD方向と、前記MD方向と交差するCD方向とを有し、前記伸縮性シートは、複数の前記第2接合部が前記MD方向に沿って断続的に並んだ第2接合部列を有し、前記第2接合部列のうち少なくとも一部は、厚さ方向に重複している前記第1シート部及び前記第2シート部及び前記第3シート部のうち、前記厚さ方向の最も外側に配置されたシート部材の前記CD方向の端を跨いで配置されている、ことが望ましい。
このような伸縮性シートの製造方法によれば、MD方向に並んだ第2接合部列によってシート部材の端が他のシート部材と接合されていることにより、当該端を捲れ難くすることができる。つまり、第1~第3シート部のうち、厚さ方向の外側に配置されているシート部材のCD方向端部を捲れにくくすることができる。これにより、外側に配置されたシート部材をより剥がれ難くすることができる。
かかる伸縮性シートの製造方法であって、前記第1シート部と前記第2シート部と前記第3シート部とが搬送される搬送方向に沿ったMD方向と、前記MD方向と交差するCD方向とを有し、前記伸縮性シートにおいて、前記CD方向に隣り合って並ぶ複数の前記第1接合部を繋げた線を延長した線上に、前記第2接合部が設けられている、ことが望ましい。
このような伸縮性シートの製造方法によれば、CD方向に沿って並ぶ複数の第1接合部と、CD方向に沿って並ぶ複数の第2接合部とが同一線上に設けられる。すなわち、第1接合部及び第2接合部によってCD方向に沿った1本の線が形成される。これにより、伸縮性シートがMD方向に収縮する際に、当該線に沿ってきれいな皺が形成されやすくなる。
かかる伸縮性シートの製造方法であって、前記第1シート部と前記第2シート部と前記第3シート部とが搬送される搬送方向に沿ったMD方向と、前記MD方向と交差するCD方向とを有し、前記第1シート部と前記第2シート部とは一体のシート部材であり、前記アンビルロールよりも前記MD方向の上流側に、前記第1シート部を前記MD方向に搬送しつつ前記CD方向に折り曲げるセーラー機構が設けられており、前記第1シート部が前記セーラー機構によって折り曲げられた後、前記第3シート部が積層され、前記第2接合部形成工程が行われる、ことが望ましい。
このような伸縮性シートの製造方法によれば、セーラー機構を用いることにより、伸縮性シートの原材料となるシート部材の数を減らすことができるため、資材コイルや搬送経路を設置するための空間を小さくすることができる。また、伸縮性シートのCD方向における端部に折り曲げ部が形成され、当該端部ではシート部材のエッジ(端縁)が露出しないため、肌触りを柔らかくすることができる。
かかる伸縮性シートの製造方法であって、前記第1シート部と前記第2シート部と前記第3シート部とが搬送される搬送方向に沿ったMD方向と、前記MD方向と交差するCD方向とを有し、前記第1シート部と前記第2シート部とは一体のシート部材であり、前記アンビルロールよりも前記MD方向の上流側に、前記第1シート部を前記MD方向に搬送しつつ前記CD方向に折り曲げるセーラー機構が設けられており、前記第3シート部を挟み込むようにして前記第1シート部が前記セーラー機構によって折り曲げられた後、前記第2接合部形成工程が行われる、ことが望ましい。
このような伸縮性シートの製造方法によれば、第3シート部の一部が第1シート部と第2シート部との間に挟み込まれた状態の伸縮性シートが製造される。このような構造の伸縮性シートでは、別体のシート部材である第3シート部が、第2接合部によって、第1シート部及び第2シート部の双方に接合されているため、伸縮性シートから第3シート部が離脱してしまうことを抑制しやすい。
かかる伸縮性シートの製造方法であって、前記第2接合部の接合強度は、前記第1接合部の接合強度よりも強い、ことが望ましい。
このような伸縮性シートの製造方法によれば、第2接合部によって、第1シート部及び第2シート部に対して第3シート部をしっかりと接合することが可能である。したがって、別体のシート部材である第3シート部をより剥がれ難くすることができる。
===第1実施形態===
<伸縮性シート10の構成>
本実施形態に係る伸縮性シートの一例として伸縮性シート10について説明する。図1は、伸長状態の伸縮性シート10の概略平面図及び断面図である。同図1における「伸長状態」とは、伸縮性シート10を皺無く伸長させた状態、具体的には、伸縮性シート10を構成する各部材(例えば、後述する第1シート部11や弾性部材15等)の寸法がその部材単体の寸法と一致又はそれに近い長さになるまで伸長した状態のことを言う。
伸縮性シート10は、図1のような伸長状態において、互いに直交する「MD方向」と「CD方向」と「厚さ方向」を有している。「MD方向」は、伸縮性シート10を製造する際に、製造装置によって搬送される方向、すなわち「搬送方向」に相当する方向である。また、図1では伸縮性シート10を搬送方向において所定の長さ分について、伸長した状態について示している。詳細については後述するが、伸縮性シート10が製造される際には、伸縮性シート10は搬送方向に連続した帯状の連続シートとして製造される。
伸縮性シート10は、厚さ方向に積層された第1シート部11,第2シート部12及び第3シート部13を素材とし、各々のシート部材同士が接合部50によって厚さ方向に接合されている。接合部50は、超音波溶着や熱溶着等の公知の圧着手段を用いて形成され、本実施形態では、第1接合部51と、第2接合部52とを有している。具体的には、図1に示されるように、第1シート部11,第2シート部12が互いに厚さ方向に重ねられた状態にあるとともに、互いに対向する一対の対向面同士が、CD方向及びMD方向に離散的に配された複数の第1接合部51,51…によって接合されている。また、第1シート部11,第2シート部12及び第3シート部13が厚さ方向に重ねられた状態にあるとともに、互いに対向する対向面同士が、CD方向及びMD方向に離散的に配された複数の第2接合部52,52…によって接合されている。
複数の接合部50(51,52)がCD方向、及びMD方向に所定の間隔を空けて設けられていることにより、伸縮性シート10の柔軟性を維持することができる。仮に、CD方向若しくはMD方向に連続した線状の接合部が形成されていた場合、当該接合部が形成されている部分においてシート部材が硬くなり、また、接合部が線状(帯状)に形成されている方向にシート部材が変形することが阻害されやすくなる。これに対して、本実施形態では、小さな接合部が分散して配置されているため、伸縮性シート10が硬化していることが使用者に認識されにくく、CD方向及びMD方向に対する変形が阻害されにくい柔軟なシート部材を提供することができる。
なお、図1では、3枚のシート部材が、厚さ方向において第3シート部13,第2シート部12,第1シート部11の順に積層された状態で接合されている。つまり、第3シート部13及び第1シート部11がそれぞれ第2シート部12の厚さ方向の外側に配置されているが、各部材の配置(積層順)はこの限りではない。例えば、第3シート部13が第1シート部11の厚さ方向の外側に配置されていたり、第1シート部11と第2シート部12との厚さ方向の間に配置されていたりしても良い。
第1シート部11,第2シート部12,及び第3シート部13は、いずれもスパンボンド不織布が使用可能である。但し、何等これに限らず、SMS(スパンボンド/メルトブローン/スパンボンド)不織布等の別の種類の不織布を用いても良い。また、この例では、不織布の構成繊維として熱可塑性樹脂の代表例のポリプロピレン(PP)の単独繊維を用いているが、何等これに限らない。例えば、ポリエチレン(PE)などの他の熱可塑性樹脂の単独繊維を用いても良いし、更に、PE及びPP等の鞘芯構造を有した複合繊維を用いても良い。なお、第1シート部11,第2シート部12,及び第3シート部13の何れかが図1のMD方向に沿って伸縮可能な伸縮性を有するシート部材(例えば伸縮性フィルムや伸縮性不織布等)であっても良い。
また、第1シート部11と第2シート部12とが一体の部材であっても良い。例えば、1枚のシート部材が、伸縮性シート10のCD方向の上端10euを折り曲げ位置としてCD方向に折り曲げられ、厚さ方向に積層されることによって第1シート部11及び第2シート部12を構成するのであっても良い。一方、第3シート部13は、第1シート部11及び第2シート部12とは異なる部材(すなわち、別体シート部材)であるものとする。
図1に示すように、第1シート部11及び第2シート部12において互いに対向する一対の対向面同士の間には、MD方向に沿って伸縮可能な糸ゴム等の弾性部材15,15…がCD方向に間隔を空けて複数並んで介挿されつつ、同シート11,12に前述の第1接合部51,51…に基づいて取り付けられている。これにより、伸縮性シート10にはMD方向の伸縮性が付与されている。すなわち、第1接合部51,51…は、第1シート部11及び第2シート部12を互いに接合する機能に加えて、第1シート部11及び第2シート部12に対して弾性部材15の伸縮方向の位置を規制しつつ取り付ける機能を有している。
図2A及び図2Bは、弾性部材15の取り付け機能の説明図であり、図1中のC部の概略拡大図である。伸縮性シート10では、複数の第1接合部51,51…のうち、CD方向に隣り合う2つの第1接合部51,51によって弾性部材15が挟み込まれることにより、該弾性部材15が伸縮性シート10に取り付けられている。すなわち、弾性部材15のCD方向の両側に並ぶ一対の第1接合部51,51同士が、接合部対51Sをなし、該接合部対51Sによって弾性部材15が取り付けられている。
図2Aに示すように、接合部対51Sをなす一対の第1接合部51,51は、CD方向に間隔GH51を空けて並んでいる。そして、間隔GH51大きさは、目標の伸長倍率までMD方向に伸長した状態での糸ゴム等の弾性部材15の外径D15tと同寸又はそれよりも若干大きい寸法に設定されている(GH51≧D15t)。つまり、伸長状態の弾性部材15は、接合部対51SのCD方向の間に配置される。このような構成であれば、伸縮性シート10の製造工程において、第1シート部11及び第2シート部12の間に伸長した状態の弾性部材15を配置した後、第1シート部11と第2シート部12とを接合する際に、弾性部材15と重複させること無く第1接合部51を形成することができる。
そして、弾性部材15が伸長状態から緩和されると、図2Bに示すように、弾性部材15はMD方向に収縮しつつCD方向に拡大し、拡大した後の外径D15t´は接合部対51SのCD方向の間隔GH51よりも大きくなる(D15t´>GH51)。したがって、接合部対51Sの間では弾性部材15のCD方向の拡大が規制され、これにより、第1接合部51,51によって、弾性部材15は実質的にCD方向に挟圧された状態となる。その結果、弾性部材15が伸縮性シート10に取り付けられ、伸縮性シート10に対してMD方向の伸縮性が付与される。
<伸縮性シート10の製造方法>
続いて、伸縮性シート10の製造方法について説明する。図3は、伸縮性シート10を製造するための製造装置100の概略側面図である。同図3では、第1接合部51及び第2接合部52を形成する工程について、CD方向から見たときの状態について表している。
製造装置100では、伸縮性シート10に係る3枚のシート部11,12,13が、それぞれMD方向(搬送方向)に連続した連続シート11a,12a,13a(シート部材の連続体に相当)の形態で搬送方向に搬送されている。同様に、糸ゴム等の弾性部材15がMD方向(搬送方向)に連続した弾性部材連続体15aが搬送方向に搬送されている。これら連続体(11a~15a)の搬送は、ベルトコンベアや搬送ローラー等の適宜な搬送装置(不図示)でなされる。よって、特段の説明が無い限りは、これらの搬送装置により、各部材がMD方向(搬送方向)に搬送されているものとする。ベルトコンベアの一例としては、駆動周回する無端ベルトを搬送面として有した通常のベルトコンベアや、無端ベルトの外周面に吸着機能を有したサクションベルトコンベア等を挙げることができる。
また、製造装置100によって製造された伸縮性シート10の連続体を、そのままおむつ等の材料として用いる場合には、製造装置100の搬送方向の下流側にて、伸縮性シート10の連続体に対してカッティングや他の部材の接合等の加工が行われることがある。本明細書中では、伸縮性シート10の製造方法を中心に説明を行い、おむつ等を製造するための方法(加工方法)については説明を省略する。
本実施形態の製造装置100は、アンビルロール110と、ローリングホーン120と、各種搬送機構131,132,133,135とを有している。
アンビルロール110は、搬送経路上の所定位置に設けられた円筒状の部材であり、CD方向に沿った回転軸回りに回転可能に支持されている。そして、アンビルロール110は、駆動源としてのサーボモータ(不図示)から駆動力を付与されて駆動回転する。アンビルロール110の外周面110Sには、外周方向に沿って連続シート11a,12a,13a、及び弾性部材連続体15aが概ね相対滑り無く巻き付いている。この状態で、アンビルロール110が駆動回転することにより、連続シート11a等がアンビルロール110の外周面110Sに沿って搬送される。すなわち、アンビルロール110では、外周面110Sに沿って曲がった経路が搬送経路となる。
ローリングホーン120は、搬送経路上の所定位置に設けられた円筒状の部材であり、CD方向に沿った回転軸回りに回転可能に支持されている。ローリングホーン120の外周面120Sは、半径方向に拡縮可能な振動面となっており、アンビルロール110の外周面110Sと対向するように配置されている。そして、対向する外周面120Sと外周面110Sとの間に連続シート11a,12a,13a、及び弾性部材連続体15aを挟み込んだ状態で、ローリングホーン120が回転軸周りに回転しつつ外周面120S(振動面)が超音波振動を行うことにより、各部材同士を超音波溶着する。すなわち、上述した第1接合部51及び第2接合部52を形成する。ちなみに、かかる振動の発生は、ローリングホーン120に接続された不図示のコンバータのピエゾ素子に所定周波数の電気信号を入力すること等で行われる。振動の周波数は例えば20kHz~40kHzの所定値であり、また、振幅は例えば20μm~60μmの所定値である。
搬送機構131,132,133は、各々アンビルロール110よりも搬送方向の上流側に配置されており、連続シート11a,12a,13aをそれぞれ搬送方向へ(すなわちアンビルロール110側へ)搬送する。搬送機構131,132,133は、CD方向に沿った回転軸回りに回転する搬送ローラー131R,132R,133Rと、各ローラーを駆動回転する駆動源としての不図示のサーボモータと、を有する。搬送ローラー131R,132R,133Rの各々の周速値は、アンビルロール110の周速値と概ね同値である。したがって、連続シート11a,12a,13aは、概ね伸長せずに、しかも弛まない程度に張った状態で搬送されつつ、アンビルロール110に巻き付く。
搬送機構135は、アンビルロール110よりも搬送方向の上流側に配置されており、弾性部材連続体15aを搬送方向(アンビルロール110側)へ搬送する。搬送機構135は、CD方向に沿った回転軸回りに回転する一対のニップロール135R,135Rと、該ニップロール135Rを駆動回転する駆動源としての不図示のサーボモータと、を有する。ニップロール135Rの周速値は、アンビルロール110の周速値の略伸長倍率分の1の大きさである。よって、弾性部材連続体15aについては、ニップロール135R,135Rとアンビルロール110との間を通過する間に、上記の伸長倍率まで伸長されるとともに、当該伸長状態でアンビルロール110に巻き付く。
図4A及び図4Bは、アンビルロール110及びローリングホーン120によって、第1接合部51及び第2接合部52を形成する工程について説明する図である。図4Aは、アンビルロール110及びローリングホーン120をCD方向から見た概略側面図である。また、図4Bは、図4A中のB-B矢視の概略拡大図である。
図4A及び図4Bに示すように、アンビルロール110の外周面110Sには、前述の接合部50,50…に対応するように複数の凸部111,111…がアンビルロール110の半径方向の外側に向かって突出形成されている。複数の凸部111は、外周面110Sの外周方向(搬送方向,MD方向)に沿って所定のピッチで配置されるとともに、CD方向に沿って所定のピッチで配置されている。各々の凸部111では、CD方向の中央において、アンビルロール110の半径方向の内側に窪んだ溝部111aが外周方向(MD方向)に沿って設けられている。また、溝部111aのCD方向の両側には、アンビルロール110の半径方向の外側に突起した一対の突起部111b,111bが設けられている。突起部111bの形状は、各々の接合部50(第1接合部51)と同形状であり、凸部111のうち一対の突起部111b,111bのCD方向における間隔は、図2Bにおける間隔GH51と等しい。
そして、弾性部材連続体15aが介挿された連続シート11a,12aが、アンビルロール110の回転に基づいてローリングホーン120との間を通過する際に、ローリングホーン120の外周面120S(振動面)から超音波振動エネルギーが各シート部材に投入される。すると、連続シート11a及び連続シート12aの対向面が、図4Bに示すように凸部111の突起部111bに対応する位置で部分的に発熱して溶融し、複数の第1接合部51(接合部対51S)が形成される。このように、第1接合部51によって弾性部材連続体15aを挟持しつつ連続シート11a,12aが互いに接合されることにより、伸縮性を備えたシート部材が形成される。以下では、第1接合部51を形成する工程を「第1接合部形成工程」と呼ぶ。
なお、第1接合部形成工程において、弾性部材連続体15aは、CD方向において凸部111の配置に合わせてアンビルロール110に巻き付くように供給される。すなわち、弾性部材連続体15aは、凸部111のうち突起部111b,111b、及び溝部111aのいずれかとCD方向において重複する位置に供給される。弾性部材連続体15aが溝部111aとCD方向において重複する場合には、該弾性部材連続体15aはそのまま図4Bのように溝部111aの内部に配置される。一方、弾性部材連続体15aが突起部111bとCD方向において重複する場合には、弾性部材連続体15aが発現している伸縮性に基づいて、該弾性部材連続体15a自身をアンビルロール110の半径方向の内側に移動させようとする力が働く。つまり、弾性部材連続体15aは、アンビルロール110に巻き付くタイミングで、突起部111bから溝部111a側へと移動しやすくなる。
したがって、弾性部材連続体15aの少なくとも一部は、凸部111のうち溝部111aの内部(すなわち突起部111b,111bのCD方向の間)に配置される(図4B参照)。このように、弾性部材連続体15aが凸部111の溝部111aに配置されることにより、ローリングホーン120から超音波振動エネルギーが弾性部材連続体15aに直接作用することが抑制され、第1接合部形成工程において弾性部材連続体15aが切断されてしまったり、溶着不良が生じたりすることを抑制しやすくなる。また、弾性部材連続体15aが溝部111aへ誘導されやすくなるため、弾性部材連続体15aのCD方向における配置を調整しやすくなる。
また、第1接合部形成工程と同様に、連続シート11a,12a,13aが、アンビルロール110の回転に基づいてローリングホーン120との間を通過する際に、ローリングホーン120の外周面120S(振動面)から超音波振動エネルギーが各シート部材に投入される。すると、連続シート11aと連続シート12aとの対向面、及び、連続シート12aと連続シート13aとの対向面が、凸部111の突起部111bに対応する位置で部分的に発熱して溶融し、複数の第2接合部52(接合部対52S)が形成される。このように、第2接合部52によって、連続シート11a,12a,及び弾性部材連続体15aからなる伸縮性シート部材に、別体の連続シート13aが接合された伸縮性シート10が形成される。以下では、第2接合部52を形成する工程を「第2接合部形成工程」と呼ぶ。
本実施形態では、同一のアンビルロール110上で、第1接合部形成工程と第2接合部形成工程とが行われる。その際、アンビルロール110の外周面110Sにおいて、連続シート11a,12a,13a,及び弾性部材連続体15aは、所定のテンションがかかった状態で位置ずれが生じないようにMD方向に搬送される。したがって、搬送方向において第1接合部51及び第2接合部52の形成位置を制御しやすく、接合部同士の位置ずれを生じ難くすることができる。そして、このようにして製造された伸縮性シート10では、MD方向に収縮させたときに、シート全体にきれいな皺が形成されやすくなる。また、そのような伸縮性シート10をおむつ等に使用した場合には、良好な肌触りや風合いが得られやすくなる。
更に、本実施形態では、アンビルロール110上の外周方向(MD方向)の同じ位置に設けられた凸部111によって第1接合部51及び第2接合部52が形成される。言い換えると、第1接合部51を形成するためのアンビルロール110の外周方向における第1位置と、第2接合部52を形成するためのアンビルロール110の外周方向の第2位置とが同じ位置である。
本実施形態で、第1接合部51を形成するための凸部111と第2接合部52を形成するための凸部111とは同じ大きさ・形状であり、アンビルロール110の外周方向(MD方向)において同じ位置にある。したがって、第1接合部51と第2接合部52とは、MD方向において同じ位置に形成され(図1参照)、接合部同士の位置ずれがより生じ難くなる。このようにして製造された伸縮性シート10がMD方向に収縮すると、CD方向に連なる複数の皺がMD方向に規則正しく並んで形成されやすくなり、伸縮性シート10の肌触りが向上する。よって、使い捨ておむつ等の材料としてより好適な伸縮性シートを提供することができる。また、アンビルロール110の外周面110Sに設けられる凸部111の形状や配置がシンプルであるため、製造装置100のコストを低く抑え、メンテナンスが容易な構成とすることができる。
また、製造装置100によって製造された伸縮性シート10では、図1に示されるように、第1シート部11(11a)及び第2シート部12(12a)と、第3シート部13(13a)とを接合する第2接合部52が、MD方向(搬送方向)に沿って断続的に並んで配置されている。そして、MD方向に並ぶ複数の第2接合部52からなる第2接合部列52mlのうちの少なくとも一部は、厚さ方向の外側からシート部材のCD方向の端を跨ぐようにして配置されている。MD方向に並んだ第2接合部列52mlによってシート部材の端が他のシート部材と接合されていることにより、当該端の部分を捲れ難くすることができる。また、各第2接合部52がシート部材の端をCD方向に跨ぐようにある程度の幅を有して設けられることにより、第2接合部形成工程において、シート部材の搬送がCD方向にずれた場合であっても、シート部材の端を接合できる確率が高くなる。
例えば、図1では、MD方向に並ぶ第2接合部52による第2接合部列52mlが、第3シート部13と第2シート部12とが厚さ方向に重複する(積層されている)部分のうち、第3シート部13のCD方向の端13ecを跨ぐように配置されている。これにより、第2シート部12に接合された第3シート部13(別体のシート部材)のうち、CD方向における接合端(端13ec)が捲れにくくなり、第3シート部13が剥がれたり離脱したりしてしまうことを効率的に抑制できる。
なお、図1では、第3シート部13が第2シート部12よりも厚さ方向の外側に積層されているため、第3シート部13の端13ecを跨ぐように第2接合部列52mlが配置されている。一方、第3シート部13が第2シート部12(または第1シート部11)よりも厚さ方向の内側に積層されている場合には(例えば、後述する図7参照)、第2接合部列52mlは、第3シート部13と第2シート部12(第1シート部11)とが厚さ方向に重複している部分のうち、第2シート部12(または第1シート部11)のCD方向の端12ec(11ec)を跨いで配置される。すなわち、MD方向に並ぶ第2接合部列52mlは、厚さ方向に重複する第1~第3シート部のうち、最も外側に配置されたシート部材のCD方向における端を跨ぐように配置される。つまり、本実施形態の伸縮性シート10では、第1~第3シート部のうち、厚さ方向の外側に配置されたシート部材の端を捲れにくくすることができる。これにより、シート部材をより剥がれ難くすることができる。
また、アンビルロール110において複数の凸部111がCD方向に沿って設けられていることにより、複数の第1接合部51,51…と複数の第2接合部52,52…とは、CD方向の同じ位置に形成されている。言い換えるとCD方向に隣り合う複数の第2接合部52,52…は、CD方向に隣り合う複数の第1接合部51,51…を繋いだ線の延長線上に配置されている。
図1では、CD方向に隣り合う第1接合部51,51…を繋げた線(図1において列51clで表される線)の延長線上に第2接合部52が設けられている。そして、伸縮性シート10では、このようにCD方向に沿った列51clがMD方向に断続的に並んで複数設けられている。よって、伸縮性シート10がMD方向に収縮すると、MD方向に隣り合う列51cl,51clとの間で、CD方向に沿ったきれいな皺が形成されやすく、伸縮性シート10の肌触りをより向上させることができる。
また、伸縮性シート10において、第2接合部52の接合強度は、第1接合部51の接合強度以上である。例えば、図1の伸縮性シート10において、厚さ方向に積層された状態で接合されている第1シート部11及び第2シート部12の対向面を互いに反対方向に引っ張った場合に、第2接合部52によって接合されている部分の方が、第1接合部51によって接合されている部分よりも剥がれ難い。
本実施形態において、第1接合部51は、2枚のシート部材(第1シート部11及び第2シート部12)を接合しているのに対して、第2接合部52は、3枚のシート部材(第1~第3シート部)を接合している。第1接合部形成工程及び第2接合部形成工程では、共通のローリングホーン120から共通の超音波振動エネルギーが投入されるため、接合されるシート部材の積層枚数が多いほど、溶融する面積の合計値が大きくなり、その分、接合強度が大きくなる。つまり、伸縮性シート10では、第2接合部52によって、第1シート部11及び第2シート部12に対して第3シート部13をしっかりと接合することが可能である。したがって、別体のシート部材(第3シート部13)を剥がれ難くすることができる。
<変形例>
伸縮性シート10を製造するための製造装置100は以下のように変形しても良い。
図5は、製造装置100の第1変形例について表す概略側面図である。第1変形例では、搬送方向において、アンビルロール110と、搬送機構131,135との間にセーラー機構140が設けられている。セーラー機構140は、搬送方向(MD方向)に搬送されているシート部材の連続体(連続シート)を、搬送しながらCD方向に折り曲げる機構である。セーラー機構140自体については公知であるため、詳細な説明は省略する。
第1変形例では、第2シート部12(12a)が第1シート部11(11a)と一体の連続シート11aとしてセーラー機構140に供給され、該セーラー機構140によってCD方向に2つ折りにされることにより、厚さ方向に積層された第1シート部11(11a)及び第2シート部12(12a)が形成される。このとき、MD方向に伸長された状態の弾性部材連続体15aもセーラー機構140に供給され、2つ折りにされる連続シート11aの対向面同士の間に挟み込まれる。これにより、第1シート部11(11a)及び第2シート部12(12a)との厚さ方向の間に弾性部材連続体15aが介挿された状態となる。そして、セーラー機構140の搬送方向(MD方向)下流側にて連続シート13aが合流し、3枚の連続シート11a,12a,13a(及び弾性部材連続体15a)が積層された状態でアンビルロール110に供給される。
アンビルロール110の外周面110Sに巻き付けられた状態の連続シート11a,12a,13aは、アンビルロール110の回転に基づいてローリングホーン120との間を通過する際に超音波振動エネルギーが投入され、上述した第1実施形態と同様に、第1接合部形成工程、及び、第2接合部形成工程が行われる。これにより、図1において第1シート部11及び第2シート部12がCD方向の上端10euで繋がった状態、すなわち、1枚のシート部材がCD方向の上端10euを折り曲げ位置として折り曲げられた状態の伸縮性シート10が形成される。
第1変形例では、セーラー機構140を用いることにより、伸縮性シート10の原材料となるシート部材(連続シート)の数を減らすことができるため、資材コイルや搬送経路を設置するための空間を小さくすることができる。また、伸縮性シート10のCD方向の上端10euに折り曲げ部が形成され、該上端10euでは第1シート部11及び第2シート部12のエッジ(端縁)が露出していないため、当該上端10euにおける肌触りが柔らかくなり、使い捨ておむつ等の材料として好適である。
図6は、製造装置100の第2変形例について表す概略側面図である。図7は、第2変形例の製造装置100を用いて製造された伸縮性シート10の概略平面図及び断面図である。
第2変形例における製造装置100の構成は第1変形例とほぼ同様であるが、第3シート部13(13a)の供給位置が異なる。具体的には、連続シート13aが、連続シート11a及び弾性部材連続体15aと共にセーラー機構140に供給される。そして、セーラー機構140によって連続シート11aがCD方向に2つ折りにされる際に、弾性部材連続体15aと共に連続シート13aが、折り曲げられた連続シート11aの間(対抗面同士の間)に挟み込まれる。その後、アンビルロール110及びローリングホーン120によって、第1接合部形成工程及び第2接合部形成工程が行われる。
その結果、第2変形例では図7に示されるように、第3シート部13の一部が第1シート部11と第2シート部12との間に挟み込まれた状態の伸縮性シート10が製造される。このような構造の伸縮性シートでは、別体のシート部材である第3シート部13が、第2接合部52によって、第1シート部11及び第2シート部12の双方に接合されているため、接合強度が強くなる。また、第3シート部13のうち第2接合部52が形成されている部分は、第1シート部11及び第2シート部12の内側に配置されており、第2接合部52に対して外部からの力が直接作用しにくい。したがって、伸縮性シート10から第3シート部13が離脱してしまうことをより抑制しやすい。
また、上述したように、図7の伸縮性シート10では、MD方向に沿って並ぶ複数の第2接合部52の列52mlが、第3シート部13と第2シート部12(第1シート部11)とが厚さ方向に重複する部分のうち、第2シート部12(または第1シート部11)のCD方向の端12ec(11ec)を跨いで配置される。これにより、厚さ方向の外側に配置された第2シート部12(第1シート部11)の端12ec(11ec)を捲れにくくすることができる。
===第2実施形態===
第2実施形態では、製造装置200を用いて伸縮性シート10を製造する方法について説明する。図8は、第2実施形態における製造装置200の概略側面図である。製造装置200の基本的な構成は、第1実施形態の製造装置100と略同様であるが(図3参照)、ローリングホーン120が2つ設けられている点が異なる。具体的に、製造装置200は、アンビルロール110の外周方向の第1位置にて、アンビルロール110の外周面110Sと対向するように配置された第1ローリングホーン121と、アンビルロール110の外周方向において第1位置よりも搬送方向(アンビルロール110の外周方向)の下流側の第2位置にて、アンビルロール110の外周面110Sと対向するように配置された第2ローリングホーン122と、を有している。第1ローリングホーン121及び第2ローリングホーン122自体は、それぞれ第1実施形態で説明したローリングホーン120と同様の構成・機能を有している。
伸縮性シート10を製造する際には、アンビルロール110に対して、先ず、連続シート11a,12a,及び弾性部材連続体15aが供給され、第1位置にてアンビルロール110と第1ローリングホーン121とによって第1接合部51が形成される(第1接合部形成工程)。第1接合部51によって接合されたシート部材(11a,12a)はアンビルロール110の駆動回転に基づいて搬送され、搬送方向の下流側において連続シート13a(別体のシート部材)が供給される。そして、アンビルロール110の外周方向の第2位置にてアンビルロール110と第2ローリングホーン122とによって第2接合部52が形成される(第2接合部形成工程)。
これにより、図1に示されるような伸縮性シート10が形成される。第2実施形態の場合も、共通のアンビルロール110の外周面上で第1接合部形成工程と第2接合部形成工程とが行われるため、第1接合部51と第2接合部52との位置ずれを生じにくくすることができる。すなわち、各連続シート11a,12a,13aがアンビルロール110の外周面に巻き付けられた状態で搬送されるため搬送時の位置ずれが生じにくく、また、第1接合部51及び第2接合部52が共に、アンビルロール110に設けられた凸部111によって形成されるため、接合部51,52同士で位置ずれが生じにくい。
また、第3シート部13(13a)がアンビルロール110に供給される位置を、他のシート部材11(11a),12(12a)が供給される位置と異ならせることが可能であるため、製造装置200の配置や構成の自由度が高くなり、伸縮性シート10を効率的に製造することができる。
===その他の実施の形態===
以上、本発明の実施形態について説明したが、上記の実施形態は、本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定して解釈するためのものではない。また、本発明は、その趣旨を逸脱すること無く、変更や改良され得るとともに、本発明にはその等価物が含まれるのは言うまでも無い。例えば、以下に示すような変形が可能である。
上述の実施形態においては、伸縮性シート10に形成される第1接合部51及び第2接合部52がCD方向に沿って真っ直ぐ断続的に並んで配置されていたが(図1参照)、各接合部は必ずしもCD方向に沿って真っ直ぐに配置されていなくても良い。図9は、第1接合部51及び第2接合部52が湾曲して配置された伸縮性シート10の概略平面図及び断面図である。
図9の例では、CD方向に隣り合って並ぶ2つの51,51のMD方向における位置がずれている。したがって、CD方向に並ぶ複数の第1接合部51,51…を繋げた線は、全体としてMD方向に凹凸を有する曲線となる。言い換えると、CD方向の一方側から他方側に向かってMD方向に湾曲する(蛇行する)ような線となる。なお、図9の例では、CD方向に隣り合う2つの弾性部材15,15の間に、複数の第1接合部51が配置されている。そして、複数の第1接合部51を繋げた線を延長した線(図9においては列51clで表される)上に第2接合部52が設けられている。したがって、伸縮性シート10がMD方向に収縮すると、MD方向に隣り合う曲線の間でCD方向に沿って湾曲したきれいな皺が形成される。これにより、伸縮性シート10の肌触りが向上するとともに、使用者に対して視覚的に柔らかな印象を与えることができる。なお、第1接合部51、及び第2接合部52の配置は、図9の例に示される限りではなく、第1接合部51,51…を繋げた線が他の形状(例えば斜め線等)であっても良い。
上述の実施形態では、CD方向に沿った回転軸回りに回転可能なローリングホーン120から超音波振動エネルギーが投入されることにより、第1接合部形成工程及び第2接合部形成工程が行われていたが、必ずしも回転可能なホーンから超音波振動エネルギーが投入される必要は無い。例えば、アンビルロール110の外周方向の所定位置に配置された固定ホーンから超音波振動エネルギーが投入されるのであっても良い。