JP7218052B2 - 検体処理液及びそれを用いたイムノクロマトキット - Google Patents
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Description
しかし、これまで、標識物質として金属-樹脂複合体粒子を使用した場合の検体処理液については、検討されてこなかった。
次に、本実施の形態の標識抗体の製造方法において標識物質として使用される金属-樹脂複合体粒子について詳細に説明する。
金属-樹脂複合体粒子は、樹脂粒子に金属粒子が固定化された構造を有する。また、金属-樹脂複合体粒子には、さらに有機色素が固定化されていてもよい。前記有機色素又は金属粒子の構造は限定しないが、樹脂粒子に固定化されることで、樹脂粒子が着色されるものであれば、イムノクロマトグラフィー等の免疫学的測定用途として、目視判定が容易になるので好ましい。
図1は、本実施の形態において標識物質として好ましく使用可能な、樹脂粒子に複数の金属粒子が固定化された構造を有する金属-樹脂複合体粒子の断面模式図である。金属-樹脂複合体100は、樹脂粒子10と、金属粒子20と、を備えている。
一方、金属イオンを吸着することが可能な置換基を構造に有する含窒素ポリマー以外の樹脂粒子、例えばポリスチレン等の場合、前記金属イオンを樹脂内部に吸着しにくい。その結果、生成した金属粒子20の大部分は、表面吸着金属粒子50となる。上記のとおり、表面吸着金属粒子50は、樹脂粒子10との接触面積が小さいため、樹脂と金属の接着力が小さく、樹脂粒子10から金属粒子20が脱離する影響が大きい傾向にある。
上記含窒素ポリマーは、主鎖または側鎖に窒素原子を有する樹脂であり、例えば、ポリアミン、ポリアミド、ポリペプチド、ポリウレタン、ポリ尿素、ポリイミド、ポリイミダゾール、ポリオキサゾール、ポリピロール、ポリアニリン等がある。好ましくは、ポリ-2-ビニルピリジン、ポリ-3-ビニルピリジン、ポリ-4-ビニルピリジン等のポリアミンである。また、側鎖に窒素原子を有する場合は、例えば、アクリル樹脂、フェノール樹脂、エポキシ樹脂等幅広く利用することが可能である。
また、金属イオンまたは金属錯イオンを含有する溶液の溶媒として、水の代わりに、メタノール、エタノール、n-プロパノール、2-プロパノール、n-ブタノール、sec-ブタノール、t-ブタノール等の含水アルコール又はアルコール、塩酸、硫酸、硝酸等の酸等を用いても良い。
さらに還元剤溶液の温度により、金属イオンの還元速度を調整することで、形成する金属粒子の粒径をコントロールすることが出来る。
本発明の検体処理液は、主要成分として、緩衝剤、塩、血清由来タンパク質、0.3~5wt%のポリソルベート界面活性剤および水から構成される。
また、緩衝剤は、例えば、トリス(Tris)緩衝液、グリシンアミド緩衝液、アルギニン緩衝液、リン酸緩衝液などの公知の緩衝剤を用いることができる。pHの安定のため、濃度0.3~1.0wt%であることが好ましい。
また、塩は、生理食塩水と近い成分であることが好ましく、例えば0.5~2.0wt%の塩化ナトリウムが好ましい。
また、血清由来タンパク質は、親水性の高い水溶性のタンパク質であって、抗体や抗原と反応しない血清タンパクであることが好ましい。たとえば、0.1~3.0wt%のウシ血清アルブミンであることが好ましい。
また、0.3~5wt%のポリソルベート界面活性剤は、バックグラウンドの着色を防ぐ十分な効果を得るために濃度0.5wt%以上がより好ましく、イムノクロマトキットの感度低下を防ぐため、濃度2wt%未満であることがより好ましい。ポリソルベート界面活性剤は、水溶性が高いものがより好ましく、例えば、ツイーン20およびツイーン80が良い。
また、本発明の検体処理液は、0.01~5wt%の乳由来ブロッキング剤をさらに加えることが好ましい。乳由来ブロッキング剤は、例えば、カゼイン、カゼインナトリウム、スキムミルク、ブロックエースが挙げられる。非特異吸着を抑制する十分な効果を得るため、濃度0.05wt%以上がより好ましく、イムノクロマトキットの感度低下を防ぐため、さらに検体処理液の粘度の増大を避けるため、濃度2wt%未満であることがより好ましい。また、本発明の検体処理液のpHは、好ましくは7~9である。この範囲であれば、免疫反応が正常に起こり、イムノクロマト法による検出が可能である。
本発明の検体処理液は、必要に応じて、複数の緩衝剤、塩、血清由来タンパク、界面活性剤、ブロッキング剤および添加剤を加えてもよい。また、本発明の検体処理液は、必要に応じて、アジ化ナトリウム等の公知の防腐剤を加えてもよい。
まず、図2を参照しながら、本発明の検体処理液の利用形態に係るラテラルフロー型クロマト用テストストリップ(以下、単に「テストストリップ」と記すことがある)について説明する。このテストストリップ200は、後述するように、本発明の検体処理液の利用形態であるアナライトの測定方法に好ましく使用できるものである。
テストストリップ200に使用されるメンブレン110としては、一般的なテストストリップにおいてメンブレン材料として使用されるものを適用可能である。メンブレン110は、例えば毛管現象を示し、試料を添加すると同時に、試料が展開するような微細多孔性物質からなる不活性物質(アナライト160、各種リガンドなどと反応しない物質)で形成されているものである。メンブレン110の具体例としては、ポリウレタン、ポリエステル、ポリエチレン、ポリ塩化ビニル、ポリフッ化ビニリデン、ナイロン、セルロース誘導体等で構成される繊維状又は不織繊維状マトリクス、膜、濾紙、ガラス繊維濾紙、布、綿等が挙げられる。これらの中でも、好ましくはセルロース誘導体やナイロンで構成される膜、濾紙、ガラス繊維濾紙等が用いられ、より好ましくはニトロセルロース膜、混合ニトロセルロースエステル(ニトロセルロースと酢酸セルロースの混合物)膜、ナイロン膜、濾紙が用いられる。
テストストリップ200は、アナライト160を含む試料を添加するための試料添加部120を有していてもよい。試料添加部120は、テストストリップ200に、アナライト160を含む試料を受け入れるための部位である。試料添加部120は、試料が展開する方向において、判定部130よりも上流側のメンブレン110に形成されていてもよいし、あるいは、例えばセルロース濾紙、ガラス繊維、ポリウレタン、ポリアセテート、酢酸セルロース、ナイロン、綿布などの材料で構成された試料添加パッドがメンブレン110に設けられて試料添加部120を構成していてもよい。
判定部130には、アナライト160と特異的に結合する捕捉リガンド131が固定されている。捕捉リガンド131は、アナライト160と特異的な結合を形成するものであれば特に制限なく使用でき、例えばアナライト160に対する抗体などを好ましく用いることができる。捕捉リガンド131は、テストストリップ200に試料を提供した場合においても、判定部130から移動することがないように不動化している。捕捉リガンド131は、物理的又は化学的な結合や吸着等によって、メンブレン110に直接的又は間接的に固定されていればよい。
吸液部140は、例えば、セルロ-ス濾紙、不織布、布、セルロースアセテート等の吸水性材料のパッドにより形成される。添加された試料の展開前線(フロントライン)が吸液部140に届いてからの試料の移動速度は、吸液部140の材質、大きさなどにより異なるものとなる。従って、吸液部140の材質、大きさなどの選定により、アナライト160の検出・定量に最適な速度を設定することができる。なお、吸液部140は任意の構成であり、省略してもよい。
テストストリップ200には、メンブレン110に、標識抗体150を含む反応部180が形成されていてもよい。反応部180は、試料が流れる方向において、判定部130よりも上流側に設けることができる。なお、図2における試料添加部120を反応部として利用してもよい。テストストリップ200が反応部180を有する場合、アナライト160を含む試料を、反応部180又は試料添加部120に供すると、反応部180において、試料に含まれるアナライト160と標識抗体150とを接触させることができる。この場合、試料を、単に反応部180又は試料添加部120に供することで、アナライト160と標識抗体150とを含む複合体170を形成させることができるので、いわゆる1ステップ型のイムノクロマトグラフが可能になる。
図示は省略するが、テストストリップ200は、メンブレン110に、試料が展開する方向において、判定部130よりも下流側に、標識抗体150と特異的に結合する捕捉リガンドが固定されてなるコントロール部210が形成されていてもよい。判定部130とともに、コントロール部210でも発色強度が測定されることにより、テストストリップ200に供した試料が展開して、反応部180及び判定部130に到達し、検査が正常に行われたことを確認することができる。なお、コントロール部210は、捕捉リガンド131の代わりに、標識抗体150と特異的に結合する別の種類の捕捉リガンドを用いることを除いては、上述の判定部130と同様にして作製され、同様の構成を採ることができる。
次に、テストストリップ200を用いて行われる本発明の一実施の形態のアナライト160の測定方法について説明する。
工程(I):試料に含まれる前記アナライト160と、該アナライト160に特異的に結合する抗体を樹脂粒子10に複数の金属粒子20が固定化された構造を有する金属-樹脂複合体100で標識した標識抗体150と、を接触させる工程、
工程(II):判定部130にて、工程(I)において形成された、アナライト160と標識抗体150とを含む複合体170を、捕捉リガンド131に接触させる工程、
工程(III):金属-樹脂複合体100の局在型表面プラズモン共鳴及び/又は電子遷移による光エネルギー吸収に由来する発色強度を測定する工程、
を含むことができる。
工程(I)は、試料に含まれるアナライト160を、標識抗体150に接触させる工程である。アナライト160と標識抗体150とを含む複合体170を形成する限り、接触の態様は特に限定されるものではない。例えば、テストストリップ200の試料添加部120又は反応部180(図示省略)に試料を供し、当該試料添加部120又は反応部180においてアナライト160を標識抗体150に接触させてもよいし、テストストリップ200に試料を供する前に、試料中のアナライト160を標識抗体150に接触させてもよい。
工程(II)は、テストストリップ200の判定部130において、工程(I)において形成された、アナライト160と標識抗体150とを含む複合体170を、捕捉リガンド131に接触させる。複合体170を、捕捉リガンド131に接触させると、捕捉リガンド131は、複合体170のアナライト160に特異的に結合する。その結果、複合体170が判定部130において捕捉される。
工程(III)は、金属-樹脂複合体100の局在型表面プラズモン共鳴及び/又は電子遷移による光エネルギー吸収に由来する発色強度を測定する工程である。上記工程(II)又は必要に応じて洗浄工程を実施した後、テストストリップ200において、金属-樹脂複合体100の局在型表面プラズモン共鳴及び/又は電子遷移による光エネルギー吸収に由来する発色強度を測定する。
本実施の形態のアナライトの測定方法における試料は、アナライト160として、蛋白質などの抗原となり得る物質を含むものである限り特に限定されるものではない。例えば、目的のアナライト160を含む生体試料(すなわち、全血、血清、血漿、尿、唾液、喀痰、鼻腔又は咽頭拭い液、髄液、羊水、乳頭分泌液、涙、汗、皮膚からの浸出液、組織や細胞及び便からの抽出液等)や食品の抽出液等が挙げられる。必要に応じて、標識抗体150及び捕捉リガンド131とアナライト160との特異的な結合反応が生じやすくするために、上記工程(I)に先立って、試料に含まれるアナライト160を前処理してもよい。ここで、前処理としては、酸、塩基、界面活性剤等の各種化学薬品等を用いた化学的処理や、加熱・撹拌・超音波等を用いた物理的処理が挙げられる。特に、アナライト160がインフルエンザウィルスNP抗原等の、通常は表面に露出していない物質である場合、界面活性剤等による処理を行うことが好ましい。この目的に使用される界面活性剤として、特異的な結合反応、例えば、抗原抗体反応等の捕捉リガンド131とアナライト160との結合反応性を考慮して、非イオン性界面活性剤を用いることができる。
標識抗体150は、工程(I)において、試料に含まれるアナライト160に接触させて、アナライト160と標識抗体150とを含む複合体170を形成するために使用される。標識抗体150は、アナライト160に特異的に結合する抗体を、樹脂粒子10に複数の金属粒子20が固定化された構造を有する金属-樹脂複合体100で標識化してなるものである。ここで、「標識化」とは、工程(I)~(III)において、標識抗体150から金属-樹脂複合体100が脱離しない程度に、抗体に金属-樹脂複合体100が直接的に又は間接的に、化学的又は物理的な結合や吸着等で固定されていることを意味する。例えば、標識抗体150は、抗体に金属-樹脂複合体100が直接結合してなるものであってもよいし、抗体と金属-樹脂複合体100とが、任意のリンカー分子を介して結合してなるものや、それぞれが不溶性粒子に固定されてなるものであってもよい。
次に、標識抗体150の好ましい作製方法を挙げて説明する。標識抗体150の製造は、少なくとも、次の工程A;
工程A)金属-樹脂複合体100を第1のpH条件で抗体と混合して結合させることによって、標識抗体150を得る工程
を含み、好ましくは、さらに工程B;
工程B)標識抗体150を第2のpH条件で処理する工程
を含むことができる。
工程Aでは、金属-樹脂複合体100を第1のpH条件で抗体と混合して標識抗体150を得る。工程Aは、固体状の金属-樹脂複合体100を液相中に分散させた状態で抗体と接触させることが好ましい。
工程Bでは、工程Aで得られた標識抗体150を第2のpH条件で処理することによって、標識抗体150への非特異的な吸着を抑制するブロッキングを行う。この場合、固液分離手段によって分取しておいた標識抗体150を、第2のpH条件で液相中に分散させる。
洗浄処理は、固液分離手段によって分取した標識抗体150に洗浄用緩衝液を添加し、洗浄用緩衝液中で標識抗体150を均一に分散させる。分散には、例えば超音波処理などの分散手段を用いることが好ましい。洗浄用緩衝液としては、特に限定されるものではないが、例えばpH8~9の範囲内に調整した所定濃度の、トリス(Tris)緩衝液、グリシンアミド緩衝液、アルギニン緩衝液などを用いることができる。洗浄用緩衝液のpHの調整は、例えば塩酸、水酸化ナトリウムなどを用いて行うことができる。標識抗体150の洗浄処理は、必要に応じて複数回を繰り返し行うことができる。
保存処理は、固液分離手段によって分取した標識抗体150に保存用緩衝液を添加し、保存用緩衝液中で標識抗体150を均一に分散させる。分散には、例えば超音波処理などの分散手段を用いることが好ましい。保存用緩衝液としては、例えば、洗浄用緩衝液に、所定濃度の凝集防止剤及び/又は安定剤を添加した溶液などを用いることができる。凝集防止剤としては、例えば、スクロース、マルトース、ラクトース、トレハロースに代表される糖類や、グリセリン、ポリビニルアルコールに代表される多価アルコールなどを用いることができる。安定剤としては、特に限定されるものではないが、例えば牛血清アルブミン、卵白アルブミン、カゼイン、ゼラチンなどの蛋白質を用いることができる。このようにして標識抗体150の保存処理を行うことができる。
本発明の一実施の形態に係るアナライト測定用キットは、例えばテストストリップ200を用いて、本実施の形態のアナライトの測定方法に基づき、試料中に含まれるアナライト160の検出又は定量するためのキットである。
メンブレン110と、
メンブレン110に、前記アナライト160と特異的に結合する捕捉リガンド131が固定されてなる判定部130を含むテストストリップ200と、
アナライト160に特異的に結合する抗体を樹脂粒子10に複数の金属粒子20が固定化された構造を有する金属-樹脂複合体100で標識した標識抗体150を含む検出試薬と、
を含んでいる。本実施の形態のアナライト測定用キットは、必要に応じて、さらにその他の構成要素を含むものであってもよい。
<樹脂粒子の合成>
トリオクチルアンモニウムクロリド(0.39g)及びポリエチレングリコールメチルエチルエーテルメタクリレート(10.00g)を300gの純水に溶解した後、2-ビニルピリジン(48.00g)及びジビニルベンゼン(2.00g)を加え、窒素気流下において30℃で50分、次いで60℃で30分間撹拌した。撹拌後、18.00gの純水に溶解した2,2-アゾビス(2-メチルプロピオンアミジン)二塩酸塩(0.50g)を滴下し、60℃で3.5時間撹拌することで、平均粒子径439nmの樹脂粒子A-1を得た。遠心分離(9000rpm、40分)により沈殿させ、上澄みを除去した後、純水に再度分散させた後、透析処理により不純物を除去した。その後、濃度調整を行い10wt%の樹脂粒子分散液B-1を得た。
<金-樹脂複合体粒子の合成>
B-1(91.5g)に純水255gを加えた後、400mM塩化金酸水溶液(147g)を加え、室温で3時間撹拌した。この混合液を遠心分離(3000rpm、30分)によりA-1を沈殿させ、上澄みを除去することで余分な塩化金酸を除去した。その後、濃度を調整して、2.5wt%の金イオン吸着樹脂粒子分散液C-1を得た。
抗インフルエンザA型モノクローナル抗体100μgと100mM ホウ酸水溶液(pH8.5)0.9mLを混合した後、1wt%の金-樹脂複合体粒子分散液E-1を0.1mL添加し、室温で3時間かけて転倒撹拌を行い、金-樹脂複合体粒子F-1で標識した抗インフルエンザA型モノクローナル抗体を含む標識抗体分散液J-1を得た。
次に、標識抗体分散液J-1を氷冷後、3000rpmで5分間かけて遠心分離を行い、上澄みを除去した後、沈降堆積物に1wt%ブロックエース(DSバイオファーマ製)を含む5mMのTris水溶液(pH8.5)1mLを添加し、10~20秒間かけて超音波分散処理を行い、さらに、室温で2時間かけて転倒撹拌を行い、標識抗体分散液K-1を得た。
次に、標識抗体分散液K-1を氷冷後、3000rpmで5分間かけて遠心分離を行い、上澄みを除去した後、沈降堆積物に0.1wt%未満の界面活性剤を含む5mMのTris水溶液(pH8.5)1mLを添加し、10~20秒間かけて超音波分散処理を行った。この操作を3回繰り返し、洗浄処理とした。
次に、氷冷後、3000rpmで5分間かけて遠心分離を行い、上澄みを除去した後、沈降堆積物に0.1wt%未満の界面活性剤および、10wt%のスクロースを含む5mMのTris水溶液(pH8.5)1mLを添加し、10~20秒間かけて超音波分散処理を行うことによって、標識抗体分散液L-1を得た。
0.3mlの標識抗体分散液L-1を3000rpmで5分間かけて遠心分離を行い、上澄みを除去した後、沈降堆積物に5wt%のスクロースと2.5wt%の牛血清アルブミンを含む水溶液(pH8.0)0.833mLを添加し、10~20秒間かけて超音波分散処理を行うことによって、標識抗体分散液M-1を得た。ガラスファイバー不織布に標識抗体分散液M-1を均一に含浸させた後、-10℃で24時間かけて凍結乾燥を行い、反応部180;N-1を作製した。この時、反応部180;N-1における金-樹脂複合体粒子の含有量が、後述のイムノクロマト法による評価1テスト当たり9μgとなるように標識抗体分散液M-1の液量を調節した。
幅25mmのニトロセルロースメンブレン110の中央に、抗インフルエンザA型モノクローナル抗体を塗布し判定部130を描画した。室温で乾燥した後、図2に示すイムノクロマトストリップ200の断面図の通りに、支持体190、反応部180;N-1、試料添加部120(ガラスファイバー不織布)および吸液部140(コットン不織布)を積層した。最後に、5mm幅にカットしてイムノクロマトストリップP-1を作成した。
0.60wt%のトリスヒドロキシメチルアミノメタン(以下、Tris)、0.88wt%の塩化ナトリウム(以下、NaCl)、1.0wt%のウシ血清アルブミン(以下、BSA)、1.0wt%のツイーン20および0.01wt%のカゼインナトリウムを含有する水溶液(pH7.1)を調製し、検体処理液Q-1とした。検体処理液の液組成を表1に示す。
検体処理液Q-1を用いて抗原を希釈することにより、インフルエンザA型陽性コントロール(抗原濃度2500FFU/ml相当)及び陰性コントロール(抗原非含有)の検体液を調製し、検体液100μlをイムノクロマトストリップP-1の試料添加部120に滴下し、試料を展開させた。検体液を滴下してから15分経過後のテストラインの発色レベルおよびバックグラウンドの有無を、金コロイド判定用色見本(アドテック株式会社製)を用いて評価した。バックグラウンドの有無は、15分経過後のニトロセルロースメンブレン110の判定部130以外の部分が、色見本の0.5以上の着色を呈している場合は有とし、0.5未満の場合は無とした。また、陽性コントロールの発色レベルが3以上、かつ陰性コントロールの発色レベルが0.5未満、かつバックグラウンドが無である場合に、判定を良好とし、それ以外は不良とした。イムノクロマト法による評価結果を表2に示す。
(検体処理液の調製)
表1の液組成となるように、検体処理液Q-2~Q-10を調製した。なお、0.60wt%のトリスヒドロキシメチルアミノメタン(以下、Tris)、0.88wt%の塩化ナトリウム(以下、NaCl)、1.0wt%のウシ血清アルブミン(以下、BSA)は、いずれもQ-1と共通の組成である。
(イムノクロマト法による評価)
検体処理液Q-1の代わりに、検体処理液Q-2~Q-10を用いること以外は、実施例1と同様にして、イムノクロマト法による評価をおこなった。評価結果を表2に示す。評価結果の判定はすべて良好であった。
<白金-樹脂複合体粒子の合成>
B-1(91.5g)に純水54gを加えた後、400mM塩化白金酸水溶液(100g)を加え、30℃で3時間撹拌した。この混合液を24時間静置した後、遠心分離(3000rpm、30分)によりA-1を沈殿させ、上澄みを除去することで余分な塩化白金酸を除去した。その後、濃度を調整して、5wt%の白金イオン吸着樹脂粒子分散液C-11を得た。
1wt%の金-樹脂複合体粒子分散液E-1の代わりに、1wt%の白金-樹脂複合体粒子分散液E-11を用いる以外は実施例1と同様にして、イムノクロマトストリップP-11を作製した。
イムノクロマトストリップP-1の代わりに、イムノクロマトストリップP-11を用いること以外は、実施例1と同様にして、イムノクロマト法による評価をおこなった。評価結果を表2に示す。評価結果の判定は良好であった。
(検体処理液の調製)
表1の液組成となるように、検体処理液R-1~R-13を調製した。なお、0.60wt%のトリスヒドロキシメチルアミノメタン(以下、Tris)、0.88wt%の塩化ナトリウム(以下、NaCl)、1.0wt%のウシ血清アルブミン(以下、BSA)は、いずれもQ-1と共通の組成である。
(イムノクロマト法による評価)
検体処理液Q-1の代わりに、検体処理液R-1~R-13を用いること以外は、実施例1と同様にして、イムノクロマト法による評価をおこなった。評価結果を表2に示す。評価結果の判定はすべて不良であった。
(比較例3)PEG:ポリエチレングリコール20000
(比較例4)PVP:ポリビニルピロリドンK90
(比較例7)SDS:ドデシル硫酸ナトリウム
(比較例8)TBAB:テトラブチルアンモニウムブロミド
(比較例9)TEAB:テトラエチルアンモニウムブロミド
Claims (7)
- 金属-樹脂複合体粒子を備えた標識物質を用いたイムノクロマトキットの検体処理液であって、主要成分として、0.3wt%以上5wt%以下のポリソルベート界面活性剤及び0.01wt%以上2wt%未満の乳由来ブロッキング剤を含有し、但し、ポリオキシエチレン(アルキルフェニル)エーテル界面活性剤の含有量が0.20wt%以下である(ポリオキシエチレン(アルキルフェニル)エーテル界面活性剤を含有しない場合を含む)水溶液であることを特徴とする、検体処理液。
- 金属-樹脂複合体粒子を備えた標識物質を用いたイムノクロマトキットの検体処理液であって、主要成分として、0.3~1.0wt%の緩衝剤、塩、血清由来タンパク質、0.3wt%以上2wt%未満のポリソルベート界面活性剤、0.01wt%以上2wt%未満の乳由来ブロッキング剤および水から構成され、但し、ポリオキシエチレン(アルキルフェニル)エーテル界面活性剤の含有量が0.20wt%以下である(ポリオキシエチレン(アルキルフェニル)エーテル界面活性剤を含有しない場合を含む)ことを特徴とする、検体処理液。
- さらに、0.3~1.0wt%の緩衝剤を含有する、請求項1に記載の検体処理液。
- 0.5~2.0wt%の塩を含有する、請求項1~3の何れか1項に記載の検体処理液。
- 0.1~3.0wt%の血清由来タンパク質を含有する、請求項1~4の何れか1項に記載の検体処理液。
- pHが7~9である、請求項1~5の何れか1項に記載の検体処理液。
- 請求項1~6の何れか1項に記載の検体処理液を備えることを特徴とする、イムノクロマトキット。
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