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JP7218115B2 - 樹脂粒子の製造方法、および、トナー粒子の製造方法 - Google Patents
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樹脂粒子の製造方法、および、トナー粒子の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、樹脂粒子の製造方法および、トナー粒子の製造方法に関するものである。
樹脂粒子の製造において、製造原価の低減等による生産性の向上の動きは常に要求されている。製造原価の低減手法の一つとして、生産規模を大きくし、スケールメリットを利用する手法がある。生産規模を大きくすれば、単位量当たりの製造原価を小さくすることが出来ることから、種々の樹脂粒子の製造において用いられている。
一方、生産規模を大きくすると、設備が巨大になり設備投資が大きくなるばかりか、それら巨大設備を稼働させるランニングコストも大きくなる。
近年、大規模生産の中で設備を大きくしないことが求められている。樹脂粒子の製造においては、重合反応後に溶媒を一部または全量を除去し、後に続く工程の処理量を削減し、生産における負荷や設備投資の負荷を低減することが行われている。
重合性単量体等を使用した懸濁重合法、乳化重合凝集法や、結着樹脂等を溶剤中で造粒する溶解懸濁法等の湿式によるトナー粒子の製造方法においても、トナー粒子前駆体分散液の分散媒を除去し、後の工程への負荷を低減することが行われている。
トナー粒子前駆体分散液の分散媒の除去は、未だに課題があり様々な提案がなされている。
特許文献1では、ディスク型遠心分離機にて、トナー粒子分散液から不純物と分散媒を除去する方法が開示されている。
特許文献2,3では、ディスク型遠心分離機を用いてトナー粒子前駆体分散液の分散媒の除去を泡の発生を抑制することで、除去した分散媒に含まれるトナー粒子を減らし、分散媒の除去を行う方法が開示されている。
特許4467036号 特開2015-176096号公報 特開2014-155893号公報
上記特許文献1では、分散媒の除去はできるものの、遠心分離器による遠心力の作用でトナー粒子を圧密し、ディスク型遠心分離機内へトナー粒子が付着したり、トナー粒子そのものが損傷を受けるといった課題がある。
また、特許文献2や3の方法によって、分散媒の除去精度はいくらか向上したものの、トナー粒子の装置内での付着や、トナーそのものが損傷を受けるといった課題は解消されていない。
本発明は、上述の如き問題を解決した、樹脂粒子の製造方法、および、トナー粒子の製造方法を提供することである。
即ち、本発明は、樹脂粒子およびトナー粒子前駆体の装置内への付着や、樹脂粒子およびトナー粒子前駆体への損傷無く、樹脂粒子分散液、および、トナー粒子前駆体分散液の分散媒を除去する、樹脂粒子の製造方法およびトナー粒子の製造方法を提供することである。
本発明者らは、樹脂粒子分散液、および、トナー粒子前駆体分散液の分散媒の除去に関して鋭意検討を行った結果、以下の樹脂粒子の製造方法およびトナー粒子の製造方法を見出した。
すなわち、本発明は、水系分散媒体に樹脂粒子が分散された樹脂粒子分散液中の樹脂粒子の固形分率を上げる濃縮工程を有する樹脂粒子の製造方法において、
該濃縮工程は、ディスク型遠心分離機を用いて行われ、
該樹脂粒子分散液中の樹脂粒子は難水溶性無機微粒子で覆われており、
該難水溶性無機微粒子の被覆率が50%以上であり、
該濃縮工程で取り除かれる分散媒の処理量Q(m 3 /hr)と、該ディスク型遠心分離機の分離沈降面積Σ(m 2 )との関係が、
0.2≦Q/Σ≦0.8
であ
ことを特徴とする樹脂粒子の製造方法に関する。
また、本発明は、上記構成の製造方法を用い、該樹脂粒子分散液が着色剤を含有するトナー粒子前駆体分散液であることを特徴とするトナー粒子の製造方法に関する。
本発明によれば、樹脂粒子およびトナー粒子前駆体の装置内への付着や、樹脂粒子およびトナー粒子前駆体への損傷無く、樹脂粒子分散液、および、トナー粒子前駆体分散液の分散媒を除去することができる。
本発明に適用できる、ディスク型遠心分離機処理部の一例を示す概略図である。 本発明に適用できる、ディスク型遠心分離機処理部の一例を示す概略図である。 本発明に適用できる、ディスク型遠心分離機のディスクの断面の概略図である。
以下、本発明について詳細に説明する。
本発明の樹脂粒子の製造方法はおよびトナー粒子の製造方法は、懸濁重合法、乳化重合凝集法や、溶解懸濁法等の種々の方法で製造された樹脂粒子分散液から分散媒を除去することに好適に用いることができる。以下に、その一例として、本発明を懸濁重合法によるトナーの製造方法に用いた場合について説明するが、特に限定するものではない。
懸濁重合法とは、重合性単量体及び着色剤を含有する重合性単量体組成物の粒子を水系媒体中で形成し、重合性単量体組成物の粒子に含まれる重合性単量体を重合してトナー粒子を得る製造方法である。以下、懸濁重合法によるトナー粒子の製造法について、工程毎に説明する。
(重合性単量体組成物調製工程)
重合性単量体および着色剤を含む重合性単量体組成物を調製する。着色剤は予め撹拌機などで重合性単量体中に分散させた後に他の組成物と混合してもよいし、全ての組成物を混合した後に分散させてもよい。
(造粒工程)
無機分散安定剤を含む水系媒体に重合性単量体組成物を投入し、分散させることにより造粒し、重合性単量体組成物分散液を得る。造粒工程は例えば高剪断力を有する撹拌機を設置した竪型撹拌槽で行なうことができる。高剪断力を有する撹拌機としては特に限定されるものではないが、例えば、ハイシェアミキサー(IKA社製)、T.K.ホモミクサー(特殊機化工業社製)、T.K.フィルミックス(特殊機化工業社製)、クレアミックス(エム・テクニック社製)の如き市販のものを用いることができる。
無機分散安定剤としては、例えば、炭酸バリウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム等の炭酸塩;リン酸アルミニウム、リン酸マグネシウム、リン酸カルシウム、リン酸バリウム、リン酸亜鉛等のリン酸金属塩;硫酸バリウム、硫酸カルシウム等の硫酸塩;水酸化カルシウム、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、水酸化第二鉄の金属水酸化物;等を挙げることができる。これらは、単独、あるいは2種類以上を組み合わせて使用することができる。これらは、水系媒体中に難水溶性無機微粒子として存在することにより分散安定剤としての機能を発揮する。
(重合工程)
上述のようにして得られた重合性単量体組成物分散液に重合開始剤を添加し、重合性単量体を重合することにより、トナー粒子前駆体分散液を得る。本発明における重合工程には、温度調節可能な一般的な撹拌槽を用いることができる。
重合温度は40℃以上、一般的には50~90℃で行われる。重合温度は終始一定でもよいが、所望の分子量分布を得る目的で重合工程後半に昇温してもよい。
撹拌に用いられる撹拌羽根は重合性単量体組成物分散液を滞留させることなく浮遊させ、かつ槽内の温度を均一に保てるようなものならばどのようなものを用いても良い。撹拌羽根又は撹拌手段としては、パドル翼、傾斜パドル翼、三枚後退翼、プロペラ翼、ディスクタービン翼、ヘリカルリボン翼及びアンカー翼のごとき一般的な撹拌羽根、並びに、「フルゾーン」(神鋼パンテック社製)、「ツインスター」(神鋼パンテック社製)、「マックスブレンド」(住友重機社製)、「スーパーミックス」(佐竹化学機械工業社製)及び「Hi-Fミキサー」(綜研化学社製)などが挙げられる。
(急冷工程)
得られたトナー粒子前駆体分散液を冷却することが出来る。冷却操作には、種々の装置を用いることが出来るが、「スパイラル式熱交換器」(クロセ社製)、「Mコイル式熱交換器」(エム・テクニック社製)、「多管式熱交換器」(アルファラバル社製)などを用いることが好ましい。
トナー粒子前駆体分散液を、結晶性物質の結晶化温度Tc及びトナー粒子前駆体のガラス転移温度Tg(℃)より高い温度にした場合、結晶性物質とトナー粒子前駆体の結着樹脂は均一に溶融する。ここで、トナー粒子前駆体分散液を急速に冷却した場合、トナー粒子前駆体中には、多数の微小な結晶性物質の核が均一に形成される。また、急速に冷却した場合、結晶性物質が、十分に結晶成長ができずに固化するため、結晶性物質と結着樹脂は、分子レベルで絡み合った状態、即ち「相溶した状態」で存在することとなる。
このような結晶性物質が微小かつ均一な存在状態は、外部からの衝撃に対し、衝撃が均一に分散されるため、トナー粒子前駆体同士が固着したり、装置との固着においても、粒子が変形し難いため好ましい。また、このように急速に急冷操作を行ったトナーは、耐久時においても非常に割れにくく、現像性が非常に優れた傾向にある。
一方でトナー粒子前駆体分散液を、結晶性物質の結晶化温度Tc及びトナー粒子前駆体のガラス転移温度Tg(℃)より高い温度から、緩やかな冷却速度でトナーのガラス転移温度付近まで冷却した場合、トナー内部において結晶成長が進むため、不均一で大きい結晶性物質が生成される。このようにトナー内部において不均一で大きな結晶性物質が存在すると、外部からの衝撃に対し、衝撃が均一に分散されにくく、トナー粒子前駆体同士が固着したり、装置との固着においても、粒子が変形しやすい傾向となりやすい。
また、冷却工程において、冷却終了温度は、トナー粒子前駆体のガラス転移温度Tg(℃)より低いことが好ましい。冷却終了温度がトナー粒子前駆体のガラス転移温度Tg(℃)より低い場合、トナー粒子前駆体中には、多数の微小な結晶性物質の核が均一に形成されるため、トナー粒子前駆体同士が固着したり、装置との固着においても、粒子が変形し難い。冷却終了温度がトナー粒子前駆体のガラス転移温度Tg(℃)より高い場合、結晶性物質の核生成数が減少し、結晶成長が促進される。その結果、トナー内部において不均一で大きな結晶性物質が存在しやすくなるため、外部からの衝撃に対し、衝撃が均一に分散されにくく、トナー粒子前駆体同士が固着したり、装置との固着においても、粒子が変形しやすい。
また、冷却工程において、冷却開始温度から冷却終了温度までの冷却速度は、0.3℃/sec以上が好ましく、さらには、1.5℃/sec以上が好ましい。冷却速度が、0.3℃/sec以上で冷却した場合、トナー粒子前駆体中で結晶性物質の結晶成長よりも核生成が支配的となるため、多数の微小な結晶性物質が生成される。
(保持工程)
冷却後のトナー粒子前駆体分散液を一定の温度で保持することにより結晶性物質の結晶成長を促すことができる。この時、トナー粒子前駆体のガラス転移温度Tg(℃)に対し、Tg-10℃以上Tg+10℃以下の温度で30分以上保持することが好ましい。
冷却工程において、急速に冷却したトナー粒子前駆体内部には、微小な結晶性物質の核が多数生成しているため、結着樹脂と相溶した状態で存在する結晶性樹脂の結晶成長が、Tg-10℃以上Tg+10℃以下の温度範囲では、容易に促進されやすい。そのため、保持工程を経た結晶成長後おいても、トナー粒子前駆体内部の結晶性物質は、微小で均一な状態で存在する傾向にある。
Tg-10℃以下の温度では、結晶性物質の結晶成長が、促進されにくい傾向にある。また、Tg+10℃以上の温度では、急激な結晶成長により、不均一な結晶状態になりやすい傾向となる。
また、保持時間は、30分以上の場合、結晶性物質の結晶化度が非常に高く安定して存在するため、保存性が良好である。
(濃縮工程)
冷却工程終了後、得られたトナー粒子前駆体分散液中の分散媒を除去して固形分率を上げることが出来る。濃縮操作には、種々の装置を用いることが出来るが、例えば図1に記すディスク型遠心分離機を用いることが好ましい。
ディスク型遠心分離機1は、回転軸8の回転によって遠心力を発生させる。装置上部の投入口2よりトナー粒子前駆体分散液を送液する。トナー粒子前駆体は遠心力がかかりながら装置下部へ送られる。装置下部へ達したトナー粒子前駆体分散液は、遠心力の働きにより、トナー粒子前駆体が装置側壁3へ移行する。トナー粒子前駆体の一部と分散媒は、多段に重なった下方に開いた円錐台状のディスク4の間隙を通りディスク上部へ送液される。ディスクの間隙に入ったトナー粒子前駆体は遠心力によって装置側壁3方向へと追いやられる。こうして、装置側壁近傍にトナー粒子前駆体は一定量の分散媒と共に蓄積する。一定量蓄積したところで、下降盤5が下がり、堆積したトナー粒子前駆体と分散媒の一部が濃縮液排出部6より排出され回収される。一方、トナー粒子前駆体の殆ど全てが除去された分散媒は、装置上部の排出口7へ送液され装置から排出される。
ディスク型遠心分離機としては、図2に示すディスク型遠心分離機も好適に用いることが出来る。図2に示すディスク型遠心分離機の濃縮機構は、濃縮液の排出機構が異なる以外は基本的に図1に示すディスク型遠心分離機と同様である。遠心力によって装置側壁3へ移行したトナー粒子前駆体は、装置側壁に複数設けられたノズル9から一部の分散媒と同時に連続的に排出される。
図1、図2に示すディスク型遠心分離機としては、どちらも好適に用いることが出来る。図1のディスク型遠心分離機の場合、装置側壁近傍にトナー粒子前駆体が一定量の分散媒と共に蓄積する。蓄積させている間、トナー粒子前駆体が遠心力によって圧密されるため、トナー粒子前駆体同士が固着したり、トナー粒子前駆体が装置に固着し排出されにくくなり装置内に残ってしまうことがある。一方、図2に示すノズル排出方式の場合、堆積させることなく濃縮液を排出することが出来るため、トナー粒子前駆体同士の固着等の弊害がより発生し難いため好ましい。
トナー粒子前駆体は難水溶性無機微粒子で覆われていることが必要である。トナー粒子前駆体が難水溶性無機微粒子で覆われていると、遠心力によって圧密された場合でも、トナー粒子前駆体の間に難水溶性無機微粒子が介在するため、粒子同士の固着がより発生し難くなるため好ましい。また、装置との固着も軽減され、更には、粒子が変形し難いため好ましい。
また、難水溶性無機微粒子のトナー粒子前駆体への被覆率は50%以上であることが必要である。被覆率が50%以上であれば、前述した無機微粒子による効果が十分に発揮される。
被覆率が50%より小さい場合、トナー粒子前駆体表面が露出される部分が大きく、前述のトナー粒子前駆体同士、または、トナー粒子前駆体の装置への固着が抑制し難くなるため好ましくない。
難水溶性無機微粒子の体積平均粒径が、0.05μm以上0.10μm以下であることが好ましい。難水溶性無機微粒子の体積平均粒径が0.05μm以上0.10μm以下の範囲であると、難水溶性無機微粒子のトナー粒子前駆体への被覆がくさび状になり、機械的な摩擦や遠心力によってはがれにくくなる。そのため、粒子前駆体同士、または、トナー粒子前駆体の装置への固着がより抑制される。
難水溶性無機微粒子の体積平均粒径に対する標準偏差をSD(μm)としたとき、0.20≦SD≦0.60であることが好ましい。標準偏差が上記の範囲であるとは、難水溶性無機微粒子の粒子径がそろっているということである。難水溶性無機微粒子の粒子径がトナー粒子前駆体への被覆がより緻密で強固なものとなるため好ましい。
濃縮工程で取り除かれる分散媒の処理量Q(m3/hr)と、該ディスク型遠心分離機の分離沈降面積Σ(m2)との関係が、0.2≦Q/Σ≦0.8であることが好ましい。ここで、分離沈降面積Σは下記式にて算出される数値として定義され、式中のα、r1、r2はディスクの断面の模式図である図3に示した。
Σ=2.34×10-3×n2×N×cotα(r1 3-r2 3
(n:回転数(rpm)、N:ディスクの枚数、α:ディスクの角度、r1:ディスクの外径の半径(m)、r2:ディスクの内径の半径(m))
取り除かれる分散媒の処理流量Qは、トナー粒子前駆体分散液の分離において重要な因子である。処理液流量が小さくなると、ディスクの間隙を流れる分散液の流速が小さくなる。流速が小さくなると、流れに乗ってトナー粒子前駆体が排出口7へ運ばれにくくなりトナー粒子前駆体分散液の分離に有利になる。
分離沈降面積Σとして算出される値もまた、トナー粒子前駆体分散液の分散媒とトナー粒子前駆体の分離において重要な因子である。分離沈降面積が大きくなる場合、例えば、ディスクの枚数が多くなった場合、ディスク間を流れる取り除かれる分散媒の流速が小さくなり、トナー粒子前駆体分散液の分散媒とトナー粒子前駆体の分離に有利となる場合がある。また、ディスクの回転数が大きくなった場合、遠心力の作用が大きくなりトナー粒子前駆体分散液の分散媒とトナー粒子前駆体の分離が有利となる。
分散媒の処理量Q(m3/hr)と、該ディスク型遠心分離機の分離沈降面積Σ(m2)との関係を鋭意検討した結果、Q/Σは0.2以上0.8以下が好ましいことを発見した。この範囲であれば、トナー粒子前駆体分散液の分散媒とトナー粒子前駆体の分離が十分に行われ、取り除かれる分散媒にトナー粒子前駆体がほとんど含まれない。更には、難水溶性無機微粒子がトナー粒子前駆を被覆していることが加わり、トナー粒子前駆体同士が固着や、トナー粒子前駆体が装置へ固着するといった弊害をより軽減しやすい。
濃縮工程において、被処理液であるトナー粒子前駆体分散液の温度が、トナー粒子前駆体に含まれる離剤の融点Tm(℃)以下で行うことがより好ましい。離剤の融点以下であるとトナー粒子前駆体中で離剤が溶け、トナー粒子前駆体の結着樹脂を軟化させるといったことが抑制される。これにより、トナー粒子前駆体同士の固着や、トナー粒子前駆体が装置へ固着するといったことが抑制されるため好ましい。
更には、トナー粒子前駆体のガラス転移温度Tg(℃)以下で行うことが好ましい。トナー粒子前駆体のガラス転移点以下であれば、トナー粒子前駆体が軟化しないためトナー粒子前駆体同士が固着や、トナー粒子前駆体が装置へ固着するといったことが抑制されるためより好ましい。
難水溶性無機微粒子は種々の微粒子を選択できる。中でも、金属元素を含む難水溶性金属化合物であることが好ましい。難水溶性金属化合物であることで、トナー粒子前駆体の結着樹脂との密着性が大きくなる。更には、濃縮工程に伴うトナー粒子前駆体同士の接触や摩擦といった力に対して変化が少なく、粒子間に介在しトナー粒子前駆体同士の固着をを抑制できる。更に好ましくは、難水溶性金属化合物の中でも、難水溶性リン酸金属塩であると前述した効果がより大きいため好ましい。
(洗浄工程、固液分離工程及び乾燥工程)
トナー粒子前駆体表面に付着した分散安定剤を除去する目的で、トナー粒子前駆体分散液を酸またはアルカリで処理をする。この後、一般的な固液分離法によりトナー粒子前駆体粒子は液相と分離されるが、酸またはアルカリおよびそれに溶解した分散安定剤成分を完全に取り除くため、再度水で重合体粒子を洗浄する。この洗浄工程を何度か繰り返し、十分な洗浄が行われた後に、再び固液分離して湿潤トナー粒子前駆体を得る。得られた湿潤トナー粒子前駆体は公知の乾燥手段により乾燥される。
(分級工程)
こうして得られた湿潤トナー粒子前駆体は従来の粉砕法トナーと比較して十分シャープな粒度を有するものであるが、さらにシャープな粒度を要求される場合には風力分級機などで分級を行なうことにより、所望の粒度分布から外れる粒子を分別して取り除くこともできる。
(外添工程)
湿潤トナー粒子前駆体への各種特性付与を目的として外添剤と湿潤トナー粒子前駆体を混合することができる。
(ケイ素化合物被覆工程)
前述した工程の間に、次に、ケイ素化合物で重合体粒子表面を被覆するケイ素化合物被覆工程を行ことが出来る。ケイ素化合物被覆工程の方法は以下ケイ素化合物被覆工程A,B,Cのいずれかの方法で行うことができ、また、それらの組み合わせで行うことができるが特に限定されない。
(ケイ素化合物被覆工程A)
トナー粒子前駆体とケイ素化合物を混合することで、ケイ素化合物を被覆させた被処理トナー粒子を得る。ケイ素化合物は一種類で用いても、異なるものを併用しても良い。また、後述の外添剤を併用しても良い。ケイ素化合物は疎水化処理されたものがより好ましい。ケイ素化合物は重合体粒子100質量部に対し0.01質量部以上10質量部以下が用いられ、好ましくは0.05質量部以上5質量部以下が用いられる。
(ケイ素化合物被覆工程B)
前述の重合工程に有機ケイ素重合体を形成するための有機ケイ素化合物を含有させる。重合工程で重合性単量体および有機ケイ素化合物を重合させた後、前述の洗浄工程、固液分離工程、乾燥工程、分級工程を経てケイ素化合物で覆われた被処理トナー粒子を得る。
(ケイ素化合物被覆工程C)
トナー粒子前駆体分散液中または、濃縮工程を経たトナー粒子分散液濃縮液に有機ケイ素化合物、または、有機ケイ素化合物と有機ケイ素重合体の混合物を添加し、撹拌しながら有機ケイ素化合物を重合する。その後、前述の洗浄工程、固液分離工程、乾燥工程、分級工程を経てケイ素化合物で覆われた被処理トナー粒子を得る。
(重合性単量体)
本発明に用いられる重合性単量体としては、ラジカル重合が可能なビニル系重合性単量体が用いられる。該ビニル系重合性単量体としては、単官能性のものまたは多官能性のものを使用することが出来る。単官能性重合性単量体としては以下のものが挙げられる。
スチレン;α-メチルスチレン、β-メチルスチレン、ο-メチルスチレン、m-メチルスチレン、p-メチルスチレン、2,4-ジメチルスチレン、p-n-ブチルスチレン、p-tert-ブチルスチレン、p-n-ヘキシルスチレン、p-n-オクチルスチレン、p-n-ノニルスチレン、p-n-デシルスチレン、p-n-ドデシルスチレン、p-メトキシスチレン、p-フェニルスチレンの如きスチレン誘導体類;メチルアクリレート、エチルアクリレート、n-プロピルアクリレート、iso-プロピルアクリレート、n-ブチルアクリレート、iso-ブチルアクリレート、tert-ブチルアクリレート、n-アミルアクリレート、n-ヘキシルアクリレート、2-エチルヘキシルアクリレート、n-オクチルアクリレート、n-ノニルアクリレート、シクロヘキシルアクリレート、ベンジルアクリレート、ジメチルフォスフェートエチルアクリレート、ジエチルフォスフェートエチルアクリレート、ジブチルフォスフェートエチルアクリレート、2-ベンゾイルオキシエチルアクリレートの如きアクリル系モノマー類;メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、n-プロピルメタクリレート、iso-プロピルメタクリレート、n-ブチルメタクリレート、iso-ブチルメタクリレート、tert-ブチルメタクリレート、n-アミルメタクリレート、n-ヘキシルメタクリレート、2-エチルヘキシルメタクリレート、n-オクチルメタクリレート、n-ノニルメタクリレート、ジエチルフォスフェートエチルメタクリレート、ジブチルフォスフェートエチルメタクリレートの如きメタクリル系重合性単量体類;メチレン脂肪族モノカルボン酸エステル、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、酪酸ビニル、安息香酸ビニル、ギ酸ビニルの如きビニルエステル類;ビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテル、ビニルイソブチルエーテルの如きビニルエーテル類;ビニルメチルケトン、ビニルヘキシルケトン、ビニルイソプロピルケトンの如きビニルケトン類。
多官能性重合性単量体としては、以下のものが挙げられる。ジエチレングリコールジアクリレート、トリエチレングリコールジアクリレート、テトラエチレングリコールジアクリレート、ポリエチレングリコールジアクリレート、1,6-ヘキサンジオールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、トリプロピレングリコールジアクリレート、ポリプロピレングリコールジアクリレート、2,2’-ビス(4-(アクリロキシジエトキシ)フェニル)プロパン、トリメチロールプロパントリアクリレート、テトラメチロールメタンテトラアクリレート、エチレングリコールジメタクリレート、ジエチレングリコールジメタクリレート、トリエチレングリコールジメタクリレート、テトラエチレングリコールジメタクリレート、ポリエチレングリコールジメタクリレート、1,3-ブチレングリコールジメタクリレート、1,6-ヘキサンジオールジメタクリレート、ネオペンチルグリコールジメタクリレート、ポリプロピレングリコールジメタクリレート、2,2’-ビス(4-(メタクリロキシジエトキシ)フェニル)プロパン、2,2’-ビス(4-(メタクリロキシポリエトキシ)フェニル)プロパン、トリメチロールプロパントリメタクリレート、テトラメチロールメタンテトラメタクリレート、ジビニルベンゼン、ジビニルナフタリン、ジビニルエーテル。
本発明においては、上記した単官能性重合性単量体を単独、あるいは2種以上組み合わせて、または上記した単官能性重合性単量体と多官能性重合性単量体を組み合わせて使用する。上述の単量体の中でもスチレンまたはスチレン誘導体を単独もしくは混合して、またはそれらとほかの単量体と混合して使用することがトナーの現像特性及び耐久性などの点から好ましい。
<着色剤>
本発明に用いられる着色剤として、以下の有機顔料または染料、無機顔料が挙げられる。
シアン系着色剤としての有機顔料又は有機染料としては、銅フタロシアニン化合物及びその誘導体、アントラキノン化合物、塩基染料レーキ化合物が利用できる。
具体的には、以下のものが挙げられる。C.I.ピグメントブルー1、7、15、15:1、15:2、15:3、15:4、60、62、66。
マゼンタ系着色剤としての有機顔料又は有機染料としては、以下のものが挙げられる。縮合アゾ化合物、ジケトピロロピロール化合物、アントラキノン、キナクリドン化合物、塩基染料レーキ化合物、ナフトール化合物、ベンズイミダゾロン化合物、チオインジゴ化合物、ペリレン化合物。
具体的には、以下のものが挙げられる。C.I.ピグメントレッド2、3、5、6、7、C.I.ピグメントバイオレット19、C.I.ピグメントレッド23、48:2、48:3、48:4、57:1、81:1、122、144、146、150、166、169、177、184、185、202、206、220、221、254。
イエロー系着色剤としての有機顔料又は有機染料としては、縮合アゾ化合物、イソインドリノン化合物、アントラキノン化合物、アゾ金属錯体、メチン化合物、アリルアミド化合物に代表される化合物が用いられる。
具体的には、以下のものが挙げられる。C.I.ピグメントイエロー12、13、14、15、17、62、74、83、93、94、95、97、109、110、111、120、127、128、129、147、151、154、155、168、174、175、176、180、181、191、194。
黒色着色剤としては、カーボンブラック、及び、上記イエロー系/マゼンタ系/シアン系着色剤を用い黒色に調色されたものが利用される。
これらの着色剤は、単独又は混合し更には固溶体の状態で用いることができる。着色剤は、色相角、彩度、明度、耐光性、トナー中の分散性の点などの観点から選択される。
着色剤は、重合性単量体100質量部に対して、1質量部以上20質量部以下が通常用いられる。
<結晶性物質>
本発明に用いられる離型剤としては室温で固体状態のワックスがトナーの耐ブロッキング性、多数枚耐久性、低温定着性、耐オフセット性の点でよい。
ワックスとしては、パラフィンワックス、ポリオレフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス、フィッシャートロプシュワックス、アミドワックス、高級脂肪酸、長鎖アルコール、エステルワックスなどが例示できる。ワックスは重合性単量体100質量部に対して1質量部以上40質量部以下、より好ましくは4乃至30質量部含有されるのがよい。
結晶性ポリエステルは、公知のものを使用出来るが、脂肪族ジカルボン酸および脂肪族ジオールの縮合物であることが好ましい。さらに、飽和ポリエステルであると一層好ましい。下記には脂肪族ジカルボン酸および脂肪族ジオールの縮合物であり、且つ飽和ポリエステルである場合について使用出来るモノマーを例示する。
脂肪族ジカルボン酸としては、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ドデカン二酸等が挙げられる。
脂肪族ジオールとしては、具体的には、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、1,2-プロピレングリコール、1,3-プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、トリメチレングリコール、ネオペンチルグリコール、1,4-ブタンジオール、1,6-ヘキサンジオール、1,7-ヘプタンジオール、1,8-オクタンジオール、1,9-ノナンジオール、1,10-デカンジオール、1,11-ウンデカンジオール、1,12-ドデカンジオール等が挙げられる。
<荷電制御剤>
本発明に用いられる荷電制御剤としては公知のものが利用できる。例えばトナーを負荷電性に制御するものとしては、以下のものが挙げられる。有機金属化合物、キレート化合物、モノアゾ系染料金属化合物、アセチルアセトン金属化合物、芳香族ハイドロキシカルボン酸、芳香族モノ及びポリカルボン酸及びその金属塩、無水物、エステル類、ビスフェノール等のフェノール誘導体類。さらに、以下のものが挙げられる。尿素誘導体、含金属サリチル酸系化合物、、カリックスアレーン、スチレン-アクリル酸共重合体、スチレン-メタクリル酸共重合体、スチレン-アクリル-スルホン酸共重合体、非金属カルボン酸系化合物。
トナーを正荷電性に制御するものとしては、以下のものが挙げられる。ニグロシン及び脂肪酸金属塩による変性物;トリブチルベンジルアンモニウム-1-ヒドロキシ-4-ナフトスルフォン酸塩、テトラブチルアンモニウムテトラフルオロボレートの如き4級アンモニウム塩;ホスホニウム塩の如きオニウム塩及びこれらのレーキ顔料、トリフェニルメタン染料及びこれらのレーキ顔料(レーキ化剤としては、リンタングステン酸、リンモリブデン酸、リンタングステンモリブデン酸、タンニン酸、ラウリン酸、没食子酸、フェリシアン化物、またはフェロシアン化物)、高級脂肪酸の金属塩。これらを単独でまたは2種類以上を組み合わせて用いることができる。
これらの荷電制御剤は重合性単量体100質量部に対して0.01質量部以上20質量部以下、より好ましくは0.5質量部以上10質量部以下使用するのがよい。
<重合開始剤>
本発明に用いられる重合開始剤としては、アゾ系重合開始剤が挙げられる。アゾ系重合開始剤としては以下のものが挙げられる。2,2’-アゾビス-(2,4-ジメチルバレロニトリル)、2,2’-アゾビスイソブチロニトリル、1,1’-アゾビス(シクロヘキサン-1-カルボニトリル)、2,2’-アゾビス-4-メトキシ-2,4-ジメチルバレロニトリル、アゾビスメチルブチロニトリル。
有機過酸化物系開始剤としては以下のものが挙げられる。ベンゾイルペルオキシド、メチルエチルケトンペルオキシド、ジイソプロピルペルオキシカーボネート、クメンヒドロペルオキシド、2,4-ジクロロベンゾイルペルオキシド、ラウロイルペルオキシド、tert-ブチル-パーオキシピバレート。
また、酸化性物質と還元性物質を組み合わせたレドックス系開始剤を用いることもできる。酸化性物質としては過酸化水素、過硫酸塩(ナトリウム塩、カリウム塩、アンモニウム塩など)の無機過酸化物、4価のセリウム塩の如き酸化性金属塩が挙げられる。還元性物質としては還元性金属塩(2価の鉄塩、1価の銅塩、3価のクロム塩)、アンモニア、低級アミン(メチルアミン、エチルアミンの如き炭素数1乃至6のアミン)、ヒドロキシルアミン等のアミノ化合物、チオ硫酸ナトリウム、ナトリウムハイドロサルファイト、亜硫酸水素ナトリウム、亜硫酸ナトリウム、ナトリウムホルムアルデヒドスルホキシレートの如き還元性硫黄化合物、低級アルコール(炭素数1乃至6)、アスコルビン酸又はその塩、および低級アルデヒド(炭素数1乃至6)。開始剤は10時間半減期温度を参考に選択され単独又は混合して利用される。該重合開始剤の添加量は目的とする重合度により変化するが、一般的には重合性単量体100質量部に対し0.5質量部以上20質量部以下が添加される。
<有機溶剤>
本発明で用いられる有機溶剤としては、種々の有機溶剤を用いることが出来る。例えば、トルエン、キシレン、ベンゼン、四塩化炭素、塩化メチレン、1,2-ジクロロエタン、1,1,2-トリクロロエタン、トリクロロエチレン、クロロホルム、モノクロロベンゼン、ジクロロエチリデン、酢酸メチル、酢酸エチル、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンなどを単独あるいは2種以上組合せて用いることができる。また、沸点が100℃未満の揮発性であることが、後の溶剤除去が容易になる点から好ましい。有機溶媒中に溶解あるいは分散させる樹脂がポリエステル骨格を有する樹脂である場合、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチルなどのエステル系の溶媒もしくはメチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンなどのケトン系の溶媒を用いたほうが溶解性が高く好ましく、このなかでは溶媒除去性の高い酢酸メチル、酢酸エチル、メチルエチルケトンが特に好ましい。
<有機溶媒中に添加する変性樹脂>
本発明で用いられる変性樹脂(以下「プレポリマー」と称することがある)としては、活性水素基含有化合物と反応可能な部位を少なくとも有しているものであれば特に制限はなく、公知の樹脂等の中から適宜選択することができ、例えば、ポリオール樹脂、ポリアクリル樹脂、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、これらの誘導体樹脂、等が挙げられる。
これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、溶融時の高流動性、透明性の点で、ポリエステル樹脂が特に好ましい。
前記プレポリマーにおける活性水素基含有化合物と反応可能な部位としては、特に制限はなく、公知の置換基等の中から適宜選択することができるが、例えば、イソシアネート基、エポキシ基、カルボン酸、酸クロリド基、等が挙げられる。
これらは、1種単独で含まれていてもよいし、2種以上が含まれていてもよい。これらの中でも、イソシアネート基が特に好ましい。
<活性水素基含有化合物>
本発明で用いられる活性水素基含有化合物は、水系媒体中で、活性水素基含有化合物と反応可能な変性樹脂が伸長反応、架橋反応等する際の伸長剤、架橋剤等として作用する。
活性水素基含有化合物としては、活性水素基を有していれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。例えば、活性水素基含有化合物と反応可能な重合体が前記イソシアネート基含有ポリエステルプレポリマーである場合には、イソシアネート基含有ポリエステルプレポリマーと伸長反応、架橋反応等の反応により高分子量化可能な点で、アミン類が好適である。
前記活性水素基としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、水酸基(アルコール性水酸基又はフェノール性水酸基)、アミノ基、カルボキシル基、メルカプト基、等が挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、アルコール性水酸基が特に好ましい。
<外添剤>
本発明の製造方法により得られたトナー粒子には、各種粉体特性を改良する目的で、外添剤を添加することができる。外添剤としては、以下のものが挙げられる。酸化アルミニウム、酸化チタン、チタン酸ストロンチウム、酸化セリウム、酸化マグネシウム、酸化錫、酸化亜鉛の如き金属酸化物;窒化ケイ素の如き窒化物;炭化物炭化ケイ素の如き炭化物;硫酸カルシウム、硫酸バリウム、炭酸カルシウムの如き無機金属塩;ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウムの如き脂肪酸金属塩;カーボンブラック、シリカ、ケイ素化合物。
これら外添剤はトナー粒子100質量部に対し0.01質量部以上10質量部以下が用いられ、好ましくは0.05質量部以上5質量部以下が用いられる。これらの外添剤は単独で用いても、併用しても良い。また、これらの外添剤は疎水化処理されたものがより好ましい。
<ケイ素化合物>
本発明に用いることができるケイ素化合物としては、特に限定されないがシリカや有機ケイ素化合物が好適に用いることができる。
Figure 0007218115000001
本発明に用いられる有機ケイ素重合体を得るには、上記に示す式(Z)中のR1を除く一分子中に3つの反応基(R2、R3及びR4)を有する有機ケイ素化合物(以下、三官能性シランともいう)を1種又は複数種を組み合わせて用いるとよい。
また、本発明において、有機ケイ素重合体の含有量は、トナー粒子中に0.50質量%以上50.00質量%以下であることが好ましく、0.75質量%以上40.00質量%以下であることがより好ましい。
上記式(Z)としては以下のものが挙げられる。
メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、メチルジエトキシメトキシシラン、メチルエトキシジメトキシシラン、メチルトリクロロシラン、メチルメトキシジクロロシラン、メチルエトキシジクロロシラン、メチルジメトキシクロロシラン、メチルメトキシエトキシクロロシラン、メチルジエトキシクロロシラン、メチルトリアセトキシシラン、メチルジアセトキシメトキシシラン、メチルジアセトキシエトキシシラン、メチルアセトキシジメトキシシラン、メチルアセトキシメトキシエトキシシラン、メチルアセトキシジエトキシシラン、メチルトリヒドロキシシラン、メチルメトキシジヒドロキシシラン、メチルエトキシジヒドロキシシラン、メチルジメトキシヒドロキシシラン、メチルエトキシメトキシヒドロキシシラン、メチルジエトキシヒドロキシシラン、のような三官能性のメチルシラン。
エチルトリメトキシシラン、エチルトリエトキシシラン、エチルトリクロロシラン、エチルトリアセトキシシラン、エチルトリヒドロキシシラン、プロピルトリメトキシシラン、プロピルトリエトキシシラン、プロピルトリクロロシラン、プロピルトリアセトキシシラン、プロピルトリヒドロキシシラン、ブチルトリメトキシシラン、ブチルトリエトキシシラン、ブチルトリクロロシラン、ブチルトリアセトキシシラン、ブチルトリヒドロキシシラン、ヘキシルトリメトキシシラン、ヘキシルトリエトキシシラン、ヘキシルトリクロロシラン、ヘキシルトリアセトキシシラン、ヘキシルトリヒドロキシシランのような三官能性のシラン。
フェニルトリメトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、フェニルトリクロロシラン、フェニルトリアセトキシシラン、フェニルトリヒドロキシシランのような三官能性のフェニルシラン。
<磁性材料>
本発明の製造方法は、磁性材料を含有する磁性トナーの製造方法にも適用でき、トナーに含有される磁性材料は着色剤の役割を兼ねることもできる。本発明に用いられる磁性材料としては以下のものが挙げられる。マグネタイト、ヘマタイト、フェライトの如き酸化鉄;鉄、コバルト、ニッケルのような金属あるいはこれらの金属とアルミニウム、コバルト、銅、鉛、マグネシウム、スズ、亜鉛、アンチモン、ベリリウム、ビスマス、カドミウム、カルシウム、マンガン、セレン、チタン、タングステン、バナジウムのような金属の合金およびその混合物。
これらの磁性体は、重合性単量体100質量部に対して20質量部以上200質量部以下、特に好ましくは重合性単量体100質量部に対して40質量部以上150質量部以下である。
本発明に磁性材料を用いる場合には、トナー粒子中での磁性材料の分散性を向上させるために、磁性材料の表面を疎水化処理することが好ましい。疎水化処理にはシランカップリング剤やチタンカップリング剤などのカップリング剤類が用いられる。中でもシランカップリング剤が好ましく用いられる。シランカップリング剤としては以下のものが挙げられる。ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、γ-メタクリルオキシプロピルトリメトキシシラン、ビニルトリアセトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、イソブチルトリメトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、トリメチルメトキシシラン、ヒドロキシプロピルトリメトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、n-ヘキサデシルトリメトキシシラン、n-オクタデシルトリメトキシシラン。
以下に、懸濁重合法により得られるトナー粒子の各種測定方法について説明する。
<トナー粒子前駆体への難水溶性無機微粒子の被覆率の算出方法>
本発明におけるトナー粒子前駆体への難水溶性無機微粒子の被覆率Xは、日立超高分解能電界放出形走査電子顕微鏡S-4800((株)日立ハイテクノロジーズ)にて撮影されたトナー表面画像を、画像解析ソフトImage-Pro Plus ver.5.0((株)日本ローパー)により解析して算出する。S-4800の画像撮影条件は以下の通りである。
(1)試料作製
試料台(アルミニウム試料台15mm×6mm)に導電性ペーストを薄く塗り、その上にトナー前駆体を吹きつける。さらにエアブローして、余分なトナーを試料台から除去し十分乾燥させる。試料台を試料ホルダにセットし、試料高さゲージにより試料台高さを36mmに調節する。
(2)S-4800観察条件設定
被覆率Xの算出は、S-4800の反射電子像観察により得られた画像を用いて行う。反射電子像は2次電子像と比べて無機微粒子のチャージアップが少ないため、被覆率Xを精度良く測定することが出来る。エネルギー分散型X線分析装置(EDAX)による元素分析を行い、モース硬度6-13でかつ70nm以上300nm以下の粒子の元素を特定した後、被覆率Xを算出する。
S-4800の鏡体に取り付けられているアンチコンタミネーショントラップに液体窒素を溢れるまで注入し、30分間置く。S-4800の「PC-SEM」を起動し、フラッシング(電子源であるFEチップの清浄化)を行う。画面上のコントロールパネルの加速電圧表示部分をクリックし、[フラッシング]ボタンを押し、フラッシング実行ダイアログを開く。フラッシング強度が2であることを確認し、実行する。フラッシングによるエミッション電流が20乃至40μAであることを確認する。試料ホルダをS-4800鏡体の試料室に挿入する。コントロールパネル上の[原点]を押し試料ホルダを観察位置に移動させる。
加速電圧表示部をクリックしてHV設定ダイアログを開き、加速電圧を[0.8kV]、エミッション電流を[20μA]に設定する。オペレーションパネルの[基本]のタブ内にて、信号選択を[SE]に設置し、SE検出器を[上(U)]および[+BSE]を選択し、[+BSE]の右の選択ボックスで[L.A.100]を選択し、反射電子像で観察するモードにする。同じくオペレーションパネルの[基本]のタブ内にて、電子光学系条件ブロックのプローブ電流を[Normal]に、焦点モードを[UHR]に、WDを[3.0mm]に設定する。コントロールパネルの加速電圧表示部の[ON]ボタンを押し、加速電圧を印加する。
(3)焦点調整
操作パネルのフォーカスつまみ[COARSE]を回転させ、ある程度焦点が合ったところでアパーチャアライメントの調整を行う。コントロールパネルの[Align]をクリックし、アライメントダイアログを表示し、[ビーム]を選択する。操作パネルのSTIGMA/ALIGNMENTつまみ(X,Y)を回転し、表示されるビームを同心円の中心に移動させる。次に[アパーチャ]を選択し、STIGMA/ALIGNMENTつまみ(X,Y)を一つずつ回し、像の動きを止める又は最小の動きになるように合わせる。アパーチャダイアログを閉じ、オートフォーカスで、ピントを合わせる。その後、倍率を50000(50k)倍に設定し、上記と同様にフォーカスつまみ、STIGMA/ALIGNMENTつまみを使用して焦点調整を行い、再度オートフォーカスでピントを合わせる。この操作を再度繰り返し、ピントを合わせる。ここで、観察面の傾斜角度が大きいと被覆率の測定精度が低くなりやすいので、ピント調整の際に観察面全体のピントが同時に合うものを選ぶことで、表面の傾斜が極力無いものを選択して解析する。
(4)画像保存
ABCモードで明るさ合わせを行い、サイズ640×480ピクセルで写真撮影して保存する。この画像ファイルを用いて下記の解析を行う。トナー前駆体一つに対して写真を1枚撮影し、少なくともトナー前駆体30粒子以上について画像を得る。
(5)画像解析
本発明では解析ソフト(Image-Pro Plus ver.5.0)を用いて、上述した手法で得た画像を2値化処理することで被覆率Xを算出する。このとき、上記一画面を正方形で12分割してそれぞれ解析する。画像解析ソフトの解析条件は以下の通りである。
ツールバーの「測定」から「カウント/サイズ」、「オプション」の順に選択し、二値化条件を設定する。オブジェト抽出オプションの中で8連結を選択し、平滑化を0とする。その他、予め選別、穴を埋める、包括線は選択せず、「境界線を除外」は「なし」とする。ツールバーの「測定」から「測定項目」を選択し、面積の選別レンジに2~107と入力する。
被覆率の計算は、正方形の領域を囲って行う。この時、領域の面積(C)は24000乃至26000ピクセルになるようにする。「処理」-2値化で自動2値化し、難水溶性無機微粒子の無い領域の面積の総和(D)を算出する。正方形の領域の面積C、難水溶性無機微粒子の無い領域の面積の総和Dから下記式で被覆率aが求められる。
被覆率a(%)=100-(D/C×100) 式(2)
得られた全データの平均値を本発明における被覆率Xとする。
<難水溶性無機微粒子の体積平均粒径MN(μm)および標準偏差SD(μm)の測定>
本発明においては、マイクロトラックUPA-150(日機装株式会社)を用いて動的光散乱法により、水系媒体中の難水溶性無機微粒子を重量分布を算出する。測定に用いる水系媒体と測定セル温度が同じになるように、セルの温調を行ないながら測定を行なった。粒径測定は、60℃で行った。
(1)RO水へドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウムを溶解させ、1.0質量%水溶液を作製する。
(2)造粒工程における難水溶性無機微粒子を含む水系分散媒10gに1.0質量% ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム水溶液を加え、総量を60gとする。
(3)(2)で調整した試料を、100mLのビーカーに移し、電気的出力120Wの超音波分散器「Ultrasonic Dispension System Tetora150」(日科機バイオス社製)を用いて超音波を1分間照射した。
(4)セル内部に1.0質量% ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム水溶液:3.0gを入れた後、Back ground checkを行なう。サンプルローディングが、0.0010以下になるのを確認する。
(5)セル内部に1.0質量% ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム水溶液:3.0gを入れた後、Set Zeroを行なう。Set Zeroの条件は、時間:60sで行なう。
(6)以下の条件を入力する。測定時間:30s、測定回数:2回
粒子条件:透過性、屈折率:1.62、形状:非球形、密度:3.17
溶媒条件:WATERを選択する。屈折率:1.333、
高温時粘度:0.797(30℃)、低温時粘度:1.002(20℃)
表示設定:標準を選択。分布表示:体積を選択。
(7)測定セルに(3)で調整した測定試料を3.0gを入れ、測定を開始する。
(8)測定データを装置付属の専用ソフトにて解析を行い、個数平均粒径MN(μm)および標準偏差SD(μm)を算出する。
<無機微粒子の被覆率の算出>
本発明における被覆率の変動係数は、電界放出形走査電子顕微鏡S-4800((株)日立ハイテクノロジーズ)にて撮影されたトナー表面画像を、画像解析ソフトImage-Pro Plus ver.5.0((株)日本ローパー)により解析して算出する。S-4800の画像撮影条件は以下の通りである。
(1)試料作製
試料台(アルミニウム試料台15mm×6mm)に導電性ペーストを薄く塗り、その上にトナーを吹きつける。さらにエアブローして、余分なトナーを試料台から除去し十分乾燥させる。試料台を試料ホルダにセットし、試料高さゲージにより試料台高さを36mmに調節する。
(2)S-4800観察条件設定
被覆率の変動係数の算出は、S-4800の反射電子像観察により得られた画像を用いて行う。反射電子像は2次電子像と比べて無機微粒子のチャージアップが少ないため、精度良く測定することができる。
S-4800の筐体に取り付けられているアンチコンタミネーショントラップに液体窒素を溢れるまで注入し、30分間置く。S-4800の「PC-SEM」を起動し、フラッシング(電子源であるFEチップの清浄化)を行う。画面上のコントロールパネルの加速電圧表示部分をクリックし、[フラッシング]ボタンを押し、フラッシング実行ダイアログを開く。フラッシング強度が2であることを確認し、実行する。フラッシングによるエミッション電流が20~40μAであることを確認する。試料ホルダをS-4800筐体の試料室に挿入する。コントロールパネル上の[原点]を押し試料ホルダを観察位置に移動させる。
加速電圧表示部をクリックしてHV設定ダイアログを開き、加速電圧を[0.8kV]、エミッション電流を[20μA]に設定する。オペレーションパネルの[基本]のタブ内にて、信号選択を[SE]に設置し、SE検出器を[上(U)]及び[+BSE]を選択し、[+BSE]の右の選択ボックスで[L.A.100]を選択し、反射電子像で観察するモードにする。同じくオペレーションパネルの[基本]のタブ内にて、電子光学系条件ブロックのプローブ電流を[Normal]に、焦点モードを[UHR]に、WDを[3.0mm]に設定する。コントロールパネルの加速電圧表示部の[ON]ボタンを押し、加速電圧を印加する。
(3)トナーの個数平均粒径(D1)算出
コントロールパネルの倍率表示部内をドラッグして、倍率を5000(5k)倍に設定する。操作パネルのフォーカスつまみ[COARSE]を回転させ、ある程度焦点が合ったところでアパーチャアライメントの調整を行う。コントロールパネルの[Align]をクリックし、アライメントダイアログを表示し、[ビーム]を選択する。操作パネルのSTIGMA/ALIGNMENTつまみ(X,Y)を回転し、表示されるビームを同心円の中心に移動させる。次に[アパーチャ]を選択し、STIGMA/ALIGNMENTつまみ(X,Y)を一つずつ回し、像の動きを止める又は最小の動きになるように合わせる。アパーチャダイアログを閉じ、オートフォーカスで、ピントを合わせる。この操作をさらに2度繰り返し、ピントを合わせる。
その後、トナー粒子300個について粒径を測定して個数平均粒径(D1)を求める。なお、個々の粒子の粒径は、被処理トナー粒子を観察した際の最大径とする。
(4)焦点調整
(3)で得た、個数平均粒径(D1)の±0.1μmの粒子について、最大径の中点を測定画面の中央に合わせた状態でコントロールパネルの倍率表示部内をドラッグして、倍率を10000(10k)倍に設定する。操作パネルのフォーカスつまみ[COARSE]を回転させ、ある程度焦点が合ったところでアパーチャアライメントの調整を行う。コントロールパネルの[Align]をクリックし、アライメントダイアログを表示し、[ビーム]を選択する。操作パネルのSTIGMA/ALIGNMENTつまみ(X,Y)を回転し、表示されるビームを同心円の中心に移動させる。次に[アパーチャ]を選択し、STIGMA/ALIGNMENTつまみ(X,Y)を一つずつ回し、像の動きを止める又は最小の動きになるように合わせる。アパーチャダイアログを閉じ、オートフォーカスで、ピントを合わせる。その後、倍率を50000(50k)倍に設定し、上記と同様にフォーカスつまみ、STIGMA/ALIGNMENTつまみを使用して焦点調整を行い、再度オートフォーカスでピントを合わせる。この操作を再度繰り返し、ピントを合わせる。ここで、観察面の傾斜角度が大きいと被覆率の測定精度が低くなりやすいので、ピント調整の際に観察面全体のピントが同時に合うものを選ぶことで、表面の傾斜が極力無いものを選択して解析する。
(5)画像保存
ABCモードで明るさ合わせを行い、サイズ640×480ピクセルで写真撮影して保存する。この画像ファイルを用いて下記の解析を行う。トナー粒子一つに対して写真を1枚撮影し、少なくともトナー30粒子以上について画像を得る。
(6)画像解析 本発明では下記解析ソフトを用いて、上述した手法で得た画像を2値化処理することで被覆率を算出する。このとき、上記一画面を正方形で12分割してそれぞれ解析する。
画像解析ソフトImage-Pro Plus ver.5.0の解析条件は以下の通りである。
ソフトImage-ProPlus5.1J ツールバーの「測定」から「カウント/サイズ」、「オプション」の順に選択し、二値化条件を設定する。オブジェト抽出オプションの中で8連結を選択し、平滑化を0とする。その他、予め選別、穴を埋める、包括線は選択せず、「境界線を除外」は「なし」とする。ツールバーの「測定」から「測定項目」を選択し、面積の選別レンジに2~107と入力する。
被覆率の計算は、正方形の領域を囲って解析を行う。この時、領域の面積(C)は24000~26000ピクセルになるようにする。「処理」-2値化で自動2値化し、無機微粒子の無い領域の面積の総和(D)を算出する。
正方形の領域の面積C、無機微粒子の無い領域の面積の総和Dから下記式で被覆率aが求められる。
被覆率a(%)=100-(D/C×100)
上述したように、被覆率aの計算を被処理トナー粒子 30粒子以上について行う。得られた全データの平均値を本発明における被覆率とする。
<樹脂粒子やトナー粒子前駆体のガラス転移温度>
試料のガラス転移温度は、示差走査熱量計(DSC測定装置)を用いて測定する。
示差走査熱量計は、示差走査熱量分析装置「Q1000」(TA Instruments社製)を用い、ASTM D3418-82に準じて以下のように測定する。装置検出部の温度補正はインジウムと亜鉛の融点を用い、熱量の補正についてはインジウムの融解熱を用いる。測定サンプルは2から5mg、好ましくは3mgを精密に秤量する。それをアルミニウム製のパン中に入れ、対照用に空のアルミパンを用いる。20℃で5分間平衡を保った後、測定範囲20℃から180℃の間で、昇温速度10℃/minで測定を行う。このときの比熱変化が出る前と出た後のベースラインの中間点の線と示差熱曲線との交点を、ガラス転移温度とする。
<アスペクト比の測定方法>
トナー粒子やトナーのアスペクト比は、フロー式粒子像分析装置「FPIA-3000」(シスメックス社製)によって、校正作業時の測定及び解析条件で測定した。
具体的な測定方法は、以下の通りである。まず、ガラス製の容器中に予め不純固形物などを除去したイオン交換水約20mlを入れる。この中に分散剤として「コンタミノンN」(非イオン界面活性剤、陰イオン界面活性剤、有機ビルダーからなるpH7の精密測定器洗浄用中性洗剤の10質量%水溶液、和光純薬工業社製)をイオン交換水で約3質量倍に希釈した希釈液を約0.2ml加える。更に測定試料を約0.02g加え、超音波分散器を用いて2分間分散処理を行い、測定用の分散液とする。その際、分散液の温度が10℃以上40℃以下となる様に適宜冷却する。超音波分散器としては、発振周波数50kHz、電気的出力150Wの卓上型の超音波洗浄器分散器(例えば「VS-150」(ヴェルヴォクリーア社製))を用い、水槽内には所定量のイオン交換水を入れ、この水槽中に前記コンタミノンNを約2ml添加する。
測定には、対物レンズとして「LUCPLFLN」(倍率20倍、開口数0.40)を搭載した前記フロー式粒子像分析装置を用い、シース液にはパーティクルシース「PSE-900A」(シスメックス社製)を使用した。前記手順に従い調製した分散液を前記フロー式粒子像分析装置に導入し、HPF測定モードで、トータルカウントモードにて2000個のトナー粒子を計測する。アスペクト比は解析粒子径を円相当径(個数)とし4.044μm以上100.0μm未満に限定し算出した。
測定にあたっては、測定開始前に標準ラテックス粒子(例えば、Duke Scientific社製の「RESEARCH AND TEST PARTICLES Latex Microsphere Suspensions 5100A」をイオン交換水で希釈)を用いて自動焦点調整を行う。その後、測定開始から2時間毎に焦点調整を実施することが好ましい。
なお、本願実施例では、シスメックス社による校正作業が行われた、シスメックス社が発行する校正証明書の発行を受けたフロー式粒子像分析装置を使用した。解析粒子径を円相当径(個数)4.044μm以上100.0μm未満に限定した以外は、校正証明を受けた時の測定及び解析条件で測定を行った。
<体積平均メディアン径(Dv50)、個数平均メディアン径(Dn50)の測定方法>
トナー粒子の体積平均メディアン径(Dv50)、および個数平均メディアン径(Dn50)は、以下のようにして算出する。測定装置としては、100μmのアパーチャーチューブを備えた細孔電気抵抗法による精密粒度分布測定装置「コールター・カウンター Multisizer 3」(登録商標、ベックマン・コールター社製)を用いる。測定条件の設定及び測定データの解析は、付属の専用ソフト「ベックマン・コールター Multisizer 3 Version3.51」(ベックマン・コールター社製)を用いる。尚、測定は実効測定チャンネル数2万5千チャンネルで行なう。
測定に使用する電解水溶液は、特級塩化ナトリウムをイオン交換水に溶解して濃度が約1質量%となるようにしたもの、例えば、「ISOTON II」(ベックマン・コールター社製)が使用できる。
尚、測定、解析を行なう前に、以下のように前記専用ソフトの設定を行なった。
前記専用ソフトの「標準測定方法(SOMME)を変更」画面において、コントロールモードの総カウント数を50000粒子に設定し、測定回数を1回、Kd値は「標準粒子10.0μm」(ベックマン・コールター社製)を用いて得られた値を設定する。「閾値/ノイズレベルの測定ボタン」を押すことで、閾値とノイズレベルを自動設定する。また、カレントを1600μAに、ゲインを2に、電解液をISOTON IIに設定し、「測定後のアパーチャーチューブのフラッシュ」にチェックを入れる。
前記専用ソフトの「パルスから粒径への変換設定」画面において、ビン間隔を対数粒径に、粒径ビンを256粒径ビンに、粒径範囲を2μmから60μmまでに設定する。
具体的な測定法は以下の通りである。
(1)Multisizer 3専用のガラス製250ml丸底ビーカーに前記電解水溶液約200mlを入れ、サンプルスタンドにセットし、スターラーロッドの撹拌を反時計回りで24回転/秒にて行なう。そして、専用ソフトの「アパーチャーのフラッシュ」機能により、アパーチャーチューブ内の汚れと気泡を除去しておく。
(2)ガラス製の100ml平底ビーカーに前記電解水溶液約30mlを入れる。この中に分散剤として「コンタミノンN」(非イオン界面活性剤、陰イオン界面活性剤、有機ビルダーからなるpH7の精密測定器洗浄用中性洗剤の10質量%水溶液、和光純薬工業社製)をイオン交換水で約3質量倍に希釈した希釈液を約0.3ml加える。
(3)発振周波数50kHzの発振器2個を位相を180度ずらした状態で内蔵し、電気的出力120Wの超音波分散器「Ultrasonic Dispension System Tetra150」(日科機バイオス社製)を準備する。超音波分散器の水槽内に約3.3lのイオン交換水を入れ、この水槽中にコンタミノンNを約2ml添加する。
(4)前記(2)のビーカーを前記超音波分散器のビーカー固定穴にセットし、超音波分散器を作動させる。そして、ビーカー内の電解水溶液の液面の共振状態が最大となるようにビーカーの高さ位置を調整する。
(5)前記(4)のビーカー内の電解水溶液に超音波を照射した状態で、トナー約10mgを少量ずつ前記電解水溶液に添加し、分散させる。そして、さらに60秒間超音波分散処理を継続する。尚、超音波分散にあたっては、水槽の水温が10℃以上40℃以下となる様に適宜調節する。
(6)サンプルスタンド内に設置した前記(1)の丸底ビーカーに、ピペットを用いてトナーを分散した前記(5)の電解質水溶液を滴下し、測定濃度が約5%となるように調整する。そして、測定粒子数が50000個になるまで測定を行なう。
(7)測定データを装置付属の前記専用ソフトにて解析を行ない、体積平均メディアン径(Dv50)、および個数平均メディアン径(Dn50)を算出する。
<粒度分布の算出>
粒度分布は下記の計算式(2)により導かれる数値を指標とした。
体積平均メディアン径(Dv50)÷個数平均メディアン径(Dn50)…式(2)
上記指標は数値が1に近いほど粒度分布がシャープなことを表す。以下この指標をDv50/Dn50とする。
本発明を以下に示す実施例により具体的に説明する。実施例12、13及び15は参考例である。実施例中及び比較例中の部は質量基準である。
〔実施例1〕
下記の手順によってトナーを製造した。
(顔料分散組成物調製工程)
スチレン22.1部に対して、C.I.ピグメントレッド155を1.38部、C.I.ピグメントレッド122を2.30部、荷電制御剤(ボントロンE88;オリエント化学工業社製)を0.32部、サリチル酸アルミニウム化合物 0.02部、スルホン酸基含有樹脂(アクリベースFCA-1001-NS、藤倉化成製)0.55部用意した。これらを、アトライタ(日本コークス社製)に導入し、半径5.00mmのジルコニアビーズを用いて200rpmにて25℃で300分間撹拌を行い、顔料分散組成物を調製した。
(重合性単量体組成物調製工程)
下記材料を同一容器内に投入しT.K.ホモミクサー(特殊機化工業株式会社製)を用いて、周速20m/sにて混合・分散した。
・顔料分散組成物 26.62部
・スチレン 12.05部
・n-ブチルアクリレート 13.26部
・ポリエステル樹脂 1.90部
・スチレン-メタクリル酸-メタクリル酸メチル-αメチルスチレン共重合体
5.68部
(スチレン/メタクリル酸/メタクリル酸メチル/αメチルスチレン=80.85/2.50/1.65/15.0、Mp=19,700、Mw=7,900、TgB=96℃、酸価=12.0mgKOH/g、Mw/Mn=2.1)
更に、60℃に加温した後、ベヘン酸ベヘニル 融点72.1℃ 4.26部を投入し、30分間分散・混合を行い、重合開始剤2,2’-アゾビス(2,4-ジメチルバレロニトリル)4.26部を溶解し、重合性単量体組成物を調製した。
(水系分散媒体調製工程)
造粒タンクにイオン交換水129.6部、リン酸ナトリウム12水和物2.35部、10質量%塩酸0.97部を添加しリン酸ナトリウム水溶液を作製し、60℃に加温した。イオン交換水9.52部に塩化カルシウム2水和物1.36部を溶解し塩化カルシウム水溶液を得た。前述のリン酸ナトリウム水溶液に塩化カルシウム水溶液を添加し、T.K.ホモミクサー(特殊機化工業株式会社製)を用いて周速25m/sにて30分撹拌し、難水溶性無機微粒子分散液を調製した。調製した難水溶性無機微粒子の個数平均粒径MN(μm)および標準偏差SD(μm)を表1に示す。
(造粒工程)
水系分散媒体中に重合性単量体有組成物を投入し、温度60℃、窒素雰囲気下において、T.K.ホモミクサー(特殊機化工業株式会社製)にて周速25m/sで20分間撹拌し重合性単量体組成物の分散液を得た。
(重合工程)
重合性単量体組成物の分散液を別のタンクに移し、パドル撹拌翼で撹拌しつつ温度73℃に昇温し4時間反応させた。その後、更に85℃に昇温し、2時間反応させトナー粒子前駆体分散液を得た。その後、飽和水蒸気をトナー粒子前駆体分散液へ導入した。飽和水蒸気の導入を開始から20分後、容器内の内容物の温度は100℃に達し、蒸留留分が出始めた。トナー粒子前駆体分散液の質量の1/4の留分を得た。その後、トナー粒子前駆体分散液を40℃まで冷却した。
(濃縮工程)
40℃冷却したトナー粒前駆体分散液を目開き150μmのフィルターに通した後、図2に示すディスク型遠心分離機を用いて濃縮した。ディスク型遠心分離機の回転数を4000rpmとし、トナー粒子前駆体分散液を360L/hrで供給した。ノズルの開口径は0.4mmに設定した。
(洗浄/濾過/乾燥/分級 工程)
濃縮後のトナー粒子前駆体分散液を冷却後、塩酸を加えpHを1.2にし、2時間撹拌した。その後、加圧ろ過器に濾材として濾紙使用してろ過を行い、水で洗浄し湿潤トナー粒子を得た。湿潤トナー粒子を解砕し、温度40℃にて48時間乾燥しトナー粒子を得た。乾燥したトナー粒子から所定外の粒径のものを分級しトナー粒子を得た。分級前のトナー粒子のアスペクト比を表2に示す。
(外添工程)
トナー粒子100.0部に対し、ジメチルシリコーンオイルで表面処理された疎水性シリカ微粉体1.0部(数平均一次粒子径:7nm)をヘンシェルミキサー(日本コークス社製)で10分間乾式混合してトナーを得た。
分散剤調製工程で調製した難水溶性無機微粒子の個数平均粒径MN(μm)および標準偏差SD(μm)、トナー粒子前駆体分散液の温度と濃縮前後の濃度、トナー粒子前駆体のガラス転移温度Tg(℃)と難水溶性無機微粒子の被覆率を表1に示す。運転条件として、トナー粒子前駆体分散液の供給流量F(L/hr)、Q/Σ、使用したノズルの口径(mm)とディスク回転数を表1に示す。
得られたトナーの現像性評価を以下に示す方法で行った。
<現像性に関する評価>
評価機としてLBP7200C(キヤノン社製)の改造機を使用し、マゼンタカートリッジに得られたトナーを詰め替えた。高温高湿環境下(30℃、80%RH)においてカブリの評価を行った。なお、カブリの評価は、5%の印字比率の画像を2,800枚印字後に行った。評価紙にはA4サイズのCLCカラーコピー用紙(キヤノン社製、秤量80g/m2)を用いた。
耐久後に、白地部分を有する画像を出力し、「REFLECTMETER MODEL TC-6DS」(東京電色社製)により測定した出力画像の白地部分の白色度と評価紙(記録材)の白色度の差から、カブリ濃度(%)を算出し、画像カブリを評価した。フィルターはグリーンフィルターを用いた。
A:1.0%未満(良好)
B:1.0%以上2.0%未満
C:2.0%以上3.0%未満
D:3.0%以上
<ディスク型遠心分離機内部の評価>
濃縮後のディスク型遠心分離機内の付着は下記に示す基準で行った。
濃縮工程終了後、ディスク型遠心分離機を分解し、トナー粒子前駆体の固着の有無とその程度を確認した。評価結果は以下の通りに分類した。
A:トナー粒子前駆体の固着がない
B:軽微な固着があるが連続生産において問題にならない
C:固着が複数あるが、直ちに清掃を必要としない
D:固着箇所が複数、または、全面にあり、直ちに清掃が必要
トナーの現像性評価結果、ディスク型遠心分離機内の付着、および濃縮工程前後のトナー粒子前駆体のアスペクト比を表2に示す。
〔実施例2〕
水系分散媒体調製工程を以下のように変更した以外は実施例1と同様の条件方法によりトナーを得た。
(水系分散媒体調製工程)
造粒タンクにイオン交換水129.6部、リン酸ナトリウム12水和物2.38部、10質量%塩酸1.05部を添加しリン酸ナトリウム水溶液を作製し、60℃に加温した。イオン交換水9.52部に塩化カルシウム2水和物1.38部を溶解し塩化カルシウム水溶液を得た。前述のリン酸ナトリウム水溶液に塩化カルシウム水溶液を添加し、T.K.ホモミクサー(特殊機化工業株式会社製)を用いて周速25m/sにて30分撹拌した。
〔実施例3〕
水系分散媒体調製工程と濃縮工程を以下のように変更した以外は実施例1と同様の条件方法によりトナーを得た。
(水系分散媒体調製工程)
造粒タンクにイオン交換水194.4部、リン酸ナトリウム12水和物3.54部、10質量%塩酸1.46部を添加しリン酸ナトリウム水溶液を作製し、60℃に加温した。イオン交換水14.28部に塩化カルシウム2水和物2.04部を溶解し塩化カルシウム水溶液を得た。前述のリン酸ナトリウム水溶液に塩化カルシウム水溶液を添加し、T.K.ホモミクサー(特殊機化工業株式会社製)を用いて周速25m/sにて30分撹拌した。調製した水系分散媒体の1/3を抜き取り、貯蔵タンクにて60℃で撹拌した。水系分散媒中の難水溶性無機微粒子の個数平均粒径MN(μm)および標準偏差SD(μm)を表1に示す。
(濃縮工程)
40℃冷却したトナー前駆体分散液に水系分散媒体調製工程にて貯蔵タンクに抜き取った水系分散媒体 60℃を全量混合した。このときトナー前駆体分散液は46℃になった。その後トナー粒子前駆体分散液を40℃に冷却し、図2に示すディスク型遠心分離機を用いて濃縮した。
ディスク型遠心分離機の回転数を3500rpmとし、トナー粒子前駆体分散液を415L/hrで供給した。ノズルの開口径は0.4mmに設定した。トナー粒子前駆体の濃縮前後の濃度、濃縮後のディスク型遠心分離機内の付着は下記に示す基準で行った。ディスク型遠心分離機内の付着の評価結果を表2に示す。
〔実施例4〕
水系分散媒体調製工程を45℃で行い、塩化カルシウム水溶液添加後45分撹拌した後60℃に昇温した以外は実施例1と同様の条件方法によりトナーを得た。
〔実施例5〕
水系分散媒体調製工程を50℃で行い、塩化カルシウム水溶液添加後45分撹拌した後60℃に昇温した以外は実施例1と同様の条件方法によりトナーを得た。
〔実施例6〕
水系分散媒体調製工程を70℃で行い、塩化カルシウム水溶液添加後45分撹拌した後60℃に降温した以外は実施例1と同様の条件方法によりトナーを得た。
〔実施例7〕
水系分散媒体調製工程を75℃で行い、塩化カルシウム水溶液添加後45分撹拌した後60℃に降温した以外は実施例1と同様の条件方法によりトナーを得た。
〔実施例8〕
水系分散媒体調製工程において、T.K.ホモミクサー(特殊機化工業株式会社製)を用いて周速30m/sにて30分撹拌した以外は実施例1と同様の条件方法によりトナーを得た。
〔実施例9〕
水系分散媒体調製工程において、T.K.ホモミクサー(特殊機化工業株式会社製)を用いて周速27m/sにて30分撹拌した以外は実施例1と同様の条件方法によりトナーを得た。
〔実施例10〕
水系分散媒体調製工程において、T.K.ホモミクサー(特殊機化工業株式会社製)を用いて周速20m/sにて30分撹拌した以外は実施例1と同様の条件方法によりトナーを得た。
〔実施例11〕
水系分散媒体調製工程において、T.K.ホモミクサー(特殊機化工業株式会社製)を用いて周速18m/sにて30分撹拌した以外は実施例1と同様の条件方法によりトナーを得た。
〔実施例12〕
濃縮工程を下記の通り変更した以外は実施例1と同様の条件方法によりトナーを得た。
(濃縮工程)
40℃冷却したトナー粒前駆体分散液を目開き150μmのフィルターに通した後、図2に示すディスク型遠心分離機を用いて濃縮した。ディスク型遠心分離機の回転数を5000rpmとし、トナー粒子前駆体分散液を220L/hrで供給した。ノズルの開口径は0.3mmに設定した。Q/Σ=0.1となるように条件を設定したが、濃縮濃度を32質量%以上とすることは困難であった。
〔実施例13〕
濃縮工程を下記の通り変更した以外は実施例1と同様の条件方法によりトナーを得た。
(濃縮工程)
40℃冷却したトナー粒前駆体分散液を目開き150μmのフィルターに通した後、図2に示すディスク型遠心分離機を用いて濃縮した。ディスク型遠心分離機の回転数を5000rpmとし、トナー粒子前駆体分散液を260L/hrで供給した。ノズルの開口径は0.3mmに設定した。Q/Σ=0.15となるように条件を設定したが、濃縮濃度を38質量%以上とすることは困難であった。
〔実施例14〕
反応工程以降を下記の通り変更した以外は実施例1と同様の条件方法によりトナーを得た。
(反応工程)
重合性単量体組成物の分散液を別のタンクに移し、パドル撹拌翼で撹拌しつつ温度73℃に昇温し4時間反応させた。その後、更に85℃に昇温し、2時間反応させトナー粒子前駆体分散液を得た。その後、飽和水蒸気をトナー粒子前駆体分散液へ導入した。飽和水蒸気の導入を開始から20分後、容器内の内容物の温度は100℃に達し、蒸留留分が出始めた。トナー粒子前駆体分散液の質量の1/2の留分を得た。その後、トナー粒子前駆体分散液を40℃まで冷却した。
(濃縮工程)
40℃冷却したトナー粒前駆体分散液を目開き150μmのフィルターに通した後、図2に示すディスク型遠心分離機を用いて濃縮した。ディスク型遠心分離機の回転数を3000rpmとし、トナー粒子前駆体分散液を320L/hrで供給した。ノズルの開口径は0.4mmに設定した。
〔実施例15〕
反応工程以降を下記の通り変更した以外は実施例1と同様の条件方法によりトナーを得た。
(反応工程)
重合性単量体組成物の分散液を別のタンクに移し、パドル撹拌翼で撹拌しつつ温度73℃に昇温し4時間反応させた。その後、更に85℃に昇温し、2時間反応させトナー粒子前駆体分散液を得た。その後、飽和水蒸気をトナー粒子前駆体分散液へ導入した。飽和水蒸気の導入を開始から20分後、容器内の内容物の温度は100℃に達し、蒸留留分が出始めた。トナー粒子前駆体分散液の重量の1/2の留分を得た。その後、トナー粒子前駆体分散液を40℃まで冷却した。
(濃縮工程)
40℃冷却したトナー粒前駆体分散液を目開き150μmのフィルターに通した後、図2に示すディスク型遠心分離機を用いて濃縮した。ディスク型遠心分離機の回転数を2900rpmとし、トナー粒子前駆体分散液を320L/hrで供給した。ノズルの開口径は0.4mmに設定した。排出口7から排出される除去されたトナー粒子前駆体分散液の分散媒に、トナー粒子前駆体が一部混入しており、濃縮液の濃度が35質量%となった。
〔実施例16〕
濃縮工程において、トナー粒子前駆体分散液の温度を53℃とした以外は実施例1と同様の条件方法によりトナーを得た。
〔実施例17〕
濃縮工程において、トナー粒子前駆体分散液の温度を70℃とした以外は実施例1と同様の条件方法によりトナーを得た。
〔実施例18〕
濃縮工程において、トナー粒子前駆体分散液の温度を80℃とした以外は実施例1と同様の条件方法によりトナーを得た。
〔実施例19〕
濃縮工程後、下記方法にてトナーを作製した以外は、実施例1と同様の条件方法によりトナーを得た。乾燥したトナー粒子から所定外の粒径のものを分級しトナー粒子を得た。
(有機ケイ素化合物の重合工程)
撹拌機、温度計を備えた反応容器に、イオン交換水60.0部を秤量し、10質量%の塩酸を用いてpHを4.0に調整した。これを撹拌しながら加熱し、温度を40℃にした。その後、有機ケイ素化合物であるメチルトリエトキシシラン40.0部を添加して2時間以上撹拌して加水分解を行った。加水分解の終点は目視にて油水が分離せず1層になったことで確認を行い、冷却して有機ケイ素化合物の加水分解液を得た。
得られたトナー粒子前駆体分散液の温度を55℃に昇温したのち、3.0%炭酸水素ナトリウム水溶液で、pHを5.5に調整した。55℃で撹拌を継続したまま、有機ケイ素化合物の加水分解液を25.0部添加して有機ケイ素化合物の重合を開始した。そのまま60分保持した後に、3.0%炭酸水素ナトリウム水溶液を用いてpHを9.5に調整し、更に240分保持してトナー粒子分散液を得た。
(濾過/乾燥/分級工程)
トナー粒子分散液を冷却し、トナー粒子分散液に塩酸を加えpH=1.2以下に調整して1時間撹拌放置してから、加圧ろ過器に濾材として濾紙使用してろ過を行い、RO水で洗浄し湿潤トナー粒子を得た。
得られたトナーケーキを40℃の恒温槽にて48時間かけて乾燥し・分級を行いトナーを得た。乾燥後のトナーのアスペクト比を表2に示す。
〔実施例20〕
濃縮工程を下記方法にてトナーを作製した以外は、実施例1と同様の条件方法によりトナーを得た。
(濃縮工程)
40℃冷却したトナー粒前駆体分散液を目開き200μmのフィルターに通した後、図1に示すディスク型遠心分離機を用いて濃縮した。ディスク型遠心分離機の回転数を4000rpmとし、トナー粒子前駆体分散液を180L/hrで供給した。排出される濃縮されたトナー粒子前駆体分散液の濃度が40質量%となるよう下降盤5を操作した。
〔実施例21〕
水系分散媒体調製工程を下記方法にてトナーを作製した以外は、実施例1と同様の条件方法によりトナーを得た。
(水系分散媒体調製工程)
造粒タンクにイオン交換水132.3部に塩化マグネシウム(水溶性多価金属塩)3.4部を溶解した水溶液に、イオン交換水26.5部に水酸化ナトリウム(水酸化アルカリ金属)2.7部を溶解した水溶液を添加し、T.K.ホモミクサー(特殊機化工業株式会社製)を用いて周速25m/sにて30分撹拌し、水酸化マグネシウム(難水溶性の金属水酸化物コロイド)分散液を調製した。得られた水酸化マグネシウム分散液を60℃に昇温した。
〔実施例22〕
下記の手順によってトナーを製造した。
(顔料分散組成物調製工程)
スチレン22.1部に対して、C.I.ピグメントレッド155を1.38部、C.I.ピグメントレッド122を2.30部、荷電制御剤(ボントロンE88;オリエント化学工業社製)を0.32部、サリチル酸アルミニウム化合物 0.02部、スルホン酸基含有樹脂(アクリベースFCA-1001-NS、藤倉化成製)0.55部用意した。これらを、アトライタ(日本コークス社製)に導入し、半径5.00mmのジルコニアビーズを用いて200rpmにて25℃で300分間撹拌を行い、顔料分散組成物を調製した。
(重合性単量体組成物調製工程)
下記材料を同一容器内に投入しT.K.ホモミクサー(特殊機化工業株式会社製)を用いて、周速20m/sにて混合・分散した。
・顔料分散組成物 26.62部
・スチレン 12.05部
・n-ブチルアクリレート 13.26部
・ポリエステル樹脂 1.90部
・スチレン-メタクリル酸-メタクリル酸メチル-αメチルスチレン共重合体
5.68部
(スチレン/メタクリル酸/メタクリル酸メチル/αメチルスチレン=80.85/2.50/1.65/15.0、Mp=19,700、Mw=7,900、TgB=96℃、酸価=12.0mgKOH/g、Mw/Mn=2.1)
更に、60℃に加温した後、結晶性物質:エチレングリコール(融点75.7℃、結晶化温度Tc:72.0℃)4.90部を投入し、30分間分散・混合を行い、重合開始剤2,2’-アゾビス(2,4-ジメチルバレロニトリル)4.50部を溶解し、重合性単量体組成物を調製した。
(水系分散媒体調製工程)
造粒タンクにイオン交換水129.6部、リン酸ナトリウム12水和物2.35部、10質量%塩酸0.97部を添加しリン酸ナトリウム水溶液を作製し、60℃に加温した。イオン交換水9.52部に塩化カルシウム2水和物1.36部を溶解し塩化カルシウム水溶液を得た。前述のリン酸ナトリウム水溶液に塩化カルシウム水溶液を添加し、T.K.ホモミクサー(特殊機化工業株式会社製)を用いて周速25m/sにて30分撹拌し、難水溶性無機微粒子分散液を調製した。調製した難水溶性無機微粒子の個数平均粒径MN(μm)および標準偏差SD(μm)を表1に示す。
(造粒工程)
水系分散媒体中に重合性単量体有組成物を投入し、温度60℃、窒素雰囲気下において、T.K.ホモミクサー(特殊機化工業株式会社製)にて周速25m/sで20分間撹拌し重合性単量体組成物の分散液を得た。
(重合工程)
重合性単量体組成物の分散液を別のタンクに移し、パドル撹拌翼で撹拌しつつ温度73℃に昇温し4時間反応させた。その後、更に85℃に昇温し、2時間反応させトナー粒子前駆体分散液を得た。その後、飽和水蒸気をトナー粒子前駆体分散液へ導入した。飽和水蒸気の導入を開始から20分後、容器内の内容物の温度は100℃に達し、蒸留留分が出始めた。トナー粒子前駆体分散液の質量の1/4の留分を得た。その後、タンク内部で撹拌を継続しながら、トナー粒子前駆体分散液を80℃まで冷却した。
(冷却工程)
反応工程で80℃で保持しているトナー粒子前駆体分散液をポンプにより、スパイラル式熱交換器を通過させ、40℃まで冷却を行い、別なタンクに移送した。この時、冷却速度が、1.5℃/secの速度になるように、トナー粒子前駆体分散液の供給量と熱交換器への冷水流量を調整した。
(保持工程)
冷却工程で得られた40℃のトナー粒子前駆体分散液をタンク内でパドル撹拌翼で撹拌しつつ53℃まで昇温し、その後60min保持した後、40℃まで撹拌を継続しながら、冷却を行った。
(濃縮工程)
40℃冷却したトナー粒前駆体分散液を目開き150μmのフィルターに通した後、図2に示すディスク型遠心分離機を用いて濃縮した。ディスク型遠心分離機の回転数を4000rpmとし、トナー粒子前駆体分散液を360L/hrで供給した。ノズルの開口径は0.4mmに設定した。
(洗浄/濾過/乾燥/分級 工程)
濃縮後のトナー粒子前駆体分散液を冷却後、塩酸を加えpHを1.2にし、2時間撹拌した。その後、加圧ろ過器に濾材として濾紙使用してろ過を行い、水で洗浄し湿潤トナー粒子を得た。湿潤トナー粒子を解砕し、温度40℃にて48時間乾燥しトナー粒子を得た。乾燥したトナー粒子から所定外の粒径のものを分級しトナー粒子を得た。分級前のトナー粒子のアスペクト比を表5に示す。
(外添工程)
トナー粒子100.0部に対し、ジメチルシリコーンオイルで表面処理された疎水性シリカ微粉体1.0部(数平均一次粒子径:7nm)をヘンシェルミキサー(日本コークス社製)で10分間乾式混合してトナーを得た。
分散剤調製工程で調製した難水溶性無機微粒子の個数平均粒径MN(μm)および標準偏差SD(μm)、トナー粒子前駆体分散液の温度と濃縮前後の濃度、トナー粒子前駆体のガラス転移温度Tg(℃)と難水溶性無機微粒子の被覆率を表1に示す。運転条件として、トナー粒子前駆体分散液の供給流量F(L/hr)、Q/Σ、使用したノズルの口径(mm)とディスク回転数を表3に示す。
急冷工程の冷却開始温度(℃)、冷却終了温度(℃)、冷却速度(℃/sec)、保持工程の保持温度(℃)、保持時間(min)を表4に示す。
得られたトナーの現像性評価を以下に示す方法で行った。
<現像性に関する評価>
評価機としてLBP7200C(キヤノン社製)の改造機を使用し、マゼンタカートリッジに得られたトナーを詰め替えた。高温高湿環境下(30℃、80%RH)においてカブリの評価を行った。なお、カブリの評価は、5%の印字比率の画像を2,800枚印字後に行った。評価紙にはA4サイズのCLCカラーコピー用紙(キヤノン社製、秤量80g/m2)を用いた。
耐久後に、白地部分を有する画像を出力し、「REFLECTMETER MODEL TC-6DS」(東京電色社製)により測定した出力画像の白地部分の白色度と評価紙(記録材)の白色度の差から、カブリ濃度(%)を算出し、画像カブリを評価した。フィルターはグリーンフィルターを用いた。
A:1.0%未満(良好)
B:1.0%以上2.0%未満
C:2.0%以上3.0%未満
D:3.0%以上
<ディスク型遠心分離機内部の評価>
濃縮後のディスク型遠心分離機内の付着は下記に示す基準で行った。
濃縮工程終了後、ディスク型遠心分離機を分解し、トナー粒子前駆体の固着の有無とその程度を確認した。評価結果は以下の通りに分類した。
A:トナー粒子前駆体の固着がない
B:軽微な固着があるが連続生産において問題にならない
C:固着が複数あるが、直ちに清掃を必要としない
D:固着箇所が複数、または、全面にあり、直ちに清掃が必要
トナーの現像性評価結果、ディスク型遠心分離機内の付着、および濃縮工程前後のトナー粒子前駆体のアスペクト比を表5に示す。
〔実施例23~28〕
冷却工程において、トナー粒子前駆体の冷却条件を表4の通りに変更した以外は実施例22と同様の条件方法によりトナーを得た。
〔実施例29~34〕
保持工程において、トナー粒子前駆体の保持条件を表4の通りに変更した以外は実施例22と同様の条件方法によりトナーを得た。
〔比較例1〕
反応工程以降を下記方法にてトナーを作成した以外は、実施例1と同様の条件方法によりトナーを得た。
(反応工程)
重合性単量体組成物の分散液を別のタンクに移し、パドル撹拌翼で撹拌しつつ温度73℃に昇温し4時間反応させた。その後、更に85℃に昇温し、2時間反応させトナー粒子前駆体分散液を得た。その後、飽和水蒸気をトナー粒子前駆体分散液へ導入した。飽和水蒸気の導入を開始から20分後、容器内の内容物の温度は100℃に達し、蒸留留分が出始めた。トナー粒子前駆体分散液の重量の1/4の留分を得た。その後、トナー粒子前駆体分散液を40℃まで冷却した。
(pH調整工程)
冷却したトナー粒子前駆体分散液に、塩酸を加えpHを1.2にし、2時間撹拌した。pHを調整したトナー粒子前駆体分散液の一部を加圧ろ過器に濾材として濾紙使用してろ過を行い、水で洗浄し湿潤トナー粒子前駆体を得た。その後、湿潤トナー粒子前駆体を乾燥させ、被覆率を算出した。
(濃縮工程)
40℃冷却したトナー粒前駆体分散液を目開き200μmのフィルターに通した後、図2に示すディスク型遠心分離機を用いて濃縮した。
ディスク型遠心分離機の回転数を4000rpmとし、トナー粒子前駆体分散液を360L/hrで供給した。トナー粒子前駆体の濃縮前後の濃度、濃縮後のディスク型遠心分離機内の付着は下記に示す基準で行った。ディスク型遠心分離機内の付着の評価結果を表2に示す。
(洗浄/濾過/乾燥/分級 工程)
濃縮後のトナー粒子前駆体分散液を、加圧ろ過器に濾材として濾紙使用してろ過を行い、水で洗浄し湿潤トナー粒子を得た。湿潤トナー粒子を解砕し、温度40℃にて48時間乾燥しトナー粒子を得た。乾燥したトナー粒子から所定外の粒径のものを分級しトナー粒子を得た。分級前のトナー粒子のアスペクト比を表2に示す。
〔比較例2〕
水系分散媒体調製工程を以下のように変更した以外は実施例1と同様の条件方法によりトナーを得た。
(水系分散媒体調製工程)
造粒タンクにイオン交換水129.6部、リン酸ナトリウム12水和物2.41部、10質量%塩酸1.16部を添加しリン酸ナトリウム水溶液を作成し、60℃に加温した。イオン交換水9.79部に塩化カルシウム2水和物1.40部を溶解し塩化カルシウム水溶液を得た。前述のリン酸ナトリウム水溶液に塩化カルシウム水溶液を添加し、T.K.ホモミクサー(特殊機化工業株式会社製)を用いて周速25m/sにて30分撹拌した。
Figure 0007218115000002
Figure 0007218115000003
Figure 0007218115000004
Figure 0007218115000005
Figure 0007218115000006
1:ディスク型遠心分離機、2:投入口、3:装置側壁、4:ディスク、5:下降盤、6:濃縮液排出部、7:排出口、8:回転軸、9:ノズル、α:ディスクの角度、r1:ディスク外形の半径、r2:ディスク内径の半径

Claims (12)

  1. 水系分散媒体に樹脂粒子が分散された樹脂粒子分散液中の樹脂粒子の固形分率を上げる濃縮工程を有する樹脂粒子の製造方法において、
    該濃縮工程は、ディスク型遠心分離機を用いて行われ、
    該樹脂粒子分散液中の樹脂粒子は難水溶性無機微粒子で覆われており、
    該難水溶性無機微粒子の被覆率が50%以上であり、
    該濃縮工程で取り除かれる分散媒の処理量Q(m 3 /hr)と、該ディスク型遠心分離機の分離沈降面積Σ(m 2 )との関係が、
    0.2≦Q/Σ≦0.8
    であ
    ことを特徴とする樹脂粒子の製造方法。
  2. 該難水溶性無機微粒子の体積平均粒径が、0.05μm以上0.10μm以下である請求項1に記載の樹脂粒子の製造方法。
  3. 難水溶性無機微粒子の体積平均粒径に対する標準偏差をSD(μm)としたとき、
    0.20≦SD≦0.60
    である請求項1または2に記載の樹脂粒子の製造方法。
  4. 濃縮工程において、該樹脂粒子分散液の温度が、該樹脂粒子のガラス転移温度Tg(℃)以下で行う請求項1~のいずれか1項に記載の樹脂粒子の製造方法。
  5. 該難水溶性無機微粒子が難水溶性金属化合物である請求項1~のいずれか1項に記載の樹脂粒子の製造方法。
  6. 該難水溶性無機微粒子が難水溶性リン酸金属塩である請求項1~のいずれか1項に記載の樹脂粒子の製造方法。
  7. 請求項1~のいずれか1項に記載の製造方法を用い、該樹脂粒子分散液が着色剤を含有するトナー粒子前駆体分散液であることを特徴とするトナー粒子の製造方法。
  8. 該トナー粒子前駆体が結晶性物質を含有し、該結晶性物質が離型剤であり、該濃縮工程において、該トナー粒子前駆体分散液の温度が、該離型剤の融点Tm(℃)以下で行う請求項に記載のトナー粒子の製造方法。
  9. 結着樹脂と結晶性物質を含有するトナー粒子前駆体分散液を冷却する冷却工程を有し、
    該冷却工程における該トナー前駆体分散液の冷却開始温度は、該結晶性物質の結晶化温度Tc(℃)と該トナーのガラス転移温度Tg(℃)とのうちの高いほうの温度以上であり、
    該トナー粒子前駆体分散液の冷却終了温度は、該ガラス転移温度Tg(℃)以下であり、
    該冷却工程における該トナー粒子前駆体分散液の冷却速度が0.3℃/sec以上であり、
    該濃縮工程は、該冷却工程終了後、ディスク型遠心分離機を用いて行われる請求項またはに記載のトナー粒子の製造方法。
  10. 該冷却工程における該トナー粒子前駆体分散液の冷却速度は1.5℃/sec以上である請求項に記載のトナー粒子の製造方法。
  11. 該冷却工程を経た該トナー粒子前駆体分散液を、Tg-10℃以上Tg+10℃以下の温度で30分以上保持する保持工程を有する請求項または10に記載のトナー粒子の製造方法。
  12. 該結晶性樹脂が、エステルワックス又は結晶性ポリエステルである請求項11のいずれか1項に記載のトナー粒子の製造方法。
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